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モンシロチョウの蛹の寄生昆虫に関する研究-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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−10−

モンシロチョウの桶の寄生昆虫に関する研究 藤 本 大 生

香川大学農学部応用昆虫学研究室

On sone pupa王parasites ofthe・COmmOnCabbage butterf王y,乃eris ra♪ae c7・’bEdvora, in Xagawa Prefecture,Japan. でaiseiぎl汀王MOTO 調査研究戒績と考祭 (1)寄生虫の種類 モンレロチョウの嫡から本年(19る8)脱出を確認し た寄生昆虫の覆類ほ,コキアシヒラタヒメバチj印南− α∼f♂∫〟ク〟/〟♂㌢〃,キアンプトコバチか冴√砂班gデブβ 緒 モソレロチヲウ PJβr£∫ ㌢■吼卯ほ〝■払出か〃サー〃の天敵に 関する研究ほかなり古い時代から行なわれ,今日まで 紅は莫軋ぼう大な研究報告が公にされていると.と紘今 さらのぺるまでもない.しかし本邦においては▲幼虫野 生蜂であるアオムレコマユ/くチA♪β紹fβJβ∫gわ桝g7か わほの研究ほかなりなされているが、嫡の寄生昆虫紅 関する組織的な研究はきわめて少なく,ただ,若干の寄 生昆虫種名との寄生関係が知られているのみであるり かような現状から筆者払 香川県を舞台にしたモソ ソロチョウ亜の寄生昆虫の霜類,寄生活動の概要を明 らか紅するため虹,本年(19る8)穿から故紅かけて, 調査研究を行ない,若干の成績をえた.以下にその大 要をのべ参考に.供し允い‖ 本文阻入るに兜だって,憩切なる御指導をいただい た本学教授松沢寛博士に射し深甚の謝蕊を衷する, クねc〝デ〃fα,アオムシコバチタ伽〃傲助げ舟艇脚〝桝 の5種の寄生蜂とヤドガバエ科Tachidaeの1種 計4種であった.これらの寄生昆虫は寛1図に.示した ごとぐモあるが,ヤドリバエ科の1宛は,標本不完全 で正拡な同定は困難であった. (2)寄生率の培要 今回の調査にぶい・てえられた各地区金寄生昆虫の寄 生率,および全地区各寄生昆虫ごとの寄生率,各寄生 昆虫各地区ごとの寄生率ほ帯2∼3図iこ示したごとく である.全体的にみて,平地の地声地区より山地地区. のカがこれらの寄生昆虫による寄生率が高く,また, 寄生昆虫としてほ.,キアンプトコバチの清劫がとくに. いちじるしいことがわかるが,季節妄の商連に.、ぉい・て これらの成績をちると,また.−・般紅,晩春から真紅 近づくほと寄生率のいちじるしい上昇を認めることが できる,.しかしながら,各寄生属.虫ごとFこ検討すると, キアン:プトコバチャコキアシヒラタヒメバチほ−−・・般紅 L山地帯り臥地区で寄生率が高く,アオムンコ′くチほl!乙 地の池戸地区の方とそれほど大きいちがいでほなかっ た.なお歌学10月上旬一下旬の瑚査緒果ほ瀾2∼5図 軋ほ示さなかったが,10月上旬の調査■・ごほ,i.=也地方の 鮎滝,塩江地区でも,8,55%およぴ21..帝%(いずれ もアオムシコバチ)の寄生率がネ・られ,なお戸ゝなりの 寮生活幼が見られることがわかったが,それ以後の様 子ほよくわからなかった,また池戸■地区の詔超査は不十 分でデー一夕」−をこほならなかったまた,ヤーrリバエ科 1種ほ金野主数708頭のうち,1寄:主(初夏のもの) 調 査 方 法 調査方法ほ自然環境をこと軋する木田郡三木町池戸 地区平地),香川郡塩江地区(Jl地,および同郡鮎滝地 区)と,これらの中間地との5地区をあらかじめ礪査 地点と定め,5月中旬から7月上旬まで,およぴ10月中 旬から同下旬まで,約10日間隔で調査を実施した.そ れぞれの調査地払おいてほ,調査日ごとにキャベツ畑 内のモソレロチョウの嫡をまったくランダムに採集し て持ち帰り,個体別にガラスチ・ユ・−プに収容して綿栓 をなし,一億期間後それより寄生昆虫の脱出してくる のをまって,穫葬乱 数盈を詳細な記録,袋計,解析の 資料としたい調査対象となった寄生モンレロチョウの 錦は,全地区全期間絵計‘708個体であった.

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

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−11− 第1図 モンシロチョウ痛から脱出した寄生性昆虫 A∴鋸南¢/fβ∫ぐ♂♪捉∼どfβrαKRIECH苫AロMER コキアンヒラタヒメバチ B.か都わ倣如■α∂ぁぶC#rαf〃WALXER キアシプトコバチ C.タf♂rβ桝αJ〟g♪打♪虎7・研搾LINⅣ丘 アオムレコバチ D小Tacbinidae sp.ヤドリバエ科の1橙 0 38 20 川 コキ?シヒラタヒ′・くチ /

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28 4−7 JUNE

JUL1; 第2図 全体的にみた各地区別モンシロチョウ煽

寄生昆虫類の寄生宰困と種類別にみた寄生率(B) 第3図 各地区別にみた各寄生昆虫の寄生率消長

(3)

−12− の鼠から2頭あらわれた.したがって上記のグラフに は示さなかった. 大体以上のごとくであるが,これらのモyシノロチョ ウ蛸への寄生率ほ,種類により,時期,場所紅より変動 はあるが,初夏の頓には相当に高率のようで,アオム レコマエバチその他の天敵とともに寄主モソレロチョ ウの勢力にかなり大きな圧力をかけているものと判断 される. (3)各寄生昆虫の寄生枝式 以上の各寄生虫のうち,コキアンヒラタヒメパテ, キアンプトコパテの2種ほ,全期間を通じ,まったく 1寄主から1頭のみが脱出して来た..したがって,い わゆる単車生monoparasitismをなすものに.相違な い..しかし,アオムシコバチほ1寄主から実に多数 (今回ほ1鮎頭が最高)の個体があらわれ,いわゆる 多畜生p01yparasitismを示すことが明らかであっ た,、この多寄生の起り方虹ついていっそうくわしくし らぺるため虹,試験管れ新らしい寄主を収容し,それ に.アオムレコ′くチの堆成虫を放つ実験(蜂数をいろい ろ紅かえる)を行なったとこる,同時濫多数が攻撃産 卵をなしたり,1頚が何回も攻撃産卵したり,また, 1頭の蜂の産卵時間もいろいろで(数分を要するもの はかなり多数ある)あった.従つて松沢(1958)の提 案した巌多寄生血山tiple polypaェ・aSitismに.該当す る寄生練武と判断されたh そこで,.筆者ほ,このアオ ムレコ′くチの頻度分布チーター(寄主数占72)に対し て,松沢(19る8)の用いた確率モデJレ,重複ポアソソ 分布の武すなわち  ̄m ■一抹 prk)=e.e(k=7.2.5…….) 第1表 モンシnチョウの頓に寄生するアオムシ コパテ頻度分布と重複ポアソン分布に対 する適合度 階 級 0 1−2D 21−4D jl− 占D ‘1−8〔〉 81−100 1〔)1−120 N=占一72 m=D.D29 入こ占1.る5 X2−teSt:D..2二>P>0.1 績 要 香川具に点けるモン1ソロチョウ癖の寄生他見虫とそ の活動の概要を知るため虹り 本年(19占8)5月から1ロ 月にかけて調査研究を行ない次のような成績をえた: (1)モソンロチョウ感を攻撃する寄生昆虫として,本年 はコキアンヒラタヒノバチ,キアンプトコパテ,ア オムシコバチ,およぴヤドリバ工科の1榎の計4種 を確認した.. (2洩っとも高い寄生率を示すのは初見の侯であったが 概してキアンプトコパテ,次いでコキアシヒラタヒ メ′くチの寄生率が高かったしかもこれらほ,山地 寄りの地方はど高い寄生率を示した.けれども,ア オムシコバチの寄生率ほ山地,平地ともそれほど高 くなか・らた. (3きキアンプトコバチとコキアシヒラタヒメパテはまっ たくの選者生を示したが,アオムレコバチは高度の 多春生を示した小 しかして,アオムンコパテの寄主 払おける頻度分布ほ,重複ポアソソ分布の−一戯式に かなりよく適合する偵向がみられた‖ ㈲ヤドリバエ1種はフロ8個体中ただ1頚の寄主錦から 2頭脱出したのみであった.したがって蝿の天敵と しての役割ほ比較的低いものと思われる. 参 考 文 献 (1)石井 悌(195D):Lansania,2,88. (2)一・H・・−・ 長沢絶大(1948):松虫,2,115−115, (3)・一− −−・・一捻か7氏(1955):日東成虫図鑑1959, 東京,北隆館. (4)岩田久二雄(19‘5):昆虫,51(1l,2ロ9.. ミ5)松沢 寛(1958):香川大学農学絡紀要,5,1 −・−125,. ㈲MATSUZ丸WA,軋(19る8):Ko王1tyu(.Jap小J.Ent.. Soc.),5る(1),59−45. (7)内田登一(1925):札幌農林学会報,1占,5Dl−51D,

18)+

(1955):新見虫,8(51,1−8. f9)安松京三ほか2氏(19る5):蝶色昆虫大隠鑑,558 P小 策束,北陰線‖ r! k! Ⅰ■=0 ただし r:寄生蜂の攻撃回数,m:その平均,k:1寄 主体内の寄生蜂数(ここでほ,1寄主あたりの寄生蜂 脱出数とする),九:その平均をここに/再び適用するこ とを試みた、その結果,欝1毒に示すような成跨がえ られ,−一応かなりな桂皮のよい適合が認められた. (X2一枚定紅おける自由度ほ,この場合,理倫的紅ほ n−5とすべきであるが,このような抽出データ払い きなり純理論を持込むことほ数学的にも問題があると されるので,ここでほユー1とした)徹 したがって,アオムレコパテの寄主攻撃や改装の都 度の産卵数は恐らく機会的(ポアソソ分布■)に行なわ れるものと思われる

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