イノベーションを生み出す
“人間は誰でも、立派な仕事や創造的な 仕事をしたいと心から望んでいる。 そしてその人達に適切な環境さえあれば、 必ずそれは実現するものだ。“
HP
には、1939
年の創立時から受け継がれてきた“HP WAY
”という独自の企業理念が あります。それは創業者が掲げた「尊敬と信頼」に基づく企業文化であり、現在も世界中 の社員に共有される判断基準と基本精神として、HP
の働き方改革の根底にある考え方 です。その中でも、創業者ビル・ヒューレットの次の言葉がHP Way
を語る上で最も象徴的 な言葉となっています。 日本法人である日本HP
は“HP Way
”のコンセプトのもと、1977
年にはフレックスタイム を採用し、その後フリーアドレス導入、フレックスワークプレイスなどの制度や環境を 時代に即して整備し、柔軟な働き方による生産性向上に長年取り組んできました。 ビル・ヒューレットとデイブ・パッカード 日本HPオフィス大島本社
2011年∼ 予約なしで使える通称「ファミレス席」 本部長や役員もフリーアドレスを利用 立ちながら簡易打合せできるカウンター 1984 世界初の サーマル インクジェット 「HP ThinkJet」 1984 世界初の デスクトップ型 レーザー 「HP LaserJet」 1991 世界初の大判インクジェット プロッタ「HP DesignJet」 1994 世界初の インクジェット 複合機 「HP OfficeJet」 2005 「スケーラブル・ プリンティング テクノロジー」 2008 「HP PageWide テクノロジー」 搭載のインクジェット デジタル輪転機 2008 世界初の 屋内外の幅広い 用途に対応可能な 「HP Latex プリンティング テクノロジー」 2012 世界初の モバイル複合機 「HP OfficeJet 150 Mobile AiO」 2012 HPエレクトロインキ 現像技術搭載の HP Indigoデジタル印刷機、B2対応に 2013 「HP PageWide テクノロジー」搭載の 世界最速デスクトップ プリンター 2015 レーザープリンターの新技術 「JetIntelligence」 2015 「HP PageWide テクノロジー」 搭載の大判プリンター 2016 モノづくりを 変革する 「HP Jet Fusion 3Dプリンティング ソリューション」 1966 HP初のコンピューター 「HP 2116A」 1972 世界初の ハンドヘルド 関数電卓 「HP-35」 1983 世界初の IBM互換機。 持ち運び可能なPC 「Compaq Portable」 (コンパック) 1983 タッチスクリーン 搭載PC「HP-150」 1991 パームトップPC「HP 95LX」 2001 ジャケットコンセプト採用のPDA 「iPAQ Pocket PC H3630」(コンパック) 2012 世界初の AiOワークステーション 「HP Z1」 2012 2 in 1タブレット 「HP ENVY x2」 2014 次世代の没入型 コンピューティング 「Sprout by HP」 1968 世界初のデスクトップPC 「HP 9100A」 1977 腕時計型情報端末 「HP-01」 1994 パームトップPC「HP 200LX」、 B5サブノート「Contura Aero」(コンパック) 2002 世界初のタブレットPCと ノートPCを組み合わせた 「Compaq Tablet PC TC1000」 2016 革新的なモバイルデバイス 「HP Elite x3」 2016 ラグジュアリー デザインPC 「HP Spectre 13」 1939 HP初の製品、 音響機器を 測定する オーディオ発振器 「HP 200A」 2013 世界初のBIOS 自動復旧機能 「HP SureStart」 2017 無重力 対応プリンター 「HP ENVY Zero-Gravity Printer」 2017 VR対応ウェアラブル ワークステーション 「HP Z VR Backpack G1 Workstation」 2011 世界初の大判インクジェット複合機 「HP DesignJet T2300 eMFP」 2010 1960 1970 1980 1990 2000 1939HP
の働き方を支える
企業理念“
HP Way
”
フレックスワークプレス 2007年導入 フリーアドレス 2001年導入 フレックスタイム 1977年導入日本
HP
が取り組んできた
働き方改革の歴史
イノベーションの歴史
小林は従業員
1000
人以上の顧客を担 当する直販営業を担当している。直属で は13
名のチームを率い、そのチーム メンバーは東京に10
名、大阪に3
名の リーダーとして、そして、福岡のコール センターに属する内勤部隊を統括する。 チームメンバーとコンビを組んで 商談を進めることも多ければ、福岡に きてマンスリーの活動状況をチェック する必要もある。必然的に移動が多い。 福岡は毎月、大阪は3
か月に一度、また、 東京のメンバーと東北、北海道方面に 同行することもある。毎週、宿泊を伴う 出張がある。 ―典型的な1
週間を教えてください。 東京のオフィスにいるときは数字の 管理や海外のチームへの報告などに忙殺 されることが多いです。月曜日と火曜日 はミーティングなどで埋まります。そして、 水 曜 日 の 朝 一 の 飛 行 機 で 出 張 し て 、 ほとんどが1
泊、多い場合には2
泊で東京に 戻るといったイメージでしょうか。 ―HP EliteBook x360 1030 G2
や スマートフォンはどのように使っていま すか。 お客様先で商談するときに、応接室 などで使うのですが、今はどちらかという とその場で画面をお見せするような 使い方が多くなっています。紙はあまり 使わなくなりました。荷物になりますし、 お客様も欲しがらないのです。 以前、HP Elite x2 1012 G1
を使って いたときはタブレットとしてキーボード をはずして資料などをお見せしていま したが、今は、クルリと折り返す感じで 使えます。 新幹線での移動のときは、スマート フォンを使うことが多いですね。用途と しては経費精算(
自分&
部下の承認)
を おこなったり、大型案件の価格調整を おこなう業務アプリをブラウザから 使うことが多いです。管理職としての 仕事の多くはスマートフォンでもこな せます。だいたい1
日当たり、メールが500
通くらい届くのですが、それらも 電車に乗っているときに処理することが できています。 ―メールの処理を怠ると業務も滞ると いうことでしょうか。 そうですね。たとえば月曜日の朝は5:30
に起きてメールをチェックします。 電車で出勤し、途中下車して約1
時間の 英語レッスンを受け、会社に10:30
に 到着してメールを読んで、そしてミー ティング、合間にメールといった感じです。 多くのメールは流し読みになります ね。チームのメンバーに会うこともそれ ほど多くはないので、どういうことを しているのか、社内で起こっているのは 何かなどを流し読みするわけです。もち ろんチームメンバーからの諸々の依頼小林宗洋
(45)
の働き方
エンタープライズ営業統括 第二営業本部長を承認しなければならないこともあり ます。以前はメール承認するためだけに 会社に戻っていたのですが、今は外出先 でスマートフォンを使って作業できる ようになりました。
Skype for Business
でのミーティング もあります。その場合、大阪のメンバーも 入ってくることになります。最近は情報 漏洩も心配なので、周りの目があるとき は、スマートフォンでやることが多いで すね。PowerPoint
を使って資料をゼロから 作るとか、Excel
の何万行ものデータを 扱うような場合は、HP EliteBook x360
1030 G2
が頼りになりますが、そのような ことがないかぎりはスマートフォンで 作業がすませられます。 ―スマートフォンとPC
という異なるふ たつのデバイスの連携活用が変化をも たらしたということでしょうか。 デバイスを併用することで自分の 時間を増やすことができました。今、 お客様にワークスタイル変革の話を することが多くなっていますが、人事制度 やIT
ポリシーの制約で現場への直行直帰 ができない会社がとても多いんです。 そんなお客様から「会社に来ていない 部下の人事評価をどうしているのか」と よく聞かれます。正直に申し上げると、 誰が何の仕事をしているのか、という点 では、9
時∼6
時の中では何も評価でき ないんじゃないかと思っています。 ―日本HP
は以前からそういう企業だっ たのでしょうか。3.11
の東日本大震災と同時期に今の 新社屋が完成してから、本格的な働き方 改革の推進が始まりました。でも、当初、 そのための施設や制度はあまり活用されていませんでした。
HP
も日本の会社 だったということですね。でも、地震は もちろん、台風や人身事故などで電車は 止まります。だったら自宅にいて仕事を すればいいということになります。 目標として、有給の積極的な取得など、 今までの働き方を変えることをめざす ように部下に言うようになりました。 でも、子どもが小さくて、家では仕事が できないケースも少なくありません。うち もそうなんですが、家にいれば下の子が 遊んでくれると思ってしまうんです。 ですから大事なのは意識の改革で あって、既成概念をなくすことではない でしょうか。だから、育児休暇なども有効 に使ってもらい、なるべく月に一回は有給 をとるようにといっています。ただ、突然 休むのはやめてくれと(
笑)
。 ―自分自身もそういうスタイルをめざ されていますか。 土日は完全に仕事をシャットダウン するようになりました。朝早く起きて、 子どもとの時間を使うというスタイル に変えてしまいました。2
年前くらいに 今の仕事についたのですが、それまでは パートナー担当で、毎日が打ち合わせの 連続、そして飲み会、ゴルフです。それが2
年前に直販営業になって変わりました。 自分の時間が作れるようになったんです。 だったら、お客様の働き方も変えられる のではないかと思いました。そうすれば お客様に対しても説得力のある説明も できるようになります。 働き方を変えてみたら、下の子の相手 などをできるので家族もウエルカムで す。ストレスもかなり減ったように思い ます。 ―新しい世代のデバイスの使い勝手は どうでしょうか。 モバイルルーター、USB
ドングル(3G)
と、いろいろな通信手段を使ってきま した。今は、スマートフォンのモバイル ホットスポット(
テザリング)
に頼って います。 以前はUSB
ポートが少なくてマウスと 会議用のマイクをつなぐだけで埋まっ て し ま う の が 悩 み だ っ た の で す が、HP EliteBook x360 1030 G2
に装備 されたUSB Type-C
に専用の外付け ドックを接続することですべて解決で きるようになりました。クラムシェル ノートとして、膝の上でも使えますから、 飛行機や新幹線などでも必要なときに は使います。内蔵型プライバシースク リーンHP Sure View
を使えばセキュリ ティ的にも安心です。 マウスを使うスペースがなくても タッチで操作できるようになったのは いいですね。かといって、ピュアタブ レットでは仕事が非効率的です。です からキーボードは絶対です。最新デバイス ですからスペックがあがり、大きなデータ も扱いやすくなり、スクリーンサイズも 大きくなって、時間当たりにこなせる仕 事がますます増えました。Skype for
Business
に対応した専用のファンク ションキーボタンが装備されたのも 重宝しています。山田は間販営業としてパートナー 各社を担当するベテラン社員であると 同時に
5
歳と7
歳の男児の母親だ。山田 は過去に2
度の産休を経験し、育児中の 現在も在宅勤務を積極的に活用する。 働き方改革を進めるHP
社内でも取り 組みの積極さでは突出した存在だ。もと もと外勤営業だった山田は内勤に異動 したタイミングでそのまま産休に入った。HP
のFWP(Flexible Work Place)
制度 を積極的に使うようにという上司のアド バイスもあり、山田はFWP
をフル活用 する働き方を選ぶことができた。 ―上司のアドバイスが働き方を変えた そうですね。 最初の産休から復帰して1
年後にまた 産休です。そのときもまだ内勤でしたが、 半年で復帰しました。上司は同じ人物で、FWP
を有効に使うように言われたん です。制度としてあるのはわかっていま したが、どうしてもまわりの目を気にし たり、遠慮などもあって活用しにくい面 もありました。でも上司に恵まれたんだ と思います。上司の理解、周りの理解と、 条件が何拍子も揃った結果です。ちなみ山田梨花
(38)
の働き方
パートナー営業統括 第二営業本部第一営業部主任に本当に偶然なのですが、今回の社内 事例で取材対象になっている小林が 以前の上司です。同じ紙面に掲載されて 光栄です
(
笑)
。 ―典型的な1
日を教えてください。 朝は6
時頃に起床して食事を用意し ます。一人で起きますね。その後に子ども が起きてきて食事をさせ、その間に洗濯 機を回して、お化粧しつつ、上の子を 小学校に送り出します。部屋を片付けたり しながら身支度を調え、下の子を自転車 に乗せて5
分くらいの距離にある保育園 に送っていって8
時過ぎ。保育園を出て 最寄り駅で電車に乗って会社に向かい ます。会社に着くのは9:20
頃でしょうか。 ―朝一番でのメールチェックなどはさ れないのですね。 最初は電車の中になります。スマート フォンを使い、電車の中で用件を片付け られるものについてはその場で返事を 書いたり、別の部署にフォローを依頼し たりします。 そのあと、月曜日なら10:00
に部会が あって5
人のスタッフで数字の報告、 活動状況などのディスカッションをし ます。そのあとは席に座って自分のPC
でメール対応、電話対応、調べ物です。 フリーアドレスの席ですから、あいている ところに座ってこなします。 パソコンは子どもが寝た後に仕事が できるように毎日必ず持ち帰り、バッグに 入れての往復通勤ですが、会社のロッカー にもAC
アダプタを置いてあるので本体 だけですんでいます。 昼食は少し時間をずらして混まない 時間にすませます。パートナーを訪問 する場合は、直行または直帰できるように 朝か夕方のどちらか寄せるようにして います。 ずっと会社にいる場合も退社は5:30
ぴったりです。そうすると、自宅最寄り 駅に着くのが18:30
になり、子どもを 保育園に迎えにいって、家に着くのが19
時前でしょうか。そうこうしている うちに、近所の実家に立ち寄りしていた 上の子が戻ってきます。いっしょにテレ ビを見たりしながら食事、入浴、そして21:00
には子どもを寝かせるといった 毎日です。 ―そのあとは仕事をされるんでしょう か。 基本的に会社でやっていた作業のそ のまま続きをやる感じですね。夜は低い テーブルで仕事をすることが多いです。 家事などと併行しながら。やりだすと2
時間くらいは集中します。昼間の仕事 とは微妙に異なるんです。仕様や技術的な 問い合わせに対応することが多くなり ます。自分の意思を入れずにもらった 答えを返すだけなので、密なコミュニ ケーションではないんです。つまり、仕事 の種類に応じてこなす時間帯を変える ような感じのことを無意識にやっている かもしれません。 ― 完 全 在 宅 の 日 は ど の よ う な 感 じ ですか。 保育園に子どもを送ったあと、だいたい9
時までには自宅に戻ってPC
に向かい ます。やることは会社にいるときと何も 変 わ り ま せ ん 。仕 事 を 終 え る 時 間 は18
時くらいですね。在宅の方がたくさ ん仕事をしてしまう傾向があります。 電話やメールでやり とりする相手には、今、 在宅ですというような ことは言わないように しています。ただ、たと え そ れ が わ か っ て し まっても、パートナー の方は、こうした勤務 スタイルをご存じなの で問題ありません。 ―HP Pro x2 612 G2
の使い勝手はいか がでしょう。2002
年に合併前のコンパックに入社 して、最初から外勤営業を担当しました。 配属されてガラケーとノートパソコンを 支給されました。当時はWindows 2000
でしたね。それが自分の使える唯一のPC
で、数年おきに同じようなPC
にリプ レースされてそれをずっと使っていました。 ネットワーク接続は、以前はPHS
カード、2012
年頃から3G
のUSB
ドングルでした。 今回、HP Pro x2 612 G2
にリプレース されました。新しいデバイスで生産性 があがってスキマ時間を有効活用でき るようになったように感じています。ス マートフォンと併用しながら、会社でし かできなかった仕事も自宅でできるよ うになりました。 その結果、子どもとの接触時間が増え ましたね。今は子どもを寝かせようとし て、いっしょに寝てしまうことも少なく ありません。 実は土日に仕事をしてしまうことも 多いのです。というのも、平日をラクに したいからなんです。土日も仕事をすれ ば平日の負担が軽減されます。土日は 子どもが習いごとをしていたりもする のですが、その待ち時間なども有効活用 できますしね。 今までは完全に普通の仕事道具だった ノートPC
ですが、2 in 1
タブレットを 使うようになって、自分の仕事道具を お客様に見せられるようになりました。 見せる資料も以前は必ずプリントアウト していたものですが、今はその場で見せる だけです。 つまり、お客様に勧めようとしている 製品を、自分でちゃんと活用しているよ うなイメージです。道具として使うだけ ではなく歩くショールームになれた感 じもします。USB Type-C
対応の変換 ドックのような周辺機器を使えば、訪問した先でプロジェクターをお借りして 画面を出力するのもカンタンです。長い パートナー会議でプロジェクターにつな ぎつつ電源も供給しながら使えるので大 変重宝します。コンパクトですから携帯す るにも苦になりません。 ―営業端末のリプレースを短期間でさ れたということですが。 入れ替えも苦労しません。データの ほとんどは
OneDrive for Business
に あ り ま す か ら 移 行 を 意 識 し ま せ ん 。Office 365
ですから、アプリケーション についてもクラウド依存です。 できることなら毎年変えて欲しいくら いですよ。世代が変われば驚くほど快適 になることがわかりました。当社の場合、 使う端末が変わってもほとんど負担にな らないんです。前なら1
営業日かけてセッ ティングしていたので、めんどうだった のですが、ほぼ手間知らずで箱を空けて 取り出し、時間をかけずに自分の仕事道 具にセットアップできます。これもIT
イン フラがフルクラウド化したおかげです。 電話もガラケーからいきなりスマホ に変わったのですが、PC
と同じでアッと いう間に慣れ親しんだ自分の業務端末に なりました。2 in 1
タブレットとスマート フォンの組み合わせは、今の自分の勤 務形態にとって、欠かせない存在だと いえますね。毛利公彦 サービス・ソリューション事業本部 技術本部長 大津山隆 パーソナルシステムズ事業本部 クライアントソリューション本部 プログラムマネージャ
HP
製品の群を抜いたセキュリティ 対策。あらゆる観点から安全なデバイス であることが追求され、各種のソフト ウェア、ハードウェアで、そのセキュリ ティを担保している。そして、それがHP
という働き方を支えている。その背景を、 毛利公彦(
サービス・ソリューション 事業本部技術本部長)
、大津山隆(
パーソ ナルシステムズ事業本部クライアント ソリューション本部プログラムマネー ジャ)
に聞く。 ―最初にそれぞれのミッションについて 教えてください。 毛利 現在、日本HP
の中では、ハード ウ ェ ア に 限 定 せ ず に ト ー タ ル 的 な ソリューションを提供していこうという 動きがあります。技術本部の大きな役割 は 営 業 の 技 術 支 援 で す 。顧 客 が 何 に 困っているかを知り徹底的にサポート します。いわば、プリセールスの基盤と いえるでしょうか。 大津山 クライアントソリューション 本部はアライアンスや協業プログラムで エコシステムを創造して、ビジネスを拡大 することがミッションです。コンシュー マーとプリンター以外の製品を担当 しています。セキュリティ問題は解決済み
―今、デバイス関連でもっともホットな トレンドは何でしょうか。 大津山 や はり働 き 方改革 と それ を 実現するためのセキュリティではない でしょうか。大企業から中小企業まで 含めた広い範囲で、働き方改革を実現 するための基盤としてエンドポイント のセキュリティが再注目されてきてい ます。一方、大企業ではサイバーアタック が高度化しているのを受けて、攻撃に 対する回復力やビジネスの継続性も 大きなテーマとなっています。 経理などの基本的にオフィスで仕事 をする部門の在宅勤務は、人事制度の 改革を伴う大事業ですよね。しかし、もと もと外に出る機会の多い営業職のパソ コンの持ち出しを可能にするのは基本 的にはセキュリティの問題です。これで あれば、テクノロジーで解決することが できます。HP
のデバイスであれば、必要 なハードウェア、ソフトウェアの多くが 最初から組み込まれています。 毛利HP
はセキュリティに特化して、 デバイスをどこでも使えるようにする ために取り組んできました。この分野 では最先端をいっていると自負してい ます。攻撃されることが前提
―HP
製品のセキュリティ対策について 具体的に教えてください。 大津山 多要素認証やファームウェア の強化など、デバイスそのもの、認証情 報、データの3
つの保護対象を多層で防 御するアプローチでセキュリティ面で の対策を考えています。 毛利 データを守るという点では、のぞ き見などのビジュアルハッキングを回 避するためのHP Shure View
なども 有用です。また、人的ミスとしては、Windows
ログインで認証要素(パス ワードやカード等)を忘れてしまった 場合に、事前登録した3
つのユニークな 質問への回答によるパスワード自己 復旧機能HP SpareKey
は有効です。 特にコールセンター等のサポート工数 とダウンタイムの最小化に役立ちます。 また、HP Shure Click
は、不正ウェブ サイトの閲覧によるマルウェアやウィ ルス感染からPC
を守ります。ひとこと でいうと、やってしまったけど、なかった ことにしてくれるというソリューショ ンです。ふるまい検知もしているため、 マルウェアやウイルスを感染させよう とするサイトにアクセスすると警告が 表示されるようになります。これらが 最初からハードウェアに組み込まれて いるのが大きいですね。 大津山 インテルVT
を使って隔離され たマイクロ仮想マシンでブラウズセッ ションを実行するようになっています。 メール中の有害なURL
をクリックし、マル ウェアをダウンロードしてしまっても マイクロ仮想マシン内に隔離される世界でもっとも
安全なデバイスに
支えられる働き方
ので、そのリスクを回避できます。必要 以上の
Web
サイトのアクセス制限を する必要がなくなり、生産性を落とさず に、リスクを緩和することができます。 毛利 野良Wi-Fi
や公衆Wi-Fi
、移動中の 他者の視線、社外の共用スペースなど 働き方改革には仕事をする場所を脆弱 にする面もあります。だからこそ、攻撃 されてもなかったことにできることが 重要な意味を持ちます。 毛利 大事なことですが、Internet
Explorer(IE)
をサポートしている点にも 注目してください。あえてそれをやって いるのはIE
を捨てられない現実を考慮 してのことです。だからこそ、そこにつ いての保護をおろそかにはできません。 大津山IE
は社内システムで使われて いることが多いのでなかなかEdge
に 移行できないということですよね。Sure
Click
によりセキュリティを確保した上IE
を延命できるので、Edge
への移行の 時間を稼ぐことができます。 ―製品が持つ強固なセキュリティが 働き方にどのような影響を与えるので しょう。 毛利 働き方を変える原動力にもなり そうだったBYOD(Bring Your Own
Device -
私物デバイスの持ち込み)
は 意外に拡がりませんでした。そのかわり シャドーIT
は拡がるといういびつな 状況になっています。そしてあいかわらず デバイスの持ち出しは禁止と。とにかく、 禁止することよりも持ち出せるものを 貸与することが重要なのにです。今後は 仕 事 に 最 適 な デ バ イ ス を 選 べ るCYOD(Choice Your Own Device -
複数 の標準デバイスを選択肢として提示)
の 検討をおすすめしたいですね。 大津山IT
の統制と生産性のバランスの 問題は難しいですね。すべて自由にする のがいいに決まっているんですが、そうも いきません。かといってセキュリティを 優先しガチガチに管理してしまうと 今度は生産性が下がってしまいます。 いい妥協点を見いだす必要があるの です。生産性を下げずにセキュリティを 確保するということですね。 いい例が認証です。パスワードを利用 しその強度を高めようとすると、より 複雑なものにし、定期的に変更することが 求められます。個人的にもさすがにモニ ターの脇にパスワードをメモした付箋 を貼ったりはしませんが煩雑さに閉口 しています。テクノロジーの力でもっと カンタンにすることを知って欲しいと 思います。 毛利 パスワードを忘れたことの処理に ヘルプデスクが忙殺されるというのは よく聞きますね。だから、とにかくパス ワードを手で入力するのはやめようと いうことです。パスワード忘れに対応する コストをかけるくらいなら、対策ができる パソコンを買った方が安いということを ご理解いただきたいですね。 大津山HP
製品であれば、HP
マルチ ファクター認証を使うと7
つの認証要素 から2
つの認証要素を選んだ2
要素認証が 簡単に実現できます。認証の強度を上げ たうえでエンドユーザーの操作を簡単に することが可能です。 毛利 指紋認証とカードやNFC
などを 併用する方法ですね。 大津山2
要素認証で機密を守れます からセキュリティ的には理想的です。 HP EliteBook x360 1030 G2 ・ 13.3インチ ・ 1.28Kg HP EliteBook x360 1020 G2 ・ 12.5インチ ・ 1.13kg HP Elite x2 1012 G2 ・ 12.3インチ ・タブレット本体:約803g HP Pro x2 612 G2 ・ 12インチ ・タブレット本体:約850g 2 in 1型 コンバーチブル型自宅や外出先で使われる事を前提に開発された
HP
のモバイル製品
プライバシーフィルターを内蔵 途切れにくいLTE通信をサポート ブラウザ経由のマルウェア汚染を無害化するソリューション 指紋認証や顔認証機能(指+スマホ、など2要素で認証する機能も無償で搭載) 音の聞き取りやすさ、周囲の雑音除去、物理ボタンで快適な操作性などオンライン会議に最適化 落下、衝撃、粉塵、防滴性能など米軍調達基準の堅牢性 タッチ画面、ペン対応などブラウジングやメール、プレゼンテーションを快適にするMIK
が
SCCM
を拡張
―管理面でのアドバンテージはどうで しょうか。
毛利
HP Manageability Integration
Kit(HP MIK)
という、Microsoft System
Center Configuration Manager(SCCM)
用のプラグインツールがあるのですが、 これをお使いいただければ、管理面が非常 にラクなものになります。情報システム 部門から見れば、管理と展開がラクになる ということです。 歴史の長い
SCCM
ですが、これまで日 本ではあまり使われてきませんでした。 しかし、Windows 10
の導入に伴い使わ ざるをえなくなってきています。 大津山 現時点ではWindows 7
の利用 がまだまだ多いですよね。でも、そのうち どこかのタイミングでWindows 10
に アップデートしなければなりません。 その際にファームウェアの設定を変える 必要があります。セキュアブートをオン にするなど、BIOS
の設定が必要だから です。 そのために、PC
をいったん回収して、 情報システム部門が1
台1
台作業しなけ ればなりません。でも、その作業すらOS
上 のアプリケーションで自動的にできる のがHP
製品です。しかも、MIK
を使えば、 ネットワーク経由で一括処理ができます。 こうして情報システム部門の負担を 大幅に軽減します。今は、Windows 10
にいかにカンタンに移行できるかを 考えてPC
を導入することが重要です。 毛利 そこが今、HP
製品が他社製品に 勝る大きな要素だといえるでしょうね。セキュリティとコミュニケーション
を両立させるために
―今後の展開についてはいかがですか。 毛利HP
のビジネスPC
はセキュリ ティに関してはとにかく多くの要素が すべて最初から入っています。Windows
10
になりOS
のセキュリティ機能も充実 してきたので、HP
のビジネスPC
であれ ばOS
に多少のプラスαの機能でなんと かなるようになってきています。さらに、 大規模な組織で多数の端末の管理を する必要がある場合には、MIK
が大きな 貢献をしてくれます。 大津山HP
ではこれからの働き方のトレ ンドを分析し、デザイン、セキュリティ、 コラボレーションに特徴を持たせた 製品づくりをしています。今回はセキュ リティを中心に紹介させていただきま したが、デザインに関してもここ数年来 力を入れており、薄くて、軽い製品を 提供できるようになっています。多くの お客様から昔と比べると驚くほどクール なデザインになったという声を聞きます。 また、コミュニケーションに関しても、 すでにB&O
のスピーカーやノイズキャン セ リ ン グ マ イ ク を 製 品 に 組 み 込 み、UC
の端末として使った際によりよい コミュニケーションができるデバイス を実現しています。今後もさらにこれ らの機能に磨きをかけ、さまざまな側面 から働き方改革を支えることができる デバイスを提供することをめざして います。働き方改革が仕事場を脆弱にする
オープンなレイアウト
移動中
社外の共用スペース
街中には無線
LAN
が遍在
Free Wi-Fi
マスターブートレコード(
MBR
)を攻撃してくる最新のウィルスが拡散中。
参考記事はこちら:
http://blog.trendmicro.co.jp/archives/tag/bad-rabbit
Web
ブラウザーによるマルウェア感染拡大を防止する技術
HP Sure Click
による保護
MBR /GPT
への攻撃を防御する「
HP BIOSphere Gen3
」
サイバー攻撃 標的型攻撃 添付ファイルを開くとウィルスがMBRを攻撃 起動時にMBR /GPTを復元 PCは起動できない PCは正常に起動 業務の停止 復旧のためのコスト ビジネスの継続生産性維持HP
以外のPC
GPT/MBRの自動修復機能なしHP
のPC
HP BIOSphere Gen3による MBR /GPT保護あり ブラウザを仮想エリアで実行 他のアプリ・OSに影響を与えない隔離された領域で実行 閲覧制限や誤クリックを意識せずにWeb
サイトの閲覧が可能 自宅のWi-Fi
や、外出先の公衆無線LAN
にアクセスしても安心 シンプルで確実な対応 ブラウザを閉じるだけでマルウェアを排除HP BIOSphere
は
MBR/GPT
を自動修復
MBR /GPT
復旧機能の有無による違い
MBR(Master Boot Record)/ GPT(Guid Partition Table)とは: OSよりも下層にある、PC起動時に 一番初めに読み込むところです。 ここを攻 撃され破 損するとPCが 起動できなくなります。 開いたサイトで マルウェアに感染… ヴァーチャルブラウザのタブを閉じれば感染は消滅PCで実行しているので、 巧妙なメールで偽装。 思わずクリックしてしまう この度は、○○事業に置ける 調査のご協力を… ○○省○○事業課 詳細資料は http://document ○○省調査のお願い 件名: BCC:○○○○○○○○○○ CC:○○○○○○○○○○○ ブラウザのタブを 閉じるだけでOK
羽鳥信一 取締役人事・総務本部長
柔軟な
働き方を支える
HP
の人事制度
働き方はテクノロジーによって変え られる。だがそれだけではうまく進まな い。同時に求められるのが制度の改革だ。HP
はどのような方法で、社員一人一人 の意識を変革してきたのか。羽鳥信一 (取締役人事・総務本部長)にその方法 論を聞く。 ―HP
特有の制度があるそうです。HP
の人事制度の一つとして、フレッ クスワークプレイス(FWP)
というものが あります。いわゆるテレワーク、在宅勤務 をサポートする制度です。日本HP
では、2007
年に制度化して、全社員が対象で 利用可能です。IT
テクノロジーが発展し、デバイスも 変わりました。そして瞬時にいろんなこと ができるようになりました。席に戻らない といろんなことができなかった時代は 終わりましたよね。さらにグローバル化 です。世界各国に分散する社員がいれば、 必ず海をまたがっていろんな相談事が 進みます。必ずしも同じオフィスにいる わけではないのですから、どうしても リモートで働く必要があるのです。 そこで、日本国内でも10
年前にこの 制度を整えました。日本HP
はいくつもの 企業が合併してできた会社ということ もあって、都内各所にオフィスが散在 するという点ではグローバル企業が世界 各国にオフィスがあるのと同じ理屈で 制度を考えることができます。 ある調査だと人材募集をする際に、テレ ワーク(在宅勤務)が可能というと応募 者が3
倍になるそうです。もともと、IT
の 発展と共に、あくまで効率的に働くことが できる環境を整えるということを第一 に考えてできた制度ですが、社員のワーク とライフのバランスを支援することで、 優秀な人材の確保にも有利になってい ます。また、その他にも、BCP
の観点から もテレワークは有効と考えています。 たとえば東日本大震災のときに計画 停電がありました。オフィスに来たくて も来られないようなこともありました が、HP
ではFWP
制度があったので、自宅 勤務が容易で混乱なく業務を継続する ことができました。FWP
がもたらす効果
―現在の制度に至るまでの歩みを教え てください。 順番としては、オフィスを効率的に使 うために、ほとんど席にいない人に固定 席を用意する必要はないのではないか ということから、固定席を作らずに朝 出社して好きな席に座って業務を開始 するというフリーアドレス制から始ま りました。IT
環境が整って、自席に縛られ ずに働くことができると、次はオフィス からも解放されて、自宅、モバイルオ フィスでもストレスなく働くことがで きようになったといった感じです。固定席 にずっといるのは仕事ではありません。 それよりも、いつでもどこでも誰とでも、 迅速安全安心して仕事ができるように することが重要です。 もともとHP
では、「人は誰でも良い 仕事をしたいと願っていて、それにふさわ しい環境に置かれれば、誰でもそうする ものだ」という性善説に基づいた創業者 の信念もあり、実際、仕事の進め方に ついては個々人の裁量に委ねて効率的に 働いてもらう一方で、成果を厳しく問う というような文化があります。取り組み としては1967
年にアメリカ企業として アメリカで世界で最初にフレックスタ イムを導入しました。日本はその10
年後、1977
年にフレックスタイムを導入し、2001
年にフリーアドレス、2007
年に フレックスワークプレイスと時間と場所の フレキシビリティを上げることにより、 働きやすい環境を整えて、効率的に働いて 最大のアウトプットを出すように、人事 制度を整えてきました。 ―FWP
の使われ方はいかがでしょう。FWP
の定義は、一日の就業の一部また は全部を自宅などで勤務することを 認めることです。通勤時間または移動 時間に伴う拘束時間の短縮および身体的・ 精神的負荷の軽減による業務の生産性の 向上が目的です。 現在週4
日まで認められていますが、制度が始まったときは、まず週に
1
∼2
日 からスタートしました。 基本的に上司の判断で認められるもの で、従業員の権利として請求することは できません。細かいことですが、居場所は 明らかにすることと、そのための費用は 個人負担になるといったルールもあり ます。 現状、社員全体の約8
割が、この制度 を利用していて、全体の6
割が月に1
回 以上、4
割が週に1
日以上、使っていると いった頻度です。 スタートして10
年たちましたが、当初 から比べて使い方もずいぶんこなれて きたような気がします。 制度利用者からのフィードバックとし ては、通勤時間を短縮できて時間を有効に 使える、身体的にも負荷が減り効率的に 働けると言った声が多いです。現在、社 員の平均の通勤時間が1
時間以上です から、1
日2-3
時間を他のことに使える というのは、大きいですよね。 ―最初から順調に受け入れられたので しょうか。 最初に提案した10
年前はいろいろな 議論がありました。管理職は、朝は全員 の顔色を見てから業務を開始するべき だといったような精神論もあったのは 事実です。当初、提案してから3
か月後どこで働くか?
何をやるべきか?(期待値)
これまで
これから
何時間働いたか?
成果は何か?(アウトプット)
同じ場所にいる
バーチャルが基本
労務管理
自律支援(メンター
/
コーチ)
指示命令する
まかせてみる(信頼の文化)
サービス
人
働き方を支えるサービス
• 総務をオフィスサービス提供者に • ヘルプデスク柔軟な人事制度
• フレックスタイム制度 • フレックスワークプレイス制度 (4日/週まで自宅勤務) • 裁量労働制 • キャリアデザインIT
可能にする
IT
テクノロジー
• ユニファイドコミュニケーション • BYOD • クラウドテクノロジー • アプリケーションストアスペース
多様な場所の選択肢
• オフィス • 自宅 • 出張先(ホテル)SPACE
+
IT
+
SERVICE
の融合がもたらす変革
日本
HP
経営陣のコミット
くらいの実施を目論んでいましたが、実際 はテスト期間を半年延長して、
9
か月後 にようやく制度として認められました。 これから導入を検討されている会社の 人事の方から問い合わせを受けること がありますが、その時は、まずはモデル 職場を設定して試してみることを薦め ています。やる前はいろいろな疑心暗鬼 や心配があり、先にお話しした通りHP
でも導入の際、役員会で最初に提案した 時に、否定されたりもしました。働き方 を変えていくというのは誰にとっても 難しいことですが、やってみないとわか らないことも多いので、まずは導入して 試して、メリットを実感して進めていく のが良いと思います。HP
の導入時のモデル職場の検証記録 を見ると、当時、在宅勤務の結果、上司と のコミュニケーションは同じ程度、同僚 とのコミュニケーションは若干減った が、そのことが、仕事の生産性に与える 影響はなかったというフィードバック でした。逆に余計な声に邪魔されずに業務 に集中できたという声も多く聞かれま した。副次的には家族と食事をする時間 が増えたという声が多かったですね。 育児している人からは好評で、保育所は 家の近くにあるため通勤時間分が別の ことに使えるという声もありました。 一般に「出社している=仕事をしている」 ではありません。FWP
のような制度は、 何よりも、労働時間に依存しない仕事の 評価が前提です。そのためにまず、上司は 期待値を明確にしなければなりません。 それを基準に部下は働きます。つまり、 会社として働き方の視点を変えること が大事なのです。部下をいかにモチベート してアウトプットを多く引き出すのか がリーダーの役割です。 必要なときに必要な場所という視点 もあります。いくらリモートで働けると 言っても、フェイスツーフェイスによる コミュニケーションに勝るものではない からです。でも、四六時中いっしょにい なければならないわけではありません。 メリハリをきちんとつけてコミュニ ケーションしていくスキルも重要です。 また、グローバル化が進む中で、海外 の同僚との協働や、直属の上司が海外に いるというケースも増えてきています。 そうなると部下はいろんな国に散在 するわけですから、会いたくて会えない 状況で仕事を進めていかなくてはなり ません。そうなると、メールだけではなく 直接話す機会、実際会う機会を意図的に 設定して大事にするようになります。組織のボーダレス化と懸念
―今後の課題としてはどのようなこと がありますか。 リモートワークを進めると、これは実際 にUS
で起こったことですが、入社して から何年か働いて退社するまで間、一度 もオフィスに行ったこともなく、HP
の 社員とも顔を合わす機会もないまま退 社してしまうといった例もありました。 これでは、せっかく社員として入社して もロイヤリティも上がりませんし、ネット ワークもできにくいので、社内で実力を 発揮するのは難しいですね。またはモン スター社員並みに、好きな時間に、好き な場所で働くということを放任してし まうと、チームとして仕事を進める上で は非効率になってきます。 日本HP
では、FWP
という制度はありま すが、あくまでまだ主たる勤務地は所属 オフィスですし、個人で完結する業務は ほとんどなく、チームで協力しながら 結果を出していく業務が大半ですので、 それを阻害するような働き方は推奨さ れません。ただ、先にも言いましたが、 そのために毎日同じ時間に同じ場所に いなければいけない必要性はないと 考えています。何事もバランスが重要と 思いますがそのバランスは、部門、職務、 職位、担当する分野によって変わって きて良いと思います。 実際、FWP
の利用傾向を見ると、新卒 新人で入って上司の指示を常に仰ぐ ような場合は利用率は低く、一人で動く 管理職などは利用率は高いというデータ があります。いちばん利用率が高いのは 部下をもたない管理職です。その一方で、 使いたくても使えないのは部下の多い 管理職です。ミーティングや、簡単な打ち 合わせなどで、マネージャーは会社に 来た方が効率がいいということだと 思いますが、ポジションによっても使い方 が異なっています。 今後の問題としては、やはりこれだけIT
が便利になってくると、深夜でもつい ついメールを見て仕事をしてしまったり、 仕事時間とプライベートの時間の境目 がなくなってきますので、オンとオフに ついて意識的に切り替えていくように 会社としても意識付けと、マネジメントも 部下へのケアをしていかなければなら ないのかと思います。 また場所の問題についても、グローバ ル化の進展により、組織、ビジネスプロ セスがよりボーダレスになっていった ときに、国内でもオフィスが必要かと いった議論、勤務地をどう考えるのか という問題も出てくるでしょう。その あたりを考えることがこれからの課題と いえるでしょう。西崎泰司 コーポレートリアルエステート部 担当マネージャ 日本
HP
大島本社の竣工から7
年が経 過した。IT
を駆使することで未来の働き 方を考えてきたHP
の方針をベースに、 日本という土地に工夫をこらして完成 させた社屋だ。そのコンセプト、そして 現在の使われ方について西崎泰司(
コーポ レートリアルエステート部担当マネー ジャ)
に聞いてみる。 ―大島本社屋の基本的なコンセプトを 教えてください。 オフィス=ワークプレイスとして考 えたときに、そのスペースと、IT
ツール、 サービスなど、ハード面とソフト面を融 合した環境が社員のフレキシブルな働き 方を支えるというのが、HP
の基本的な コンセプトです。このコンセプトも最初 からできていたわけではありません。 大きなきっかけとなったのは2011
年の3.11
東日本大震災がありますが、実は さらにその10
年以上前から働き方の 改革をすすめていました。 具体的には2000
年頃にHP
ではネク ストジェネレーションワークプレイス というプログラムがグローバルに展開 されました。いわゆるモバイルワーク、 フリーアドレスといったことを導入する ためのワークプレイス作りです。昼間、 空きっぱなしの営業マンのデスクが もったいないという発想です。最初は スペースとコスト効率だけを追求して いたのですが、その後、制度や社員に提供 されるサービスを含めて考える必要が あることに気がつきました。つまり、 部署間のコミュニケーションを活性化 するという考え方に変わってきたわけ です。2009
年くらいになるとワークライフ バランスやBCP
といったことが注目され、大島本社ビルに
反映された
HP
の働き方
時間に加えて空間を有効活用して働く という考え方に変わってきています。 競争優位の追求によって、コラボレー ションの活性化やスピードを求める ようになったのです。そして、昨年くらい から新たに加わってきた要素として 働き方そのものの変革があります。働き方に影響するファシリティ
―働き方とファシリティにはどのような 関連性があるのでしょう。 今までワークプレイスの効率化を 図ることで社員の生産性を上げるという ことに注力してきましたが、そろそろ これも限界がきています。これ以上、集約 や統合により、時間や空間を削ることで 生産性を上げるやり方では限界がある ということです。 これ以上いろんなものを削る、マイナス することで生産性を上げるのではなく、 より働きやすい時間や空間といった 環境の選択肢を増やす、プラスすることで、 柔軟性や自由度が上り、社員個人がもっ ている長所や能力が伸びると考えて います。そういった社員個々人が持つ アドバンテージを、会社のメリットに つなげようと考えたのです。 今、いろんな人と仕事をするように なりましたよね。フィジカルな場所だけ ではなく、バーチャルな場所を使って 仕事をする、距離の離れた本社と支社の 人がコラボレーションをするというの も日常茶飯事です。それを支えるのが テクノロジーの進化です。リアルの空間と バーチャルな空間をミックスしたところ でスムーズにコラボレーションすること が求められるなら、それに応える必要が あります。経営もイノベーション重視に変わっ てきました。今の時代、何をすれば企業 として生き残れるかについて考えたと き、イノベーションの比重がかなり大き くなっています。社員個々人のアドバン テージを引き出すことが組織としての イノベーションにつながるのです。 ―イノベーションが起こりやすい組織 とは何なのでしょうか。
Mark Granovetter
というアメリカの 社会学者の論文に「弱い絆の強み」と いう学説があります。これは、カンタン にいうと新規性の高い価値ある情報は、 社会的つながりが弱い人々からもたら される可能性が高いという考え方です。 強い絆では、常にコミュニケーションが 密ですから、情報は代わりばえのしない 冗長的なものとなり、創造的な情報は 伝達しにくくなってしまいます。 「弱い社会的つながり」という部分を ワークプレイスのレイアウトに落とし 込むと、フリーアドレスなどになるわけ ですね。親方日の丸一致団結した組織は 同じ価値観が浸透しており、力で動く 組織です。これに対し、弱い絆は情報の 組織であり、その中では異なる意見や 創造的なアイデアがぶつかりあって 化学反応が起こるというわけです。それに よって予想もしていなかったアイデア が発生し、イノベーション産出の確率を 高くしていきます。昨今では力よりも 情報を制するものが生き残るように なっていますから的を射た考え方です。 たとえば人の導線が交差するエリア では、時としていろんな人が出会い、日常 業務とは関係のない話や組織を超えた 関係が生まれることがあります。そこで 得た情報を持ち帰って他の人に話すこと で、コラボレーションが始まります。 必然的にアイディアが生まれやすく な る の で 、そ れ を ま と め る た め に 、 こもって考えるようなスペースが求め られます。まとめたものをアウトプット すれば誰かの目にとまり、その誰かが それをまた自分のものにする。そのサイ クルがナレッジシェアとなり会社をグル グルまわることで、いつしかイノベー ションが生み出されるのです。大島本社 はまさにこれらの行動に合ったワーク プレイスが用意されています。なぜ江東区大島なのか
―大島本社のワークプレイス利用実態 はどのような感じですか。 原則として100%
すべての社員がパソ コンとスマートフォンがあれば、自分の 固定の席を持つことなくモバイルワーク はできるはずだと考えています。ただし 例外もあるでしょうから、HP
では年に 一回在席率の調査をし、その結果を踏まえ て、「80%
以上の時間を特定のデスクで 仕事をする」ような社員は例外として 扱っています。帰巣本能のようなもので、 席があるにこしたことはないような 考え方もあるのですが、HP
では6
∼7
割 の社員がモバイルワーカーで個人の デスクもロッカーも今はありません。 一方でフリーの席にはワイヤーロック が用意されており、パソコン類を固定 することが求められます。8F
にある 社員食堂でも働けるようになっている のですが、そこのテーブルにも設置され ています。情報セキュリティで大事な ことは「ついうっかり」をいかになくすか です。人的リスクをいかに避けるかと いうことなのですが、自由な働き方を 提 供 し て い る 一 方 で 、押 さ え る べ き セキュリティ施策は物理的な面とコン プライアンス的な面の二重でカバーする ようになっています。 もともとこの社屋は階層を低くして フロア面積の広いビルを作りたいと いう発想でデザインされています。歩き 回れる移動しやすい建物が欲しかった のですね。本社を都心に建ててしまうと どうしても高層ビルになり、移動の面倒な 現在 15年前(フリーアドレス) 20年前(固定席)縦方向には人は動かなくなってしまい ます。あるフロアにいる人が偏ってしまう のです。弱い絆のつながりがなくなって しまいます。だからこその大島という ロケーションでした。 大島本社の建物では真ん中に吹き抜けを もってくることで、すべてのドアから出て くる人の動線がその吹き抜けに収束する ようになりました。建築的には吹き抜けを 通る空気で空調や空気の流れをよくする というメリットもあります。 思ったほどではなかったのが
8F
の 社員食堂の席でしょうか。大きなテー ブルを用意して会議ができるようにとも 思ったのですが、会議をしている人を それほどみかけません。空間が広く、 オープンすぎるからかもしれません。 その一方で、吹き抜けのスタンディング テーブルはよく使われると思っていま したが、これは意図通りに機能している ようです。HP
ではIT+
人+
スペース+
サービスを フル活用することで、時間と空間、デバ イスにとらわれない働き方を追求して います。働くための4
つのモード(
組織に とらわれない関係作り、協業、集中/
統合、 学びとアウトプット)
を達成できるような ワークスペースを作ることがHP
の考え 方であり、大島本社はそれをさまざまな 工夫によって実現しています。IT
ツール
社内
SNS
組織にとらわれない関係作り
E
ラーニングウェブキャスト
学び・アウトプット
UC
ソリューション
協業
クラウドストレージ
集中・統合
4
つのモード
関係作り
学び・アウトプット
協業
集中・結合
株式会社
日本
HP
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HP Customer Welcome Center
(
CWC
)
Tokyo
HPカスタマーウェルカムセンター (CWC) は、世界各国のHPオフィスに設置されている法人様向けのショールームで、日本では2017年にオープンしました。「導入検討中の 実機に触ったりデモを見てみたい」「担当に色々な質問をしてみたい」「活用事例や関連ソリューションに関するミニセミナーを開催して欲しい」といった声にお応えする 体験スペースで、デモや検証、勉強会など幅広くご利用いただけます。話題の新製品やソリューションをご用意してお待ちしておりますので、ぜひご活用ください。