2013年度精神医学 試験問題復元 (実施日:2014年1月8日) 問 1..正しいものを選べ (1)精神医科学的現在症の外観、表出面の観察項目としては、ⅰ)身だしなみ(服装、化粧、頭 髪、爪の手入れ)、手首、のどの傷痕、刺青、ⅱ)表情(爽快、上機嫌、抑うつ、悲哀、不安、 苦悶)、表情の減少(仮面状願望、無表情)、ⅲ)表情の硬さ、不自然さ(潜め眉、尖り口)、ⅳ) 空笑、強迫笑、強迫泣、ⅴ)態度、振る舞い(せかせかして落ち着かない、心拍的、緩慢、静 止単調、無関心、常同的、拒絶的、奇異、演技的)などを注意する。 (2)話を聞くことの意味としては、信頼関係の構築、気づきを引き出す、聞くこと自身に精 神療法的効果がある、精神的問題を的確に把握するなどである。 (3)現病歴の記述に当たっては陳述者は誰か、いつどのような時期に症状が現れたか、推定 される原因、発病の原因、誘引になる出来事、症状が現在まで続いているか、途中に寛解 期はある場合どの程度の家庭、社会生活が可能であったか、症状再燃時には誘引の有無、 症状、治療についても記載する。 (4)症状の記載に当たっては学術用語による記載だけではなく、具体的事実も記載する。 a.(1)(2) b.(1)(3) c.(1)(4) d.(2)(3) e(2)(4) f.(3)(4) g.(2)(3)(4) h.(1)~(4) 問 2.精神疾患の診断についての説明で正しいのはどれか。 a.診断分類のなかで、精神遅滞は精神疾患に含まれない。 b.米国精神医学会による診断分類である DSM-IV-TR を用いる。 c.WHO による国際疾病分類である ICD-10 を用いることはない。 d.診断に際しては、患者や家族から提供される情報は用いずに診断所見や各種検査で判断す べきである。 e.精神疾患の診断においては非操作的診断基準を用いることが多いので、誰でも同一レベル の診断が可能である。 問 4.統合失調症の疾患概念の確立に最も寄与した人物を 2 人選べ。 a.クレペリン b.ピネル c.フロイト d.プロイラー e.ユング 問 6.うつ病について正しいのはどれか。 (1)うつ病では往々にして否定的認知がみられる。 (2)うつ病の治療では通常、休養はあまり治療効果をもたない。
(3)即効性を高めるため、複数の抗うつ薬を組み合わせて使用することが推奨される (4)うつ病では基本症状として「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」を有することが多い。 (5)希死念慮のあるうつ病患者に対して自殺しない約束をさせることは、治療上意味がある。 a,(1)(2)(3) b,(1)(2)(5) c,(2)(3)(4) d,(1)(4)(5) e,(3)(4)(5) 問7.神経症性障害について正しいものを一つ選べ。 a.社交恐怖症では身体症状は起こらない。 b.パニック発作はパニック障害でしかみられない。 c.全般性不安障害では薬物療法は行われない。 d.強迫性障害は精神症状のみで診断が付くため、身体的検査は必要ない。 e.強迫性障害に対する薬物療法では抗うつ薬や非定型抗精神病薬が使用される。 問 8.正しいのはどれか。 (1)電解質異常は代表的なせん妄の直接因子である。 (2)インターフェロン治療中には幻覚妄想が頻発する。 (3)ベンゾジアゼピン系睡眠薬やヒスタミン H2 受容体拮抗薬の使用がせん妄の原因となる ことは少ない。 (4)コンサルテーション・リエゾン精神医学の対象には、身体疾患患者の精神面への対応や 合併している精神疾患の診断や治療、症状性精神障害の治療、身体処置に関連する精神医 学的評価が含まれる。 a.(1)(2) b.(1)(3) c.(1)(4) d.(2)(3) e.(2)(4) f.(3)(4) g.(2)(3)(4) h.(1)~(4)の全 て 問 9.不安障害について誤っているのはどれか a.症状、病気についての十分な説明を支持的精神療法を行う b.認知行動療法を行うことがある c.抗けいれん薬が薬物療法の第一選択である d.抗うつ薬(SSRI)が有効である e.ベンゾジアゼピン系抗不安薬が用いられる 問 10.正しいものを2つ選べ 1.解離性障害では過去の一定期間のみの記憶が失われることはない 2.身体表現性障害の身体症状のほとんどは心因性なので、身体的診察の検査の必要はない
3.PTSD では感覚や情動の鈍化が主なる症状で、過覚醒状態は認めない 4.身体表現性障害では身体症状への頑固なとらわれ、執着があり医師の合理的な説明や説得 を受け入れようとしない 5.適応障害とはストレスな状況に順応しようとする時期に起こる主観的苦悩と情動障害で ありストレス因がなければそうした状態は発生しない 問 11.統合失調症について誤っているのはどれか。 a.経過中、知能は一般には障害されない。 b.幻覚の中で最も高頻度に認められるのは幻聴である。 c.連合弛緩を認めると、会話はしばしばまとまりなく支離滅裂となる。 d.感情鈍麻は、緊張型の患者の急性期に認めることの多い症状である。 e.自身が病気であることや病状などについて、客観的に判断する能力を欠くか著しく障害 されることが多い。 問 12 統合失調症患者の初回診断で誤っているもの a,患者の同意を得て家族への説明を行う b.次回の予約をして、日時を伝え、緊急時の連絡先も伝える c.服薬や療養の必要性を伝える d.患者の不安を助長しないために、初回時は副作用についての詳細な説明は避ける e.現時点での診断や今後の見通しを伝える 問 13.統合失調症の非薬剤療法について、誤っているものを選べ a 急性期における精神療法は精神分析的精神療法が最も効果的である b 電気けいれん療法(ECT)は特に緊張型の昏迷状態において効果が高い c 同居する家族への心理教育は不適切な感情表出をへらし、再発の予防に寄与する d 医療、福祉、行政が密に連携することは患者の再発の早期発見、早期介入に役立つ e 入院患者への生活技能訓練(SST)は退院後の対人関係や社会生活の安定化に役立つ 問 14.統合失調症で認められることの多い疾患はどれか 1)貧困妄想 2)注察妄想 3)被毒妄想 4)微小妄想 5)物盗られ妄想 a)12 b)15 c)23 d)34 e)45
問 15.意識障害の指標についての説明で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a.理解力の低下 b.脳波の棘波化 c.見当識の障害 d.注意の集中の障害 e.記銘力の低下と回復後の健忘 問16.正しいもの一つ選べ a 手続き記憶は非陳述記憶に分類される b 意味記憶は非陳述記憶に分類される c エピソード記憶は非陳述記憶に分類される d 作動記憶は脳幹の機能である 問17正しいものは? 1.鬱では妄想がない 2.罪業妄想は統合失調症に特徴的 3.一次妄想は脈絡なく発生し、了解可能である 4.誤った考えや意味付けに異常な確信をもち、訂正できないものを幻覚という 5.二次妄想とは、状況・反応・性格の反応として、妄想が発生するもので、了解可能で ある 問 18.次のうち間違えているものを2つ選べ a.うつ病では認知症は生じない b.認知症の中で3番目に多いのがアルツハイマー型認知症である c.認知症の中にはパーキンソン症状のような運動障害を伴う疾患も多い d.治療可能な認知症には慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症がある e.認知症では血管型認知症が2番目に多いと言われてきたが、最近ではレビー小体型認知症 も同程度に頻度が多いと言われている 問 19.正しいのはどれか。 a.加齢に伴い神経細胞の数は増え、大型化する傾向がある。 b.虚血性変化は MRI 上 T2 強調画像の低信号として現れる。 c.アルツハイマー病患者の老人斑は小脳に高密度に分布する。 d.老人斑や神経原性変化により、神経幹細胞の分化が促進される。 e.アルツハイマー病患者の神経原性変化は海馬に高密度に分布する。
問 20.正しいものを選べ。 a.老人斑の主成分は、リン酸化タウである。 b.神経原線維変化の主成分は、アミロイドベータ蛋白である。 c.認知症を確実に一次予防できる脳トレーニング法が存在する。 d.アルツハイマー型認知症の患者は、海馬と海馬傍回の萎縮が他の部位より強い。 e.アルツハイマー型認知症の患者の脳には老人斑やレビー小体がみられるのが特徴的であ る。 問 21..認知症について正しいものを選びなさい 1.BPSD は精神症状と行動症状に分類する 2.抑散の投与で、低 k 血症の出現に注意する 3.非定型抗精神薬は精神科症状の消失を目標に最適容量が考慮される 4.非薬物療法で、強い科学的根拠があり、行うように強くすすめられるのは、回想法である。 5.興奮、攻撃性と易刺激性に対してメマンチンやコリン分解酵素阻害薬の投与が考慮される a.123 b.125 c.234 d.145 e.345 問 22 正しいものはどれか 1、ステロイド精神病は、男性に好発する 2、進行性核上麻痺に常同行動は必発である 3、せん妄は、1日のうちで重症度が変動する傾向を持つ 4、インターフェロンによる精神症状と治療前の不安、焦燥感との関連は薄い 5、甲状腺機能亢進症に三環系抗うつ薬を投与しても頻脈の出現は稀である
問 23.悪性症候群でよく見られるのはどれか
1 筋強剛
2 乳汁分泌
3 起立性低血圧
4 高血糖
5CPK高値
a.12 b.15 c.23 d.34 e.45
問 24.非定型抗精神病薬の特徴として正しいものはどれか 1.陰性症状に対しては軽減しないまでも増悪させることは少ない。 2.どの非定型抗精神病薬もその強度は定型抗精神病薬より強い。 3.定型抗精神病薬と比べて、非定型抗精神病薬使用時には錯体外路症状が出現しやすい。 4.副作用としては、体重増加(糖尿病を想起、悪化)、鎮静作用、不眠、興奮、便秘、口渇な どが報告されている。 a.1.2 b.1.3 c.1.4 d.2.3 e.2.4 f.3.4 g.2.3.4 h.1~4 全て 問 25.誤って要るものを選べ。 a,妄想型パーソナリティ障害は自責的である。 b,強迫性パーソナリティ障害は完璧主義である。 c,演技性パーソナリティ障害は自分の身体的魅力に必要以上に熱中する。 d,非社会性パーソナリティ障害は他人の感情に冷淡な無関心である。 e,不安定性パーソナリティ障害は好かれていると確信できなければ、人と関わることに乗 り気でない。 f,Cloninger の 7 因子モデルは、ディメンションモデルによるパーソナリティの分類であ る。 問 27 注意欠如(欠陥)多動性障害(ADHD)について正しいものを選びなさい。 (a)第一選択薬は,ベンゾジアゼピン系睡眠薬である (b)発症は約 1000 人に1人である (c)診断では,精神遅滞との鑑別が必須である。 (d)中学から高校での発症が多い (e)女児よりも男児に多い 問 30 障害者自立支援法について正しいものを1つ選べ a. 身体障害、知的障害、精神障害を統合した初めての法律となった。 b. 国が責任をもって「自立と共生の地域社会を実現する」ことを目的とした。 c. ハローワークはこの法律には含まれない d. 通院公費負担制度は精神保健福祉法に含まれる。 e. 障害者基本法を廃止して、この法律ができた。 問 31 精神障害者に対する偏見や誤解について正しいのはどれか 1 我が国において精神病者の私宅監置(いわゆる座敷牢)が廃止されたのは大正時代のこと である
2 精神障害者等に対する偏見、差別等の社会的烙印のことをスティグマとよぶ 3 インターネットの普及により精神障害の当事者からの情報発信が増え、偏見の軽減に寄与 している 4 近年精神科以外の医療者の啓蒙が進み、精神障害者に対する偏見や差別的扱いは激減した 5 2002 年の精神分裂病から統合失調症への呼称変更は政治主導でなされた 問 32.性同一性障害について誤っているもの(一部復元が不完全) 1 就学前から性的違和感を自覚する例もある 2 性別適合術は保険適応外である 3 現に未成年の子供がいないことは戸籍上の性別訂正要件の一つである 4 精神サポートとして、自覚性別での生活を支える 5「性同一性障害の基準?みたいなもの」では診断が確定すれば中学性での乳房切除を推奨 している 問 32.性同一性障害について誤りを 2 つ選べ(同じ問題のはずですがなぜか復元が二種類 あります) a. 精神療法によりジェンダーアイデンティティーと身体的性別を一致させる。 b. 現に未成年の子がいないことは戸籍上の性別訂正の要件の一つである。 c. 診断が確定すれば、中学生に対しても乳房切除を行う。 d. 性別適合手術は保険適応外である。 e. 就学前から性別違和感を自覚する。
問 33 (復元できませんでした)自閉症を診断させる問題。
問 34 以下の記載のうち正しいものに○、誤っているものに×を[ ]の中に記しなさい。 [ ] 摂食障害の症状と低栄養状態の関係性は少ない。 [ ] 摂食障害では心療内科や精神科が最初の受診先となることは少ない。 [ ] 神経性無食欲症において、経過中に過食が生じることは珍しい。 [ ] 不眠症のうち原発性不眠症がもっとも高頻度にみられる。 [ ] 睡眠障害で中途覚醒の訴えは高齢者で多い。[ ] 睡眠障害への対処としては起床時間にこだわらない方がよい。