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度と骨質を改善する効果により骨折を抑制する効果が示されています. エルデカルシトールの特徴として前腕骨 ( ひじから手首の部分の骨 ) の骨折抑制効果が大変高いことが報告されているので, ラロキシフェンと同様に尺骨短縮手術時のボルト固定の改善効果や手術後の骨折の発生リスクを低下することが期待されます

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Academic year: 2021

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三角線維軟骨複合体(Triangular Fibrocartilage Complex; TFCC)損傷における

尺骨短縮術施行時の骨粗鬆症治療薬による前処置の骨密度改善効果の検討に対する

ご協力のお願い

実施責任者 中村 俊康 整形外科学教室 1 研究目的 手 関 節 部 尺 側 ( 小 指 側 ) の 運 動 時 痛 、 慢 性 疼 痛 の 原 因 の ひ と つ に 三 角 線 維 複 合 体 ( Triangular Fibrocartilage Complex: TFCC ) 損傷があります.当教室では TFCC 損傷に関する解剖学 的・生体力学的研究を積極的に行っており,治療方法の発展に大いに貢献し,世界的にも評価を受け てきました.TFCC 損傷の治療には大きく分けて保存療法と手術療法があり,一般に 3 ヵ月以上保存療 法を行っても症状の改善が認められない場合は,手術療法が行われます. 今回,患者さんがうける手術は、尺骨を橈骨と同じ高さにする尺骨短縮術という手術です.この 手術は、尺骨の内、数 mm を切除・短縮し、プレートとスクリューを用いて固定します.固定していたプレ ートとスクリューは 1 年以上の観察を経た後、それを摘出する手術を再度行います. しかしながら,患者さん自身の骨の密度や骨の質が,低下してくると(これは加齢などに伴い低 下していきます),スクリューを止めていた部分で骨折が発生しやすくなるという傾向が認められました. そのため,最近,当教室では,手術と同時に骨密度や骨質を改善する骨粗鬆症治療薬を服用すること により骨密度を高め,骨折のリスクを低下する試みを行っています. ビスホスホネート製剤という分類の骨粗鬆症治療薬(一般名:フォサマック,ボナロン,ベネット, アクトネル,ボノテオ,リカルボン)は,骨密度を強力に高めることで骨折リスクを減らす効果が期待され, 骨粗鬆症治療として第一選択薬として推奨されています.そのため,尺骨短縮手術を受ける患者さんに ビスホスホネート製剤を服用してもらうことで,手術後の骨折リスクを抑制することを期待しています. SERM(サーム)製剤という分類の骨粗鬆症治療薬ラロキシフェン(一般名:エビスタ)は,骨密 度の増加と骨質を改善することにより,椎体骨及び非椎体骨の骨折抑制効果が証明されています.そ のため,尺骨短縮手術を受ける患者さんにラロキシフェンを服用してもらうことで,手術後の骨折リスクを 抑制することを期待しています. さらに,新しい活性型ビタミン D3製剤という分類の骨粗鬆症薬エルデカルシトール(一般名:エ ディロール)は,従来からの活性型ビタミン D3製剤のもつ小腸からのカルシウム吸収改善効果と,骨密 1

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度と骨質を改善する効果により骨折を抑制する効果が示されています.エルデカルシトールの特徴とし て前腕骨(ひじから手首の部分の骨)の骨折抑制効果が大変高いことが報告されているので,ラロキシ フェンと同様に尺骨短縮手術時のボルト固定の改善効果や手術後の骨折の発生リスクを低下すること が期待されます. 今回,患者さんが尺骨短縮術を受ける際,骨密度の改善が期待される骨粗鬆症治療薬ビスホ スホネート製剤,ラロキシフェン又はエルデカルシトールをいずれかを服用していただき,スクリュー固定 時の締付トルクの大きさと,患者さんの骨密度の状態を表す指標(骨代謝マーカ)を測定させていただき たいと考えています.これらのお薬のいずれか服用いただく、またはこれらの骨粗鬆症治療を行わない かについては、私どもの方にご一任いただきます。骨粗鬆症治療を行わない場合でも、尺骨短縮術は これまでの標準的な治療法であり、患者さんへの不利益はないと考えられます。これらの骨粗鬆症治療 薬を TFCC 損傷の治療と同時に使用することによる,患者さん自身の骨密度の改善と,手術時のスクリ ュー固定状態の改善,そして手術後の骨折発生の低減効果を評価したいと考えています. 2 研究協力の任意性と撤回の自由 本研究へのご協力の可否は,ご自身の自由意思にてご判断ください.強制は一切いたしませ ん.また,同意されなくとも,治療上不利益になることは全く生じません.一旦同意された場合でも,いつ でもその意思を取り消すことがでます.その場合は,データは破棄され,それ以降の研究に用いられる ことはありません.また,同意を取り消すことによって,治療上の不利益が生じることはありません. 3 研究方法・研究協力事項 TFCC 損傷の治療中の尺骨短縮手術を受ける患者さんが対象になります.上で述べましたよう に,骨粗鬆症治療薬ビスホスホネート製剤,ラロキシフェン又はエルデカルシトールを服用していただく、 または従来の治療通り服用いただかないかについては私どもに一任させて頂きます(無作為割り付けソ フトによって無作為に治療法が選ばれます).これらの服用期間は手術実施前 3 か月から,プレートを取 り除く抜釘後2年間の観察期間終了までの予定です.検査項目としてレントゲン(腰椎・胸椎),骨密度, 採血を日常の標準診療と同じ半年に一度の頻度で行います.血液検査に関しては 2 項目通常の保険 診療には含まれないものがあり(ペントシジン,ホモシステイン)これらは,私どもの負担で検査を行いま す.これらの検査も抜釘後 2 年間の観察期間終了まで行う予定です. 4 研究協力者にもたらされる利益および不利益 TFCC 損傷の治療中の尺骨短縮手術を受ける際,検査項目としてレントゲン(腰椎・胸椎),骨 密度,採血は日常の診療として行われていることです.患者さんには骨粗鬆症治療薬ビスホスホネート 製剤,ラロキシフェン又はエルデカルシトールを服用していただきます.患者さんには日常の診療の範 囲で治療費のご負担をして頂きますが,これらの治療薬は骨密度の改善が期待され手術後の骨折のリ 2

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スクが減少することが期待されます. このことから本研究に参加することによって,日常の診療の範囲で治療費のご負担のほかには, 治療上の不利益・リスクが新たに生じることはありません.一方,検査により,研究協力者の病状が正確 に把握でき,有益な情報になるとも考えられます.本研究では原則的に通常の骨粗鬆治療の範疇を超 えた加療や検査は行いませんので,本研究の参加により,診察の回数が増えたり,画像検査の回数が 増えたりすることはありません.今まで私たちが行ってきた診療の方法,治療の方法をそのまま踏襲いた します.研究の成果は今後の医学の発展に寄与する可能性があります.その結果,研究協力者と同じ ような病気を患う方々の治療がより効果的に行われることが将来期待されます.研究協力者に対して, 研究協力費や交通費の支給、医療費の自己負担分軽減などの金銭的利益の提供はありません. 服用していただく内服薬による副作用と対処方法について 本研究は、科学的に計画され慎重に行われますが、この研究への参加中にいつもと違う症状 または身体の不調がありましたら、すぐに担当医師にお知らせください。ただちに適切な処置および治 療を行います。なお、本研究で服用していただく薬剤はすでに本邦で広く骨粗鬆症患者さんに用いら れており、重篤な副作用の発生は極めてまれです。 (1),ビスホスホネート製剤については,次の副作用が認められています. 上部消化管障害,肝機能障害・黄疸,低カルシウム血症,中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis),皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群),顎骨壊死・顎骨骨髄炎,大腿 骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折 ビスホスホネート製剤による治療中に、ある種の医薬品、局所(あご付近)への放射線治療、抜 歯などの歯科処置、口腔内の不衛生などの条件が重なった場合、あごの骨に炎症が生じ、さらに壊死 する顎骨壊死がみられることがあります。ビスホスホネート製剤による治療を受けていて、次の様な症状 がみられた場合には、放置せずに担当医師もしくは歯科医師に連絡してください。 「口の中の痛み、特に抜歯後の痛みがなかなか治まらない」、「歯ぐきに白色あるいは灰色の硬 いものが出てきた」、「あごが腫れてきた」、「下くちびるがしびれた感じがする」、「歯がぐらついてきて、 自然に抜けた」など (2),ラロキシフェン塩酸塩(エビスタ)については,次の副作用が認められています. 末梢性浮腫,ほてり,皮膚炎,そう痒症,嘔気,静脈血栓塞栓症,肝機能障害 ラロキシフェン塩酸塩による治療中に、次のような症状が認められた場合には,静脈血栓塞栓 症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)があらわれることがあるので、放置せずに担 当医師に連絡してください。 「下肢の疼痛」,「浮腫、突然の呼吸困難」,「息切れ」,「胸痛」,「急性視力障害」など 3

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(3),エルデカルシトール(エディロール)については,次の副作用が認められています. 尿中カルシウム増加,高カルシウム血症(血中カルシウム増加),血中尿酸増加,高尿酸血症, 急性腎不全,尿路結石 エルデカルシトールによる治療中に、次のような症状が認められた場合には,上記の高カルシ ウム血症に関連の症状であることがあるので,放置せずに担当医師に連絡してください。 「倦怠感」,「いらいら感」,「嘔気」,「口渇感」など 5 個人情報の保護 研究協力者の患者基本情報および診療情報は,適切に保護され慎重に取り扱われます.これ らの情報が本研究グループの外に流出したり,本研究目的以外に利用されることはありません.臨床デ ータは個人を特定しうる情報を削除したうえ(住所、氏名,等をデータから削除したうえで)、大学病院の 電子カルテシステム上と慶應大学整形外科学教室内の鍵付きの部屋で,コンピュータ内にて管理され ます. 6 研究計画書等の開示 ご希望があれば,本研究の研究計画書の閲覧が可能です.その旨,実施責任者または分担 者にお申し出ください. 7 協力者への結果の開示 本研究の結果についてご本人の希望がある場合には,本研究の独創性の確保や他の研究協 力者の個人情報に支障がない範囲で開示することができます.ご本人以外からの請求に際してはご本 人の承諾書が必要となります. 8 研究成果の公表 本研究の結果は学会や医学専門誌などに発表されることがありますが,他の研究協力者のデ ータと集計して統計学的な処理を行った結果を公表するものであり,個人を特定できる情報が含まれる ことはありません.研究成果の公表時期は,平成 28-29 年 (西暦 2016 – 2017 年)を予定しています. 9 研究から生じる知的財産権の帰属 本研究は特許権などの知的財産権を得ることを目的としてはいませんが,研究の過程におい 4

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て何らかの知的財産権が生じた場合は,その権利は国,研究機関および研究遂行者などに属し,研究 協力者には属しません. 10 研究終了後の試料取扱の方針 研究協力者の診療情報は,原則として本研究のためにのみ用いさせていただきますが,同意 がいただければ,研究協力者の診療情報は将来の研究のための貴重な資料として,研究終了後も保 管させていただきたいと思います.この場合も、分析を行う研究者には、個人情報が同定不能な状態で データが保管されます. 11 費用負担に関する事項 本研究では,私どもが TFCC 損傷の治療中の尺骨短縮手術を行う際に,日常の診療として患 者さんに対する通常通りの検査と治療を行います.これらは保険診療内であり,研究協力者は通常通り (検査に参加されていない場合と同額の)の診療費をご負担いただきます. 12 問い合わせ先 〒160-8582 東京都新宿区信濃町 35 慶應義塾大学整形外科 中村 俊康 電話 03-5363-3812(直通) FAX 03-3353-6597 5

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