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目次要約本編第部第部第部第部化水素製造第部合成ガス製造第6部資料編第 章 GTL(Gas to Liquids) 関連技術の概要 GTL は天然ガスからナフサ ガソリン 軽油などの液体炭化水素を製造する技術である 天然ガスは低炭素のクリーンなエネルギー源として注目されているが GTL 関連技術により

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平成27年度

特許出願技術動向調査報告書(概要)

GTL(Gas to Liquids)関連技術

平成28年3月

問い合わせ先

特許庁総務部企画調査課 知財動向班

電話:03-3581-1101(内線2155)

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要約

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調査範囲

製品 炭化水素製造 合成ガス 製造 液体炭化水素類; 燃料、潤滑油やそれらを利用した製品など 部分酸化 水蒸気/CO2改質 石炭+水素 (直接液化) 水素 石炭ガス化 (燃料化を除く) 原料 天然ガス、シェールガス 石炭 (将来:バイオマス) 等 アップグレーディング(水素化分解等) フィッシャートロプシュ反応 CO+2H2→ 炭化水素 メタノール転換 CH3OH → 炭化水素 (MTGなど) メタノール合成 CO+2H2→ CH3OH 狭義のGTL 各種前処理 (精製、脱酸性ガスなど) 第1章 GTL(Gas to Liquids)関連技術の概要 GTL は天然ガスからナフサ、ガソリン、軽油などの液体炭化水素を製造する技術である。 天然ガスは低炭素のクリーンなエネルギー源として注目されているが、GTL 関連技術によ り常圧液体化による可搬性や取扱性の向上や、硫黄や芳香族の含有量の少ないクリーンな 液体燃料を得ることが可能となる。 また、類似した技術に石炭を合成ガスに変換して、液体燃料を製造する技術があり、こ れは CTL と呼ばれ、特に近年中国で盛んに生産設備の建設が進められている。石炭の場合 は重金属や種々の有害物なども含まれ、燃焼時にそれらの処理が問題となるので、それを 改善するためのクリーンコールテクノロジーの中心的な技術として考えられている。 これらの原油以外の化石資源から液体燃料を製造する技術は液体燃料供給源の多様化に つながり、我が国のエネルギー安全保障上重要な意味を持つ。 本調査では、特に本技術に関して積極的に事業展開が行われている中国に着目し、中国 企業や中国で事業を行っている企業に関してその技術開発動向、戦略を調査、分析する。 そして日本企業が取り組むべき課題を整理し、我が国企業の競争力向上の実現に向けて、 今後目指すべき研究開発・知的財産戦略の方向性を明らかとする。 本技術の対象とする技術とその範囲を GTL 関連技術の技術俯瞰図(図 1-1)に示した。 図 1-1 GTL(Gas to Liquids)関連技術の技術俯瞰図

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要約

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0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 Cn重量分率 連鎖成長確率 α C1 C2-C4 C5-C10 C11-C20 C21-C30 C30+ 本調査は天然ガス、石炭等を原料として、液体炭化水素類を製造するのに必要な要素技 術を含むほか、得られた液体炭化水素自身も対象とする。ここで、GTL(CTL)にはいくつ かの経路が考えられ、一つは「合成ガス製造工程」、「フィッシャートロプシュ(FT)反応 工程」、「アップグレーディング工程」等を経て、燃料油が製造される経路である。二つ目 は「合成ガス製造工程」、「メタノール合成」、「メタノール転換」を経る経路である。さら に、本来は CTL には含めない場合も多いが、石炭を直接液化して液体炭化水素を製造する 技術も含める。得られた液体炭化水素は、燃料として自動車や航空機などで用いられるほ か、潤滑油、ワックスなどとしても用いられる。石油から得られる成分とは分子構造的に 異なり、違う物性を有する炭化水素が合成できる、あるいは硫黄や窒素含有量が少ないク リーンな燃料が得られる、などの利点がある。 また、従来のフィッシャートロプシュ反応では生成物分布(アンダーソン・シュルツ・ フローリー分布と呼ばれる)は触媒と反応条件によって決まる連鎖成長確率に支配され、 生成物の分布を自在に制御できない。その連鎖成長確率と生成物の重量分率の関係を図 1-2 に示すが、統計的に決定される広範な範囲の炭化水素が生成するので、その後でアッ プグレーディングを行うことにより所望の留分を得ることが必要になる。付加価値の低い 低級アルカンは望ましくない生成物であるが、一段階でガソリンや軽油留分の分率を上げ ようとするとある程度の副生を避けることができない。したがって、この分布を逃れるこ とができる技術が待望されてきたが、工業的にはまだ実現されていない。 図 1-2 フィッシャートロプシュ反応における生成物の重量分布

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第2章 市場環境調査 第1節 GTL(CTL)関連技術の市場環境 中国以外の地域での GTL 及び CTL プラントを表 2-1、表 2-2 に示した。GTL ではその製 品が石油精製からも供給され、その方が安価であるので、従来ごく限られた条件でのみ 成立してきた。最初に実用化されたのは、経済制裁のため自国産の石炭を活用せざるを 得なかった南アフリカで、サソールが生産を行ってきた。その後、シェルとサソールが 各地にフィッシャートロプシュ法で、エクソンモービルはメタノール転換による GTL プ ラント(MTG 法)を建設したが、合計 10 基に満たない。エクソンモービルの MTG 法プラ ントは原油価格低下により閉鎖されるなど苦戦してきたが、2008 年以降の原油高によっ て各地で新たな建造が計画され始めるに至った。なお、BPD は約 40 トン/年に相当する。 表 2-1 中国以外の世界の GTL プラント(既設と計画) 会社名 立地 プロジェクト 規模 運転開始 (BPD) シェル マレーシア ビントゥル 14,700 1993 カタール パール GTL 70,000 2011 カタール パール GTL 70,000 2012 米国 数万 延期 サソール カタール オリックス GTL 34,000 2007 ナイジェリア エスクラボス GTL 34,000 2014 ウズベキスタン オルティン イヨル GTL 34,000 未定 米国 レイクチャールズ GTL 96,000 延期 カナダ タリスマン 48,000 未定 ペトロエスエー 南アフリカ モーセルベイ 22,500 1992 スタトイル/ルルギ/ ペトロエスエー 南アフリカ (パイロットプラント) 1,000 - エクソンモービル ニュージーランド モトゥヌイ(MTG) 14,500 1985 出典:触媒年鑑 2014、Shell、Sasol、他の報道記事を基に三菱化学テクノリサーチ作成 表 2-2 中国以外の世界の CTL プラント(既設と計画) 会社名 合成技術 立地 プロジェクト 規模 運転開始 (BPD) サソール シンソール 南アフリカ セツンダ 105,000 1980 エクソン MTG 米国 メディスン ボウ 13,000 2014 モービル モザンビーク ヴァーレ 9,500 2016 出典:触媒年鑑 2014、他の報道記事を基に三菱化学テクノリサーチ作成 中国でのフィッシャートロプシュ法及び MTG 法のプラントの状況を表 2-3、表 2-4 に 示した。中国では天然ガスは民生用に用いられ、液体燃料用の原料とされるのは石炭で あるので、全部の計画が CTL プラントである。 また、中国でのメタノール転換技術ではオレフィンを目指すものが多く、これは MTO 法と称される。MTO 法で製造されたオレフィンは化学工業の原料として使われ、2020 年 には 1,000 万トンを大きく超え、中国の全プロピレン供給の 27%を占めると予想されて いる。MTO は目的物が低級オレフィンであり常温で液体ではないが、MTG 技術と触媒やプ

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表 2-3 中国の CTL プラント(フィッシャートロプシュ法)(既設と計画) 会社名 立地 生産能力 プロセス 完成 (万トン/年) 神華集団 内モンゴル 18 中科合成油技術 2009 ウルムチ 50 x2 中科合成油技術 - 神華寧夏煤煙業集団 寧東 405 中科合成油技術 2016 (2013 認可) 内蒙古伊泰煤制油有限 責任公司 オルドス 16 中科合成油技術 2010 200 中科合成油技術 - (2013 認可) 伊泰伊犁能源有限公司 潞安集団 イリカザフ 180 中科合成油技術 - (2014 認可) 自治州 16 中科合成油技術 2009 150 中科合成油技術 2015 (未認可) 陝西未来能源化工有限 公司 (兗鉱集団) 陝西 0.5 兗鉱高温流動床 FT 2010 100 兗鉱高温流動床 FT 2015 200 x2 兗鉱高温流動床 FT -

出典:石油エネルギー技術センター、JPEC レポート 2014 年度第 9 回、East & West Report、他の報道記事 を基に三菱化学テクノリサーチ作成 表 2-4 中国の CTL プラント(MTG 法)(既設と計画) 会社名 立地 生産能力 プロセス 完成 (万トン/年) 山西晋城無煙煤砿業集団公司 山西省晋城市 100 エクソンモービル 2015 山西福裕煤化公司 山西省呂梁市 20 - 2015 山西省柳林県森沢煤铝公司 山西省柳林県 12 - 2015 香港中華煤気公司 山西省運城市 70 - 未定 河北豊匯投資公司 内蒙豊沈鎮市 30 - 2016 中国慶華能源集団公司 内蒙フフホト市 1,000 - 2020 ウシン族蘇里格経済開発区 内蒙ウシン旗 10 エクソンモービル 2016 鶴崗龍嘉煤化工公司 黒龍江省鶴崗市 15 - 2015 嘉興浙能石油新能源公司 江蘇省嘉興市 10 SEDIN/ICC/雲南煤化 2015 成都天成碳一化工公司 四川省成都市 6 - 2014 甕福(集団)有限責任公司 貴州省福泉市 1 - 2014 中国雲南先鋒化工公司 雲南省尋甸県 20 SEDIN/ICC/雲南煤化 2014 淋県能源化工園区 陝西省咸陽市 25 - 未定 神木県発展改革局 陝西省神木県 10 - 2015 新疆新業能源化工公司 新疆五家渠市 10 SEDIN/ICC/雲南煤化 2013 総計 1,339 (うち現有プラント 37) 注)SEDIN:賽鼎工程有限公司、ICC:中国科学院山西煤炭化学研究所 出典:石油エネルギー技術センター、JPEC レポート 2015 年度第 1 回、東西貿易通信社、中国の石油産業と 石油化学工業(2014)、East & West Report を基に三菱化学テクノリサーチ作成

なお CTL を始めとする石炭化学産業は反応原料として、またプロセス水として膨大な 水資源を必要とする。中国は地域によって、水資源分布の偏りが大きく、南部は豊かで あるが、北内陸部に向かうほど降水量が減少し、水資源も少なくなる。石炭の主要な産 地は黄河の上流、中国北部の内陸部であり、山西、寧夏、内モンゴル、陝西の 4 省で石 炭生産の 67%を占めるが、この地域の水資源は全国の水資源の 3.85%を占めるに過ぎな い1。石炭が豊富な地域は水資源がひっ迫し水ストレスが極めて高い地域と正に重なって いる2さらに、工業化に伴う水需要の増大に伴って水汚染が深刻化し、飲用や農業用の水 資源にも影響が出ることが危惧されている。したがって、今後の CTL の開発に当たって はこれらの水資源の確保、及び排水などに対する環境対応がより重要になってくる。 1 http://coalchem.anychem.com/2015/06/10-15884.html(2016 年 1 月 30 日アクセス) 2 http://www.wri.org/blog/2013/08/majority-china%E2%80%99s-proposed-coal-fired-power-plants- located-water-stressed-regions(2016 年 1 月 30 日アクセス)

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0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 生産 量 (億m 3) 埋蔵量 (兆m3 Ira イラン Rus ロシア Qat カタール Tor トルクメニスタン USA 米国 KSA サウジアラビア Aus オーストラリア Chi 中国 Idn インドネシア USA Ira Rus Qat Tor KSA Chi Aus Idn 第2節 関連産業の市場環境(上流及び下流) GTL(CTL)事業の原料としては天然ガスと石炭があり、これらの原料事情を調べた。 図 2-1 に、2014 年における世界の主要天然ガス生産国(上位 9 か国)の天然ガス埋蔵 量と生産量を示した。米国、ロシアは既に生産量が多い。一方、イラン、カタール、ト ルクメニスタン等は埋蔵量が多いが生産量は少ない状況にあり、今後の開発の余地があ る。 天然ガスの運搬は石油ほど容易ではなく、パイプライン敷設あるいは LNG 化が必要で ある。GTL はこれらの従来の天然ガス資源の活用技術に対して競合していると考えるこ とができる。いずれも巨額の投資が必要であり、経済性のあるプロジェクトとするため には充分な埋蔵量のあるガス田が求められる。 アジア・太平洋地域には未開発の中小規模ガス田が多く残されており、さらにその中 には CO2や H2S などの酸性ガスを高濃度で含む場合がある。このような酸性ガスを含む ような未開発ガス田では、天然ガスと酸性ガスとの分離や分離した酸性ガスの後処理な どの課題がある。その一方、資源の権益という面でのアクセスは比較的容易であること が期待できる。そのため我が国のエネルギーセキュリティを考える上ではこのようなガ ス田を活用するための技術開発が重要となる可能性がある。 図 2-1 世界の主要天然ガス生産国(上位 9 か国)の天然ガス埋蔵量と生産量(2014 年) 出典:BP 統計 2015 を基に三菱化学テクノリサーチが作成 図 2-2 に、2014 年における世界の主要石炭生産国(上位 9 か国)の石炭埋蔵量と生産 量を示した。米国、ロシア等は埋蔵量が多く生産量も少ないため開発の余地がある。石 炭の世界平均可採年数は 110 年と比較的資源量に余裕があり、埋蔵量上位 10 か国で可採 年数が 100 年を切るのは中国(30 年)とインドネシア(60 年)だけである。特に中国は 生産量が突出しており、特異な存在である。最も埋蔵量の多い米国は近年生産量を減ら しており、これはシェールガスの開発が進み、エネルギー源が石炭から天然ガスにシフ トしていることが要因と考えられる。

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0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 生産量 (百万トン) 埋蔵量 (億トン) USA 米国 Rus ロシア Chi 中国 Aus オーストラリア Ind インド Ger ドイツ Kaz カザフスタン SAf 南アフリカ Idn インドネシア USA Ger Rus Chi Aus Ind SAf Kaz Idn 図 2-2 世界の主要石炭生産国(上位 9 か国)の石炭埋蔵量と生産量(2014 年) 出典:BP 統計 2015 を基に三菱化学テクノリサーチが作成 中国におけるガソリンの需要推移と予測を図 2-3 に示した。自動車など輸送関係の市 場の拡大によって燃料油の消費量は急速に増加している。中国においては自動車保有台 数の増加に伴い、ガソリン需要の伸びは今後も続くと予想されている。一方、先進国に おいては、気候変動緩和の目的もあって、低燃費化や電気自動車などが普及し始めてお り、状況が大きく異なる。 図 2-3 中国のガソリン需要量の推移と予測 出典:石油エネルギー技術センター、JPEC レポート 2013 年度第 24 回 第3節 GTL 関連技術の競争環境 第1節でも述べたように、GTL では同種の製品が石油精製からも供給され、その石油 由来の製品との競合が問題となる。この競合優位性を決める最大の因子は製品価格であ り、原油価格とほぼ連動する。内部収益率を 20%とした時の原油価格と設備投資額、原 料ガス価格の関係を図 2-4 に示した。GTL 事業が事業採算性を持つためには、原油価格 や原料価格、あるいは建設費の制約があり、外部環境の因子が極めて重要であることが 分かる。

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Base Case 建設費1/2 ケース 建設費1.5倍 ケース 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 $40 $60 $80 $100 $120 $140 $160 $180 ガス 価格 ($ /MMBtu) Blent原油価格($/BBL) 基本ケース 日産5万バレル規模 建設費 40億$ 図 2-4 設備建設費の影響評価

出典:DOE Analysis of Natural Gas-to Liquid Transportation Fuels via Fischer-Tropsch (2013) を基 に三菱化学テクノリサーチが作成 この設備建設費内訳に関して各種文献情報をまとめた結果を図 2-5 に示した。文献に よって多少の差があるが、合成ガス製造/フィッシャートロプシュ反応/アップグレー ディング+改質の 3 工程を考えた場合、合成ガス製造設備の建設費が一番大きいという 結果は共通しており、この三つの工程の中での合成ガス製造設備の寄与は平均で 62%と なる。したがって、建設費削減を考える上では、合成ガス製造設備のコストを下げるこ とが最も重要である。さらに Wilhelm によれば純酸素を用いる合成ガス製造技術では酸 素製造プラント(深冷分離)設備が合成ガス製造設備コストの約 1/2 を占める1 図 2-5 GTL 製造設備の建設費の反応工程別の内訳

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また、GTL 事業は一旦設備を建造した後は、はるかに大きい規模で存在する石油製品側 の因子によって決定された価格で事業を行わざるを得ない。その最大の因子は原油価格で あるが、その動向や水準の予測は困難である。将来予測の不確実性を理解するため、米国 エネルギー省の Annual Energy Outlook 2015 から、過去の実績と将来の予測を図 2-6 に示 した。シナリオによって大きな差があることが分かる。原油価格についていえば、High Oil Price シナリオが実現すれば GTL 事業の採算性は全く問題がないと考えられるが、2015 年 の時点で既に大きな差異がある(2016 年 1 月は 30~40 ドル/バレル水準である)。一方、 Low Oil Price シナリオが実現した場合には、2040 年まで原油価格が 80 ドル/バレルに届 かないレベルで推移するためガソリンも安値で安定するので、GTL 事業にとっては厳しい 状況である。 このような長期的な不確実性が高い環境下での意思決定は高いリスクを想定する必要が あると考えられる。 図 2-6 原油、ガソリン、米国天然ガス価格の推移と予測 a. ブレント原油価格予測(単位 US$/bbl) b. ガソリン価格予測(単位 US$/ガロン) c. 米国天然ガス価格(ヘンリーハブスポット)予測(単位 US$/MMBtu)

出典:DOE Annual Energy Outlook 2015 with projections to 2040 (2015)

実績 予測 実績 予測

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第3章 政策動向調査 中国のエネルギー政策は 2014 年 11 月に公表されたエネルギー発展戦略行動計画(2014 ~2020 年)に則って進められている。その主要項目を表 3-1 に示した。一次エネルギーの 石油依存率を下げ、石炭や再生可能エネルギーで自給率を確保する戦略がある。 表 3-1 エネルギー発展戦略行動計画(2014-2020 年)における主要項目 項目 指標 2020 年目標 省エネ優先戦略 一次エネルギー消費量 48 億トン標準炭以下 石炭消費量 42 億トン標準炭以下 国内立脚戦略 国内一次エネルギー生産量 42 億トン標準炭 エネルギー自給率 85% 石油可採年数(R/P) 14-15 グリーン低炭素戦略 一次エネルギー中の非化石 エネルギー比率 15% 天然ガスの比率 10%以上 石炭消費比率 62%以下 出典:エネルギー発展戦略行動計画から三菱化学テクノリサーチ作成 一方、エネルギー消費に伴って環境汚染が発生するが、これは第 12 次エネルギー5 か年 計画で取り扱われており、表 3-2 に示したような環境目標が出されている。 表 3-2 第 12 次エネルギー5 か年計画(2011-2015 年)における主要環境目標 指標 削減率 拘束性 単位 GDP あたりの CO2削減率 17% ○ 主要汚染 COD 8% ○ 物質排出 SO2 8% ○ 総量削減 アンモニア性窒素 10% ○ 亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素 10% ○ 出典:第 12 次エネルギー5 か年計画から三菱化学テクノリサーチ作成 CTL 技術は、環境影響が大きい石炭を一旦処理し、クリーンな燃料として用いる点、石 油製品を国産石炭から製造できる点などから重要である。大気汚染の激しい中国ではガソ リンや軽油の含硫黄規制が強化されており、大気汚染物質の含有量が少ない燃料油を提供 できる CTL/GTL 技術はその意味でも重要である。国家中長期科学技術発展規画綱要の中の 重点領域である「エネルギー」の重点テーマに「石炭の高効率化、液化、複合利用」が設 定され、①自主創新(=中国独自の技術開発をめざす)、②発展支持(支援)、③重点飛躍、 ④未来誘導の方針に基づき、開発が進められている。 一方、2015 年 12 月の COP21 でパリ協定が合意された。国ごとに 2030 年の温室効果ガス 排出削減目標が提出されており、中国は 2005 年比で GDP あたり 60~65%の削減を表明し ている。なお、日本は 2013 年比で 2030 年 26%削減(二国間クレジットオフセット含む) としており、今後のエネルギー使用にあたって、燃料の温室効果ガス排出量の観点は重要 な因子となる。CTL は石油からの燃料に比べてライフサイクルでは 2 倍以上の温室効果ガ

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第4章 特許出願動向調査(日米欧中韓への出願:検索による解析) 第1節 調査範囲と調査方法 1.調査範囲と期間 今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国及び韓国(以下、日米欧中 韓と略すことがある)である。欧州への出願については、欧州特許庁への出願(EPC 出 願)だけでなく、EPC 加盟国のうちで使用した特許検索データベースに収録された出願 先国への出願も対象とした1

日本特許文献及び外国特許文献について、データベースに Derwent World Patents Index(WPI:トムソン ロイター グローバル リゾーシズの登録商標)を用いた検索に より収集した2。検索式は、所定の IPC(国際特許分類)及びキーワードにより構成した。 調査期間は、1990 年~2013 年(優先権主張年)である。 2.調査方法 本章での日米欧中韓への出願については、個々の特許公報を読んで解析するのではな く、検索による解析に基づく調査を行った。すなわち、検索によって得られた GTL 関連 技術の特許出願による母集団を形成し、これと、出願先国、出願人国籍(最先の優先権 主張国で代用)、出願年(最先の優先権主張年)、出願人名称などの条件との積集合を作 ることにより、それぞれの条件に該当する特許出願件数を調査した。なお技術区分につ いては、[合成ガス]、[フィッシャートロプシュ反応]、[メタノール転換]の三つについ て解析を行った。 なお、第5章では中米欧への出願に対して読み込みによる詳細な解析を行なっており、 技術区分や主要出願人に関する解析は第5章と重なる部分が多い。したがって、この要 約の中では主に第5章の中でまとめて報告することとする。 1 使用したデータベース(WPI)に収録された EPC 加盟国(2015 年 3 月現在)は、オーストリア、ベルギー、 スイス、チェコ、ドイツ、デンマーク、スペイン、フィンランド、フランス、イギリス、ハンガリー、ア イルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スウェーデ ン、スロバキアの 20 か国である。 2 Thomson Reuters 社提供の世界 48 特許機関発行の特許出願を採録したデータベース

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549 488 582 658 544 604 757 995 947 992 1,241 1,471 1,690 1,701 1,666 1,870 2,109 2,414 2,526 2,582 2,571 2,843 2,477 1,754 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 0 250 500 750 1,000 1,250 1,500 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 合 計 出 願 件 数 出願年(優先権主張年) 日本 米国 欧州 中国 韓国 合計 出願先国(地域) 優先権主張 1990-2013年 日本への出願 7,549件 21.0% 米国への出願 9,523件 26.4% 欧州への出願 7,897件 21.9% 中国への出願 8,764件 24.3% 韓国への出願 2,298件 6.4% 合計 36,031件 第2節 全体動向調査 1.出願先国別出願件数推移及び出願件数比率(日米欧中韓への出願) 出願先国別の出願件数推移と出願件数比率を図 4-1 に示した。1990-2013 年(優先権 主張年)の合計出願件数は 36,031 件であった。全体の出願件数推移は、2011 年頃まで 堅調に増加している。出願先国別の出願件数比率は、米国が 26.4%、中国 24.3%、欧州 21.9%、日本 21.0%、韓国 6.4%の順であった。2000 年頃までは日米欧でほぼ同程度で あったが、2001 年以降、米国への出願が、そして 2007 年以降、欧州への出願が日本へ の出願を超えるようになった。そして中国への出願が急増、2008 年以降は最も多くなっ ている。 図 4-1 出願先国別出願件数推移及び出願件数比率(日米欧中韓への出願、出願年(優先権主張 年):1990-2013 年) 注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していない 可能性がある。

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549 488 582 658 544 604 757 995 947 992 1,241 1,471 1,690 1,701 1,666 1,870 2,109 2,414 2,526 2,582 2,571 2,843 2,477 1,754 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 0 250 500 750 1,000 1,250 1,500 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 合 計 出 願 件 数 出願年(優先権主張年) 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計 出願人国籍(地域) 優先権主張 1990-2013年 日本国籍 6,291件 17.5% 米国籍 12,555件 34.8% 欧州国籍 10,100件 28.0% 中国籍 4,878件 13.5% 韓国籍 917件 2.5% その他 1,290件 3.6% 合計 36,031件 2.出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率 出願人国籍別の出願件数推移と出願件数比率を図 4-2 に示した。出願人国籍別の出願 件数比率は、米国籍が 34.8%と最も多く、次いで欧州国籍 28.0%、日本国籍 17.5%、 中国籍 13.5%、その他国籍 3.6%、韓国籍 2.5%の順であった。出願人国籍別の出願件 数推移では、日本国籍の出願は 2000 年頃までは、年により増減はあるものの増加傾向を 示していたが、その後は横ばいで推移している。米国籍出願人からの出願は 2002 年頃ま では漸増したが、その後横ばいとなった。欧州国籍出願人からの出願件数は 2007 年頃ま では漸増し、その後横ばいとなっている。中国籍出願人からの出願は 2013 年頃まで急速 に増加し続け、2012 年には各国中最多となっている。 図 4-2 出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率(日米欧中韓への出願、出願年(優先権主 張年):1990-2013 年) 注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していない 可能性がある。

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日本 4,425 1,578 1,270 50 53 173 米国 694 5,648 2,506 123 122 430 欧州 529 2,761 4,133 61 56 357 中国 466 1,825 1,563 4,596 59 255 韓国 177 743 628 48 627 75 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 出願先国 (地域) 出願人国籍(地域) 優先権主張1990-2013年 3.出願先国別-出願人国籍別出願件数 図 4-3 に、GTL 関連技術についての出願先国別及び出願人国籍別の出願件数相関分析 結果を示した。日本国籍出願人からの出願件数は総計 6,291 件で、内訳は日本への出願 が 70%、米国へは 11%、欧州へは 9%、中国へは 7%、韓国へは 3%であった(端数処 理のため 100%にならない)。米国籍出願人からの出願件数は総計 12,555 件で、米国への 出願は 45%、次いで欧州、中国、日本、韓国への順であった。欧州国籍出願人からの出 願件数は総数 10,100 件でそのうち欧州への出願は 41%で、次いで米国、中国、日本、 韓国の順であった。中国籍出願人からの出願件数は総計 4,878 件で、そのうち 94%が中 国への出願で、大部分が自国への出願であった。韓国籍出願人からの出願件数は 917 件 で韓国への出願は 68%であった。自国への出願比率という観点で見ると、中国籍出願人 の自国への出願の割合が 94%と非常に高く、自国中心であるという特徴が見られた。日 本 国 籍 及 び 韓 国 籍 の 出 願 人 の 出 願 件 数 に 占 め る 自 国 へ の 出 願 件 数 の 割 合 は と も に 約 70%であり、さらに米国及び欧州のそれはともに 40%台となり、自国以外への出願を重 視している傾向が読み取れる。 なお、これらから読み取れる動向は登録の場合も同様である。 図 4-3 出願先国別-出願人国籍別出願件数(日米欧中韓への出願、出願年(優先権主張年):1990 -2013 年)

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日本国籍 177件 7.7% 米国籍 743件 32.3% 欧州国籍 628件 27.3% 中国籍 48件 2.1% 韓国籍 627件 27.3% その他 75件 3.3% 日本国籍 466件 5.3% 米国籍 1,825件 20.8% 欧州国籍 1,563件 17.8% 中国籍 4,596件 52.4% 韓国籍 59件 0.7% その他 255件 2.9% 日本国籍 529件 6.7% 米国籍 2,761件 35.0% 欧州国籍 4,133件 52.3% 中国籍 61件 0.8% 韓国籍 56件 0.7% その他 357件 4.5% 日本国籍 694件 7.3% 米国籍 5,648件 59.3% 欧州国籍 2,506件 26.3% 中国籍 123件 1.3% 韓国籍 122件 1.3% その他 430件 4.5% 日本国籍 4,425件 58.6% 米国籍 1,578件 20.9% 欧州国籍 1,270件 16.8% 中国籍 50件 0.7% 韓国籍 53件 0.7% その他 173件 2.3% 日本への出願 7,549件 米国への出願 9,523件 中国への出願 8,764件 欧州への出願 7,897件 韓国への出願 2,298件 1,578件 1,270件 694件 2,506件 123件 122件 529件 2,761件 56件 466件 1,825件 48件 59件 177件 628件 50件 743件 61件 53件 1,563件 4.出願先国別-出願人国籍別出願件数収支 GTL 関連技術について日米欧中韓に対する出願先国別出願人国籍別出願件数収支を解 析し、図 4-4 に示した。 日本から中国、韓国への出願件数は、中国及び韓国から日本への出願件数に比べて多 かった。一方、米国及び欧州との収支については、日本からの出願よりも、日本への出 願の方が 2 倍以上多かった。 米国の収支は、欧州とはほぼ拮抗しており、日本、中国、韓国に対しては米国からの 出願の方が大幅に多かった。 欧州の収支は、米国とはほぼ拮抗しており、日本、中国、韓国に対しては欧州からの 出願の方が大幅に多かった。 中国の収支は、韓国との収支はほぼ拮抗しており、日本、米国、欧州との収支ではこ れらの国・地域からの出願の方が圧倒的に多かった。中国籍出願人は、中国への出願が 大部分で国外への出願をほとんどしていないことが分かる。 なお、これらから読み取れる動向は登録の場合も同様である。 図 4-4 出願先国別-出願人国籍別出願件数収支(日米欧中韓への出願、出願年(優先権主張年): 1990-2013 年)

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合成ガス 2,678 2,416 2,210 1,942 421 226 フィッシャー トロプシュ合成 148 569 464 401 41 88 メタノール転換 75 512 237 656 5 12 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 技術区分 出願人国籍(地域) 優先権主張1990-2013年 合成ガス 1,209 1,525 1,257 1,128 324 121 フィッシャー トロプシュ合成 98 417 335 250 34 68 メタノール転換 48 373 144 378 5 7 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 技術区分 出願人国籍(地域) 優先権主張1990-2013年 第3節 技術区分別動向調査 日米欧中韓各国籍出願人の各技術区分別の出願件数及び登録件数を図 4-5 に示した。 [合成ガス]の出願件数が最も多く、日本国籍、米国籍、欧州国籍、中国籍の順になって いる。一方、[フィッシャートロプシュ合成]の出願件数は米国籍、欧州国籍、中国籍の 順になり、日本国籍の出願件数はずっと小さくなる。[メタノール転換]の出願件数では 中国籍、米国籍、欧州国籍の順になり、日本国籍の出願件数はさらに小さくなった。登 録件数の場合でもその傾向はほとんど変わらない。 なお、[合成ガス]の検索結果には、燃料用途の技術も含まれると考えられるが、日本 国籍出願人の出願件数は他国・地域籍の出願人の件数より少ないわけではないことが分 かる。 図 4-5 技術区分別出願人国籍別出願件数及び登録件数(日米欧中韓への出願、日米欧中韓での 登録、出願年(優先権主張年):1990-2013 年) (a)出願件数 (b)登録件数

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第5章 特許出願(中米欧)・登録実用新案(中国)動向調査 第1節 調査範囲と調査方法 1.調査対象とした特許出願・登録実用新案 詳細解析により特許出願動向を調査した出願先国は中国、米国、欧州である。登録実 用新案動向を調査した出願先国は中国である。出願人国籍は、日本国籍、米国籍、欧州 国籍、中国籍、韓国籍及びその他の国籍に分けて集計した。出願人国籍は原則として筆 頭出願人の住所を基準とした。 2.調査方法 中国、米国及び欧州への特許出願、及び中国での登録実用新案について、4 章と同様 Derwent World Patents Index(WPI:トムソン ロイター グローバル リゾーシズの登 録商標)を用いた検索により収集した。資料編に示した検索式を用い、抽出された公報 番号を基にして、そのファミリーについての各国公報の情報を得た。 調査対象期間は優先権主張年で 1990 年から 2013 年までを対象としている。ただしデ ータベースに収録されるまでの時間差や移行期間などの因子があり、2012 年以降の出願 は完全には網羅されない可能性があることに注意が必要である。 3.解析方法 検索結果の文献リストを入手し、これらのファミリー情報から各国公報に関する情報 を得、予め設定した分析軸に沿って技術分類を行った。これらの特許を分類するにあた り、ファミリー情報を参照し、日本語の公報があるものは日本語公報を解析に用いた。 英文公報やあるいは中国語の公報で日本特許庁の中韓文献翻訳システムを用いることが できるものは、それを用いた。これらがいずれも使用できない場合は、TotalPatent(リ ード エルゼビア プロパティーズ インコーポレイテッドの登録商標。レクシスネク シスが提供する特許データベース)の英文に翻訳された特許文献を用いた。 本調査では、調査対象とする特許文献、実用新案文献に対して、文献の技術内容に対 応する技術区分を付与して文献を分類し、分類した文献集団に対して出願件数推移等の 調査を行う。分類にあたっては、特許請求の範囲、要約のほか、公報の記載を参照して、 当該技術の特徴を把握した上、基本的に特許請求の範囲を基にして、その特徴的な要素 をチェックした。本調査において設定した技術区分を表 5-1 に示した。 なお、ここの分析は主に反応種類ごとの動向を把握するために、各反応に関する出願 件数について主に調べていく。その中で、大分類の「技術の目的」や、大分類「合成ガ ス製造」の中の「原材料」などは、各反応などの特性を調べるためのクロス分析を行う ために設定しており、反応間の件数比較などを行う時には、これらの項目の件数は無視 して考えることとする。

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表 5-1 技術区分表 大分類 中分類 技術の目的 目的成分収率・選択率の改善 触媒寿命の改善 操業の安定性・安全性改善 製品・生成物品質の改善 設備コスト削減 用役コスト削減 再生可能エネルギー利用 環境改善 その他の効果 大分類 中分類 大分類 中分類 原料前処理 原料天然ガス精製 廃棄物後処理 排ガス処理 空気分離法 排水処理 その他前処理 廃棄物処理 大分類 中分類 小分類 合成ガス製造 原材料 天然ガス、シェールガス、随伴ガス類 石炭 バイオマス 水蒸気改質 触媒 反応条件制御(温度、スチーム/C 比等) 反応器構造、原料供給形式 生成物の分離・精製工程 反応器材質 H2/CO 比制御 酸性ガス除去、排ガス処理 その他 部分酸化(POX)改質 触媒 反応条件制御(温度、スチーム/C 比等) 反応器構造、原料供給形式 生成物の分離・精製工程 熱マネジメント(有効利用・回収) 反応器材質 H2/CO 比制御 酸性ガス除去、排ガス処理 その他 自己熱(ATR)改質 触媒 反応条件制御(温度、スチーム/C 比等) 反応器構造、原料供給形式 生成物の分離・精製工程 熱マネジメント(有効利用・回収) 反応器材質 H2/CO 比制御 酸性ガス除去、排ガス処理 その他 水性ガスシフト反応 触媒 反応条件制御(温度、スチーム/C 比等) 反応器構造、原料供給形式 生成物の分離・精製工程 反応器材質 酸性ガス除去、排ガス処理 その他 その他の製造法 プラズマガス化 CO2を用いた改質 その他

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大分類 中分類 小分類 下位区分 1 下位区分 2 炭化水素製造 フィッシャートロプシュ反応 触媒 Fe 系 助触媒成分 担体 調製方法 物理物性(細孔構造など) 活性化法 触媒再生・回収 その他 Co 系 助触媒成分 担体 調製方法 物理物性(細孔構造など) 活性化法 触媒再生・回収 その他 その他Ⅷ属触媒 助触媒成分 担体 調製方法 物理物性(細孔構造など) 活性化法 触媒再生・回収 その他 その他 反応工学 固定床 運転方法、反応条件(制御) 反応器構造 熱除去法 生成物の分離・精製工程 触媒の回収、再生など 反応器材質 その他 循環流動床 運転方法、反応条件(制御) 反応器構造 熱除去法 生成物の分離・精製工程 触媒の回収、再生など 反応器材質 その他 スラリー床 運転方法、反応条件(制御) 反応器構造 熱除去法 生成物の分離・精製工程 触媒の回収、再生など 反応器材質 その他 その他 アップグレーディング メタノール製造 メタノール転換 触媒 ZSM5 型ゼオライト 助触媒 (MFI) 触媒製造法 触媒物理的物性(細孔など) その他物性 触媒再生・回収 SAPO 助触媒 (シリカアルミノリン酸塩) 触媒製造法 触媒物理的物性(細孔など) その他物性 触媒再生・回収 その他ゼオライト系 助触媒 触媒製造法 触媒物理的物性(細孔など) その他物性 触媒再生・回収 その他触媒 助触媒 触媒製造法 触媒物理的物性(細孔など) その他物性 触媒再生・回収

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大分類 中分類 小分類 下位区分 1 下位区分 2 炭化水素製造 メタノール転換(続き) 反応工学 気相固定床 運転方法、反応条件(制御) (続き) 反応器構造 熱除去法 生成物の分離・精製工程 触媒の回収、再生など 反応器材質 その他 循環流動床 運転方法、反応条件(制御) 反応器構造 熱除去法 生成物の分離・精製工程 触媒の回収、再生など 反応器材質 その他 その他反応形式 運転方法、反応条件(制御) 反応器構造 熱除去法 生成物の分離・精製工程 触媒の回収、再生など 反応器材質 その他 目的生成物 その他 石炭直接液化 大分類 中分類 大分類 中分類 複数反応組合せ フィッシャートロプシュ反応関連 フィッシャートロプシュ製品 燃料油(ガソリン、軽油等) メタノール転換関連 潤滑油 石炭液化関連 ワックス マイクロリアクター 最終製品への添加

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293 319 312 350 329 328 482 541 567 646 814 925 1,083 993 841 893 984 1,370 1,239 1,159 1,140 1,295 974 673 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 0 100 200 300 400 500 600 700 800 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 合 計 出 願 件 数 出願年(優先権主張年) 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計 出願人国籍(地域) 優先権主張 1990-2013年 日本国籍 1,054件 5.7% 米国籍 6,670件 36.0% 欧州国籍 6,946件 37.4% 中国籍 2,778件 15.0% 韓国籍 144件 0.8% その他 958件 5.2% 合計 18,550件 第2節 全体動向調査 1.[特許]出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率 GTL 関連技術の中米欧への特許出願について出願件数を集計した。出願人国籍別の出 願件数推移及び出願件数比率を図 5-1 に示した。調査期間 1990-2013 年(優先権主張年) の合計出願件数は 18,550 件であった。2011 年まででは、少し変動はあるものの全体と して増加傾向を示している。出願人国籍別の出願件数比率は、欧州国籍 37.4%、米国籍 36.0%が多く、次いで中国籍 15.0%、日本国籍が 5.7%、その他国籍 5.2%、韓国籍 0.8% の順であった。米国籍出願人の出願件数推移は、2002 年にピークがあり、さらに 2007 年にも小ピークがあるものの、2003 年以降は減少傾向にある。一方欧州国籍出願人の出 願件数推移は、1990 年代から増加傾向にあり、2000 年代はほぼ安定している。中国籍出 願人の出願件数は 2000 年代に入ってから多くなり、2010 年代に入ってからは欧州国籍 出願人の出願件数と同程度のレベルにまでなってきている。 図 5-1 [特許]出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率(中米欧への出願、出願年(優先権 主張年):1990-2013 年) 注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していない 可能性がある。

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日本 14 15 9 14 11 27 14 36 22 25 43 36 8 26 23 17 44 48 46 38 21 13 米国 74 92 119 115 130 117 172 216 224 202 280 311 419 324 221 192 159 216 199 150 101 61 40 11 欧州 128 139 114 132 110 112 150 152 133 183 176 239 210 234 155 186 160 204 183 175 102 61 25 7 中国 5 8 5 11 10 11 3 14 10 12 20 21 29 51 68 126 138 175 133 246 235 150 93 韓国 2 7 1 2 1 2 3 6 3 7 12 4 3 5 8 1 その他 4 8 7 12 8 10 8 17 38 21 38 39 30 49 23 27 13 60 33 30 19 14 5 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 出願人国籍 (地域) 出願年(優先権主張年) 優先権主張1990-2013年 日本国籍 550件 5.3% 米国籍 4,145件 40.2% 欧州国籍 3,470件 33.6% 中国籍 1,574件 15.3% 韓国籍 67件 0.6% その他 513件 5.0% 合計 10,319件 2.[特許]出願人国籍別登録件数推移及び登録件数比率 GTL 関連技術の中米欧での特許登録件数を集計した。出願人国籍別の特許登録件数推 移及び登録件数比率を図 5-2 に示した。調査期間 1990-2013 年(優先権主張年)の合計 登録件数は 10,319 件であった。出願人国籍別の登録件数比率は、米国 40.2%、欧州 33.6% が多く、次いで中国 15.3%、日本が 5.3%、その他 5.0%、韓国 0.6%の順であった。国 籍別の出願比率とほぼ対応した数値となっている。欧州国籍出願人の登録件数推移は、 1990 年代から増加傾向にあり、2001-2003 年頃にピークを迎えた後 200 件弱でほぼ安定 している。一方、米国籍出願人の登録件数推移は、やはり 2002 年にピークがあった後は 減少した。中国籍出願人の登録件数は 2000 年代に入ってから多くなり、2010 年代にピ ークになっている。日本国籍出願人の登録件数は 2006 年以降、波はあるものの 40 件程 度で推移している。 図 5-2 [特許]出願人国籍別登録件数推移及び登録件数比率(中米欧での登録、出願年(優先権 主張年):1990-2013 年) 注)調査時点で審査請求前や審査中の出願が存在するため、2013 年に近づくにつれて件数が減少することに 注意すること。

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日本国籍 2件 0.1% 米国籍 1件 0.1% 欧州国籍 4件 0.3% 中国籍 1,419件 99.4% 韓国籍 0件 0.0% その他 1件 0.1% 合計 1,427件 4 3 5 5 8 16 3 13 7 13 6 28 23 14 43 46 71 65 92 120 145 165 259 273 0 50 100 150 200 250 300 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 登 録 件 数 出願年(優先権主張年) 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計 出願人国籍(地域) 優先権主張 1990-2013年 3.[実用新案]出願人国籍別登録件数推移及び登録件数比率 GTL 関連技術の中国での実用新案について登録件数を集計した。 実用新案の出願人国籍別の登録件数推移及び登録件数比率を図 5-3 に示した。調査期 間 1990-2013 年(優先権主張年)の合計登録件数は 1,427 件であった。登録件数推移は、 2000 年頃までは 10 件前後のレベルで推移していた。しかし、2001 年以降登録件数が増 加し、2013 年には 273 件に上った。出願人国籍別の登録件数比率は、中国が 99.4%で圧 倒的に多く、中国以外の国籍の出願人は中国の実用新案制度を実質的に活用していない といえる。 図 5-3 [実用新案]出願人国籍別登録件数推移及び登録件数比率(中国での登録、出願年(優先 権主張年):1990-2013 年) 注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していない 可能性がある。

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第3節 技術区分別動向調査 1.[特許]技術区分別出願件数推移 各種処理、反応工程に関する出願について、技術区分での中分類毎に件数推移を調べ、 図 5-4 にまとめた。 合成ガス製造にはいくつかの方法があるが、水蒸気改質と部分酸化が主になっており、 共に 2000 年頃と 2007 年頃に 2 回ピークが見られる。自己熱改質や水性ガスシフトは比 較的件数は少ないが、全体的に増加傾向にある。またその他の製造法はプラズマを用い た改質や CO2を用いた改質などであるがこれも 2000 年代後半に向けて増加基調にあった。 フィッシャートロプシュ反応に関する出願は 2001 年頃と 2009 年頃の二つのピークが あり、安定して出願されている。 アップグレーディングは 1996 年以降フィッシャートロプシュの約 1/3~1/4 の出願件 数の年が多かったが、2003 年頃に大きなピークが見られた。 メタノール製造は 1990 年代前半の約 50 件から一旦減少傾向にあったが、2000 年代か ら増加傾向に転じている。 メタノール転換反応は 1990 年代半ばは低い件数であったが、1999 年頃に急増し、さ らに 2010 年頃に再度ピークとなっている。 石炭直接液化は他の炭化水素製造法に比べて圧倒的に件数が少なく、1990 年代半ばか ら 2000 年代前半はほとんど出願されていなかったが、2006 年頃から少し増加してきて いる。 フィッシャートロプシュ製品はフィッシャートロプシュでの製品の特性を生かした応 用製品であり、燃料油は 2001 年頃、潤滑油は 2007 年頃、ワックスは 2001 年頃、最終製 品は 2003 年頃にそれぞれピークがあった後減少し、低い件数で安定して推移している。 このピークはアップグレーディング技術のピークと関連することが考えられる。

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本編

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

目的成分収率・ 選択率の改善 148 150 124 111 121 83 148 259 178 304 353 431 397 361 302 306 308 380 477 586 580 605 557 408 触媒寿命の改善 21 39 34 33 28 20 31 129 60 84 108 113 126 84 111 96 97 77 70 95 184 139 194 76 操業の安定性・ 安全性改善 27 55 50 82 32 87 68 107 94 119 141 112 107 111 129 182 154 211 182 121 237 203 221 69 製品・生成物品質の改善 5 33 58 40 63 39 92 100 140 144 192 258 312 314 185 272 208 270 216 258 237 219 305 85 設備コスト削減 45 27 69 38 31 21 64 49 39 34 91 87 105 68 62 90 146 129 131 74 171 174 175 58 用役コスト削減 39 35 65 47 31 55 77 38 65 91 106 119 131 113 131 123 167 205 241 150 304 271 266 143 再生可能エネルギー利用 5 1 1 1 2 6 1 12 10 4 19 6 18 55 60 88 37 57 77 112 23 環境改善 45 26 55 76 47 39 30 18 17 26 43 45 55 48 32 49 76 104 104 85 88 91 120 84 その他の効果 5 14 1 13 58 53 59 37 78 54 53 70 110 119 104 49 135 315 116 55 68 149 35 14 原料天然ガス精製 21 20 32 36 43 64 68 46 57 48 29 45 66 60 45 41 38 100 113 107 96 97 62 41 空気分離法 2 7 3 7 7 17 1 14 4 3 8 2 2 8 4 1 3 7 6 その他前処理 7 9 8 1 3 4 5 5 11 5 12 9 6 14 14 22 6 9 11 12 排ガス処理 21 2 13 12 22 4 10 1 5 13 9 11 23 3 2 9 15 16 43 12 31 23 15 排水処理 4 2 2 1 3 1 6 5 4 1 4 11 14 1 8 3 12 廃棄物処理 3 12 7 1 8 3 9 1 1 5 3 6 5 1 9 2 3 その他後処理 3 7 4 1 1 原材料 41 41 33 54 25 38 30 57 78 71 63 66 82 69 59 162 241 263 278 226 263 352 260 121 水蒸気改質 38 17 21 52 30 42 47 79 64 87 107 95 100 64 96 119 128 198 178 133 122 129 134 65 部分酸化(POX)改質 41 49 51 139 80 50 38 48 92 116 133 101 124 116 47 96 145 248 150 195 136 201 151 80 自己熱(ATR)改質 13 17 9 36 8 7 31 14 35 44 51 30 42 26 29 39 84 61 46 72 51 82 62 14 水性ガスシフト反応 15 7 7 47 19 14 28 14 26 18 22 48 13 14 19 38 49 74 57 32 57 43 27 その他の製造法 20 5 16 8 6 1 2 12 4 23 16 20 16 9 18 36 33 49 35 39 35 54 38 18 その他 2 4 1 16 4 28 33 44 29 2 13 41 18 12 18 33 77 69 63 55 82 61 26 フィッシャートロプシュ反応 50 73 69 26 24 41 140 154 158 193 260 264 251 248 217 230 154 228 279 296 294 250 238 150 アップグレーディング 2 47 26 8 34 41 46 41 45 82 65 135 146 216 100 103 53 70 62 103 103 64 60 40 メタノール製造 56 54 31 51 24 39 28 33 28 34 52 54 34 44 50 93 77 100 116 147 79 97 102 51 メタノール転換 41 45 22 3 21 18 38 44 24 60 101 86 137 95 79 109 104 133 119 155 184 206 144 129 石炭直接液化 8 3 26 17 6 1 3 8 2 3 2 5 7 6 7 16 33 8 35 28 17 13 23 フィッシャートロプシュ 反応関連 1 4 3 62 5 11 23 29 39 66 54 27 20 55 29 35 47 18 59 33 18 メタノール転換関連 2 7 5 7 2 8 1 14 13 13 4 19 15 3 35 9 25 6 6 14 6 5 石炭液化関連 3 1 1 3 7 1 1 2 2 2 マイクロリアクター 1 8 38 13 20 33 14 50 37 21 16 28 11 32 23 21 4 燃料油(ガソリン、 軽油等) 1 1 22 6 21 19 35 73 109 90 77 35 23 64 52 37 37 29 45 44 16 潤滑油 1 5 5 1 4 30 24 23 35 83 86 47 75 84 125 28 40 39 37 39 7 ワックス 1 1 10 8 4 9 6 16 57 18 62 78 73 57 42 21 33 24 18 28 34 37 35 16 最終製品への添加 1 13 2 16 27 16 22 11 31 41 72 61 109 132 75 68 55 69 56 65 21 61 49 26 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 中分類 出願年(優先権主張年) 優先権主張1990-2013年 技 術 の 目 的 合 成 ガ ス 製 造 炭 化 水 素 製 造 原 料 前 処 理 廃 棄 物 後 処 理 複 数 反 応 組 合 せ フ ィ ッ シ ャー ト ロ プ シ ュ 製 品 図 5-4 [特許]技術区分[中分類]別出願件数推移(中米欧への出願、出願年(優先権主張年):1990 -2013 年) 注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していない 可能性がある。 大分類「合成ガス」の中分類「原材料」はクロス集計のための項目であり、反応種類を表わす他の中分 類とは比較できない。

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

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第6部

目的成分収率・選択率の改善 361 2,507 2,599 1,746 65 399 触媒寿命の改善 191 682 561 511 31 73 操業の安定性・安全性改善 187 908 1,135 514 23 134 製品・生成物品質の改善 207 1,749 1,381 485 18 205 設備コスト削減 112 572 822 408 19 45 用役コスト削減 169 927 1,132 653 18 114 再生可能エネルギー利用 18 145 214 181 2 35 環境改善 76 476 468 268 9 106 その他の効果 114 704 666 168 17 95 原料天然ガス精製 42 503 699 69 3 59 空気分離法 1 60 32 13 その他前処理 11 79 51 28 1 3 排ガス処理 27 125 137 22 4 排水処理 1 16 21 31 13 廃棄物処理 4 24 44 5 2 その他後処理 1 4 11 原材料 135 953 1,043 639 47 156 水蒸気改質 155 745 925 174 44 102 部分酸化(POX)改質 100 935 1,082 416 12 82 自己熱(ATR)改質 29 331 415 82 4 42 水性ガスシフト反応 63 255 258 62 5 45 その他の製造法 48 127 161 92 16 69 フィッシャートロプシュ反応 227 1,527 1,462 625 47 399 その他 22 276 212 167 2 52 アップグレーディング 130 757 594 128 4 79 メタノール製造 117 307 604 369 11 66 メタノール転換 61 823 558 622 1 32 石炭直接液化 15 104 45 103 1 9 フィッシャートロプシュ反応関連 21 318 178 40 2 79 メタノール転換関連 15 74 98 27 3 2 石炭液化関連 17 6 マイクロリアクター 1 200 110 34 13 12 燃料油(ガソリン、軽油等) 41 360 251 71 1 112 潤滑油 46 551 195 18 8 ワックス 42 305 251 47 1 42 最終製品への添加 77 391 490 73 4 64 中分類 優先権主張1990-2013年 技 術 の 目 的 合 成 ガ ス 製 造 炭 化 水 素 製 造 原 料 前 処 理 廃 棄 物 後 処 理 複 数 反 応 組 合 せ フ ィ ッ シ ャー ト ロ プ シ ュ 製 2.[特許]技術区分別出願人国籍別出願件数 各種処理、反応工程に関する出願について技術区分での中分類毎の出願人国籍別出願 件数を図 5-5 にまとめた。各国籍出願人の特徴を整理する。 合成ガス製造:米国籍と欧州国籍では製造反応の出願比率が似通っているが、中国籍 では部分酸化が多い。中国では原料として石炭を用いることが多いからと考えられる。 炭化水素製造:米国籍出願人は相対的にメタノール製造の件数比率が少ない。一方、 中国籍出願人はアップグレーディングの比率が少なく、メタノール転換の比率が高い。 フィッシャートロプシュ製品:中国籍出願人の出願が非常に少ない。米国籍出願人に 潤滑油が多く、欧州国籍出願人では最終製品への添加の比率が高い。 図 5-5 [特許]技術区分別-出願人国籍別出願件数(中米欧への出願、出願年(優先権主張年): 1990-2013 年)

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日本国籍 337件 5.7% 米国籍 1,968件 33.2% 欧州国籍 2,395件 40.4% 中国籍 869件 14.6% 韓国籍 68件 1.1% その他 295件 5.0% 合計 5,932件 110 91 93 188 126 92 126 156 225 225 262 238 303 212 173 280 338 521 412 389 344 478 362 188 0 100 200 300 400 500 600 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 出 願 件 数 出願年(優先権主張年) 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計 出願人国籍(地域) 優先権主張 1990-2013年 3.[特許]技術区分別出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率 技術区分「合成ガス製造」に分類された出願人国籍別特許出願件数推移及び出願件数 比率を図 5-6 に示した。かなり変動はあるものの、2007 年頃までは基本的に増加傾向で あった。2005 年頃までは米国籍出願人と欧州国籍出願人が主な出願人であったが、徐々 に中国籍出願人からの件数が増え、2011 年には中国籍出願人からの件数が首位になって いる。この期間の出願件数比率は欧州国籍 40.4%、米国籍 33.2%、中国籍 14.6%、日 本国籍 5.7%、その他国籍 5.0%、韓国籍 1.1%であった。なお、原材料の種類を示す中 分類は集計に含まれていない。 図 5-6 [特許]技術区分[大分類:合成ガス製造(原材料を除く)]の出願人国籍別出願件数推移 及び出願件数比率(中米欧への出願、出願年(優先権主張年):1990-2013 年) 注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していない 可能性がある。

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50 73 69 26 24 41 140 154 158 193 260 264 251 248 217 230 154 228 279 296 294 250 238 150 0 50 100 150 200 250 300 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 出 願 件 数 出願年(優先権主張年) 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計 出願人国籍(地域) 優先権主張 1990-2013年 日本国籍 227件 5.3% 米国籍 1,527件 35.6% 欧州国籍 1,462件 34.1% 中国籍 625件 14.6% 韓国籍 47件 1.1% その他 399件 9.3% 合計 4,287件 技術区分「フィッシャートロプシュ反応」に分類された出願人国籍別出願件数推移及 び出願件数比率を図 5-7 に示した。1995 年以前はかなり変動が見られるが、1996 年から 2000 年にかけて増加した後、漸減傾向を見せた。その後 2007 年からまた増加傾向に転 じている。この複雑な動向の背景には各国籍出願人の異なる動向がある。まず、米国籍 出願人の出願件数は 2002 年まで増加した後、減少して、最多期の半分程度のレベルで推 移している。欧州国籍出願人の出願ピークはそれより遅く 2005 年にあり、その後やはり 減少に転じた。一方、中国籍出願人の出願件数は米国籍出願人、欧州国籍出願人の出願 件数が減り始めた頃から増え始めて、全体の件数を押し上げている。調査期間の出願件 数比率は米国籍 35.6%、欧州国籍 34.1%、中国籍 14.6%、その他国籍 9.3%、日本国籍 5.3%、韓国籍 1.1%であった。 図 5-7 [特許]技術区分[炭化水素製造_フィッシャートロプシュ反応]の出願人国籍別出願件数 推移及び出願件数比率(中米欧への出願、出願年(優先権主張年):1990-2013 年) 注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していない 可能性がある。

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41 42 22 3 8 18 38 44 24 60 77 78 128 85 76 93 77 109 103 102 172 174 115 114 0 50 100 150 200 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 出 願 件 数 出願年(優先権主張年) 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計 出願人国籍(地域) 優先権主張 1990-2013年 日本国籍 47件 2.6% 米国籍 713件 39.5% 欧州国籍 468件 26.0% 中国籍 551件 30.6% 韓国籍 0件 0.0% その他 24件 1.3% 合計 1,803件 技術区分「メタノール転換」に分類された出願人国籍別特許出願件数推移及び出願件 数比率を図 5-8 に示した。1993 年に一旦底を打った後、2002 年頃まで増加傾向にあった が、これは主に米国籍出願人によるものであった。その後米国籍出願人からの出願は大 きく減少しているが、欧州国籍出願人、そして特に中国籍出願人の出願件数が伸びた。 全体の件数は 2003 年以降微増し、2010 年以降は大幅に増加したが、これは中国籍出願 人の寄与によるものである。調査期間の出願件数比率は米国籍 39.5%、中国籍 30.6%、 欧州国籍 26.0%でほとんどを占めており、残りは日本国籍 2.6%、その他国籍 1.3%、 韓国籍 0.0%であった。なお、目的製品の種類を示す中分類は含まれていない。 図 5-8 [特許]技術区分[炭化水素製造_メタノール転換_触媒、反応工学]の出願人国籍別出願件 数推移及び出願件数比率(中米欧への出願、出願年(優先権主張年):1990-2013 年) 注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していない 可能性がある。

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第5部

第6部

目的成分収率・ 選択率の改善 2 1 1 2 6 2 4 2 3 2 4 3 13 10 13 16 14 19 27 18 36 59 触媒寿命の改善 1 1 1 2 3 1 2 2 5 2 4 操業の安定性・ 安全性改善 1 1 1 3 3 1 1 1 10 4 14 15 27 30 37 45 63 72 121 61 製品・生成物品質の改善 1 2 3 2 2 1 1 3 7 5 14 8 12 9 7 5 15 10 15 10 設備コスト削減 3 1 2 3 1 1 4 7 1 19 11 5 16 16 26 24 28 25 37 35 49 47 用役コスト削減 2 2 1 3 2 2 1 2 11 12 25 15 22 30 32 40 51 49 68 118 再生可能エネルギー利用 4 2 環境改善 3 2 3 1 1 5 5 2 6 6 9 8 15 30 29 32 38 49 その他の効果 原料天然ガス精製 1 1 1 11 4 10 5 31 23 空気分離法 1 2 1 5 その他前処理 1 排ガス処理 1 3 2 2 1 2 1 4 3 排水処理 1 3 3 3 1 廃棄物処理 1 1 1 2 2 2 1 1 1 2 2 1 1 3 1 6 5 18 9 12 18 13 その他後処理 原材料 2 1 2 8 11 1 10 4 10 5 21 17 7 9 7 18 26 25 45 44 68 92 部分酸化(POX)改質 3 2 4 4 7 12 1 10 5 12 5 25 17 10 36 36 57 38 59 82 81 111 134 159 水蒸気改質 4 3 1 2 1 2 4 1 2 5 自己熱(ATR)改質 1 1 5 2 2 5 3 水性ガスシフト反応 1 1 7 2 1 その他の製造法 2 1 4 8 5 3 8 その他 1 1 3 フィッシャートロプシュ反応 1 1 1 2 4 1 14 4 アップグレーディング 1 1 メタノール製造 1 1 2 1 1 1 1 2 4 6 6 13 11 10 22 12 31 33 メタノール転換 12 10 9 石炭直接液化 1 2 フィッシャートロプシュ 反応関連 1 3 メタノール転換関連 1 3 石炭液化関連 1 3 マイクロリアクター 3 5 燃料油(ガソリン、軽油等) 潤滑油 ワックス 1 最終製品への添加 1 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 中分類 出願年(優先権主張年) 優先権主張1990-2013年 技 術 の 目 的 合 成 ガ ス 製 造 炭 化 水 素 製 造 原 料 前 処 理 廃 棄 物 後 処 理 複 数 反 応 組 合 せ フ ィ ッ シ ャー ト ロ プ シ ュ 製 品 4.[実用新案]技術区分別登録件数推移 各種処理、反応工程に関する中国実用新案登録について技術区分別に件数推移を調べ、 図 5-9 にまとめた。部分酸化改質に関するものが特に多く、次いでメタノール製造、原 料前処理、廃棄物後処理の順になった。実用新案の特徴から、装置やその部品に関する 技術がほとんどを占める。 図 5-9 [実用新案]技術区分別登録件数推移(中国での登録、出願年(優先権主張年):1990-2013 年)

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本編

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第4節 出願人別動向調査 1.[特許]出願人別出願件数上位ランキング GTL 関連技術に関する中米欧への出願について、特許出願件数の上位 20 位までの出願 人別出願件数上位ランキングを表 5-2 に示した。1 位から 3 位まで、エクソンモービル、 シェル、シェブロンと大手石油企業が並ぶ。その後、シノペック、フランス国立石油研 究所(IFP)と続き、6 位に南アフリカで CTL、カタールで GTL を実施しているサソール が入った。それ以外には、BP やコノコフィリップス、エニなどの大手石油会社があるほ か、エアリキードやエアプロダクツ、リンデなどのガス製造企業も上位にある。ハルダ ートプソーはガス製造のほか、メタノールやアンモニアなどの製造技術に定評のある企 業である。中国籍の出願人としては中国科学院が 11 位に入った。上位 10 者の出願人属 性の内訳は、企業 9、研究機関 1 であり、国籍別では、米国 3、欧州 5、中国 1、南アフ リカ 1 となった。 表 5-2 [特許]出願人別出願件数上位ランキング(中米欧への出願、出願年(優先権主張年):1990 -2013 年) 順位 出願人 出願件数 1 エクソンモービル(米国) 1,690 2 シェル(オランダ) 1,476 3 シェブロン(米国) 1,006 4 シノペック(中国) 742 5 フランス国立石油研究所(フランス) 724 6 サソール(南アフリカ) 523 7 BP(イギリス) 360 8 エアリキード(フランス) 339 9 ハルダートプソー(デンマーク) 303 10 エアプロダクツ(米国) 277 11 中国科学院(中国) 262 12 コノコフィリップス(米国) 253 13 エニ(イタリア) 244 14 リンデ(ドイツ) 232 15 BASF(ドイツ) 226 16 UOP(米国) 210 17 トタル(フランス) 204 18 ジョンソンマッセイ(イギリス) 187 19 クラリアント(スイス) 182 20 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 181

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