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要約 A.T. カーニーは グローバルの対内直接投資を見通す指標として 定期的に 海外直接投資信頼度指数 (FDICI: Foreign Direct Investment Confidence Index) グローバル シティ インデックス (GCI: Global Cities Index) を

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A.T. Kearney Agenda Vol.2

FDICI & GCIグローバル

対内直接投資指標の詳説

A.T. カーニーによる

2

つの調査「2014年度海外直接投資信

頼度指数(FDICI)」および「グローバル・シティ・インデック

ス2014(GCI)」を、対日直接投資の拡大という視点から詳

説。TOKYO2020にむけて、日本がより魅力的な投資先とな

るために必要な今後の取り組みポイントについて考察する。

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要約

A.T. カーニーは、グローバルの対内直接投資を見通す指標として、定期的に「海外直接投資信頼度 指数(FDICI: Foreign Direct Investment Con�idence Index)「グローバル・シティ・インデッ クス(GCI: Global Cities Index)」を発表している。どちらの調査結果においても、日本は、市 場規模の大きさや高度な人的資産の存在を背景に、投資先としてのポテンシャルを高く評価される 一方で、他国の成長が著しく相対的な位置づけは低下しつつある。「2020年までに投資残高を倍増」 する目標達成に向けて、ビジネスコストの高さに代表される阻害要因をいかに排除できるか、他国 以上に取り組みスピードを加速できるか、が重要なポイントとなるであろう。

対日直接投資拡大の取り組みを加速する安倍政権

安倍政権は、アベノミクス第3の矢で、対内直接投資の拡大を「日本企業が海外市場を獲得してい くための基盤」と位置づけ、取り組み強化を明確に打ち出した。「直接投資」は、配当や金利収入 を目的とする間接投資と違い、実質的な経営権の取得を伴う。そのため、受入国にとっては、雇用 創出効果や経営ノウハウや技術流入による生産性向上効果が期待される。日本でも1994年の「対 日直接投資会議」設置以来、約20年にわたって議論を重ねてきた。ところが今回の取り組み強化は、 これまでとは異なる意味合いや目標を持つようである。 まず対内直接投資拡大の意味合いについて、上記のような経済効果の獲得というよりも、日本の国 際展開戦略の中に位置づけている。2013年6月に閣議決定された日本再興戦略の本文中で、「日本 国内の徹底したグローバル化を進める」とし、多数の海外企業を誘致する中でグローバルの競争環 境に企業及び人材を適応させることにより「今後日本企業が海外市場を獲得していくための基盤」 と明記している。 また、目標についても「2020年までに対日直接投資残高を倍増させる」という意欲的な水準に設 定した。ちなみに現在、対日直接投資の残高は約1,700億ドル強、対GDP比にすると3.5%(UNCTAD 調査)である。 確かに投資残高は他の先進国の中でも極めて低い水準に留まっており、向上の必要性はあるだろ う。しかし今回の取り組みにおいて、より着目すべきは、残高倍増そのものでなく、倍増に必要な 単年の投資フローにある。2020年までの残高倍増に必要な受入額は、単純計算で年間平均約170億 ドル。これは直近の実績の約10倍、単年の対内投資額としては他国と同水準(例えばOECD加盟国 のFDI受入額平均は180億ドル)に相当する。 このように、対日投資拡大の取り組みは、日本が中長期的にグローバルで戦っていくための基盤と して重要度を増し、今後数年間で大きく飛躍することが求められているのである。

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A.T.

カーニーによる

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つのグローバル調査

では、グローバル企業から見て、日本は投資先としてどう位置づけられているのだろうか。 ここでは、A.T. カーニーが今後の対内直接投資動向に関連して定期的に実施している2つの調査を 基に、日本が置かれている状況・課題を考察していきたい。

調査の1つは「海外直接投資信頼度指数(FDICI:Foreign Direct Investment Con�idence Index) である。FDICIは、世界26カ国・全産業セクター 300社の経営者層に直接聞いて分析し、今後2 ~ 3年のグローバル企業の海外直接投資計画における投資優先順位を国ごとにランキングしたユニー クな調査である。 出所:UNCTAD(国際連合貿易開発会議) 図表1 日本の対内直接投資実績は、先進諸国と比べて極めて低い水準 4,935 1,605 1,081 924 851 747 715 670 644 591 403 389 378 377 252 215 192 183 170 167 158 145 141 135 128 111 101 88 84 58 27 21 15 10 236.3 182.4 173.3 114.8 87.6 83.8 83.8 77.8 73.1 68.6 67.8 63.3 61.4 58.4 52.7 48.8 48.0 46.3 44.2 39.5 39.4 39.3 37.6 35.3 32.5 30.9 30.2 29.4 23.4 19.5 17.6 13.7 11.5 3.5 対内直接投資残高-2013年 ($ trillions) 対GDP比-2013年(%) United States United Kingdom France Belgium Germany Switzerland Spain Netherlands Canada Australia Italy Mexico Sweden Ireland Poland Chile Norway Austria 日本 Republic of Korea Denmark Turkey Luxembourg Czech Republic Portugal Hungary Finland Israel New Zealand Slovakia Greece Estonia Slovenia Iceland Luxembourg Belgium Ireland Switzerland Estonia Hungary Netherlands Chile Iceland Czech Republic Sweden United Kingdom Slovakia Portugal Spain Poland Denmark New Zealand Austria France Finland Australia Norway Canada Slovenia Mexico Israel United States Germany Italy Turkey Korea, Republic of Greece 日本 Ø 492 Ø 61

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もう1つは、企業経営層に対して各地 域拠点の場所を決める支援情報を提供する「グローバル・ シティ・インデックス(GCI:Global Cities Index)」である。GCIは「ビジネス活動」「人的資産」 「情報流通」「文化的経験」「政治的関与」の5分野、計26の評価項目を定量化し、世界84都市をラ ンク付けするものである。中でも「ビジネス活動」分野は、各都市のビジネス拠点としての魅力度 を評価するものとして、主要なグローバル企業の本社数、トップビジネスファーム(弁護士事務所、 会計事務所、経営コンサルティングファーム等)の数、資本市場の規模、港湾・航空貨物の取扱量、 国際会議数といった観点から評価が行われる。 投資対象国としての日本の位置づけ 2つのグローバルレポートを、日本を軸に見直してみたとき、まず浮かび上がってくるのは、低迷 しているFDI実績とは対照的な「投資先としてのポテンシャルの高さ」である。 2014年6月に発表された最新のFDICIにおいて、日本は全体で19位、アジア諸国の中では中国、 インド、シンガポール、マレーシアに続く5番目に位置づけられている。 順位としては高く見えないが、直近のFDI実績と対比してみると、日本に対する評価の意味合いは他国 と異なるようである。1位のアメリカ、2位の中国を始めとする上位はFDI受入額が大きい国であり、既 図表2 日本は、FDIの受入実額が極めて低いにも関わらず、TOP25にランク入り 2014年 海外直接投資信頼度ランキング(FDICI2014) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 2.16 1.95 1.93 1.91 1.91 1.84 1.81 1.76 1.75 1.74 1.74 1.72 1.70 1.68 1.65 1.64 1.64 1.63 1.62 1.61 1.61 1.61 1.61 1.60 1.60 米国 中国 カナダ 英国 ブラジル ドイツ インド オーストラリア シンガポール フランス UAE(アラブ首長国連邦) メキシコ 南アフリカ スイス マレーシア スウェーデン チリ スペイン 日本 イタリア ベルギー オランダ デンマーク トルコ インドネシア 順位 国名 FDIフローの実額 182,702 115,742 39,224 51,990 54,086 37,730 30,335 46,709 50,839 25,270 7,454 23,990 5,625 19,122 9,018 9,528 20,171 28,704 2,593 16,036 44,866 17,285 2,081 11,990 15,094 指数は3点満点 上昇 維持 下降

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に世界中の直接投資を受け入れている実績が評価されている。それに対して、日本はその潜在的な投 資ポテンシャル・今後の成長性が評価されている。A.T. カーニーのGlobal Business Policy Council では「日本は大きな市場規模や先進的な消費者、スキルの高い人材を有しており、地域本部・物流拠点・ 研究開発拠点として依然として魅力的」と分析しており、世界第3位のGDPを背景とする市場の大きさ や高度な人的資本を有することから、ビジネスの拠点として期待される存在なのである。都市レベルの 調査ではあるものの、同様の評価はGCIの結果にも表れている。東京はニューヨーク、ロンドン、パリ に次ぐ4位にランクされ、世界トップクラスのグローバル都市であることを示している。 図表3 東京はニューヨーク、ロンドン、パリに次ぐ4位 依然としてトップクラスのグローバル都市に位置づけられている 2014年 グローバル・シティ・インデックス(GCI2014) New York London Paris 東京 Hong Kong Los Angeles Chicago Beijing Singapore Washington Brussels Seoul Toronto Sydney Madrid Vienna Moscow Shanghai Berlin Buenos Aires Boston San Francisco Frankfurt Barcelona Melbourne Amsterdam Dubai Istanbul Miami Montreal Zurich Rome Stockholm São Paulo Mexico City Atlanta Munich Houston Geneva Taipei Mumbai Bangkok 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 2014 1 2 3 4 5 6 7 14 11 10 9 8 16 12 18 13 19 21 20 22 15 17 23 24 32 26 29 37 36 30 25 28 27 33 34 39 31 38 35 40 45 43 2012 1 2 4 3 5 7 6 15 8 13 11 10 14 9 17 18 25 21 16 22 19 12 20 26 NA 29 27 41 34 31 24 28 23 35 30 40 33 38 32 39 46 36 2010 1 2 3 4 5 6 8 12 7 11 13 9 10 16 14 18 19 20 17 33 29 15 21 NA NA 23 27 28 32 NA 26 30 24 31 25 37 35 NA NA 34 49 22 2008 61.7 58.1 52.3 47.2 41.3 38.0 36.8 35.1 34.3 33.4 32.9 32.6 32.4 32.3 31.8 30.3 29.5 29.4 29.4 28.9 28.6 27.2 26.7 26.7 26.7 26.3 26.3 26.0 25.5 25.4 25.4 24.1 23.5 23.4 23.0 22.7 22.4 22.3 21.7 21.3 20.9 20.7 ビジネス活動 (30%) 人的資産 (30%) 文化的経験 (15%) 政治的関与 (10%) 情報流通 (15%) 出所:A.T. カーニー

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一方で、そのような位置づけも、他国の成長に押されて徐々に低下しつつある。 FDICIの調査が開始されて以来、日本は2010年を除きトップ25位内を維持しているが、2004年の 10位を最高に、順位は緩やかな低下傾向に転じている。(2010年はランク圏外) GCIにおいてもその傾向は顕著に見られる。これまで、上位4大都市はスコアで5位以下を大きく引 き離す �安泰� の地位であったが、GCIの全体スコアが平均8%上昇し、世界中の都市のグローバル 化が進む中で、ランキング低位の都市群が着実に上位都市に迫ってきている。中でも東京は総合ス コアを初回2008年以来最も低い値まで下げ、不名誉ながら、調査開始から最もスコアを落とした 都市に挙げられた。落ち込みの要因を評価分野別にみると、前回調査までトップの座を維持してき た「ビジネス活動」分野での低下が目立つ。「ビジネス活動」分野だけを見てみると、上位10都市 のうち6都市をアジアが占め、世界におけるアジア経済の台頭を示しているが、アジア内での位置 づけもまた変化が起こっている。 出所:A.T. カーニー 図表4 日本の順位は、2004年にピークに緩やかな低下傾向に転じている 海外直接投資信頼度ランキングにおける日本の順位の推移 (1998‐2014) 8 6 4 2 24 22 20 18 16 14 12 10 9 7 5 3 1 25 23 21 19 17 15 13 11 2014 1998 Jun 1998Dec 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2007 2010 2012 2013 ランク圏外

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東京が順位・スコアを下落させる一方で北京が順位・スコアを伸ばし、このままの成長ペースが続 けば数年以内には位置づけを逆転しかねない。実際、フォーチュングローバル500企業の保有数を 例に取ってみれば、2013年に北京(44→48)と東京(48→45)の逆転が既に起こっており、ア ジア経済の中心は確実に変わりつつある。 図表5 出所:A.T. カーニー 「ビジネス活動」分野では、東京がトップの座から落ちる一方、北京が順位を上げ、東京に迫る GCI2014「ビジネス活動」分野のランキング 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 2 3 1 6 5 4 7 9 8 10 14 12 15 11 13 16 22 21 17 26 19 23 31 25 20 24 18 27 29 34 37 35 36 28 30 New York Paris Tokyo Beijing London Hong Kong Shanghai Seoul Singapore Amsterdam Madrid Sao Paulo Vienna Frankfurt Chicago Dubai Sydney Barcelona Brussels Berlin Mumbai Taipei Istanbul Toronto Stockholm Los Angeles Bangkok Kuala Lumpur Zurich Buenos Aires Copenhagen San Francisco Washington, D.C. Moscow Milan City 2014 Breakdown 2014 Rank 2012 Rank Fortune 500 Top 40 Global Firms Capital Markets Flow of Goods Airports Flow of Goods Ports ICCA Conferences 6.23 5.94 5.81 5.77 5.38 5.04 4.68 4.40 4.39 3.52 3.41 3.28 3.12 3.11 3.04 2.93 2.83 2.83 2.80 2.72 2.72 2.70 2.70 2.63 2.59 2.56 2.46 2.44 2.42 2.35 2.32 2.26 2.25 2.22 2.14

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Author Profile

Akihiro Nakao 中尾 彰宏 (A.T. カーニー アソシエイト) [email protected] ハイテク・製造業を中心に、事業戦略、新規事業立案・立ち上げ支援、中期計画策定、 業務改革などを支援。

日本が抱える課題、今後の取り組みのポイント

要するに、日本は、「投資対象国として他国に引けを取らない魅力を有していながら実際の投資判 断には至っておらず、また、その魅力についても �猶予期間� が限られている状況にある。そうい う意味で、「2020年までに残高を倍増させる」目標に向けた今後の取り組みで重要となるのは、ビ ジネスコストに代表される阻害要因をいかに排除できるか、他国以上に取り組みスピードを加速で きるか、であろう。 日本はエネルギーコストや物流コストの高さを制約条件として抱えている。従って、政策上、その 制約を補って余りある規制緩和・税制優遇などのメリットを提示していかなければならない。政府 は「国家戦略特区」の創設や経済連携の推進により改善を図ろうとしているが、この「国家戦略特 区」への �大胆な� 取り組みがカギとなる。例えば現在34.6%の実効税率ひとつとってみても、近 隣国水準(シンガポール17%、韓国24.2%、中国25%)を下回る条件を打ち出せるかどうか。恐らく、 これまでのような政治的調整を重ねて辿り着けるものではないだろう。本気で取り組む意気込みを 示し、強力なリーダーシップの下、トップダウンでの施策推進に期待したい。

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A.T.カーニーは、40ヶ国以上に拠点を有する世界有数のグローバルな経営コンサルティ ングファームです。1926年の創業以来、世界の有力企業・組織の信頼されるアドバイ ザーであり続けています。A.T.カーニーはパートナーシップ制度を採っており、顧客の 最重要課題に対して短期的な成果をもたらすと共に持続的な成長を支援することをお 約束します。詳しくはWebサイトをご覧下さい。www.atkearney.com アメリカ アジア・パシフィック ヨーロッパ 中東・アフリカ アトランタ ボゴタ カルガリー シカゴ ダラス デトロイト ヒューストン メキシコシティ ニューヨーク パロアルト サンフランシスコ サンパウロ トロント ワシントンDC バンコク 北京 香港 ジャカルタ クアラルンプール メルボルン ムンバイ ニューデリー ソウル 上海 シンガポール シドニー 東京 アブダビ ドーハ ドバイヨハネスブルグ マナマリヤド

本稿の表紙に記されているのは、当社の社名にもなっている創業者 Andrew Thomas Kearney (アンドリュー・トーマス・カーニー)の署名で、カーニーが培い、我々が継承している、すべての

行いにおいて �本質的な正しさ� を保証することを意味しています。

A.T. Kearney Korea LLC は大韓民国において A.T. Kearney の名のもと業務を行っている別法人です。

A.T. Kearney はインド共和国においては、英国法に基づいて設立された法人組織 A.T. Kearney Limited の支店として業 務を行っています。 アムステルダム ベルリン ブリュッセル ブカレスト ブダペスト コペンハーゲン デュッセルドルフ フランクフルト ヘルシンキ イスタンブール キエフ リスボン リブリヤナ ロンドン マドリード ミラノ モスクワ ミュンヘン オスロ パリ プラハ ローマ ストックホルム シュトゥットガルト ウィーン ワルシャワ チューリッヒ

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