NII-Electronic Library Service
小 学校
か
ら
の
継
続
的
な
デ
ザ
イ
ン
教 育
の
可
能 性
を
探
る
Possibility
ofContinuous
Design
Education
from
Elementary
School
君 島 昌 之東 京 純 心 女 子 大 学
KIMISHIMA Masayuki
Tokyo Junshin Women
’
$ College現 在
、
少 子 化の影 響を受け、
高 等 教 育機
関へ の進 学 者が減少 して い る のに も関 わ らず、
デザイ ン関係学
科の新 設も 見 ら れ る な ど、デ
ザ イン の活 動 範 囲の 広が りに伴 う社 会 的 関 心の強さ を 示 し ている。
とこ ろ が大 学 等 入 学 以 前の小 学 校・
中 学校・
高等 学 校に お け る美術
関 係の 授 業は減少 し、デ
ザ インを学ぶ学 生でも高等 学 校 時 代は芸 術 科が選 択 教科 とい うこと か ら、美術
関係の授 業を履修して いない学生も い る.
し かし、
コ ン ピュー
タ等の情 報関係の授 業は 小学
校 か ら高 等 学 校まで の体 系 化 が 図られ、
大 学 入 学 時に は一
通 りのコ ン ピュー
タ操 作はマ ス ター
で き る よ う になっ て い る。 これ ら情 報 教 育の充 実に比べ、
小学 校・
中 学 校のデ
ザ イン関 連の教 育は十 分と はいえ な い状況 で あ る。
これ は美術
関 係教
科の授業
時 間の削 減 だ けでな く、
カリキュ ラ ムの改 革で、
デ ザイ ン を 体 系 的に扱う項 目が減 少したこ と に も よる。 こ のよ うな現 状か ら美 術の授 業の中だけでデ
ザ イン教 育を 行うこと は困 難と なった。
また、
今 後の デザ イン教 育はデ ザインを作り出す 行 為 だけ で な く、使
用する 立場 (ユー
ザー
) からの教 育が社 会 全 体の デ ザイ ン の水準向
上 に寄
与す る よ う、
広い 立場か ら身 近にデ ザ インを学ぶことが必 要である。
今ま で、
デザイン教 育は主に美 術 教 育の一
領 域と して扱わ れ て き た が、
これ はデ ザ イン教 育に携わっ ている ほ と ん どの教 員が、
美 術 系の学 科ま た は学 校 でデ ザイ ン教
育を受け ていること に も よる。 こ こ で 戦 後の小・
中・
高 等 学 校に お け る美術教
育のカ リ キ ュ ラム、
授 業 時間の変 遷を た ど り、
美 術 教 育に お け るデ ザイン教 育の 実 情を検 証 する と と も に他の 関 連 教 科 との連 携の可 能 性を探り、
継 続 的なデ ザイン教 育の私 案を まと め てみ た。
現 行の カ リ キュ ラ ム につ い て は 小学 校、
中 学校 は1998
年 (平 成10
年 )、
高 等 学 校は1999
年 (平 成 11 年 ) 改 訂の学 習 指 導 要領に 沿っ て各々 の 教科の目標及 び内 容を み な が らデザイ ン 教 育 に 生 か す項 目を引き出してい き たい。
1
.
小 学 校に おけるデ
ザ イ ン関 連 教 科の流 れ戦 後 す ぐ
、
設 置 さ れ た[
図 画 工作]
、
[家
庭 ]と最 近 設 置さ れた [生 活 ]、
[総 合 的 な 学 習の時 間]か らデ
ザインに関連のあ る項 目の流れ を見て いき たい。 a.
図 画 工作 [図 画工作 ] は 戦 前の [芸 能科図 画]と [芸 能 科手 工]を統 合し て小 学 校・
中 学 校の必 修 教 科と して1947
年に新しくス ター
ト し た。 1951
年の 改 訂で は教
科 目標と して 「(1
) 個人完 成へ の助 けと して、
(2
) 社 会 人 お よ び 公民 と しての 完 成へ の 助け と し て」 の 二 項 目が 立 て ら れた。
その後 者では 「造 形 的 な 創 造 活 動、
造形品の正 しい選択
能 力、
造 形 品の使 用 能 力 などを、
家 庭 生活のた めに役 立てる ことの興 味を高 め、
技 能を発 達さ せる。」 とデザイン の観 点に立つ カ リ キュ ラ ム が考え られ ていた。
そ し て、1958
年の学 習指 導 要 領で初 めて 『デ ザイ ン』 とい う言 葉が 入 り、
その 指 導の 内 容が絵 画、
版 画、 彫 塑、 デザイン の 四 領 域となっ た。
次の1968
年の 改言∫で絵 画、
彫塑、
デ ザ イン、
工作の 四領 域と な りデ ザイ ン的な 要素が増 え た。1977 年
の改
訂ではデ ザ インな どの領 域 名がな くなり、
低 学 年に 「楽 しい造形活 動 (造形遊 び)」 の 内容が加わっ た が、
高 学 年で 「絵 や 彫 塑で表 す」 と と も に 「デ ザイ ン し て作る」 と い う項 目でデザ イン の言 葉 が 残っ た。1989
年の改訂 で中学年
ま で 『造形遊
び』 が拡 大さ れ、
全 学 年 通して 「作 りたい もの を 作る」 と指 導 内 容の領 域区分が示さ れ な く な り、
デ ザ イン の扱いが 減 少 したことがわか る。
b .
家庭[家 庭 科 ] は
1947
年に戦 前の家事科 と異な り、
男 女と も に学ぶ方
針で設 置さ れたが、
料 理、
裁 縫な ど 女子だけ に 必要な内容の代わ り に男子 に は家 庭工作 を課す な ど男女 別の カリ キュ ラ ム であった。
1951
年 に は [家 庭 ]は [音楽 ]、
[美 術 ]と と もに創 造 的 表 現 活 動を 発達さ せ る教 科と して位 置づ け ら れ、
男 女 共 通で経 験で きるよう、
家 庭生 活 を初 歩か ら学ぶ よ14 SPECIAL [SSUE OF JSSD Vol
.
12No.
220D4 デ ザ イ ン 学 研 究特 集 号NII-Electronic Library Service う に強 調さ れ た
。
そ し て、
その目標 は 「衣 食 住な ど に 関する実 践 的・
体 験 的な活 動を通し て、家
庭 生 活 へ の関心を高め る と と も に 日常 生 活に必 要 な 基 礎 的 な知 識と技 能を身に付 け、 家 庭の一
員と し て 生活を 工夫し ようとする実 践 的な態度
を育
て る。
」 と充 実 し た家
庭生活を送る た め積 極 的に取 り組 む 大 切さ を述 べ ている。
c.
生活[生 活 ]は
1989
年の改
訂で第1 ・2
学 年を対 象の [社
会ユ
及 び [理科 ]を廃 止・
統 合した教
科と し て 設 置さ れ た。
教 科の目標は 「具体 的 な 活 動や体 験を通 し て、
自分と身近 な 人々、
社 会 及び自然とのか か わ り に関 心を も ち、
自分 自身
や 自分の生活 につ い て考 え さ せ る と と も に、
その過 程におい て 生 活上必 要な 習 慣や技 能を身に付 けさせ、 自立へ の基 礎を養う。
1
そ して、 指 導 計 画の作 成と各 学 年に わ た る内容の取 り扱い の中で 「国 語、音
楽、
図 画 工作 な ど他 教 科 等 との 関連を 図 り、
指 導の効 果 を 高め る よ う にするこ と。」 と図画工作な ど他 教 科との連携
による、
ダイナ ミッ ク な展 開を期
待して い る。
d .
総 合 的な学 習の時 間[総 合 的な学
習
の 時間]は1998
年に小学 校 第3
〜6
学年、
中学 校、1999
年に高 等 学 校に設 置さ れ た。
この時 間 は 児 童・
生徒の生 き る力を はぐく むこと を 目指 す 核と な る時 間と し て位置付け られて い る。
小学校
での取 り扱い と して 「各 学 校は、
地 域 や 学 校、
児 童の実 態 等に応じ て、
横 断 的・
総合
的な学
習や児 童の興 味・
関心等に基づ く学 習 な ど創 意工 夫 を生 か した教 育 活 動を行うものとする。」先の [家 庭]、 匚
生 活 ] とともに以 前は 日常生活に おいて、家
族や近 隣 の人 から学ん で い た こ とが、
社 会 環 境の変 化 など も あ り、
先 人 か ら伝 承 される機 会 が 少な く な り、
学 校 で学 ばな け れ ばな らな く なっ たこ と を表
して い る。
e
.
図 画工作 及 び家
庭の授 業 時 間の変 遷1958
年と比べ て1998
年匚
家
庭 ユは変 化 ないが、
[図 画工作]は ほとん どの学 年で減 少し てい る。
数字は年 間の授
業
時 間を 示す。35
時 間で週 当 たり1
時
間と な る。
1947年 図 画 工作 105 家庭 1958年 図 画 工作 102 家 庭 1977年 図画工作 68 家庭 1998年 図画工作 68 家 庭 1学 年 2学 年 3学 年 4学年 5学年 6学 年 105 70 70 70 105 40〜
105 70 70 105 105 70 70 70 70 70 70 70 70 70 70 70 70 60 60 50 50 70 702
.中
学 校にお けるデ ザ イン関 連 教 科の流れ[美 術]と [技 術
・
家 庭 ]を中心 にデ
ザイ ン関 係の 項 目を み て い き た い。
a.
美術中学 校の [美 術]は
1947
年に 小学校
と同じ よ う に [図画工作 ]と し て ス ター
ト し た。
教 科 名にも示され る よ う に描画、
色、
形の他に図 案、 紙工、
木工 な ど の項目 があっ た。1958
年の 学 習 指 導 要 領改
訂で [図 画工作]は [美術 ]と教
科 名が変
更とな り芸 術 性・
創
造 性を主 体とし た表 現・
鑑 賞の教 科と な り生 産 的 技 術に関 する部
分は新
し く 設 置 さ れ た 匚技 術 ]で取 り扱
うこ と となっ た。
こ の改 訂 時に 『美 術 的デ
ザ イ ン』 とい う言 葉が初め て登 場し た。
1969
年の改訂 で は、
絵 画 及 び 彫 塑の表
現と な ら ん で 「デ ザ イン及び 工芸の製
作を通 して用 途に伴 う条 件 をも と に構 想を 練 り、
美 的にまと め る能 力 や 態 度を養い、製作
する 喜び を味あ わ せ る。
」 と具体 的な 目標を掲 げて い る。1977
年
の改訂 で は絵 画、
彫 塑、
デザ イン、
工芸の四 領 域に対して 「色・
形な ど に よ る構
成と伝 達のた め のデ
ザ インが で き る よ う にする。
用途や材 料 をも と に し て、
使う ためや飾るためのデ
ザ インを し、
工 芸 の製 作 ができる よ う に す る。
」 と よ り細か な指示 が な さ れ た。1989
年の改
訂で も 四領 域は前回 と変
わ らず、
デ
ザイン につ い て 構 成、
環境
デ ザインの構 想、
伝 達デ
ザ イン の構
想、
材 料・
用具、
工芸につ い て構 想、
計 画、
材料・
用 具と指 導のポイン ト を示している。
b
.
技 術・
家 庭1947
年には職 業 科の中の位 置科 目と して、
農、
工、
水 産、家
庭の内か ら一
科目 又 は教 科 目を学 習す るこ と と した。
1951 年には家
庭 生活・
職 業生活に望 ま し い実 践人を育 成するた め に [職 業・
家 庭]と なっ た。
そ して、1958
年の改 訂で [技術・
家 庭 ]と教 科 名 がデ ザ イ ン学 研 究特集号 SPECIALISSUEOF JSSDVo1
、
12No.
22004 15NII-Electronic Library Service 変 更になっ たが
、
そ れ に伴い、
そ れ ま で [図画工作 ] で扱わ れ て き た 生産 的 技 術に関 する分野 (木工、
金.
r
.
、
製図 など)が技
術に移 行した。 そして、
内 容を 二 分 野と して、
男子向け に 工学的内
容を中心とする[
技術
分 野 ]、
女 子 向 けには家 庭 内 容を中心 と す る [家 庭 分野]
となった。
c
.
総 合 的な学 習の時 間[総 合 的な学 習の時 間]は
1998 年
に設 置さ れ た が、
そのねらいや 課題につ い ては 先 に触れた小学 校と ほ と ん ど同じである。
d
.
選択
教科[選 択 教 科 ]は
1947 年
か ら必修
教 科と と も に設 置 さ れ、
外 国 語、 習 字、
職 業及び 自 由研究
が あっ て、
生徒
の希
望、
地域の事 情、
学 校の設 備 な どか ら、
そ の学 習 時 間を決め ること が で き た。
1951
年では外 国 語、
職 業・
家 庭、
その他の教 科ということ で、
生徒 の希 望などすべ ての教 科か ら適 切な ものを選 び 指 導 できる とい うこ と で [美術}
を教
え るこ と も可 能で ある。
その後
も若
干の変 動はあるが、
選 択教
科と し て の時 間が確保さ れ てい る。
e,
美術 及び技 術・
家 庭の 授 業時間の変 遷1947 年
か ら[美術 ]と
匚技 術
・
家 庭]の授 業 時 間 の割 合 は1
対2
となっ ている が、
時 間数は徐々に削減
さ れ、
1998
年に [美術 ]の第2 ・3
学年
は わずか 週1
時 間と なっ た。
1947年 1951年 1958年 1977年 1998年 1学 年 図 画工作 70 職 業 140 図 画工作 70〜
105 職 業・
家庭 105〜
140 美 術 70 技術・
家 庭 105 美 術 70 技 術・
家 庭 70 美 術 45 技 術・
家 庭 70 2学年 3学 年 70 70 140 140 7Q〜
105 70〜
105 105〜
140 105〜
140 35 35 105 105 70 35 70 70 35 35 70 703 .高
等 学校におけるデ ザイ ン 関 連教 科の流れ高等学 校にお ける美術教育の教 科と して [芸 術科] の [美 術 ] 及び [工 芸]が ある
。
そ し て、
[家庭科 ユ と新しく設置 さ れ た [情 報 科 ] 及び [総 合 的な学 習 の時間]での デザ イン関 連の項目 を み ていく。
16SPECIAL ISSUF
.
OF JSSD Vol.
12 No.
22004 デ ザ イ ン 学 研 究 特集 号a
.
美術・
工 芸1951
年の学 習 指 導 要 領では [芸 能科 図画 ]と [芸 能科 工作]
に分 けられて いた。
図画の内 容は絵画、
彫 刻、
図案、
色 彩、
図法・製
図、
鑑 賞と なっ て い る。
そ して、
「美 術 鑑 賞や芸 術 文 化を 主 と す る」 コー
ス、
「表現活 動を 主 とする 」 コー
ス、
「表 現活動や鑑賞
や 美術 文化 を配合
し た」 コー
ス の三コー
ス が設 定 され、
その選 択 性が提 案さ れ た。
工作の内 容は工芸、
彫 刻、
建
築、
図案、
色 彩、
図法・
製 図、
鑑 賞、
生活の美化、
工 芸 概 論とな り、
次の :三コー
ス 選 択 性 がと ら れた。 「工芸鑑賞
を 主 と し、
造形文 化を 理解 する 」 コー
ス、
「表 現 活 動を主とする」コー
ス、
及 びこれ らの 二つ を 融 合したコー
スが設 定 され た。1956
年の改 訂で [芸能
科 図画 ] 及 び [芸 能 科工作] は [芸 術 科 美 術 ] 及 び [芸 術工芸 ]に改
称さ れ た (以 後 [美 術 ] 及 び [工 芸]と称 する)。 内容は整理 さ れ、[
美術
]は絵 画、
彫刻、
美 術 概 論 の三領 域に、 [工 芸]はデザイ ン、
製 作、
工芸 概 論の三領
域に なった。
そして、
1960
年 に は小 中 学 校の学 習 指 導 要 領の大改
訂に合
わ せ て、
高 等学
校でも改 訂さ れた。 [美 術 ]の内容は表 現と鑑 賞に分け ら れ、表
現 は絵 画、
彫 刻、
デ ザ インの 三 領 域と な り、デ
ザイン と い う領域 が 加 わっ た。
[工芸 ] はデ ザイ ンの 基 礎練
習、
デ ザイ ンと製 作、
批 判・
鑑 賞の三領域となっ た。1970
年の改
訂では [美 術 ]は 絵画、
彫塑、デ
ザ イン、
鑑 賞に、
[工芸]で は構成 と 表 示、
デザイ ン と製作、
鑑賞
と理 論と なった。1978
年の改 訂では [美 術 ]の表 現 領 域が絵
画、
彫 刻、
伝 達のた めのデ
ザ インに、
[工芸 ]の表現 領 域はデ
ザイ ン の基 礎、
使用 と装飾
のた めのデザイン の 二つ と な っ た。1989
年では [美術 ]の表
現 領 域が絵 画、
彫 刻、
デ ザイ ン に、
[工 芸]の表 現 領 域が 工芸のデ ザイ ン、
工芸の製 作 と簡 素に なっ た。
b .
情報普 通 教科と して の 晴 報科]は
1999
年の学 習 指 導 要 領 改 訂か ら登 場し た教 科で ある。
その 目標は 「情 報及び 情 報技
術を活 用 するた めの 知 識と技
能の習 得 を通して、
情 報に関する 科学 的な見 方や考 え 方を養 う と と もに、
社 会の 中で情 報 及び情 報 技 術が 果 た し て い る役 割 や影 響を理 解さ せ、
情 報化 の進展に 主体 的に対応で きる能 力と態 度を 育てる。
」と なっ て いる。
N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service N そし て
、
[情報A ]、 匚
情報 B
]、
[情 報C
]の 三科 目が 設 置され た。
c
.家庭
[家 庭 科
1
は1951
年の指 導 要 領 改 訂で は家
庭科 に 属 する科 目と し て、一
般家庭、家
族、
保 育、
家 庭 経 理、食物、
被 服が設 置 され た。
当時 は家 庭 科の基 礎 と して一
般 家 庭7
単 位 を第1 ・
2
学 年で履修
す る よ う 指 導さ れ た。
下記に今ま で みてき た、
小・
中・
高 等 学 校に おけ るデ ザイン教 育に関連 ある教 科の学 習 指 導 要 領に お ける内容の変 化を年表
で 示 し た。
1947
(昭和22
) 小・
中学 校一
戦 前の [芸能 科 図画 ]と [芸 能 科 手工]を統
合
し[
図画工作]
設置 中学 校一
[選 択 教科1
設 置1951
(昭 和26
)中学校
一
職
業・家
庭]設置 高 等 学 校一
[芸 能 科 図 画 ][芸 能 科 工作]設 置1956
(昭和31
)高 等
学
校一
[芸 能 科図 画]が [芸 術 科 美 術 ]に、
[芸 能 科工作 ]が 匚芸 能 科工芸]に改 称1958
(昭和33
)小学
校
一
[
図 画 工作]に初め て 『デ ザイ ン』 の言 葉が 入る中学 校
一
[図 画工作 ユが [美術]
に改 称
、 [
職業 ・家
庭 ]が [技 術・
家 庭]に変 更1977
(昭 和52
)小学
校
一
匚
図画工作 ]の 低 学 年に 『造形遊 び』が 入 る、
内 容の領 域 名 が な くな る1989
(平成 元 )小 学 校
一
[図画工作]
の中学年
ま で『
造
形遊 び』が 入 る 小学 校一
第1 ・2
学 年の 匚社 会 ]と[理 科 ]を廃止
・統合
し た教 科 [生 活ユを 設 置1998
(平 成10
)小学 校 第
3 〜
6
学 年、
中 学校
に[
総 合 的な学習の時 間 ユ設 置小学 校
一
[図 画工作 ]の高学 年ま で 『造形遊び』 が入る1999
(平成11
)高 等 学 校
一
[総 合 的 な学 習の時 間] 設置、
[情 報 ]設置4 .小
学 校におけ るデ ザ イン関連 教 科の現 行のカリ キュ ラムa
.
図画工作
学 習 指 導 要 領で は 教 科の 目標は 「表 現 及 び 鑑
賞
の 活 動 を通し て、
つ く りだす喜
びを味
わ う よ う にする と と も に造
形的な創 造 活 動の基 礎 的 な 能 力 を 育て、
豊かな 情操を養 う。」と示して いる。各 学 年の 目標は第
1
・
2
学 年で は 「材料
を も と に し た造 形 活 動を楽
し み、
豊か な発 想をするな どして、 体 全 体の感 覚や技 能 な どを働 かせるよ う にする。」 と 楽しい造 形 活 動 (造 形 遊 び )を ね らい と して いる。
第3
・4
学 年で は 「材料
などか ら豊かな 発想を し、
手 や体 全 体を十 分に働かせ、
表し方を工夫し、
つく りだ
す 能 力、デ
ザ イン の能
力、創造
的な工作の 能 力を伸
ば すよ う にする。
」 とこ こで 『デ ザ イン』 という言 葉が出て くる。
第5 ・6
学 年では 「材 料な どの特 徴を と ら え、
想 像 力を働か せ て 主 題 の表
し方
を構 想 する と と も に、
美し さな どを考 え、
創 造 表 現の能 力、 デ ザイ ンや創 造 的 な工作の能 力を高め る よ う に す る。
」 と高 学 年で はデ
ザ イン や創造的
な 工作
の能 力を高め る よ う に なっ ている。
しか し
、
表 現の項には 全 学 年と も 『デ
ザ イン 』 と い う言 葉は入らず、
代わ り に 全学 年に 「材 料や場 所 などの特
徴を生か し て楽しい造形活 動 (造 形 遊 び) をする。」 の内容が入っ た。
そ し て、他
の項 で は 「見 たこと と、
感じ たこ と、
想像 した ことを絵や立 体に 表 した り、
つ く りたいものをつ く る。
」 とな り、
具 体 的な内 容は な く なっ た。
以 前の学習
指 導要領で は、
表
現の領 域が絵画、
彫 刻、
デ ザ インなど明 確で あっ た が、
現 行では 作 りたいものを作る と い うこ と で、
デザ イン の領域を系統 的に学ぶ こ と は難しくなっ た。b
.家
庭第
5 ・6
学 年 を対 象と し た 「家
庭」 で は、
具体 的 な 内 容と し て8
つ の内 容か ら構 成 されて い る。 そのう ちデ ザイ ン に関 連 が ある のは次の 四項 目で あ る。
衣 服につ い ては 日常 着の着用、
手入 れ及 び制
作する。
住まい につ いては身の 回 り を快 適に整え、
気 持ちの 良い住 まい方を考え る。
身の 回 りの もの の選び方や 生 活 とのか かわり を考える。
そ し て、
近隣の人々 の 生活を考え、
自 分の家 庭 生 活につ い て環 境に配慮 しデ ザ イン学 研 究 特 集 号 SPECIALISSUEOFjSSD Vol
.
12No22004 17 N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service た 工夫が で き る よ う に す る
。
衣 服、
住 宅、
道具、
環 境につ い て広く考え る こ と に よ りデ
ザイン的 思 考の 育 成に役に立つ。
c.
生活教 科の基 本 的な
視
点と し て、
自分と人や社 会 との か か わり、 自分 と 自然とのか か わ り、
自分 自身の三点
が あげられた。 そして、 指 導につ いて 具体 的な10
の視 点が 示 さ れ て い る が、デ
ザ イン に関 連がある も の と して次の四点がある。
公 共 の意識
とマナー
/ 皆 で使う ものや 場 所、
施 設を大 切に 正 し く利用。
生活 と消費
/生活に 必要な もの の購 入 や 計画的 な正 しい 使用。
情 報と交流
/様
々 な手 段に よ る適 切な情 報 を交換
し、
直 接 間 接 的に相互交 流を深め る。遊
びの工 夫 / 遊 びに使用する もの の製 作、
遊び方の 工夫に よ り楽しくすごす。
第1 ・2
学 年の 社 会と 理科を統 合し た教
科と し て設 置さ れた が、
[生 活]を通 して人 間生 活を支え るデ ザイ ン につ い て目を向 ける機 会 がで き れ ば と思 う。d
,
総 合 的な学 習の時 間小
学
校での取り扱い と し て 「各 学 校 は 、 地 域や学 校、 児 童の実 態 等に応じ て、横
断的 ・
総 合 的な学 習 や 児童の 興 味・
関 心 等に基づ く学 習 な ど創 意工夫を 生かした教
育活動を行う もの とする。」 と して、
これ らのね らい を踏ま え 「国際理解、情
報、
環 境、
福 祉・
健 康な どの横
断 的・
総 合 的な 課題 児童の興 味・
関 心に基づ く課題、
地 域や学校
の特 色に応じ た 課 題な ど につ い て 学 校の実 態に応 じた学 習活動
を行
う ものとする。
」と して い る。
こ の時 間の
一
番のね らいで あ る 『生 き る力』 を具 体 的に どのよ う に扱うか、
次のよ うな 方 針が 示 さ れ た。 「第一
にや る気 (意 欲) で あ る。
新しい事 態や環 境の変 化に も積 極 的にか かわろ う とする ア タッ ク精 神であり、
チャ レ ン ジ 精 神で ある。
第二 に 自分で考 え、
判 断して行 動できるよ うになる。
第二 に 人間は一
人で生 き ら れ ない。
よ り よ く 生 き る とい うこ と は、 他 人 とのか か わ り を大 切にする とい うことである。
」r
生 きる力』 を身に 付 け るのは、
社 会の 中で家族や 地 域の人 た ちの触れ合いか ら自ら学ぶ こと が本 来の 姿で ある。
現 在、
その体 制が崩れ て き ているの で、
学 校で学 ぶことになって い るが、
こ の時 間の ね らい 18SPECIAL ISSUEOF JSSD Vo1
、
12No.
22004 デ ザ イン学研究特 集号は自主的な行 動の育 成を 目指し てい る。 その主 旨か ら も技 術や 知
識
を学ぶ こと を 目的とするの で は な く、
自ら問題を探 し、
解 決 策を考える習 慣を身に付けて 欲しい。
そこか ら我々 の生 活を支え るデ ザ イン をじ っ く り考
え る機会
を得ることになろう。
e
.
各教 科の授 業 時 間 1学 年 2学 年 3学 年 4学 年 5学年 6学 年 図画工作 68 70 60 60 50 50 家 庭 60 60 生 活 102105 総 合 的な 学 習の時間 105 105 110 110[図画 工作 ]は学
年
を経
る に し た がっ て減 少し第5 ・6
学 年では [家 庭 ]よ り も少な く なっ た。
最 近、
設 置さ れ た [生活 ] 及び [総 合 的 な 学 習の時 間 ]は 第1 ・2
学 年と第3 〜 6
学 年に履 修す る教 科で ある が、時
間 数が [図 画一
L
:作 ]の 倍 近い時 間数
を確 保で きるの で、
これ らの 教科の ま と まっ た時 間を有 効に 生 か し、
完 成 度のある作品 に取り組み たい。
5 .
中 学校に お け るデ
ザイ ン関 連 教 科の現 行 カ リキ ュ ラム a.
美 術教 科の 目標は 「表 現 及び鑑 賞の幅 広い活 動を通 し て、 美 術の創 造 的 活 動の喜 びを
味
わい美 術を愛 好す る 心情を育て ると と も に、
感 情を豊か に し、美術
の 基 礎 的 能力 を伸
ばし、
豊か な情 操 を 養 う。」第1
学 年 の表 現で は 「デ ザイ ンや 1二芸 な ど表 現 する活 動 を通 し て、次
の ことが で きる よ う指 導 する。
形 や 色 彩、
材 料、
光 な どが も た らす性 質や感 情を理解し、機
能 的な気 持ち、
材 料 など か ら発 想し構
想を練り、
つ く り方、
意図 に応じ た材 料 や 用 具の生か し方などの 基 礎 的 技 能を身に付け、
造形感
覚を働か せ創 意工夫 し てつ く ること。
伝えたい内容や 図 や 写真・
ビデオ・
コ ン ピュー
タ等 映 像メディ ア な ど、
効 果 的で美し く 表 現し 伝達・
交 流す ること。」 中学 生で は客観
的 思 考 が 可能とい うこと もあり、
小学 校の [図 画工作 ]に 比べ る と具体的 な指 導 方 針が 示 されて いる。
そ して、
デ ザイ ン、
写真、
ビデオ、
コ ン ピュー
タ な ど現 代の 美 術界 を 反 映 する内 容となっ て い る。
しか し、
以前 よ り 授業 時 間が削 減されて いるの で、
効 果 的に授 業 N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service を展 開し ないと成果を あげるの は困難である
。
b
.
技 術・
家 庭教 科の 目標は 「必要な知 識と技 術の習 得 を通し て
、
生活と技
術とのか かわ りに つ いて理解を深め、
進ん で生 活を工夫して創 造 する能力 と実 践 的 な 態 度 を育 て る。」 と あっ て、
[技 術 分野] と [家 庭 分 野]の二 分 野に分け ら れ た。 [技術 分 野 ]の内容は 〈技
術と も のづく り〉の 二領 域と な る。
〈技
術と ものづく り〉 で は 「生活や産 業の中で技 術 が 果 た す 役 割につ い て、
技 術が生 活の向上や 産 業の 発 展に果た して い る役 割 や 技 術と環 境・
エ ネ ルギー ・
資 源との関 係につ いて 指 導 する。
製 作 品の構想
の表
示方 法や製 作 図の描 き 方を指導
する。
」、
<情 報 とコ ンピュー
タとのか か わ りや情 報モ ラ ルの必 要 性」を あげ
ている。
次に [家 庭 分 野 ]の内 容はく生活の自
立と衣 食 住 〉とく 家 庭 と家
庭生活 〉の 二領 域に分かれるが、
こ の 中で 「衣
服と社 会 生 活のか かわ り を考え、
目的に応じ た着 用 や個 性を 生 か す着
用を 工夫 する。 家族 が 住 まう空 間 と し ての住 居の機 能を知 り、
安 全で快 適な空 間環境
を整 える。」 と衣 服と住 居につ い て学
ぶ ことになって いる。
[
技術 分野]の〈 技 術と もの づ く り〉はプロダ ク ト デ ザイン、 [
家庭
分野]のく 生 活の自立と衣 食 住 〉は イ ンテ リ アデ ザ イン、
ファ ッ シ ョンデ
ザイ ン と各 領 域のデザインを考え る機
会と な ろ う。
具 体 的 な 製 品 を製 作し な く と も現 在の我々 の生 活を支え ている道 具 につ い て研 究 すること はデ
ザイ ンの基 礎を学ぶ こ と につな が る。
c
.
総 合 的 な 学 習の時 間[総 合 的 な学 習の時 間]につ いて
学
習 指 導 要 領では 小学校よ り簡 単な説 明と なって いる。 [総 合 的な学 習 の時 間]の 内 容、
名 称につ いて は各 学 校におい て適 切 に定 めるもの とする と なっ て い る の で、
全学 的に 取 り組み、
有効
に生かしたい。
d .
選 択 教 科選 択
教
科の 取り扱いにつ いて 「各学 校におい て は、
学 校や生 徒の実 態を 考慮し、
必 修 教 科 や 総 合 的な学 習の時 間などとの関 連 を 図りつつ、
選 択 教 科の授 業 時 数及び 内容を適切 に定め、
選 択 教 科の 指 導 計画 を 作 成す る もの とする。
」 と なっ て い る。
そ して、
履 修 さ せ る選 択 教 科の数 は、
第2
学 年に おいて は一
科 目 以 上、
第3
学 年に おいて は二 科目 以上と し、
生徒の 特 性 等を十 分 考 慮して、
それぞれの生徒
に適し た選 択 教 科 を履 修さ せ る と し てい る。
これ らは 学 校、
生 徒の状 況に よ り設置される教 科は異な る が、
いわ ゆ る受 験 教 科で は なく、
生徒 自身
が自
主 的にものごと を考 えることの で き る[
美 術 ]の設 置を望む。
全 員 履 修の[
美術]
の授 業 時 間は わず
か と なって し まっ たの で、
特に興 味を持
つ 生徒に はじっ く り取 り組む 体 制を整え たい。
e.
各教 科の授 業 時 間各教 科の学
年
別 授 業 時 間は次の通 りと なっ ている。
1学 年 2学 年 3学 年 美 術 45 技術・
家庭 70 総 合的な 学習の時間 70〜
100 選 択 教科 0〜
30 35 35 70 70 70〜
105 70〜
13G 50〜
85 105〜
165[
美
術 ]は第2 ・3
学 年では僅
か 週1
時間 し かな く、
十 分な カ リ キュ ラム をこな すことは困 難で ある。 む し ろ、
[技 術・
家 庭 ]に [美術 ]の倍の時 間が割
か れ て い る。
そし て、
[総合
的な学
習の時 間ユ 及び 腿 択 教 科 ]の時
間にデ ザイ ン的 な カ リキュ ラ ム を い か に 込め ること を期 待したい。6
.高等
学 校における デ ザ イン関 連 教 科の現 行の カ リキュ ラ ムa
.
美術
[美術 ]は [美 術
1
ユ、 [美 術且]、
[美術
皿]とあるが、
[美 術1
]の教 科 目標は 「美 術の幅 広い創 造 活 動を 通 し て、美的
体 験を豊かに し美術
を愛好
する心 情 を 育 て る とと もに、感性
を高め、
創 造 的 な 表 現と鑑 賞の 能 力を伸 ばす。
」 とある。
表 現と し て絵画・
彫塑、
デ ザイン、
映 像メデ
ィアの三領 域に分 けられ る が、デ
ザ インで は 「機 能の美し さや 楽し さ を考え た主 題の 生 成、
造 形 要 素の理解と創 造 的な表 現の構 想、
表 現 形 式の 選択、
色 彩、
材 料や用具の 生 か し方な どの技 能、 意 図に応じ た多
様な表 現 方 法の工 夫」 と なって い る。
次の映像
メディ アでは 「映 像メデ
ィ アの特 質 を 生 か し た心 豊か な 主 題の生 成、
視 覚 的な伝達
効果 を考え た 表 現の構 想、
色 光、
機 材 等の基 本 的な使いデザ イ ン 学 研 究 特 集 号 SPECIAL 亅SSUE OFJSSDVoLi2No
.
22004 19 N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service 方と 活用
、
意 図に応じ た表 現 方法 や編集
の 工夫」 と なっ て いる。
以 前は [美 術 ]の授 業
、
すな わ ち絵 を描 く とい う イ メー
ジ が強かった が、 現 行のカリ キュ ラ ム で は表 現の 三 領 域の中でデ
ザ インと映 像メディ ア に興 味を 持つ 生徒が増え、
教 科 内容
も次の 匚工芸]と重 複 す る部分が多い。
b
,
工 芸[工芸 ]も [工芸
1 ]、[
工 芸 且]、
[工芸皿]とある が、
[工芸1
]を 中心にみて い く。
教 科の目標は 「工芸の 幅 広い創 造活動を通して、
美 的 体 験を豊か に し 工 芸 を 愛 好 する心 情と生活 を 心豊か に するた めに工夫 す る態 度を育て る と ともに、
感 性を高
め、
創 造 的な表 現と鑑 賞の能力 を伸 ばす。
」とあ り、
表 現で は 工 芸制
作とプロ ダク ト制 作に分 け ら れ た。
工 芸 制 作では 「自然の伝 統 的な表
現のよ さを生かした制
作の 構 想、
材 料 や 用 具の活 用 と制 作 方 法の 理解、
制 作 過 程にお け る吟 味と創
意工夫」 となっ て いる。
次にプロダク ト制 作で は 「社 会 生活 や身
近な環 境 を心 豊か にする た めの創 造 的な発 想、
用途や機能、
生産 性を考えた 制 作の構 想、材
料 や 用 具の活 用 と制 作 方 法の理解、
制 作過 程にお ける吟 味と創
意 工夫」と なっ て いる。
[工 芸]は最もデザインと か かわりが強い
教
科で あ る。 むし ろデ ザイ ン と改 称し た ほ うが理 解 しやすい か も しれ ない 。 し か し、
[工芸 ]は [芸術 科 コ四科 目 の中で設置し て いる学 校が最も少 ない。
これ は匚
工 芸] の教職
免 許 取 得 者が少ない、
工芸 教 室の 設備に資 金 がか か る、
作品制
作 中に騒 音や臭いが出る な ど、
学 校に敬 遠さ れて い るよ う で あ る。
し か し、
指 導 者の 話ではいろいろ な ものづ く り に生 徒は強い興 味を持 っ て取り組んで いる とい う こ と で ある。
デ ザインの 重要 性、
ものづ く り に対する関 心の強さ を 考 え る と [工芸]の設置の増 加 を希 望 したい。
c.
情報普通教 科と して の [情 報科]に は 隋 報
A
]、
[情 報B
]及び [情 報C
]の 三科 目が ある が、
そ の う ち必 ず一
科目 を履修す ることになっ て いる。
晴 報
A
]の目標は 「コ ン ピュー
タ や情 報通信ネッ トワー
ク な どの活
用 を 通 して、
情 報を適切 に収 集・
20 SPECIAL ISSUL OF JSSD Vol
.
12No.
22004 デ ザイ ン学 研 究 特 集 号処理
・
発信す るための基 礎 的な知 識と技
能を習 得さ せ る ととも に、情
報を 主体 的に活 用 しよ う とする態度
を育て る。
」[情
報B ]
.
の 目標は 「コ ンピュー
タ に お け る情 報の 表し方や処理の仕 組み、
情 報 社 会を支 える情報技術
の役 割 や 影 響 を 理 解 させ、
問 題解
決に おい てコ ンピ ュー
タ を効 果的に活 用 するた めの科 学 的な考
え方 や 方 法 を習 得さ せ る。
」[情 報
C
]の 目標は 「情 報のディジ タ ル 化 や情 報 通 信ネッ トワー
クの特
性を 理解さ せ、
表 現やコ ミュ ニ ケー
ショ ンに おい てコ ンピュー
タ な ど を効 果 的に活 用 する能 力を養う と と も に、
情 報 化の進展 が社会
に 及 ぼす影 響を理 解さ せ、
情 報 社 会に参 加す る上で の 望ま しい態度
を育て る。
」各 科 目の指 導にあたっ て は内 容の全 体 を 通じて情 報モ ラ ルの育 成を図ると して い る
。情報
化の進 展に 伴い、
情 報 化の 「影」 の部分が顕 在 化して いるので、
その 正 しい理 解と対 処 法を身に付け る よ う促して い る。
ま た、
コ ン ピュー
タ 万能 と考え る現 代人 にコ ン ピュー
タを使用 しないほ う が良い場 合 も ある とい う こ と を気 付かせ るよ う な指 導も行う と なってい る。d
.
家庭普 通 教 科と して の [家 庭 科 ]の 目標は 「人 間の健 全 な 発 達と生活の 営み を総 合 的にと らえ
、家
族・
家 庭の意 義、
家 族・
家 庭と社 会とのか か わ り につ いて 理解さ せ る と と も に、
生活に必要 な知識
と技 術 を 習 得させ、
男 女が協 力し て家 庭 や 地 域の生 活を創 造す る能 力と実 践 的 な 態 度を育
て る。
」そして、
[家 庭 科]
は [家
庭 基礎 ]、
[家 庭 総 合 ]、
及び匚
生活 技 術 ]の うち か ら一
科 目を履 修 すること に なっ て いる。
[
家
庭 基 礎コの目標は 「人の一
生 と家 族・
福 祉、
衣 食 住、
消 費生 活 な ど に関する基 礎 的・
基 本 的な知 識 と技 術を 習得させ、
家 庭生 活の 充 実 向上 を 図 る能力 と実
践 的な態 度を育て る。
」 そ して、
主な内 容は 「家 族の食 生活、
衣 生活 及び住 生活」 である。
[
家
庭総 合]の 目標は 「人の一
生と家 族、
子 ど もの 発 達と保 育、
高 齢 者の生 活 と福 祉、
衣 食住、
消 費 生 活な どに関す る知 識と技 術を 総合 的に習 得さ せ、
生 活課題を 主 体的に解決 す る と と もに、
家庭 生活の充 実 向上 を図る能 力と実践的な態 度を 育て る。
」そ し て、
N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service 主な内 容は 「生 活の科
学
と文 化、
消 費 生活と資 源・
環境
」 である。
[生 活 技 術 ]の 目標は 「人の
一
生と家 族・
福祉、
消 費生活、
衣食住、家
庭 生 活と技 術革新
な どに関 する知識
と技 術を体 験 的に習 得さ せ、
生 活課題を主 体 的 に解 決すると と も に、
家 庭 生活の充 実 向上 を図る能 力 と実 践 的な 態 度 を育て る。
」そし て、
内容
は生活 と 技 術 とのか かわ り を考え る ということ か ら家 庭 生 活 と技 術 革新、食
生活の設 計と 調理、
衣 生 活の設 計と製
作、
住 生活の設 計とインテ リアデ
ザ インの う ち か ら二 つ ないし 三つ の項 目を履修
さ せ ること になって いる。
[家
庭科]
三科目の中では最 もデザ イン的思 考 を育 成 する科 目といえる。 e.
総 合 的な学 習の時 間[総 合 的な学
習
の時
間]
のねらいや課 題 はほぼ小学校
及 び 中学
校と同 じであるが、 高 校生 とい うこ とで 自己の在 り方 生 き方 や 進 路につ い て考
察 する こ と に なっ てい る。
f.各
教科・
科目の標準 単位 数各 教科の授 業 時 間は
次
の と お り になっ て い る。
教
科/ 科目 芸 術/ 美 術1 、
美術H 、
美 術皿 芸 術 /工芸工、
工 芸ll
、
工芸皿情報
/情報A 、
情 報B 、
情 報C
家 庭 / 家 庭基 礎家 庭総 合
、
生活技術
標 準 単位 数 各々2
各々2
各々2
2
各々4
上記の教 科の必 修 科目 は [芸 術 科]では [音 楽
1
]、
[
美
術1
]、
匚工芸1
]及び [書 道1
]の う ち か ら一
科目、
[情 報 科 ]では 匚情 報A
]、
[情報 B ]
及 び [情 報C
]の うちから一一
科 目、 [
家庭
科 ]では [家 庭 基 礎 ]、 [
家庭
総合]
及び [生 活 技 術 ユのう ち か ら一
科 目 と なっ て い る。
時 間割な どの都合
に よ り学 校によって芸 術 教 科 で [美術]
、
[工芸]を履 修でき ないケー
スも あ る。
[総 合 的 な 学 習の時 間]の授
業時
間につ い ては、
卒 業まで に105 〜
210
単位 時間 を標 準と して各 学 校に おい て適 切に配 当する ものと なっ ている。
7
.
小 学 校、
中 学 校、 高 等 学校
におけ る継 続 的 な デザ イン教
育
の シ ス テムを 考 えるこれ まで検 証し た よ うに小
・
中・
高 等 学 校に お け る美術
教科の授 業 時 間は削減
さ れ、
カリキュ ラ ムの 変 更によ りデ
ザイ ン的 分野 を学 ぶ 機 会 が 減 少し た。
特
に 小学 校では 『造 形 遊び』 が前 面に出さ れ ること によ り、
個 人 的な創 造性
や創作
意 欲の育 成に重 点 が おかれ、
客観性
を持
つ デ ザイ ンの学 習には 不 十 分と いえ る。
環 境、
資 源 やユ ニバー
サ ルデ
ザイ ン など 益々広 く袿 会に目を向 ける 必要のあるデ ザイ ンの学 習のため に は、感性、
造形力でデ ザ インを思 考 する こ とだけ で は 困難となっ て きた。 我々 の社会、
生 活 を支 えるデ ザ インを 小 学 校 時 代か ら認識
する習 慣を 身に付 ける た め に、美術
以 外の教 科 と積 極 的 な 連 携 を図らな け ればな らない。次にデ ザイン関連 教 科につ い て
、
学 習指導
要 領の 内 容に沿っ てデ
ザ イン的な視点
か らの教 育の可 能 性 の プランを考
え た。
こ こ で はデ
ザ インを学ぶ構成
要 素と し て大ま か に次の三項 目に分け た。
○ 造形感 覚一
形 態、色彩、
発 想、
○ 機 能・
構 造一
素 材 (資源 ・
ご み)、
生産、
○ 社 会・
環 境一
道 具と人 間とのか かわ り。
これらを実 際の教 科の中
に組み 入 れ て み た が、
小・
中・高等学校
に 設 置 さ れ た [総 合 的 な 学 習 の時 間]の 中にいかにデ ザ イン教 育 を 取り入れ るこ とができるか が 重 要な鍵を握ること に な ろ う。
a.
小 学 校造
形感覚
一
(図 画 工作)材 料 をも と に し て、
楽しい造 形 活 動 をする よ う に す る
。感
じ たことや 想 像し た こと などを絵や立 体に表 した り
、
つ く りたい ものをつ くっ た り するよ う にする。
社
会/
環境
一
(生 活 ) 公 共の意 識とマナx 生活と消 費
、
情 報と交 流遊
びの工夫。
機 能
・
構 造一
(家
庭)衣 服につ い ては 日常 着の着 用、
手入れ 及び制 作 する。
住 まいについ て は
身
の回りを快 適に整え
、
気持
ちの良い住 まい方 を考え る。
社
会・
環境一
(家 庭 ) 身の回りの もの の選 び方
や 生 活 とのか かわ りを考える。
近 隣の 人々 の 生活 を考え
、
自分の家
庭生活につ い て環 境を配 慮した工 夫 ができるよ う にす る
。
デザイン の総 合化
一
(総 合 的な学 習の時 間 )時 間 デザイ ン学 研 究 特 集 号 SPECIALISSUE OF JSSD Vo1,
12No.
22004 21NII-Electronic Library Service
の 特
色
を 生か し、
皆で協力 して完 成 度あ る作 品を制 作 する
。
b
,
中学校 造 形 感覚一
(美 術 )デ
ザ インや工 芸な ど表 現 する活 動 を通 して
、
形 や色彩、
材 料な ど もた らす 性 質 を 理 解 し機 能
、
材料
な ど から
構
想を練り、
作り方に応じ た 用具の生かし方な ど基
礎
的技
能を身に付 ける。
機 能・
構造一
(技 術・
家 庭 ) 技 術と もの づ く り、
生活の自立 と衣 食住。 社 会・
環 境一
(技 術・家
庭)情 報とコ ンピュー
タ、
家 庭と家庭 生活。
デ ザイ ンの 総 合 化一
(総 合 的 な 学 習の時間) 美 術の 時 間 だ けで は取り組 むこ と
の で き ない 中学生 ら しい 密 度 のある作 品の制作をする
。
c.
高 等学 校造
形感
覚一
(美 術 ) 美 的 体 験を豊か に し美 術を愛好
する 心情を育て る と と も に、
感 性を高 め
、
創 造 的な表
現 と鑑賞
の能 力を伸 ばす。
機 能・
構 造一
(工 芸) 創 造 的な発 想、 用 途や機 能、
生 産 性を考え た
制
作の構 想、
材 料 や用 具の活 用と制 作 方 法の理
解、
制 作 過程に おける吟 味と創 意工夫。社会 ・
環 境一
(情 報 ) 社 会の中
で情 報 及び情 報 技術が果た し ている役 割 や 影 響 を 理 解 さ せる。 機 能
・
構 造一
(家
庭 ) 家 庭 生 活と技 術 革 新、
衣 生活の設計と
製
作、
住生活の設 計とイン テ リア
デ
ザイン。
社 会・
環 境一
(家 庭)家
族・
家
庭の意 義、
家 族・
家庭とのかか わ りにつ いて 理
解
さ せる。
デ ザイ ンの総 合 化一
(総 合 的な学 習の時 間 ) 高 校生の能力 を 生 か し た
、
複 雑で、
完 成度の高い作品 を制 作する
。
8 .
おわり に今 回こ のテ
ー
マを取 り上 げた 理 由の一
つ は大 学の デ ザイ ン教
育 関 係 者が小 学 校・
中 学 校・
高 等 学 校の 美 術、
デ ザイ ン な どのカ リ キュ ラ ム を十 分 理 解して いない の では ないかという意 見を 耳 に し た か ら で あ る。
戦 後 間も ない 時期の学 習 指 導 要 領に比べ、
授業
時 間の削 減、
授 業 内 容の大幅
な変 化 が みら れるが、
これ らの情
況に対して大 学の対 応は鈍い。
強いて あ げれば、
コ ンピュー
タ教
育の強 化で ある。
しか し、
こ の コ ンピュー
タ 教 育も本 文で触れ た よ う に1999
年 に高等
学 校に [情 報 ] が 設 置 される と と も に 小学
校 か ら高 等 学 校ま での体 系 化が図られた。
これ らの情 報 教 育の充 実に比べ る とデ ザイ ン教 育は バ ラ バ ラで あ る。
今 後の社 会 生 活にお けるデ ザイ ン の果た す役 割を考え る と、
これ らのデ
ザイン教 育に多 くの時間 小 学 校、
中 学楓 高 等 学校に お け る 継 続 的 なデ ザイ ン教 育の システム図 22SPECIAL
ISSUE
OF
JSSD
V()L12No
.
22004 デ ザ イン学 研 究 特 集 号NII-Electronic Library Service を費 や す 必 要が あ る
。
高 度 成 長 時 代と異な り資
源や 環 境 破壊
などの問 題を目の当 たり に す る と、
デ ザイ ナー
だ けに問題 解 決の手段
を ま かすの ではな く、一
般 消 費 者も共に考えて いかな ければな らない。
その た め に は狭 義にデ ザ インを扱う美
術 系の教 科だ
けで な く、 広い 視 点か らデ
ザインを考えるプロ グラ ム に よ り大き な 理解が得られる と同 時に大きな 成 果 が 期待
できる。
今回 は私
見を避
け、
あ くまで 学 習 指 導 要 領に沿った内
容の 中で のデ ザ イン教 育の可能 性を探 っ て み た。
つ ま り現 行のカ リキュ ラ ム で直 ちに実 行 に移 すことが 可 能な案
を考え た。
そのため に も基 礎 的なデ
ザイ ン教 育を受 けて いない美 術など以外の教 科 指 導 者のため に、
体 系 的デ
ザイ ン教 育を目指 す 副 読 本を製 作し、
そ れ を参 考にしな がら各 教 科の授業
を進め れば、
必 ず 効 果 が上 が る と思、
う。
将 来 的に は これ らデ ザ イン関 連の教科を学
ぶ学 生たちに必ず
デ ザ イン の基 礎を学ぶ こと ができるよ うな カ リキュ ラ ム を提 供し て、
よりデ ザ イン の認 識を深め る よ うに し たい。 これ まで触れ て き た考
え方は 小・
中・
高 等 学 校に おける各教
科 の理念か ら外れる箇所
が あ る か もし れ な い。 そ こ で教
科ご と にデ ザイ ン教 育の可 能 性を探るので はな く、
それ ら を超えた 大所高所
か ら の 検 討が必 要と なっ て く る。
そ の た め に もぜひ 日本 デ ザ イン学会
が中
心 と なって広 く一
般の人 たち向 け のデ
ザ イン教育
の体 系 化 プログラムを ま と め た副読
本
を作 成 して欲 しいと願っている。
「総 合 的 な 学 習の時間」全 課 題 徹 底理解 中 野重 人 教 育 開 発 研 究 所 1999 小 学 校 図画工作 科 指 導の 研 究 宮脇 理 建 社 2000 デ ザイ ン学 特集 号 「デ ザイ ン教 育の新しい動 き」 通 巻33号 日本 デ ザイ ン学 会 2001 [参 考 文 献 ユ 各学習指 導要領 か ら必 要箇 所を 引 用 し た が,
煩雑にな るので,
こ こに 示すこと は省 略 した.
小 学 校 学 習指導要領 (平 成10年12月)財 務 省 印 刷 局 2001 中 学校学 習 指 導要領 (平成10年12月 ) 財 務省印 刷局 2002 高 等 学 校学習指 導 要領 (平成11年3月)財務省印刷 局 2001 小 学 校 学 習 指 導 要領解 説 図 画工作 編 日本文 教出版 1999 同 上 生活 編 日本 文 教 出 版 1999 同 上 家庭編 開 隆 堂 出版 1999 中学 校 学 習 指 導 要 領 (平 成10年12月) 解 説 美 術 編 開 隆 堂出版 1999 同 上 技 術・
家庭編 東京 書 籍 1999 高 等学校学習指 導 要領 解説 芸 術 (音楽,
美 術,
工芸,
書道)編 教育 芸術 社 1999 同 上 家庭編 開 隆 堂 出 版 1999 同 上 情報 編 開 隆堂出版 1999 新 教育大 事 典 第7巻 資料 編 細 谷俊 夫 第一
法 規出版 1990 美術科 教 育の方 法 論と 歴 史 [新訂増 補 ]金 子一
夫中央公論 美 術 出 版 2003
デ ザ イン学 研 究 特 集 号 SPECIAL 且SSUE OF JSSD Vel