社 会系 教 科 教 育 学 会 『 社 会 系 教 科 教 育 学 研 究 』 第 3 号 1991 (pp. 49-52)
環 境 教 育 に お け る 評 価 基 準
A Study on Evaluation Standards in the Environmental Education
I 。 は じ め に 近 年 , 地 球 的 規 模 で の 環 境 問 題 が深 刻 化 し , そ の解 決 が人 類 共 通 の 課 題 と な っ た。 そ れ に と もな っ て 環 境 教 育 の重 要 性 は し だ い に増 し て きて い る。 こ の よ う な 状 況 の もと 単 に 危 機 的 状 況 を 認 識 す る だ け で な く, 自 分 た ち の 生 活 を 見 直 し , 各 自 が 積 極 的 に 環 境 問 題を 解 決 す る指 導 方 法 が 開 発 さ れ ね ば な らな い。 ま ず , 著 者 は, 環 境 教 育 を 次 の よ う に定 義 す る。 匚環 境 教 育 と は, 国 民 ひ と り ひ とり が人 間 と環 境 の 関 わり に つ い て 正 し い 知 識 を もち , 環 境 へ の配 慮を 欠 い た 行 動 が, 地 球 に 重 大 な 害 を 及 ぼ し 人 類 の生 存 を 危 う く す る と い う認 識 を 深 め, 環 境 を 積 極 的 に保 全 し 向 上 さ せ る と と も に, 豊 か な 惑 星 地 球 を 次 の 世 代 に引 き 継 ぐ こ と の で き る人 間 を 社 会全 体 で 育 成 す る こ とで あ る 。 」 そ れで は ど のよ う に し て 環 境 問 題 解 決 の た め の指 導 を お こ な っ て い け ば よ い のだ ろ う か 。 わ れ わ れ は将 来 の あ る べ き状 況 を 想 定 し, そ の た め に 現 在 ど の よ う な 行 動 を と る べ き か を 考 え な け れ ば な ら な い 。 著 者 は, 現 在 の行 動 と 未 来 の状 況 を 「 原 因 = 結 果 」 の 関 係 で と ら え る “ 未来 予 測 能力 の形 成” を “環 境認 識 が深 まる’ と 呼 び , そ の た め の授 業 構 成 な ら び に 評 価 基 準 を 研 究 し よ う と す る。 環 境 教 育 の 指 導 方 法 に つ い て , 危 機 的 状 況 の 認 識 の さ せ方 , 自 然 へ の 共 感 も含 め た 具 体 的 な 体 験を 通 し て の指 導 に 関 す る 研 究 は す で に お こな わ れ て い る。 し か し , 未 来 予 測 を ふ く めて 環 境 認 識 の 深 ま り を 評 価 す る 基 準 に つ い て の 研 究 は充 分 で は な い 。 本 研 究 で 明 ら か に し よ う とす る 環 境 認 識 の 評 価 基 準 は 意 義 のあ る も の だ と 考 え る 。 n 。環 境認識を深 める授業 開発 環境認 識が深 まると は, 環境問題 に たい す る現 状, 原因 のみならず, 将来 の対策を 含 めて総 合的に理解 し ている ことをいう。著 者 は, それを未来予 測能力 の形 成 と呼 ぶ。 本章で は, 環境認識を 深 めるための授業開 発について 述べる。尚, 本研究 では, ゴ ミ問 題に焦点 を しぼ って論 じてい く。 船 引 規 正 ( 神戸 市 立 御 影 工業 高 等 学 校) 環境問題を 解決 するために次 の3点を指導 する。 ま ず,過去 か ら現在 におけ る環 境悪 化 の状況を 認識さ せ 将来 の状況 を予想 させる。次 に, なぜ環境 が悪化す る のか という根本的な 理由をエ ントロピ ー理論 を もちい て理解 させる。 そし て, 複雑 に絡み合っ た環 境問題を とき ほぐし, 有効な 未来 予測をお こな わせ るため に鍵 概念を指導 する。 ①現状 の数 的理解な らびに未来予 想 ’蝕師の剛さかけ 牛M内容(*)と霖el点(・) 表冲戸山のゴミの爪はどのよう に川加してきていまd'か? 枩人口.年川ゴミ収集m 、ili・ 一人当ゴミ予μの数値を振 町 すろ。 *ノートに爽をつくり(昭朗8 年∼石3尓)数帆を肥 人する。 ・人U、ゴミ収集夙、ゴミ予μが川加していること に飢づかせる. が 匳F 人当たりのゴミ圜1賤 はどのように川加してきてい ますか? ★巾民一人当たりゴミTp はど のように川加してきています か? ・ 幸先の数哨をもとにal卵をおこない及を允成すろ。 ・総眺力芍加しているだりでなく.市& 一人当たり のゴミ防山鼡、ゴミ丁卵もj竹加していることに気 づかせろ。 ・このことからil;民の生荊陵式がゴミを大爪に防出 すろようになったこと、巾が負1皿している刹笛11 もそれにともなって川加していることに只づかせ る. ☆市民一人一り当たりゴミ叭山 爪、市沁一人当たりゴミ予p をグラフ化1'る。 幸先の宍をグラフ化f ろ。 ・グラフ化することで、隍侈のJ髟}をつかま1!ろ。 脊勺‘剛ゴミJn尓序を11pさせる ☆このj勍Irlてりrsが;IM;した 切今.あと同限でゴミのrnが 2叭になるかを3Spさせろ. *年間ゴミ川加呻をμ山し.それをもとに夊柬の状 況を丁測す`る。 ・剛119年と63尓の年間プミ収叭吼から増加r↑tを31・ p させる。 ヽ ・倍川畄要助mjのp 山力法は、すでに孚17していろ が、70を1卩1 で割ることを思い山させる. 表このままゴミか川加1‘ろとど のような状況力吁 想されます か? ☆グラフ、剔nlゴミ川加冖廴 価 丿网 川 をもとに呻尸iliのゴミ ll鞜 をまとめさせろ。 幸陣戸巾のゴミp祠 を眤苡1'ろ。 ・年々川加け るゴミを処P陟 ろ旅次の卩1皿、ゴミ対 策17の問町を認識させる. ・企業の大吼Ul痙、捫n 者の大爪ill贄力叩囚である ことに気づかt!る。 ・ゴミ刹r叮1の副政への彫胃について考えさせる。 図 1 現 状 の数 的理 解 な らび に末 来予 測 の学 習指 導 略案 経 済 学 で は, 過 去 か ら 現 在 へ の ト レ ン ト を 方 程 式 で あ ら わ し, そ の延 長 線を 未 来 に延 ば し て 状 況 を 予 想 す る 。 こ の 方 法 を ゴ ミ 問 題 に応 用 す る 。 現 在 の 増 加 率 で ゴ ミが 増 加 す る と す れ ば, 将 来 ど の よ う な状 況 に な る かを 考 え さ せ る。 お そ ら く, そ れ は 危 機 的 状 況 を 示 す と 考 え ら れ る の で, そ こ か ら 必 然 的-に 対 策 を 考 え な け れ ば な らな い と い う 切 迫 感 を 生 徒 的-に 与 え る こ と が で き る 。 本 研 究 で は, 倍 増 所 要 期 間 を 概 算 さ せ る 方 法 を 用 い た。70 を 年 率 で 割 る と 倍 増 所 要 期 間 が 概 算 で き る 。゛1) 指 数 計 算 は暗 算 で は 不 可 能 で あ る が , こ の 方 法 を 用 い れ ば 簡 単 にト レ ン ト を つ か む こ と が で き る 。 -49 ―
ま た , 個 人 の 生 活 様 式 を 変 更 す る よ う な 未 来 予 測 を お こ な わせ る た め に , 全 体量 だ け で な く 「 ひ と り 当 た り」 と い う 計 算 もお こな わ せ た 。 こ の ゴ ミを 大 量 に 出 す生 活 様 式 と人 口 増 加 が あ い ま っ て , ゴ ミの 全 体 量 が 増 加 し て い る こ とを 理 解 さ せ た。 さ ら に , 行 政 な ど の社 会 的 制 度 も考 察 させ る ため に, ゴ ミ 処 理 費 用 の推 移 も扱 っ た。 ゴ ミ処 理 費 用 の増 加 も 著 し い 増 加 傾 向 が み られ る。 こ れ も, 行政 だ け に ゴ ミ 問 題 を お し つ け る こ と の問 題 に 気 づ か せ る こと にな る。 ② エ ン ト ロ ピ ー理 論 の導 入 ゛2j 教師の働きかけ 学町内容(*)と啻卮点(・) 大エントロピーとは何か? *熱が7 のl 二法則(エントロピー畊大の法叩 を 復習する。 ・卻育卜,エントロピーを「汚れ」と;ila する。 ☆勁物の活勁をr 汚れJ を山す 活動として説明する。 案勁物は生きろために椪々な活動をする。その活助 により「汚れ」力哇 まれる。この「汚れ」を排山 し、新たに水や食料劼 勵 してJ 吻 は生き班け る。 ・「水、卸 艸 「帥 」が 酳 駲J と阮 ☆人FnM)生煦活動をTC-h.」を 川いて説明j‘る. *人問は生薦を豊かで便利なものにするために様々な生産活助を行う。その活助はr 汚れJ を生み山 す。このr 汚れ亅を捨て去り、新たな資源を恥充 することで 阯会は繁栄を位ける。 −r身源亅-5r 社会亅・⇒1廃物厦笳j と図示する. ☆牧鋼の生炭過程を筱吽すろ。 ☆止産7S助をエントロピーを川いてまとめさせろ。 幸生麗とは.価値ある貫ぬを甬貸し.「汚れ」をつ くり出j‘活助であると哩解すろ. ☆r 汚れ亅 を吶て去ろことがで きなければ.人間社会はどの ようになるかを考えさせる。 ヰわれわれは.生活を便利なものにするために多く の物を生産してきた。しかし、同│々に多くのr 汚 れJ もつくり山してきた.この大笊のr 汚れ亅を 処理できなければ.社会は城んでしまう。 ・便利な生活の追求とゴミの処圃の問霑がトレード ォフの俣}係にあることを理解させる. ★慶奩物が処司できないのなら われわれはどうすればよいだ ろうか? *物の生夕11を畩少させることを考えなければならな いことに気づく。 *また、物から得られる孱足感だけではなく、納神 的な満足罵力脣 られろよう考え方を変えていく必 嬰があることに気づく. 図 2 エ ントロ ピー理論を導入 する学習 指導略案 次 に, どうして人 間はゴ ミを生 み出して しまう のか とい う根 本的な原因を 理解さ せるため にエントロ ピー 理論を導入 する。最初 にエ ント ロピ ー理論 をつか って 経済過程 を説明し たのは ボールデ ィングであった。 彼 は,「生 産 は高い エ ントロ ピーを もつ 屑を 生 み出 すと いう代 償を支払 って低い エント ロピ ーの製 品をつ くり あげ る」 と述 べた。 簡 単のた め, エントロ ピーを「汚 れ」 と定 義 す る。 そし て,人 間 の社 会活動を従来 のよ うに物 を生産 する と考 えるので はなく, 資源を消費 し,「 汚れ」をつ く り出 す活動であ るとと らえさ せる。人 間の社会活動 に よ ってつくり出 された「汚 れ」 が自然 の浄化能力 を越 え ると環境問題 が発生す るのであ る。 このような エントロピ ー理論の導入 により,人 間の 社 会生活が ゴミを発生さ せるこ とを認 識させ ることが できる。こ の認 識が,必 然的 に発生 する ゴミを いか に 最小限 にくい とめる か, いか に発生 してし まった ゴミ を 処理する かという未来予 測 につ ながってい く。 ③未来予測 のための鍵概 念’3) 環 境 問 題 は , 複 雑 に 絡 み 合 っ た 複 合 問 題 で あ る こ と が 多 い 。 因 果 関 係 を と き あ か す た め に は , 絡 み 合 っ た ● ● ■ ● 。 ¶¶ 糸 を と き ほ ぐ し て い か ね ば な ら な い 。 ゴ ミ 問 題 に お い て は , 廃 棄 物 を 分 類 す る こ と が ひ と つ の 鍵 と な る 。 廃 棄 物 を す べ て 同 じ よ う に 扱 っ て は 未 来 予 測 は 立 て に く い し , か り に 立 て た と し て も 具 体 性 に 欠 け る 恐 れ が あ る 。 こ こ で は , 廃 棄 物 を リ サ イ ク ル で き る か 否 か で 分 類 し た 。 さ ら に リ サ イ ク ル で き る も の を 再 資 源 化 可 能 廃 棄 物 と 土 壌 分 解 可 能 廃 棄 物 に 分 類 し た 。 そ し て 未 来 予 測 に 応 用 で き る 典 型 的 な 概 念 と し て 本 研 究 で は , 「 リ サ イ ク ル 」 , 「 循 環 」 , 「 規 制 」 を 取 り 上 げ た 。 教師の働きかけ 学習内容(*)と留意点(・) ★われ れが、 物を価用した暁 の慶lg;を見ろことめできる . ’廃111物メガネ゛でL!!の巾を 見てろよう. 4われわれのつくり出したものは必ず颶欒物になる ことを即解する. ・われわれは、いつ も使川した匯の廃奬物のことを 考えておかねばならないことに気づかせる. ☆廃奎物をリサイクルできるか できないかで分刄ltる. * 訊休廃皿痂廃熱、 扮麈 啀 リサイクル不可 水謡性廃棄初 典 一 処li咽?t伽 物 [ 瑁 慶皿物 リィサクル可能 阿資源化可能廃棄物 ̄匸こil 垓分解可11鬯ul物 大現rEの廃皿物の処皿方法はど のようなものがあるか7 *現在の処理方法は、Ⅲたれ流し、12焼紐、(3飃め立ての3つしかなく、すべてS埴破壊につながっ ていることを知る. ★廃皿物の処哩としてどのよう な文・J頂が行われているか? 灸また、その刹策の酊皿a も考 えてみよう。 *①リサィクルー徒来ゴミとして沽てていたものを 町利川、円砥用してゴミの爪を減らす。 ・晟鮗的にはゴミになるし.町生の過程で多くのエ ネルギーを必要とすることに気づかせろ。 *(7順環一自然の廃棄物処砌11yJを利月jする。生物 起爾の廃跫物を徹生初に分解させる。土に戻せる ゴミとそうでないゴミに分肘かろ必要がある。 ・化成肥科の方が{更下1だ あるし、ゴミの耙 吋恂とa 地との厄履があるため実施は困尊であろが、この 処理方怯力に 贋f箆 唹rであろことを階刄する。 *③肌剛一規制によってallhめをかける。行政は磊 熟、堙.廃奥ガスなどの規制をおこなっている. ・捫r?乙は晧てられないものはr7わない。企j!も自 然に現せないものや使い陰ての黠7,はつくらない といった行政以外の垠工りについても考えさせる. 図 3 鍵 概 念 を 指 導 す る 学 習 指 導 略 案 Ⅲ。 環境認 識の評価基 準 前章で述 べたよ うに環境認識を深 めるための方策 は 次の3点で ある。 ① 現状 の数的理解 な らびに未来予想 ② エントロピ ー理論の導入 ③ 未来予 測の ための鍵概念 次の図 は, こ れら3つが どのよう に環 境認 識を深 め るかを示 している。。 図 4は,左 か ら右に過去,現 在, 未来 と時の流 れを 示 して いる。ま た, この図 は3層構 造 にな って い る。 第1層 は過去か ら未来 ,第 2層 は現在 と未来, 第3層 は過去 と現在を示 してい る。 環境 教育で は, 第3層 の過去 と現 在の環境問 題の因 果関 係を認識 するだけで は不 十分で あり,第 2層の現 在 の行 動と未来 の状況 の因果 関係を予 測す る能力 の育 成をお こな わな ければな らない。 このよう に第 3層か −50 −
ら第
2層へ
と認識が移行することを環境
認識が深ま
っ
た
と呼ぶ
。
現状の数的理解
ならびに未
来予想は
,第
1層に
示し
ている
。過去か
ら現在への
トレン
トを実線
,現在か
ら
未
来への予測を点線で示
している
。実線のまま事態が
進行す
ると仮定
して
,点線部分
を予想するのである。
この作
業によ
り
,生徒は将
来の
危機
的状況
を予想する
ことに
なる
。この予想は,生徒に問題解決に向か
う動
機
を与えることにもなる。
エン
トロピ
ー理論は,第
2腦と第
3層のすべ
てを含
ん
で
,時の
流れ
とともに進行
していくもの
と
して示
し
ている
。砂
時計は
,砂が
下まで落ちてしまえば,逆さ
まに
して再び時をはかることができる
。しか
し,われ
われ
を取
り巻
く現実は
,逆
さまにすることの
できない
砂
時計の
ようなもの
である
。時の流れ
とともにエン
ト
ロピ
ー
は増
大
し,いったん増大
して
しまった高エン
ト
ロピ
ー
は再び低エン
トロピー
に戻る
ことは
ない。この
原則は
,未
来予測を行わせるときに踏まえておかなく
てはな
らない。
未来予測のための鍵概念は
,図の
第
3層か
ら第
2層
に伸びる3本の太い矢印で示
している
。この
3つの
鍵
概念は
,生徒が
自由に未来予測
を行
う際に
ある種の制
限になる
。
しか
し,それ
は悪い意味での
制限
ではな
く,
生徒の未
来予測
を有効
なものにするための
もの
で
ある
。
第
3層
第
2層
第
1層
湊竃
以上の説
明から明らかなように
,未
来予測
を行わせ
るため
には
,現状の数
的把握
と未
来予想
,エ
ン
トロピー
理論
,鍵概念が指導され
なけれ
ばな
らない。これ
らを
受けて環境認識の
評価
基準①
ゴミ問題の
評価基準を次のよ
現状
を数的に
うに
設定する
把握できてい
。
るか。
評価基準②
数的根拠
を示
しなが
らゴミ問題の将来
の
状況を予想
しているか。
評価基準③
ゴミ問題の原因をエン
トロピー
概念を
用いて理解
しているか
。つま
り,人間
の社会
生活がある限
りゴミが発生
して
しまうという
ことを押さえているか
。
評価基準④
「リサイクル
」
「循
環」
『規
制
』
とい
っ
た
3つの
鍵概念に基づいてゴミ問題の
具体的な対策
(未来予測)ができてい
るか
。
図
4で示した
ように
,これ
ら4点を押さえることに
より有効
な未
来予測
をおこなわせることができる。
Ⅳ
。授
業分析
環境教育の授
業展開と
してはすでに優れ
た研究があ
る
。船橋
小学校著
『環境教
育と体験学習』
¨)
や佐島群
巳
・須田坦男編
『
「環境
を見つめ
る」学習と方法』*5
)
などである。これ
らの研
究の優れた
点として次の
3点
があげられ
る。
①環境に関する基本的な知識
・概念
を子どもの発達
段階に応
じ
て指導
している。
②観察
,調査
,実験
,作
業などの体験活動を通
して
様々な能
力を育成
しようとしている
。
③地域の
問題
をと
りあげ,実践
活動
として活か
して
いる
。
しか
しなが
ら
,著者の
主張する未
来予測能力の育成
ならびに環境認識の評価に関する点は不充分と言わ
ざ
尹.燃 ∠ ヤミ匸-一
一
一
一
一
回
図4
環境認識
を深め
る授
業モデル
、
る
を得
な
い
。
著
者
は,
1990
年
6月
に神
戸市
立御
影
工
業高
等
学校
電
気科
2ク
ラス
な
らび
に
土木
科
1ク
ラス
に
お
いて
前
述の
授
業
をお
こ
な
った
。授
業に
先
立
っ
て
プ
レテ
ス
トをお
こ
な
い
,授
業後
に
ポス
トテ
ス
トをお
こな
った
。
2つ
のテ
ス
トを
この
4
つの
評
価基
準
を用
い
て分
析
した
。分
析
結
果は
次
の
とお
りで
ある
。
尚
,
プ
レテス
ト受験者は114
名
,ポス
トテ
ス
ト受験者
は98
名
で
あ
った
。
― 51
―
表 1 授業 分析 結果 プ レテ スト ポスト テスト 評価 基膕工) 評 価λ口V暝) 評f匐λ押旬 肚価肢点④ リ サイクル 循環 規 制 そ の他 1 1 9 179 15 7 8 159 91 87 72 324 93 46 71 134 V 。 結 論 著 書 の お こ な っ た 授 業 と そ の 授 業 分 析 結 果 か ら 次 の こ と が わ か っ た。 図 4 に示 し だ 環 境 認 識 を 深 め る 授 業 モ デ ル” に よ り 生 徒 の 未 来 予 測 能力 は向 上 し た と い え る 。 そ れ は , 未 来 予 測 の 数 が179 か ら324 に 増 加 し た こ と か ら明 ら か で あ るO*6)そ の理 由 と し て 次 の こ と が あ げ ら れ る。 評 価 基 準 ① , 評 価 基 準 ② の 分 析 結 果 か ら, 数 的 に 現 状 を 把 握 し 将 来 の 状 況 を 予 想 さ せ る こ と に よ り ゴ ミ問 題 の危 機 的 状 況 を 認 識 さ せ る こ と が で き た と い え る。 こ の認 識 が 豊 富 な 未 来 予 測 の 基 礎 と な っ た 。 評 価 基 準 ③ の分 析 結 果 か ら エ ン ト ロ ピ ー 理 論 の指 導 に よ り , 人 間 の社 会生 活 が ゴ ミを 発 生 さ せ て し ま う こ と を 理 解 さ せ る こ と が で き た とい え る 。 この こと か ら, 発生 す る ゴ ミを い か に 処 理 す る か, い か に ゴ ミ の量 を 最 小 隕 に と ど め る かを 考 え る 未 来 予 測 につ な が っ た 。 評 価 基 準 ④ の 分 析 結 果 に み ら れ る よ う に 3つ の鍵 概 念を 指 導 す る こ と によ り, よ り 未 来 予 測 が 有 効 性 を も つ よ う に な っ た。 ポ ス ト テ スト を 神 戸 市 環 境 の 「 ゴ ミ の 減 量 と 資 源 化 の た め の工 夫 と 実 践 」 に 応 募 し た と ころ ,12 名 の も の が 優 秀 賞 を 受 賞 し たO そ の ア イ デ ア は 『 ゴ ミ減 量 & 資 源化 ア イ デ ア集 』 に掲 載 さ れ市 民 に 配 付 さ れ た 。 従 来 の環 境 教 育 の授 業 は, 最 終 到 達 概 念 と し て 匚環 境 に対 し て 望 ま し く な い 行 為 を 規 制 す る 態 度 が と れ る よ う に す る」’7)「 環 境 問 題 に か か わ る多 く の 事 例 を 収 集 し, 事 実 関 係 を と らえ , 冷 静 な判 断 を 下 し, 見 通 し を 立 て る こ と が で き る よ う に な る 」゛8)「身 近 な 地 域 の 環 境 に 関 心 を も ち, よ い 環 境 づ くり に努 力 す る」*9)と い っ た も のが あ げ ら れ て い る。 し か し, そ の評 価 基 準 は曖 昧 で, 環 境 問 題 を 解 決 す る 方 向 に向 か っ て い る か 否 か を 評 価 し て い な か っ た 。 こ の原 因 は, 授 業 構 成 に あ る。 本 研 究 で は, 図 4で 示 し だ 環 境 認 識 を 深 め る 授 業 モ デ ル ” に よ り 従 来 の環 境 教 育 の不 備 を 克 服 し た と い え る。 《 注 及 び引 用 文 献 》 *1) D.H. メド ウ ズ『 成 長 の 限 界 』 ダ イ ヤ モ ン ド 社 1972, P. 17 *2) 槌 田 敦 『 石 油 と 原 子 力 に 未 来 は あ る か 』 亜 紀 書 房, 1978, pp. 140-206 *3) 藤 田 祐 幸 「 廃棄 物 問 題 の 焦点 」 。『 ガ ボ ロ ジ ー と エ ン ト ロ ピ ー 』 日 本 評 論 社, 1987, pp. 209-216 *4) 船 橋 市 立 船 橋 小 学 校 著 『 環 境 教 育 と 体 験 学 習 』 東 洋 館 出 版 社,1986 *5) 佐 島 群 巳 ・ 須 田 坦 男 編 『「 環 境 を 見 つ め る 」 学 習 と方 法」』 教 育 出 版, 1986 *6 ) 未 来 予 測 の質 的 向上 な ら び に 生 徒 の 未 来 予 測 の 詳 細 に つ い て は, 拙 稿 「 環 境 教 育 の 指 導 方 法 の 研 究 」 『 学 校 教 育 研 究vol.2 』 学 校 教 育 学 会 を 参 照 さ れ た い 。 *7) 船 橋 小 学 校 , 前 掲*4) .P.22 *8) 同 上 書, P22 *9) 佐 島 , 前 掲 *5).P71 ― 52 ―