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平井秀憲 学位論文審査要旨

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Academic year: 2021

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平成20年 2月

平井秀憲 学位論文審査要旨

主 査 畠 義 郎 副主査 押 村 光 雄 同 河 田 康 志

主論文

Functional characterization of the recombinant group II chaperonin α from

Thermoplasma acidophilum

Thermoplasma acidophilum

由来リコンビナントグループII型シャペロニンαの機能特性)

(著者:平井秀憲、野井健太郎、本郷邦広、溝端知宏、河田康志)

平成20年 The Journal of Biochemistry 掲載予定

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学 位 論 文 要 旨

Functional characterization of the recombinant group II chaperonin α from

Thermoplasma acidophilum

Thermoplasma acidophilum

由来リコンビナントグループII型シャペロニンαの 機能特性)

生体内には無数のタンパク質があり、それぞれの役割を担い、細胞のふるまいを決定し ている。また、タンパク質の変異による機能損失、構造不安定化や凝集体形成が神経変性 疾患をはじめとする様々な疾病に関連することが知られている。タンパク質が機能するた めには、それぞれに特徴的な固有の天然三次元構造に折りたたまれること(フォールディ ング)が必要である。一方、フォールディングをはじめタンパク質の成熟、移動、品質管 理・維持を行う分子シャペロンと呼ばれるタンパク質群が生体内に存在する。筆者らはタ ンパク質の構造形成を介助する分子シャペロンの1つであるシャペロニンのうち、グループ I型シャペロニンに比べ機能解析が遅れている哺乳類サイトゾル型であるグループII型シ ャペロニンに注目し、古細菌

Thermoplasma acidophilum

T. acidophilum

)由来リコンビ ナントグループII型シャペロニンα(Ta-cpn α)の構造、機能について検討した。

方 法

古細菌

T. acidophilum

由来グループII型シャペロニンの構造遺伝子をクローニングし、

大腸菌による発現系を構築、精製法を確立した。精製したTa-cpn αの分子量の測定、透過 型電子顕微鏡(TEM)による構造観察により構造的評価を行った。また、Ta-cpn αのシャ ペロン機能の評価は、Mg2+、Mn2+及びCo2+存在下でのヌクレオチド加水分解、上記の3種金属 イオン存在下での

Thermus

sp.リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(MDH)を基質タンパク質とした リフォールディング活性、Mg2+、Mn2+存在下での緑色蛍光タンパク質(GFP)のリフォール ディング活性、ロダネーゼ及びルシフェラーゼを基質タンパク質として熱凝集抑制効果に より行った。

結 果

精製したTa-cpn αは、GroELより大きな複合体を形成した16量体オリゴマー構造である

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3

ことを明らかにし、TEMによりシャペロニンに特徴的なリング状の四次構造を確認した。シ ャペロニン機能に重要な役割を担うATP加水分解活性はMg2+、Mn2+及びCo2+イオン存在下で微 弱ながら観測された。ATP加水分解活性で最も高い活性を示したMg2+存在下でTa-cpn αは変 性タンパク質モデルである

Thermus

sp. MDH、GFPの構造形成中間体を結合し、ATP添加によ って解離し、正しい構造にリフォールディングした。さらにMn2+、Co2+イオン存在下でも

Thermus

sp. MDHのリフォールディングの促進がMg2+同様にATP添加により起こり、Ta-cpn α はMg2+だけでなくMn2+、Co2+を2価金属イオンとして利用している可能性が示された。また Ta-cpn αは非常に熱凝集しやすい基質タンパク質であるロダネーゼやルシフェラーゼに対 してMg2+、Mn2+存在下で熱保護効果を示した。Mg2+とMn2+存在下でのTa-cpn αのシャペロン活 性を比較するとATP加水分解活性の結果に反して、Mn2+存在下でのシャペロン活性の方が有 意に高い活性を示した。そこで、金属イオンのTa-cpn αに与える影響を調べたところ、疎 水性領域が、金属非存在下<Mg2+<Mn2+の順に上昇していることが明らかとなり、Ta-cpn α の疎水表面の露出と基質の結合能は非常によい相関関係を示した。

考 察

グループII型シャペロニンであるTa-cpn αはシャペロン活性を保持しており、大腸菌由 来グループI型シャペロニンであるGroELとよく似た機能を有することが示された。また Mn2+存在下によるTa-cpn αの疎水性及びシャペロン活性の上昇はGroELでも観察されており、

シャペロニンに共通した効果であることが示唆された。本研究で得られた結果は、機能解 析が遅れている哺乳類サイトゾル型であるグループII型シャペロニンにおいて、Ta-cpn α をモデルとした作用機序解明の基盤をなすものであり、重要な意味を持つ。

結 論

哺乳類サイトゾルに存在するCCTはTa-cpn αと同様にグループII型シャペロニンに属し、

転写因子や細胞骨格の主要因子などの生体内において重要な役割を担うタンパク質のフォ ールディングに関与している。本研究で得られた知見は、この哺乳類サイトゾル型シャペ ロニンの機能を理解する点からも大変重要と考えられる。さらにシャペロニンの内包、保 護能力を用いたドラックデリバリーシステムへの応用へ向けても、その機能特性の理解は 重要であり、機能改変や変異体設計に向けて、より緻密な戦略を取り得るようになると期 待される。

参照

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