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グローバルスタンダードとなることを 目 指 して 概 要 経 済 産 業 省 平 成 27 年 9 月 16 日 付 プレスリリースによりますと 特 許 庁 は 特 許 出 願 の 審 査 等 において 指 針 となる 特 許 実 用 新 案 審 査 基 準 等 を 全 面 改 訂 し 簡 潔 かつ

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(1)

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1.トピックス

〔特 許〕グローバルスタンダードとなることを目指して……… 2

2.審決情報

〔商 標〕不服2014-25292……… 3

3.判決情報

〔特 許〕平成26年(行ケ)第10238号 審決取消請求事件……… 4 〔特 許〕平成26年(行ケ)第10235号 審決取消請求事件……… 7 〔著作権〕平成24年( ワ )第 9838 号 破産会社経営者への 著作権侵害差止等請求事件………10 〔商 標〕平成26年(行ケ)第10264号 審決取消請求事件………13

4.海外情報

〔特許〕最新の判例情報 アメリカ………16

5.特許紹介

特許第5754017号 「有機物系汚泥の生成方法及び該生成方法で生じた有機物系汚泥」のご紹介………20 〒107-0052 東京都港区赤坂 2-5-7 NIKKEN 赤坂ビル8階 TEL 03-5570-6081 FAX 03-5570-6085 MAIL [email protected]

ADVANCE INTERNATIONAL PATENT OFFICE

Contents

第70号

(2)

――概 要――

経済産業省平成27年9月16日付プレスリリースによりますと、特許庁は、特許出願の審査等において指針 となる「特許・実用新案審査基準」等を全面改訂し、簡潔かつ明瞭な和文と英文で記載し、また、事例や裁判 例を充実させることにより、国内外の制度ユーザーにとって審査の基本的な考え方をより深く理解できるものと しました、とのことです。これにより、制度ユーザーにとって特許権取得の予見性が高まり、また、本審査基準 の基本的な考え方が国際的に通用するものとなったことで、他国での審査環境整備にも活用される、グロー バルスタンダードとなることを目指します、としています。

――改訂の理由――

「特許・実用新案審査基準」は、審査官が特許法などの法律を特許出願の審査において適用するための指 針であり、審査の公平性や透明性を担保するためのものです。平成5年に公表されて以来、審査官のみなら ず、出願人等の制度ユーザーが特許庁における審査実務の理解を深めるためにも広く利用されてきました。 あわせて、審査官が審査の際に考慮すべき留意事項や手続的事項をまとめた「特許・実用新案審査ハンド ブック」も、平成17年に公表されて以来、幅広く活用されてきました。 他方、昨今は、①「特許・実用新案審査基準」の基本的な考え方が、簡潔かつ明瞭な記載で、国内外の制 度ユーザーにとってより分かりやすく示されることや、②特許が認められる例と認められない例がバランス良く 示されることによって、特許権取得の予見性が一層高まることが望まれていました。また、③国内の制度ユー ザーが他国で権利取得を行いやすくなるように、「特許・実用新案審査基準」が新興国等における審査基準 に用いられることも望まれていました。

――改訂のポイント――

特許庁では、産業構造審議会の審査基準専門委員会ワーキンググループで了承された基本方針に沿って 「特許・実用新案審査基準」及び「特許・実用新案審査ハンドブック」全体の見直しを進め、次のように改訂し ました。見直しに当たっては、他国の審査基準との比較も考慮した上で、従来の記載内容の総点検を行いま した。 ・基本的な考え方や審査官の判断手法をより明確な論理構成で説明することにより、審査の基本的な考え方 をより深く理解できるものにしました。 ・特許が認められる例と認められない例のバランスを考慮しながら、「特許・実用新案審査ハンドブック」におい て事例(372件)や裁判例(193件)を充実させ、基本的な考え方を深く理解できるようにしました。 ・図表を活用し、一文を短文化するなどして、記載を簡潔かつ明瞭にしました。 改訂の結果、「特許・実用新案審査基準」の考え方がより分かりやすくなったことや、特許が認められる例を 充実させたことなどによって、国内外の制度ユーザーにとって権利取得の予見性が高まります。 また、審査官の判断手法等の透明性が向上することによって、国際的にも我が国の審査結果への信頼感が 醸成され、本審査基準等の考え方が他国にも採用されるグローバルスタンダードとなれば、国内の制度ユー ザーは他国での権利取得も行いやすくなります。

――改訂版の公表及び適用時期――

特許庁ホームページにおいて、改訂「特許・実用新案審査基準」及び「特許・実用新案審査ハンドブック」を 公表します(特許庁ホームページをご覧ください)。 改訂「特許・実用新案審査基準」及び改訂「特許・実用新案審査ハンドブック」は、本年10月1日以降の審 査に適用されます。 上記トピックスの詳細は、経済産業省ホームページの下記該当ページをご参照下さい。 http://www.meti.go.jp/press/2015/09/20150916001/20150916001.html (経済産業省ホームページ平成2 7年9月16日付プレスリリース)

グローバルスタンダードとなることを目指して

(3)

――概 要――

商願2013-77543拒絶査定不服審判事件

――争 点――

識別力の有無 商標法第3条第1項第6号の該当性 ――本願商標―― 出願番号:商願2013-77543 商 標:ワンタッチ除菌 (標準文字) 指定商品:第16類 紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ, 紙製ウエットティッシュ ほか 出 願 人:ユニ・チャーム株式会社 出 願 日:平成25年(2013)10月4日

――当審の判断――

本願商標は、「『ワンタッチ除菌』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『ワンタッチ』の文字が 『1回触れること。一つの操作』の意味を有し、また、『除菌』の文字が『細菌を取り除くこと。』の意味を有するい ずれも広く用いられる語であるとしても、本願の指定商品との関係において、『ワンタッチ』の語が広く使用され、 特定の意味合いを表すものとして認識されているとみるべき事情はないものであるから、これが全体として、直 ちに原審説示のごとく『1回触れるだけの簡単な操作で使用できる除菌効果のある商品』ほどの具体的な意味 合いを理解させるものとはいい難い。 また、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品の分野において、『ワンタッチ除菌』の文字が、 原審説示のごとき意味合いを表すものとして取引上、普通に用いられていると認めるに足る事実は見いだせ なかった。 してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし 得るものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを 免れない。」

――コメント――

本願商標は、「ワンタッチで除菌ができる」ほどの意味を認識させますが、それが、「ウェットティッシュでワン タッチ拭けば簡単に除菌ができる」なのか、「ワンタッチで容器が簡単に空いて除菌用のウェットティッシュを取 り出せる」なのか、定かではないと思います。そのため、当審の判断のように、「ワンタッチ」と「除菌」の文字か らだけでは、拒絶査定の理由の『1回触れるだけの簡単な操作で使用できる除菌効果のある商品』は直接的 に認識できないと思われます。 親しまれた語で構成された結合商標は、一見直接的な意味合いを有すると感じますが、それらの語が通常組 み合わせて使われない語同士を結合させた場合には、複数の意味合いを生じさせたり、自然に認識し得ない ようなあいまいな意味合いを生じさせ、識別力が認められ、登録が認められる可能性があるといえます。

不服2014-25292

(4)

――標 題――

本願発明に係る活性発泡体と、薬剤との併用効果について争われ、原告の請求が認容された事例。 (平成27年8月5日 知財高裁判決言渡)

――関連キーワード――

実施可能要件

――関連特許法規――

36条4項1号

――事案の概要――

原告らは、発明の名称を「活性発泡体」とする発明について、国際出願し、その後日本を指定国として国内 移行(以下、「本願」という。)をしたが、拒絶査定を受けたため、これに対する不服の審判を請求するとともに、 手続補正書を提出した(これに係る手続補正を、以下「本件補正」という。)。 そして特許庁は、この審判請求を審理した上、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審 決をしたことから、原告らは、審決の取消しを求めて本件訴えを提起した。

――本件補正後の特許請求の範囲請求項1の記載――

本件補正後の特許請求の範囲請求項1(以下、当該請求項に係る発明を「本願発明」という。)の記載は次 の通りである。 【請求項1】 天然若しくは合成ゴム又は合成樹脂製で独立気泡構造の気泡シートを備えた活性発泡体であって、前記気 泡シートは、ジルコニウム化合物及び/又はゲルマニウム化合物を含有し、薬剤投与の際に人体に直接又は 間接的に接触させて用いることを特徴とする活性発泡体。

――審決の理由の要旨――

要するに、「本願明細書は、本願発明について当業者が実施できるように明確かつ十分に記載されたものと することができないから、特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない。」というものである。

――取消事由――

原告が言わんとする取消事由は、本願明細書の記載が実施可能要件を満たしているか否かであるが、取消 事由のポイントは、以下の4点である。ちなみに、当該ポイントについては、本稿では取消事由1-1ないし1 -4とする。なお、取消事由1-1ないし1-4についての原告の主張及び被告の反論は本稿では割愛する。 (取消事由1-1)技術分野の誤認 (取消事由1-2)活性発泡体の作用・機能についての記載の看過 (取消事由1-3)活性発泡体の適用態様についての記載の看過 (取消事由1-4)薬剤の記載についての誤った認識

平成26年(行ケ)第10238号 審決取消請求事件

(5)

――当裁判所の判断(一部抜粋)――

(1)実施可能要件の内容 特許法36条4項1号は、明細書の発明の詳細な説明の記載は、「その発明の属する技術の分野における通 常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したもの」でなければならな いと定める。 特許制度は、発明を公開する代償として、一定期間発明者に当該発明の実施につき独占的な権利を付与 するものであるから、明細書には、当該発明の技術的内容を一般に開示する内容を記載しなければならない。 特許法36条4項1号が上記のとおり規定する趣旨は、明細書の発明の詳細な説明に、当業者がその実施を することができる程度に明確かつ十分に発明が記載されていない場合には、発明が公開されていないことに 帰し、発明者に対して特許法の規定する独占的権利を付与する前提を欠くことにあると解される。 そして、物の発明における発明の実施とは、その物の生産、使用等をする行為をいうから(特許法2条3項1 号)、同法36条4項1号の「その実施をすることができる」とは、その物を作ることができ、かつ、その物を使用 できることであり、物の発明については、明細書にその物を生産する方法及び使用する方法についての具体 的な記載が必要であるが、そのような記載がなくても、明細書及び図面の記載並びに出願当時の技術常識に 基づき、当業者がその物を作ることができ、かつ、その物を使用できるのであれば、上記の実施可能要件を満 たすということができる。 さらに、ここにいう「使用できる」といえるためには、特許発明に係る物について、例えば発明が目的とする作 用効果等を奏する態様で用いることができるなど、少なくとも何らかの技術上の意義のある態様で使用するこ とができることを要するというべきである。 (2)活性発泡体を作ることができるかについて <省略> (3)活性発泡体を使用できるかについて 次に、当業者において、本願明細書の記載及び本願出願当時の技術常識に基づいて、本願発明に係る活 性発泡体を使用できるかどうかについては、活性発泡体を前記(2)のとおりの形態とすることができる以上、 当該活性発泡体を「薬剤投与の際に人体に直接又は間接的に接触させて用いる」こと自体は当然にできると 考えられることから、かかる用い方にどのような技術上の意義があるのかについて検討する。 ア (省略) イ そして、本願明細書では、<試験1>として、被験者1名が活性発泡体を敷いた椅子の上に30分間静止 状態で座った後の血流量、血液量、血流速度及び体圧を、活性発泡体を敷いていない椅子の上に30分間 静止状態で座った後のそれらと比較した結果を踏まえ、「本活性発泡体を使用すれば、血行がよくなり、体圧 が下がることが分かる。」と結論付けている。 しかしながら、この試験は、活性発泡体を「人体に直接又は間接的に接触させて用いる」態様で行われた試 験ではあるものの、この試験において用いられた活性発泡体がどのようなものであるのかについては、本願明 細書に記載がなく定かではない。また、本願出願当時の当業者の技術常識に照らしても、被験者は50代の 女性1名のみであるから、その試験結果を人体一般に妥当する客観的なものとして評価することが可能である ともいい難いし、試験条件の詳細も明らかではないから、この試験における血流量や体圧の計測結果から導 かれるとされる「本活性発泡体を使用すれば、血行がよくなり、体圧が下がる」との効果が、活性発泡体を使用 したことによるものであるのか、それ以外の要因に基づくものであるのかどうかについても、直ちに検証するこ とはできない。 そうすると、<試験1>の結果のみから、活性発泡体を「人体に直接又は間接的に接触させて用いる」ことに、 人体の血行を促進することが期待できるという技術上の意義があるというのには疑問がある。とはいえ、例えば、

(6)

<試験1>に係る諸条件の説明や、他の試験結果の存否及びその内容次第では、本願発明に係る活性発 泡体の使用に、かかる技術上の意義があることが裏付けられたということのできる余地もあるというべきである。 (4) 審決の判断について 審決は、活性発泡体の薬剤との併用効果について当業者が理解し認識できるような記載がないことを理由 に、本願明細書が特許法36条4項1号所定の要件を満たしていないと結論付けている。 しかしながら、本願発明の請求項における「薬剤投与の際に」とは、その文言からして、活性発泡体を用いる 時期を特定するものにすぎず、その請求項において、薬剤の効果を高めるとか、病気の治癒を促進するなど の目的ないし用途が特定されているものではない。よって、本願明細書に、活性発泡体の薬剤との併用効果 についての開示が十分にされていないとしても、活性発泡体を「薬剤投与の際に人体に直接又は間接的に 接触させて用いる」ことに、それ以外の技術上の意義があるということができるのであれば、少なくとも実施可 能要件に関する限り、本願明細書の記載及び本願出願当時の技術常識に基づき、本願発明に係る活性発 泡体を「使用できる」というべきである。そして、検討次第では、少なくとも、本願発明に係る活性発泡体を、血 行促進効果を発揮させることができるような形で「使用できる」と認める余地があり得ることは、前記(3)イにお いて説示したとおりである。 よって、審決には、かかる点についての検討を十分に行うことなく、上記のような理由により本願明細書が特 許法36条4項1号所定の要件を満たしていないと結論付けた点で、誤りがあるといわざるを得ず、審決は、取 消しを免れない。

――コメント――

一般的に、特許法36条4項1号と言いますと、拒絶理由かつ無効理由(異議申立理由)に係る条文として知 られております。拒絶理由通知(若しくは拒絶査定)において引用されるパターンとしては、明細書の記載の 意味が不明確という場合と、明細書の記載の意味は明確だが、その発明について第三者が実施できる(参考 にできる)ように明細書中には十分な開示説明が無い(例えば、所謂実施例が不十分とされるもの)場合の二 通りのパターンがあります。実務において、前者の場合は、大抵特許請求の範囲及び/又は明細書若しくは 図面の補正で解消を図ることができます。後者の場合は、補正だけではほぼ解消されず、かかるデータを補 充したとしても、後出しと認定されてしまうケースが良くあります。ちなみに、後者の場合は、電気や機械分野 では滅多に引用されることはないですが、化学やバイオ分野ではよく引用され、例え特許法29条の新規性、 進歩性の要件は満たしていても、この条文が引用されたばかりに拒絶理由対応を断念するというケースが 多々あります。 本件においては、特許法36条4項1号の趣旨を説示しながら、丁寧に文言解釈を行って審決を覆す判断を している印象を受けました。 本件の詳細は、下記のURLをご参照下さい。 URL:http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/293/085293_hanrei.pdf

(7)

――標 題――

無効審判請求に関し、その請求が一事不再理に相当するかしないかについて争われ、相当しない、即ち原 告の請求が認容された事例。 (平成27年8月26日 知財高裁判決言渡)

――関連キーワード―― ――関連特許法規――

一事不再理(若しくは一事不再理効)、進歩性 167条、29条2項

――事案の概要――

被告は、発明の名称を「洗浄剤組成物」とする特許(以下「本件特許」という。)の特許権者である。 本件特許については、先ず、原告とは異なる第三者から、本件特許の優先日前に頒布された刊行物である 甲4公報を主引用例として、進歩性欠如を理由とする無効審判(以下、「第1審判」という。)が請求され、被告 は、その審理の過程で、訂正請求(以下「本件訂正」という。)をした。特許庁は、本件訂正を認めた上で、上 記無効理由に基づき、本件特許を無効とする旨の審決をした。知的財産高等裁判所は、同審決に対する審 決取消訴訟において、同審決を取り消す旨の判決を言い渡し、これを受けて、特許庁は、差し戻し審理で「訂 正を認める。本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(以下「第1審決」という。)をし、第1審決は、後に 確定した。 次に第1審決確定の後、原告は、本件特許につき、本件発明は、第1に、本件特許の優先日前に頒布され た甲3公報を主引用例として、第2に、甲4公報を主引用例として、これらに甲2公報その他の周知技術を組 み合わせると、容易に想到し得るものであり、いずれも進歩性がないとする無効審判を請求し(以下「第2審判」 という。)、請求不成立の審決がされた(以下「第2審決」という。)。知的財産高等裁判所は、同審決に対する 審決取消訴訟において、上記無効不成立審決を維持し、原告の請求を棄却し(以下「第2判決」という。)、第 2審決は、後に確定した。 次に第2審決確定の後、原告は、本件特許につき無効審判を請求し(以下「本件審判」という。)、特許庁 は、審理の結果、「本件審判の請求を却下する。」との審決をし(以下「本件審決」という。)、その謄本を原告 に送達したことから、本件審決の取消を求めるべく訴えを提起した。

――特許請求の範囲の記載等――

本件訂正後の、本件特許に係る明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲は、以下のとおりで ある(以下、請求項1に係る発明を「本件発明1」、請求項2に係る発明を「本件発明2」といい、併せて「本件発 明」という。)。 「【請求項1】水酸化ナトリウム、アスパラギン酸二酢酸塩類及び/またはグルタミン酸二酢酸塩類、及びグリコ ール酸ナトリウムを含有し、水酸化ナトリウムの配合量が組成物の0.1~40重量%であることを特徴とする洗 浄剤組成物。 【請求項2】水酸化ナトリウムを5~30重量%、アスパラギン酸二酢酸塩類及び/またはグルタミン酸二酢酸塩 類を1~20重量%、グリコール酸ナトリウムをアスパラギン酸二酢酸塩類及び/またはグルタミン酸二酢酸塩 類1重量部に対して0.1~0.3重量部含有する請求項1記載の洗浄剤組成物。」

――本件審決の理由の要旨――

要するに、「(ア)本件審判における主引用発明は、甲3公報及び甲4公報に記載された「OS1」なる金属イ オン封鎖剤組成物に係る発明であり、第2審判における主引用発明と実質上の差異がない、(イ)周知技術は、 甲1文献及び甲2公報に記載されている技術事項である(中略)であり、(ウ)原告の無効理由は、本件発明1 は、上記周知技術の存在の下、主引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである、 と理解される、(エ)原告は、第2審判においても、甲3公報及び甲4公報に記載された「OS1」なる金属イオン

平成26年(行ケ)第10235号 審決取消請求事件

(8)

封鎖剤組成物に係る発明を主引用発明とし、これに(中略)、洗浄剤における周知技術の存在の下、本件発 明1の容易想到性を主張し、第2審決は、この無効理由について、理由がないと判断し、確定した、(オ) 本 件審判において新たに提出された甲1文献は、第2審決が審理対象とした特定の周知技術の存在か、その技 術の背景を証明するに過ぎず、新たな事実関係を証明する価値を有する証拠とは評価することができない、 (カ)よって、本件審判において原告が主張する無効理由は、第2審判において、原告が主張した無効理由と 実質的に同一であり、同一の事実及び同一の証拠に基づくものであるから、本件審判は、第2審決の一事不 再理効に反して請求されたものである。」というものである。

――取消事由――

原告が言わんとする取消事由は、本件審判が、第2審決の一事不再理効に反するか否かである。なお、取 消事由についての原告の主張及び被告の反論は本稿では割愛する。 ちなみに、当裁判所はその取消事由には理由があると判断した。

――当裁判所の判断(一部抜粋)――

(1) 本件審判において原告が主張した無効理由は、次のとおりである。(以下略) (2) 特許発明が出願時における公知技術から容易想到であったというためには、当該特許発明と、対比す る対象である引用例(主引用例)に記載された発明(主引用発明)とを対比して、当該特許発明と主引用発明 との一致点及び相違点を認定した上で、当業者が主引用発明に他の公知技術又は周知技術とを組み合わ せることによって、主引用発明と、相違点に係る他の公知技術又は周知技術の構成を組み合わせることが、 当業者において容易に想到することができたことを示すことが必要である。そして、特許発明と対比する対象 である主引用例に記載された主引用発明が異なれば、特許発明との一致点及び相違点の認定が異なること になり、これに基づいて行われる容易想到性の判断の内容も異なることになるのであるから、主引用発明が異 なれば、無効理由も異なることは当然である。 (中略)これに対し、本件発明1と第2審判における主引用発明との一致点及び相違点1’ないし相違点4’ 又は相違点5’ないし相違点8’は、前記認定のとおりであり、これとは明らかに異なるものである。 また、主引用例は、特許発明の出願時における公知技術を示すものであればよいのであるから、甲1文献 のように出願時における周知技術を示す文献であっても、主引用例になり得ることも明らかであり、これを主引 用例たり得ないとする理由はない。さらに、主引用発明が同一であったとしても、主引用発明に組み合わせる 公知技術又は周知技術が実質的に異なれば、発明の容易想到性の判断における具体的な論理構成が異な ることとなるのであるから、これによっても無効理由は異なるものとなる。 よって、特許発明と対比する対象である主引用例に記載された主引用発明が異なる場合も、主引用発明が 同一で、これに組み合わせる公知技術あるいは周知技術が異なる場合も、いずれも異なる無効理由となると いうべきであり、これらは、特許法167条にいう「同一の事実及び同一の証拠」に基づく審判請求ということは できない。 (3)ア 被告は、無効理由は、主引用例と副引用例の公知文献の組合せによって特定されるから、周知技術 は無効理由を必ずしも特定する事実ではないとか、本件審判において証拠として追加された甲1文献には、 グルタミン酸二酢酸塩類、アスパラギン酸二酢酸塩類、グリコール酸ナトリウムの記載もないから、本件発明と の比較では、「洗浄剤組成物において、水酸化ナトリウムを含有する」ことの周知技術を示す文献にすぎず、 第2審決において周知技術を記載した文献として提示されていた甲2公報と同じ内容を甲1文献として示した にすぎないことは明らかである、と主張する。 しかし、無効審判において審理判断の対象となる無効理由は、特定の公知文献をもって特定される公知技 術のみによって構成されるものではなく、公知技術と周知技術との組合せや、場合によっては周知技術のみ によっても構成し得るものであるから、周知技術であるから、無効理由を特定する事実ではないとの被告の上 記主張は採用することができない。 また、原告が本件審判において、甲1文献を主引用例として無効理由を主張していたことは前記認定のとお りであり、甲1文献に、グルタミン酸二酢酸塩類、アスパラギン酸二酢酸塩類、グリコール酸ナトリウムの記載が

(9)

ないことをもって、甲1文献が主引用例であることを否定する根拠とすることはできない。甲1文献に主引用例 の上記のキレ-ト剤の記載がないことは、その点が本件発明と主引用発明との相違点となることを示すに過ぎ ない。 イ 被告は、原告が、第2審判では、主引用例として甲3公報及び甲4公報に基づく主張から出発し、水酸化 ナトリウムを添加する周知技術(甲2公報等)の主張をしていたのに対し、本件審判では、水酸化ナトリウムを 添加する周知技術を記載した甲1文献から出発し、甲3公報及び甲4公報(第2審判における主引用例)に基 づく主張をしているに過ぎず、このように主張の順序を入れ替えたところで、各文献の記載する内容や、特許 法29条2項違反の無効理由の主張における実質的な意味づけが変わるものではない、と主張する。 しかし、前記のとおり、本件審判の請求における無効理由(特許法29条2項)は、第2審判における主引用 発明と実質的に異なる主引用発明に基づくものであり、主引用発明が実質的に異なれば、本件発明との一致 点と相違点の認定がそもそも異なってくるのであるから、(中略)、実質的な無効理由は変わらないとの被告の 上記主張は採用することができない。 ウ 被告は、第2判決において、主成分として、水酸化ナトリウム、アミノジカルボン酸二酢酸塩類であるアスパ ラギン酸二酢酸塩類及び/又はグルタミン酸二酢酸塩類、並びにグリコール酸ナトリウムの3成分を混合した 洗浄剤組成物は、それぞれの相乗効果により優れた洗浄性能を有することについて、甲3公報には何らの示 唆もなく、また、甲2公報等にも何の示唆もないから、洗浄剤組成物が上記3成分を主成分とし、それによって、 洗浄効果を高める効果がある点では、当業者が予測し得ない効果であると認められるとして、当業者が容易 に想到し得ないと判断されたのに対し、本件審判において新たに提示された甲1文献にも、上記の予測し得 ない効果は記載されておらず、本件審判請求の無効理由(特許法29条2項)は、解決済みの問題が何ら変 更される余地のない証拠を追加し、紛争の蒸し返しを図るものであるといえる旨主張する。 しかしながら、第2判決において認定された本件発明の予測し得ない効果が甲1文献に記載されていなか ったとしても、このことは本件審判における無効理由(特許法29条2項)が、第2審判における無効理由と「同 一の事実及び同一の証拠」によるものであることの根拠となるものではない。また、特許発明の構成が出願時 の公知技術及び周知技術から容易に想到し得る場合は、その進歩性が否定されることが原則であるが、例外 として、その公知技術等から容易に想到し得る構成から通常予測し得る効果を超えた顕著なる効果がある場 合に、その進歩性が肯定されることはあり得るものの、第2判決は、第2審判における無効理由について判断 したものであり、それとは実質的に異なる無効理由である本件審判における無効理由について判断したもの ではないから、この点については、本件審判においてさらに検討を要する。 よって、本件審判の請求の無効理由(特許法29条2項)が、解決済みの問題が何ら変更される余地のない 証拠を追加し、紛争の蒸し返しを図るものであるとする被告の上記主張は採用することができない。 (4) 以上によれば、第2審判と本件審判では、特許法29条2項に係る無効理由における主引用発明が異な ることが認められるから、「同一の事実及び同一の証拠」に基づく請求であるとはいえない。(以下略)

――コメント――

もともと日本における「一事不再理」とは、ある刑事事件の裁判について、確定した判決がある場合には、そ の事件について再度、実体審理をすることは許さない(認めない)とするものであり、憲法39条並びに刑事訴 訟法337条、338条、340条にて定められているものであります。それをベースに特許法では第167条として 規定されており、実用新案法、意匠法及び商標法においては、特許法167条を準用若しくは読替準用してお ります。 そして本件は、第2審判の後の無効審判請求、即ち本件審判において新たに提出した証拠(甲1文献)が 採用されて、一事不再理に相当しないと判断されましたが、本件と似たようなケースで判決が逆、即ち一時不 再理に相当するとした判例として例えば平17(行ケ)10467号事件があります。本件と比較してみてはいかが でしょうか。 本件の詳細は、下記のURLをご参照下さい。 URL:http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/295/085295_hanrei.pdf

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――標 題――

原告が、破産して免責が確定したカラオケ装置のリース会社の経営者(被告)に対して、被告の著作権侵害 行為は単なる不法行為ではなく悪意で行った不法行為であるから破産による免責は認められないとして、被 告を訴えたものの、裁判所は、被告に権利侵害に向けた積極的な害意が有るとまでは認められないとして、 原告の請求を棄却した事案。 (平成27年8月27日 大阪地裁 民事第21部) ――関連法規―― 著作権法第22条、著作権法第112条、民法709条、破産法253条1項2号

――事案の概要――

(1)判決文によれば、本件は、「音楽著作物(歌詞・楽曲)の著作権者から信託を受けて,音楽著作物を管理 している原告が,カラオケ装置のリース業者である株式会社M(訴外会社)の代表者であった被告に対し,著 作権(演奏権,上映権)侵害を理由として,民法709条に基づき4012万2390円(著作物使用料相当額364 7万4900円及び弁護士費用相当額364万7490円の合計額)及びこれに対する不法行為の後の日である 平成26年11月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案」で す。 また,本件訴訟では,当初,訴外会社も被告とされていましたが,「その後両者ともに破産手続が開始したこ とから,原告は,訴外会社に対する訴えを取り下げるとともに,免責が確定した被告に対する不法行為に基づ く損害賠償請求を,悪意で加えた不法行為(破産法253条1項2号)に基づく損害賠償請求であると主張する ようになった」ということです。 (2)なお、上記リース業者は、通信カラオケ用のカラオケ装置をリースしていましたが、「通信カラオケとは,音 楽著作物であるカラオケ用楽曲をホストコンピュータの記憶装置にデータベースの構成部分として複製し,そ れを,カラオケ装置を設置している側が送受信装置を用いて通信回線により送受信して利用に供するシステ ムをいう。」とされています。 そして、「通信カラオケを利用するためには,社交飲食店等の経営者は,カラオケ装置のリースを受けるだけ ではなく,カラオケ用楽曲データに関する情報サービスの提供を受ける必要があり,リース業者との間ではカ ラオケ装置のリース契約とともに情報サービスの提供を受けることを目的とする契約(情報サービス提供契約) を締結する。そして,リース業者から,その事実を通信カラオケ事業者(カラオケ装置の販売業者)に連絡して もらい,これを受けた通信カラオケ事業者から,通信回線を開通してもらうことにより,当該社交飲食店等にお けるカラオケ装置が初めて利用可能となる」とされています。 また、過去の判例では、後述するように、リース業者は、「リース契約の相手方に対し,当該音楽著作物の著 作権者との間で著作物利用許諾契約を締結すべきことを告知するだけでなく,上記相手方が当該著作権者 との間で著作物利用許諾契約を締結し又は申込みをしたことを確認した上でカラオケ装置を引き渡すべき条 理上の注意義務を負う」とされています。 本件では、上記訴外会社は、最盛期には600件を超える店舗をリース先としていた、ということですが、多く の店舗では、上記原告との著作物利用許諾契約が行われていなかったということです。 (3)本件訴訟提起及びその後の経緯 ア.「原告は,平成24年9月11日,管理著作物の著作権侵害を理由に,訴外会社については民法709条 に基づき,被告については民法709条又は会社法429条1項に基づき,原告に生じた著作物使用料相当損 害金等の連帯支払を求めるほか,訴外会社に対し,著作権法112条1項に基づき,訴外会社のリース先で原 告と利用許諾契約を締結していない店舗(無許諾店舗)148軒に対するカラオケ用楽曲データの利用禁止措 置をとるよう求める本件訴訟を提起」しました。 イ.しかし、その後、訴外会社と被告は大分地方裁判所では破産手続開始決定を受け、被告については免 責許可決定がされるなどしたため、原告は、訴外会社への訴えを取り下げ、被告については和解契約が成立 した一部の店舗について訴えの一部を取り下げた他、会社法429条1項に基づく請求も取下げ、維持する不

平成24年(ワ)第9838号 破産会社経営者への著作権侵害差止等請求事件

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法行為に基づく損害賠償請求は,破産法253条 1 項2号にいう「悪意で加えた不法行為」に基づく損害賠償 請求である、と主張していたということです。

――本件の争点――

本件での主な争点は、訴外会社のカラオケ装置リース先店舗による管理著作物の無許諾利用(争点1)、被 告に対する不法行為に基づく損害賠償請求(争点2)、及び、損害(争点3)でした。

――裁判所の判断――

裁判所では、争点2について、次のような理由により「本件では,被告が「悪意をもって加えた不法行為」をし たものと認めることができないから,これに基づく損害賠償請求権も認められない。」とし、「その余の点につき 判断するまでもなく,原告の請求には理由がないからこれを棄却する」との判断を示しました。 (争点2)被告に対する不法行為に基づく損害賠償請求について (1)裁判所では最初に、訴外会社による不法行為を次のように認めました。 「社交飲食店の経営者が通信カラオケ装置を店舗内に設置して,著作権者の許諾を得ないまま,同装置に より音楽著作物である歌詞及び楽曲を演奏,上映し,同楽曲を伴奏として客や従業員に歌唱させるなどして, その営業に利用する場合には,社交飲食店の経営者が演奏権又は上映権を侵害している行為主体というべ きであるところ,別紙記載の一部店舗において期間等について争いがあるものの,訴外会社からリースを受け たカラオケ装置を用いて原告の管理著作物を利用していた別紙記載の各店舗の経営者は,みな原告からそ の許諾を得ていなかったというのであるから,少なくともこれらの者が訴外会社からリースされたカラオケ装置 を使用して著作権侵害行為をなしていたことは明らかなことということができる。 そして,カラオケ装置のリース業者は,カラオケ装置のリース契約を締結した場合において,当該装置が専 ら音楽著作物を上映し又は演奏して公衆に直接見せ又は聞かせるために使用されるものであるときは,リー ス契約の相手方に対し,当該音楽著作物の著作権者との間で著作物利用許諾契約を締結すべきことを告知 するだけでなく,上記相手方が当該著作権者との間で著作物利用許諾契約を締結し又は申込みをしたことを 確認した上でカラオケ装置を引き渡すべき条理上の注意義務を負うものと解するのが相当である(最高裁平 成13年3月2日第二小法廷判決・以下,この判決を「平成13年判決」という。)から,別紙記載の各店舗の経 営者によって著作権侵害に使用されたカラオケ装置をリースしていた訴外会社は,上記注意義務に違反して いたのであれば,これによって,別紙各店舗の経営者による著作権侵害行為を幇助する不法行為をなしてい たということができる。」 (2)訴外会社の代表者であった被告の責任について ア.裁判所は、訴外会社の代表者であった被告について、「被告が訴外会社の設立以降,代表取締役への 就任の有無にかかわらず,同社の業務に従事して経営上の決定をしていたということからすると,代表取締役 に就任していない期間を含めて,被告は訴外会社をして上記注意義務を履行させるべき地位にあったといえ るが,後記認定の事実関係からすると,被告は訴外会社をして上記注意義務を履行させていたと認められな いし,また被告自らでないとしても,主張にかかるような従業員による不当な勧誘や指導がなされていた事実 が全く認められないわけではないところ,これは訴外会社の経営方針を反映するものと推認され,その意味で は訴外会社の経営を決する被告が無関係とはいえないから,これらの点からすると,被告には管理著作物の 著作権について直接侵害者となる別紙の各店舗の経営者による不法行為についての幇助者ないし教唆者と して共同不法行責任が成立することは免れそうにないということができる」との判断を示しました。 イ.しかし、被告は、上記のように破産免責を受けていました。そのため、この点につき、裁判所は、事実認定 に基づき、次のように判断しました。 「被告は破産免責を受けているのであるから,原告が被告に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を行使 するためには,被告に権利侵害に対する単なる故意が認められるだけでは足りず,「悪意」,すなわち,権利 侵害に向けた積極的な害意が認められる必要があるところ,そのような観点で見てみると,上記認定事実から 認められるところからは,訴外会社ひいては被告に「悪意」があるとまで認めることはできないというべきであ る。 すなわち,確かに被告の一連の対応が,いずれもリース会社としての対応如何で避けられ得る著作権侵害 がなされることを全く意に介していないとして非難されるべきことは否定できないが,訴外会社ひいては被告に

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とっては,リース先との契約を増やして利益を増大させることに意味があるのであって,それ以外に原告の管 理する著作物の著作権を侵害することそのもの自体に意味があるとは考え難いところである。 そうすると,訴外会社ひいては被告の行為が平成13年判決で求められた注意義務を全く無視するものであ るとしても,それだけでは,直接には訴外会社の利益を増大させることを目的としてなされた行為であるとしか 評価できず,原告に対する害意に基づくものとは認め難いというべきである。 また,そもそも著作権侵害をする直接の主体となり得るのは社交飲食店の経営者であるところ,訴外会社の 営業にかかわらずこれらの経営者が原告と著作物利用許諾契約を締結すれば著作権侵害の問題が生じよう がないところ,訴外会社が著作物利用許諾契約締結の必要性を積極的に説明し訴外会社は,社交飲食店 経営者に対し,その必要性の判断を自らする機会は与えていたということができる。そして,訴外会社からリー スを受けていた社交飲食店の大半は無許諾店舗ではなかったというのであるから,この点でも,訴外会社ひ いては被告が平成13年判決で求められた注意義務を全く無視していようとも,自らの利益増大の目的を超え て,原告に対する害意があったとまでは認めがたいというべきである。 要するに訴外会社ひいては被告の行為がいかに非難に値しようとも,それは他者の利益を顧みずに自らの 利益を図ったということにすぎず,そのような行為の結果として無許諾店舗に経営者による原告の管理著作物 についての権利侵害が起きようとも,これをもって,原告の権利侵害に向けた積極的な害意,すなわち破産法 253条1項2号にいう「悪意」があるとは認められないというべきである。」 ウ.その結果、裁判所では、「本件では,被告が「悪意をもって加えた不法行為」をしたものと認めることができ ないから,これに基づく損害賠償請求権も認められない。」とし、「以上の次第で,その余の点につき判断する までもなく,原告の請求には理由がないからこれを棄却する」との判断を示しました。

――コメント――

本件で採りあげられた破産法第253条の柱書には、「免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産 手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この 限りでない。」と規定されており、同条の第1号から第7号まで、破産しても免責されない事由が規定されてい ます。そして、本件では、同2号の「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」の「悪意」の 存否が問題となっています。 本件の「悪意」については、原告側は、単なる故意と同義であると主張していましたが、裁判所では、「破産 法253条1項3号に,「破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基 づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)」とあることに鑑みると,同項2号の「悪意」が「故意」と異 なる内容を含むことは明らかであって,したがって「悪意」とは単なる「故意」を超えた,権利侵害に向けた積極 的な害意を意味するものと解するのが相当である。」としています。(なお、一般的に、法律用語で「悪意」とい うと知っているということを意味していて、知らないということを意味する「善意」と区別して使われていますが、 本件では、上記のように異なる使い方がされています。) 本件で、原告側は、「無許諾店舗の解消に向けての訴外会社の非協力や,無許諾店舗からの過去分の使 用料徴収に向けての交渉過程において,訴外会社ないし被告が事実を隠蔽したり,虚偽の報告をなしたりし たことなどにうかがえる一連の悪性をもって,被告の不法行為が「悪意」をもって加えたものであることを基礎 づけようとして」いたようですが、裁判所では「本件において問題としている不法行為は,無許諾店舗において された著作権侵害にリース業者として加功した点をとらえていうものであるはずであるから,上記の点で,訴外 会社,ひいては被告の対応が不誠実であることを否定できないとしても,そのような事情をもって,本件で問題 とすべき被告の行為が「悪意」をもってなされたとは評価できないというべきである。」とも判断しています。 元より、悪意の不法行為の場合には、このような行為を防止するためにも免責を与える必要はないわけです が、裁判所としては、被告の行為は著作権侵害自体を直接の目的としたものではない(営業利益拡大が直接 の目的)、という前提の下で、上記2号が適用除外の規定であることも考慮して厳格に判断し、被告は自らの 利益増大の目的を超えて原告に対する積極的な害意(加害の意思)があったとまでは認めがたい、という結 論に至ったものと思われます。 本件判決文の詳細につきましては、下記URLをご参照下さい。 【判決文URL】http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/307/085307_hanrei.pdf

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――

事案の概要

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本件は、無効2012-890095号事件に対する審決取消訴訟です。 被告は、商標登録第5426917号商標(以下「本件商標」という。)の商標権者です。 原告は、本件商標が原告の第4443540号商標「Rene」(以下「引用商標」という。)と類似しているとして無 効審判を請求しました。 特許庁は、上記の審判請求を無効2012-890095号事件として審理を行い、「本件審判の請求は,成り立 たない。」との審決をし、その謄本が原告に送達されました。 原告は、これを不服として本件審決取消訴訟を提起しました。 詳細は、裁判所 HP にてご確認下さい。 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/158/085158_hanrei.pdf

――本件商標――

登録商標:RUNE(標準文字) 登録番号:第5426917号 出 願 日:平成20年1月30日 出願番号:商願2008-71804 分割の表示:商願2008-6272 登 録 日: 平成23年7月22日 指定商品 第24類 「タオル,ハンカチ,その他の布製身の回り品」 第25類 「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服, 運動用特殊靴」 第28類 「おもちゃ,人形,スキーワックス,遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。),愛玩動物 用おもちゃ,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンド ゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具, 遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」

――引用商標――

登録商標: 登録番号:第4443540号 出 願 日:平成11年5月10日 出願番号:商願平11-39776 登 録 日:平成13年1月5日

平成26年(行ケ)第10264号 審決取消請求事件

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指定商品 第24類 「布製身の回り品」 第25類 「被服,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた(「げた金具」を除 く。),草履類」

――争 点――

取消事由:本件商標の商標法4条1項11号該当性の判断の誤り

――裁判所の判断――

1.本件商標の商標法4条1項11号該当性の判断の誤りについて 4条1項11号該当性の審理をする際には、どのような判断基準で行うかが重要になってきます。 本件訴訟において知財高裁は、「商標法4条1項11号に係る商標の類否は,同一又は類似の商品又は役 務に使用された商標が,その外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総 合して,その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきであり,しかも,その商品又 は役務の取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引の実情に基づいて判断すべきものである。」と して、昭和43年の最高裁判決である氷山印事件で用いられた判断基準を採用しました。 そして、本件商標と引用商標の類否判断については、「本件商標と引用商標とは,いずれも『ルネ』の称呼 を生じる場合がある点では共通である。また,引用商標から『ルネ』の称呼を生じる場合,…引用商標から『ル ネなる男の名』との観念が生じるといえるが,本件商標からは,…必ずしも特段の観念が生じるとはいえないか ら,本件商標と引用商標とは,観念において類似するとは認められない。これに対し,外観については,本件 商標と引用商標とが,ともに欧文字4文字を横一行に書してなり,語頭が『R』(大文字)から始まる点で共通す るが,これに続く3文字は,本件商標では『UNE』であるのに対し,引用商標では『ené』であって,本件商標 が全て大文字で表記されているのに対し,引用商標では全て小文字で表記され,かつ,末尾の『e』の上には アクセント記号が付されている点で相違しており,本件商標と引用商標とは,外観上明確に相違するといえる。 そして,本件商標と引用商標とで共通する指定商品である『布製身の回り品』,『被服』及び『履物』の取引に おいては,取引者,需要者は,店頭販売,通信販売及びインターネットを介した販売において,商品の外観 を見て購入するのが通常であり,その際に,商品,値札,カタログ,商品情報等に付された商標の外観や製 造販売元を見て商品の出所について相応の注意を払って購入することが多いと考えられ,取引者,需要者が 商標の称呼のみをもって商品の出所を識別して商品を購入するとは考えにくい。以上検討したところによれ ば,本件商標と引用商標とは,『ルネ』との称呼が同一である場合が生ずるものの,外観上明確に相違するも のであること,観念において類似するとはいえないこと,取引者,需要者が商品の出所を誤認混同するおそ れがあるとはいえない。」として審決の判断に誤りはないとしました。

――コメント――

本件訴訟では、4条1項11号の判断基準として、昭和43年の最高裁判決である「氷山印事件」で用いられ た判断基準を採用しています。 原告は、三点(外観・称呼・観念)観察システムについて、「三点のうち一点で類似すると解され以上、類似 商標と判断されるべきである」として、この判断基準を批判していますが、知財高裁は、「原告が主張する判断 基準は,商標法4条1項11号に係る商標の類否の判断基準としては,狭きに失するものであり,採用できな い。」としています。

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引用商標「René」はフランス語では「ルネ(男の名)」の意味を有する名詞ですが、知財高裁は、本件訴訟に おいてこの「René」の部分から、英語読みの「レネ」の他に、フランス語を知っている需要者にはフランス語で 読みの「ルネ」の称呼も生じるとしています。また、観念においても知財高裁は、「René」とのフランス語単語を 知らない取引者,需要者においては,引用商標から特段の観念を生じないが、当該フランス語単語を知る需 要者等には、「ルネなる男の名」との観念が生じるとしています。 日本の特許庁や裁判所においては、英語以外の外国語については、称呼や観念が発生しないものとして 取り扱われることが多くなっています。例えば68号でご紹介した「DEEP CLEANSING OIL」を意味する 英語とハングル文字の二段表記商標の審決取消訴訟でも、ハングル文字の部分について知財高裁は、「ハ ングル文字部分については,商品『クレンジングオイル』の我が国の取引者・需要者の間において,いまだ一 般にはその読みや意味を知られていないものであるから,当該構成部分からは特定の称呼及び観念を生じ ないというべきである。」との判断をしています。本件商標の指定商品である服飾品の分野において、フランス というのはパリコレ等が行われる場所であるので、本件訴訟においてはフランス語の称呼と観念も生じるとの 判断になったのかと思われます。 また、類否判断においても、本件商標の指定商品が服飾品であることから、服飾品の需要者は、「店頭販売, 通信販売及びインターネットを介した販売において,商品の外観を見て購入するのが通常であり,その際に, 商品,値札,カタログ,商品情報等に付された商標の外観や製造販売元を見て商品の出所について相応の 注意を払って購入することが多いと考えられ,取引者,需要者が商標の称呼のみをもって商品の出所を識別 して商品を購入するとは考えにくい。」として、取引実情について重要視した上で、非類似との判断をしている 様子が伺えます。 本件訴訟は、裁判所がどのように取引実情を考慮するのかをうかがい知ることができる、参考になる事例と いえるでしょう。 キルギス 天山山脈

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――裁判例1――

Internet Patents Corporation と Active Network の間で争われている裁判 - ブラウザの状態をそのままに 保つというクレームが、十分な「発明概念」を欠いているとされた場合に関して、101 条に基づく無効性の判断 が支持された Mayo/Alice の「2ステップ・テスト」を適用することにより、合衆国連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)は、「従来 型のウェブ・ブラウザが有している「戻る(Back)」及び「進む(Forwards)」というナビゲーション機能性を、動的に 生成されるウェブ・ページから成るオンライン・アプリケーションにおいてデータを損失せずに使用すること」は、 特許適格性を有するサブジェクトマターには当たらないとした合衆国連邦地方裁判所の判断を認めました。 Mayo で導入されたこの2ステップ分析プロトコルは、クレームが、「発明概念」を含んでいるかどうかに注意 を向けさせています。何が発明概念(inventive concept)に当たるかという判断は、特許を受けることができる発 明を判定するために行われるものと類似している審理を促進します。Alice において、合衆国連邦最高裁判 所は、抽象概念を見抜くために、そのクレームが「クレームに記載されている抽象的概念を特許適格性を有す る出願へと「転換」させるために十分な「発明概念」を含んでいる」ならば、そのクレームは、 35 U.S.C. §101 に基づく適格性のテストに合格すると詳しく述べました。 控訴審において、IPC は、「状態をそのままに保つ」というクレーム要素により、標準的なブラウザが有して いる「戻る」ボタン及び「進む」ボタンの機能を、アプリケーション処理においてデータを損失せずに、かつユー ザーの「場所」を喪失せずに使用することが可能になると主張して、そのままに保つという要素に関する発明 概念を得ようとしました。 CAFC は、本クレームに記載されている発明の特徴は、抽象的概念:すなわちオンライン・フォームのナビ ゲーションにおいて、情報を保持しておくという概念であると見なしました。2ステップ・テストのステップ2に基 づき、CAFC は、状態をそのままに保つための機構は、必要不可欠な新機軸であると明細書中で述べられて いるにも拘わらず、この機構が明細書中に記載されていない点に着目して、「状態をそのままに保つ」につい て、発明概念を認めませんでした。他の要素については、明細書において「ブラウザが有している「戻る」ボタ ン及び「進む」ボタンの機能性」が「従来型」で「既知」であり、かつ「普通」のものであるとしていることから、重 要視していません。CAFC は、また、IPC が提案している「状態をそのままに保つ」の解釈は、それにより状態 がそのままに保たれるような何らかの方法とは無関係の効果或いは結果が、アイコンのアクティベーションによ り達成されることを記載していると説明しました。 (ワシントンの Sughrue 事務所からのレターに拠ります)

――裁判例2――

G.D. SEARLE LLC と LUPIN PHARMACEUTICALS, INC. の間で争われている裁判 - 自明型二重特許 であるという理由により無効とされた特許における、再発行を介した一部継続特許から分割出願への変更

G.D. Searle, LLC (以下、「Pfizer」と呼ぶ) は、合衆国ヴァージニア州東部地区連邦地方裁判所により判示 された最終判決について、控訴しました。事実審裁判所は、自明型二重特許(obviousness-type double patenting)であることに基づき 、Pfizer が所有する米国再発行特許番号 No. RE44,048 の関連クレームを無 効としました。

本件訴訟は、米国特許出願番号 No. 08/160,594 ('594 出願)に基づく対応特許を含んでいます。'594 出願が提出された後に、USPTO によりスリー・ウェイ限定が発行され、化合物、組成物及び使用方法に関連

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する種が限定されました。Pfizer は、化合物の種を選択し、これは、最終的に米国特許番号 No. 5,466,823 として発行されました。この特許が発行されるよりも前に、Pfizer は、組成物の種を対象とした分割出願として、 米国特許出願番号 No. 08/457,059 ('059 出願)を提出し、これは米国特許番号 No. 5,563,165 ('165 特 許)として発行されました。'594 出願における限定よりも前に、Pfizer はさらに、'594 出願の一部継続出願 (CIP)として米国特許出願番号 No. 08/223,629 ('629 出願)を提出し、これは最終的に米国特許番号 No. 5,521,207 として発行され、また、これは化合物の種を対象としていました。Pfizer はさらに、'629 出願の一 部継続出願として PCT 出願番号 PCT/US94/12720 ('720 出願)を提出し、これは米国特許出願番号 No. 08/648,113 ('113 出願)として、米国の国内段階へと移行して最終的に米国特許番号 No. 5,760,068 ('068 特許)として発行され、これは、 '594 出願から生じた使用方法の種を対象とした対応特許において唯 一発行された特許でした。

本件訴訟に先立ち、Pfizer は、Pfizer, Inc. と Teva Pharmaceuticals USA, Inc. の間で争われている裁判、 518 F.3d 1353 (Fed Cir. 2008) 、すなわち Pfizer により起こされた '068 特許に関する特許侵害訴訟につ いて法廷で争いました。その訴訟において、関連する '068 特許の使用方法クレームは、これよりも前の '165 特許の組成物クレームによる自明型二重特許であるために無効であると判示されました。 これよりも前の訴訟において、Pfizer は、限定要求が行われた対象とされている出願について発行された 関連特許に基づく無効から生じた分割出願について、或いはそのような限定要求の結果として提出された出 願について、発行された特許を保護することができる 35 U.S.C. §121 の「宥恕規定(セーフ・ハーバー規 定)」条項を行使しようと試みました。しかしながら、CAFC は、限定要求の結果として提出された出願(又はそ こから発行された特許)に対して、§121 により与えられている保護は分割出願に限られていると判示し、また、 '068 特許は一部継続出願から発行されていて、分割出願から発行されたものではないと判示して、Pfizer に とって不利な判決を下しました。 抑止されないようにするため、Pfizer は、再発行特許出願番号 No. 12/205,319 ('319 出願)の提出によ り '068 特許を分割出願へと転換することを目指しました。再発行宣言において、Pfizer は、審査過程にお いて、本出願は一部継続出願であると誤って判断されて '068 特許に至ったが、本来は分割出願とされるべ きであったと主張し、また、この誤った判断により、 '068 特許の関連クレームは自明型二重特許であるため に無効とされてしまったと主張しました。当初の再発行宣言に伴って行われた審査前補正は、'594 出願中に は存在していません。 '068 特許の一部分を取り除くように '068 特許を補正しようと試み、また、 '113 出願 を '594 出願の分割出願として指定しようと試みる一方で、'629 出願への優先権主張を取り下げていました。 審査官は、このような「誤った判断」は、再発行により修正することはできないと判断してこの審査前補正を却 下しましたが、Pfizer は、その後、 '068 特許のクレームを不明瞭にしている技術的な誤りについて列挙した 追加の再発行宣言を提出しました。Pfizer は、それらの技術的な誤りの修正を許され、またさらに '068 特許 を '594 出願の分割出願と一致させる追加の変更を許されました。USPTO は、最終的に '319 出願のクレ ームに特許を認め、これは RE44,048 (RE '048)として発行されました。 Pfizer は、直ちに RE '048 特許の侵害を主張して現法廷で争い、合衆国連邦地方裁判所は、関連するク レームが無効であると結論付けました。Pfizer は、その後、CAFC に控訴しましたが、そこで考慮されるべき主 要な問題点は以下のとおりでした: 1.35 U.S.C. §251 は、このような事情の下で PTO に対して '068 特許の再発行を認めるか否か 2.再発行が認められると仮定して、35 U.S.C. §121 の宥恕規定(セーフ・ハーバー規定)条項は、RE '048 特許について適用されるか否か、またこの条項は、RE '048 特許が '165 特許に基づいて無効であると されることから守るか否か。 CAFC は、例え再発行特許を付与することが適正だったと仮定しても、宥恕規定(セーフ・ハーバー規定) 条項は適用されず、したがって本クレームは無効であると判示しました。CAFC は、特許存続期間の延長によ り特許権者に対してもたらされる可能性がある潜在的な望外の成果を考慮に入れた上で、§121 について

参照

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