Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of DesignHCD
の
手 法 化
と
実 践
一
ビ ジ
ネ
ス に
役 立
つ手法 開発
の
すす
め
AMethodology
of
HCD
and
How
to
Plactice
Based
on
Business
鱗 原 晴 彦
UROKOHARA
Haruhiko株 式 会 社
U
’
eyesDesign U
’
eyesDesign
lnc
.
1 .
啓
発 を
目的 と
した 研
究
活 動 か ら ビ ジ ネ
ス の第
一
線
へ 日 本の産 業 界 にHCD
も し くはユー
ザ ビリ ティ とい う概 念が 紹 介 さ れてか ら、
意 識の高い研 究 者 や デ ザ イ ナー
達 は、
人 間 の 本 質 を 扱 うこ の領 域 を 探 求 し、
少しでも 良 質 な 成 果 が 得られ る よう研 究 活 動 を 推 進 してき た。
デザ イン的 な 試み、
情 報 処 理 的 な取組
み、
社 会
心 理的
、
教 育
心 理 的 な考 察
な ど、
常
に多
角 的で 最先端
な研 究テー
マを掲
げてき た が、
提供
さ れる話
題 が 短 期 間 に移
り変
わっ て しま う ケー
スが多
く見受
けられ る。一
つ一
つの 成 果 を産
業 界が吸 収 し、
ビ ジ ネス に活 用でき る まで成 熟
し た手 法、
い わば
「枯
れ た 技 術 」 まで進 化
す ることは少
ない。HCD
は本 来、
産 業 界の モ ノ作り にフィー
ドバ ックされるべ き知
見と言っ て差
し支
え ない。
かつ てD
.
A
.
ノー
マ ン は、
大 学
で実 践 す る プロ トコル 分 析 をベー
ス と し たユー
ザ ビ リ ティ評 価 は冗長であ り、
企 業で行 うユー
ザ ビ リテ ィ評 価 は 大 学のそ れ に 比べて大 幅 に短 期 間 に 取 り組 むべき と して実 践 し た。
こ う し た 先 例 も 踏 ま え、
最 近 は 投 資 対 効 果 が 得 ら れるよう、
ビ ジ ネスに有 効
で安
定 し た 成果
を目指
し、
実 業
に有 用
なノウ八 ウ を 追及
す る 取組
み が強
く望
まれて いる。1990
年
代 半ば以 降、
HCD
は ビ ジ ネス に有 効で あ るこ と が実 証 さ れ始
め、
この数 年
で 開 発部
門 の中
の、
いわ ゆ る イノベー
ター
層の意
識の中に浸 透し、
HCD
の貢 献 要 素と して は、
以 下 のよ う なも のが挙 げ
られて いる。(
表
1
)
この よ う に
、
ビ ジ ネスに 直 接、
貢献
で き る 要 素 と して認 め ら れるよう になっ たの は、
HCD
が 機 能 や 性 能、
デザイ ンや 広 告、
フロ モー
ショ ン、流
通、
メ ン テナン ス、
価 格
な ど商 品 力
の諸 要
素
と同様
、
ある い は そ れ以 上の影 響
力 を持
っ よ う に なっ たこ とを意 味
し て い る。特
に 「トPhone
」 に代 表
され る 最近
の モ バ 表 1HCD
の貢 献 要 素 イ ル端 末
に 至っては、
商
品の訴 求 力
の筆
頭 にHCD
(
UI
設 計 力 )
が躍 り 出て し まっ た。
こ の現象
は紛 れも なくHCD
の経 済
活 動 への 寄与
で あ り、
だとす れ ば、
HCD
従事 者
は、
HCD
が経済
の 鉄 則であ る、
需 要と供 給の バ ラ ン ス要素
と して絡む ま で に なっ たこと を、
しっ か り と 自 覚 し な け れば
な らない。
HCD
の貫献
要 素・
売
れ続
け る・
シェ アが高
ま る・
話 題 に な る・
ファンが増
え る・
リ ピー
ター
が増
え る唄
冓
買機
会 が 増 え る・
購 買意 欲
が高
まる x ク レー
ム が 増 え る ×悪
い噂
が広
ま る x他 社へ 移行
す る2 .
ビジ ネ
ス に有
用 な 手 法
と はHCD
が ビ ジネ
ス に影 響 す
る要 素
になっ た から こそ、
マー
ケッ トか ら の要求
に対 応
で き る仕 組
み を構 築
す るこ と が必
要とな る。HCD
はま だ ま だ、
専
門性
を要 す る領 域
で あ り、
セン ス の あ る 優 秀な専
門 家の取 組 み を一
般
化 する た め の検 討が必 要で あ る。
40
年
以上
も前
に、
文 化 人 類 学 者
の川 喜
田二郎氏 が 提
唱 し たKJ
法
ほ か、
ブ
レ インス トー
ミング 法、
NM
法 な どのよ う に、
専 門 家の獲 得 し た 知 見 を一
般の ビ ジ ネス マ ンが 活 用で きる よ う、
HCD
の 手 法 も一
般 化 さ れ るべきであ る。
そのた め に は、
ビ ジ ネス価 値 に 見 合 うス ピー
ド と適 正コ ス トで実 践できる必 要 が あ り、
何
よ り も、
企 画者
、
設 計 者
、
デザイ ナー
等
、
開発
に携
わ る人
々がHCD
手 法
を獲 得
す る際
に、
自 分達
の利益
を確 信
で き るこ と が大 切であ る。
例 え ばリサー
チ 精 度の向 上、
開 発 効 率 の向
上、
評価 精 度
の向
上 な ど の成
果 と して 利 用 品質
の向
上 が担
保されるべ きで あ る。
さ ら に はHCD
の手 法を実 践 す るこ と に よ り、
自社
のみ ならず 業
界 全 体の マー
ケ ッ トの拡 大 を 予感
させ る だ け の魅 力
を 持つ こ と が きで き れ ば 普 及 速度
は 速 ま る。
HCD
の歴 史は浅く、
数々 の手 法 が 研 究 考案
さ れ て い るが、
デ ファクト
スタンダー
ド と なるよ
う な手 法
は まだ存 在
し ない。今
しばらくの間、
試 行 錯
誤が続
くと思 わ れるが、
その理由
の一
つ に 「時 代」
と いう 要 因が
あ ると思 わ れ る 。UI
を構 成
す る技 術
の 革 新ス ピー
ドは 速 く、
インフラの整 備 や サー
ビ ス設計
を 支 援で き る 手 法 は な か な か リアル タ イ ム に 構築
でき ない。
さ ら に、
「時 代」 利 用 品 質の重 要 性 を 認 め、
折
も 折、
民 主 党 政権
が初
めて試 み る事業
仕 分 けの対 象と し て指摘
さ れ た 電子政府
の事 例 (
2009
年
ll
月8
日朝
日新 聞
一
面 )
で は、 ま さ に新
しいHCD
の取 組
み の必 要性
をWeb
開発、
Sler
関係 者
に突きつけ た と い え る。
し かし
、
HCD
の手 法
は、
ま
だ、
需 要
に応
え ら れ る ほ どの供
給
力が な い。HCD
の観 点
か ら様々 な改善
は されて い る もの の、
モ ノ づ く り、
システ ム 開 発の分 野で認 め ら れる手 法に成 長 して お らず
、
シ ス テ ム 開 発スキー
ム に お け るHCD
効 果
のわ か り や40
デ ザイン学研 究 特集 号sPeciaL issue of 」apanese soclety fOrthe sciemce ofdesign
Vol
.
1e・
2 No.
ア02011Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Designす さ
、
あ るいは ビ ジ ネス ス ピー
ドに 見 合 う 効 率 性、一
般エ ンジ ニアに も 習 得 可 能 な 再 現 性 と、
従 来の 工数 と 比 較 し た 際の コ ス トの適 正 さ を 実証
して いか な け れ ば な ら ない。
これ ら を解 説
で きて初め て、
ビ ジ ネス に有用な 価 値と し て 見 え て く る。
3
.
実 践 例
ビ ジ ネス に フ ィ
ー
ド バッ ク し や す い よ う筆 者
ら はHCD
プロ セ スを 【
分 け
る】 【
調
べ る】 【
企 画 す
る】 【
設 計 す
る】 【
作
る1
【
確
か め る】
と い う6
つ の開 発フェー
ズに分
け、
そ れ ぞ れ に オ リジ
ナ ル の 手法 (
人モ ノ尺度
、
シナ リ オ共 感 度
調査
、
XB
法
、
ユー
ザ視 点フ ロー
図、
UCD
プ ロ ト タ イ ピング、
NEM
)
を考 案
し、
開 発 現場
で成
果 を挙 げ
て い る。本稿
では2
つのオ リ ジナ ル 手 法 の 概 要 を 紹 介 す る。
【
分 け
る】 人
モ ノ尺 度
〜
実 務
か ら考 案
され 公 的
な研 究機 関
で も活 用
され
る人
モ ノ尺 度
〜
日
本
にお けるマー
ケ ッ テ ィン グ市 場
は1
,
600
簿
円〜
1
,
800
億
円であ り、
殆ど の業 界、
企 業に お いて何ら か のユー
ザ調査 が実施
さ れて い る。
特
に商 品 開 発
におけ
るユー
ザ 調 査
デー
タ
が、
売
れ 行 き に与
え る 影 響 は 大 き く多様
な 調査
が 試 み ら れてきた。 し か し な が ら、
日々の暮らし は 変 化 し、
ユー
ザの意 識 も 変 化 す る た め に、
価 値 観 の多様
化 を リ ア ル タ イ ム に把
握 す ること は で き ない。
商 品 や サー
ビス企 画の段 階で、
顧 客の 「タ イ プ 」 や 「グ ルー
プ」を、
ど う見
極 め るべ き か が 常 に 議 論の的 と な る。
従 来 の年 代
や性
別 な ど(
デ モグラ フィ ックデー
タ)
に よる括 り方で は、
それらを正 しく知る ことは難しく 調 査 結 果 は 役に立 た ない こと が多
い。例
え ばひ と口に 「20
代
の女 性
ユー
ザ」 と言
っ て も、
モ ノやサー
ビス と の関わ り方
は様
々 で あ り、
30
代
男性
で も女 性 向
け キャラ クタ
ー
が 好
き、
と い うユー
ザ
もいる。通 常のユ
ー
ザ 属性
は、
性
別、
年 齢
、
収
入、
居住 地 域
な どで セ グ メン トされ、
ま た、
ラ イフス タ イ ルで分 類 す る場合
で も、
新
し い モ ノに 興 味 を 持っ傾 向 な どといっ た 表 面 的 な 変 数で の グ ルー
ピング が一
般
的であ る。
し か し、
本稿
で紹 介 す る 「人 とモ ノと の関 わ り方 尺 度(
以 下 通 称の人モノ 尺 度 と略 す )」 を 用いること で、
商 品 とユー
ザの関 わ り方の違いに よる新 しい ユー
ザ 属 性の 分 類 が 可 能 と なる。
具 体 的 に は 概 ね10
数 問の代 表 質 問 に 答 え る だ けで累 積 寄 与 率40
%〜
50
% とい う、
ヒュー
マ ン ファク ター
の分 析
と しては従 来
に ない高
い確 率
で夕一
ゲットを特
定でき る よ う になっ た。 回答 者
の当
て は まり度
も実
に8
割
を 達 成し ている。筆 者
ら が実
施 するユー
ザ ビリ ティ評価 活
動で は、
ユー
ザ リ ク ルー
ティ ング
に対
し常
に高
い精度 が
要求 さ れ
る ため、
これ
まで 収 集し た多 くの利 用 状 況 情 報か ら、
従 来の括り方で は見えて こ な かっ た 新 た なユー
ザ タ イ プ を 見 出 すことができ た。 人モ ノ尺度
は、
各
ユー
ザ グ ルー
プ に 対 して実 際 的 かつ効 果 的 な 施 策 を 打 つ ことが 可 能 なユー
ザ セ グメ ン ト手 法 ということができる。 自社 製 品 や サー
ビスを 支 持し て い る の はど ん なユー
ザで、
ど ん な使
い方
・
接
し方
をしてい る のか、
ユー
ザ
は日常 生活
の中
で、
いつ、
どの よ う な状況で、
ど ん な気
持ちで、
ど う や っ て操 作を する のか。
ど ん なモ ノや
サー
ビスを求
め て いるのか、
ど んな
不満
を抱
い て いるのか。 ター
ゲ
ットユー
ザ
の生
活意
識 や 利 用 状 況 を よ り詳 細に調べ、
開 発 者 やデザ イナー
が思いも よらなかっ た真
のユー
ザ
の姿
を、
様
々 な統 計 手 法
を 駆使
して 明 ら か に で き る。 さ ら に最 近では、
技 術 的に も機 能 的に も差 異が少 な く なっ て き た 製 品 を よ り魅 力 あ る商
品 に 仕 立てる 手 段 と して、
感 性 品 質 とい うキー
ワー
ドが注 目されて いる。一
方で、
感 性と は非 常に主観 的
な もの であ り、
これ をいか に 科 学 的 に 捉 え、
どのよ う に 製 品 に 落 と し込 むのか が 重 要 な テー
マ となっ ている。
例 え ば、
何 と な く 「好み 」 の デザ イン、
「心 地 よい 」操 作 感、
「かっ こ い い」色 や形
、
「欲
し い」…
言 葉
で そ の理由
を説
明す
る の は難
し いため、
従 来
の ア ン ケー
ト や イ ンタ ビュー
で は、
あ い ま い な情 報
し か得
られな
い。 ユー
ザ
の感 覚
の仕 組
み を 明ら か に し、
好
まれるポ
イ ン ト を適 宜 取 り 入 れることで、
製 品の デザ イン および使
い心 地
に お け る感 性
品質
は向 上
す る。
その た め に も重
要 と な るのが 「誰 が 」 とい うユー
ザセグ メン テー
ショ ンであ る。
調 査の進 め 方と して は、
使 わ れ 方 や 心 理 的 背 景 な ど を 網 羅 的 に 抽 出 し た 質 問 項 目 を 作 成Web
や 郵 送 に よ る アンケー
ト を通 じてユー
ザ か ら 回 答 を 得 る ユー
ザ 属 性 を 分 類 す る た めの 重 要 な 質 問 項 目 を抽
出質
問 項 目のデー
タ よ り、
ユー
ザ セ グ メ ン トを 分類
し、
そ の傾
向 を 把 握、
結 果
、
少
量の質 問
項目
の み に よる定 量 的ユー
ザ 属 性の判 定 を可能に した。
人
モ ノ尺 度
は、
人
の 「レ ッテ ル」 では な く 「利 用
シー
ン」 で捉
え るユー
ザセグメ ン ト手 法 (
図1
)
と なっ て い る。
人モ ノ尺度
で でき るこ と、
わかるこ とは、
商
品と の関 わ り方
か らユー
ザ
のタ イプ(
図2
)
を 明ら かにでき るこ と であ り、
その成 果と し て商
品 開 発 に 活 か せ る事
は、
ユー
ザ タ イ プ に応
じ た商
品 ラ イン ナッ プ を 明 確 に 設 定でき る、
夕一
ゲッ トユー
ザ に 向 け 的 確 な 商 図1
・・テ ル で・ え るL.
.
環
1
三
纓 肇
、
、[
il
嚢
灘
贈
コ
\’
s−一
.
.
.
.
.
.
.
_
_
… 〆 け て い るく
一
_
コ
人モ ノ尺度の特徴 サ イコグ ラフ ィック変 数 ビヘ
ィビァル変数 コンテ クスト変 数黼
驚
1
讐∵ ∵
膿
Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design驚
幅”
圏
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ド ごお
へ
教
〆儡
・
瑚鑑
些
円
耄 鑵哺
霎 叭 ℃ ノ尺 匿に ‘ 蝨
.
.
1一
サ セ グメ ン トチ 7一
ト} デ ジ タ ル カ メ ラの ユー
ザ セ グメントチャー
ト ー ブリ期 ツコ
nv4eイ
フ ー シ暫 ツタ冒
押す矧 幺 その抽の行 測ここだ「⊃
り筋いタイプ ー 鳳 ■恥目鬨樋盻だ が、
カ メラ の鍔 匹、撮f口匸
不 償 れ ば タ イ フ9 !EMI“」=maL 厚 騒E− Lt鯨めaves イ フ
図
2
人モ ノ 尺度の 分 類 品コ ンセ プ ト を構 築で き る、
個
々 のユー
ザ タ イプの市 場
規模
を 把 握でき る、
ユー
ザ
タ イプ 別
に調査 対 象者
の選定
ができるな
ど の 効 果が あ り、
よ り計 画 的で精度
の高いユー
ザ調 査・
評 価を可能
に し、
定 点 観 測
に よ り商 品
とユー
ザ
の 関 わ り方
の動 向 を 測
る 事 も 可 能となる だけでなく、
将 来の ニー
ズ・
ウ ォ ンツ の予 測 まで取 り組 めるよ う に なっ てい る。
この様 子 は2009North
American
Society
for
Sport
Management
Conference
(
NASSM
2009
)
にて独 立 行 政 法 人 産 業 総 合 技 術 研 究 所 と 株 式 会 社U
’
eyesDesign
との共
同研 究
に て 示さ れて い る。【
確 か
め る】
NEM
:Novice
Expert
ratioMethod
〜
実 務
か ら
考 案
さ れ中 央 行政
で も活用
さ れるNEM
〜
設計 者
と初 心 者
・
一
般
ユー
ザの操 作 時 間 (
atimeforthe
op−
eration
)
の比 か ら両者
の 操作
モデ ル を 比較
し、
定 量的
に 問 題点
を 発 見 す るユー
ザビリティ評 価 手 法。
Norman,
D .
A.
(
ノー
マ ン)
のThree
Aspects
Model
(
図3
)
か ら操 作 性の問 題 点 は 設 計 者とユ
ー
ザが描 くモデルの不一
致に よ り発生
す る こ と が 広 く 知 ら れ て お り、
こ の モ デ ルギ
ャッ プ が 大 きい操
作 個 所 ほ ど、
各
々の操 作 時 間の比 も高
く な る傾
向 を活
用し た も の。操 作
モ デ ル のギ
ャ ッフ を ビ ジュ ア ル化
す る こ と で 問 題個 所 を
明 示 す るこ とが でき
る。設 計
者
の操 作 時 間を1
と し た と き に一
般
ユー
ザの操 作 時 間が 何 倍 に な る か を グ ラフ (図4
)
で表 し、
こ の 値 を 「NE
比 」 と して問 題 箇 所か否 かの判 定 基 準 を 設 け る。
標準
的 な 操 作 系の 場 合 はNE
比 が4
.
5
倍
を 超 え ると重
大 な 問 題 が 潜 んで い る と判 定 してよい。
自 動 車の運 転操
作 系 に お け るNE
比 は2
倍 未 満 に抑
える こと を 推 奨 して い る。
NE
比の高い操 作個
所 は 設 計 者 が ユー
ザの意識
を 理解
す れ ば改 善 可能
な箇 所
であ り、
必 ずしも全 面 的な シ ス テ ム改 修
や デー
タベー
ス の見直
し な ど の大き な改善
工数
を必 要
としない。改善
項 目 が多数 あ
る場 合
にはそ のプライ オ リ テ ィ を判 断
す る こ と もでき る。 ま た、
操 作 効 率の測 定な ど と異 な り、
シ ステ ムの処
理 時 間の差
異 を気
に す るこ と な く設計
42
デザイン学研 究 特集 号special Issue ef 」apa冂ese society fOrthe scFence et design
Vo鑒
『
18−
2 No、
70 2011曳
ユー
ザ の もつ モ デ ル ユー
ザ シ ス テ 厶 シ ス テ ム イ メー
ジ彡
図
3
D.
A.
Norman {1986)Three
aspects of menta [ modelτi
鵬
る 衣の
ボ鋤が・
Dl 融 ないII
E奪瀚 意嚠E
旨
..
1
.
ロ
・
骸 緯1
呻斜
.
…i…
…
初 心 者釦
一
般ユー
ザ聞
(Novi。e)no n
哺
設計者紛
熟 練ユー
ザ銅
(Ex閃rの 1。
o 倍串
沁
b 5
コ
口 1.
Ii
.
.
1 21
2 1 11.
i
飄
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ヨ
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.
:
1
内鯉1齟 マる.
1
.
1.
ヨ IPn 1.
; I E ← 1辮
?
ξ
1↓
i↓
i
:
…
憮 獅
…
目
∴ 孟 副
.
図4 NEM の概 念 1 2 3 4 5 6 7 B 9 1q 11 12 13 14 .鵯
ゴ 蝋悸 m冨
圏
ス 予ッ
ブ者
とユー
ザ間
の モ デ ル の違いを浮
き彫
りに できる。ユ
ー
ザ ビリ ティが、
よ り多
く の一
般 設計者
の 理解を得
る た め には、
操 作 性
の優 劣
が客観 的
に数値 情 報
で提 示
され
る仕 組
み が重
要であ り、
日常的
に開
発 プロ セ スに導
入 す る に は、
短 時 間 に リア ルタ イム に問 題 点を把 握でき るとよい。
NEM
はこ の 点で 適 し ている が、
あ く までも 問 題 が 発 生 す る 箇 所 を特
定 しギ
ャ ッ プの大 きさを 示 す 手 法であ り、
問 題 点の 原 因 まで は 抽 出でき な い。NEM
は 設 計 者 が 関与
で き る よ う 明 解 な 設 計 目 標 を 提 示 す る た め に 開 発 さ れ、
日
米の特 許
を取 得
。国 内
の みな ら ず北 米
ユー
ザの自
動 車コク ピッ ト に お け る利 用 品 質の検 討に活 用 さ れ た実績
を持
つ。
NEM
に はユー
ザ ビリテ ィ の専 門 家で は な く一
般エ ン ジニア や 品質
保 証 部 門で も 活 用で き る よ う 「GAPFINDER
」 (図5
) とい う ツー
ル が 提 供 さ れて い る。
分 析 目 的 に よっ て操作
ス テ ッ プの 区 切 り 方 を 自 由 に 変 え るこ と ができ、
ま た 初 心 者ユー
ザの被
験 者 属 性 を年齢
、
性
別、
スキ ル レベルな ど に 分 けて そ の違
い を 分 析 する こと もできる。
本
手 法 が 生 まれ
た経 緯
を簡 潔
に紹 介
す る。 同じ機 能
を有
す る機 械
の使
い勝
手の差 分を抽
出す る こ と が目標と な ったユー
ザビ リ ティ評価 業務
の分析
過程
に お い て、
明 ら か に操
作性
の優 劣 に 差 分が出た操 作 タス クが あっ た。
しか し、
その差 分 を 明 快 に 示 す 基準 が
見つ か ら ない。
し か し、
明 ら か にそ こに 差 分 が ある。
_ _紐
Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design一 獻 羝覊ntt
tU 氈盤 ’灘鋤
”
…刪
創
泛
図 5 GAPFINDER 何 が そこに 隠 れてい るのか、
を 従 来の 常 識 に 捉 わ れ ることな く 地 道 に 分 析 を 続 け た。
当 時、
時 間 の 測 定 はマシンの処
理 時 間、
ネッ トワー
クの通 信 時 間 な ど が 加 算 さ れ 純 粋 な 操 作 時 間 を 抽 出 する こと ができ ない と して多
くの研 究 者 か ら否 定 さ れ た もの であ
る。担 当者
の粘 り
もあ り
、
本 実験 結 果
を基
に共 同研 究 者
の黒
須正明 氏に よっ て本
手 法の 理論
は構 築
さ れ た。 国際
学 会な どで の高
い評価
を 獲 得した後
、
自
動車
コク
ピッ ト内
、
携帯 電 話
、
デ ジタル カ メ ラ、
自 治 体Web
サイ ト等
の操
作性 検
証に活 用され、
電 子政 府
のた めのユー
ザ
ビ リ ティガ
イ ド ラ イ ン内
でも有 効 な 手
法と して 紹 介 さ れて い る。
NEM
は誰も が理 解しやす い シンプ ルな
モデ ルが
、
その強
みであ
り、
インデ ィア ナ大 学 (
lndiana
University
)の修士論 文内
で も、
そ の効
果が 立証さ れ る な ど国 際的
な 認知
も高
まっ て い る。
4 .
手 法化
の す す め前
述 し た よ う にHCD
は 歴 史 も浅
く、
ビ ジ ネス上の本 格 的 な 成 長 は こ れ か ら であり優
秀 な 人材
の流入 も 少 ない。
歴史の長い他 の設計
要素
と比較
す れ ば、
HCD
の領 域
で新
たに手 法
を考 案
する チャンス は多
々 あ る も の と 思 わ れ る。
ま た、
数式
で導
か れ る よ う な 類のもの という よ りは専 門 的に取 り組 みかつ実 績 を上 げた、
自 分の成 功 体 験 をいか に して部 下へ 伝 え る か、
継 続 的 に 同 じよ う な 成 功 を 確 実 に 体 験 させる に は、
どのよ う な 手 順 を 踏 ませるか、
と い っ た観 点で手 法 化 す ること を 是 非、
実
践 していた だ きた い。 ユー
ザビリテ ィやHCD
の 各 種セ ミ ナー
で紹 介 さ れて い る一
般 的 な 手 法 に と ど ま ること な く、
各 企 業、
各 事
業 部で抱
え る事
情 を 解 決 するだ けでも、
他の企 業 にとっ て有 効 な 手 法と映 る 可 能 性 は あ り、
堂 々 と 手 法 と して提 唱いただ
き たい。
その際
に 大 切 なことの一
つに ネー
ミング が ある。
自 社の活 動 を 広 く告 知 す る た め に も自分達の活 動を名 付け て、
そ の価 値 感を育て て い た だき
たい。 も ちろん、
そ こ に明 解 な
オ リ ジ ナ リテ ィが備
わる こ と が 理想 的な ので、
日々 の仕 事
に追わ れ る中
で も可能
な限 り論
文 な どによ る 告知
活動
を行
うとよい。
多
く の手 法
がお 互い に切
磋 琢磨
して、
エンジニア リングの一
員
と して認 め ら れ る 領 域 に まで成 長 する こと を願
っ て いる。
手 法 はそ
れ 自体
の価値
と は別
に、
供 給 す
るタ
イ ミング という 課 題 も 抱え て い る。一
定期
間に 認 め ら れ る こ とがな く て も、
提唱 者
に確
かな信 念
があ
れば
、
必 ず 時代 が 必
要 と す る時
期 が 訪 れ る も の で あ る。
も ち ろ ん、
手 法は享 受
す る側 が ビ ジ ネスで 運 用 できて初
め て価 値
が発 揮
さ れるものなの で、
市場
へ の提供
を前
提と し た取 組み が今 後
、
最も期待
さ れ るこ と と な る。【
参 考 文献 】
T
) 設 計 者
と初 心 者
ユー
ザ
の操 作 時
間 比較
によ
るユー
ザ
ビ リ ティ評 価 手 法 鱗 原 晴 彦、
古 田一
義、
田 中 健一、
黒 須 正明
、
1999
、
ヒュー
マ ンインタフェー
スシンポ
ジ ウ ム’
99
2
)
NEM
:Novice
Expert
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Evaluation