第3章 中小企業情報化対策ヒアリング調査
3.1 ヒアリング調査の概要 (1) ヒアリング先の選定 ヒアリング先の選定は、 ① 本委員会の委員から情報化を実施している推薦企業 ② アンケート調査回答企業 ③ 戦略的情報化機器等整備事業の活用企業 から、業種、規模、地域を出来るだけ広範囲にして18社から、経営方針か ら具体的な情報化の問題点、成功要因、成果等についてヒアリングをおこなっ た。 (2) 主なヒアリング項目 ① 企業の経営方針 ② 経営環境 ③ 会社経歴 ④ 情報化の方針・考え方 ⑤ システム導入の経緯 ⑥ 導入の目的と成果 ⑦ 導入の体制 ⑧ 導入の成果 ⑨ 成功の要因・失敗の要因 ⑩ システム概要 ⑪ 今後の具体的な情報化計画と導入の留意点 ⑫ 公的支援機関への期待 3.2 ヒアリング企業一覧 ヒアリング企業の特徴についてヒアリング企業一覧に示す。 313.2.1 札幌ボデー工業 株式会社
1. 企業概要 企業名 : 札幌ボデー工業株式会社 従業員数 : 71名(正社員 69名、 パート 2名) 資本金 : 3,500万円 設立年 : 1979年(昭和54年) 所在地 : 札幌市西区発寒15条13丁目4−60 売上高 : 12億円(2001年3月期) 業 種 : 自動車車体・付随車製造 URL : http://www.sapporo-body.co.jp/ (1)事業の概要 当社は独自に開発した技術を駆使して、様々なバリエーションのボデーの製作 に取り組んできた車体メーカです。自動車ボデーにFRP(ガラス繊維強化プラ スチック)を取り入れた技術をもとに、ユニットバスやSFタンク等、高品質の 製品も提供しており、こうして培われたノウハウを活用して顧客の要求する商品 づくりに努力しています。 また、21世紀を迎え高齢化社会が一層進み、福祉の向上が急務となっており、 当社もクルマを通じて「移動入浴車」、「巡回診療車」など在宅サービス車両を提 供し、車体メーカとしての新しい可能性を追求しています。 2.経営方針 (1)経営環境 当社は車体メーカとして、常に使う人の立場にたって製品・サービスを提供し てきましたが、一般車両では本州メーカとの価格競争で劣勢が続いており、厳し い対応を迫られています。こうした状況の打開のため、経営基盤の安定化に向け 一層の技術開発に取り組み、現状の特殊車両関連の全社売上比50%を更に引き 上げるよう営業力を傾注し、とりわけ道内の運送会社等とのタイアップ及び、特 殊車両分野のシェアアップと売上げ拡大を図ることが重要と考えています。 (2)会社経歴 当社は1949年(昭和24年)の創業以来、車体メーカとして一貫してボデ ーの製作に取り組んできましたが、その後自動車メーカとの合併等を経て、あら ためて1979年(昭和54年)、「札幌ボデー工業(株)」として独立しました。 34物流の合理化・省力化が求められているなかで、搬送するヒト・モノも多様化 しています。当社では顧客のあらゆるニーズに対応して、搬送業務に最適なバン ボデーを製作しており、アルミ製バンをはじめ、サンドイッチ工法によるFRP 製バン、そして道内唯一の一体成形工法によるFRP製バンなど独自技術により、 軽自動車から大型車まで多種多様なドライバン・保冷車・冷蔵冷凍車をお届けす るとともに、ユニットバスの生産などを通じて業務の拡大を図り、顧客に信頼さ れる企業づくりに努めてきました。 (3)会社方針 車両の製造に際しては、鉄鋼・アルミ・FRP・木材・繊維などあらゆる素材 での製作技術が求められます。 当 社 は 北 海 道 で 初 め て F R P を ト ラ ッ ク ボ デ ー に 取 り 入 れ 、『 鉄 鋼 板 金 加 工 技 術』と『FRP成形加工技術』を融合させるなど、常に顧客の立場にたって経営 を行なってきました。今後とも多様化するニーズに応えるべく、【他社と同じモノ は造らない】という開発ポリシーのもと、技術開発・新製品開発に力を注ぎ、一 層の飛躍を目指す北海道の地場企業として積極的に新しい事業分野に取り組んで いく方針です。 3.情報化の概要 (1)情報化の方針・考え方 時代の流れとともに「情報」の重要性が一層重みを増し、情報化の視点も自ず と変革していく必要に迫られ、当社も経営基盤の確立に向け、経営情報のリアル タイムな提供を実現することを基本として情報化を推進することとしました。 そのため、まず企業活動のメインである販売から売掛金回収までの流れをより 正確に把握していくことを主眼に、顧客情報の共有化、受注情報の整備、付加価 値予測等を可能にし、第一ステップとして、事務職一人一台の端末配備を行なう 方針で作業に着手したのです。 (2)現状システムの概要 ① 導入経緯・目的等 当社における情報化に向けての本格的作業の契機は、いわゆる2000年問題 の対応でした。当時、社内でのOA化業務は経理と簡易な付加価値管理で、端末 数が2台という状況であり、情報化の意識も希薄なものでした。 そのため、情報システムに精通している技術者を採用することにより、200 0年対応を行なうとともに、受発注業務の簡略化や従来一部のオペレータしか携 35
わらなかった煩わしい操作を解消し、情報の共有化と全社的運用に向けシステム の開発作業をスタートしましたが、作業的には、必要とするハードウェアを購入 したのみで、ソフト開発、LAN配線等、諸々の作業を、採用した一人の技術者 が全て成し遂げたといってよいでしょう。 ② 導入時の問題点と対応 前述しましたように従前は業務の殆んどが手作業であり、端末(PC)へのア レルギー的な姿勢も見受けられました。また、1999年度期(平成11年度期) が赤字決算となり、情報化の構築に向けどのようにして投資を行なっていくか、 という課題にも直面するとともに、 ☆ 業績悪化による情報化投資の不透明化 ☆ 業務の分散化による全社的フロー掌握者の不在 ☆ 聞き取り調査と実態の乖離 ☆ 営業・技術部門間の連携不足 ☆ 情報化に対する不安感、ペーパへの依存 といった問題が浮きぼりになりましたが、社内で活発な議論が繰り返された 末、やはりシステム化に向けて地道に歩を進めていくことが必要との観点で、 次のような施策、作業を着実に実行していくことから始めました。 ☆ 情報化投資の分散化 ☆ 過去2年間の伝票調査、業務フローの把握 ☆ 例外調査の整理 ☆ 対応可能な社員・部門から啓蒙・導入 ☆ 社会(世間)環境の対応への啓蒙 ③ 導入の成果・要因 全 社 的な 地 道 な 導入 作 業 、 意識 改 革 に 努め た こ と によ り 、 情 報シ ス テ ム は 直 接・間接を問わず、種々の成果を上げています。写真データのディジタル化によ るプリント代、カラーコピー代の削減は顕著にあらわれるとともに(電気料・用 紙代の増大、数字に追われる感覚等の一面もありますが)、経営管理面では ☆ 情報のリアルタイム化による処理の迅速化 ☆ 付加価値管理の徹底とコスト意識の向上 ☆ 各種情報の共有化によるサービスの向上 など多大な成果を収めています。 このようにシステムが順調に稼動したのは、 【経営者の強力なリーダシップ 】のもと、 36
【表示性・操作性の良い画面づくり 】を意識しつつ、 【効果が見え易い部分 】から 導入を行なったことが要因としてあげられます。 ④ システム概要 旧来の特定オペレータによる複雑な操作処理から、必要の都度、誰でもアクセ ス可能なシステムの全社的展開により、処理対象も「顧客管理」、「受発注処理」、 「付加価値管理」など種々の業務に拡大しシステム化を図りました。最近では社 員のシステムへの理解・浸透度も高まりつつあります(参考 図.1 )。
新旧処理業務
== クローズ型からオープン型へ == 限定的処理 端末: 2台 ▼ ▼ 運用開始: H11年4月 総合経営管理システムへの展開 ▼ ▼ サーバ: 1台 全社的処理(共有) ▼ 端末: 25台 ◇ 旧経理業務 ◇ 簡易版付加価値管理 ◇ 顧客管理 ◇ 受発注処理 ◇ 付加価値管理 ◇ 作業日報 ◇ 在庫管理 ◇ 文書管理 ◇ 経理業務 37(3)今後の情報化計画と導入の留意点 これまで顧客管理、付加価値管理、在庫管理等、情報のシステム化により一定 の成果を上げてきていますが、「収益力のアップ」と「社員のスキルアップ」を目 指し、今後は更に ☆ 技術部門とシステムとの連動 ☆ 人事情報のシステム化 ☆ 外注等との連携等 を実現し、全社的システムの一層の統合化を推進しようと検討を進めています。 4.支援機関への期待等 以前に研究、貸付制度等を活用し事業を進めたケースがあり、特に長期間にわたっ ての資金の使途証拠書類等の整理・管理に苦労し、煩わしい思いをした記憶が残って います。しかしながら、こうした手続きはともかく、企業環境の厳しいなか、中小企 業への効果的な支援活動を一層推進していただきたい。 39
3.2.2 株式会社 ホテル汐美荘
1.企業概要 企業名 : 株式会社 ホテル汐美荘 従業員数 : 177名 (正社員 107名、パート 70名) 資本金 : 3,500万円 設立年 : 昭和46年 所在地 : 〒958-0037 新潟県村上市瀬波温泉 2-9-36 売上高 : 19億円 業 種 : 温泉旅館 URL : http://www.shiomiso.co.jp/ (1)事業の概要 「夕映えの宿」のキャッチフレーズで知られ、新潟県北部にある瀬波温泉を代 表するリゾートホテル。集客力もトップクラス。94室500名の収容が可能。 ホテルからは日本海が一望でき、文字通り、水平線に浮かぶ真っ赤な夕日を満喫 できる。汐美荘には年間約10万人の宿泊客があり約 40%が東京などからの県外 客で、60%が県内客である。宿泊が87%で売上の大半を占める。その他、日 帰、婚礼が13%となっている。従来は会社などの団体客が6∼7割を占めてい たが、現在は 5∼6 割と減少傾向にある。逆に、10∼15名のグループや2∼3 名の友達同士、家族などのプライベートな旅行が増加している。 2.企業の経営方針 (1)経営環境 現在の景気後退局面の中で、温泉旅館業は全般的に供給過剰、競争激化などに より各社とも厳しい経営状況におかれている。国内においては地域間の競争が激 しさを増し、また、近隣温泉街との競争、さらには地域内での競争と、もはや、 従来からの右肩上がりの景気を期待した経営は困難になってきており、各旅館が 独力で生き残り策を模索している状況である。同社においても、値下げ競争の激 化により、客単価は減少傾向にある。現在、標準的な一泊二日の料金は 1 人あた り12,000円となっている。客数はあらゆる販売促進策と営業努力により、 若干増加傾向にあるが、客単価の減少により、売上高は減少し、粗利益も減少し ている。そのため、食材等を現金仕入することにより、コスト削減を図っている。 40(2)会社経歴 昭和39年旅館汐美荘として創業。昭和46年株式会社に改組し、昭和47年 本館完成。昭和59年に44室、250名収容可能な施設として新装オープン。 昭和63年「夕映えの宿」を商標登録。平成6年、創業30周年を期に、旅館名 を「夕映えの宿 汐美荘」と改称。平成7年、増改築工事完成により、現在の9 4室500名収容が実現した。 (3)経営方針 同社は常にチャレンジしている。繁忙期は10、11月の秋の行楽シーズンで あるが、1、2月は閑散期で、客数は繁忙期の半分になる。そこで、同社はこの シーズンに「北風ありがとうキャンペーン」を展開している。宿泊前日までに予 約した人で、チェックインの時間(午後3時)に過去5年間の2月平均気温より も気温が下がる毎に宿泊料を割り引くサービスである。気温が1度下がった場合 は10%の割引、2度下がった場合は20%というふうに、寒ければ寒いほど懐 があたたまるシステムになっている。このように同社は積極的な販売促進策を実 行している。 また、現在、代理店経由のお客様が7割で、直接のお客様が3割となっている。 この直間比率を改善して、代理店経由を6割、直接を4割としていきたいと考え ている。直接のお客様を増加させたい理由は、代理店に支払っている手数料が少 なからず利益を圧迫しているからである。 3.情報化の概要 (1)情報化の方針考え方 顧客数の増加は業務処理の増加を招くが、一層の情報化を推進していかなけれ ば対応できないという危機感があった。また、リピーターをはじめとした顧客情 報の整備なくしては効果的な販売促進活動は展開できないと認識していた。 (2)現状システムの概要 ① システム導入の経緯 同社は業界の中でも比較的にコンピュータの導入が早かった。昭和55年に会 計システムを稼動させている。59年に予約システムを追加し、平成 7 年 5 月に 現在の新フロント会計システムを稼動させている。この時に社内LANシステム を構築し、本格的なネットワークシステムの第一歩を踏み出した。それ以来矢継 ぎ早に情報化を推進し、平成8年にホームページを開設し、インターネットによ る宿泊予約の運用を本格的に開始した。また、従来から懸案であった、顧客管理 41
を充実させるために平成13年11月、フロント会計システムの機能拡張を実施 し、現在に至っている。 インターネットは、セキュリティ対策上から地元のインターネットプロバイダ ーのホスティングサービスを利用し、運用している。また、旅行代理店とのオン ラインにより、宿泊予約の受付を行っている。 業務量は増加しているが、小数精鋭を貫く同社としては、IT活用により、業 務の合理化・省力化を推し進めていくことが重要であると考えている。また、お 客様の固定客化を推進していく上で顧客データベースの構築は必要不可欠である と認識していた。 ② 導入に当っての企業の問題意識 業務が多岐にわたることから、事務作業の省力化・合理化をはじめとして、社 内ネットワークシステムを整備・拡充することにより、情報の一元化、共有化を 図り、データの有効活用をして、販売に役立つようにすることを考えた。 また、対外的にはe-メールにより情報の伝達手段の効率化を推進する必要があ った。インターネットについても自社の商品・サービスを訴求する場と考え、独 自ドメインの取得、Webサーバーの立ち上げも必要と判断した。 ③ 導入の目的と成果 情報活用の内容としては、基幹系システムであるフロント会計システムがある。 予約受付から部屋割、売上管理まで一貫して行っている。サーバー、クライアン トPCともに共通のLANシステムに接続されて、全社的なネットワークが構築 されている。クライアントPCは既に 16 台の規模に達しており、事務部門では 1人1台は完全に実現したことになる。お客様の満足度を高め、リピート率を上 げるために、嗜好、料理などの過去の履歴を顧客データベ−スに登録し、予約時 に検索できるようにしている。また、四季おりおりのイベント情報などを事前に DMなどで案内している。お客様のリピート率が高まれば、現在実施している広 告宣伝などの経費を一部削減することが可能となる。 給与・人事システム、会計システムはパッケージソフトを利用し、パソコンに てスタンドアロンで稼動している。 情報系システムとしては、自社専用のホームページを開設し、イベント情報の 提供や宿泊予約を行っている。なかでも、イベント情報などの旬な情報を発信し ている、「週間おもしろ情報」というコーナーがあり、人気を博している。これ は、担当者が1人おり、1 週間に 1 回の割合でこまめにメンテナンスを実施して いる。 42
営業マンは自宅、出張先、営業先で携帯電話を利用し、e-メールにより本社 事務所とのコミュニケーションを円滑に図っている。また、本社より営業マンに 対して、前日の売上情報を流している。 予約に関しては、半年前、3ヶ月前にインターネット予約をすると、「早期予 約割引」という特典がある。 また、サンセットメンバーズクラブという会員制のポイントカードシステムが ある。利用額に応じて、ポイントが付加され、客の固定化に役立っている。会員 制だが、入会金、会費は無料となっている。入会と同時に 1,000 ポイントがつ き、会員宿泊客には宿泊料金を含む利用金額の 5%がポイントとして加算される。 ポイントが 1 万点になると 1,000 点、5万点になるとペア宿泊券が付く。新規 会員を紹介すると 1,000 点が加算される。 1ポイントは1円に相当し、宿泊料金の精算時にも利用できる。 ④ 導入の体制 情報化に関しては社長の強力なリーダーシップのもと、全てトップダウンで推 進している。特に顧客満足度の向上を図るため、全社あげて顧客管理を徹底して 行うことが重要であると考えている。 社長のITに関する情報源は懇意にしている、ITコンサルタントや異業種の 経営者などとの付き合いから得ている。その他、IT関係の雑誌を多数購読して おり、常に最新の情報を吸収することに努めている。 プロジェクト体制については、社長をリーダーにして、それぞれ目的に応じた プロジェクトを発足させて、情報化を展開している。 ⑤ 具体的な導入方法 同社はいつもチャレンジしている。ただし、やみくもに先端技術に飛びつい ているわけではなく、ステップ・バイ・ステップにより着実に前進することが IT化の基本であると考えている。 基本的にはそれぞれの業務に合致したパッケージの導入をベースにして、安 価にしかも、迅速にシステムを立ち上げるようにしており、カスタマイズは必 要最小限にとどめるようにしている。 ⑥ 導入時の問題点と対応策 当初は、予算は余りかけられないところからスタートした。最小限のネット ワークを構築して、ファイルの共有、プリンターの共有を実現し、利便性を体 感したことが、全社員の情報化の効果を認識させることに成功した。 43
また、予算が余りないということは既存の資源を有効に利用することが前提 となる。多種類のプラットフォームのコンピュータを何とか工夫して使用した。 それが逆にネットワーク等のノウハウを蓄積することが可能になって、今は大 いに役立っている。現在では、クライアントPCは全てWindows系に統 一されている。 ⑦ 導入の成果 ○客数の増加に伴い、業務量は大幅に増加したが、それぞれの業務に応じたIT 活用により、全体的に業務の合理化・省力化を推し進めることが可能となり、 生産性の向上を図ることができた。 ○社長が率先して情報の共有化とディスクロージャーを図った結果、社員全員で 同社固有の企業価値の共有化が実現できた。 ○来館者の顧客データベースを構築した結果、有効な販売促進活動が展開できる ようになった。従来の方法に比べて格段に顧客数のアップが実現し、それに応 じて徐々に売上拡大が果たされた。また、顧客の顔が見える情報活用の促進に より、タイムリーな販売機会の提供が可能となり、顧客満足度の向上に役立っ た。 ○同社にとって、スピーディーな営業活動は絶対条件になっている。IT活用に より迅速に見積書を作成することが出来た効果は大きい。 ○ モバ イ ル コ ンピ ュ ー タ によ り リ ア ルタ イ ム の コミ ュ ニ ケ ーシ ョ ン を 図る こと ができた。社内外とのコミュニケーションをe-メールにより行うことにより、 即時的に意思決定が可能となった。 ⑧ 成功の要因・失敗の要因 同社は創業時からの伝統で、「できることからやる」をモットーにいつもチャ レンジしている。その社風の中で40代の若き社長の強力なリーダーシップのも と、IT化を推進している。IT化を成功させるには、経営トップの目的意識が 何よりも重要であるといえる。更に、同社は常に身の丈に合った情報化投資を心 がけている。旅館業は近年、粗利益の低下に悩まされており、間接費の投資は慎 重にならざるを得ない。しかし、だからと言って、IT化の波に乗り遅れる訳に も行かないと認識しており、既存の資源を有効に利用することを前提に出来る範 囲でチャレンジしていることが成功につながっていると言える 最初メールを使い始めた時に、年配の社員がなかなか利用しなかったが、辛抱 強く操作指導した結果、しばらくして通常に操作できるまでになった。つまり、 全社員が例外を設けることなく、一定のITスキルを持たなければ、会社として 44
の情報武装は果たしえないことを社長は理解していた。 また、全社員がイントラネットなどの情報化による利便性を体感したことが、 情報化の効果を認識させることにつながり、会社としての情報武装を展開してい く契機になった。 インターネットを開設してからは、直接的には宿泊予約による個人客の増加や 遠方からの来客など思った以上の効果を発揮している。さらに企業イメージの向 上につながり、結構リクルートにも役立っている。そのおかげで、コンピュータ に詳しい新人が入社してきたため、独力でホームページのメンテナンス等が可能 となり、IT化に関して柔軟な展開が可能になった。 しかし、実際のところ現状ではホームページの予約フォームを通しての予約よ りも、ホームページを見て電話等で予約をするケースが多いという。今後はいか に予約フォームを定着させていくかが課題となろう。 また、インターネット予約で「早期予約割引」特典があるが、個人のお客様に とっては、半年前・3ケ月前という期間設定だと、予約しづらいという点も今後 改善の余地がある。 ⑨ システム概要
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サ サーーハバ゙ 社内LAN 旅行代理店I
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45(3)今後の具体的な情報化計画と導入の留意点 現在、顧客数は増加しているが囲い込みが十分ではない。いかにして、リピー ターを獲得していくかが課題となっている。そのためには、顧客DBの活用がキ ーとなっている。ITを活用し、質の高い接客でしっかりユーザーの心をとらえ る体制を確立したい。 ホームページに関しては、「e旅」、「旅の宿」に登録されていることから 1 日約 5,000件のアクセス数があり、業界のなかでもかなり多いほうである。ホー ムページは今まではカタログ的なものが主であったが、今後は、宿泊予約の増加 を図り、四季おりおりの企画をタイムリーに「おもしろ情報」を通して、提供し ていきたいと考えている。団体観光の低価格化が進んでいることによる客単価の 低下。こうした状況の中、現在は個人客に的を絞った戦略を実行中である。メン バーズクラブの会員に対しては、将来、イベントなど楽しみを高め、繰り返し来 てもらいたいと考えている。 4.公的支援機関への期待 ○ITに関するタイムリーな情報提供を期待している。特に、リゾートホテル での先進的な事例が最も勉強になるとのことです。 ○また、情報化投資は相当の資金的な負担を強いられるため、タイムリーな設 備投資がなかなか出来ないのが現状である。補助金、助成金等の施策の充実 を図ってもらいたい。 ○IT化は極めて専門的な知識が必要となるため、経営を理解し、かつ情報技 術を理解して、経営者のアドバイスができるITコーディネータのような人 に今後は相談にのってもらいたい。 46
3.2.3 明道 株式会社
1.企業概要 企業名 : 明道 株式会社 従業員数 : 121名 (正社員 92名、パート29名) 資本金 : 9,000万円 設立年 : 昭和22年 所在地 : 新潟県燕市物流センター3−1 売上高 : 65億円 業 種 : 家庭用日用雑貨などの卸売 URL : http://www.myodo.co.jp/ (1)事業の概要 同社は卸売業として「基本快適」をコンセプトに家庭用日用雑貨・厨房器物・ 金属洋食器などの家庭用品全般にわたって事業を展開している。特に、こだわり のハウスウェア、キッチングッズなどを同社のオリジナルブランドとして販売し ており、30代の主婦層を中心に支持を得ている。自社ブランド商品は取り扱い 商品の60%を占めるまでになっており、独自に市場調査から企画・開発・販売 まで一貫して行っている。得意先の売上構成比は現在、量販店が60%、ギフト 関係が30%、その他一般店、百貨店などとなっている。量販店のバイイングパ ワーの強大化や同業他社との競争激化により、粗利率は低下傾向にあり、同社独 自のブランドの確立が求められている。同社の強みは、ザル、ボール、ワイヤー などの水まわり製品に競争力があることと、全国的な販路を確立していることで ある。今後は商品開発力、技術力を強化していきオリジナルブランドを確立し、 マーケティングに関して一層のノウハウを身につけていきたいと考えている。 2.経営方針 (1)経営環境 現在家庭用日用雑貨等の業界においては消費不況の真っ只中にあり、メーカー、 卸、小売を問わず各社とも厳しい経営状況におかれている。金属洋食器の産地と し全国的に有名な燕市においても、地域内外での競合が激しさを増している。特 に、最近では安価な中国製品が大量に輸入されて国内のメーカー、流通業者を脅 かしており、ドラスティックな再編、淘汰が予想される。一方消費環境も激変し ており、デフレ経済下、買い控えが起こっており、市場は縮小傾向にある。また、 今後人口の減少、少子化等の状況から考えてみても、市場拡大は期待できないと 47いってよい。同社もその中にあって大きな変革の波を受けており、もはや、従来 と同様の発想からでは事業は成り立たなくなってきている。自社の事業領域を明 確にし、コアコンピタンスを確立していくことこそが今求められている。 (2)会社経歴 創業のはじまりは昭和12年明道前会長が煙管(キセル)の製造販売を開始し たことによる。昭和22年株式会社明道権治商店を設立。本格的に地場産業製品 の販売を開始。昭和41年鉄筋3階建ての旧本社社屋完成。昭和46年に鉄筋3 階建てを増設。昭和47年社名を「明道株式会社」と改称。昭和50年燕商業卸 団地に鉄筋4階建て、延べ2,000坪の物流センターを新築、完成。平成7年 に資本金を9,000万円に増資し、物流センターの隣接地5,400坪に新社 屋を完成(事務所及び倉庫延べ5,000坪)させた。その間、北海道から沖縄 まで全国の市場を網羅する営業ネットワークを構築し、平成 10 年にはISO90 02の認証を取得している。 (3)経営方針 デフレ市場からの脱却を図り、新しく特化したマーケットに永続的に付加価値 の高い商品販売を行うためには、企業ブランド・商品ブランドの構築は不可欠で ある。同社としては、ファブレスメーカーとして消費者の視点に立った新商品の 企画・開発を積極的に行って行きたいと考えている。また、地域の金属加工業は 小規模零細企業が多いことから、単独では新市場の開拓は困難と言わざるを得な い。しかし、個々にはすぐれた企業もあり、同社が中心企業になって、インター ネットの活用により、連合体を形成し、燕ブランドの新商品を開発していこうと している。いわば、地域のサプライチェーンマネジメント(SCM)を構築しよ うと考えている。 3.情報化の概要 (1)情報化の方針・考え方 インターネットを活用すれば、多くの人々に自社商品の紹介が可能になり、ま た、消費者の意見をダイレクトに吸収することができる。これら消費者の生の声 を自社ブランド商品の企画・開発に役立てていこうと考えている。そうしたコミ ュニティを形成して、消費者にとって本当に役立つ商品とは何かを根本から見直 すことが可能になると認識している。また、同社が中心企業になって進めている 地域SCMによる燕ブランドの商品開発に関しても、インターネットの活用は避 けて通ることが出来ないと考えている。 48
(2)現状システムの概要 ① システム導入の経緯 同 社 の 情 報 系 シ ス テ ム の 歴 史 は 1 9 9 0 年 に デ ザ イ ン 用 の M A C を 2 台 入 れ たところからはじまる。工業デザイナーが商品の開発・設計に利用するために導 入を決断した。本格的なIT活用が始まったのは1996年である。ITに詳し い担当者がHTMLにより全くの手作りで、インターネットのホームページを立 ち上げた。当時、日本では4,000件ぐらいしかホームページを立ち上げてい なかったので、同社の規模からみるときわめて早いスタートを切ったと言える。 1998年には役員がメールを利用するために、ノートブックPC8台を導入 した。また、デザイン用のMACは開発部のメンバー全員が1人1台利用できる ようにした。また、同年、約350万円の開発費用をかけてイントラネットを構 築した。独自にWebサーバーを導入して、Web型のアプリケーション・シス テムを 本格 的に稼 動さ せた。 19 99年 6ヶ 所の各 支店 と本社 間の 通信回 線を VO-FR(音声統合フレームリレー)に変更し、ネットワークインフラを強化した。 また、事務職全員が利用するために75台のノートブックPCを約2,200万 円かけて導入した。2000年4月には通信コストを大幅に削減するために、本 社・支店間を全てFRで接続し、音声(FAXも含む)+通信の同時使用を開始 し、現在に至っている。 なお、2002年4月からはクライアント・サーバ型の新基幹システムが稼動 する予定である。生産管理、販売管理、在庫管理、物流システムなどがリニュー アルされる予定である。 ② 導入に当っての企業の問題意識 売上の拡大に伴い業務量の増加と業務内容の複雑化が進展し、事務作業の省力 化・合理化は避けて通ることができないと認識していた。基幹系システムにある 生産情報・販売情報・顧客情報・在庫情報などを有効活用することにより、タイ ムリーな販売促進活動に役立てて行く事が重要であると考えた。また、得意先を 優良なリピーターとするためにクレーム情報などを蓄積していく必要にせまられ た。そこで、基幹系システムと情報系システムの連携を取る必要があった。イン トラネットを構築することにより、掲示板、ニュースなどで情報の共有化を図り、 社員全員で価値を共有できるようにすることが必要と考えた。 ③ 導入の成果・要因 社長・専務といった経営トップが率先して情報の共有化とディスクロージャー を図った結果、社員全員で同社固有の企業価値の共有化が実現できた。 49
また、得意先に対して迅速に対応することが卸売業の使命と考えている同社に とって 、ス ピーデ ィー な営業 活動 は絶対 条件 になっ てい る。I T活 用によ り迅 速・正確に受注・出荷・発注・仕入・在庫などの情報共有ができた。 さらに、インターネットを利用することにより、自社商品の紹介が可能になる とともに、逆に消費者の意見を吸収することができるため、商品の企画・開発に 役立っている。特に、自社ブランド商品「田園くらぶ」は効果をあげつつあり、 毎月200∼300人のアンケートが寄せられている。従来からの製本された商 品カタログに関してはギフト用品が1年に1回、販促用品が1年に2回発行され、 全体として1年に約30%強の見直しがなされている。その中の一部をイントラ ネットでスピーディーに提供することにより、販売機会を逃さず営業活動ができ るようになった。またカタログを PDF 化し CD-ROM で営業マンがデータの2次利 用も行っている。 ④ システム概要 情報化に関しては社長・専務の強力なリーダーシップのもと、全てトップダウ ンで推進している。特に顧客満足度の向上を図るため、全社あげて得意先管理を 徹底して行うことが重要であると考えている。 社長・専務のITに関する情報源は懇意にしている、大学教授、ITコンサル タントや異業種の経営者などとの付き合いから得ている。その他、セミナー・研 修会等の参加やIT関係の雑誌を多数購読しており、常に最新の情報を吸収する ことに努めている。 プロジェクト体制については、専務をリーダーにして、それぞれ目的に応じた プロジェクトを発足させて、情報化を展開している。 ⑤ 具体的な導入方法 1)経営層の役割 情報化に関しては基本的には経営層のトップダウンで推進している。特に 最重要課題としてエンドユーザーをも含めた顧客満足度の向上を図るための 情報収集が最重要課題となっている。また、プロジェクトの創設・解散もト ップの判断で行っている。 2)プロジェクト体制 専務と情報部門を中心にして、そこにメンバーを加えて、それぞれ目的に応 じたプロジェクトを発足させて情報化を展開している。 社員のほとんどはパソコンの表計算ソフトやワープロを自由に使いこなし ている。また、月に1度社内で、同社独自のカリキュラムによるパソコン研 50
修を実施している。さらに社外で実施される講習会等にも積極的に参加しス キルアップを図っている。 ⑥ 導入時の問題点と対応策 古いビジネスプロセスや従来型の仕事のやり方を捨て去り、自らがパラダイム シフトして、新しいビジネスプロセスを構築し、生き残っていくためには、積極 的な情報化投資は避けて通れない。卸売業は近年、量販店からの強い圧力により 粗利益の低下に悩まされており、間接費の投資は慎重にならざるを得ないといっ てよい。しかし、だからと言って、IT化の波に乗り遅れる訳にも行かないと同 社は認識しており、既存の資源を有効に利用することを前提に出来る限りチャレ ンジしている。 ⑦ 導入の成果(経営数値とともに間接的な見えない効果または弊害) 1)得意先数の増加に伴い、業務量は大幅に増加したが、それぞれの業務に応 じたIT活用により、全体的に業務の合理化・省力化を推し進めることが可 能となり、生産性の向上を図ることができた。 2)社長・専務が率先して情報の共有化とディスクロージャーを図った結果、 社員全員で同社固有の企業価値の共有化が実現できた。 3)得意先データベースを構築した結果、有効な販売促進活動が展開できるよ うになった。従来の方法に比べて格段にリテールサポートの質が向上し、そ れに応じて徐々に売上拡大が果たされた。 4)モバイルコンピュータによりリアルタイムのコミュニケーションを図るこ とができた。社内外とのコミュニケーションをe-メールにより行うことに より、即時的に意思決定が可能となった。 ⑧ 成功の要因・失敗の要因 成功の要因としては、経営トップ層の強力なリーダーシップのもと、全てのプ ロジェクトをトップダウンで推進していることが上げられる。特に基幹システム の構築などは全社的な総力戦が求められるが、その際、役員クラスがプロジェク トリーダーになって、名実ともにリーダーシップを発揮できるかどうかが、その プロジェクトの成否を決することになる。具体的には今回稼動予定の新基幹シス テムの構築に関しては、全く新しい発想で取り組んだといってよい。従来型の発 想で考えれば、部門最適化が重要視されるあまり、部門間で異なる要求を個別に 対応したために、全社的な効率化の視点が欠落していた面があった。これを改め、 まず念頭に置いたのは、全社業務の全体最適化を実現することにあると考えた。 51
部門の中には充足が困難な業務処理も出てくるが、これらを調整し問題を解決し ていくのは、経営トップしか有り得ないといってよい。 また、全社員がイントラネットなどの情報化による利便性をまず体感したこと が、情報化の効果を認識させることにつながり、企業としての情報武装を展開し ていく契機になった。 一方、課題点としては産地のメーカーなどとの地域SCMを推進していく上で、 考え方のレベルや情報リテラシーの水準を合わせておくことが必要であるが、現 在ではかなりのバラツキがある。特に、小規模零細企業においては情報リテラシ ーの向上が情報化を進めていく上でのキーポイントとなる。それには、同社が中 心になって情報化の必要性を啓蒙し、パソコンの導入や操作指導などの研修を地 道に行っていくことが重要であると考えている。 ⑨システム概要 (3)今後の具体的な情報化計画と導入の留意点 中長期的には仕入先・メーカーとインターネットを利用し連携を強化して、ト ータルコストの削減と納期短縮を図りたいと考えている。そのためには、同社が 中心になって、商品、部品の製造に必要な金型DBを構築し、瞬時に検索出来る ようにしたいと考えている。 52
取引先・関連業者ならびに印刷業者などとの情報交換をデジタル化で実現する ことを検討中である。たとえば、商品スペックや画像情報などの商品情報データ ベースをCD−ROM化やWebで照会出来るようにし、仕様の形式を統一した いと考えている。参考までにいうと、商品アイテムは、色、サイズ、材質、重さ など多岐にわたっており、20,000件にも及ぶ。 また、今までの市場に当てはまらない燕ブランドのこだわり商品を販売中であ る。 4.公的支援機関への期待 ①ITに関するタイムリーな情報提供を期待している。特に、家庭用日用雑貨の 先進的な事例が最も勉強になるとのことです。 ②また、情報化投資は相当の資金的な負担を強いられるため、タイムリーな設備 投資がなかなか出来ないのが現状である。補助金、助成金等の施策の充実を図 ってもらいたい。 ③IT化は極めて専門的な知識が必要となるため、経営を理解し、かつ情報技術 を理解して、経営者のアドバイスができるITコーディネータのような人に今 後は相談にのってもらいたい。 53
3.2.4 久米繊維工業 株式会社
1.企業概要 企業名 :久米繊維グループ 商品企画・販売 ジェントル株式会社 製造・販売 久米繊維工業株式会社 プリント・刺繍 サンワプリント株式会社 (他に生産子会社等 計6社) 従業員数:95名(国内自社工場・準社員含む) 資本金 :5億9600万円 設立年 :1960年設立(創業1935年、昭和10年) 所在地 :東京都墨田区太平 3-9-6 久米繊維ビル 売上高 :17億53百万円(2001 年度 6 社連結) 業 種 :Tシャツ・ポロシャツ・トレーナー等ニット製品企画製造販売 URL : http://www.jentle.co.jp/ (個人向け通販) http://www.t-galaxy.com/ (個人向け通販) (1)事業の概要 当社はグループ全体でTシャツ、ポロシャツ、トレーナーなどニット製品の製 造販売を行っている。久米繊維工業(株)で、生地在庫を持って生産し、同社、ま たは販社であるジェントル(株)が、縫製後の半製品の定番在庫を持ち、それをそ のまま販売するか、受注に応じた特注品にして販売する。また大半の製品は、無 地のTシャツ等にサンワプリント(株)にて、プリントや刺繍加工を施して、顧 客に納品するという事業である。得意先は、アパレル関連の法人から、様々な業 種の一般企業、個人客まで幅広い顧客に対して販売している。営業活動も、それ ぞれの顧客に合わせて用意している。特徴的なのは、ネット販売のチャネルで個 人またはグループ顧客のオリジナルTシャツの受注サイトを設けていることであ る。 2.経営方針 (1)経営環境 ファッション業界に属するため、ごく一部の人気のある製品の販売数量は発売 開始から短期的に立ち上がり、数週間で需要が無くなってくるという需要変動の 大きな市場環境にある。従って、急速な需要増に対応できずに機会損失を産むか、 自社での見込み生産による製品在庫は一瞬のうちに不良在庫の変わってしまう。 54ヒット商品を当てれば多くの利益を享受することが出来るが、逆の時は多くの損 失を被ることになる。また、消費者ニーズも多様化して、代表的な構造不況業種 の中に存在するため、商品の品種は多様化し生産ロットは極端に小さくなってき ている。また、中国から安価な製品が流入しているので、市場での価格競争が激 化してきている。 (2)会社経歴 1935 年 久米メリヤス製造所としてメリヤス肌着の縫製下請けとして創業 1960 年 株式会社設立、肌着縫製メーカーからTシャツメーカへの転換 1960 年 前社長が資本金 350 万円で久米繊維工業株式会社を設立 1962 年 千葉第一工場建設 1967 年 千葉第二工場完成 1971 年 山形下河原工場開設 1972 年 山形黒沢工場スタ−ト 資本金 3800 万円に増資 1974 年 山形小白川工場新設 1981 年 資本金 2000 万円で㈱久米繊維山形工場設立 1982 年 資本金1億円に増資 資本金 3000 万円で㈱久米繊維千葉工場設立 1993 年 ㈱久米繊維山形工場の製造部門を吸収合併 1995 年 日清紡、ニチメンと中国青島合併工場設立 1995 年 ティーシャツ・ギャラクシー株式会社設立 (99 年にティーギャラクシー・ドット・コム株式会社に社名変更) 2002 年 販社ジェントルに、ネット販売も併合 (3)経営方針 1)ステークホルダーの優先順位は 最終顧客→取引先→社員→近隣社会→株主 同族会社の強みを活かすべく、株主よりも最終顧客に重きを置いた経営 を行う。 2)小さくて強い会社を目指す 中小企業の強みを活かすべく、電子商取引等のIT技術とアウトソーシン グをテコとして、過剰資産・人員・在庫を持たない筋肉質の組織を。 3)ニッチ分野でのオンリーワン企業を目指す 大企業の参入が難しいオールドビジネスの特定分野に選択と集中とを行 い、最強の品揃えとサービスを確立し、ニュービジネスシステムで経営を。 4)安定性と収益性を重視したキャッシュフロー経営を含み資産と借入とに依存 55
した経営から脱皮し、自己資本比率、総資産利益率・売上高利益率、キャッシ ュフローを重視して強固な財務体質を。 5)プロシューマレスポンス=エンドユーザーが工場を稼働 エンドユーザーがダイレクトに加工指示を出し、それを最適化して短納 期・省資源・省コストのマスカスタム生産を実施。そのエンドユーザーの作 品が、他のユーザーの潜在的ニーズを刺激する循環も用意。 6)地球にやさしい環境経営を目指す 1SO14001 環境マネジメントシステムに基づく環境経営を行い、オーガニ ックコットン商品に代表される、より地球にやさしい商品を開発し、顧客へ の啓蒙をはかりつつ販売していく。 3.情報化の概要 (1)情報化の基本的考え方 これまで手つかずの市場であった個人及びグループのオリジナルTシャツのニ ーズに対する販売チャネルを用意するというねらいで導入している。当社のウエ ブページがポータルサイトとして認知されるために手を尽くして努力している。 ウエブに展開していることから今後は無限の広がりを期待している。 電子的なネットワークのメリットを活用することで、個人事業主等と連携する 時の強力なツールになると考えている。個人事業主と連携することで、当社の不 足する経営資源を補うことが出来るからである。 ポータルサイトとして認知するためには、魅力的な情報が集積していなければ ならない。ただし、情報は発信すればするほど集まってくることが経験上わかっ ているので、初めに発信しなければならない。 メール等に関しては、店舗での接客に相当するので最重要視している。特にク レームのたぐいのメールに対しては、経営者自らが返信をしている。 一方、会計や給与などの定型業務に関してはアウトソーシングによって極力経 営資源を割かないようにしている。 (2)現状システムの概要 ① システム導入の経緯 初めは、パソコン通信と言われていた時期(1995年6月)にニフティーに 出店した。基本メニューは3つで、1つは無地のTシャツ販売、2つ目は、オー ダーでのオリジナル品製作、3つ目はデザインしたTシャツの販売とシンプルな 物であった。初めの半年間は閑古鳥が鳴いていたが、1996年8月からホーム ページをリニューアルして、第一世代の待ち受けカタログ型のホームページから、 56
情報発信週刊誌型に変更した。商品販売はさておき、Tシャツに関する面白い情 報、人、組織などをどんどんPRする様な物にした。 ② 導入に当たっての問題点と対応策 発信する情報集めに関しては、本社の傍らで営業しているアンテナショップを 訪れる顧客がとても役に立った。ユニークなTシャツをオーダーするお客様が多 かったので、意外なデザインや、意外な用途を再発見する事が出来た。これを発 信することができて、情報が集まるようになってきた。 また、ネットで売れる店を見ていると、百貨店というよりも一貨店で有ること に気が付いた。ネットでの物販は、コンビニやスーパーで売っていない特別なも のが売れる。これは自社で運営してもうまくいかないと考えたので、外部の適任 者とのパートナーシップを模索した。結局バーチャル・フランチャイズ・ショッ プという仕組みを考えた。店舗設備はネットだけにして、維持費も個人のホーム ページと同様に2000円も出せば良いローコスト形態にした。物流コストも代 金回収もしなくて済むようにした。この仕組みで、カリスマネットワーカーとの パートナーシップが可能となった。これを、2002年下期より拡大し、ASP システムとして安価で提供していく予定である。 ③ 導入の目的と成果 新たな販売チャネルを構築して、個人向けにオリジナルTシャツを販売する仕 組みを構築するという目的で情報システムを構築した。現在のネット上でのオリ ジナルTシャツの販売は現在7000万円程度であるが、バーチャル・フランチ ャイズ・ショップの店舗数が増加していけば、大きくなる見通しがある。 また、実は法人からの引き合いが多く、上記の売上よりもはるかに大きな貢献 をしている。そこで、2002年4月に、組織変更を行い、法人向け販社ジェン トル(株)に、同事業を統合した上で、新たに、同6月に法人販売向けサイトを新 設する予定である。 ④導入の体制と導入方法 ウエブサイトの運営は、社内の適任者がウエブマスターとして運営している。 バーチャル・フランチャイズ・ショップに関しては、将来やろうとしているこ とをあらかじめ特許として出願することから始めた。バーチャル・フランチャイ ズ・ショップ内のシステム構築は、多くのフランチャイジーが自身でCGIをプ ログラムできる人が中心で運営されている。 57
⑤ 成功の要因・失敗の要因 ネットワーク環境よりも前に商品のポテンシャルが重要であり、商品のオリジ ナリティーが重要である。また、何もかも社内で抱え込もうとすると、固定費が 膨らみすぎることになるので、重要な機能以外はアウトソーシングすることにす る。今回のリニューアルは外部の専門家に外注した。 電子商取引では与信管理が非常に重要となる。個人顧客を中心とするスポット 客に対しては、現金取引にしてそのリスクを避けるようにしている。対法人顧客 に対しては、帝国データバンクや、東京商工リサーチのデータから自分の基準を 設けて監視していく必要がある。売り掛けの回収には社長自身が出向くことが最 も取引先の状況をつかむための最善の策である。 ウエブ上での商取引を開始して、いろいろな工夫を施したとしても、初めの1 年間はなかなか売上が上がらないものである。その1年間は我慢する必要がある。 認知度を上げるためには、ネット以外での活動が必要になる。専門誌などに取り 上げてもらうことなどは非常に効果がある。 ⑥システムの概要 従 来 の 久 米 繊 維 工業(株)の販路は そ の ま ま に 、 T -galaxy.com の ホ ー ム ペ ー ジ を ポ ー タルサイトとして、 一 般 消 費 者 へ の 販 路 を 追 加 し て 保 有 す る 形 に な っ て い る。消費者は、直接 T -galaxy.com に ウ エ ブ ペ ー ジ 上 で 注文をするか、そこ に リ ン ク さ れ て い る フ ラ ン チ ャ イ ズ 店 に て 自 分 の 好 み に あ っ た デ ザ イ ン のT−シャツを注文することになる。特にリンクされているフランチャイズのペ 受注・納品 受 注 受 注 受注・納品 受注・納品 受注・納品 消 費 者 T−galaxy.com 久米繊維工業 (株) サンワプリント (株) フランチャイ ズ店 Jentle.co.jp 受注・納品 受注・納品 久米繊維グループのシステム ア パ レ ル な ど 各種法人顧客者 58
ージには、特定分野のマニアの興味を満たすような内容で満載されている。それ ぞれの受注サイトからの受注は即座に久米繊維工業(株)に伝達され、半製品在 庫から即座にプリントにまわる物があれば、サンワプリント(株)でプリントさ れて出荷される。縫製が必要な受注に対しては、久米繊維工業(株)で縫製に取 りかかるというシステムになっている。久米繊維工業(株)の在庫品に関しては、 ウエブサイトで注文すると午前10時までの注文で当日発送、それ以降は翌日発 送という迅速さを誇っている。 (3)今後の具体的な情報化計画と導入の留意点 まずは、一般消費者向けよりも、はるかにマーケット規模の大きい法人向けの ECを推進していきたい。そこでは、より競争が厳しいので、価格競争力はもち ろんのこと、エコロジー商品など独自の商品群のラインアップに加え、メーカー としてのカスタマイズ機能、デザインサポート、物流代行などサービス力も問わ れよう。 また、一般消費者の中心的メディアは、携帯電話の画面が中心で、その顧客は パソコンを使ったインターネットの網に入ってこないという予測がある。この顧 客を取り込むためには、携帯電話に情報発信していかなければならない。現在、 社内で保有している経営資源の中には、携帯の画面から参照できるプラットホー ムに関するノウハウが無いので、外部の経営資源と提携することにした。 また、ニッチな分野は単独では売上規模もそれほど大きくないが、ニッチな分 野の数は意外なほど多い。しかし、ニッチな分野のコミュニティーと交流してい くのは、コミュニティーのメンバーより勝った情報発信源を持たなければならな い。これも、社内で持つことが出来ないし、社内で持てば固定経費が大きくなり すぎる。従って、これも、外部経営資源との連携が必要となる。DOG−Tシャ ツを例とするような、外部の個人事業主やアーティストなどの連携を進めていき たいと考える。アーティストは、概してマーケティングと情報システム構築に関 するプログラミングを苦手とすることが多いので、当社がそれをサポートするこ とでそれを実現することが可能になる。 デジタル上のコミュニケーションが普及していくと、アナログ的な部分のスキ ルが弱くなってくる。そこで、メール教室を始めた。メールによる問い合わせに、 相手に不快感を持たせないように返事を書くにはどの様な表現がいいのかをトレ ーニングしている。結局のところ、人間的な魅力が備わっていないと上手なコミ ュニケーションはできない。 秋には、モチベーションのある人を集めて、Tシャツの学校を立ち上げる予定 である。Tシャツ店をやりたい人を集めて、マーケティングの方法等を研修して 59
開業のお手伝いが出来ればと考えている。店舗運営のコンサルティング的な業務 も出来るようになればと考えている。 4.公的支援機関への期待 各種セミナーの活用が中心となっている。これまで案内が来るセミナーの内容は、 総論と各論についてのセミナーが中心だったが、現実にはその次の段階で困っている 中小企業が多い。従って、電子商取引などを行おうとしている中小企業のホームペー ジ作成から、その後のメールを中心としたEマーケティング代行などの請負を出来る ようにできると良いのではないかと考える。ホームページ作成のための使いやすいテ ンプレートを用意するという方法もあるが、表面的なところにとどまらず、内容のサ ポートに関してもサポート出来るようにする必要がある。企業に対して強みをインタ ビューしながら、ニーズを取り入れていき顧客開拓の入り口あたりまでリードしてく れるようなサポートが有るとありがたいと感じる企業が多いと思う。 60
3.2.5 有限会社 質屋ネット
1.企業概要 企業名 : 有限会社 質屋ネット 従業員数 : ネット参加企業(36店舗)により維持運営 (システム管理要員として1名) 資本金 : 300万円(ネット参加の6店舗が共同出資) 設立年 : 2000年4月 所在地 : 東京都渋谷区神泉9−12 売上高 : 1,847万円(2002年1月) 業種 : 質屋の商品ネット販売 URL : http://www.shichiya.net/ (1)事業概要 質屋ネットは、アイデア提供者である質セキネの関根伸夫氏を代表取締役とし て6店舗の質屋さんが共同出資して2000年4月にウエブサイトが立ち上がっ た。質屋の新しいビジネスとして、消費者(ユーザー)がウエブ上で自分の欲し い商品を検索して商品を購入する、いわゆるB to Cによる商品販売である。ネ ット参加の質屋がウエブ上に商品を登録し販売するする仕組みとなっている。新 たな質屋の生き方として、消費者(ユーザー)と質屋を結ぶ新しいネットワーク の構築と、質屋同士のオープンなネットワークの構築による商品販売である。主 に検索エンジンの開発を中心としたシステム構築及び管理・運営は、関根代表取 締役が質セキネのオフィスで行っている。ネット参加質屋は、2002年2月で 36店舗となっている。ネット参加質店を 50 店舗までは獲得したい計画である。 2.経営方針 (1)経営環境 質屋は「人目を避けながら“のれん”をくぐる」というイメ−ジが未だに強い い。自分の持っている品物を担保に、お金を借りられるシステムは質屋だけが出 来る商売であるが、安易に無担保にお金を借り、買い物が出きるカード社会の中 で、自 分 の 持 っ て い る 品 物 に 対 す る 執 着 は 無 く な っ て き て い る の が 今 の 消 費 者 心 理でもある。 質屋は、品物を現在の相場で預かり、その期間内の利息を取るのが商売である。 元来、質屋はお客を待つ商売であるが、預かった品物は生活に必要なものが殆ど であった。しかし、生活に必要な物は、お金にはならないのが一般的であり、安 61く販売されているのが現状である。 現在の質草の対象は、ブランド品のバッグ、 時計、宝石であるが、質屋として物を預かるが、いわゆる質流れとなるには3ケ月 の期間が必要であり。3ケ月後には相場が下がる可能性もある。 質屋は地域限定の商売であり、遠方からのお客が来るのは稀である。そこで、 全 国 規 模 で の 展 開 を 行 う に は 、遠 方 に い る お 客 を 取 り 込 む こ と は 重 要 と な っ て く る。そこで、インターネット販売の仕組みが求められた。 ネット販売では、コピー商品が届いた、あるいはお金を支払ったが商品が届か ないなどのトラブルを良く聞くが、このようなトラブルは質屋にとってチャンス であると考えている。なぜならば、質屋は公安委員会の管理下にあり、厳しい審 査があり、社会に対する信用を得ていることを商売の武器にすべきであると考え ている。 (2)会社経歴 質屋ネットは、2001年1月には17店舗(内6店舗が役員)の質屋で発足 したが、2002年1月の時点で36店舗が参加しているネット販売のための会 社である。昨年末より売上が思ったように伸びないことが気になるが、原因とし ては商品に品揃えが十分でないと考えている。しかし、ブランド品のなかでもル イビトンの販売実績は、日本では最も多いことが特徴である。 質屋ネットの売上推移(売上高は 100 万円以下切り捨て): 2001 年 1月 17 店舗参加 売上点数 74 点 売上高 500 万円 2001 年 6月 24 店舗参加 売上点数 122 点 売上高 1000 万円 2001 年12月 36 店舗参加 売上点数 190 点 売上高 1300 万円 2002 年 1月 36 店舗参加 売上点数 122 点 売上高 1800 万円 となっており急成長を遂げてきた。 3.情報化の概要 (1)情報化の方針・考え方 地域が限定されている質屋の商圏において、ウエブ上で商品を売ることは広域 での消費者(ユーザー)を相手にした商売が可能になることに大きな特徴がある。 質屋ネットの基本は、ユーザーにとって簡単に、しかも欲しい商品が直ぐに検索 できるシステムの構築であった。参加店舗の全員がコンピュータに慣れていたわ けではなく、簡単に登録作業が可能となるシステムを開発した。その結果、いつ でもどこでも簡単に商品をウエブ上に掲載しメンテナンスも行えるシステムとな っている。 ネット上に注文が入るとネットに参加している各質店にメールが届き、そのお 62
客とお店とで直結したやり取りができる仕組みとなっている。お客の顔が見えな いネット上での売り買いのトラブルも無く、円滑なコミュニケーションが成立し ているところに大きな特徴がある。 (2)現状システムの概要 現在、使われているシステムの開発費は立ち上げ時より合計でハードおよびソ フトを含めて 600 万円程度に押さえられている。ネット参加質店は、それぞれコ ンピュータを有しており、質屋ネット本部(渋谷)に商品掲載依頼をすることで商 品が質屋ネットのウエブ上で紹介される仕組みとなっている。ユーザーは、質屋 ネットのウエブ上で購入したい商品を見つけると直接、各質店に注文が入り、商 品は各質店より直接、ユーザーに宅急便による届けられる。料金の徴収は商品が ユーザーに届いた後に行われる(代引き)。 検索システムの開発は質屋ネット・本部で行われるが安い開発費での開発に心 掛けている。質屋ネット本部にはデータベース・サーバーが置かれているが、他 のシステム構成はネット参加質店と同じような構成である。 質屋ネットの運営としては、 ・各質店より入会金として5,000円(ホームページ作成および登録量を 含む) ・月会費として1店舗5,000円 ・商品1点につき800円の掲載料金 によるシステムの管理・運営がなされている。 ① 開発時の問題点と対応 現在利用されているシステムに至るまでは、大きな障害は情報提供側に問題 があったようである。ネット参加質店側のコンピュータに関する知識が低く、 操作方法を教えながらの立ち上げであった。更に、質屋は食べ物以外は何でも 扱うとも言われ、商品の大半、またその中でもメーカーの多さをどのように定 義付けるかがウエブ上で商品を紹介するための問題となった。 問題への対応としては、ユーザーフレンドリーな検索システムの開発で解決 の糸口を見出したと言える。一点物の商品をウエブ上できちんと見せるために、 一点づつ写真を撮り、商品と写真との定義付けをどうするかが問題であった。 質屋ネットの特徴は検索エンジンにあり、ウエブサイトをオープンにするま でには「ユーザーフレンドリー」を心掛けた商品の紹介方法の開発がなされた。 63
② 導入の成果・要因 最も大きな成果は、地域が限定されている質屋としてのマイナス要因を、イ ンターネットユーザーを捉えることで広域での商売を可能にしたことである。 また、ネット参加各質店の情報化そしてインターネット利用に関して、根気強 く支援したことも成果を得る原動力となった。 成果に結びついた要因として: ・商圏の拡大。 ・質屋と言う信頼性をウエブ上でも得ることができた。 ・ネット参加各質店の情報化への支援。 ・ユーザーフレンドリーな検索エンジンの開発によりユーザー側の面倒な手 続きの簡素化。 ③ システム概要
商品掲載
商品掲載依頼
商品
質屋ネット 本部(渋谷) インターネット ユーザー 注文メール 各質店 質屋ネットの仕組み(システム概要) 64(3)今後の情報化計画と導入の留意点 現在の商品構成は、ブランド品としての高級バックそして高級腕時計に特化し ているが、品揃えを増やすためには、現在のシステムでは、サーバー容量等が許 容範囲をこえるために、今後の開発計画を慎重に検討している。 今後は、ネット参加質店を増やすことも重要であるが、商品の品揃えが不十分 であり、多様な商品を扱えるように工夫する。そのためには、質屋ネット本部の システムを増強する必用があるが、開発費が問題となる。また、システムが大き くなることで管理・運営方法も変わるために、ネット参加質店側の対応を含めて検 討中である。更に、 情報技術の進歩に合わせて、ブロードバンドの導入なども 検討している。 4.支援機関への期待等 今後も、ネット参加質店とも相談しながら、独自にシステム開発を進めてゆく考 えである.特に,支援機関からの支援は考えていない. 65