1/13 平成23年度の消費税法改正のうち、 ●『消費税申告書』と『付表2』の様式の変更 ●還付申告に関する明細書の添付の義務化 に関しては、保守契約にご加入のお客様に対して改正に対応した『勘定奉行』のプログラ ムディスクを送付いたします。そのプログラムをセットアップすると、これらの改正に 対応できます。 一方で、いわゆる「95%ルール」の改正に関しては、『固定資産奉行』の実務(資産の 登録)にも影響があり、『固定資産奉行』で資産ごとの「仕入対象区分の設定」を適時、 変えていただく必要があります。 お客様の実務に影響があるかは、以下の項目に該当するかでご確認ください。 すべての項目に該当する場合は、 P.4「『固定資産奉行』での対応方法」の対応方法で、資産を登録してください。
改正による『固定資産奉行』での実務影響
(『勘定奉行』と連動して、仕訳伝票を作成している場合
)
1.改正による実務への影響範囲を確認する
●『勘定奉行』と連動して、「減価償却費の計上仕訳」以外に 以下の5種類のうちいずれかの仕訳伝票を作成する 1.資産の購入(取得)仕訳 2.資産の処分(除却・売却)費用仕訳 3.ファイナンスリースの契約仕訳 4.リース料の支払仕訳 5.資産除去債務の履行仕訳 ※「減価償却費の計上仕訳」だけを作成する場合など、上記5種類の仕訳伝票を作成しない 場合は、今までどおりの運用になります。 ●当会計期間の課税売上高が5億円を超える ※課税売上高が5億円以下の場合は、今までどおりの運用になります。 ●「個別対応方式」を採用する ※「個別対応方式」でも、課税売上割合が95%未満の場合は、今までどおりの運用に なります。 ※「一括比例配分方式」を採用する場合は、今までどおりの運用になります。 ※「個別対応方式」「一括比例配分方式」については、別紙 『改正による実務への 影響確認』-P.2「2.「個別対応方式」「一括比例配分方式」のどちらを採用 するか検討する際のポイントを押さえましょう」をご参照ください。 ●当会計期間が平成24年4月1日以降(4月1日も含む)に始まる ※当会計期間が平成24年4月1日より前に始まる場合は、今までどおりに運用します。 翌会計期間から、実務に影響します。 別紙「個別対応方式」を採用する場合だけ、ご確認ください。 「個別対応方式」を採用する場合は、『固定資産奉行』において、資産ごとの「仕入対象 区分」の設定が適切に設定されているかがポイントになります。 ※資産ごとに適切な「仕入対象区分」を設定して登録することで、仕訳伝票の作成で採用されて連動 されます。 課税の商品を販売している事業者と、課税と非課税の商品の両方を販売している事業者を 例に、それぞれ説明します。あてはまる方だけご確認ください。 資産ごとに、「仕入対象区分」の設定を適時変更して登録します。 課税で販売する商品のための資産の購入は、「課税売上分」(仕入対象区分「課税売上に 関わる仕入」)、それ以外の資産の購入は「課税売上・非課税売上共通(以下、共通売上)分(仕 入対象区分「共通売上に関わる仕入」)として、『固定資産奉行』の[資産取得]メニュー (または、[資産登録]メニュー)・[リース資産登録]メニューで登録する必要があります。 また、課税で販売する商品のための資産に対する費用は「課税売上分」、それ以外の資産 に対する費用は「共通売上分」として登録します。 資産の費用計上仕訳 課税売上に 関わる仕入・費用 共通売上に 関わる仕入・費用 (仕入対象区分) ・リース料の支払仕訳 ・資産の処分(除却・売却)費用仕訳 ・資産の除去債務の履行仕訳 課税の商品だけを販売する事業者
2.実務への影響度合(作業負担)を確認する
・課税商品製造用の旋盤装置の支払リース料 →「課税売上に関わる仕入・費用」 ・経理用デスクトップパソコンの支払リース料 →「共通売上に関わる仕入・費用」 【リース料支払の仕訳例】 (仕入対象区分) (仕入対象区分) 資産の購入伝票 課税売上に 関わる仕入 (仕入対象区分) ・資産の購入(取得)仕訳 ・ファイナンスリースの契約仕訳 共通売上に 関わる仕入 (仕入対象区分) ・課税商品製造用の金型の購入 →「課税売上に関わる仕入」 ・経理用デジタル複合機の購入 →「共通売上に関わる仕入」 【資産の購入の仕訳例】 (仕入対象区分)3/13 資産ごとに、「仕入対象区分」の設定を適時変更して登録します。 課税で販売する商品のための資産の購入は、「課税売上分」(仕入対象区分「課税売上に 関わる仕入」)、非課税で販売する商品のための資産の購入は「非課税売上分」(仕入対象 区分「非課税売上に関わる仕入」)、それ以外の資産の購入は「共通売上分」(仕入対象区分 「共通売上に関わる仕入」)として、『固定資産奉行』の[資産取得]メニュー(または、[資産登録] メニュー)・[リース資産登録]メニューで登録する必要があります。 また、課税で販売する商品のための資産に対する費用は「課税売上分」、非課税で販売 する商品のための資産に対する費用は「非課税売上分」、それ以外の資産に対する費用は 「共通売上分」として、登録します。 課税と非課税の商品の両方を販売する事業者 資産の費用計上仕訳 課税売上に 関わる仕入・費用 共通売上に 関わる仕入・費用 (仕入対象区分) ・リース料の支払仕訳 ・資産の処分(除却・売却)費用仕訳 ・資産の除去債務の履行仕訳 【リース料支払の仕訳例】 (仕入対象区分) (仕入対象区分) 資産の購入伝票 課税売上に 関わる仕入 (仕入対象区分) ・資産の購入(取得)仕訳 ・ファイナンスリースの契約仕訳 共通売上に 関わる仕入 (仕入対象区分) ・課税商品製造用の金型の購入 →「課税売上に関わる仕入」 ・車椅子などの非課税商品の 搬送用フォークリフトの購入 ・経理用デジタル複合機の購入 →「共通売上に関わる仕入」 【資産の購入の仕訳例】 (仕入対象区分) →「非課税売上に関わる仕入」 ・課税商品製造用の旋盤装置の支払リース料 →「課税売上に関わる仕入・費用」 ・車椅子などの非課税商品の 製造用精密機械の支払リース料 ・経理用デスクトップパソコンの支払リース料 →「共通売上に関わる仕入・費用」 →「非課税売上に関わる仕入・費用」 非課税売上に 関わる仕入 (仕入対象区分) 非課税売上に 関わる仕入・費用 (仕入対象区分)
以下の内容は、 または のいずれの場合も、ご対応ください。 『固定資産奉行』において、資産ごとの「仕入対象区分」が適切に設定されているかが ポイントになります。 『固定資産奉行』では、資産勘定科目ごとに初期表示する「仕入対象区分」を設定できます。 仕入対象区分は、部門によってある程度確定するため、部門別にも設定できます。 初期表示する「仕入対象区分」を設定しておくと、効率的にミスなく、資産に適切な 仕入対象区分を設定できます。 設定する際は、以下をご参照ください。 P.5「資産勘定科目ごとに、使用頻度の高い「仕入対象区分」を設定する」 P.6「部門ごとに、初期表示する「仕入対象区分」を設定する」
【事前の設定】
資産勘定科目ごとに、初期表示する「仕入対象区分」を設定する
『固定資産奉行』での対応方法
課税の商品だけを販売する事業者 課税と非課税の商品の両方を販売する事業者 ・課税商品を製造する工場(部門)の旋盤装置を購入 →「課税売上分」 ・非課税商品を製造する工場(部門)の製造用精密機械を購入 →「非課税売上分」 ・経理部門のデジタル複合機を購入 →「共通売上分」 (初期表示する仕入対象区分) 以下のように、部門によって初期表示する「仕入対象区分」を変更できます。 課税と非課税の商品の両方を販売する事業者 課税の商品だけを販売する事業者 ・課税商品を製造する工場(部門)のフォークリフトを購入 →「課税売上分」 ・経理部門のデスクトップパソコンを購入 →「共通売上分」 (初期表示する仕入対象区分)5/13 ここでは、資産に適切な仕入対象区分を設定するために、資産登録時に初期表示する 仕入対象区分の設定方法を の場合を例に説明します。 以下のように、部門ごとに「仕入対象区分」を初期表示するための手順を説明します。 ○課税商品を製造する工場(部門)の資産 ○課税商品を販売する営業部門の資産 ○経理部門や総務部門など間接部門の資産 資産勘定科目ごとに、初期表示する「仕入対象区分」を設定する場合は、 まず、資産勘定科目ごと(全社)の「仕入対象区分」に、最も使用頻度の高い区分を設定します。 (今回の例の場合は、課税で販売する商品に関する資産が多い想定で、「課税売上分」を設定します。) 1.[導入処理]-[資産登録補助]-[資産初期設定]メニューを選択します。 2.[条件設定]画面で、会計基準を「税務・会計」、「部門別に初期値を設定する」の チェックを外して、[画面]ボタンをクリックします。 3.「仕入対象区分」に「課税売上分」を設定して、初期表示するようにします。 4.「仕入対象区分」を設定したら、[登録]([F12]キー)を押します。 ① 税務・会計を選択します。 ③ [画面]ボタンをクリックします。 ② チェックを外します。
資産勘定科目ごとに、使用頻度の高い「仕入対象区分」を設定する
操作方法
課税の商品だけを販売する事業者 (初期表示する仕入対象区分) →「共通売上分」 →「課税売上分」 →「 〃 」部門によって、「仕入対象区分」が決まる場合に設定します。 (今回の例の場合は、経理部門や総務部門に「共通売上分」を設定します。) すでに、資産勘定科目(全社)に対して、使用頻度の高い区分(課税売上分)が設定されてい ます。その区分と異なる区分を初期表示する部門(経理部門や総務部門)に対してだけ、以下 の手順で仕入対象区分を設定します。 ※課税商品を製造する工場(部門)やその商品を販売する営業部門など、部門ごとに仕入対象区分を設定 しない部門には、前ページで設定した資産勘定科目ごと(全社)の「(仕入対象区分)課税売上分」が 初期表示されます。 1.[導入処理]-[資産登録補助]-[資産初期設定]メニューを選択します。 2.[条件設定]画面で、会計基準を「税務・会計」、「部門別に初期値を設定する」の チェックを付け、経理部門を指定して[画面]ボタンをクリックします。 3.「仕入対象区分」に「共通売上分」を設定して、経理部門の資産の場合に初期表示する ようにします。 4.「仕入対象区分」を設定したら、[登録]([F12]キー)を押します。 続いて、「総務部門」に対しても、同様の手順で「(仕入対象区分)共通売上分」を設定します。 ① 税務・会計を選択します。 ③ [画面]ボタンをクリックします。
部門ごとに、初期表示する「仕入対象区分」を設定する
② チェックを付けて、「経理部門」 を指定します。7/13 前述で説明したように、[資産初期値設定]メニューで設定した「仕入対象区分」が初期 表示されます。初期表示された「仕入対象区分」が適さない資産の場合には、その区分を 変更します。 (今回の例の場合、営業部門の資産は、通常「課税売上分」を設定するが、経理部門や総務部門でも使用 する資産の際には、「共通売上分」に変更します。) ここでは、「仕入対象区分」を確認し、変更する手順について説明します。 ※作成する仕訳伝票の種類によって、設定箇所が異なります。 1.[資産管理]-[業務別処理]-[資産取得]メニュー(または、[資産管理]-[資産登録]-[資産登録]メニュー) を選択します。 2.取得価額欄で[消費税設定]([F9]キー)を押します。 ※[資産登録]メニューの場合は、[消費税設定]([F8]キー) 資産の購入仕訳
【日々の業務での対応】
資産を登録する際に、適切な「仕入対象区分」か確認・変更する
●課税商品を製造する工場(部門)の資産を購入した場合 ●課税商品を販売する営業部門の資産を購入した場合 ●経理部門や総務部門の資産を購入した場合 (初期表示する仕入対象区分) 課税の商品だけを販売する事業者 →「共通売上分」 →「課税売上分」 今回の例のように、事前に初期表示する「仕入対象区分」を設定すると、以下のように部門ごとに 設定された区分が表示されます。その区分が適さない場合は、変更します。 →「 〃 」 ≪ 資産取得メニュー ≫3.表示された[消費税設定(取得価額)]画面で、資産に対して適切な「仕入対象区分」 かどうかを確認し、[OK]ボタンをクリックします。 ※適さない場合は、仕入対象区分を変更してから[OK]ボタンをクリックします。 デジタル複合機は、経理部門でも使用するため、 「共通売上分」に変更します。 ≪ 資産登録メニュー ≫
9/13 資産の処分(除却・売却)費用の「仕入対象区分」は、資産購入時に設定した「仕入対象 区分」が設定されます。特にその区分を変更する必要はありません。 資産の処分(除却・売却)費用仕訳 補 足 ※[資産管理]-[資産登録]-[資産登録]メニューでも、確認できます。[資産登録]メニューの場合は、 [除却・売却]ページの処分費用欄で[消費税設定]([F8]キー)を押します。 資産の処分(除却・売却)費用の「仕入対象区分」を確認する場合は、[資産管理]- [業務別処理]-[資産除却・売却]メニューを選択します。 処分費用欄で[消費税設定]([F9]キー)を押します。
≪売買処理の場合≫ ≪賃貸借処理(リース料に係る消費税を契約時に一括控除する)の場合≫ 1.[資産管理]-[資産登録]-[リース資産登録]メニューを選択します。 2.[契約情報1]ページの基本リース料欄で[消費税設定]([F8]キー)を押します。 3.表示された[リース資産登録 – 消費税設定(リース料支払)]画面で、リース資産に対 して適切な「仕入対象区分」かどうかを確認し、[OK]ボタンをクリックします。 ※適さない場合は、仕入対象区分を変更してから[OK]ボタンをクリックします。 ファイナンスリースの契約仕訳 (初期表示する仕入対象区分) 複合機は、経理部門でも使用するため、 ●課税商品を製造する工場(部門)の資産をリース契約した場合 ●課税商品を販売する営業部門の資産をリース契約した場合 ●経理部門や総務部門の資産をリース契約した場合 課税の商品だけを販売する事業者 →「共通売上分」 →「課税売上分」 →「 〃 」 今回の例のように、事前に初期表示する「仕入対象区分」を設定すると、 ≪売買処理≫≪賃貸借処理(リース料に係る消費税を契約時に一括控除する場合)≫のリース資産 登録時に、以下のように部門ごとに設定された区分が表示されます。その区分が適さない場合は、 変更します。
11/13 ≪賃貸借処理(リース料に係る消費税を支払時に分割控除する)の場合≫ 1.[資産管理]-[資産登録]-[リース資産登録]メニューを選択します。 2.[契約情報1]ページの基本リース料欄で[消費税設定]([F8]キー)を押します。 3.表示された[リース資産登録 – 消費税設定(リース料支払)]画面で、リース資産に 対して適切な「仕入対象区分」かどうかを確認し、[OK]ボタンをクリックします。 ※適さない場合は、仕入対象区分を変更してから[OK]ボタンをクリックします。 リース料の支払仕訳 今回の例のように、事前に初期表示する「仕入対象区分」を設定すると、 ≪賃貸借処理(リース料に係る消費税を支払時に分割控除する場合)≫≪再リース料の支払≫の リース資産登録時に、以下のように部門ごとに設定された区分が表示されます。その区分が 適さない場合は、変更します。 (初期表示する仕入対象区分) ●課税商品を製造する工場(部門)の資産をリース契約した場合 ●課税商品を販売する営業部門の資産をリース契約した場合 ●経理部門や総務部門の資産をリース契約した場合 課税の商品だけを販売する事業者 →「共通売上分」 →「課税売上分」 →「 〃 」 複合機は、経理部門でも使用するため、 「共通売上分」に変更します。
≪再リース料の支払の場合≫ 1.[資産管理]-[資産登録]-[リース資産登録]メニューを選択します。 2.[契約終了]ページの再リース料欄で[消費税設定]([F8]キー)を押します。 3.表示された[リース資産登録 – 消費税設定(リース料支払)]画面で、リース資産に対 して適切な「仕入対象区分」かどうかを確認し、[OK]ボタンをクリックします。 ※適さない場合は、仕入対象区分を変更してから[OK]ボタンをクリックします。 自動車は、経理部門の従業員も使用するため、 「共通売上分」に変更します。
13/13 資産除去債務の履行の「仕入対象区分」は、資産購入時に設定した「仕入対象区分」が 設定されます。特にその区分を変更する必要はありません。 資産除去債務の履行仕訳 資産除去債務の履行の「仕入対象区分」を確認する場合は、[資産管理]-[資産登録]- [資産登録]メニューを選択します。 [除却・売却]ページの資産除去債務決済額欄で[消費税設定]([F8]キー)を 押します。 補 足