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論文の要旨及び判定理由

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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

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様式6-A)A. 雑誌発表論文による学位申請の場合

安逹 彰子 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨

題 目

Dose–volume histogram parameters of high-dose-rate brachytherapy for StageI–II cervical cancer(≤4cm) arising from a small-sized uterus treated with a point A dose-reduced plan

(萎縮子宮に発生したI-II期子宮頸がん(4㎝以下)に対するA点線量低減高線量率腔内照射における線量体積ヒス トグラムの解析)

Journal of Radiation Research 55(4): 788-93, 2014

Akiko Adachi, Tatsuya Ohno, Shin-ei Noda, Nobuteru Kubo, Keiko Kuwako, Jun-ichi Saitoh, Takashi Nakano

論文の要旨及び判定理由

子宮頸癌に対する根治的放射線治療は一般に外照射と腔内照射の併用で行われる。腔内照射は急峻な線 量勾配で腫瘍に大線量を投与しつつ、膀胱や腸管など隣接臓器の線量が低減可能である。これまで、萎縮 した小子宮に発生した早期子宮頸癌では、従来通りA点6Gyという定型治療で線量処方した場合には高線量 域が子宮外まで及ぶため、特に直腸の有害事象リスクが高くなることが問題であった。本研究では、早期 子宮頸癌を対象に、A点線量を減量して個別化治療を行った症例のCT治療計画の線量体積ヒストグラㇺ解析 を行うことにより、有害事象を低減し、かつ腫瘍制御を維持できる定量的指標を見出すことを目的とした。

対象は組織学的に診断された子宮頸癌、臨床病期I-II期、腫瘍径4cm以下を満たした症例19例であった。

全例でA点6Gyの治療計画が行われ、直腸線量が高線量となった12例はA点線量を減量した「A点線量減量計 画」で、残りの7例は「定型6Gy計画」で治療が行われた。A点線量減量計画の12例についてはA点6Gyの「仮 想A点6Gy計画」も解析した。腫瘍と直腸の線量評価にはHigh Risk Clinical Target Volume(HR-CTV) D90

(HR-CTVの90%に投与された最小線量)と、直腸D2cc(最も高線量が照射された領域2㏄の最小線量)を用 いた。生物効果等価線量の計算には、Linear Quadratic Model(LQモデル)を用いて、外照射と腔内照射の 和を1回2Gy換算の総線量(GyEQD2)として算出した。HR-CTV D90の総線量中央値は定型6Gy計画で62GyEQD2、

A点線量減量計画で64GyEQD2、仮想A点6Gy計画では80GyEQD2であった。直腸D2ccの線量中央値は同様に 42GyEQD2、51GyEQD2、62GyEQD2であった。

これまで4㎝以下の腫瘍制御に必要とされるHR-CTV D90については十分に確立されていないが、A点線量 減量計画であっても、定型6Gy計画と同等の線量が投与されていた。また、全例が局所制御されていた。一 方直腸の線量制約の一つである直腸D2ccの総線量70GyEQD2をA点6Gyの治療計画では19例中3例で満たすこと をできていなかったが、A点線量減量計画にて3例とも直腸線量を下げることができており、2例では 70GyEQD2以下とすることができた。また全19例において、Grade2以上の有害事象は認められなかった。

以上から、小子宮に発生した4㎝以下の子宮頸癌に対して、A点線量を減じた画像誘導腔内照射の有用性 が示唆された。子宮頸がん放射線治療の個別化のために意義がある研究と認められ、博士(医学)の学位 に値するものと判定した。

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博士課程用(甲)

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平成29年 7月 3日 審査委員

主査 群馬大学教授(医学系研究科)

放射線診断核医学分野担任 対馬 義人 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

神経薬理学分野担任 白尾 智明 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

泌尿器科学分野担任 鈴木 和浩 印

副査 自治医科大学教授 放射線医学分野担任 若月 優 印

参考論文

1. Combining carbon ion irradiation and non-homologous end-joining repair inhibitor NU7026 efficiently kills cancer cells.

(重粒子線治療と非相同末端結合修復阻害剤NU7026の併用により効果的にがん細胞を殺すことが できる)

Radiation Oncology 10:225, 2015

Ma H, Takahashi A, Yoshida Y, Adachi A, Kanai T, Ohno T, Nakano T

参照

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