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食品鮮度に関する力学的考察 (第2報)

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(1)

食 品鮮度 に関す る力学的考察(第2報)

郎蕃

子'

1緒

最 近 に 至 つ て,レ オ ロジ …の 食 品学 的 応 用 か ら,食 品 を レ=オRジ カ ル に 評 価 し よ うとす る多 くの 試 み が あ るが,食 品 の も つ 複 雑 多 岐 な 性 質 の た め に 困 難 を極 め て い るQ i 前 報 に 於 て, 'ii類の 食 晶 に 関 し て物 理 的 な 方 法 に 依 つ て,力 学 的 並 び に 生 理 学ll・J見地 か ら食 品 鮮 度 に つ い て研 究 した 。 そ の 結 果,食 晶 の 鮮 度 低 下 は 力 学 的 性 質 の 変 化 に も 現 わ れ て い る こ とを 認 め た 。 そ の 変 化 は,食 晶 の 種 類 に よつ て一 定 で は な い が,ヤ ン グ率 の 変 化,対 象 性 の ず れ 具 合,永 久 歪 の 大 小,更 にCreepの 状 態 変 化 等 の 各 々の 食 品 の 力 学 的 性 質 の 変 化 が 見 られ た 。 そ し て そ の 変 化 は 食 品 の 内 部 組 織 に 物 理 化 学 的 な 変 化 を き た し,構 造 組 成 に 変 化 を 生 じた 結 果 で あ ろ う と い うこ と を 認 め,傾 向的 に は 日数 経 過 に 伴 う変 化 が 明 らか とな つ た こ とか ら鮮 度 鑑 定 を 力 学 的 性 質 の 面 か らな す こ と は 食品 種 の 特 性 に よ り,又,統 計 的 推 定 よ り不 可 能 で は なか ろ うと思 わ れ た 。 故 に 本 報 に 於 ては,二 種 の 魚 類 に つ い て,十 分 な 測 定 回 数 に お い て,食 品 の 鮮 度 鑑 定 に 於 け る力 学 的 性 質 の 意 義 を 甥ピ明 し よ うrし た 。 従 来,鮮 度 鑑 定 に お い て 肉 眠 的 方 法,細 菌 学 的 方 法,化 学 酌 方 法 及 び 物 理 的 方 法 等 が 行 な わ れ て い るが,い ず れ の 方 法 に も一 長 短 が あ る 故 二,三 の 方 法 を 併 用す る こ とが 最 も確 実 で あ る と され て い る。 魚 肉 は 腐 敗 が 進 行 す る に 従 つ て,そ の 成 分 の 化 学 変 化 が 認 め られ るか ら,特 定 の 腐 敗 産 物 の 定 性,定 量 に よ り,鮮 度 を 判 定 す る 化 学 的 方 法 が 多 く実 用 され て い る。 な お,鮮 度 の 判 定 基 準 も設 定 され て い る。 こ こに 於 て,前 報 に 引続 い て 鮮 度 鑑 定 の… 方 法 と し ての 弾 力 性 の 測 定 と鮮 度 との 関 係を 明 らか に す る た め に,他 の 化 学 的 な 鑑 定 方 法 と し て 通 常 川 い られ る水 素 イ オ ン濃 度,並 び に 揮 発性 塩 基 態 窒 素 の 定 量 値 を1L'.i; の 観 準 と し て用 い た ○ 皿 実 験 の 部 1)実 験試 料

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販嚇

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かしたもの・

2) 実 験 プ∫濯1ミ 検 体 の 調 製 法 け,次 に 示 す 各 検 定 法 の 第 一 段 階 の 調 製 法 と して,鮒 及 び 鯉,共 に 頭 部,皮 部,尾 部 骨 部 内 臓 を 除 去 し,半 身 は 細 砕 し,乳 鉢 に て部 位 を混 和 均 一 と な した 鮒 肉及 び 鯉 肉 を 実 験 方 法 に 従 い秤 取 す る。 即 ち, (イ)水 素 イ オ ン 濃 度 の 測 定 に つ い ては,5gr. (ロ)揮 発 性 塩 基 態 窒 素 の 定 量 に つ い て はIOgr.を 各 々100m1容 のErlenmeyer flaskに 入 れ て密 栓 し, 7∼100Cの 冷 蔵 庫 に 放 置 す る 。 の 弾 力 性 の 測 定 に つ い て は,残 り半 身 を頭 部 か ら 尾 部 へ 背 柱 に 垂 直 に3.5cm平 方 に 調 製 し シ ャ ー レに 入 れ 蓋 を し て7∼10ecの 冷 蔵 庫 に 放 置 す る 。24時 間 毎 に 一一遊 間,鮮 度 低 下 に 伴 う弾 力 性 の 測 定 と化学 的 成 分 変 化 を 次 に 示 す 如 き検 定 法 に よ り求 め た 。 な お,各 検 定 法 を 実 施 す る に あ た り必 要 な場 合 は 第 二 段 階 の 検 体 調 製 を 各 項 で 述 べ る 如 く行 な う。 〔A〕 弾 力 性 の 測 定 〔B〕 弾 力 性 の 測 定 と他 の 化 学 的 検 定 法 とに 依 る 結 果 との 関 係 に つ い て i)弾 力性 の 測 定 と 水 素 イ オ ン 濃 度 との 関 係 。 ii)弾 力 性 の 測 定 と揮 発 性 塩 基 態 窒 素 量 との 関 係 こA〕 弾 力 性 の 測 定 に つ い て 「鮒」,「鯉 」 の 二 試 料 に つ い て,鉛 直 圧 縮 荷重 した 時 の 歪 が 口数 経 過 と共 に どの よ うな 傾 向 で 変 化 す る か を 実 験 的 に 測 定 した 。 食 品 と い うも の は,非 常 に 複 雑 な構 造 を もち,個 体 差 が 著 し く,個 体 そ の もの に つ い て も部 位 に よ り,又 筋 肉の 力 向 等 に よ り非 等方 的 で あ るか ら測 定 され る歪 に つ い て も決 して単 純 な もの で は な い 。 この 点,前 報 に 於 て も困 難 を 極 め た の で あ る が 測定 結 果 よ り定 量 的 に 弾 力 性 を 云 々す る こ とは で き な く と も,測 定 値 の 全 般 的 傾 向か ら何 らか の 結 論を 得 る こ とは 可 能 で あ る と思 わ れ る。 被 測 定 物 の 歪 は一 般 に 荷 重 の 大 き さ と荷 重 時 間 の 函 数 で あ る と考 え られ る 。 しか し,こ の 二 つ の 要 素 に つ い て の 測 定 を 同時 に行 な 芸本学 教授 締 昭和35年 度食物 科卒 業生

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うこ と は事 実 上 不 可 能 な た め,測 定 に あ た つ ては,荷 重 時 間 を一 定 に し て 荷 重 を 変 化 させ た とき の 歪 と,そ れ ぞれ の 荷 重 除 去 時 の 歪 の 回 復 に つ い て測 定 した 。 ]) 測 定 器 に つ い て は,本 研 究 室 試 作 の 鉛 直 圧 縮荷 重 法 に よる もの を 用 いた 。 感 度 は200mg歪 の 読 の み に は 副 第1表 鮒 肉 の 尺 を 川 いた 。 歪 の 読 み は 最 少1/10mmで あ り,歪 の 数 値 は,検 体1cmの 鉛 直 に 対 す る も の で あ る 。 a)実 験 方 法 試 料 の 調製 は,第 … 段 階 に 於 て 調 製 し7∼10。Cの 冷 蔵 庫 に 放 置 した 検 体 を 取 り出 し,単 位 面 積 あ た りの 荷 弾 力 性 測 定 荷 重 量 (gr) 日 数 0 1 2 」 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6 70.7

襲 一

0.ユ32 0.036 0.382 1 0.205 0,368 1 0.137 0.276 1 0.087 0.310 1 0.]89 0.356 1 0.271 0.431 1 0.242 424.5 0.527 1・ 0.587 0.542 0.446 1 1: 0.769 0.336 0.511 a.372 0.290 0.275 0.576 0.740 141.0 2!2.5 荷重時 0.161 0.481 0.412 Q.352 0.328 0.4a7 0.474 荷 重 除去 時 0.069 0.347 6.256 0.145 0.214 0.310 0.334 494.5 0.546 0.s70 1・ 0.555 0.513 0.727 0.786 0.369 0.534 0.436 0.334 0,3fi1 0.612 0.725

樋 時 藤講

0.375 1 0.110 0.546 1 0.404 0.493 ; 0.294 0.380 0.ユ89 0.344 1 0.223 0.471 1 0.382 0.540 1 0.408 566.2 0.571 0.694 0.669 0.569 0.602 0.743 0.814 0.381 0.540 0.496 0.373 0.487 0.643 0.760 283.0 353.5 荷 重 荷 重 時 除 去 時 0.426 1 0.179 0..X67 1 0.445 0.529 1 0.314 0.355 1 0.211 0.347 1 0.244 0.593 1 0.436 0.687 1 0.483

i

荷 重時冒 冒 0.441 0.591 0.566 0.491 0.405 0.G34 0.762 荷 重 除去時 0.244 a.472 0.340 Q.247 0.252 a.XO3 0.649 636.5 707.0 0.601 1 0.394 0.705 1 0.544 0.682 1 0.528 i α564 i α395 0.63310.5i6 a.759 1 fl,66

a.szsla.7ss

o.goo O.713 1・: 0.573 0.685 t :1 0.831 0.405 0.547 0,520 0.412 0.541 0.672 0,i69 重 を70.7gr/C111"'か ら70.7gr/cm2ま で70.7gr/cm2の 等 間 隔 で 荷 重 を 増 加 し た 時 の 歪 及 び そ れ ぞ れ の 荷 乖 除 去 時 の 回 復 度 に つ い て 測 定 し た 。 測 定 間 隔 は 毎5rlin. で あ る 。 鮒 肉の弾 力性 測定 b)実 験 結 果 及 び 考 察 イ)鮒 肉 の 弾 力 性 の 変 化 死 後 直 ち に 鮒 肉 の 調 製 を 行 な い,7∼10。Cの 冷 蔵 庫 に 放 置 し,24時 間 毎 に 弾 力 性 を 測定 した 結 果 は 第1表 第1図 に 示 す とお りで あ る 。 即 ち,死 後 直 後 の もの は 荷 重 時 に お け る 歪 が 小 さ く,荷 重を 除 去 した 後 の 歪 の 回 復 度 は 大 で あ る 。24時 間 後 に は荷 重 時 の歪 は 大 な る が,し か し,荷 重 除 去 後 の 回 復 度 か ら み れ ば 小 さい 。 48時 間 以 後 の 回 復 度 が 最 も大 とな る。 以 後3,40と 歪 の 低 下 及 び そ れ ぞ れ の 歪 の 回 復 度 の 低 下 が み ら れ る 。 しか し,5,6日 と再 び 荷 重時 の 歪 は増 加 し て い る 。 日数 経 過 に と も なつ て 荷 重 時 に お け る歪 の カ ー ブ は 大 とな る 。 つ ま り,小 荷 重 に お い て も変 化 量 大 とい うわ け で あ る 。 日数 経 過 と と もに 低 下 した 歪 が,再 び 上 昇 し,そ の 歪 に対 す る 回復 度 が 最 少 とな つ た時(弾 力性 が 小 な る 時)か な り鮮 度 は 低 下 した もの であ る と思 わ れ る 。

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ロ)鯉 肉 の 弾 力 性 変 化 鮒 肉 と 同様 に 放 置 した 鯉 肉 に つ い て,弾 力 性 を 測 定 した 結 果 は,第H表,第 皿図 に 示 す 如 くで あ る。 即 ち,死 後 直 後 の もの の 荷 重 時 に お け る歪 は最 少 で 第 皿表 鯉 肉 の 弾 力 性 測 定 荷 重 量 tgr) 0 1 2 3 4 5 6 70.7 荷重時 0.163 0.285 0.266 0.233 0.232 0.337 0.Aso 荷 重 除去 時 f1.1 0.136 0.132 0.Y16 a.129 0.186 1 1: 424.5 0 1 2 3 4 5 6 0.434 0.624 0.612 0.590 0.504 0.X59 0.692 0.226 0.473 0.314 1 :・ 0.320 0.457 0.614 141.0 荷 重 荷 重 時 除 去 時 0,191 1 0.087 0,346 1 0.218 0,347 i O.148 0,256 1 0.139 0,322 1 0.154 0.382 1 0.237 0.4as I o.2i9 494.5 0.483 0.670 0.655 1・1: 0.508 0.572 0.754 0.329 0.521 0.392 0.469 0,412 0.481 0.630 212.5 283.0 荷 重時 0.237 0.469 0.405 0.s21 0.346 0.458 0.421

撫 謝 荷酬 藤講

1・: a.267 0.166 0.177 0.205 0.246 1 ・: 566.2 0.516 0.692 0.679 0.632 0.519 0.646 0.763 0.364 0,528 0.423 (1.481 0.428 0.538 0.673 0.253 0.561 0.418 1 ・: 0.419 0.483 0.481 0、 ユ31 0.426 0.172 0.?02 0.228 0.303 0.366 636,5 0.535 0.697 0.687 1・: 0.533 0.721 1 :s 0.381 0,529 0,469 0.484 0.456 0,593 0.687 353.5 荷 重時

1

荷 重 除去時 0,337 0.608 0.494 0.534 0.441 0.531 0,&14 0,li2 0.444 0.203 0.261 0.287 0.362 0.523 707,0 0.562 0.735 0.691 0.653 0.557 0.764 0.789 0.389 0.53× 0.485 0.492 α464 0.611 0.702 あ り,又 歪 の 回 復 度 も大 で あ る。 24時 間 後 の 荷 重 時 の 歪 は 最 大 な るが,歪 の 回 復 度 は 最 大 で は な い 。 これ は 自己 消 化 作 用 が 進 行 し つ つ あ る こ とを 示 し,保 水 力 も増 加 し て い るの で は な か ろ うか と考 え られ る。 48hr.後 に 於 い て,荷 重 時 に お け る否 け,や や 低 下 し て い るが,歪 の 回 復 度 は 最 大 とな る。 故 に,こ の 点 が 自己 消 化 作 用 の 終 点 とみ な され る の で は な い か と思 わ れ る。 つ ま り,筋 肉が 水 分 を 吸 収 し 膨 張 し て丁 度 テ マ リに 水 を 入 れ た よ うな状 態 とな り, 弾 力性 を 増 した もの と考 え られ る。 以 後3,4日 と 日数 経 過 と と もに,歪 の 低 下 及 び そ れ ぞれ の 歪 の 回 復 度 の 低 下 が み られ る。 しか し,5, 6日 と再 び 荷 重 時 の 歪 は 増 加 し て い る。n 経 過 に と もな つ て,荷 重 時 に お け る歪 の カ ー ブは 大 とな る。 つ ま り,小 荷 重 に お い て も変 化 母大 とい うわ け で あ る。 日数経 過 と と もに 低 下 した 歪 が,再 び 」二ril f'し,そ の 歪 に 対 す る回 復 度 が 最 少 と な つ た 時(弾 力 性 が 小 な る 時)か な り鮮 度 は 低 下 した もの で あ る と思 わ れ る。 死 後48hr.ま で を 自己 消 化 作 用 の旺 盛 な 時 とす る な ら ば死 後3,4日 は 腐 敗 作 用 へ の 前 兆 と い うこ と もで き るで あ ろ う。 つ ま り,死 後48hr.ま で 保 水 力 を保 つ て き た が,死 鯉 肉の弾 力性 測定

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後3,4日 に て 筋 肉 蛋 白 の凝 固 等 に よ り保 水 力 を 減 少 し,死 後5,6日 以 後 に て 腐 敗 作 用 が 行 なわ れ るの で け あ る ま い か,, こ の こ と は 多 少 の 相 異 は あ つ て も鮒 肉に つ い て もい え る と思 う。 〔B〕 弾 力 性 の 測 定 と他 の 化 学 的 検定 法 に よ る測 定 結 果 との 関 係 。 i)弾 力 性 の 測 定 と水 素 イ オ ン浪 度 との 関 係 水 素 イ オ ン濃 度 は 検 体 を 毎 測 定 時 間 に 取 り出 し,約 5倍 容 の 蒸 留 水 を 加 え,時 々 掩 梓 或 は 振 と うし て, 30min.間 の 後 そ の 上 澄 液 を 用 い る が,遠 心 分 離 した 清 澄 液 に つ い て ガ ラ ス 電 極 法 に よ り測 定 した 。 b)実 験 結 果 及 び 考 察 測 定 結 果 け,第 皿表 及 び 第 皿図 に 示 す と お り で あ る。 第m表 水 素 イ オ ン 濃 度 の 測 定 Toll 魚付 6.226.106.476.526.536.71 卿 ・18r・05α461α6716・8216・91 水 素 イ ナ ン 濃度 1斗 斗 釧 晶 ㌔ 6.67,6.826.917.03, 一 般 に 魚 肉 類 の 自己 消 化 及 び 腐 敗 速 度 け魚 の 種 類, 活 動 性 の 大 小,死 後貯 蔵 中 の 温 度 等 に よ つ て も異 な る が 極 く新 鮮 な 魚 肉 の 水 素 イ オ ン 濃 度はpH=7, d附 近 で あ るが,時 間 経 過 に 伴 つ てpH価 は 減 少 す る。 即 ち一 般 に 生 存 中 の 動 物 肉 は,ほ ぽ 中 性 で あ るが これ は筋 肉 が 自己 消化 を 起 す 際 に,乳 酸,燐 酸 を 生 じ,そ のた め に 筋 肉 は 次 第 に 酸 性 を 呈す るが,し か し 自己 消 化 が 進 み 乳 酸 が 増 加 し て も,蛋 白質 と その 分 解 産物 の 両 性 反 応 に よ り,水 素 イ オ ン 濃 度 を 強 酸 に至 ら しめ る こ とは な い 。 自己 消 化 に よ り酸 性 とな つ た もの も,酵 素 作 用 及 び 細 菌 の 繁 殖 に よ り,ア ンモ ニヤ 等 を 生 じ,再 び 中 性 に 傾 き,つ いに アル カ リ性 とな るn こ の よ うに 腐 敗 が 進 行 す るに 従 い塩 基 性 物 質 が 生 成 され るか ら,漸 次 アル カ リ性 に 変 化 し て行 くが,筋 肉 質 の よ うな 比 較 的 大 き い 緩 衝 能 を 有 し て い る物 質 で は か な り多 量 の 塩 基 性 物 質 が 生 成 され な け れ ば 殆 ん ど pH価 に 影 響 し な い 。 従 つ て,一 ・度 下 降 し たpH価 が,再 び 上 昇,増 加 の 7 7.75 7.12 轟21∴}譜 、11×28.218.21 -一 『 一『 .i 7:44 8.198,20,8.24 8.25 1 一 路 を た ど る時,つ ま り,筋 肉 自身4)pH価 を 示す よ うに な つ た 時 に は,既 に 腐 敗 が か な り進 行 した もの と 考 え られ る。 自己 消 化 は 魚 肉 の 水 素 イ オ ン 濃 度 に よつ て も,そ の 2) 速 度 を 異 に す る が,大 谷 に よれ ば,一 一般 にpHF4.5附 近 で 自 己 消 化 が 最 も 旺 盛 で,中 性 に 傾 く に 従 つ て 鮮 度 は 低 下 し,pH=6.2∼6.3を 以 つ て 腐 敗 初 期 と認 め て い る 。 又,水 素 イ オ ン 濃 度 が7.2∼8.2を 示 す 時,最 も旺 盛 に 蛋 白 質 が 分 解 され る こ とは 周知 の 通 りで あ る 。 (イ)鮒 肉の 場 合:死 後24時 間 に 於 て水 素 イ オ ン濃 度 が 酸 性 に 進 み,即 ち 自己 消 化 作 用 が 主 とし て 進 行 し て い る間 で あ り,漸 次 中 性 に 傾 き始 め た 頃 か ら,自 己 消 化 作 用 と併 行 し て,腐 敗 作 用 も進 行 しは じめ た と考 え られ る。 前 述 の よ うに,比 較 的 大 な る緩 衝 能 を もつ 筋 肉質 は か な り多 量 の塩 り甚性 物 質 が{一'.1UC.され な け れ ば,殆 ん ど pH価 に 影 響 しな いた め,一 度 酸 性 を 増 した 後 アル カ リ性 を 増 す24哨 間 以 降 に け,か な り腐 敗 作 用 が 進 行 し た も の と見 られ る。 しか し,本 実 験 結 果 で は,pH-6.2∼6.3を もつ て 腐 敗 初 期 とす る大 谷 説 に 合 致 を み な か つ た 。 (ロ)鯉 肉 の 場 合:死 後4Efl!j間後 まで,自 己 消 化 作 川 が 主 に 行 な わ れ た と認 め られ,そ の 後 漸 次 アル カ リ性 に 変 化 し て い る。 鯉 肉に つ い て は,既 に死 後 直 後 か ら pH-7.18を 示 し て お り,自 己 消 化 の 終 点 又 は,腐 敗 作 用 の 初 期 だ と み られ るpH=6.2∼6.3に 合 致 しな か つ た 。が し か し,魚 の 種 類 及 び 活 動 性 の 大 小,疲 労 度 そ の 他 等 に よ り一 概 に い え な い で あ ろ うと 考 え ら れ る。 特 に 魚 類 の 如 く個 体 差 の 著 し い,又 個 体 自身 の 部 位 に よ る差 異 の 大 き い試 料 の た め と試 料 採 取 の 不 充 分 さ

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と実 験 誤 差 を 認 め,両 者 を 通 じて,先 ず 酸 性 に 進 み, そ の 間 主 に 自己 消 化 作 用 が 行 なわ れ て い る こ と,及 び 再 び アル カ リ性 へ と変 化 す る時 は,既 に 自己 消 化 作 用 と並 行 し て 腐 敗 作 用 も進 行 し て い る こ とが,多 くの 報 3 7) 告 と同 様 の 曲 線 を 描 くこ とに よ り確 認 し得 た 。 11)弾 力 性 の 測 定 と揮 発 性 塩 基 態 窒 素 量 と の 関 係 魚 介 類 の 腐 敗 に 伴 つ て生 成 す る揮 発性 塩 基 に は,種 々 の ア ミン類 及 び ア ン モ ニ アを 含 有 す るが これ ら揮 発 性 塩 基 を 一 括 し て 測 定 を行 な う。 a)実 験 方 法 V.C 量 の 定 量 に つ い ては,通 気 法(A. o. A. Cs改 良 法)を 用 い る 。 b)実 験 結 果 及 び 考 察 揮 発 性 塩 基 態 窒 素 の 定 最 に よ り,第N 及 び第W図 の 如 き結 果 を 得 た 。 第W表 揮 発 性 塩 基 態 窒 素 の 定 量 ¥Q \数 \ 鮒 鯉 0 5,064mg°o 3,902 1 6,129 4,215 2 6,902 5,360 3 11,736 5,794 4 5 6 18,293 24,65i 9,284 12,3"r1 28,741 21,362 揮発性 塩某態窒 素量 揮 発 性 塩 基 態 窒 素 は死 後 直 後 の試 料 に も 存 在 し て い るか ら,自 己 消 化 に よ り生 成 され る物 質 と もい え る 。 即 ち,腐 敗 の 進 行 と共 に 筋 肉 中 に 漸 次 蓄 積 され る も の で あ るか ら,こ れ ら の物 質 が 多 量 存 在 し て い る もの ほ ど,鮮 度 の 低 下 した 筋 肉 で あ る こ とは 明確 で あ る。 従 つ て,揮 発 性 塩 基 態 窒 素 を 測 定 す る こ とに よ り, 鮮 度 低 下 の 程 度,即 ち,腐 敗 の 進 行 の 過 程 を 知 る こ と が で き る 。 故に,そ の都 度 同一 条 件 に お い て 処 理,保 存 した 試 料 に つ い て の定 量を 行 な い,日 数 との 関 係 に つ い て 考 察 した 。 揮 発 性 塩 基 態 窒 素 は,死 後 直 後 の 筋 肉 中 に は 極 く微 量 に 存 在 し て い るの み で あ るか ら,わ ず か の 増 加 に ょ つ て も鮮 度 の 低 下 を し る こ とが で き る。 しか し,そ の 限 界 量 に つ い ては,い ろ い ろ学 者 に よ つ て 一 様 で は な く,い ま だ 確 定 さ れ てい な い 。Lucke 8) 9) 及 びG

erdel, Glassman及 びRochwa rgerは20mg の 髭 が 響 で あ る とい い ・ 又 ・Tillm・n・ 及 びOtt傷 山 杜 谷 川 禰3脚9%が そ の 限 界 であ る とい い ・Beatty 及 びGibbons,浩 水,は5∼]2mg%が 限 界 で あ る と い つ て い る 。 実 験 結 果 よ り,先 ず 鮒 肉,鯉 肉 に つ い て考 察 す れ ば 死 後 直 後 よ り緩 慢 にV.B,-N量 が 増 加 し てい る間 は, 自己 消 化 作 用 が 主 に 進 行 し て い る と考 え られ,そ れ か ら飛 躍 的 に 増 加 す る 。 前 に 弾 力 性 測 定 の 頃 に 於 て ふ れ た が,24時 間 ま では,乳 酸 が 分 解 し て,こ の 乳 酸 が 蓄 積 され て,筋 肉 蛋 白 と結 合 し て水 を 吸収 し膨 潤 す る筋 肉 細 胞 が 膨 化 し硬 直 す る。 つ ま り,弾 力 性 に 富 め る こ とを 指 摘 した が,こ の 間,揮 発 性 塩 基 態 窒 素 量 は 緩 慢 に 増 加 す る。 故 に 死 直 前 の 貯 臓 グ リコ ー ゲ ン量 に よ り著 し く異 な るの で この 点 試 料 に つ い て 云 々す る場 合,個 体差 とい ζ 「霜 藁継 ナζ ヂ}丸き 、 スrハ}r・ 七 、ス ノ lL曝 ノ潮し ㌧一 '」 もパノ 0ノ ▼ノ 曳噛 院 ノ 0/0

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既 述 の よ うに 魚 類 の 腐 敗 々才,獣 鳥 肉 と 同様 自己 消 化 酸 化 及 び 微 生 物 の 活 動 に よつ て 惹起 され る もの と考 え られ る 。 魚 類 に 於 て は これ らの 作 用 が は な は だ し く速 や か に 進 行 す る。 従 つ て腐 敗 し や す い とい うこ とに な るの で そ の 鮮 度 保 持 は 極 め て 困難 で あ る 。 この うち 自己 消 化 に よ る変 化 は,一 定 限 度 に 於 て ほ ぼ そ の 作 用 が 平 衡 状 態 に達 す るが,こ の 間 細 菌 の 繁 殖 し や す い状 態 を 作 り 又 それ を 助 成 す る の で あ る。 こ の よ うな 好 条 件 下 に 於 い て 腐 敗 は 一 層 微 生 物 の 繁 殖 と と もに 進 行 す る。 しか し,各 細 菌 の 種 類 に よ り腐

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敗 に 関 与 す る程 度 に 差 が あ り,ま た 食 物 の 種 類 の 相違 に よつ て,破 壊,分 解 す る細 菌 の 種類 も異 な る 。 魚 類 に 於 け る細 菌 の種 類 や 数 は,そ の 取扱 い 及 び季 節 的 影 響 に よ りい ろ い ろ で,お そ ら く魚 の種 類 に よ り異 な る で あ ろ う。 他 方,魚 体 の 物 理 的,化 学 的 性 質 は,種 類, 季 節,成 熟 度,年 齢,栄 養,環 境 等 に よつ て も種 々 の 影 響 を 受 け る 。 腐 敗 の 程 度 は 環 境 的要 囚 の 影響 に よる こ とが 大 き い 。 特 に 温 度 に 支 配 され る こ とが そ の 原 囚 を な し て い る。 こ の よ うに 考 え てみ る と,魚 類 の 細 菌 に よ る腐 敗 が いか に 複 雑 であ る か がわ か る。 一 般 に 魚 類 は 生 鮮 の ま ま直 接 利 川 され る場 合 が 多 く,こ れ ら に 関 す る官 能 検 査 は 重 要 な 部分 を 占め て い る もの と18わ れ る。 本 実 験 結 果 に つ い て は,試 料 採 坂 の 不 充 分 と実 験 誤 差,魚 自身 の 個 体 差 及 び その 他 の 不 明 瞭 な 原 囚 に 依 つ て 実 験 結 果 も不 明 瞭,か つ 結 論 し難 い場 合 も あ るが 大 体 次 の 如 く考 え られ る の で あ る 。 弾 力 性 の 測 定 結 果 か ら最 も抗 張 力の 大 な る死 後24時 間 後 に 於 て,水 素 イ オ ン 濃 度 に つ い ては,24時 間 後 或 は48h靴 後 まで,又,揮 発 性 塩 基 態 窒 素 に 於 い て は 48hr.或 は72時 間 後 まで に 次 の 如 き筋 肉 質 の 内部 組 織 及 び 化 学 成 分 の 変 化 を 認 め る こ とが で き た 。 一 般 に 死 後 筋 肉 中 の乳 酸 を 生 成す るが 筋 肉pH価 の 変 化 に 影 響 を 与 え,硬 直 の 促 進 等 に 影響 を 与 え る 。 筋 肉 中 の グ リコ ー ゲ ンが 有 機 燐 酸A.D. Y (Adenosin-diphosphate),A. T. P.(Adenosin-triphosphate) 等 の 存 在 の も とで,乳 酸 に 分 解 して こ の乳 酸 が 蓄 積 さ れ,筋 肉 蛋 白 と結 合 し て水 を 吸 収 し,膨 潤 す るた め に 筋 肉 細 胞 が 膨 化 し硬 直 す る もの と思 わ れ る。 死 後 硬 直 の 起 る まで に 要 す る時 間 とそ の 速 度 は 筋 肉 中 の グ リコ ー ゲ ン蛍 に 関 係 し て い る もの と 認 め ら れ る。 弾 力 性 の 測 定 結 果 か ら歪 が 日数 経 過 と と もに低 下 し た3,4日 に 於 て,乳 酸 と塩 基 性 物 質 の 両 性 反 応 にこよ り漸 次 増 加 す る水 素 イオ ン 濃 度 は1∼5日,揮 発 性 塩 基 態 窒 素 に つ い てw,3∼5日 に 於 い て 腐 敗 作 用 も 進 行 した もの とみ られ る。 即 ち,膨 化 した 蛋 白が 凝 固 す る と筋 肉 コ ロ イ ドの 保 水 力 は減 少 し,逆 に 水 を 放 出 し筋 肉蛋 自 の一 部 は 変 性 し な が ら再 び 筋 肉 は 軟 化 した とみ られ る。 又 弾 力 性 の 測 定 結 果 か ら 日数 経 過 と共 に 低 下 した 歪 が 再 び上 昇 し,回 復 度 の 小 な る5,6日 に 於 い て,揮 発 性塩 基 態 窒 素 に つ い て は 急 激 な 増 加 を み る5,6日 に 於 い て 筋 肉 質 け 変 色 し 腐 敗 初 期 に 入 つ た もの と思 わ れ る。 口常 生 活 に於 い て 食 用 に 供 す る場 合 に 一 度,上 昇 し た 歪 が 降 下す る第2「iま で が 安 全 と,1卍わ れ る。 今 回 に 於 い ては,明 確 な る結 議 を 得 る こ とが で き な か つ た が,力 学 的 見 地 か ら食 品 鮮 度 の 鑑 定 法 とし て の 意 義 は 充 分 うか が わ れ る も の と考 え られ る 。 今 後 よ り多 くの 種 類 に つ い て 測 定 回 数 を 増 す こ とに よ り,又 実 験 操 作 の 適 正 化 に よ り,方 向 が 決 定 づ け ら れ る もの と思 う。 又,魚 肉 紐 成 分 の 季 節 的 な変 化 等 に よ り必 ず し も 同 一 の 要 素 とし て 取 扱 う こ とは 妥 当 で な い と思 わ れ る 故 に デ ー タ の集 計 に 際 し て も 刀別 又 釘 間 平 均 とす る こ とは 意 義 あ る も の とな る の て は な か ろ うか と考 え られ る 。

参 考 次 献

1)足 立,北 村:食 品 鮮 度 に 関 す る 力 学 的 考 察(第 一 報) 2)大 谷:水 産 学 会 報5.(1928)

3)Cutting, C. L. Rept. Food, Invest Bd. (Gt. Britain)39∼40.(1939)

4)野 口:口 本 海 区 水 産 研 究 所 報 告No.5(1957) 5)Reay, G. A.&Shewan, J. M. Advances

in Food Reserch 2. 01949)

6)安 藤,佐 久 間,荻 野:日 本 水 産 学 会 誌8.1, (1939)

7)天 野,尾 藤,河 端:日 本 水 産 学 会 誌19.4, (1953)

8;Lucke and Gerder Z. Untersuch. Lebensmit,70.441,(1935)

g)GIassman und Rochwarger :Z. Untersch Lebeiismit,58.585,(1929)

10)Tillman and Otto Z. Untersuch. Nahr. and Genussmit,47.25,(1924)

11)山 村:日 本 水 産 学 会 誌2.118,(1933) 12)谷 川:水 産 製 造 会 誌3.267,319,01933)

13)Beatty and Gibbons J, Biol, Bd, Can 3.77, (1937)

参照

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