エスレル処理によるキュウリの雌花分化の研究
倉 田 久 男 Ⅰ緒 言 ウリ類のうち,最も果数形の収盈構成を示すキュウリでは,雌花節数の少ない場合雌花節数を増加させることは収 盈をあげる第一儀的を条件である.従って,品種的に,または高温,長日など気象環境的に雌花を確保しにくい条件 における栽培では,化学的処理によって雌花節を増加することの意義は認められよう…すでに,EthIel(2−ChloIOe− thanephosphonicacid)の1∼数回菓面撒布または土壌処理によって,雌花節が多くなることについては,かなりの 報告があり(り−8・10・11・18−18)同時に,とくにpickle用など小形,果数形品種において増収に有益であろう(8・11・18)こと も確められている. しかし,撒布処理によって雌花節数が増加する場合,撒布処理時期の花の分化発育段階と雌花発生節位との関係, 薬剤盈と雌花が発生する位置,範軋 更にそれがEthIelの種類による差異をど,明確になっているとはいえ・なれ 本研究は,1969−1971年,雌花のつきにくい品種または栽培環境下にお車て,目的の節位に安全に雌花を確保するた め必要な EthIel処理の普偏的な考え方を導きだす目的をもって実施したものである・ ⅠⅠ材料および方法 各年次における種まき斯,育苗条件,供試したキ.ユウリの品種,使用したEthI・elの種類,波風 処理時軌処理 回数は第1表の通りである. 第1表 供試材料および処理方法 年次 種まき期 育苗条件 品 種* 浪皮 処理糊処理回数 ppm 1969 4月30日 露 地 大利根1号,同500 Acp66−329 75,100 1.5糞 1回 まつかぜ,久留米H 150,300 30 19705月1日 露 地 大利根1号
Acp68−250 150 2.0 1温 室 久留米 H
300 3.0 19718月5日 露 地 大利根1号
Acp68・−250 60∼100 2∼6 1∼3 *大利根1号,大利根500は関束地道系から育成した白いほ品種. まつかぜは四薬の血をひく白いぼ品種. 久留米Hは関東系節成品種,黒いぼ。 処理はすべて,処理直前に所定の濃度に薄め,小形噴霧器で水滴が落ち始めるまで,生長点部を含めて全株に葉蘭 撒布した.処理時の花の分化発育段階は処理当日,代表的な2∼3個体について生のまま解剖調査した… 各個体は普 通栽培に準じて栽培したが,親づると第3節から発生した子づるの2本仕立とし,その他の側枝は2繋を残して摘心 した,誘引は高さ1l8mのネットを用いた.花の性表現は,親づるで凡そ30節,第3節の子づるでは凡そ25節まで,お よび側枝第1,第2節について開花期頃,確実に発育した花または蕾を確認して調査した.節数は,子葉節を除き基 部から本葉節数であらわした..調査数は1区20本とし,節位別雌花節%などで表示した.. 1969年吼 処理前後の光の影響をみるために2盃の黒カンレイシヤ(光丑25%前後)被怒下で処理した区,栄養条 件による差をみるため砂を混合した桁地育苗のものと,莞面撒布剤によって栄養補給した区などを併せ比敬した.ⅠⅠⅠ実 験 結 果 1 花のあらわれ方に対する一・般的影響 ACP66−329の150ppmを3葉期に1回柴面撒布した場合,親づるの花のあらわれ方を如処理区と比較すると第 1図の通りで,次の4項目に要約できる.即ち,EthI・el処理によって, 100 80
%60
40 20 0 イ ̄’モ、..A処理牒∴雌花節 B ク 雌・雄花混合節 C ク 雄花節 D ク 開花不能節 E標準区雌花節 F ク 雄花節 G ク 開花不能節 ・ ′ ′ ′ 1 3 5 7 9 1113 15 17 19 21 23 25 親づる節位 第1図 Ethrel処理による花の変化(大利根500,Acp66p329,150ppm,3薬期処理) (1)1∼3節において開花不能節%の増加・ (2)3∼12節,とくに4∼8節で雌,雄花混合節の発生,これは第1花雄花,第2ト′3)花雌花である・ (3)9−20節,とくに10∼19節で純粋雌花節の著しい増加,しかし21節以上では雌花の増加はみられない・ (4)以上から,20節までの雄花節の著しい減少. 子づるについても,増加または減少する節位の巾,%は巽るが4項目は同様の傾向を示した. 以下の実験成撥軋各区それぞれこの4点について調査したが,煩雑をさけるため純粋雌花節の動きについて表示 比較する. 2 ACP66−329を用いた場合の雌花節の動き4月30日まき,品種大利根500について,浪皮75,100,150,300ppmを,15薬期(5月17日),3薬期(5月29
日)にそれぞれ1回撒布処理した場合,親づる,子づるの雌花節の発生は第2図の通りである・ (1)雌花節の動垂 1.5薬期処理では親づるについて150,300ppm区のみ,6節を中心に雌花節が増加し,高濃度区が雌花節の巾が 広い,親づる100,75ppmおよび子づるの各濃度では影響があらわれなかった・ 3薬期処理では,親づるで15節,子づるで6節を中心に何れの処理濃度でも雌花節が増加し,概ね処理濃度に比例 して雌花節の巾が広く,その影響は子づるより親づるが大きい. 即ち,2図を通覧すると,雌花発生の節位は処理時期によって実る(幼苗期処理は低く,苗が発育して処理すると 高い)が,同じ処理時期であれば,同じ節位に正規分布状に雌花が発生し,その節数はほぼEthrelの処理濃度に比 1.5菓期処理、子づる 0 0 8 6 雌 花 10 12 位 0 1 8 6 4 2 8 1 6 1 4 1 12 14 16 位3菜期処理、親づる
4 6 8 1012141618 20 22 24 26 28 30
節 イ立 3菓期処理、子づる 100 80 60 40 20 0 ■ト・・−−▲300PPM ふ■ ̄‘ ̄一150 ● ̄ ̄ ̄■寸100 0 ̄ ̄−0 75 雌 花 節%
2 4 6 8 10 12 14 16
節 位 第2図 Acp66−329処理が雌花節に及ぼす影響(撒布時期と撒布濃度について) 例していること,3薬処理は1・5其処理より著しい影響が認められること,などが明らかに認められ,更に細くみると,3葉期処理300ppm区でも雌花節位は10∼24節の抱囲で,それ以上の節位には影響がないこと,3葉処理の150,
300ppm区を比較すると,雌花発生の上限節位は処理濃度に比例したが,下限節位は濃度に関係なく10節であること などが指摘される. このように雌花節位の動きは,ほぼ正規分布的であるとすれば,その大きさは雌花節%50%の節数で代表すること ができよう.この考え方で第2図をまとめたものが第2表で,上述の結果を明確にあらわしているり 第2表 純粋雌花の節数分布(雌花%50%以上の節数) 大利根500 (2)撒布処理時期の花の分化発育段階と雌花節位との関係 雌花節位が処理時期によって明確を動きがあるとすれば,撒布処理時期の花の分化発育段階との関連が問題にをる. 即ち,分化発育段階からみて雌花化しうる範囲を明らかにする必要がある,これは逆に,目的の節位に雌花をうるための撒布処理時期の決定にをるからである¶ 処理の影響があらわれた1・5菓期処理の親づる,3薬期処理の親づる,子づるについて,処理時期の分化発育段階 (各節における第1花,第2花の発育状況)と,処理によって雌花のみあらわれた節位との関係は第3表のようであ 第3表 処理時の花の分化発育段階と雌花節発生との関係 節 位 12 3 4 5 6 7 8 91011121314151617181920212223242526 1い5葉期処理親づる 分化発育段階 1花 2花 f P S初 S形 P初 P形 GP ■‘⊥ P f P S初 S初 P形 雌花 節位 0000000 000 0 0 0 5 0 5 0 7 3 1 1 3薬期処理親づる 分化発育段階 1花 f P 一⊥⊥ P f f P P S形Pf ・GいP. S形 S形 P初 P形 f nr ■−T▲ p▲ f nr f p▲ S形 S形 P形 雌花 節位 00 0000 0000 0000 0000 0000 ○ 0000000 0 0 0 5 0 5 0 7 3 1 1 00 0000 000 000 3葉期処理子づる 分化発育段階 1花 ・GいP. 雌花 節位 0 0 0 5 0 5 0 7 3 1 1 G.P.:つるの生長点部位 Pf:花の始源体 S:ガク片 P:花弁 る.それぞれの処理において,雌花発生の中心節位であった,1.5薬期処理親づるの6節,3秦期処理親づるの15節, 子づるの6節をみると,処理時期は花弁初生前後に相当し,かをり共通している.また,雌花化の下限節位とみられ る3葉期処理150,300ppm区の親づる10節の第1花は,ガクおよび花弁が発育して完全に合掌した飾位の1∼2節 下位に相当し,Staminodiaは発育を始め,Pistillodiaの段階で,曹長0.6∼0てmmに達し,第1花は外観的には, すでに雄花と決定できるのではをいかと思われる節位に相当していた. (3)附着薬剤盈と雌花節数との関係 雌花節数は,15薫期処理より3葉期処理が明らかに多く,同じ処理時期では処理濃度に比例しているとすれば, 植物に附著した純粋薬剤盈との関係があるのではないかと考え,処理時期の桑面潰と EthIel弧度から計簸した純粋 薬剤附着盈(Ⅹ)と第2表で示した雌花節50%以上の連続節数(y)との関係を示すと第3図の通りである.これによ ると,親づる,子づるとも確実を正の相関を認め,親づるについては薬剤盈0.4mgまではほほ直線的傾向が認めら れる(y=33.91Ⅹ−2.54)が,04∼0.7mgではその増加傾向は半減している.これは3葵期処理300ppmでは150 ppmに比べ雌花節の発生が上位方向のみで下位方向には増加しをいことに原因しているからであろう.子づるにつ
4 2 0 1 1 1 雌花50%以上連続節数 0 0.2 0A O.60.7mg O O.2 0.4 0.6 0小8mg 第3図 附着薬剤盈と雌花節数との関係(Acp66−329) いては0.7mgまでほぼ直線的傾向が認められるが,薬剤量に対する雌花節の増加傾向はy=16.0Ⅹ−0」・96で,瓢づ るの場合の約50%に相当している. 3 ACP68−250を用いた場合の雌花節と生育に及ぼす影響 5月1日まき,2薬期(5月22日)または3薬期(5月26日)に,150,300ppmを1回撒布,露地においた場合 の親づるについて比殴すると(第4図),大利根1号では何れの処理期とも150ppmに比べ300ppmが雌花節%は 著しく劣り,とくに3薬期300ppm区は無処理区と同じ程度であった・久留米Hにおいても300ppm区が150ppm より優れた成潰は認められをかった 因に,ACP68M250,300ppmを2薬斯に撒布し,4日後の生育盈を比較すると(第4表),処理区は1本当り生態 重で約50%,葉面積で68%,4日間の生長盈は生態重で9%,第2葉菜面積で14%にすぎなかった.処理したものは, 葉柄の角度が展開し,質は硬化して新薬の発生,生長は鈍化した 花 節 0 0 1 % 80 60 40 20 0
2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24
節 位 第4図 Acp68−250処理が雌花節に及ぼす影響(露地)第4表 Acp68−250,300ppm処理による生育比較 無処理区 処理区 比 1本当り生体重 g 17.25 8‖58 49.7% 4日間生体重増加盟 g 9u50 0.83 8.7 1∼4葉菜面積 cm2 291.7 197…6 68.7 ぎ1三‡一甘色⊥一祥一小1 9.6 13.8 撒布処理 5月22日(2葉期) 調査 5月26日 このことは,ACP68−250の場合では,高濃度のものを処理すると生長障害があらわれるとともに,雌花発生に対 しても影響が劣ることを意味する. この場合の附着薬剤盈(Ⅹ)と親づる雌花節数(y)との関係を図示すると第5図のようで,1本当り薬剤盈0・2へ′ 0 1 親づる雌花節数 00 6 4 0 0・2 0.4 0.6mg 附着薬剤盈 第5図 附着薬剤盈と雌花節数との関係 久留米H,親づる 節100
%
80
60
40
20
04 6 81012141618 20 22 24
節 位 第6図 Acp68−250処理が雌花節に及ぼす影響(温室)0。.35mgまではACP66岬329の場合と同一傾向であるが,それ以上では雌花発生の働きが劣ることは明らかである. 品種別にみると薬剤盈が多い場合,大利根1号は久留米Hより若干劣っているが,これが雌花発生に対する Ethrel の直接的な作用の品種間差異であるか,生育障害に対する品種間差異からくる2次的影響であるか明らかではないが, その差は僅かなものである.. しかし,無加温の温室内で処理した場合は(第6図,第5図),雌花発生が高濃度で明らかに劣るという事実はあ らわれなかった..高濃度による生育障普,雌花節増加の抑制は低温下において著しいようにうかがえる. 4 ACP68−250の重複撒布の場合 雌花節の発生に対する Ethrelの働き方は,処理時期の苗の発育と関連して雌花節位があらわれ,1回処理によっ て発生する範囲は広くないものであり,とくにACP68−250 では高濃度は生育障蕃の危険があること,反面,キふ ウリ栽培では,雌花%は著しく高くをくても広い鞄囲にわたって雌花節が発生することが望ましいとすれば,低潰度 で,1回の処理によって影響をうける範囲程度を間隔にした重複撒布について検討する必要があろう.また,この場 合,薬剤附着畳からみれば,苗の発育・薬面墳の増加に伴って処理濃度を下げてよい筈である.その意味で第7図に 示す3回重複撒布の3区を1回処理または無処理区と比較した・ 親づるについては,2葉期100ppm,1回処理は8節を中心に4∼11節の範囲に正規分布的に雌花節があらわれた 親 づ る A.2某期、4菓期、6菜期 100PPM3回処三哩 B..2菓期100、4菓期80、 6葉期60PPM3回処理 C..3葉期、4菓期、6菓期 60PPM3回処理 1.2菓期100PPMl回処理 0.無処理
2 4 6 8 101214 1618 20 22 24
節 位 第7図 Acp68−250重複撒布が雌花節に及ぼす影響(大利根1号) が,100ppm2,4,6薬期3回処理区は4∼27節の範囲に,8節,16節,23節を中心とする3つの山をもって雌花節が 発生し,同じように100,80,60ppm3回撒布区も,ほとんど同じ傾向を示した.3薫期から60ppm3回処理区は, 雌花のつき始める節位が上昇して7節からとなったが,あとは前記3回重複撒布区に近い雌花節の発生をみた. 子づるについてみると,重複撒布によって雌花節発生の周期はあきらかでないが,100ppm3回処理区,100,80, 60ppm区は2∼20節に雌花節が増加し,60ppm3回処理区もそれに近い影響が認められた.100ppml回処理区は 低節位で僅かに動いた程度であったひ しかし,親づる,子づる,側枝合計の雌花節数をみると(第5表),処理区は窺づる,子づるの雌花節は増加する が,側枝の発生が劣り,その第1節の雌花は更に減少する(第2節は若干多いが)ために,合計雌花節数は標準区30第5義 盛視撒布による株当り雌花節数調査 親,子, 側枝合計 雌花節数 親 づ る 30 節 ま で l子づる25節まで 雌花 側校数 側枝 節数 雌花 節数 雌花 雌花 50%以上分布 側校数 側枝1節 側枝2節 親十側枝 雌 花 雌 花 全雌花節数 11.9 5.6 4′7 17い2 8 −3.6 +3.2 10.2 4り9 5.6 27.7 16 −2.8 +2り7 23 −3.5 +3.2 17.3 9 −4.2 +3.3 11.4 7。5 21 −6.6 +5.7 13.7 12 −5.5 十4.5 133 7.0 22 −3…0 +2い7 8.0 8 −3り0・十30 12、5 7小7 3,2 − 17.7 14.8 4 0 4 3 4 4 O 1 1 5 4 3 1 6 6 6 1 9 1 7.0 31い3 76 28.3 4.0 19.7 3∩5 21.5 5い2 8.0 7い0 4.3 4.5 4‖5 に比べ,3回撒布区は43−44程度であった.とくに同じ3回処理では,低濃度処理区が側枝の発生が多く,処理汲度 による全雌花節数に明らかな差がをかった 5 品種による差 ACP66−−329を用い,3つの性格をもつ4品種について比較すると(第8図)親づる,子づるとも,本質的な差が ないと認めてよさそうであるい久留米Hの雌花節が若干低いのは笛の発育における品種間差異によるものであろう・ 150PPM処理 100 雌80 花 60 節40 年ノ20 0 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 7 々∼・ 月r】 9 1113 15 17 19 位 第8図 Acp66−329,3葉期処理における品種間差異(親づる) 6 光による差 撒布処理前後に黒カンレイシャ2重で光を25%程度に遮光した場合について雌花飾の発生を比較すると(第9図) −−一処理前遮光 −・→処理後遮光 …・処理前後遮光 ←・−・・■処理、無遮光 一無処理
8 10 12 14 16 18 20 22
節 位 第9図 Acp66−329,3葵期処理における遮光の影響(大利根500,150ppm処理,親づる)各区とも差は認め難い. 7 施肥盈による差 標準施肥区と,それに菓面撒布剤によって栄泰補給した区,煉肥料稀地区について比較すると(第10図),栄養の よい2区は全く差がなく,瘡地区は低節位に雌花節が発生し,そ・の範囲も狭かった.これは処理を暦上の同一1時期と したため処理時期の苗の発育上の差によるもので,EthIelの働きには本質的な差がないものと認められる. 第10図 Acp66,329処理における栄餐条件の影響(大利根500,A,B区 3葉期,C区2菜期に同時に150ppm処理) 8 収穫果数について調査 実験圃場において,ほぼ正常な発育をした場合,収穫果数および品質について調査した. (1)ACP66−329を用いた場合(第11図),4品種とも果数については標準区より処理区が,処理100ppmよ り150ppm区が多かった..雌花節数と収穫果数との関連は第12図のようで,確実な正の相関を認め,雌花節増加数 の平均55%が果数増にあらわれた,しかし商品価値の高い果実は余り増加せず,従って良果%は低下した. 10株当り収稽異数
100
良 50果%
0 ⊂==Ⅰ全果数 処理濃度 01001弘 0100150 0100150 0100150▼ ■■■正常異数品 種 大利根500,大利根1号,まつかぜ,久留米H
…良果率 第11図 Acp66−329,3葵期処理が収穫果数,良果率に及ぼす影響 (2)ACP68−250を用いた場合,1回処理では雌花節数と収穫果数との相関は,Ⅰ・=+0473’ノで前述の場合より 低い.60∼100ppmを3回重複撒布した場合は第6表のようで,つる別にみると雌花節が増加した処で収盈をあげ ているが,全体としても確実を相関を示し,雌花節増加数の平均47%が果数増になっている.第12図 雌花節数と収穆果数の関係(Acp6㌻3飽の場合) 第6表 Acp68−2帥重複撒布における収穫果数調査(10株当り) 区 親づる 側枝第1節 側枝第2節 第3節子づる 孫づる 計
100ppm 3回
72り2 78 如い0 55小6 4り4 160日0 100小 80け 60. 563 28け8 23小8 438 3け8 156り060ppm 3回
692 25…8 3α8 45り092 180リ0
100ppm l回
4臥3 30小0 15い0 18石3 10い0 12乙0 無 処 理 133 783 8ハ3 23小3 133 137 側杖第1,第2節には第3節子づるは除く小 金雌花数(∬)と全収礫果数b)r=+08お双岩て ッ=0ハ47ズー0609 ⅠⅤ 考 察 mhrel処理によって雌花節が発生する位置は,翫hel処理時期の花の分化発育段階と関連していることは考えら れることで,これを明らかにすることは目標節位に雌花をうるための処理時期(笛令)を決定する準拠として意義の あることであるい この研究において,撒布時期,処理濃度をかえても,最も雌性化し易い節位は花弁初生前後にある こと,および雌性化しうる下限節位はStaminodia,Pistillodiaの段階であることを明らかにした.これはキュウリ, カボチャ,スイカの雌性化に対する温度の影響についての研究において,高温から低温にかえて雌花の発生節位を調 査した場合,雌花化する節位は変温時の花の発育段階と関連する(さ・9)ものであるが,それはガク片初生段階前後が雌 花発生の下限であった(9)のに比べ,Ethrel処理の場合は更に著しく発育が進んだ段階まで雌花化している= しかも, 蕾長0い6∼07mm,雌,堆器管が初生し,内外ともに雌・雄決定期に当ると考える節位まで雌花化することは,E血− relの働きが極めて直接的であり,速動的であることを示している. 反面,EthTelによる雌花節の発生は,1回撒布,重複撒布ともに,ある節位範囲であって,雌花%が100%に達し ても上位離任に永続的を影響は認められをかった。しかも,1回処理の場合,附若輩剤蕊に比例して雌花節数があら われることは,mkelの働きはその効果のある期間,範囲の雌性化に役立つのみであることを示している巾 このこ とは,雌花発生に対する温度の影響の研究において,雌性化体制があきらかにをれば後は高温条件下においても節成 性は継続する場合(2〉と本質的に昇っている‖ 即ち,Ethrel処理の働きは,作用盈に匹敵する直接的,速動的効果の狭い範囲のみであって,永続的な雌性化を 惹起させる体内体制までを変革するものでないと考えられ,ウリ類の日長,温度による雌性化の場合と性格を異にし ている.その意味で,植物体当り附着薬剤盈と雌花節数との関係が密接であることは理解されよう… 同時に,造伝的 に,環境的に雌花のつき方の異る3系統の品種について,あるいは光の強さ,施肥盈をかえた場合にも,Ethelの 雌性化に対する働きは本質的に同山であった= この点も温度,日長による雌性化の場合と異り,n加elの働きが, ある期間,ある連続した範囲のみ直接的に働き,退伝的,環境的,栄養的条件に左右され難いことを示している・この点からも直接的,速動的という考え方が肯定されるであろう. このようにして得られた1回処理による雌性化の節位範囲が,重複処理の場合の撒布間隔を決定する準拠にをるも のと考える… しかし,生育を抑制する程度の高温度処理では,雌花節の増加は低下し,または標準区と同程度の場合もあった. とくに栽培環境では低温条件下で,品種的には久留米Hに比べ大利根1号が高濃度処理のこの影響があきらかのよ うであった..生育抑制の度合と雌性化は同じでないとする考え(18)と同様に考えられる. EthrelのうちACP66−329は300ppmまで雌花節の増加は確実で,生育に対する抑制のあらわれ方も少をかった が,ACP68−250は300ppmでは明らかに生育障書を起して,雌花節は150ppm区享たは標準区より増加しなかっ たい このことは,今までの業績もEthIelのどれを用いた成繊であるかによって,とくに濃度または著しく短い間隔 の重複撒布と生育抑制,雌性化の関係については同一・視できないと考える. キュウリは雌花が必要であるといっても,著しく低節位から集中して100%雌性化する必要はない−.雌花節%は50 %前後でよいので広い範囲に雌花がつき,正常に発育して結実%が高いことが要語される.その意味で低級度の重複 撒布が企画され,とくにACP68−250では3薬展開時から2英展開の間隔をおいて100∼60ppmの3回処理,処理 時期の苗の発育に伴って鮫皮を下げてゆくことで充分目的が適せられる..これで額づる8節前後から約30締までの範 囲にほほ満足した雌花%が得られるであろう. Ethrel処理で,純粋雌花飾の下に晩 雄花混合節(第1花雄花 第2花雌花)があらわれた,撒布時期にお車て 第1花はすでに雄花として決定づけられていたが,第2花が雌性化される発育段階にあったものであろう.処理時の 花の分化発育調査から,第1花第2花の発育差からみて,このことは理解される. 収量に及ぼす影響は,雌花発生に対するEthr′elの直接的影響以外の条件,例えば雌花の発育,開花結実,果実の 肥大,または側枝発生それからくる栽植密度などに関する凡ての条件によって動くものであるから,EthIelによる 雌花節増と収監とを直結するわけにはゆかないが,本来故においてほほ正常に発育したと思われる場合,雌花節数増 の47−55%が果数増となった‖ しかし商品果%は低下した。果形が短くなる(12〉だけでなく曲り果の発生も増加し た. 以上からみて,環境的,品種的に雌花が充分確保される条件においてはEth∫el処理は必要ないが,雌花が少ない ために収盈のあがりにくい栽培,とくに果数形の栽培または品種ほど,処理による有効雌花節数増加は有益であると 考える1.しかし収穫果の外観的商品性の向上のために栽培上の改善と併行して検討する必要がある. Ⅴ 摘 要 1れ キュウリ苗にEthIelを葉蘭撒布処理した場合,雌花節の位置,範囲などについて調査したu 2−EthIel撒布によって,開花不能節,雌雄花混合節,雌花節が増加した. 3。」雌花節の増加は,1回の処理では比較的狭い範囲であったいACP66−329では雌花節数(y)は1株当りEth− rel附着盈(Ⅹ,英数(15,3菜)×浪度(75∼300ppm)から計許したmg)に比例し,親づるでは0,4mgまでは y=33.91Ⅹ−254の関係が計簸されたが,0,4∼0.7mgでは増加傾向が半減した小手づるでは0,7mgまでyこ=16.0Ⅹ −0、96の関係が計算され,親づるの場合に比べ雌花節の増加は辛分であった. ACP68−250で吼 2∼3菜期に処理した場合1株当り0…2∼0小35mgまでは雌花節数は増加するが,それ以上で は生育を抑制して雌花飾数は増加しない… 特に,低温条件では高波皮処理による生育抑制が強くあらわれた. 4雌花が発生する節位を,処理時の花の分化発育段階と比べると,ガク片または花弁形成段階の節を中心として その上下に及んだい 雌花にをる下限単位はStaminodia,Pistillodiaの段階までであった. 5.EthTelの雌性化の働きは,キュウリの品種,光,肥料の盈によって本質的な差は認めなかった. 6い ACP68−250の100∼60ppmを2葉期,4薬期,6葉期に3回撒布することによって,親づる5∼25艶 子づ る2∼19節に雌花節が増加した. 7小 EthI・el処理によって増加した雌花節数の47∼55%が収穫果数の増になったが,府果が増加したので商品的果 実の増加は明らかでない場合が多かった.
引 用 文 献
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