日本クルーズ&フェリー学会セミナー
『異端のフェリー オーシャントランス』
2016年11月12日
オーシャントランス株式会社
異端のフェリー
(先端的フェリーではない)
2 当社新造フェリー 他社フェリー 旅客定員 266名 600名~900名 旅客への供食 自動販売機のみ 値段安い(会社一部補填) レストラン有り 客室等級 モノクラス(全2等相当) 特等、1等、ツーリスト他 客室レベル 個室:AH並み 大部屋:CH式 特等はホテルオークラ級 コンセプト シンプルフェリー 豪華 クルーズフェリー 狙う客層 交通弱者(子連れ、老人) 移動手段としてのリピーター 種々 富裕層~旅行者 競争相手 LCC航空・高速バス 飛鳥II等の客船・新幹線 他 主機 プロペラ軸 1機1軸 2機2軸 or 主機+アジマス (Azimuth) OLP インターロック 船倉内清掃 ロードスイパー陸上支援 乗組員が実施 ラッシング オートラッシング採用(96台分) 乗組員がベルト固縛 無人シャーシ輸送 vs 有人トラック比率 無人シャーシ 95% 有人トラック 5% 無人シャーシ 約50% 有人トラック 約50%異端フェリーの歴史(=生き残りの戦い)
1996年 カジュアルフェリー2隻(OS・ON)建造 レストラン無し、自販機供食、旅客定員148名 ➡ 同年決定の船腹調整規定廃止先取り 1999年 当社フェリーによる危険物輸送開始 同年 停泊中の中間検査受験(隔年入渠) 2001年 産業廃棄物収集運搬許可取得 同年 任意のISMコード(国際安全管理規則)取得SMS(Safety Management System)運用開始
2006年 自社冷凍シャーシによる冷凍貨輸送開始
2011年4月 「東海商船」子会社化 外航進出
北九州 徳 島 東 京 東京ー北九州間 1151km・約33時間
サービス名:オーシャン東九フェリー
方針:
常識を疑い当たり前を否定 時代より半歩前
LCC
と対抗する為には、自身が
LCC
になる
4隻のフェリーでデイリーサービス 北九州ー徳島間 520km・約15時間 東京ー徳島間 631km・約18時間当社フェリー船4隻と会社略歴
5 船名 総トン数 速力(ノット) 就航年月 新造船 フェリーびざん 12,636 22.4 平成28年1月 9月で4隻全て新船に代替 13mセミトレーラ188台積 ⇒ 70%増の積台数へ フェリーしまんと 12,636 22.4 平成28年5月 フェリーどうご 12,636 22.4 平成28年7月 フェリーりつりん 12,636 22.4 平成28年9月 1972年 7月 オーシャンフェリー 徳島⇔千葉間 開始 1974年12月 東九フェリー 小倉⇔東京間 開始 1976年 2月 両社合併 『オーシャン東九フェリー㈱』設立 2008年10月 オーシャン東九フェリー㈱と王子海運㈱が合併 『オーシャントランス株式会社』設立 2011年4月 「東海商船」子会社化 外航進出 フェリー、内航小型船、外航チップ船の3本建て事業 「シップ・オブ・ザ・イアーと全く無縁な会社」新造フェリーの特長
省エネ
省力
省メンテナンス
3名個室X14室
4名個室X14室
これら個室28室は全てOcean View
ペット同伴X2室、身障者旅客室X6室
8名大部屋X11室、16名大部屋X4室(カプセルH式)
6省エネ
1機1軸 電子制御低速9気筒21,367馬力
(旧船:中速のカム式16気筒 28,800馬力)
大径プロペラ(4.45m⇒5.8m)
軸発電採用
最大舵角70度のシリング舵
風圧抵抗を削減する船型(船橋部分)
船底塗料NKM社 タカタクォンタム X-mile
26.8%燃料消費減実証済(就航後3ヵ月間)
省力
オートラッシングシステム 96台分
上下船作業時間短縮 乗組員の体負担軽減
船橋の床掃除 ロボット掃除機ルンバを導入
船倉掃除 陸上支援 大型ロードスイーパー
乗組員の負担軽減実現
8省メンテナンス
メンテナンスが少なくて済む
低速エンジン採用
主機の気筒数が旧船の16気筒
→9気筒に
サニタリーは清水使用(旧船は海水)
当社フェリー使用港 新門司港
新門司港フェリーターミナル
北九州市 防舷材4個所工事完了
当社フェリー使用港 徳島港
11 徳島小松島港沖洲(外)地区複合一貫輸送ターミナル整備事業 (2009年度~国の直轄事業 現在防波堤延伸150M工事中) 2015年: 沖洲地区に‐8.5m耐震バース完成 海陸連動による四国の東の玄関口、 南海東南海地震対策 2015年3月14日開通の鳴門・徳島間 四国横断自動車道と連結 2020年3月末までに徳島東(沖洲)インターチェンジ設置予定当社フェリー使用港 東京港
12 東京港 有明10号地フェリー埠頭 2015年11月大型船対応 耐震強化岸壁完成 水深-8.5mに(-8.0m)、全長230m(205m) L字部分全長40m(33m)14
オートラッシングシステム (シャーロック)
1998年 当社高松社長からオートラッシングのアイデアを尾道造船㈱に ポンチ絵で示す 2000年1月 試作品第一号完成 (作成工場:福山重機) 2000年4月 尾道造船㈱が特許申請 → 2004年7月16日特許確定 2001年6月 尾道造船㈱が特許申請 → 2004年4月16日特許確定 2003年1月 「おーしゃんのーす」に試作4号機を4台分(16リール)装着 2003年4月 尾道造船㈱が特許申請→ 2004年10月3日特許確定 2006年4月 「おーしゃんさうす」に試作6号機を20台分(80リール)装着 2008年10月3日 特許登録完了 特許第4193139 「輸送機器における荷体 のラッシング方法、及び、ラッシングに使用するベルト引張固定装置」 商品名 『シャーロック』 2015年12月 新造フェリー船 「フェリーびざん」 188台の内96台分装着 2016年6月27日 物流連 第17回物流環境大賞 『物流環境負荷軽減技術開発賞を受賞』内航フェリーの未来予想図
水素燃料 (LNG焚きは短期間では)
LOA240m以上の大型化 巨大船規制緩和
係留方法 磁石式に?
サイドランプ両舷作業に
船尾横ダブル2層乗下船
高さ4.1mトレーラ製造解禁
双胴船(曳波・係留問題有)
トラックの自動運転に対抗
フェリー(自動車航送船)とは
旅客や貨物を自動車ごと運ぶ船舶 RORO方式 海の国道軸 海上運送法第2条10項の規定 「自動車航送」とは 「船舶により人及び物を合わせて運送すること」 フェリーは「渡し船」からスタート 自分の車両を自分が運転して乗下船=港湾運送事業の範疇外 港湾運送事業 = 『他人の需要』に応じて、荷主・船社の委託で 16 フェリー 貨客船 旅客船フェリーの種類
長距離フェリー(港間300㎞以上) 8社 35隻 中距離フェリー(100~300㎞) 4社 11隻 八戸⇔苫小牧、高松⇔神戸、東予⇔神戸、小倉⇔松山 短距離フェリー(100㎞未満) 138社 267隻 瀬戸内海の南北航路、東京湾内フェリー 島原半島(長崎)⇔熊本 和歌山⇔徳島 等 佐渡島、隠岐諸島、小豆島などの離島 (車を運ばない定期旅客船は全国で 約1000隻)中・長距離 AAAAAAA 長距離フェリー・航路・船腹量・輸送実績の推移 年 度 事業者 数 航路数 隻数 自 動 車 航 送 台 数 旅客輸 トラック 乗用車 その他 計 送人員 社 航路 隻 千台 千台 千台 千台 千人 1973年 18 24 55 812 930 47 1,789 5,187 1978年 17 24 55 969 859 45 1,873 4,341 1983年 16 21 53 1,007 659 40 1,706 3,584 1988年 15 22 52 1,197 800 44 2,041 4,294 1993年 14 23 61 1,337 990 40 2,366 4,649 1998年 13 22 60 1,471 882 34 2,387 3,643 2003年 14 22 54 1,480 910 24 2,414 3,481 2008年 11 17 45 1,241 723 21 1,985 2,657 2015年 8 14 35 1,161 714 18 1,893 2,367
似て非なるもの
フェリー vs RORO船
<貨物輸送> フェリー RORO船 船の外観 客室が有る 客室がない 歴史 渡し船が発展 クレーン・デリック荷役の 貨物船の近代化 貨物引受け・引渡場所 積揚港 フェリー船の上 積揚港 陸上のヤード 港湾運送事業法 適用除外 適用 適用法規 海上運送法 内航海運業法 適用約款 フェリー運送約款 内航標準運送約款 約款上の免責 荒天遭遇貨物損傷:有責 荒天遭遇免責内航船員不足 その1
若者が職場として敬遠する背景 「職住一体」「バリバリの縦社会」「乗船期間長い=離家庭性」 「携帯電話・メール通じず」 「小型貨物船では住環境が問題」 商船高専の年次 「奴隷・召使・平民・天皇・神様」 内航海運は国内産業と国民の暮しを支えている 2014年度 3億6600万トン(10t積トラックの年3600万台) トンマイルで43.4%を分担。 海洋国家には必須な産業 急速に高齢化が進む 職域も狭くなっている 20 1977年 1994年 2013年 内航船員数 64,156人 52,906人 26,854人 55歳以上の% 3.6% 11.0% 36.5% 60歳以上の% 1.1% 0.9% 18.5% 2020年頃には内航貨物船の20%は船員不足で船が運航不能になる予想!内航船員不足 その2
30年間以上船員余剰続く 『商船学校出たが船員になれず』 1985年プラザ合意による急激円高(1$235円➡150円台に) 外航船員や遠洋漁業から 内航船員に転職 ベテラン船員が一斉に引退期 若年船員が集まらない 2014年の全国船員有効倍率 1.71 (vs 全産業1.04) 2016年の徳島県機関士有効求人倍率 3.7 2012年1月施行船員法改正 航海当直する乗組員のうち 少なくても一人は六級海技士以上の資格必要に! 六級海技士短期養成3.5ヶ月で当直可 乗船履歴2年→6ヶ月 2013年10月~内航船(4級)・フェリー船(3級)で社船実習実施 航海訓練所の乗船実習の内 後期3ヶ月で社船活用 2014年春闘で船員の為に船上インターネット環境整備約束 小型内航船の居住区が問題(一人部屋で育った若者が忌避) 210.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00 1 9 7 5 1 9 8 0 1 9 8 5 1 9 9 0 1 9 9 7 1 9 9 8 1 9 9 9 2 0 0 0 2 0 0 1 2 0 0 2 2 0 0 3 2 0 0 4 2 0 0 5 2 0 0 6 2 0 0 7 2 0 0 8 2 0 0 9 2 0 1 0 2 0 1 1 2 0 1 2 2 0 1 3 2 0 1 4 船員有効求人倍率 単位: 人 単位:倍 出典: 国土交通省 海事局資料より 魚住和宏氏作成 17
内航船員不足 その3
船員余剰期 船員 不足 期モーダルシフト(Modal Shift)
貨物の輸送手段の変更 二酸化炭素排出量の多い『トラック』利用から 地球環境に優しい『船舶』 『鉄道』にシフト (1991年より 25年間 国の重要施策 ) 運輸部門の二酸化炭素排出量(2014年度) 船舶利用のモーダルシフトのシンボル 船舶 39 g-CO2/トンキロ 鉄道 25 g-CO2/トンキロ 営業トラック 211 g-CO2/トンキロ 自家用トラック 1231 g-CO2/トンキロ船舶利用のモーダルシフト
モーダルシフトは1991年4月から26年目 22年間は掛け声だけ 逆モーダルシフトが発生 ⇒ 道路偏重政策 国内フェリー壊滅的打撃 2011年3月11日 東日本大震災 ⇒ フェリーが大活躍 国民の命を救った 自己完結性の高い 災害時に強い事証明 北海道他から自衛隊、消防隊など車両と共に輸送 2014年2月大雪時フェリー・RORO船が物流支えた 2016年4月15日熊本地震 地震発生1ヶ月間で8社 6,700台車両 13,900人輸送(自衛隊、東京ガス、他) 24フェリー vs JR貨物 vs トラック 比較
25 フェリー JR貨物 トラック 貨物ダメージ ◎極めて少ない (横揺れ防止装置) カートン擦れも無い △多い レール継目、フォークリ フト荷役 ○急ブレーキによる 荷崩れなど発生 CO2削減 ○ ◎ X 所要時間 △ ○ ◎ 定時性 ◎ ○ ○ (渋滞のリスク) 障害発生からの 回復 ◎ 台風でも 通常1日で回復 X (冠水、信号故障、火 災他で最大数週間) ○ (高速道路・トンネル等 クローズ等、) コンテナ・シャー シ内温度 船倉内輸送の為、 低い温度で安定 50度以上の高温となり、 食品等輸送に不向き 船倉内輸送の為、低い温度で安定 資本支出 シャーシ、コンテナ 等の資本支出不要 冷凍コンテナ、31FTコ ンテナなど、荷主負担 シャーシ、コンテナ等の 資本支出不要内航の東西航路でモーダルシフト進展
2014年4月消費税UP前の駆け込み その後落ち着く 労基署・陸運局によるトラック事業者への監査強化 (労基監査件数は前年比55%増の4,325件に) ドライバー不足 荷主、トラック事業者のコンプライアンスの遵守傾向 『自動車運転者の労働時間等の改善のための基準』 (1989年2月9日労働省告示第7号) 『事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に 係る基準』(2001年8月20日国交省告示第1365号) 月拘束時間293時間以内、連続運転4時間以内他 26国交省によるT事業者への監査強化
2013年10月1日より悪質事業者へ監査強化 適正化事業実施機関(各トラ協)巡回指導等違反 ⇒運輸支局への速報や報告 2014年1月1日より 新行政処分基準適用開始 (車両使用処分7項目⇒ 30日間の事業停止処分に) 2014年4月1日より トラックの過積載、過労運転、 優越的地位を利用した行為(非合理な到着時間の設 定、荷捌き場での恒常的な待ち時間発生等)悪質な 荷主に、警告歴がゼロでも荷主勧告可能に モーダルシフトの追い風に!【フェリー船】 フェリー・RORO船利用の基本類型 4種類について パターン2 トラクタヘッドを切り離し、セミトレーラ(シャーシ)を積み込むケース パターン3 トラクタヘッドを切り離し、コンテナ+シャーシを積み込むケース パターン4 トラックドライバーが下船して、トラック(10t車など)のみが乗船するケース パターン1 トラック(10t車など)が、ドライバーと一緒に乗船するケース 作業主体(作業): トラック事業者(移送) トラック事業者(積込み) トラック事業者(積付け) 作業主体(作業): トラック事業者(移送) トラック事業者(積込み) トラック事業者(積付け) 作業主体(作業): トラック事業者(移送) トラック事業者(積込み) トラック事業者(積付け) 作業主体(作業): トラック事業者(移送) トラック事業者(積込み) セミトレーラ(ボディ一・シャーシ一体型) コンテナトレーラ(コンテナ・シャーシ分離型) 事業用トラック(10t車等) 事業用トラック(10t車等) 20FT, 40FT等コンテナ セミトレーラ(平、ウイング車等) トラック10t車等 下船 トラック 10t車等 トラック事業者(積付け) 下船 下船 有人トラック航送 (ヘッドレス)シャーシ無人航送 コンテナ・オンシャーシ航送 トラック無人航送 RORO船 積込み/積付け : 港湾事業者 トラック10t車等 セミトレーラ(平、ウイング車等) 20FT, 40FT等コンテナ トラック10t車等 RORO船 積込み/積付け : 港湾事業者 RORO船 積込み/積付け : 港湾事業者
パターン1
有人トラック航送
• 長距離フェリー航路開設以来の主力の輸送モード • 貨物を積載したトラックをフェリーに積載し、運転手は船上で 休憩・睡眠して、下船後自車を運転して配送するモード • 「自動車運転者の労働時間等の改善の為の基準」 運転時間は2日平均9時間以内、休息時間継続8時間以内 フェリー内で、ドライバーが8時間以上休憩可能 ・ 2015年8月12日付け、厚生労働省労働基準局長通達で フェリー乗船時間から2時間を差し引いた時間をとする規定が、 規制緩和されて フェリー乗船時間全てが休憩時間となったパターン2
セミトレーラ無人航送
(ヘッドレス・シャーシ航送)
30 10トン車2台分荷物 13メートル セミトレーラ1台 フェリーに乗船後 ヘッド(牽引車)切り離し フェリー無人航送 フェリー船 港到着後 ヘッドで牽引下船 ⇒ 配達 セミトレーラ無人航送は ドライバーは乗船しない ・過労運転防止に効果 ・低コスト ・安全確実パターン3
コンテナ・オンシャーシ航送
• 中距離フェリーの四国関係航路で多い(暴露甲板で輸送) • 長距離フェリーでは数量は少ない