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第 1 節取消訴訟の訴訟要件 処分性 原告適格 狭義の訴えの利益 取消訴訟の訴訟手続的要件第 2 節取消訴訟の排他的管轄 ( 行政処分の公定力 ) 第 3 節取消訴訟の本案審理 違法事由の主張 理由の差替え 基準時

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金沢大学版「到達目標」:行政法 目次 第1章 行政過程の全体像 第1節 基本的概念 第2節 主要な行為形式 1-2-1 行政処分 1-2-2 法規命令 1-2-3 行政契約 第3節 行政過程における制度・手法 1-3-1 個別法が想定する行政過程 1-3-2 行政指導 1-3-3 行政調査 1-3-4 行政計画 1-3-5 行政上の義務違反に対する強制執行 1-3-6 行政上の義務違反に対する制裁 第4節 行政過程の手続的規律 1-4-1 憲法上の適正手続の要請 1-4-2 行政手続法 1-4-3 行政調査の手続的規律 第5節 行政過程の担い手 1-5-1 行政組織と法令 1-5-2 行政組織と権限 1-5-3 国及び地方公共団体以外の組織による行政活動 1-5-4 情報公開と個人情報保護 第6節 行政過程と裁判過程 第2章 行政処分の実体的違法事由の検討能力 第1節 行政処分の違法事由としての法令違反 2-1-1 法令解釈の方法 2-1-2 法令違反 第2節 行政処分の違法事由としての裁量判断の合理性欠如 2-2-1 行政裁量と法令解釈 2-2-2 裁量判断の合理性欠如 第3節 行政処分の違法事由としての委任命令の限界 2-3-1 白紙委任の禁止 2-3-2 委任命令の違法無効 第4節 行政処分の違法事由としての自主条例の限界 第5節 行政処分の違法事由としての信義則違反等 第3章 行政処分の手続的違法事由の検討能力 第1節 行政処分の違法事由としての手続違反 3-1-1 手続違反(手続的瑕疵)の発見 3-1-2 手続違反と処分違法の関係 第2節 行政処分の違法事由としての行政調査 第4章 行政上の不服申立制度の運用能力 第1節 不服申立ての権利 第2節 裁決(決定)の違法事由 第5章 抗告訴訟の運用能力

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第1節 取消訴訟の訴訟要件 5-1-1 処分性 5-1-2 原告適格 5-1-3 狭義の訴えの利益 5-1-4 取消訴訟の訴訟手続的要件 第2節 取消訴訟の排他的管轄(行政処分の公定力) 第3節 取消訴訟の本案審理 5-3-1 違法事由の主張 5-3-2 理由の差替え 5-3-3 基準時 5-3-4 主張立証責任の基本 第4節 取消訴訟の判決の種類及び効力並びに教示制度 5-4-1 判決の種類と効力 5-4-2 取消訴訟の教示制度 第5節 無効等確認訴訟 5-5-1 無効等確認訴訟の訴訟要件(訴えの利益) 5-5-2 無効確認訴訟の本案主張(無効事由の判定) 第6節 不作為違法確認訴訟 第7節 義務付け訴訟及び差止訴訟 5-7-1 義務付け訴訟の訴訟要件と本案主張 5-7-2 差止訴訟の訴訟要件と本案主張 第8節 抗告訴訟における仮の救済 5-8-1 執行停止 5-8-2 仮の義務付け及び仮の差止め 第6章 当事者訴訟の運用能力 第1節 行政事件訴訟法4条後段のいわゆる実質的当事者訴訟 6-1-1 実質的当事者訴訟の訴訟要件と本案主張 6-1-2 抗告訴訟と実質的当事者訴訟の関係 第2節 行政事件訴訟法4条前段のいわゆる形式的当事者訴訟 第3節 当事者訴訟における仮の救済 第4節 民事訴訟との比較 第5節 国・地方公共団体が提起する当事者訴訟等 第7章 国家賠償法に基づく損害賠償請求権に関する検討能力 第1節 国家賠償責任の構造 7-1-1 国家賠償法の責任原理 7-1-2 民法の不法行為との使い分け 第2節 国家賠償法1条における違法と過失の諸類型 第3節 国家賠償法2条における瑕疵の諸類型 第8章 損失補償請求権に関する検討能力 第1節 損失補償の要否及び内容 第2節 個別法に基づく損失補償請求

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第1章 行政過程の全体像 第1節 基本的概念 ○法治主義・法の支配・法治国原理・法治国家などと呼ばれる概念の意義について、法律、 裁判、民主主義、基本的人権、適正手続保障、信義則などとの関連を含め、理解している。 ○いわゆる法律による行政の原理にいう法律の留保の意義について、具体例を挙げて説明す ることができる。 ☆司法権と行政権の関係について,法律上の争訟(裁判所法3条)に関連づけながら,説明す ることができる。 第2節 主要な行為形式 1-2-1 行政処分 ○行政処分の根拠規定及び処分庁を示す規定を、条文を参照して説明することができる(法律 の根拠の要否を含む)。 ○行政処分の概念が、行政手続法、行政事件訴訟法、行政不服審査法においてどのように用 いられているかを、条文に則して説明することができる。 ○職権取消しと撤回それぞれの具体例を挙げて、両者の意義及び違いを説明することができ る。 ※いわゆる公定力、不可争力及び不可変更力の概念、並びに取消しと無効の区別は、第4章 (行政上の不服申立制度の運用能力)及び第5章(抗告訴訟の運用能力)を参照。行政不 服審査法及び行政事件訴訟法における処分概念についても両章を参照。行政手続法におけ る処分概念については、本章第4節1-4-2を参照。 1-2-2 法規命令 ○委任立法の概念と法規命令の概念の関係を理解している。 ☆委任規定がどのようなものかを,具体例を挙げて示すことができる。 ○法規命令の具体例を、条文を参照して説明することができる(委任規定の要否を含む)。 ○政令、省令、規則及び告示の諸形式と、委任立法(法規命令等)の概念の関係を理解して いる。 ○通達、審査基準・処分基準、解釈基準・裁量基準と、委任立法(法規命令等)の異同を理 解している。 ※白紙委任の禁止、及び委任の趣旨の逸脱については、第2章(行政処分の実体的違法事由 の検討能力)第3節でも扱う。行政手続法における「命令等」の概念については、本章第 4節1-4-2を参照。解釈基準については、第2章(行政処分の実体的違法事由の検討 能力)第1節2-1-2を、裁量基準については同章第2節2-2-2を参照。 1-2-3 行政契約 ○行政処分、行政契約及び法規命令の異同を、各概念の定義の違いとして説明することがで きる(法律の根拠の要否を含む)。 ○国及び地方公共団体がどのような場面で行政契約を利用しているか、典型例を挙げて説明

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することができる。 ○国及び地方公共団体が、契約締結を拒否することによって行政目的を達成しようとするこ との可否について、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○行政過程において、契約関係には至らないものの法的に保護されるべき信頼関係が生じる ことがあることについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ☆国及び地方公共団体が、行政契約によって私人に法的義務を課すことの可否について、代 表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ※契約に関する紛争については、第6章(当事者訴訟の運用能力)第4節も参照。 第3節 行政過程における制度・手法 1-3-1 個別法が想定する行政過程 ○個別法が想定する行政過程を、規制や給付などの分野における具体例を挙げて説明するこ とができる。 1-3-2 行政指導 ○行政指導と行政処分それぞれの具体例を挙げて、両者の違いを説明することができる(法 律の根拠の要否を含む)。 ○上記1-3-1の行政過程において行政指導がどのように用いられているか、またなぜ用 いられるのかを、説明することができる。 ○個別法に行政指導が規定される具体例を、条文を参照して説明することができる。 ○私人を行政指導に従わせることの限界について、代表的な最高裁判決を挙げて説明するこ とができる。 1-3-3 行政調査 ○行政調査の種類(犯則調査を含む)について、条文を参照して説明することができる(法律の 根拠の要否を含む)。 1-3-4 行政計画 ○行政計画の具体例を、条文を参照して説明することができる。 ○行政計画と、委任立法(法規命令等)・行政処分の異同を理解している(法律の根拠の要 否を含む)。 ※都市計画の処分性については、第5章(抗告訴訟の運用能力)第1節5-1-1を参照。 1-3-5 行政上の義務違反に対する強制執行 ○行政上の代執行、強制徴収、直接強制、及び間接強制(執行罰)の具体例を、条文を参照し て説明することができる。 ○行政上の強制執行の法律の根拠の要否、及びその根拠規定を条例におくことができるかに ついて、行政代執行法に則して説明することができる。 ○行政代執行の手続を、行政代執行法に則して説明することができる。 ○国税徴収法に基づく強制徴収の手続の概要を理解している。 ○行政上の義務を民事執行の方法で強制的に実現することの可否について、最高裁判決を挙

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げて説明することができる。 ○行政上の強制執行と即時強制(即時執行)それぞれの具体例を挙げて、両者の異同を説明す ることができる(法律の根拠の要否を含む)。 ※行政上の義務の民事執行法による強制については、第6章(当事者訴訟の運用能力)第5 節も参照。 1-3-6 行政上の義務違反に対する制裁 ○行政上の義務違反に対する非刑事的(行政的)制裁の具体例を、条文を参照して説明する ことができる。 ○行政上の義務違反に対する刑事的制裁と非刑事的(行政的)制裁の関係を理解している。 ○行政上の義務違反に対する制裁と行政上の強制執行の異同を説明することができる。 ○いわゆる制裁的公表の特色を理解している(法律の根拠の要否を含む)。 第4節 行政過程の手続的規律 1-4-1 憲法上の適正手続の要請 ○行政処分をおこなう際に求められる憲法上の適正手続の内容及びその憲法上の根拠につい て、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○行政調査(犯則調査を含む)について求められる憲法上の適正手続とはどのようなものか について、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 1-4-2 行政手続法 ○行政手続法と行政手続条例の適用対象を、条文に則して説明することができる。 ○行政手続法が適用される「申請に対する処分」の具体例を、条文を参照して説明すること ができる。 ○行政手続法が適用される「不利益処分」の具体例を、条文を参照して説明することができ る。 ○審査基準及び処分基準に関する行政手続法の規定の趣旨を理解している。 ○理由提示に関する行政手続法の規定の趣旨を理解している。 ○聴聞及び弁明機会付与に関する行政手続法の規定の趣旨を理解している。 ☆聴聞及び弁明機会付与の使い分けの基準について,条文を参照して説明することができる。 ☆「申請に対する処分」に関して行政手続法が定める標準処理期間の規定の趣旨,並びに行 政不服審査法における不作為に関する審査請求及び行政事件訴訟法における不作為違法確 認訴訟との関係について,具体例を挙げて説明することができる。 ○「申請に対する処分」に関して行政手続法が定める審査及び応答に関する規定の趣旨を理 解している。 ○「届出」に関する行政手続法の規定の趣旨を理解している(「申請に対する処分」との異 同を含む)。 ○行政手続法が適用される「行政指導」の具体例を説明することができる。 ○「行政指導」に関する行政手続法の規定の趣旨を理解している。 ○行政手続法が適用される「命令等」の具体例を説明することができる。 ○行政手続法における「命令等」の制定手続を、条文に則して説明することができる。 ※行政処分、届出、命令等、行政指導の概念については、それぞれ本章第2節1-2-1、 1-2-2及び第3節1-3-2も参照。

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1-4-3 行政調査の手続的規律 ○行政調査(犯則調査を含む)をおこなうにあたってとるべき手続の具体例を、条文を参照 して説明することができる。 ○犯則調査権限をもつ行政機関が、犯則調査ではない行政調査によって得られた資料を犯則 調査に流用することの可否について、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○犯則調査権限をもつ行政機関が、犯則調査によって得られた資料を用いて行政処分をする ことの可否について、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 第5節 行政過程の担い手 1-5-1 行政組織と法令 ○国家行政組織法の概要を理解している(行政組織法定主義を含む)。 ○地方自治法が規定する地方公共団体の種類、及び普通地方公共団体の組織の概要を理解し ている。 1-5-2 行政組織と権限 ○行政組織を構成する単位である行政機関の種類として、行政庁・補助機関・諮問機関・執 行機関の区別があることを理解している。 ○行政機関の権限の委任・代理・専決の違いを理解している。 ○行政組織内部における行政機関の相互関係(上級機関の指揮監督権、対等機関の関係など) を理解している。 ○普通地方公共団体の事務が、地方自治法においてどのように定められているかの概要を理 解している。 ○国と地方公共団体の関係のうち、地方自治法が定める国の関与の在り方の概要を理解して いる 1-5-3 国及び地方公共団体以外の組織による行政活動 ○地方公共団体以外の公共団体の具体例を理解している(独立行政法人を含む)。 ○国又は公共団体(行政主体ないし行政体)による行政のみならず、私人による行政が存在 することの具体例を理解している。 1-5-4 情報公開と個人情報保護 ○行政機関における情報公開制度の存在理由、及び情報開示請求権の仕組みの概要を理解し ている。 ○個人情報の取扱い及び自己情報開示・訂正等請求権の仕組みの概要を理解している。 第6節 行政過程と裁判過程 ○行政事件訴訟法における行政事件訴訟の意義を理解している。 ○行政事件訴訟法が定める行政事件訴訟の4類型(抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟、機関 訴訟)それぞれの特色を理解している。 ○住民監査請求(地方自治法242条)及び住民訴訟(地方自治法242条の2)の特色を 理解している。 ※行政不服審査については第4章(行政上の不服申立制度の運用能力)において、抗告訴訟

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及び当事者訴訟及び国家賠償請求訴訟については第5章(抗告訴訟の運用能力)、第6章 (当事者訴訟の運用能力)、第7章(国家賠償法に基づく損害賠償請求権に関する検討能 力)においてそれぞれ取り上げる。 第2章 行政処分の実体的違法事由の検討能力 【第2章及び第3章は、取消訴訟の本案主張に係る違法事由を扱う章であるが、内容的には、当 事者訴訟や国家賠償請求訴訟にも応用可能である。そのため、行政処分が介在しない場合など、 処分の違法事由に結びつける必要がない事案については、当事者訴訟等が提起されたものとし て以下を読み替えることとする。】 第1節 行政処分の違法事由としての法令違反 2-1-1 法令解釈の方法 ○行政処分の要件及び内容に関する規定、定義規定、目的規定等の意味をどう解釈するべき かを、具体的事案に即し適切な法令解釈方法(文理解釈、趣旨・目的解釈、合憲限定解釈 等)を用いて考察することができる。 2-1-2 法令違反 ○行政庁が法令解釈又はその適用を誤ったかどうかを裁判所がどのような点に着目して審査 しているかについて、判決例を参照して説明することができる(付近住民や既存事業者の 不同意のみを理由としてなされた行政処分が違法とされる事例、考慮義務のある事情が考 慮されていない行政処分が違法とされる事例、法令の文言の意味を誤って解釈してなされ た処分が違法とされる事例、正当理由の有無等についての判定を誤った事例など)。 ○裁判所が法令解釈をするにあたって、行政機関によって設定された解釈基準をどう取り扱 うべきかを理解している。 ○行政庁による法令解釈の誤り又はその適用の誤りがないかどうかを、具体的事案に即して 考察することができる。 ※解釈基準については、第1章(行政過程の全体像)第2節1-2-2も参照。 第2節 行政処分の違法事由としての裁量判断の合理性欠如 2-2-1 行政裁量と法令解釈 ○要件裁量及び効果裁量の具体例を、条文を参照して説明することができる。 ○行政処分の要件・効果等の判断のどの部分に行政裁量が認められる(又は認められない) と裁判所が判断しているかについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○行政処分の要件・効果等の判断のどの部分に、なぜ行政裁量が認められるべきか(または 認められるべきではないのか)を、具体的事案に即して考察することができる。 2-2-2 裁量判断の合理性欠如 ○裁量判断の合理性が欠如しているかどうかを裁判所がどのような点に着目して審査してい るかについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○裁量判断の合理性が欠如しているかどうかを裁判所が審査するにあたって、行政機関によ って設定された裁量基準をどう取り扱うべきかを理解している。 ○裁量判断の合理性が欠如していることを示すためにどのような指摘をおこなうべきかを、

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具体的事案に即して考察することができる。 ※裁量基準については、第1章(行政過程の全体像)第2節1―2-2も参照。 第3節 行政処分の違法事由としての委任命令の限界 2-3-1 白紙委任の禁止 ○行政処分の要件及び内容に関し、立法権の委任の仕方が憲法上許容される範囲を超えてい るか(白紙委任禁止に抵触するか)どうかを裁判所がどのように審査しているかについて、 代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○行政処分の要件及び内容に関し、立法権の委任の仕方が憲法上許容される範囲を超えてい るか(白紙委任禁止に抵触するか)どうかを、具体的事案に即して考察することができる。 2-3-2 委任命令の違法無効 ○行政処分の要件及び内容に関し、委任命令が委任の趣旨を逸脱しているかどうかを裁判所 がどのような点に着目して審査しているかについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明す ることができる。 ○行政処分の要件及び内容に関し、委任命令が委任の趣旨を逸脱しているかどうかを、具体 的事案に即して考察することができる。 第4節 行政処分の違法事由としての自主条例(独自条例)の限界 ○自主条例(独自条例)の意義を理解している。 ○自主条例(独自条例)か委任条例(法律に根拠のある条例)かの区別を、具体的事案に即し て考察することができる。 ○行政処分の要件及び内容に関し、自主条例(独自条例)が法律に反して違法無効であるかど うかを裁判所がどのような点に着目して審査しているかについて、代表的な最高裁判決を 挙げて説明することができる。 第5節 行政処分の違法事由としての信義則違反等 ○信義則違反(信頼保護原則違反を含む)を理由として行政処分が違法とされる場面とはど のようなものかについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○行政権の濫用(動機の不法)を理由として行政処分が違法とされる場面とはどのようなも のかについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○信義則及び行政権の濫用を理由に行政処分を違法とすべきかどうかを、具体的事案に即し て考察することができる。 ○行政処分に適用される比例原則の意味を、具体例を挙げて説明することができる。 第3章 行政処分の手続的違法事由の検討能力 第1節 行政処分の違法事由としての手続違反 3-1-1 手続違反(手続的瑕疵)の発見 ○行政手続法及び個別法それぞれにおける適用除外の対象となるかどうか、及び個別法にお ける修正規定の内容を、それぞれ条文を参照して説明することができる。 ○個別法及び行政手続法・条例から、法的に義務付けられる行政手続がいかなるものかを、

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具体的事案に即して考察することができる。 ○理由提示、聴聞・弁明機会付与などの意見陳述の機会を与えること、又は審査基準を定め て公にすることが義務付けられる場合に、その違反があったかどうかを裁判所がどのよう な点に着目して審査しているかについて、代表的な最高裁判決又は判決例を挙げて説明す ることができる。 ○理由提示、聴聞・弁明機会付与などの意見陳述の機会を与えること、又は審査基準を定め て公にすることが義務付けられる場合に、その違反があったかどうかを、具体的事案に即 して考察することができる。 3-1-2 手続違反と処分違法の関係 ○いかなる手続違反があると行政処分は違法とされる(取消訴訟であれば取消事由となる) かについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○いかなる手続違反があると行政処分は違法とされる(取消訴訟であれば取消事由となる) かについて、具体的事案に即して考察することができる。 ※手続違反を理由とする取消判決の効力については、第5章(抗告訴訟の運用能力)第4節 5-4-1を参照。 第2節 行政処分の違法事由としての行政調査 ○行政調査の方法の選択を誤り(たとえば、任意調査に止まるべきところ、誤って強制を伴 う方法をとり)、又は行政調査をおこなうにあたってとるべき手続に不十分な点がある場 合、当該調査によって得られた証拠を用いた行政処分が違法とされるかどうかについて、 具体的事案に即して考察することができる。 ※行政調査については、第1章(行政過程の全体像)第3節1-3-3も参照 第4章 行政上の不服申立制度の運用能力 第1節 不服申立ての権利 △行政不服審査法に基づく審査請求、再調査の請求及び再審査請求の具体例を、条文を参照 して説明することができる。 △行政不服審査法に基づく処分または不作為について審査請求をするための要件を、条文に 則して説明することができる。 △行政不服審査法に基づく審査請求の審理手続の概要について、条文に則して説明すること ができる。 △行政不服審査法における裁決と決定の種類 (認容・却下・棄却の裁決のほか、事情裁決) 及び認容の裁決・決定の内容(取消し・変更(不利益変更の禁止を含む))を、条文に則 して説明することができる。 △行政不服審査法の定める仮の救済と、行政事件訴訟法のそれとの異同を、条文に則して説 明することができる。 △行政不服審査法において義務付けられる教示の内容を、条文に則して説明することができ る。 △行政不服審査法上の教示がなされなかった場合、及び教示が誤ってされた場合の救済につ いて、条文に則して説明することができる。

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第2節 裁決(決定)の違法事由 ○いわゆる不可変更力の概念を理解している。 ※裁決手続(口頭意見陳述の機会、閲覧請求権、理由付記)の違反が、裁決取消事由になる かどうかについては、第2章(行政処分の実体的違法事由の検討能力)第1節3-1-1 及び3-1-2を参照。不作為についての不服申立てにおける相当の期間については、第 5章(抗告訴訟の運用能力)第6節を参照。 第5章 抗告訴訟の運用能力 第1節 取消訴訟の訴訟要件 5-1-1 処分性 ☆行政事件訴訟法3条1項における処分性の有無がどのような形で問題となるかを,具体例を 挙げて説明することができる。 ○処分性の有無を裁判所がどのような点に着目して判断しているかについて、代表的な最高 裁判決を挙げて説明することができる。 ☆契約(寄託契約等)とされる余地のある行為の処分性の有無について,代表的な最高裁判 決を挙げて説明することができる。 ☆通知や勧告と呼ばれる行為の処分性の有無について,代表的な最高裁判決を挙げて説明す ることができる。 ☆いわゆる規範定立行為に処分性が認められるかどうかについて,代表的な最高裁判決を挙 げて説明することができる。 ☆計画と呼ばれる行為の処分性の有無について,代表的な最高裁判決を挙げて説明すること ができる。 ☆いわゆる内部的行為に処分性が認められるかどうかについて,代表的な最高裁判決を挙げ て説明することができる。 ○処分性の有無を、最高裁判決の考え方をふまえて、具体的事案に即して考察することがで きる。 行政処分の概念について、第1章(行政過程の全体像)第2節1-2-1も参照。処分性の 判定の際に考慮される当事者訴訟との使い分けについては、第6章(当事者訴訟の運用能 力)第1節6-1-2を参照。 5-1-2 原告適格 ☆行政事件訴訟法9条1項の原告適格の有無がどのような場面で問題となるかを,具体例を挙 げて説明することができる。 ○原告適格の有無について、裁判所がどのような点に着目して判断しているのかを、代表的 な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○行政事件訴訟法9条2項の趣旨を、具体例を挙げて説明することができる。 ○原告適格の有無を、最高裁判決の考え方をふまえて、具体的事案に即して考察することが できる。 5-1-3 狭義の訴えの利益 ○狭義の訴えの利益の有無を裁判所がどのような点に着目して判断しているかについて、代

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表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○狭義の訴えの利益の有無を、最高裁判決の考え方をふまえて、具体的事案に即して考察す ることができる。 5-1-4 取消訴訟の訴訟手続的要件 ○不服申立てと取消訴訟の関係のうち、行政事件訴訟法において自由選択主義と不服申立前 置主義のいずれが採用されているかを、条文を参照して説明することができる。 ○不服申立てと取消訴訟の関係のうち、裁決主義の具体例を、条文を参照して説明すること ができる。 ○出訴期間の起算点及び徒過したことについての正当理由を、条文に則して説明することが できる。 ○不可争力の概念を理解している。 ○処分庁及び被告適格を有する者は誰かを、具体的事案に即して考察することができる。 第2節 取消訴訟の排他的管轄(行政処分の公定力) ○取消訴訟の排他的管轄を認めることの帰結について、具体例を挙げて説明することができ る(行政処分の無効主張との関係を含む)。 ○取消訴訟の排他的管轄が及ばない場面があることについて、代表的な最高裁判決を挙げて 説明することができる。 ※行政処分の違法事由と無効事由の区別については、本章第5節5-5-2で取り扱う。 第3節 取消訴訟の本案審理 5-3-1 違法事由の主張 ○取消訴訟における違法性の承継の概念について、具体例を挙げて説明することができる。 ○取消訴訟における違法事由の主張の観点から、原処分主義と裁決主義の異同を、具体例を 挙げて説明することができる。 ○行政事件訴訟法10条1項にいう自己の法律上の利益に関係のない違法について、具体例 を挙げて説明することができる。 ○原告の主張しうる違法事由が制限されるべきかどうかを裁判所がどのように判断している かについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○原告の主張しうる違法事由が制限されるべきかどうかについて、具体的事案に即して考察 することができる。 5-3-2 理由の差替え ○取消訴訟において被告による理由の差替えが限定されるかどうかを裁判所がどのように判 断しているかについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○取消訴訟において被告による理由の差替えが認められるべきかどうかを、具体的事案に即 して考察することができる。 5-3-3 基準時 ○取消訴訟における違法判断の基準時の特徴を理解している(その他の抗告訴訟の基準時と の比較を含む)。 5-3-4 主張立証責任の基本

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○取消訴訟における主張立証責任の分配の考え方の概要を理解している。 第4節 取消訴訟の判決の種類及び効力並びに教示制度 5-4-1 判決の種類と効力 ○取消判決と事情判決の異同を、具体例を挙げて説明することができる。 ○事情判決をすべき場合と、訴えの利益が提訴後に消滅したことを理由にする却下判決をす べき場合との違いを、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○取消判決の形成力とその第三者効の意義を、具体例を挙げて説明することができる。 ○取消判決の拘束力の意義を、具体例を挙げて説明することができる。 ○取消訴訟の終局判決の既判力の意義を、具体例を挙げて説明することができる。 5-4-2 取消訴訟の教示制度 ○行政事件訴訟法において義務付けられる教示の内容を、条文に則して説明することができ る。 ○行政事件訴訟法上の教示がなされなかった場合、及び教示が誤ってされた場合それぞれの 救済について、条文に則して説明することができる。 第5節 無効等確認訴訟 5-5-1 無効等確認訴訟の訴訟要件(訴えの利益) ○取消訴訟に加えて無効等確認訴訟(行政事件訴訟法3条4項)が定められている理由を、具 体例を挙げて説明することができる。 ○行政事件訴訟法36条の定める無効等確認訴訟の訴訟要件を、具体例を挙げて説明するこ とができる。 ☆行政事件訴訟法36条にいう「現在の法律関係に関する訴え」の概念を,具体例を挙げて 説明することができる。 ○無効等確認訴訟における原告適格ないし訴えの利益の有無を、具体的事案に即して考察す ることができる。 5-5-2 無効確認訴訟の本案主張(無効事由の判定) ○処分の無効事由の有無を、裁判所がどのような点に着目して判断しているかについて、代 表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○処分の無効事由として指摘すべき事情が何かを、具体的事案に即して考察することができ る。 第6節 不作為違法確認訴訟 ○不作為違法確認訴訟の訴訟要件と本案勝訴要件を、具体例を挙げて説明することができる。 ○不作為違法確認訴訟における相当の期間と、行政手続法における標準処理期間との関係を 理解している。 ※行政手続法における標準処理期間については、第1章(行政過程の全体像)第4節1-4 -2を参照。 第7節 義務付け訴訟及び差止訴訟 5-7-1 義務付け訴訟の訴訟要件と本案主張

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○義務付け訴訟の2類型(申請型と非申請型)の存在意義を、具体例を挙げて説明すること ができる。 ○申請型義務付け訴訟の併合提起の意味を、条文に則して説明することができる。 ○義務付け訴訟(申請型と非申請型)の訴訟要件を、具体例を挙げて説明することができる。 ○義務付け訴訟(申請型と非申請型)の訴訟要件を、具体的事案に即して考察することができ る。 ☆非申請型義務付け訴訟の訴訟要件としての「重大な損害を生ずるおそれ」として指摘すべ き事情が何かを、具体的事案に即して考察することができる(原告適格として指摘すべき 事情との違いも含む)。 ○義務付け訴訟(申請型と非申請型)の本案主張の内容を、具体的事案に即して考察するこ とができる。 5-7-2 差止訴訟の訴訟要件と本案主張 ○差止訴訟の存在意義を、具体例を挙げて説明することができる。 ○差止訴訟の訴訟要件を、具体例を挙げて説明することができる。 ○差止訴訟の訴訟要件を、具体的事案に即して考察することができる。 ☆差止訴訟の訴訟要件としての「重大な損害を生ずるおそれ」の機能について、取消訴訟・ 執行停止制度との関係を踏まえ、具体的事案に即して考察することができる。 ○差止訴訟の本案主張の内容を、具体的事案に即して考察することができる。 第8節 抗告訴訟における仮の救済 5-8-1 執行停止 ○行政事件訴訟法における執行不停止原則の意義を理解している。 ○執行停止の申立てを認める決定の効力を説明することができる。 ○執行停止の申立ての趣旨(効力停止、執行停止、続行停止)及びその理由を、具体的事案 に即して考察することができる。 ☆執行停止の要件としての「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」ことの機能につい て、本案判決との関係を踏まえつつ、具体的事案に即して考察することができる。 ○内閣総理大臣の異議制度の意義を、その憲法問題も含めて、理解している。 ○民事保全法による仮処分の禁止の規定(行政事件訴訟法44条)の意義を理解している。 ※ 民事保全法による仮処分については、第6章(当事者訴訟の運用能力)第3節も参照。 5-8-2 仮の義務付け及び仮の差止め ○仮の義務付けの申立制度の存在意義を、具体例を挙げて説明することができる。 ○仮の差止めの申立制度の存在意義を、具体例を挙げて説明することができる。 ○仮の義務付けの申立ての趣旨及び理由を、具体的事案に即して考察することができる。 ○仮の差止めの申立ての趣旨及び理由を、具体的事案に即して考察することができる。 第6章 当事者訴訟の運用能力 第1節 行政事件訴訟法4条後段のいわゆる実質的当事者訴訟 6-1-1 実質的当事者訴訟の訴訟要件と本案主張 ○実質的当事者訴訟の存在理由を、具体例を挙げて説明することができる。

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○実質的当事者訴訟としての確認訴訟の提起がいかなる場合に認められるかについて、代表 的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○実質的当事者訴訟の請求の趣旨の立て方を、具体的事案に即して考察することができる(給 付訴訟と確認訴訟の使い分けを含む)。 ○確認訴訟における確認の利益の有無を、具体的事案に即して考察することができる。 ○実質的当事者訴訟の本案主張の内容を、具体的事案に即して考察することができる。 6-1-2 抗告訴訟と実質的当事者訴訟の関係 ○処分性の判定の場面において、取消訴訟と実質的当事者訴訟の得失をどう考えるべきかに ついて、具体例を挙げて説明することができる。 ○処分に関わる紛争において、抗告訴訟(とりわけ処分差止訴訟)のほかに実質的当事者訴 訟が使われる場面があるかどうかについて、具体例を挙げて説明することができる。 第2節 行政事件訴訟法4条前段のいわゆる形式的当事者訴訟 ○形式的当事者訴訟の具体例を、条文を参照して説明することができる。 第3節 当事者訴訟における仮の救済 ○実質的当事者訴訟における仮の救済に必要な範囲で、民事保全法の概要を理解している。 ☆実質的当事者訴訟を本案訴訟とする仮の救済について具体的事案に即して考察するができ る。 ※民事保全法による仮処分の禁止(行政事件訴訟法44条)との関係については、第5章(抗 告訴訟の運用能力)第8節5-8-1も参照。 第4節 民事訴訟との比較 ○私人が国又は地方公共団体に対して提起する民事訴訟として、どのようなものが考えられ るかを、具体例を挙げて説明することができる(国家賠償請求訴訟を除く)。 ○行政事件訴訟法にいう争点訴訟について理解している。 ※国家賠償請求のための民事訴訟は、第7章(国家賠償法に基づく損害賠償請求権に関する 検討能力)で取り上げる。また、国・地方公共団体と私人の間で民事訴訟が提起される場 面(いずれが原告であるかを問わない)のうち、契約に関するものについては、第1章(行 政過程の全体像)第2節1-2-3も参照。 第5節 国又は地方公共団体が提起する当事者訴訟等 ○国又は地方公共団体が私人に対して提起する当事者訴訟及び民事訴訟として、どのような ものが考えられるかを、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 第7章 国家賠償法に基づく損害賠償請求権に関する検討能力 第1節 国家賠償責任の構造 7-1-1 国家賠償法の責任原理 ○国家賠償請求訴訟を提起すべき場面の、具体例を説明することができる。 ○国家賠償法1条の責任の性質を、民法の不法行為規定と比較しながら、条文に則して説明 することができる。

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○国家賠償法2条の責任の性質を、民法の不法行為規定と比較しながら、条文に則して説明 することができる。 ○国家賠償法1条の責任が認められる場合に公務員個人責任が認められるかどうかを、代表 的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○国家賠償法3条(費用負担者の賠償責任)の意義を、具体例を挙げて説明することができ る。 ○国家賠償法6条(相互保証主義)の意義を理解している。 ○国家賠償請求訴訟において勝訴するために取消判決を得ておく必要があるかどうかについ て、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 7-1-2 民法の不法行為との使い分け ○国家賠償法(1条・2条)が適用される場合と、民法の不法行為規定が適用される場合と の振り分け基準を、条文に則して説明することができる。 ○国家賠償法1条にいう「国又は公共団体」、「公権力の行使」及び「公務員」の意義を、 具体例を挙げて説明することができる。 ○国家賠償法1条にいう「職務を行うについて」の意義を、代表的な最高裁判決を挙げて説 明することができる。 ○国家賠償法2条にいう「公の営造物」の意義を、具体例を挙げて説明することができる。 ○国家賠償法4条(民法の適用)及び5条(他の法律の適用)の意義を理解している。 第2節 国家賠償法1条における違法と過失の諸類型 ○国家賠償法1条の違法の有無を裁判所がどのような点に着目して判断しているか(権限の 不行使のほか、立法行為や裁判行為の場面を含む)について、代表的な最高裁判決を挙げ て説明することができる。 ○国家賠償法1条の違法と過失の関係について、代表的な最高裁判決を挙げて説明すること ができる。 ○国家賠償法1条の違法と、取消訴訟における違法の異同を、代表的な最高裁判決を挙げて 説明することができる。 ○国家賠償法1条の違法及び過失の有無を、具体的事案に即して考察することができる。 第3節 国家賠償法2条における瑕疵の諸類型 ○国家賠償法2条の瑕疵のうち、いわゆる物的性状瑕疵の有無を裁判所がどのような点に着 目して判断しているかについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○国家賠償法2条の瑕疵のうち、いわゆる供用関連瑕疵の有無を裁判所がどのような点に着 目して判断しているかについて、代表的な最高裁判決を挙げて説明することができる。 ○国家賠償法2条の瑕疵の意義に関する道路と河川の間の違いについて、代表的な最高裁判 決を挙げて説明することができる。 第8章 損失補償請求権に関する検討能力 第1節 損失補償の要否及び内容 ○憲法29条3項による損失補償の要否に関する代表的な最高裁判決を理解している。 ○憲法29条3項による補償内容に関する代表的な最高裁判決を理解している。 ○損失補償と国家賠償の谷間と称される問題の具体例を理解している。

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第2節 個別法に基づく損失補償請求 ○個別法における補償規定のうち、憲法29条3項の趣旨の具体化とされるものがあること を理解している。 ※個別法における損失補償額をめぐる争訟手続規定については、第6章(当事者訴訟の運用 能力)第2節を参照。 本到達目標は、いわゆる行政法総論(行政組織法を含む)と行政救済法の分野において、必 須(コア)と考えられる項目を抽出したうえで、法科大学院の教育目的に鑑み、ふたつの柱を たててそれらを配列したものである。 第1の柱は、行政過程の全体像をとらえるための法概念及び法制度の理解である(第1章)。 第2の柱は、行政過程から生じた紛争を、その具体的事案に即して解決する能力の涵養であり、 これは、本案主張の検討能力(第2章、第3章、第7章、第8章)と争訟制度の運用能力(第 4章、第5章、第6章)に分かれる。 本到達目標の記述においては、求められる能力の水準を、「理解している」「説明すること ができる」及び「具体的事案に即して考察することができる」の3段階に区分している。それ ぞれ、概要や特色を理解している、具体例を素材にして一応の説明をすることができる、具体 的事案を素材に、個別法や事実関係を分析して考察することができるという意味であり、徐々 に求められる能力の水準が高くなる。 また、項目の配列順序は、授業の進行順序を示すものではない。「個別法」は、建築基準法 や厚生年金保険法など、いわゆる行政作用法のことであり、法律のみならず、条例も含まれる。 「条文を参照して」というときは、個別法の条文を参照することを指し、「条文に則して」と いうときは、行政事件訴訟法や行政手続法などといった一般法の条文を参照することを意味す る。

参照

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