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アルミ材を使用した木造建築物用座屈拘束ブレースの開発(PDF)

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Academic year: 2021

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写真 1 試験体加力 図

ア ル ミ 材 を 使 用 し た 木 造 建 築 物 用 座 屈 拘 束 ブ レ ー ス の 開 発

Deplopment of Aluminium Buckling Restrained Brace’s Performance for Wooden Building

吉田 競人、小林 健

YOSHIDA Keito and KOBAYASHI Ken

1 11 1 ....序序序 序 これまで大規模な地震は関東或いは東海にお いて生じると想定されていたが、先般東北地方 太平洋沿岸を襲った大地震は、住宅の耐震性向 上の必要性は全国において想定される必要があ ることを想起させる災害であった。 耐震性能の向上を図る技術としては、耐震工 法、免震工法および制震工法が開発され普及が 図られてきた。このなかで主として住宅につい て採用された工法は、費用が安価であるという ことから耐震工法が主体であったが、今回の地 震は耐震工法のみでは地震のエネルギーに対処 しきれない可能性を示し、更なる耐震向上の必 要であることを示唆したといえる。制震工法は、 それに対する有力な耐震技術の一つである。 本報告は、木造建築物の耐震性能を向上させ るために行ってきた一連の木造用座屈拘束ブレ ースの開発 1)、2) のひとつであり、今回は芯ブレ ースに低強度のアルミ材を使用し、エネルギー 吸収性能の向上を図ることを目標とした座屈拘 束ブレース(以下BRBと称する。)の実験報告 である。 2. 2.2. 2. BRBBRBBRBBRB単体履歴特性単体履歴特性単体履歴特性単体履歴特性 実験実験実験実験 2.1 2.12.1 2.1 BRBBRBBRBBRB単体実験概要単体実験概要単体実験概要単体実験概要 本報告で取り扱うBRBの特徴はBRBを構成 する補剛材の一部であるモルタルやアンボンド 材を使用しないことである。本実験においては モルタルの代わりにアルミ鋼管を使用し軽量化 と施工の効率を図った。芯ブレース材はA5052、 引張強度σu=251N/mm 2 である。アルミ鋼管の材 質は芯ブレース同様A5052である。また補剛材 に 使 用 し た 鋼 管 は配 管 用 炭 素 鋼 鋼 管 (SGP) (引張強度 σu=460N/mm 2 、ヤング係 数 E=177.3E03 N/mm2)である。試験体概要は図1 に掲げる通りである。 ま た、 試験 体数 はアンボンド材としてポリ エチレンビニール厚さ 0.2mm を芯ブレース に2重に巻き付けたもの(BF)と使用しない もの(BN)の2体とした。これは、アンボン ド材の有無が BRB の履歴特性に与える影響 を 把 握 す る た め で あ る 。 両 者 の 座 屈 長 さ は 806mmである。 鋼管φ 27.2×2. 8 13 4 1413 4 14134 14134 14134 1466 806 アルミパイプφ 20× 2 アルミパイプφ15×2 ナットM10 芯ブレースφ10 (転 造ね じ) 図1 木造用BRB試験体概要 2.2 2.2 2.2 2.2 BRBBRBBRBBRB単体実験結果単体実験結果単体実験結果単体実験結果 試験体加力図を写真1に示す。試験体取り付 け部はプレートを介し試験体治具に取り付けた。 制振部材としてのBRB単体試験体の荷重-変形 関 係 を 求 め る た め に 加 力 方 法 は 変 形 制 御 と し 、 軸 歪 を 0.1% か ら 0.5% 、 1.0%、1.5%、2.0% ま で 増 大 す る 正 負 交 番 繰 り 返 し 試 験 と し た 。 加 力 サ イ ク ル は そ れ ぞ れ 3 回である。図 2 と 図 3 は 試 験 体 BF ( フ ィ ル ム 有 ) と

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BN(フィルム無)の荷重-変位曲線の実験結果 である。圧縮領域において両者共に荷重の低下 が見られた。破壊はBFが2%歪3回目の繰り返 し引張時において生じ、BNは2%歪2回目の繰 り返し引張時において生じた。 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 -18 -12 -6 0 6 12 18 Lo a d (k N ) Disp(mm) 図 2 BF(フィルム有)荷重-変形曲線 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 -18 -12 -6 0 6 12 18 Lo a d (k N ) Disp(mm) 図 3 BN(フィルム無)荷重-変形曲線 2. 2.2. 2.333 3 減衰定数減衰定数 および加速度低減率減衰定数減衰定数および加速度低減率および加速度低減率および加速度低減率 両試験体の制振効果を検証するために下式に より規定される減衰定数と加速度低減率を主要 な歪毎に算定した。それぞれの結果を表1と表 2に、図示したものを図4と図5に掲げる。 (1) ここで, :履歴吸収エネルギー :等価剛性による弾性エネルギー (2) (3) (4) 表1軸歪と等価減衰定数結果一覧 軸歪(%) 減衰定数 heq(%) BF/BN BF BN 0.1 10.0 11.0 0.909 0.5 19.3 18.0 1.07 1.0 37.8 35.0 1.08 1.5 43.0 44.0 0.977 2.0 49.8 52.0 0.958 表2軸歪と加速度低減率結果一覧 軸歪(%) 加速度低減率 Fh BF/BN BF BN 0.1 0.71 0.72 0.986 0.5 0.50 0.48 1.04 1.0 0.32 0.32 1.00 1.5 0.26 0.26 1.00 2.0 0.25 0.24 1.04 0 10 20 30 40 50 60 0 0.5 1 1.5 2 等 価 減 衰 定 数 h e q ( % ) 軸歪( %) BF(Film有) BN(Film無) 図 4 軸歪-減衰定数 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 0.5 1 1.5 2 加 速 度 低 減 率 ( F h ) 軸歪( %) BF(Film有) BN(Film無) 図 5 軸歪-加速度低減率 2 max 1 2 e W kδ ∆ = max max max ( ) ( ) e Q k δ δ δ = 1.5 1 10 h F h = + W W ∆ max 1 ( ) 4 eq W h W δ = π⋅ ∆

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表1と表2、図4と図5からアンボンド材と してのフィルムによる減衰定数への影響はほと んど見られない。次に強度に及ぼす影響を把握 するために歪毎に対する引張時と圧縮時の強度 を一覧にしたものが表3である。この図からフ ィルムが強度に及ぼす影響はやはり少ない。 また制振効果は歪度が0.1%,0.5%,1%,1.5%お よび 2.0%に対し等価減衰定数はそれぞれ平均 で 10.5%,18.7%,36.4%,43.5%及び50.9%と高 い性能を示した。 表3 歪毎の試験体最大強度 2. 2.2. 2.444 4 正負加力正負加力 方向の荷重正負加力正負加力方向の荷重方向の荷重方向の荷重 図2や図3の復元力特性をみると正負同一歪 において圧縮加力時の強度が増大する傾向が見 られる。正負同一歪にたいする強度を調べるた めに、歪毎の最大荷重を表4および図6にまと めた。フィルムの有無にかかわらず、軸歪みの 増加と共に、荷重増加率(S)は下式で近似可能で ある。 S=0.235ε+0.939 (5) 表4 圧縮強度と引張強度の比 歪(%) 種別 引張 (kN) 圧縮 (kN) 圧縮/引張 0.1 BF 3.14 -2.39 0.76 BN 2.98 -2.89 0.97 0.5 BF 10.29 -10.29 1.00 BN 10.40 -10.49 1.01 1.0 BF 11.75 -13.09 1.11 BN 11.86 -14.53 1.23 1.5 BF 11.84 -14.39 1.22 BN 12.73 -16.53 1.30 2.0 BF 13.22 -18.66 1.41 BN 13.31 -18.55 1.39 S = 0.235ε + 0.939 0 0.5 1 1.5 2 0 0.5 1 1.5 2 軸歪み( %) BF(Film有) BN(Film無) 線形(BF(Film有)) 図 6 軸歪-強度増加率 BRB は 本 来圧 縮 時剛 性 と引 張 時 の強 度 と剛 性 が等しいものである。しかしこのように圧縮時 と引張時におけるブレース強度に相違がみられ る場合、この影響を避けるためには圧縮ブレー スと引張ブレースを常に一対に配置することに 可能である。圧縮時において強度が増大する理 由は補剛材と芯ブレースとの間隙が寄与するも のと考えられるが詳細は今後の課題である。 3. 3. 3. 3. BRBBRBBRBBRBを組み込んだ木造フを組み込んだ木造フを組み込んだ木造フを組み込んだ木造フ レームレーム加力レームレーム加力加力加力実験実験実験 実験 3 3 3 3 .1.1.1.1 木造フレーム実験概要木造フレーム実験概要木造フレーム実験概要木造フレーム実験概要 フレームの BRB を組み込んだ場合の制振性 能を確認するために図7 のように 1Pの木造フ レームにBNタイプのBRBを3体取り付けて加 力実験をおこなった。試験体数は芯ブレースを 8mm とした試験体(試験体名 M8-1P)1 体と 10mmとした(試験体名M10-1P)1体の計2体 とした。M8-1P試験体の構成は内部アルミ管が φ12×1.5とφ15×1.0とし補剛管はφ21.7×2.8を使 用した。試験方法は㈶建材試験センターが定め た「木造耐力壁及びその倍率の試験・業務方法 書」に準拠した。 加力は正負交番繰り返し加力とし、繰り返 し 履 歴 は 見 か け の せ ん 断 変 形 が 1/450, 1/300,1/200,1/150,1/100,1/75,1/50rad の 正 負 変 形時に行った。繰り返し加力は、履歴の同一 変形段階で3回の繰り返し加力を行った。最 大荷重に達した後は試験体の見かけの変形角 が1/15rad以上に達するまで加力した。 歪(%) 加力 (kN) BF BN BF/BN 0.1 引張 3.14 2.98 1.05 圧縮 -2.39 -2.89 0.827 0.5 引張 10.29 10.40 0.989 圧縮 -10.29 -10.49 0.981 1.0 引張 11.75 11.86 0.991 圧縮 -13.09 -14.53 0.901 1.5 引張 11.84 12.73 0.930 圧縮 -14.39 -16.53 0.871 2.0 引張 13.22 13.31 0.993 圧縮 -18.66 -18.55 1.01

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3 33 3 ...2.22 2 木造フレーム加力実験結果木造フレーム加力実験結果 木造フレーム加力実験結果木造フレーム加力実験結果 実 験 結 果 一 覧 を 表 5 に 示 す 。 M8-1P と M10-1Pの壁倍率はそれぞれ3.6と2.5を示した。 また、それぞれの木造フレーム試験体加力前後 の写真を写真2から写真3に、ブレースの破壊 性状を写真4と写真5に示す。加力最終時の変 形状況をみると、木造柱に変形が生じているこ とがわかる。この理由は、取り付け金物と柱の 軸が一致せずに偏心したことにより柱に曲げモ ーメントが生じたためである。写真 4と写真5 に掲げる実験終了後の BRB の変形をみるとア ルミ管内部において高次モードの座屈を生じて いた。座屈モード次数はM8径がM10に比べ高 かった。 表5 木造フレーム実験結果一覧 試験体 M8-1P M10-1P 壁倍率 2.5 3.6 降伏耐力Py(kN) 4.5 6.5 終局耐力Pu(kN) 6.3 10.2 120rad時のP(kN) 5.5 6.9 2/3Pmax(kN) 5.7 7.6 初期剛性K(kN/mm) 0.3 0.3 降伏変位σy(mm) 13.9 19.7 終局変位σu(mm) 189.7 96.2 塑性率µ 9.8 3.1 構造特性係数Ds 0.2 0.4 また、M8-1PとM10-1Pの両試験体とも、BRB 芯ブレースに破断が生じた場合においても、取 り付け金物を含む接合部には損傷は見られず、 取り付け金物は十分な強度を有することが実験 的に判明した。 図8と図9は、M8-1PとM10-1P試験体の荷 重-変形曲線である。M8-1Pは比較的滑らかな 紡錘形状を示し、変位が69.4mmの時中央部に 位置するブレースが8.6kNで破断した。それに 対し、M10-1P の試験体は、履歴 に幾分スリッ プ形状を含む紡錘形を示した。変位が98mmで 中央に位置するブレースが破断した。最大荷重 は11.3kNであった。 3 3 3 3 ....333 3 木造フレーム減衰定木造フレーム減衰定木造フレーム減衰定木造フレーム減衰定 数と加速度低減率数と加速度低減率数と加速度低減率数と加速度低減率 木造フレームに BRB を取り付けた場合の減衰 定数と加速度低減率の一覧をそれぞれ図 10 と 11に掲げる。 変形角1/200でM8-1P、M10-1P両試験体共に 12%、1/100では23%と16%となった。この時 の 加 速 度 低 減 率 は 変 形 角 1/200 で 両 者 と も に 0.68、1/100 時点で 0.45 と 0.58 となった。M8 を芯ブレースとして利用した試験体が高い減衰 定数を示したのは、取り付け金物と柱の偏心に より柱に生じる曲げモーメントに対し柱が十分 な曲げ剛性を有していいないため、BRB軸力が 大きいと柱変形が増大し、BRBの塑性変形量が 増大しにくいためであると考えられる。 4.結論 4.結論 4.結論 4.結論 降伏強度が鉄と比較して少ないアルミニウム 材を芯ブレースとして使用することによりエネ ルギー吸収の向上を図った BRB の実験を行っ た結果以下の知見が得られた。 1. アンボンド材としてのフィルムが BRB の 強 度 お よ び 減 衰 定 数 へ 及 ぼ す 影 響 は ほ と んどない。 2. 制振効果は、単体は高いがフレームに取り 付けると効果が低減される。特に、M8 よ りも強度の高い M10 を使用した場合に見 られる。 3. 転造ねじを使用した BRB は圧縮時と引張 時の強度が異なる傾向がある。 2 7 3 0 500 91 0 500 B R B B R B B R B 図7 試験体 (木造フレーム)

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図 9 荷重-変位曲線(M10-1P) 図 11 変形角と加速度低減率 図 8 荷重-変位曲線(M8-1P) 図 10 変形角と減衰定数 0 5 10 15 20 25 30 35 5/1000 10/1000 15/1000 20/1000 等 価 減 衰 定 数 ( % ) 変形角(rad) M8-1P M10-1P 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 5/1000 10/1000 15/1000 20/1000 加 速 度 低 減 率 ( Fh ) 変形角(rad) M8-1P M10-1P -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 -60 -10 40 90 140 190 L o a d (k N ) Disp(mm) -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 -60 -35 -10 15 40 65 90 115 140 165 190 L o a d (k N ) Disp(mm) 写真2M8-1P試験体 加力前(左)加力後(右) 写真 3 M10-1P試験体 加力前(左)加力後(右) 写真 4 M8-1P試験体(上) ブレース座屈変形図(下) 写真 5 M10-1P試験体(上) ブレース座屈変形図(下)

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謝辞 謝辞謝辞 謝辞 本報告は、職業能力開発総合大学校東京校平 成22年度グループ研究(研究名:「制震を目的 とした木造建築物用座屈拘束ブレースの開発」) の成果の一部です。ご協力いただいた関係各位 に深く感謝いたします。 参考文献 参考文献参考文献 参考文献 1) 吉田,栗 山,「 座屈拘束 ブレース (BRB) を 使用した木造フレームの耐震補強」,職業能 力 開 発 総 合 大 学 校 東 京 校 紀 要 第 24 号,PP37-42,2009年3月 2) 吉田,栗山,「座屈拘束ブ レースを利 用した 耐震補強方法の開発」,職業能力開発総合大 学校東京校紀要第 24号,PP63-74,2010 年3 月

表 1 と表 2 、図 4 と図 5 からアンボンド材と してのフィルムによる減衰定数への影響はほと んど見られない。次に強度に及ぼす影響を把握 するために歪毎に対する引張時と圧縮時の強度 を一覧にしたものが表 3 である。この図からフ ィルムが強度に及ぼす影響はやはり少ない。 また制振効果は歪度が 0.1%,0.5 % ,1 % ,1.5 %お よび 2.0 %に対し等価減衰定数はそれぞれ平均 で 10.5 %, 18.7 % ,36.4 % ,43.5 %及び 50.9 %と高 い性能を示した。 表 3
図 9  荷重-変位曲線(M10-1P) 図 11  変形角と加速度低減率 図8 荷重-変位曲線(M8-1P) 図 10  変形角と減衰定数 051015202530355/100010/100015/1000 20/1000等価減衰定数(%)変形角(rad)M8-1PM10-1P 00.20.40.60.81 5/1000 10/1000 15/1000 20/1000加速度低減率(Fh)変形角(rad)M8-1PM10-1P-20-15-10-505101520-60-104090140 190Load

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