香 川 大 学 経 済 論 叢 第
76
巻 第3
号2003
年 12 月 49− 59高
松 琴 平
電
鉄
の
経 営破 綻
と
行
政 支
援
*宍
戸
栄 徳
は じ め
に高松琴平
電気鉄
道(
以下,琴
電)
は2001
年
12
月7
日高松 地 方裁 判 所に民事 再
生法
の申請
を行
っ た。琴
電 と「
そごう」
の 共 同 出資
会社「
コ トデ ン そごう
」 が そ ごう
の経 営破綻
か ら民事
再生法
の申請
を行
い , や が て琴
電 も民事
再 生 法の申請
をするに至 る。 一 連の経
過 につ い て は拙稿 「
高
松 琴 平 電気鉄 道
の経 営破綻
と再 生」[
1
]
に詳
しく記
述 して い る。琴
電は鉄 道 部門で の 乗 降客 数は漸 減傾向
で は あっ たが , 関連 会社の経
営 破綻
に よ る こ と, およ び鉄 道 会社 と して の地 域で の重
要性
か ら運行
を継続
し経営
再建
が行
わ れ る こ とになっ た。琴電
の再建
にあ た り,沿線
1
市
8
町(
2001
年
12
月の 民事
再生法 申請時
,2002
年
4
月か ら は東
讃
地 方の 長尾 町 ・志 度 町を含
む4
町が合併 して さぬ き市
と な っ た こ とに よ り2
市
6
町)
は総額
2
億5
,000
万 円の 財 政支 援 を行
っ た。 本稿で は ,各
自治体に よ る行 政 支援 の負
担割
合が公平
・妥 当 な もの で ある かどうか を協
力ゲーム理 論のShapley
値
によっ て検
証 し, あわせ て公平
な負担割 合
を理論 的
に決定
する方 法
を提 案
する。 * 本 稿 を 纏め る にあ たっ て,平 成14
年度卒業のゼ ミ生平野絵里 さん が多 くの言tee
を行っ て くれ た。 こ こ に記 して感 謝 し たい 。本 研 究 は科 学 研 究費,基 盤 研 究(CX2 ),課 題番 号 : ユ5510133
の援 助 を 受 けて行われた。一50 一 香 川 大学経済論叢
572
1
.高松 琴
平電気
鉄道
の 経営破
綻の経緯
(1)
経
営 破綻前
の 状 況高松 琴平電気鉄道
は1943
年
に琴 平 電鉄
(
現 ・琴平
線)
,高
松 電気軌 道
(
現
・長尾線)
,讃岐電鉄
(
現 ・志 度 線)
とバ ス16
社 を企業統 合
に よ り合 併 し設立 され た。2001
年12
月10
円の時点
で,資 本
金 は5
億400
万 円で , 鉄 道部
門 と しては高松市
を中心に1
市
8
町 (
高松市
,長
尾 町, 三木 町, 牟礼 町, 志度
町,綾 南
町,綾
歌 町,満 濃 町,琴 平 町)
に3
路 線, 琴平 線, 長 尾 線, 志 度 線,営業
キ ロ合
計60
.Okm
を保 有してお り, 現在
も営業
を継続
して い る。 現在
の路
線
図を
図一1
に示 す。 図一1
高松琴平電気鉄道路線図 (琴電資料)輸
送人員
の推移
を定期
と定期 外
の そ れ ぞ れにつ い てみ る と,輸
送人員は漸減
傾向
で あ り,構 成比 率で は一貫 して定 期 客の 方が多
V573
高松 琴平電鉄の経営破綻と行 政支援 図一2
年間輸 送人員 (定期 ・定期外)の推移 一51 一 (琴電資料よ り作成)ま た, 高 松 市 とその他 の 地 域 との 問の ト リッ プ
数
が 全 ト リ ッ プ数
の約
96
% で あ り, 高 松市
内 間の トリッ プ数で も62
.7
% と な っ て お り,高松 市 内
で の利
用が大
きな 比重 を占
め てお り,高
松市
が琴
電の利
用に大 き な比 重 を持 っ てい る こ とが分か る。 表一1
2001
年度自治体 内 ・間の ト リッ プ数 (単 位 :人 / 日) 発 着 高 松市 牟礼町 志度町 三 木町 長 尾 町 綾 南 町 綾 歌 町 満 濃 町 琴平 町 合 計 高松 市24
,0111
,434
5331
,4914261
,38153
ユ60
60930
,475
牟礼町1
,457
56
140
12
1
11
4
0
71
,688
志度町520
1290
10
70
0
4 662 三木 町 1,454 12 138
36
2
10
51 ,549 長 尾 町412
1
0
32
0
2
0
0
2449
綾 南町1
,364
12
7
3
2
245
66
2
1701
,871
綾歌町504
3
1
1
0
64
15
2
99688
満濃町62
0
0
0
0
3
2
0
9
75
琴平町558
7
5
4
1172
92
8
10857
合 計 30,3421 ,654
6871
,5814661 ,887 711 74 91438 ,315 (琴 電 資 料 よ り作 成)一52 一 香川 大学経済論叢
574
(2)
経 営破綻
まで の 経緯
関
連事 項
を経
過 順 に記 してみ る。1997
年
4
月
:琴電
60
% , そ ごう
グル ー プ40
% 出資
の 子会
社「
コ トデ ン そ ごう
」が営 業 開 始2000
年7
月12
日 :そごう
グル ー プが東京
地裁
に民事
再生法
の 適 用申
請2001
年
1
月22
日 :コ トデ ン そごう
が高松 地 裁に民 事 再生 法の 適用申
請2001
年
2
月7
日 :再生手
続き
の開 始2001
年
6
月11
日 :琴
電と天満屋(
岡 山市)
の間で コ トデ ン そ ごう
の営 業 譲 渡の 基本
合 意契約
を締 結
2001
年
7
月
23
日 :琴 電の 子会社 「
コ トデ ン商事
」 が自
己破 産 宣告
2001
年8
月27
日 :琴電の 子会社「
高 松 グ ラン ドホテル」
が 自己破 産 宣告
こ の
後
,琴
電 が自
主再
建計 画
を発表
し,香
川県知事
が琴電
に対
し自
主 再建
に あ たっ て最大
限の自助努 力
を要 請
する な ど , 関係 者
が活発
な動き
を見せ てい く。 琴電の 再建
計 画に よ る とU
)
運賃収
入に 占め る総 人件費
を75
% か ら53
%台
に削 減(
2
)行
政支援
と して , 設備 投資
に55
億 円 を要請(
3
) 金 融 支 援 として, 総額
151
億円の債務
免 除を要請
となっ てい た が , こ の計
画は,行
政お よ び銀 行
が受
け入れ なか っ た た め自
主 再 建は不 可 能 と なっ た。2001
年12
月7
日 :琴
電が高 松 地裁 に民事
再生法
の適 用申請
これ 以 降, 琴 電は民
事
再生 法の下 で再 建 を行 うこ とになる。2
.民事
再 生 法に基
づく
再 建琴 電 は民
事
再 生法
の適 用申請
を受
けて法
の枠 組で の 再 生 をす る こ と となっ た。 自主 再 建の 際に問わ れてい た こ と は, 人 件費
の 削 減を中心とする琴 電の 自 助 努 力 を前 提 と して, 金融 支 援(
債 務 免 除)
と行 政支 援(
沿 線 市 町の 財 政 支 援)
が受
けら れるか という
こ とであ
っ た。自
ギ再建
で な く民事
再生法
の枠組
み で の 再 建 とい うこ とで行
政支 援 と金 融 支 援 を行
うこ とが決定
さ れた 。行
政支援 は再575
高 松 琴 平 電鉄の 経営 破綻と行政 支 援 一一53
一 生基 盤 整備
期 間の2002
年
か ら2005
年
の4
年
間に県と沿線 自治体
で総 額5
億 円
を負
担 する こ と とな っ た。う
ち1
/2
の2
億5
,000
万 円は県
が負担
し,残
りの2
億5
,000
万 円を沿 線2
市
6
町 で負
担 する こ と と なっ た。 内 訳の 詳 細 は表
一2
に示
すと お りで ある。 表 一2
琴電の行政 支援に関わ る 自 治体負担額 交付申請後(円)年度別 負担額 (千 円 )負担額言1
〔千円) 項 目 2002 年度2002
年度2003
〜2005
年度2002
〜2005
年度 県1
/2
26
,362
,26526
,367
223
,633
250,000 高松市2
/3
17,926
,34017
,930
152,070
170
,000
負 担 割 合 沿 線 市 町1
/28
町L
〆3
モ木町 牟礼 町 綾南町 綾歌 町 満1
農田丁 琴平 町 さぬき「廿 16.5%16
.5
%16
.5
% 12 .5
% ユ0
.5% 12.5%15
.0
%1
,39
ユ,927
1
,391
,927
1
,391
,927
1
,054
,490
885
,772
1
,054
,490
1,265
,388
ユ,3921
,3921
,3921
,055
8861
,055
ユ,266
1
ユ,808
ユ1
,80811
,8088
,6457
,5148 ,94510
,734
13
,20013
,20013
,20010 ,0008
,40010
,00012
,000
小 計100
.0
%8
,435
,9218
,437
7
ユ,563
80
,000
計3
/3
16
,871
,84226
,367
223
,633
250,000
合 計2
/2
52
,724
,52652
,734
447
,266
500
,000
(香川県企 画 部 資 料 )3
.公 平 な費
用負担
とShapley
値の定 義
琴 電の
事
例の よう
に既 に建設 さ れて い るネ
ッ トワ ー クの維持
の ために利 用 者 が どの よ うな負
担をするの が公 平である か検 討 し,一つ の 解 決案
を与
える こと とする。新
た に ネッ トワ ー クを建 設
する時の費
用負 担で は ,効 率
的なネ ッ トワ ー ク の構 造 を決 定す る ことも重 要な 問題である が ,ネ
ッ トワ ー ク の構造
が変化
し ない 場 合は 公 平負担
の 問 題 だけ を考
えれ ば よい 。協
力ゲ ーム 理論
で は公平
な費
用負
担に つ い て の 解がい くつ か提
案さ れてい る が , こ こ で はShapley
値を 用 い た解 を用 い る こ とに する。Shapley 値
は公理 的 な方法
で定 義
され , 計算の 手 間は プ レ イ ヤ ーの 数 ・1 に 関 して 指 数 的に増 加す一54 一 香川大学経済 論叢
576
る。 しか し,本論
文で紹 介 す る方 法
で は n に比 例 し, 容 易 に計 算
で き る こと
が特 徴である。プ レイ ヤ ーの
集
合N
= {1
,2
, … , n }とプ レイヤ ー の 部分集
合 で ある提 携S
を考
える。 すべ て の提 携の集 合
を2
’y とする。 プ レイヤ ーの数
がi
(=0
,1
,2
, … ・ n)
人 か ら な る提 携
は 窟 、(
n ! n ”1),個 あ り・ すべ て の 提 拗 数は2n
個
で ある。各
提携
S
に対
して, 実 数値
を対
応 させ る関 数 ひ (S
>∈R
を提携
の価値
と呼
ぶ 。提携
の価
値 は具 体 的 な定義
の仕 方
に よ り , 提携
に含
まれ る プ レ イ ヤ ー 全体
が得
る効 用や提供 す
る貢献
の大 き
さ などを表
現で きる。 ベ ク トル φ;(
φ1,φ
・・ … ・ ・b
・)
の第
・蝉
φ一菰
晶
詳
・(
・ ∪ ・)
− v(
・)
}
と し, プ ・イ ヤ ーi
のSh
・p1
・y 値
と呼
ぶ .Σ
¢,− v(
N )
が成 立す
る.全
体 提 携1
> に対
する提 携
の i;1価 値
を1
に正 規 化 して も一般性
を失
わ ない こ と か ら, 今 後 は v(
N
)
−1
と正規 n化
し,Σ
軌 一1
が成 立 する と仮 定
する 。[
2
]
i=1Shapley
値
φ、は全体提携
の 価値
v(
N
)に対
する プレ イ ヤ ーi
の 平 均 的 な貢 献
の 比率
を表
す 尺 度で ある。4
. ネッ トワークにお けるゲ
ー ム とOD
間の流 量による提携
の価値
ネッ トワ ー ク に お ける ゲー ム を 定 義 す る。 プ レ イ ヤ ー の
集合 N
= {1
,2
, … , n }とし, ネッ トワ ー ク に含
まれ るす
べ て の ノ ー ドの 集 合 をN
。 とす る。各
プレイヤ ーi
に 酬 の 部分集
合N
, を対 応 させ る。 n 個の 集fi
N1
,N
,, …,从 は ノー ド全 体の 集 合Ne
の分 割
で あ り,N
。 =y
,N
,かつi
≠ノに対
し てN
,∩Nf
= φ を満 た す。 ネ ッ トワ ー ク に お い てす
べ て の ノ ー ドの対 (
p
,q )
に対 してp
か らq
へ の 流 量f
(
p
,q
)
が与 えられ る とす る。 ノー ドの 集 合の 対(
S
,T
)
に対 して は!(S
,T
)
一Σ
Σ
f
(
p
,q
)
と し, 提携 ∫ に対
する提携
の価値
V(
S )
∈R
を P∈ぎv∈Tv (
s
)
一ΣΣ
f
(
N
, ,N
,)
i∈s丿∈∫ と定 義 する。提 携
の価 値
v(
s )
は提 携s
に属
す る プレイ ヤ ーi
, ノに対応
する ノ ー ドの 集 合N
,,N
, をOD
とす るす
べ て の 流 量の合 計 を示 して い る。 提 携 の価値
v(
S )
はS
の メ ン バ ー だけで ネッ トワー ク を どの 程 度 利 用 してい る か を流577
高松琴平 電鉄の経営破 綻と行政支援 一55 一 量 に よっ て表
してい る。 v(
S
)が上 式で定 義さ れる と き, 次の定 理 が 成 り立 つ 。 定 理 提 携の価 値を v・(
S
)一ΣΣf
(N
,,N
,) とす る と き, プ レイ ヤ ー一i
のSh
・p1
・y
i ∈Y丿ES値
はiPi
− ・!(11V
,1V
)
[
f
(
i
・N
・)
+f
(・・,i)
]
で与
え られ る、, (証 明)[
3
]
を参
照。この
提携
の価値
とShapley
値
が妥 当
な もの である こ とを具体
例に よ っ て説明
す
る。3
つ の ノー ドか ら な る簡単 な ネッ トワー ク を考 える。i
j
ノ
V
。一{1
,2
,3
}で あ り,1
>1 − {1
} ,1V2
− {2
} , 酪 = {3
}とする。 弧(
1
,2
)と(2
,3
)
で は双方 向
に1
単位
の流量
があ
る とす
る。す
べ て の 流れ が ノ ー ド2
を出
発 地か 目的 地 と してい る場 合 (ケ ース1
)
, ノ ー ド2
は通 過 地 点で流れ の 出 発 地 ・目 的 地は1
と3
の み で ある場 合 (
ケ ース2
)
を考
える。 それ ぞれの場合
の流 量 をOD
表
の形
で表
現 する と表
一3
,表
一4
の ように な る。 表一3
ケース1
のOD
表 表一4
ケース2
のOD
表o
D
1
2
3
1
o
1
0
2
1
0
1
3
0
1
0
o
D
1
2
3
1
o
0
1
2
0
0
0
3
1
0
0
ケ ース
1
で は, 対 称 性か ら1
単位の流 量が各ノー ドに もた らす 便 益は1
と2
で等 しく2
と3
で も等
しい 。 したが っ て, すべ て の 流量 を合
わせ て全体
を1
に 正 規 化 す れば ノ ー ド1
,2
,3
に対
す るShapley
値
は(
0
.25
,0
.5
,0
.25
)
とな る の が妥 当である。 ケ ース2
の 場合, ノ ー ド2
は(
1
単位の )流 量 か ら何 の 便 益 も受
け ず, さ らに1
と3
は対 称だ か ら,Shapley
値 は(
0
.5
,0
,0
.5
) と なる一56 一 香川 大学経 済論叢
578
のが 妥 当で ある 。定
理 を用い て そ れ ぞ れの場合
にShapley
値
を計 算
して み る。 ケ ース1
:銘一
歯
[
f
(
1
,1
)
・f
(
1
,・)
・!
(
1
,3
)
・f
(
1
,1
)
・f
(
・,1
)
+f
(
3
,1
)]
一景
一 ・.25
同様
に して, φ3 =0
.25
である 。φ
・一歯
[
!(
・,1
)・ !(・,・)
・f
(
・,3
)
・f
(1
,・)
・f
(
・,2
)
・f
(
3
,2
)]
一昔
一 ・.・ ケ ース2
:畝一
2
麦
2
[
f
(
1
,1
)
・f
(
1
,2
)
・f
(
1
,3
)
・f
(1
,1
)
・ ノ(
2
,1
)
・ !(
3
,1
)]
一号
一 ・.5
同様
に して,φ
3 −0
.5
である 。弗
一2
旻
2
[
f
(
2
,1
)
・f
(
2
,2
)
・f
(
2
,3
)
・f
(
1
,2
)
・f
(
2
,2
)・/(
3
,2
)
]
−2
− ・上
記
のShapley
値
は こ の よう
な状 況
を良 く
反映
して お り,Shapley 値
に 比 例 して ネ ッ トワー クの経 費 を負
担 する こ と は自
然で ある と考え ら れ る。5
.琴
電のネ
ッ トワークへ の適 用 と分 析 結 果琴
電の行
政 支援の 問題 を考
える とき,琴
電の 路 線 を ネッ トワ ー ク とすれ ば , 利 用で きる流量
として はす
べ ての 駅 間の乗 車 券種
別年
問乗 降客 数
があ
る。 ま た,券種
ご との 運賃
も分か るの で , 駅 問の 運賃収
入の 総 額 を計算
で きる。 した が っ て, すべ て の 駅 問の運賃 収入 が分か る こ と に な る。OD
の 対に対す る 流 量 と して, 乗 降客 数
あるい は総 運賃収
入な どを取 るこ とがで きる が ,乗 降客数
と する と長 距 離 ・短 距 離に 関係が な くな るの で経 済 的な意 味が弱 くな る た め , こ こ で は総 運 賃 収 入を使 用 する こ とにする。表
一5
に2001
年
度 にお ける ,各 自
治 体 内 ・問の 総 運賃収
入 を示 す。579
表一5
着 発 高松市 牟礼町 志度町 三木 町 長尾 町 綾南町 綾 歌 町 満 濃 町 琴 平 町 合 計 高松琴平電 鉄の 経 営 破 綻 と行政支援 各 自治体 内 ・間 の 利 用 に よ る総運 賃収入 高松巾 1,677
,292
117
,89
]54
,746
110
,025
33
,682
125,476
2,261,029 一57
− (単位 千 円) 市 牟礼町 志 度町 三木町 長 尾 町 綾南町 綾歌 町 満濃町 琴平町 合 計292115
,81656
,199109
,99231
,789128
,41862
,6767
.23989
,202228
⊥,623
89
]3
,2708
,107
618
0
951
385
0
740131
,962
7467
,237
o
140
47041
16
58763
.110
0251
,081
562
,3351
,732
320
114
G
629116
,291
682
64
141
,433
0
196
17
0
40235
,808
476
999
415
381
10511
,3485
,220
28313
,268157
,495 143279
58
0
o5
,173891
1737 ,89271
,608
555
0
16
0
0
353
128 Q 5138 ,564
219
881
705
192
20113 ,5027 ユ10493
666100
,968
029129162765 ,570ll4
,96536
,827160
」2976 ,5818 ,203113
,8982
,967
,429
(琴 電 資 料 ・2001
年度実績よ り作成) 表一6
各 自 治 体のShapley
値 正 規 化 前のShapley
値TE
規化後の Shapley 値 高松 市2
,271
,325
,763
76
,5
% 牟礼町 130,794
,7254
.4
% 志 度 町 64,339,8982
.2
% 三木 町 /15,628
,1803
.9
% 長 尾 町36
,3
ユ7
,613
1
.2
% 綾南 町 ユ59
,111
,895
5
.4
% 綾 歌 町 74,094
,573
2
.5
% 満 濃 町8
,383
,5500
.3
% 琴 平 町 107 ,433
,080
3
.6
% 合 計2
,967
,429 ,275
1QO
.0
%定
理 によ っ て各
プレイ ヤ ーのShapley
値は容 易に 求める こ と が でき
る。自治
体
が実
際に行
っ た行 政 支援 の 金 額 とShapley
値を比 較 して み る。 (表 一6
参 照 )(1)
高松 市
は実 際
の負 担
金1
億7
,000
万 円 (66
.7
%)
に対 して,Shap
】ey 値 は76
.5
% で ある。一58 一 香川 大学経済論叢
580
(2 )
高
松 市 を除 く2
市6
町の 負 担 金 額8
,000
万 円を 奈体
を100
% に正規 化
して表 示 する と,
表
一7
の よう
になる 。綾
南 町と満濃
町 での差
が若
干 大 きいが , そ れ以
外
の1
市
4
町で は実 際の 負 担 割 合 とShaple
’y
値
が か な り近い 。 表 一 7高松市以 外の 自治体の
Shapley
値 と財政支援の割 合 牟礼 町 さぬ き市 三木町 綾南 町 綾 歌 町 満濃 町 琴 平 町Shapley
値18
.8
%14
.5
%16
.6
%22
.9
%10
.6
% 1.2% ユ5
.4
% 支援 割合16
.5
%15
.0
%16
.5
% ユ6
.5
% 12.5
% 10.5
%12
.5
% 図一3
高松 市以外の 自治体のShapley
値と財政支援の割 合25
.0
%20
.0
%15
.0
%10
.O
%5
.0
%0
.0
% }22
.9
% 齢 離18
β%籌
難
.議
宀 :F :數
6
・5
%16
・6
%16
轟%韈
1燗 5
ρ
% 灘 勘 聾 塁鱗
鼕
蒙
難
16
.5
%; ” + 呂 強 甲 等2
矗%1
α6
%1O
.5
% 野 「:望膕5
.4
% ,12
.5
%爨
羃 顰 尋 マ 農解 臨 鴫 早尸 甥 韈蠡
1
爨 、 鱒謝 A嚢
鼠1
・ 籃蕣
鼕
51.2
% 『”「1『、毒 圈Shapley
値 國支 援 割 合 牟礼町 さぬ き市 三木町 綾南 町 綾 歌 町 満 濃 町 琴平町満
濃 町は 羽間駅の み が 立 地 して い るが , 実 際 には住 民 の 一部
が琴 平
町 の榎
井, 琴 平の両 駅 を利 用 してい る。 デ ー タが駅の所在
自治体
の発 着
駅に よ る の で, この よう
な相 違
が発生する と考 え
られ る。 よ り極 端 な例 と して は, 庵治
町,国
分 寺 町な ど は一定 数の琴 電 利 用 者がい る に もか か わ らず, 自治体
内に琴
電の 駅 が設 置 さ れてい ない こ とか ら, 財 政 支 援 を行
っ てい ない 。 また ,実 際
の負担
金 額の ほう
が自
治体 間の 差が少ない が, こ れ は沿線 自治体 全 体で琴 電へ の 支援 を 行 うとの考
えを反映 し, 平等
化を した もの で ある と考 え られる。こ こ で提 案 してい る
Shapley
値は ネッ トワー クの 利用実
績 によっ て公 平 に受
581
高松琴平 電鉄の経営破綻と行政 支 援 一59 一益
者負
担 を提案
して い るも
の であ
る とい える。今 後
, ネッ トワ ー ク の建設費
用 や維持 費
用 を複 数の 利 害 関係 者で費 用 負 担 する と きに , 公平 な負担 割合
を計算
する根
拠 を与
え る こ とがで き, しか も計 算が容 易で ある こ とが特徴
で ある。お
わ
り
に沿 線
自
治 体の 決 定 した負
担割合
とShpaley 値
に よ る割合
を比 較す
る と, その 類 似性が読
み取
れ る。 自治体の 話 し合い に よる負
担 割 合の 決定
に は, 固定 資産
税に よる沿 線市
町の琴
電 か らの 収 入 など も考
慮 されて い る との こ とで ある 。 し か し,全体
として の決定過程
は情報
開示
されて い ない 。本研 究
で は, すべ てのOD
の対 に対 する総 運 賃収 入が わ か る とい う限 定 的な状 況で はある が ,Shaley
値を用い て ネッ トワー クか ら受
ける貢
献 を理論 的に計 算して,各 自
治 体(
プ レ イ ヤー)
が そ れ に応 じた経費
負 担の 割 合 を決 定 する方 法 を提 案 した。 今 後, ま す ます行
政 の 政策決定
が 透 明性
, 説 明責任
を求
め ら れ る よう
に な る と き, こ の よう
な理論
的に明確
な判 断 基 準 を準 備 して お くこ と は重
要なこ とであ
る と考
え られる。 参 考 文 献 [1
] 宍戸栄 徳, 「高松琴 平 電気鉄道の経営破綻 と再生」, 『運 輸 と経 済 』,2002
年10
月 号21
−29
ペ ージ。 [2
] 岡 田 章 『ゲ ーム理 論 』, 有 斐 閣, 1996年[
3
]H .
Shishido
,“FairCost
Sharing
ofNetwork
Maintcnance
,”SMC