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Ⅰ.ファンダメンタルズ

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Academic year: 2021

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市場営業統括部

・本文はニューヨーク時間木曜日15時までの情報をもとに作成しています。 ・FOREX WEEKLYに関するお問い合わせは、現在お取り引き中の営業部/支店にお願い申し上げます。

チーフ・エコノミスト 山下えつ子

Tel: +1-212-224-4561 (ニューヨーク)

[email protected]

Global View

シリア情勢とドル

今週はシリアの化学兵器使用に対する米国の軍事行動の可能性が週初からマーケットを揺るがし た。数日内に欧米が協調してシリアを攻撃するかと思われ、株式相場は下落、為替相場は円高方向に 振れた。しかし、ドイツやロシアは軍事行動に反対、また英国では議会で採決を行うなど、日を追う ごとにスタンスの違いが見え始め、米国も国連による査察の結果を待つため攻撃は来週の見込みとな り、緊迫感が薄れて週末を迎えた。相場も次第に落ち着きを取り戻し、新たな展開待ちである。 ただ、情勢の緊迫化や先行き不透明感は株式相場の重しとなるが、ドルはどうだろうか。米国の軍 事行動がドル相場にどのように反映されるかは難しいところだ。「有事のドル買い」は米国が当事者 の場合には必ずしも有効ではない。しかし逆に、今週は円高には振れたが、必ずしもドル売りとも言 い難かった。 この後、特に国連からの証拠なしに軍事行動が遂行された場合、米国あるいはドルにとって不利な 要素は多い。①米国民の支持を得られず、オバマ大統領に対する評価が悪化する可能性、②軍事費を 巡る財政論議の火種となる恐れ、③欧州が軍事行動を見送り政治的解決を模索した場合の米国に対す る国際世論の劣化の可能性、④G20 サミットにおける他国からの批判発言、など。 シリアの化学兵器使用そのものは正当化されない。だが、米国がもしシリア攻撃を急いだ場合、米 国の行動は必ずしも賞賛されないかもしれない。他方、だからと言って、軍事行動の遂行がうやむや になればオバマ大統領の決断力が問われる。大統領の指導力の低下もドルには不利だ。 米国と中東の地政学的な関係は高度に政治的である。オバマ大統領にとって、欧州諸国と足並みが 揃わないことは誤算だったかもしれないが、シリアを攻撃しないという選択はないのかもしれない。 米国やドル、そして自身に対する評価が芳しくない結果となっても、次元の違うところで軍事行動が オバマ大統領の中では重要なのかもしれない。来週は国連の査察結果も出て、米国の軍事行動の有無、 欧州諸国の動き、G20 サミット開催、などシリア情勢には注目すべきことが多く残っている。

(2)

US View

QE

縮小開始に決着がつくか?

シリアにおける化学兵器使用を巡り、軍事介入の可能性が浮上したことから、米国の株式相場は米 国時間月曜日午後に下落し、軟調に推移した。債券相場もシリア情勢緊迫化で週前半は利回りが低下 し、10 年債利回りは 2.70%台まで一時低下。原油先物(WTI 期近物)は 23 日の 105 ドル近辺から 28 日に 112 ドル超まで上昇した。 今週は経済指標の発表が複数あったが、シリア情勢が緊迫化し、マーケットの関心は経済指標から 少し離れた。ただ、29 日にはシリアに対する欧米諸国の軍事介入に対するスタンスが不透明になり、 一方、発表された米国の 4-6 月 GDP 改定値が前期比年率+2.5%と速報値の+1.7%から大幅に上方修正 されたため、週末にかけて株式相場は下げ止まり、債券利回りも小幅戻している。 米国は単独でもシリアに軍事介入するかもしれないが、現在、国連の査察がシリアに入っているた め、その報告を待つことになる。その場合、シリアへの攻撃は来週初となろう。だが、今回の攻撃は 化学兵器の使用に対する懲罰的な意味合いであり、政権倒壊を目指すものではないので、短時間の攻 撃で終了する見込みである。このため、来週のマーケットはシリアへの軍事介入を警戒しつつも経済 指標により重きを置くだろう。 今週発表された経済指標は強弱区々だった。コンファレンスボード消費者信頼感指数は 81.0→ 81.5 と改善、他方、耐久財受注は前月比▲7.3%の大幅減少、中古住宅販売仮契約は前月比▲1.3% とやはり減少。住宅販売の減少は金利上昇の影響がやはり出ているが、企業の設備投資にも明るい兆 しが見えない。4-6 月の GDP は+2.5%となったが 7-9 月が加速するとは思えない。消費者信頼感指数 は改善したが、内訳を見ると現状指数が 73.6→70.7、期待指数が 86.0→88.7、と足元の景況感が悪 い。先行きを悲観していないのは良いことだが、金利上昇や株下落などが心理を冷やしているのだろ うか。 来週は 3 日に製造業 ISM、5 日に非製造業 ISM、そして 6 日に雇用統計が発表される。大型の経済 指標の発表週である。製造業 ISM は前回 50.9→55.4 と大幅に改善したが、その後の地区景況感指数、 鉱工業生産、耐久財受注、と数字は冴えなかった。来週の ISM の改善は見込みにくい。 ただ来週の最大注目指標は雇用統計である。9/17-18 に FOMC を控え、いよいよ QE 縮小開始の有無

(3)

FX Outlook

材料は多い

今週はシリアを巡る緊張感が高まり、株式相場が下落、為替相場はドル円が先週末の 99 円台後、 96 円台後半まで下落した。週後半はシリア攻撃を巡って欧米各国のスタンスが揃わず、米国の軍事 行動も先送りとなった模様で、再び 98 円超へと戻した。 来週は米国がシリアへの攻撃を遂行した場合には、ドル売りを予想する。シリアへの軍事介入が世 論の支持を必ずしも得ていないため、攻撃遂行は米国あるいはオバマ大統領にとってマイナスのイメ ージを与えるリスクがあろう。ただ、これを過ぎると週末の雇用統計を睨んで、米国金利が上昇し、 ドル高となると予想する。また、株式相場はシリア情勢に対しては耐性が出来たと思われるので、攻 撃遂行で一旦下げ、すぐに買い戻しとなると考える。このため、ドル円は今週のように 96 円台まで 下落することなく、週末に向けては経済指標で上下すると予想する。 ユーロ圏では 9/5 に ECB 理事会が開催される。欧州景気に底打ち感があるため、ECB 理事会では利 下げその他の追加緩和の決定はないだろう。また、フォワード・ガイダンスについても、前回の ECB 理事会の様子から判断すると、米国や英国のような数字目処を設けた時間軸の設定は今回も恐らく見 送られるだろう。結果、ECB 理事会はユーロ相場にとって材料にならないか、もしくは金利上昇を促 すとともにユーロ高の反応、を予想する。 9/4-5 に日本でも日銀金融政策決定会合が開催されるが、これも政策変更なし。ただ、これもやは りマーケットの予想通りで、相場への影響は為替、株、債券、いずれにもないだろう。 9/5-6 にはロシア・サンクトペテルスブルクで G20 サミットが開催されるが、その際に、シリア情 勢やそれに対する軍事行動の是非を巡り、各国からトーンの異なる発言が聞こえると思われる。その こと自体で為替相場が大きく動くことはなかろうが、米国が軍事行動を遂行した場合には、それに対 する評価(批判的?)がドルの相場にも多少反映されるかもしれない(ドル売り?)。

(4)

<来週の予想ポイント> ドル/円 週末にかけて上昇 ・ シリア情勢の展開にまず注目。 ・ 週後半は米国の経済指標に注目。 ユーロ/円 横ばい ・ ECB理事会は無風。 ・ 日銀の金融政策決定会合も無風。 今週のレンジ 本日東京正午 来週の予想レンジ 今後 3 ヶ月の予想レンジ ドル/円 96.81-99.15 円 98.16 円 97.30-99.20 円 90.00-105.00 円 ユーロ/ドル 1.3219-1.3410ドル 1.3248ドル 1.3200-1.3400ドル 1.2500-1.3500ドル ユーロ/円 129.66-132.42円 130.03円 129.50-132.00円 120.00-135.00円 (今週のレンジは先週金曜日東京正午~本日東京正午、予想レンジは本日東京正午~来週金曜日東京正午)

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各種相場の動き

<債券(日本国債・10 年債利回り)> <債券(米国債・10 年債利回り)>

<株(日経平均株価)> <株(米ダウ)>

<株(上海総合指数)> <株(ドイツ DAX 指数)>

参照

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