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仏教 NGO ネットワーク寄託ネパール大地震第二次復興支援事業 事業実施 報告 : 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 (2016 年度ネパール大地震被災地緊急救援事業 ) 2015 年 4 月 25 日に発生したネパールでの大地震 2015 年度には BNN でも会員様を中心に 復興支援募金

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新しい家具を運ぶ子どもたち(

2016 年 9 月 ヌワコット郡)

BNN会員 各位

仏教NGOネットワーク

ネパール大地震復興支援事業

第二次復興支援事業 完了報告書

2016 年 11 月

(2)

仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告 2

仏教 NGO ネットワーク 寄託 ネパール大地震 第二次復興支援事業

事業実施 ・ 報告 : 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会

(2016 年度ネパール大地震 被災地 緊急救援事業)

2015 年 4 月 25 日に発生したネパールでの大地震。2015 年度にはBNNでも会員様を中心に

復興支援募金を呼びかけさせていただき、復興支援事業を実施しました。ご協力いただきました

皆様には、改めまして心より御礼申し上げます。

その後、事業実施団体であった 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 より、甚大な被害

があったネパール・ヌワコット郡の「カカニ・ガネッシュ小中学校」の校舎再建のための支援要請を

新たに受け、BNNでは 公益財団法人全日本仏教会 に支援申請し協力を仰ぎ、第二次復興支

援事業として 550 万円をシャンティ国際ボランティア会に寄託いたしました。こちらは本年度のBNN

総会(2016 年 6 月 22 日開催)にて報告させていただいた通りです。

本報告書は、シャンティ国際ボランティア会の「カカニ・ガネッシュ小中学校の校舎再建事業」の

完了に伴い、その報告をもってBNNの「ネパール大地震 第二次復興支援事業完了報告書」と

させていただき、まとめさせていただきました。BNN会員の皆様もぜひご覧ください。

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仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告 3 Ⅰ.事業概要 1. 事 業 名 称:ネパール中部地震被災地 緊急救援事業 事業 教育における早期復興事業:学校建設 (1) 恒久学校の建設:1 棟 3 教室:1 校 2.事 業 対 象 地:ネパール ヌワコット郡 カカニ村(3 頁地図参照) 3.事業実施期間:2016 年 1 月 1 日~2016 年 9 月 16 日 4.事 業 受 益 者:(1) 恒久学校の建設(1 棟 3 教室) カカニ・ガネシュ小中学校 約200人 間接受益者(対象村の住民数) 約7,320人 合計 約7,520人 5.実 施 団 体:公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会東京事務所 及び事業担当 〒160-0051 東京都新宿区大京町 31 慈母会館 2、3 階 Tel: (03) 5360-1233 事業責任者 事務局長 関 尚士 事業担当者 海外事業課課長 山本 英里 同上 緊急救援担当 竹内 海人 II. 被害の状況(地震発生直後~2016 年 9 月) 1.ネパール地震概況 南アジアで最貧国の 1 つであるネパールは、2015 年 4 月 25 日に発生したマグニチュード 7.8 の地震 により死者 8,702 名、負傷者 22,493 名(UNHCR)の人的被害を受けました。その後も継続的な余震が観 測され、5 月 12 日には第 2 の規模となる M7.3 の地震が発生し、カトマンズを含む中部全体に大きな被害 をもたらしました。この地震はインド、中国、パキスタンでも観測され、国境を越えた大災害となりま した。1983 年 1 月 15 日に発生したビハール・ネパール地震(M8.1)以来、約 80 年ぶりの大地震でした。 2. ネパールの教育状況 (2)ネパールの教育事情 ネパールは、人口約 2,650 万人で、125 のカースト・民族に区別され 123 の言語が使用されています。 2013 年の教育省発表の小学校における純就学率(NER)は 95.6%にとどまっています。ネパールの教育 システムは 1~8 学年を基礎教育(5 歳~9 歳:初等教育レベル、10 歳~12 歳:前期中等教育レベル)と し、9~12 学年を後期中等教育と位置付けています。ネパールには 1~12 学年の学校が 35,223 校あり、 うち公立学校が 29,630 校、私立が 5,593 校存在します。震災以前より、教員配置の課題もあり、震災で 倒壊した学校の再建を機に、教育省は統廃合を進めています。また、児童労働が未就学や中途退学(ド ロップアウト)の原因となっています。女子の早婚による教育の機会の低さも早急に解決すべき課題で す。上記のように就学率が高い割には成人の非識字率(文字の読み書きができない人の率)が高く、女 性の識字率は 57%という近隣国と比較してもかなり低い数値になっています。私立学校や都市部の学校 を中心に、英語教育に力を入れているものの、同時に公用語であるネパール語の獲得が少数民族を多く 抱えるネパールでの課題になっています(文章内データはすべてネパール教育省発表のもの)。 3. 活動の必要性(校舎の必要性) 政府は震災後できるだけ早い公教育の再開を目指し、郡教育局や支援組織と協力して竹製仮教室

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仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告 4 の建設を主要被害 14 郡に実施しました。多くの地域で学校の自助努力による修復がなされることに より、学校が早く再開できるようになりました。また、最近ではより耐久性の高い鉄製仮校舎の建 設や、耐震化修繕による長期的な学校運営が目指されています。しかし、本格的な学校再建の見通 しはまだ立っておらず、アジア開発銀行や JICA が実施を表明しているものの事業開始は 2016 年 6 月であり、ネパール政府による本格的な復興事業が展開され、地方の学校に届くのはまだまだ先の 話です。

IV. 対象校の概要

事業対象地図 対象郡地図 ※青丸: 対象村 4 月 25 日震源地 ヌワコット郡 5 月 12 日震源地 カカニ村

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仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告 5 【写真】校舎の外で勉強する子どもたち 主要都市から対象校までの距離  カカニ村:カトマンズ市街から約 31km (車で片道約 2 時間) 1. 対象校の所在地 対象小学校名①:カカニ・ガネシュ小中学校 所在地:ヌワコット郡カカニ村 6 区 2. 対象地域の状況 2.2. ヌワコット郡 ヌワコット郡は首都カトマンズ郡の北部に位 置しており、郡庁ビドゥーまでは幹線道路を使 って約 70km、3 時間 30 分の距離にあります。山 岳地帯もあり、カカニ(Kakani)やサルメ(Salme) といった地方町村では標高が 2,000m に達すると ころもあります。ネパールの他の地方と同様に 農業に主な生計を頼っている世帯が多いことか ら、家業を手伝うことによる子どもの中途退学 率が高く、特に女性の識字率が低い状況です。 多くの家庭で男性が中東や東南アジアに出稼ぎ に出ているため、女性が実質的な世帯主として 家事育児労働全般を担っています。またヌワコ ット郡は、カトマンズに近いことから人身売買の被害が大きいことで知られ、中国と国境を接する 北のラスワ郡とともに、人身売買の対策が必要な地域と認識されています。 2.3. カカニ村の概要 カカニ村はヌワコット郡内でも南部、カトマンズより約 30km の場所にありますが、標高は 2,000m に達する地域もあります。山間部のなかで各集落は離れているため、多くの子どもは長距離を歩い て通学しています。また、その標高の高さから一部は避暑地として活用されており、イギリスのグ ルカ兵の宿舎や国連平和ミッションの研修施設もあります。主な産業は農業で、JICA や国連開発計 画(UNDP)の支援により、イチゴや花の栽培が近年盛んとなっています。 3. 対象校の概要 対象小学校名:カカニ・ガネッシュ小中学校 震災前から 3 つの校舎で、8 学年 10 クラスの生徒 たちが学んでいます。主な校舎(右手の写真右奥参 照)は 2 階建て 5 教室のもので、これは 1992 年に発 生したタイ航空 311 便の事故を追悼して建設され、 学校が所有していた土地の一部がメモリアル・パー クに寄付されています。残念ながらこの校舎は震災 の被害を受け、政府より使用禁止の「レッドフラッ グ」が掲示されています。通常は職員室として使用 していた平屋の建物は地震の被害を受けていないた め、現在は、教室として使われています。その他、 震災後支援としてシャンティが建設支援をした仮 【写真】地震で壊れたヌワコット郡の学校校舎と先生

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仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告 6 【写真】地震後:仮設教室での授業(ヌワコット郡) 【写真】建設作業に携わる地域の人たち 【写真】学校設計図の一部 教室と学校が自助努力で建設をしている鉄製の仮教室がありますが、生徒数にみあった教室数の確 保は難しく、また、寒い冬の間は竹製の仮教室での授業が難しいため、危険な倒壊校舎を使用せざ るを得ない状況です。被害を受けた 5 教室の校舎については、政府による修繕が議論されているも のの、早急の対応は困難な状態です。 V. 事業報告 【事業】教育における早期復興事業:学校建設 ヌワコット郡は初動調査(2015 年 5 月初旬)を実施したほか、緊急期にも事業の対象地域でした。緊 急期には 90%以上の学校が被災したヌワコット郡において、84 校を対象に 100 棟 200 教室の竹製仮教室 と 14 棟 28 教室の鉄製仮教室の建設を実施、また 17 棟 34 ユニットの学校に付随するトイレの設置及び 14 棟の飲料水設備(水タンク)を既存のトイレに 設置することで、子どもたちが安心して勉強でき る場所を提供し、被災者の教育の機会が維持され 学校教育の継続を支援することができました。し かし、本格的な学校校舎の建設はインドとの国境 が封鎖され、建築資材やガソリンなどの供給が断 たれたため、進めることができませんでした。ま た、明確な復興計画と方針がネパール政府より発 表されたのは 2016 年 6 月で、仮設教室の多くの学 校の子どもたちは、耐久性の低い建物で、雨風に さらされる状況の中で、少なくとも向こう 1 年は、 勉強しなくてはいけなくなりました。 校舎建設の支援のために、まずは学校の設計図 の着手が必要でした。計画当時は、まだ新校舎の 設計図がネパール政府の方で用意されていません でした。そのため、学校建設に豊富な経験のある 現地エンジニアと協力し、設計図を作成、教育庁 より校舎設計図の承認を取得しました。この当時 まだ承認された設計図はまだ多くありませんでし た。震災の経験から、屋根を軽くするために屋根 をコンクリートではなく鉄柱トラスで組みました。 壁は腰の高さまでレンガで組み、それ以上は軽い 素材を含有した新しい石膏ボードを鉄のフレーム ではさみ、長く使えかつ工期の短くて済む校舎設 計としました。 建設の着手においては、学校と話をし、建設に あたっての協力について合意をしました。この時 に学校だけでなく近隣住民にも建設への協力を お願いしました。ネパールの多くは山間部にあり、 平らな土地が限られるため、資材管理に住民の協 力が必要になります。また、地滑りなどで道路が 決壊してしまうと、建設資材運搬が困難になり、

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仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告 7 【写真】配布した家具と絵本 このような時には、村の住民に、できるだけ早く道路を復旧したり、資材をちゃんと管理してもらうよ う依頼しました。また、シャンティは長く学校建設をアジア各国で行っていることから、その経験を活 かし、コミュニティの土盛りへの参加や、必要であれば労働力を提供するといった、オーナーシップを 高めるために参加型で進める配慮も行いました。ネパールでの建設実施は一般的に困難だと言われてい ますが、結果多くの人のご協力のもと、校舎建設を無事に完了することができました。 また、校舎の建設が終了したときに合わせて、学校家具 と絵本の配布及び設置を行いました。復興状況を鑑みて、 新たに図書館を設置するよりも、教室内に図書コーナーを 設置し、子どもたちに絵本を楽しんでもらえるようにしま した。ネパール教育省が定める教室の広さは、地方の学校 には大きく、その大きなスペースを活かしていつでも本に 触れることができるようにしました。真新しい家具と図書 スペースは学校での時間を前向きに楽しくしてくれるもの として学校にとって大切な空間となりました。 さらにヌワコット郡では村に本屋もほとんどなく、学校 に図書室もないという環境から、絵本についてはそれまで 触れたことのない子どもも多く、カラフルな表紙や初めて 読むおはなしの世界に大変興味を示し、熱心にページをめくる姿がみられました。 まだネパール政府による復興事業が十分に始まっていない時期での、新しい学校校舎が建設されたこ とは、ヌワコット郡にとって復興の第一歩として大きなことでした。学校によっては、これを機により 良い学校運営を行い、更に大きな学校にアップグレードするための申請を郡行政に行うことも検討して いるとのことです。このように早期復興/Early Recovery(※)事業を行っていくことは、物理的な支 援をしたことのみにとどまらず、復興が現実に始まっていくのだという、前向きなメッセージを村の多 くの人々に与えます。 (※)早期復興/Early Recovery とは? 大規模災害の被災地などにおいて、緊急期の仕組みと枠組みを用いながら復興のために必要な活動を先 駆けて行うという手法です。この手法は、活動の中であらかじめ復興期を見据え、緊急人道支援だけで なく開発援助の手法や指標を必要とし、緊急人道支援の利点を最大限活用しながら、被災者や行政、援 助団体がスムーズに復興期に移行できるよう支援することを目的としています。 (3)現地の人たちからの声 ●ヌワコット郡 カカニ・ガネシュ小中学校 校長 シタ・デ ビ・ルンバさん(47 歳) カカニ・ガネシュ小中学校の国語(ネパール語)の教員であり、 校長として勤めています。新しい学校となったことで、大きく 変わったことは、(震災直後よりも)子どもたちが通うようにな ったことです。また、子どもたちは口々に、新しい教室はとて も快適だとも言っています。校長として、このような支援をし てくださった日本の皆さん、シャンティに感謝しています。こ のようなとても大きなご支援をしてくださり、日本の皆さんに お礼申し上げます。

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仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告 8 ●ヌワコット郡 カカニ・ガネシュ小中学校 学校運営員会代表 スレシュ・ラマさん(33 歳) この村に住んでおり、カカニ・ガネシュ小中学校の学校運営員 会の代表として、他の住人や保護者、教師と一緒に学校を運営 しています。今回建設していただいた教室は、以前に比べて質 が大変上がったと思います。その証拠に、子どもたちがとても 快適に勉強しています。私の子どももこの学校に通っています が、校舎が丈夫なため、親として学校に子どもを安心して送り 届けることができます。私たちの学校は大きな地震の影響で被 害を受けていまいました。日本の皆さまには、このような支援 をしてくださり、大変感謝しています。 ●ヌワコット郡 カカニ・ガネシュ小中学校 生徒 サントシ ュ・ラマさん(7 歳) この学校で勉強を始めました。今 1 年生です。学校での勉強は、 今は理科が好きです。学校に来ると、友達と遊ぶのが楽しみで す。おにごっこやかくれんぼをしています。絵本を読むのも好 きです。新しい教室はとてもすてきだと思います。 ●ヌワコット郡 カカニ・ガネシュ小中学校 生徒 サビナ・ラマさん(9 歳) カカニ・ガネッシュ小学校の 2 年生です。好きな勉強科目は、理科です。 最近は英語も好きです。学校に来て友達と遊ぶのを楽しみにしています。 新しい教室は、以前のものよりずっと良いです。

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仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告

9 ●集合写真

カカニ・ガネシュ小中学校の先生と子どもたち

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仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告

10 ●学校校舎写真

校舎建設中の風景

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仏教NGOネットワーク 2016 年ネパール大地震支援 第二次完了報告

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新しい校舎と家具で勉強する子どもたち

参照

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