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更年期のヘルスケア

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(1)

加齢とホルモン

産婦人科医が考える女性のウェルネス

NTT

東日本札幌病院 産婦人科 西川 鑑

(2)

本日の内容

ホルモンからみた女性のライフステージ

女性ホルモン(エストロゲン)について

更年期について

少子化と卵子の老化の話

平均寿命と健康寿命

産婦人科医が考える女性のウェルネス

ホルモンと健康寿命

(3)

ホルモンからみた女性

のライフステージ

女性ホルモン(エストロゲン)に

ついて

(4)
(5)

6

小児期

思春期

性成熟期

更年期

老年期

二次性徴

月経異常

望まない妊娠

性感染症

月経異常

月経前症候群

妊娠・出産

不妊 家族計画

子宮内膜症

子宮筋腫

子宮頸癌

更年期障害

高脂血症

子宮体癌

尿失禁 性交障害

心血管疾患

アルツハイマー病

骨粗鬆症・寝たきり

年齢

ホルモンの変化

◆女性は、生理的ライフステージによって、ホルモンの状態が大きく変化する。

◆女性には、ホルモンの変化に伴う病気が多い。

◆近年女性の社会進出が進んできたため、女性の病気が変化してきた。

女性のライフステージにおける健康問題

(6)

7

月経周期を調節する

メカニズム

卵巣ホルモンの

子宮内膜への作用

卵巣ホルモ

下垂体ホルモ

中枢:視床下部・

下垂体と卵巣との

ネットワークシステム

フィードバック

22

(7)

8

性腺刺激ホルモン放出

ホルモン:GnRH

性腺刺激ホルモン:

FSH・LH

黄体

卵胞成熟

エストロゲン

増殖期

プロゲステロン

分泌期

子宮内膜

卵巣

下垂体

視床下部

卵巣周期・月経周期の調節機構

(8)

9

卵巣

副腎

甲状腺

視床下部

下垂体

副甲状腺

胸腺

膵臓

Pro His Trp Ser Tyr Gly Leu Arg

Pro Gly

性腺刺激ホルモン放出ホルモン

Gonadotropin Releasing Hormone: GnRH

10個のアミノ酸よりなるペプチド

卵胞ホルモンホルモン

Estrogen :エストロゲン

炭素: C, 水素: H, 酸素: Oよりなるステロイド

O

H

O H

ホルモンの種類

(9)

10

ホルモンは

どこで・どのように作られ、

どのように働くか?

卵巣

副腎

甲状腺

視床下部

下垂体

副甲状腺

胸腺

膵臓

中枢

視床下部・ 下垂

刺激

反応

受容体

細胞

ホルモン

産生臓器

産生調節メカニズム

作用メカニズム

(10)
(11)

12

脳・中枢神経

循環器

皮 膚

乳 房

生殖器

卵巣ホルモン:エストロゲンの作用

(12)

13

脳・中枢神経

循環器

皮膚

乳房

生殖器

エストロゲン消失の影響

乳房の萎縮

物忘れ・うつ

心・血管疾患の

リスクの増加

性器の萎縮

排尿障害

皮膚の萎縮

色素沈着

骨量の減少

更年期・閉経女性の健康問題

(13)

14

女性ホルモン(エストロゲン)量

小児期 思春期 性成熟期 更年期 老年期

閉経

初経

10

20

30

40

50

60

70

(

歳)

ホルモンの

急激な減少

女性のライフサイクルとホルモンの変化

ホルモンの

急激な増加

(14)

閉経周辺期 閉経前期 閉経後期 45 50 55 (歳) 閉 経 (Menopause)

成 熟 期

更 年 期

老 年 期

[日本産科婦人科学会編 産科婦人科用語集]

更年期

(15)

更年期の女性ホルモンの変化

30

代後半以降の女性ホルモンの変動

0

35 40 45 50 55 60

閉経を境に、女性の体にある女性ホルモ

ンは急激に減少します。

この女性ホルモンの急激な減少により、

エストロゲン欠乏症状がみられます。

このエストロゲン欠乏症

状のことを、一般的に、

「更年期障害」

といい

ます。

発汗 ホットフラッシュ(ほてり) 不眠 日本人の閉経年齢の平均は50.5歳といわれている。

(16)
(17)

HRT-18

更年期障害の症状

Hot flush

(のぼせ、ほてり)、発汗、冷え

腰痛、関節痛、肩こり、筋肉痛

血 管 運 動 神 経 系

運 動 器 官 系

頭痛、興奮、不安、いらだち、恐怖感、抑うつ、

意欲低下

冷感、しびれ感、蟻走感、知覚過敏、知覚鈍麻

知 覚 神 経 系

睡眠障害、易疲労性、皮膚症状

(湿疹、掻痒感)

口渇感

精 神 神 経 系

腹痛、食欲不振、悪心・嘔吐、便秘・下痢

化 器

頻尿、排尿障害、残尿感、腟乾燥感、不正出血、

尿失禁、腟炎、性交痛

泌 尿 ・ 生 殖 器 系

(18)

HRT-19

更年期女性の社会・文化的背景

加藤信世:モダンフィジシャン 18, 1019-1022(1998)

多忙、病気や死、定年、夫に対する愛情の欲求不

満、夫の浮気

家 族 の 問 題

配偶者

問題行動、受験、自立と子どもからの精神的な

疎外感、病気や障害、子どもについて姑との葛藤

子ども

職 場 の 問 題

自 分 自 身 の 問 題

老人の介護や死

その他

多忙、技術革新によるOA化、人間関係、責任ある役職

病気や老後の不安、身体や容姿、容貌の衰えの自覚、

女性性の喪失感情、性的欲求不満、性生活の困難、

社会や家庭での孤独・孤立感、価値や目標の喪失

近親者・友人の病気や死

(19)

HRT-20

更年期障害の要因と症状

奥田喜代司:モダンフィジシャン 18, 1025-1028(1998)

身体的、性格的素因

社会心理的要因

加齢の要因

(内分泌学的要因)

血管運動

神経系障害

運動器官系

障 害

知覚神経系

障 害

精神神経系

障 害

(20)

21

エストロゲン欠乏症状

自律神経失調症

精神神経症状

うつ病

ホルモン剤

抗不安剤

抗うつ剤

その他(漢方療法・代替医療など)

更年期の健康問題への対応

(21)

ホルモンからみた女性の

ライフステージ

女性は、生理的ライフステージによって、

ホルモンの状態が大きく変化する。

女性には、ホルモンの変化に伴う病気が多

い。

更年期障害はエストロゲンの欠乏によって

おこるが、社会心理的要因も影響している。

(22)

少子化と

(23)
(24)

合計特殊出生率(ごうけいとくしゅしゅっしょうりつ)とは

人口統計上の指標で、一人の女性が一生に産む子供の平均数を示す。

平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況

(25)
(26)
(27)
(28)
(29)

平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況

(30)
(31)

当院の分娩

4060例の

年齢分布

7

179

912

1602

1152

210

6

0

500

1000

1500

-19

20-24

25-29

30-34

35-39

40-44

45-22

%

4

%

39

%

28

%

5

%

0.1

%

0.2

%

(32)

当院で出産した妊婦の

平均年齢は

32.2歳

平均年齢

32.2

才 (16-48)

経産数

0.58 (0-7)

帝王切開率

503/2339=21.5%

新生児体重

2991g (838-4610)

♂/♀

1503

/1348

(33)

全国平均より高齢で

出産している

当院

全国

初産婦の平均年齢 31.4才

29.5

1経産婦の平均年齢 32.9才

31.6

(34)
(35)
(36)
(37)
(38)
(39)
(40)

染色体異常が増える理由

③胎生期に第一次卵母

細胞は減数第一分裂を

開始し、前期でいった

ん休止する。

④思春期になると、排

卵周期のLHサージに

よって減数第一分裂が

再開する。

⑤排卵の直前に第一減

数分裂が完了して第二

次卵母細胞と第一極体

になり、排卵される

(41)
(42)

少子化と卵子の老化

日本の少子化の背景には、未婚率の上昇、

結婚年齢の高齢化による出産年齢の高齢化

がある。

現在では生殖補助医療により出生した赤

ちゃんは32出産に一人である。

一方で、卵子の老化により「産みたくても

産めない」状況が発生している。

卵子の老化についての啓蒙が大事。

(43)

平均寿命と

健康寿命

(44)

平均寿命とは

0

歳児が平均してあと何年生きられるかとい

う指標。

若い人の死亡が多いと、平均寿命は引き下

げられる。寿命には、喫煙や飲酒などの生

活習慣、医療体制、ストレスなど様々な要

素が影響するとされる。

(45)
(46)
(47)

健康寿命とは?

WHOが提唱した新しい指標で、病気

や痴呆、衰弱などで要介護状態となっ

た期間を、 平均寿命から差し引いた寿

命のこと。

長寿国では一般に、平均寿命と健康寿

命の開きが長く、わが国でも最晩年に

寝たきりなどに なる期間が国民平均6

年以上に及んでいるのが現状。

(48)
(49)
(50)
(51)

健康寿命を左右する3つの

「年齢」

わが国では、老年期痴呆の原因の3割以上を脳

卒中が占めています。食生活の改善により、

管年齢

を若く保ち、脳卒中の温床となる動脈硬

化を防げば、このタイプの 痴呆を確実に減らす

ことができます。

寝たきりの二大原因は、脳

卒中と骨折(肯粗髭症)

です。 寝たきりを防

ぐには、血管年齢とともに、

骨年齢

も若く保つ

ことが重要です。 加齢に伴い、腸内ではビフ

イズス菌などの善玉菌よりも、悪玉菌が優勢と

なり、免疫力の低下をまねき、 感染症やがんな

どのリスクが高まります。腸内を善玉菌優勢に

保つこと、すなわち

腸年齢

を若く保つことも、

健康寿命の延伸に欠かせません。

(52)
(53)

平均寿命と健康寿命

日本人女性は世界一の長寿であるが、12年以

上も介護が必要な状況にある。

健康寿命を延ばすには「血管年齢」「骨年

齢」「腸年齢」が大切。

「血管年齢」「骨年齢」には女性ホルモン

が関係している。

(54)

産婦人科医が考え

る女性のウェルネス

ホルモンと

健康寿命

(55)
(56)
(57)

59

心・血管疾患の危険因子

閉経後の女性

高血圧

糖尿病

肥 満

高脂血症

喫 煙

心・血管疾患

(58)

60

24

23

22

21

20

19

18

20

~24

25

~29

30

~34

35

~39

40

~44

45

~49

50

~54

55

~59

60

~64

65

~69

70

~74

75

~79

80

~84

140

100

80

60

120

160

180

200

220

240

(mg/dl)

(mg/dl)

50

60

70

HDL-C

BM

I (

kg

/㎡

)

年齢区分

(鏡 一成ほか、2002)

総コレステロー

LDLコレステ

中性脂肪

ロール

HDLコレステ

ロール

加齢に伴う血性脂質およびBMIの推移

(59)

*

*

(mg/dL)

*P<0.001

t-test

Jeong IK et.al:Calcif Tissue Int 87(6):507-512, 2010より作図 対象: 2003年10月~2005年10月にSeoul National University Hospital(韓国)において脂質プロファイルとBMDを測定した

20~91歳の閉経前女性4,631名と閉経後女性2,661名

方法: 対象女性における脂質プロファイルとBMDの関係について検討した.

(60)

Kannel WB et.al:Ann Inter Med 85:447-452, 1976より作図 対象: Framingham Studyに参加した55歳未満の女性2,873名 方法: フォローアップ期間(20年)中の55歳未満における閉経前女性と閉経後女性の心血管疾患発症数を比較した.

年齢

(歳)

心血管疾患発症数

(/千人/

年)

閉経により心血管疾患の発症が増加

(61)

63

正常の

腰椎

骨粗鬆症の

腰椎

(62)
(63)

65

40

前半 40後半

50

前半

50

後半

60

前半

60

後半

70

前半

70

後半

80

前半

80

後半

男性

女性

男性と女性での骨粗鬆症

0

20

40

60

(山本逸雄:Osteoporosis Japan; 1999)

年齢:歳代

(64)

Osteoporosis new trends in prevention and treatment :Prof. Bari Kaplan MD., April 2003 改変

50 55 60 65 70 75 80 85 90

ホルモン

補充療法

ビスフォスフォネート

骨粗鬆症予防

T-score ー1 to ー2.5

以前の骨折の有無に

関係なく骨粗鬆症の

治療

T-score < -2.5

多発骨折及び臀部骨折

のリスクを有する骨粗鬆

症の治療

短期間の

血管運動

神経症状

の管理

SERM

骨 折

骨量減少症

骨粗鬆症

更年期障害

エストロゲン欠乏症状の悪化

骨に

関す

健康障害

骨粗鬆症治療

他の

健康障害

各種治療法(薬物)の位置づけ

(65)
(66)

68

HRT

閉経

エストロゲン

欠乏状態

血中エストロゲン濃度

10

20 30 40 50 60(歳)

10

20 30 40 50 60(

閉経

急激に低下する女性ホルモンを補う

ホルモン補充療法:HRT

(67)

69

HRTを開始するにあたっての

インフォームドコンセント

期待される効果

更年期症状の改善(約4週間で判定)

脂質代謝改善(約3か月で判定)

骨代謝改善(約6か月で判定)

リスクについて

長期治療による

乳癌リスクの上昇

マイナートラブル

腟分泌物の増量

乳房緊満感

点状出血

方法の選択

使用ホルモンの

種類・使用量と方法

HRT

(HT)

(68)

HRTに期待される作用・効果

1)更年期症状緩和

2)骨吸収抑制・骨折予防

3)糖・脂質代謝改善

4)血管機能改善

5)血圧に対する作用(中立の作用)

6)中枢神経機能維持

7)皮膚萎縮予防

8)泌尿生殖器症状改善

9)大腸癌(結腸癌・直腸癌)

10)口腔における効果

ホルモン補充療法ガイドライン2012年度版より抜粋 2013年3月作成

(69)

更年期女性における

以下の状態におけるHRTの有用性

A

+

:有用性がきわめて高い

A:有用性が高い

B:有用性がある

C:有用性の根拠に乏しい

D:有用ではない

状態

有用性

状態

有用性

血管運動神経症状

A

骨粗鬆症予防

A

更年期の抑うつ症状

A

骨粗鬆症治療

A

それ以外の更年期症状

B

脂質異常症の治療

A

アルツハイマー病の予防

B

動脈硬化症の予防

B

尿失禁の治療

C

皮膚萎縮の予防

A

萎縮性腟炎・性交痛の治療

A

口腔の不快症状

B

ホルモン補充療法ガイドライン2012年度版より抜粋 2013年3月作成

(70)

HRTに予想される有害事象

1)不正性器出血

2)乳房痛

3)片頭痛

4)乳癌

5)動脈硬化・冠動脈疾患

6)脳卒中

7)静脈血栓塞栓症

8)子宮内膜癌

9)卵巣癌

10)その他の癌、腫瘍、類腫瘍

ホルモン補充療法ガイドライン2012年度版より抜粋 2013年3月作成

(71)

重度の活動性肝疾患

現在の乳癌とその既往

現在の子宮内膜癌、低悪性度子宮内膜間質肉腫

原因不明の不正性器出血

妊娠が疑われる場合

急性血栓性静脈炎または

静脈

血栓塞栓症とその既往

心筋梗塞および

冠動脈に

動脈硬化性病変

の既往

脳卒中の既往

HRTの禁忌症例

ホルモン補充療法ガイドライン2012年度版より抜粋 2013年3月作成

(72)

慎重投与ないしは

条件付きで投与が可能な症例

子宮内膜癌の既往

卵巣癌の既往

肥満

60歳以上

または閉経後10年以上

の新規投与

血栓症のリスクを有する場合

冠攣縮および微小血管狭心症の既往

慢性肝疾患

胆嚢炎および胆石症の既往

重症の高トリグリセリド血症

コントロール不良な糖尿病

コントロール不良な高血圧

子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症の既往

片頭痛

てんかん

急性ポルフィリン血症

全身性エリテマトーデス(SLE)

ホルモン補充療法ガイドライン2012年度版より抜粋 2013年3月作成

(73)

Women’s Health Initiative Rondomized

Controlled Trial(WHI)

WHI

の概要

試験デザイン:Randomized controlled study

対象:50~79歳の子宮を有する閉経後女性16,608人

薬剤:CEE0.625mg+MPA2.5mg含有製剤(Prempro) vs プラセボ

CEE+MPA:8,506人

プラセボ: 8,102人

CEE

:Conjugated Equine Estrogen(結合型エストロゲン:プレマリン)

MPA :Medroxyprogesterone acetate(酢酸メドロキシプロゲステロン

試験期間:8.5年(開始時の予定)

主な検討項目:冠動脈疾患,浸潤性乳癌

脳卒中,肺塞栓,子宮内膜癌,大腸癌,大腿骨頸部骨折,

その他の原因による死亡

(74)

76

-100

100

200

300

心筋梗塞 脳卒中 肺塞栓

乳癌

大腸癌 子宮内膜癌 大腿骨

頸部骨折

他の理由に

よる死亡

Women’s Health Initiative (WHI)

の結果

(エストロゲン・黄体ホルモン配合剤)

ハザード比

(Writing group for the WHI Investigators. JAMA, 2002)

29%

41%

113%

26%

*

*

*

*

37%

17%

34%

8%

*

*

NS

NS

* 有意差あり

NS

有意差なし

(%)

68

(75)

77

(JAMA,288:321,2002)

米国で行われたWHI(Women’s Health Initiative)試験では、結合型エス

トロゲン(CEE)0.625mgと酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)

2.5mg

を含んだ合剤を1日1回連続服用した群で、 5.2年経過した時点でプラ

セボ群よりも有意に浸潤乳癌リスクが上昇することが報告された。

(76)

子宮内膜癌を防ぐには黄体ホルモンが必要!

・子宮のない女性

Eのみ

・子宮のある女性 ⇒ E+P

子宮筋腫などで、子宮を手術で摘出してしまった女性など

閉経後女性にエストロゲンを単独投

与し続けると、子宮内膜癌のリスク

が高まります!

注意!

こうならないために、黄体ホルモン

(プロゲストーゲン:P)を投与します。

現在、HRTで使用されている主なプロゲス

トーゲン製剤

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル

(MPA)

商品名

・プロベラ(ファイザー)

・ヒスロン(協和発酵キリン)

・プロゲストン(ワイス) 等

子宮内膜癌

(「病気の地図帳」より)

(77)

79

経口および経皮エストロゲン製剤剤の体内動態

経皮剤

経口剤

崩壊 分散 溶解 吸収

肝臓

ゲル剤

経皮吸収剤

肝臓での初回通過

効果を受けない。

消化管壁

肝臓

経口剤

門脈

一部分解・代謝

胃や腸

一部リンパ管へ

体循環血液中へ

(78)

HRTと静脈血栓症

の関係

HRT

の静脈血栓症(VTE)のリスクに関する

メタ分析とシステマティックレビュー

(フランス)

• 8

つの観察研究と9つのランダム化比較試

験(RCT)のメタ分析とレビューを行った。

その結果、経口HRTでは静脈血栓症(VTE)

のリスクは増加するが、経皮エストロゲン

では、リスクが増加しないことが認められ

た。

(BMJ,2008)

(79)

(Canonico, M et al.: BMJ online, 20 May, 2008)

HRTと静脈血栓症の関係

2008

年に発表された8つの観察研究と9つのランダム化比較試験のメタ

分析とシステマティックレビュー

非使用者のリスク=1

〔観察研究〕

〔経口〕

〔経皮〕

(80)

HRTと胆嚢疾患

の関係

胆嚢疾患に及ぼす経口HRTと経皮HRTの

影響 〔Million Women Studyでの分析〕

100

万人以上の閉経後女性をおよそ6年間

追跡調査。

この期間に約2%の女性が胆嚢疾患で入

院し、HRTを受けている女性の方が、

HRT

を受けたことがない女性よりも胆嚢

疾患での入院のリスクが高かった(相対

リスク:1.64)。

また、胆嚢疾患による入院の相対リスク

は経口製剤投与女性の方が経皮製剤投与

女性よりも高かった。

○経口エストロゲンが胆嚢疾患をより引き起

こす理由は、門脈を経由して肝臓に高濃

度に集まったエストロゲンが代謝され、

胆汁中に移行することが原因 と考えられ

ている。

(BMJ,2008)

(81)

Significantly lower risk was found with

dermal route than oral unopposed

oestrogen therapy (P = 0.04).

経皮投与のHRTでは、心筋梗塞

の低減効果があることも最近報

告された。

A national register study

(デンマーク)

・51歳~69歳のデンマークの健常女性

698,098

名を1995年~2001年の間にフォ

ローアップを行った(コホート試験)。

・その結果、4,947例の心筋梗塞が認められ、

HRTの施行と心筋梗塞の間に関係は見られ

なかった(Rate ratio:1.03(95%CI: 0.95

-1.11) 。

・また、経皮投与は経口のエストロゲン単独

投与より有意に(p=0.04)リスクが低

かった。

(Eur Heart J, 2008)

(82)

HRT適応と管理

エストロゲン欠落症状

E3 局所療法

ホルモン補充療法(HRT)を

希望

HRTのリスクとベネフィットの説明と了解

あり

なし

外陰・腟萎縮

症状のみ

投与を避けるべき症例に

該当する

HRTを考慮

リスクとベネフィットを再考し説明

慎重投与に該当

HRTを希望しない

該当しない

HRT以外の方法を考慮

ホットフラッシュ

発汗 不眠

抑うつ症状など

禁忌に該当

ホルモン補充療法ガイドライン2012年度版より抜粋 2013年3月作成

(83)

HRT適応と管理

HRTを考慮できる症例

乳癌検診

婦人科癌検診

血算・生化学・

血糖

検査

子宮あり

E P T

子宮内膜検査

子宮なし

E T

副作用チェック

効果判定など管理

投与5年目以降

付記

5年以上の投与を必要

とする場合には、乳癌の

リスクが高まることにつ

いての再説明を行ない、

同意を得ること

ホルモン補充療法ガイドライン2012年度版より抜粋 2013年3月作成

(84)

86

心身機能の調和

規則正しい生活

(生活指導)

バランスの

とれた食事

(食習慣指導)

適度の運動

気分転換

薬物療法

健康の維持と増進のための基本

(85)

産婦人科医が考える女性

のウェルネス

女性ホルモンを補充する事で更年期障害の

治療になるだけではなく、血管年齢、骨年

齢を若々しく保ち健康寿命を長くできる。

しかし、リスクとベネフィットを理解して

治療を受けることが大事。

(86)

ご清聴ありがとうございました

参照

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