第3章
戦
略
戦略1
海外の活力を取り込む
アジアの発展を大きなビジネスチャンスとして捉え、アジアの成長を本県に 取り込み、ともに発展していくことが重要です。また、近年、日本文化や和食 人気が高まっている欧米など、アジア以外の地域も魅力ある市場となっていま す。 そのため、国際競争力の高いグローバルな視点を持ったものづくり産業の拠 点確立と海外市場開拓を図るとともに、海外リスクも考慮しつつ、県産品の販 路拡大や、最近急激に伸びている訪日客を本県への誘客に繋げる国際観光の振 興に取り組みます。 (1)一体的な海外プロモーションの展開 (国際政策課、観光・地域振興課、工業振興課、 産業集積推進室、商業・サービス業振興課、 おおいたブランド推進課) (現状と課題) 本県が誇る日本一の温泉、豊かな食、農林水産物、加工品に加え、天然自然、 地域資源など多様な情報は、単独では伝わりにくいことから、県産品の輸出、訪 日客の誘致など各種団体が連携して商談会を開催するなど、一体的・効果的に情 報発信を行う必要があります。 平成平23年からは、日本食マーケットとして急増している香港において、県産 品と観光が一体となったプロモーションを実施し、また、平成25年と26年には、 タイ・バンコクにおいてプロモーションを行い、一定の成果をあげています。 (今後の方針) ○県産品の輸出拡大や外国人観光客の誘致等を図るため、農林水産物、加工品、 観光等を一体的に情報発信するプロモーションをターゲット国・地域で行い ます。平成27年には台湾・台北市で一体的なプロモーションを実施します。 ○香港においては、和食チェーン店(別府集団)と連携して、大分県のアンテ ナショップとして本県の食と観光の魅力発信を行います。 ○平成27年2月に設置した県産品海外販売促進本部会議の活用により、農林水 産物、加工品を一体的に売り込みます。また、貿易に精通した商社職員を「大 分県貿易アドバイザー」に委嘱し、商社との連携を強化します。 ○中国上海に設置している海外事務所を通じて、海外情報の収集や県内企業の 海外展開のサポート等を行います。 ○海外に拠点を持つジェトロなどとの連携や現地キーマン、海外の大分県人会 やOBも含めた留学生等とのネットワークを活用し、県内企業の海外展開を 支援します。 <トピックス> <タイ(バンコク)における食と観光のプロモーション>(2)グローバルなものづくり産業の拠点づくりと海外展開支援 (工業振興課、商業・サービス業振興課、産業集積推進室、観光・地域振興課) (現状と課題) 国内需要が伸び悩む反面、富裕層の増大とともに中国をはじめとするアジアの 新興国、開発途上国の市場が大きく広がってきています。 このようなアジアの市場を取り込むため、企業には技術力の高い製品と価格競 争力、迅速な市場展開等の国際競争力強化が求められていますが、中小企業はグ ローバル人材が不足しており、海外市場と直接結びつきを強めるためのネットワ ークづくりが必要になっています。また、海外展開を予定している企業は、高い 品質・技術力の製品を日頃から開発するなど、低価格競争を回避する取組も重要 となっています。 企業の中には、積極的に海外展開を行っている事例もありますが、不慣れな当 該国の法令や市場動向、通関実務、ビジネスパートナーとの契約事務等により、 海外市場へ踏み出すことに躊躇する企業が多いのも実情です。 このような状況から、まずは、海外展開を希望している企業に対して、各国の 現状や見本市出展・商談機会、相手国の支援機関等の情報提供を行うことが必要 となっています。 医療機器産業では、東九州メディカルバレー構想に基づき、宮崎県と連携して タイをはじめASEAN諸国に対し、国内の透析機器やその運用を含めたシステ ムをパッケージで展開するため、現地医療関係者に対する啓発と実際に運用する 技術者育成が課題となっています。 また、リハビリ用ロボットスーツを活用したヘルスツーリズムの取組も始まっ ています。 さらに、半導体産業では、中国、韓国、台湾などアジアを中心に成長が進む一 方で、国内市場は縮小傾向にあり、県内においても大手進出事業所の撤退が表明 されるなど半導体製造メーカー各社の構造改革が進められています。 こうした市場の変化に対応し、これまで培ってきた技術力を活かし、アジアを 中心に製造装置や検査装置等半導体関連の製品や技術のさらなる販路拡大に取り 組んでいく必要があります。 (今後の方針) ○県内製造業等に対して、海外市場の同行調査や製品開発から販路開拓まで、 各段階の情報の収集、人材育成、金融・知的財産面等での課題解決に向けて (一社)大分県工業連合会、(独)日本貿易振興機構(以下「ジェトロ」と いう。)、(公財)大分県産業創造機構(以下「産業創造機構」という。)等 の関係機関とも連携しながら、支援策を展開します。 ○海外の市場ニーズに応じた製品づくりを支援します。 ○県内半導体関連産業について、台湾の企業団体(台湾電子設備協会)等と連 携し、台湾や巨大市場である中国(上海集積回路産業協会)での商談会の開 催等により販路拡大を目指します。 ○地熱・小水力発電など本県の強みを活かした再生可能エネルギー製品の海外 展開を支援します。 ○医療機器の販路拡大を図るため、タイ国立病院、大学附属病院へ日本式透析 医療システムの導入を進めるとともに、タイをはじめ周辺のASEAN諸国 の医療技術者に対する普及啓発を行います。 ○温泉資源に恵まれた本県は、健康増進や疾病予防を図るヘルスツーリズムに 適しており、温泉に療養や健康、美容等の要素を絡めて、観光地としての磨 きをかけていきます。 〇リハビリ用ロボットスーツを組み込んだ旅行も、本県の特色ある取組として 紹介していきます。 ○県内食品加工企業が取り組むハラル食品開発に対して、関係機関と連携し、 セミナーの開催や専門家のアドバイスなどの支援を行います。
(3)サービス産業の海外展開支援(商業・サービス業振興課) (現状と課題) 平成25年12月、「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産 に登録されました。和食をはじめ日本の農林水産物や食品に限らず、日本式のき め細かなサービスは海外でも人気が高まっており、アジアを中心に我が国の飲食、 小売等のサービス産業の海外展開が進んでいます。 一方、県内のサービス関連企業も海外に進出はしているものの、まだその数は 少ない状況です。 サービス産業の海外進出に当たっては、現地の市場調査を十分に実施した上で、 進出の可否及び進出地域を判断する必要があることから、ジェトロ等と連携した 支援が重要です。 (県内サービス産業の海外展開例) 寿司めいじん(上海、武漢)、KARAAGE KING(上海)、臼杵運送(上海)、 ベルクール(武漢)、ネオレゴ(武漢)、楓(ベトナム) (今後の方針) ○海外展開支援に関して平成26年2月にMOUを締結したジェトロとの連携等 により、海外ビジネスセミナーの開催、ミッション派遣、見本市等への出展 等を通してサービス産業の海外展開を積極的に支援します。 (4)農林水産物の輸出強化 (おおいたブランド推進課、畜産振興課、林産振興室、漁業管理課) 【農林水産物等の輸出をとりまく環境】 ・東南アジアなどにおける富裕層・中間層の増加による消費市場の拡大等、海外 には美味しさや安全・安心などの付加価値の高い商品を販売するチャンスが広 がっています。 ・「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、日本の食文化や農 林水産物はEUやアメリカなど世界の各国から注目されています。 ・国内マーケットでは、人口減少による市場規模の縮小や多国間貿易交渉の影響 により安い外国産農林水産物の増加が懸念されており、海外マーケットを視野 に入れて農林水産業の振興を図る必要があります。 ・畜産・水産物の輸出については、米国やEUなどから求められる衛生基準が高 いため、国際的な衛生管理手法(HACCP)による規制対応等が必要です。 【輸出促進に向けた具体的な取り組み】 ・生産者、流通関係者、行政で組織する「ブランドおおいた輸出促進協議会」が 中心となり、平成26年度に認定した大分県貿易アドバイザーやジェトロ、ノウ ハウ・人脈を有する商社との連携や物流ネットワークの活用により、輸出の拡 大を進めます。 ・日田梨など既に海外でブランド化されている商品の強みを活かした県産品プロ モーションやオール九州、オールジャパンで行う商談会等を活用した販路開拓 を行います。 ・輸出にチャレンジする生産者・生産団体を育成します。 ・外国人観光客や留学生などへの「おおいたの魅力(味力)」の発信による県産 食材のファン拡大に努めます。 ①農産物 (現状と課題) 日田梨は中秋節、春節を中心に贈答用として台湾、香港、シンガポールに輸出 しています。今後、周年供給していくためには、貯蔵庫の整備と販路の拡大が必 要です。 高糖度甘しょ(甘太くん)は、香港、シンガポール、タイで焼き芋用として好評 を得ていますが、輸送適温が他の農産物より高く、同一コンテナに混載して輸送 すると低温障害により品質が低下する場合があることから、ロットを確保しコン
テナに満載する必要があります。 また、新規輸出品目の販路開拓のため、海外マーケットの調査、試験販売が必 要です。 (今後の方針) ○日田梨については、中秋節、春節の贈答用需要が定着している台湾、香港を 中心に輸出拡大を図るとともに香港、シンガポールの富裕層をターゲットに 販路開拓に取り組みます。 ○高糖度甘しょ(甘太くん)は、既存取扱い量販店における取扱店舗の拡大を図 ることにより輸出ロットを拡大します。 ○柑橘は植物検疫上の規制が少ない香港、シンガポールについて嗜好性を考慮 しながら糖度の高いハウスミカン等を選定し、輸出を促進します。 ○米などの新規輸出品目については、東アジア諸国のマーケット調査、試験販 売により販路の新規開拓を目指します。 ○輸出相手国の市場調査、販路開拓、プロモーションの実施等を行う販路開拓 調査員を設置し、輸出の拡大を図ります。 ②畜産物 (現状と課題) 畜産物については、検疫などのハードルがあり、輸出相手国が限定されていま す。 牛肉については、県内の食肉処理施設がタイ、マカオ向けの輸出認定施設とな ったことを契機に輸出量が順調に伸びていますが、今後さらなる販路の拡大に向 け、幅広い国や地域に向けて輸出できる施設の整備が求められています。 (今後の方針) ○平成26∼27年度に(株)大分県畜産公社が対米輸出認定基準に適合した食肉 加工処理施設を整備しています。整備後は、対米・対EUの輸出認定取得を 目指しており、さらに香港等その他の国や地域に向けた輸出にも取り組みま す。 ○鶏卵の生産者による輸出相手国の規制に対応した農場認定の取得への支援な ど、他の畜産物についても輸出に向けた取組を支援します。 ③林産物(丸太・製材品) (現状と課題) 丸太については、平成20年度に組織した「大分県スギ丸太等輸出促進協議会」 により県内の木材関係者と商社等とが連携し、土木用資材や建築用材として中国、 韓国、台湾への輸出を推進してきました。 近年の円安基調を反映し、輸出環境が好転したことや県外企業が事業に参入し たことから丸太の輸出量は増大しています。 製材品のうち内装材については、中国・韓国への輸出を拡大してきましたが、 近年では輸出相手国に同等の商品を製造する企業が現れたため、輸出量は減少傾 向にあります。 (今後の方針) ○丸太については、木材生産の低コスト化を進めるとともに、輸出相手国のニ ーズに応じたサイズの丸太の供給により中国等への輸出を推進します。 ○製材品については、九州各県の連携により量や品ぞろえを確保し「九州材」 として中国・韓国を中心とする東アジアへ輸出します。特に、内装材は、高 品質と安全・安心をPRし、主に富裕層向けの商品として輸出を強化します。
④林産物(乾しいたけ) (現状と課題) 天白冬菇・香菇といった高級感のある乾しいたけは、香港、台湾をはじめ、タ て ん ぱ く ど ん こ こ う こ イ、ベトナム等の中国系住民が多い東南アジア地域でも高い評価を得ています。 また、食品の安全・安心に関心の高いEU圏での販路開拓に向けフランスでレ ストランシェフ等を対象に試食会等PR活動を行うとともに、オーストラリアへ のテスト販売にも取組んでいます。 (今後の方針) ○東南アジアの富裕層を対象とし小売店での販路を確保するとともに、日本料 理店、高級レストラン等への売込みを強化します。 ○フランスのパリ国際食品見本市やイタリアのミラノ国際博覧会における宣伝 活動などを契機に、EU圏での販路開拓をさらに強化します。 ⑤水産物 (現状と課題) ブリは、日本固有種であり養殖による生産が量・品質ともに安定していること から、北米、香港、タイなどへの輸出が増加しています。今後は、輸出相手国で の消費量の伸び悩みや価格競争の激化等が予想されることから、新たな販路を開 拓する必要が生じています。 養殖ブリ以外でも、メジナなどの天然魚やアジの開きなどの加工品が輸出され ています。 (今後の方針) ○HACCPによる衛生管理など輸出相手国が求める要件に応じ、EUなど新 たな販路を開拓するとともに、既存の販売先での取引拡大と安定化を図りま す。 ○養殖ブリ以外の魚種についても、食材の魅力や調理方法のPRなどにより販 路開拓を図ります。 ○平成27年2月に水産物輸出の促進のために設立された全国組織である「水産 物・水産加工品輸出拡大協議会」等とも連携し、各産地が一体となった取組 を推進します。 農林水産物の輸出実績 単位:千円 H24 H25 H26 (2012) (2013) (2014) 日田梨 42,526 40,809 46,955 甘しょ 330 1,181 3,551 牛肉 349 8,687 15,715 乾しいたけ 4,048 5,914 9,213 丸太 104,872 237,693 645,346 製材品 123,908 92,048 48,854 養殖ブリフィレ 594,284 570,808 721,947 その他 40,747 26,691 15,874 合計 911,064 983,831 1,507,455 (おおいたブランド推進課調査) 主な品目
<トピックス> <タイ(バンコク)における高糖度甘しょ「甘太くん」の商談> (5)加工品・工芸品の輸出強化 ①加工品(商業・サービス業振興課、おおいたブランド推進課、国際政策課) (現状と課題) 高い経済成長により消費市場が急成長している中国、香港、台湾や、シンガポ ールをはじめとするASEAN諸国において、県産品の販路開拓を実施していま す。 現地では、酒類や調味料などを中心に取引が増えていますが、関税や物流コス トに加え、市場での競争が激しいこと等から、定番化している商品は多くはあり ません。引き続き見本市や商談会での継続的な販売促進により、販路開拓・拡大 に取り組む必要があります。 (今後の方針) ○海外展開セミナーの開催等により、県内企業の海外進出マインドを醸成しま す。 ○海外市場をターゲットとした商品開発に意欲のある企業や、海外展開の拡大 を目指す企業を育成します。 ○農林水産物や観光と一体となった現地でのプロモーションや、見本市・商談 会等への出展・参加を通じた宣伝・販促活動により、商品の認知度向上及び 消費拡大を進めます。 ○豊富な現地ネットワークを有する商社等と連携した販路開拓・拡大に取り組 みます。 ○平成27年2月に設置した県産品海外販売促進本部会議の活用により、食品輸 出に関する一体的な事業展開を推進します。 ②工芸品(商業・サービス業振興課) (現状と課題) 本県が誇る伝統的工芸品である竹工芸品(別府竹細工)は、安価な海外製品の 流入等により、国内での販売が減少しています。 平成24年には大分県竹産業文化振興連合会が発足し、米国を中心とした海外の 販路開拓の取組を開始しました。 海外でのブランディングを確立することにより、国内での需要喚起も狙ってい ます。 (今後の方針) ○大分県竹産業文化振興連合会が平成25年度から実施する海外販路開拓事業 は、平成27年度まで、県も一体となって取り組みます。 ○また、国や関係機関等が実施する海外ミッション及び展示会等の情報収集・ 提供に努め、各工芸家等の海外進出を支援します。
(6)海外誘客(インバウンド)の推進 ビザ発給要件の緩和等による訪日客の増加に伴い、本県を訪れる外国人観光客 も増加傾向にあります。 国も成長戦略の中で、外国人観光客の誘致に力を入れており、県としてもター ゲットとする国・地域を絞り込んだ効果的な取組が求められます。 ①誘客・情報発信の充実(観光・地域振興課) (現状と課題) 九州地方知事会と経済団体でつくる九州地域戦略会議で、10年後に観光産業を 九州の基幹産業にすることを目指して平成25年5月、第二期九州観光戦略を策定 しました。その中で、九州のブランドイメージとして「ONSEN ISLAND KYUSHU」 を決定し、国別戦略により、九州が一体となって海外市場に情報発信するほか、 ビザの緩和やLCCの誘致等を官民あげて推進することとしています。 平成26年観光庁宿泊旅行統計調査(従業者数10人以上)によると、本県の外国 人宿泊客数は、39万人、福岡、長崎、熊本に次いで九州4位です。 今後、増加する訪日観光客を本県への誘客につなげるため、情報発信や誘客活 動を韓国や中国のみならず、経済成長を遂げ訪日観光客の伸びも期待される台湾 やタイでも進める必要があります。特に訪日旅行のリピーターの多い国・地域を 中心に個人旅行が増加しており、消費者に直接PRすることも重要になっていま す。 (今後の方針) ○外国人観光客の約5割を占める韓国をはじめ、近年観光客が急増している台 湾や香港、中国、急速な伸びが見込まれるタイ等のアセアンを主なターゲッ トとして絞り込み、旅行会社の招請、海外でのプロモーション・商談会等を 通じて、積極的に情報発信や誘客活動を展開します。また、ラグビーワール ドカップと東京オリンピック・パラリンピックを見据えた誘客を進めます。 ○「日本一のおんせん県おおいた♨味力も満載」を切り口に、国ごとの旅行者 ニーズや旅行情報入手方法に沿った情報発信を行います。 ○県内在住の留学生や本県での留学経験者を活用して観光情報を発信します。 ○九州観光推進機構や九州各県とも連携し、平成27年6月に認定された温泉ア イランド九州広域観光周遊ルートを含めて、新たな観光ルートづくりを推進 します。 ○海外のテレビ番組や旅行情報誌、ブロガーの活用などにより、海外の消費者 に対して、直接本県の魅力をPRしていきます。 大分県の国別外国人延べ宿泊者数 (単位:人泊) 平成24年 平成25年 平成26年 韓国 132,920 172,790 173,630 台湾 26,800 47,770 70,250 中国(本土) 12,170 12,560 20,880 香港 9,770 23,300 35,710 タイ 4,360 10,640 19,190 シンガポール 2,550 5,170 7,900 その他(国籍不詳を含む) 98,280 110,210 57,550 計 286,850 382,440 385,110 出展 観光庁宿泊旅行統計調査 九州各県の外国人延べ宿泊者数 (単位:人泊) 平成24年 平成25年 平成26年 大分県 286,850 382,440 385,110 福岡県 695,130 866,710 1,266,780 佐賀県 39,630 55,250 89,500 長崎県 280,130 355,670 451,720 熊本県 294,450 412,090 467,620 宮崎県 139,520 134,840 151,480 鹿児島県 138,120 186,600 252,330 計 1,873,830 2,393,600 3,064,540 出展 観光庁宿泊旅行統計調査
②国・地域別の戦略(観光・地域振興課) 【韓国】 ○リピーターの多い韓国では、一般的な観光情報にとどまらず、日本人向けと 同レベルの詳細な情報について、ブロガー等を活用して発信します。 ○ツアーの訪問先として人気の高い別府・湯布院だけでなく、他の観光情報に ついても、現地旅行会社に対して細やかな情報提供を行います。 ○福岡からレンタカーを借りて九州を周遊する韓国人が増えてきていることか ら、東九州自動車道の開通を活用した広域モデルルートを提案するなど、ソ ウルと併せて釜山エリアでも観光客の掘り起こしを行います。 ○トレッキングの人気が高いことから、県内に3コースある九州オルレを活用 した誘客に取り組みます。 【台湾】 ○温泉への関心が高いことから、「日本一のおんせん県おおいた」のPRを強 化します。 ○団体旅行の割合が比較的大きい台湾では、旅行会社に対して旬な観光情報や 広域モデルルートの情報提供を行います。 〇個人旅行も増加していることから、テレビや旅行情報誌など台湾の消費者に 向けて情報発信にも取り組みます。 ○インセンティブ旅行の訪問先として日本の人気が高いことから、現地の企業 や旅行会社に対する誘致を進めます。 【タイ】 ○大分の観光地が十分に知られていないタイにおいては、商談会やセールス活 動を通じて現地旅行会社や日系の旅行会社との関係構築を図り、ツアー造成 を働きかけます。 ○果物収穫や花などタイ人の好みを取り入れたモデルルートを現地旅行会社へ 提案します。 〇個人旅行も多いことから、消費者に向けてテレビや旅行情報誌、Webを活 用した情報発信にも取り組みます。 ○旧正月にあたる4月や学校の長期休暇となる10月の旅行シーズンに合わせた ツアー造成を働きかけます。 【香港】 ○個人旅行やリピーターの割合が大きい香港では、SNS注)等を活用した情報 発信を行うとともに、左側通行で日本での運転に馴染みやすいことから、レ ンタカーを利用した旅行の提案を行います。 ○食への関心の高い香港人のニーズに対応したグルメツアーの提案を行いま す。 【中国】 ○九州観光推進機構を中心にした九州一体となったPRに併せ、大分県の情報 発信を行います。 ○国土も広く人口も多い中国で効率的に「日本一のおんせん県おおいた」をP Rするため、中国版ツイッター等のSNS等の活用を図ります。 ○観光交流協定を締結し、地域(政府)間交流を行っている無錫市等からの観む し や く 光客誘致を図ります。 ○訪日ビザが比較的取得しやすい教育旅行や視察旅行などのSIT(Special Interest Tour)の誘致を進めます。 ○九州観光推進機構が連携誘客協定を結んでいる上海の旅行会社を中心に、大 分県上海事務所による情報提供や商品造成を働きかけます。
【ASEAN諸国】 ○タイ以外のASEAN諸国に対しては、旅行会社へのセールスやメディアを 活用した消費者向けPR等により、知名度の向上を図ります。 【欧米】 ○ラグビーワールドカップへの出場国やラグビー人気の高い欧米に対して、九 州観光推進機構や他の開催県と連携して、本県観光の魅力をPRします。 注)SNS:フェイスブックやツイッター等のソーシャル・ネットワーキング・サービスのこと。 <トピックス> <タイ国際旅行フェア(TITF)におけるプロモーション> ③団体誘客の推進 <MICEの誘致>(観光・地域振興課) (現状と課題) MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等が行う報奨・研修旅行(Incent ive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、イベント、 展示会・見本市(Event/Exhibition)のことで、多くの集客交流が見込まれるもの の総称です。 これまでも、世界地熱会議、アジア・太平洋水サミット、APEC成長戦略ハ イレベル会合など、多くの要人やマスコミが集う大規模な国際会議を誘致し、「国 際会議最適地」として、大分県の温泉、食、産業等の特色をアピールしてきまし たが、引き続き関係機関との連携を図りながらMICEを積極的に誘致すること が重要です。 (今後の方針) ○産学官で組織する大分県MICE誘致推進協議会等による情報収集・集約等 を行い、国際会議や国際的なイベントの誘致に取り組みます。 ○国際ミーティング・エキスポ(IME)等の商談会に積極的に参加し、情報 収集と積極的な誘致活動に努めます。 ○福岡市など近隣都市で行われる国際会議後のエクスカーション(主催者が用 意する視察旅行等)の誘致を図ります。 <国際クルーズ船の誘致>(観光・地域振興課、港湾課) (現状と課題) 平成23年3月から供用開始された別府港第4埠頭には、中国等の海外や国内を 起点とする国際クルーズ船が入港しています。国際クルーズ船には、多くの外国 人観光客が乗船していることから、観光のほか買物や食事等による直接的な経済 効果が見込まれます。平成25年5月には、別府港第4埠頭に新たな上屋が完成す るなど、受入態勢の整備を進めてきました。 別府港は検疫法上の非検疫港であることから、ファーストポートとしての寄港 時における検疫は、大分港で実施後別府港へ入港することとなります。 国内に寄港するクルーズは、日本発着のクルーズ、中国や台湾からのクルーズ
が増加するなど、発着地を含めてその動向の変化が著しい状況にあります。 国際クルーズ船の寄港地としての知名度向上、乗客の再訪や口コミ効果も期待 できることから、十分な受入態勢を構築するとともに、更なる誘致へ向けたセー ルス活動の強化が必要です。 (今後の方針) ○関係市町や地元関係団体と設置した大分県国際観光船誘致促進協議会を中心 に、CIQ(税関、出入国管理、検疫)に協力するほか、歓迎セレモニーや にぎわいイベントの開催、観光案内を行う特区ガイドの育成等、受入れや歓 迎態勢を充実します。 ○今後の誘致のため、クルーズ商談会やクルーズコンベンション等へ参加する とともに、国際クルーズ船を運航する船会社や旅行社等への働きかけを強化 します。 ○変化の著しいクルーズの動向を見定め、誘致の対象を絞るなどして誘致を行 います。 <訪日教育旅行の誘致>(観光・地域振興課) (現状と課題) 海外からの訪日教育旅行については、韓国、中国からの団体を中心に世界各地 から、平成26年度には78団体1,639名の青少年等が来県し、県内での学校交流や 各地域の視察等が行われています。訪日教育旅行は、県内の青少年にとって海外 の子どもたちとの有効な交流機会であり、本県の国際人材育成に寄与しているこ とからも、引き続き関係機関や観光関係者等との連携を図りながら、積極的に誘 致することが重要です。 (今後の方針) ○来県教育旅行者数の約5割を占める韓国をはじめ、今後増加が見込まれる中 国や台湾、タイ等を主なターゲットとして、海外での説明会やプロモーショ ン、教育関係者の招請等により、積極的に情報発信や誘致活動を展開します。 ○訪日教育旅行は学校交流が中心であるため、受入校のマッチングと学校交流 の支援を行うなど、円滑に受入れができる態勢づくりに取り組みます。 ○グリーンツーリズム(農村民泊体験)やホームステイ交流なども受入れプロ グラムとして活用していきます。 ④外国人観光客に対するおもてなしの向上 <宿泊・飲食・観光・商業施設等の外国人観光客対応の強化> (観光・地域振興課、商業・サービス業振興課) (現状と課題) 本県では、別府市を中心とした多くの旅館・ホテル等で、最も多い韓国からの 観光客を対象として、ハングル語表記やウォン両替対応を進めているものの、県 内全域でみれば、言葉の問題や商習慣・生活習慣の違い、ノウハウ不足等から外 国人観光客の受入れをためらう傾向も見受けられます。 平成26年の訪日外国人旅行者数は1,341万人で前年比129%と大幅に増加しまし た。平成26年10月には消費税法が改正され、食品、飲料、薬品などの消耗品が外 国人旅行者に対し免税の対象となりました。 外国人旅行者の旺盛な消費を取り込もうと都市圏の小売店を中心に免税店が急 増し、平成27年4月現在の免税店数は全国で18,779件となっていますが、その一 方で大分県は93件に留まっています。 理由としては、免税制度や免税店になる手続自体が知られていない、外国人旅 行者は増加しているが、免税手続きの手間や経費に見合うほどの来店や購買が無 く、事業者が免税店化へのメリットを感じていないなどが考えられます。 本県の観光地としての強みを活かし、免税店化を進めることによって域外の消 費を取り込み、商業の活性化を図ることが重要です。
(今後の方針) ○JNTO認定外国人観光案内所を増やし、ネットワーク化を図ることで、県 内の周遊環境を整えます。 ○外国人観光客に対応できるホテル・旅館を拡大するとともに、商業施設や飲 食施設等でも円滑にコミュニケーションが取れるよう研修会等を実施して啓 発を行います。 ○外国人観光客の受入態勢を整えた宿泊施設や商業施設、飲食施設の情報を盛 り込んだ、外国語による街歩きマップの作成を市町村等に働きかけます。 ○整備が進むWi-Fi環境を活用して、外国語による様々な施設・交通情報の提 供を促進します。 ○宿泊施設、観光施設、飲食施設、交通機関などの多言語表示の拡大を促進し ます。 ○病気やケガ、事故など、緊急時の対応ができるようコールセンター機能を構 築します。また、大雨や地震など災害に関する情報提供策について研究して いきます。 ○免税許可取得の機運を醸成し具体的な手続等を学ぶための研修を振興局単位 で実施します。また、外国人来店客が多く手続事務が繁雑となっている店舗 のために、免税申請システム機器の導入支援を行います。県内事業者に免税 店化のメリットを周知するとともに勧奨を続けます。 ○免税店を着実に増加させることで、観光に加え「買い物適地」としての大分 の評価を高め、産業の振興や外国人旅行者のリピーター化を図ります。 <特区ガイドの育成>(観光・地域振興課) (現状と課題) 外国人観光客の増加が見込まれる中、通訳ガイドの確保が課題となっています。 特に大型の国際クルーズ船が寄港する際は、アジアを中心とする海外からの観光 客が一度に2千人から3千人の規模で、県内をバスで周遊するため、外国語の対 応が可能な通訳ガイドの育成が急務となっています。 このため、九州7県及び福岡市で共同申請した「九州アジア観光アイランド総 合特区」が、総合特別区域法における地域活性化総合特別区域計画の認定(平成 25年6月28日)を受けたことにより、平成25年度から中国語及び韓国語、平成26 年度からタイ語を加えて、特区ガイド(地域活性化総合特別区域通訳案内士)の 育成を開始し、2か年で137名が登録しました。 (今後の方針) ○本県の強みである留学生を活用した特区ガイドの育成を図ります。 ○県内観光に精通し、ガイド能力を高めるため、特区ガイド及び通訳案内士の 観光案内機会の増加など活躍の機会を増やします。 <外国人にやさしい観光案内整備の促進> (観光・地域振興課、景観・まちづくり室、道路保全課) (現状と課題) 道路に設置する観光案内については、「大分県観光標識マニュアル」(平成5 年作成)により、そのほとんどが英文表記となっています。また、高速道路の SA・PAに設置する広域観光案内板については、全てを英文表記するととも に、写真や絵図を合わせて表示するなど、親切な情報提供を行っています。し かしながら、道の駅や観光施設に設置されている広域観光案内板については、 英語表示がされていないものもあります。 道路管理者が設置する道路案内標識については、一部の著名地点(施設)表 示でローマ字表記と英語表記が混在するものがあり、外国人にわかりにくいと いった課題があることから、英語表記への統一化を図っていますが、取り組み の必要な標識も残っています。
(今後の方針) ○県内にある道の駅や観光施設を利用する外国人観光客の利便性向上のため、 よりわかりやすい観光案内サインの整備に取り組みます。 ○道路を利用する外国人観光客の利便性向上のため、道路案内標識の英語表記 の統一化について、取り組みを加速します。 <外国人観光客の受入態勢の整備>(観光・地域振興課、交通政策課、道路建設課) (現状と課題) 平成25年5月には、別府港第4埠頭に新たな上屋が完成するなど、受入態勢の 整備を進めてきました。 別府港は検疫法上の非検疫港であることから、ファーストポートとしての寄港 時における検疫は、大分港で実施後別府港へ入港することとなります。 外国人が路線バスを利用しやすくするために、運賃・時刻表検索サイト「バス なび大分」は多言語化されています。 また、車内アナウンスやバス停留所等の案内表示については、外国人観光客の 多い別府市内で多言語化されていますが、その他の地域においては進んでおらず、 外国人の観光客やビジネス客が移動するにあたって、十分な情報提供が行われて いません。 また、JR九州では、ホームページ、主要駅や特急列車内における情報提供に ついては多言語化が進んでいるものの、それ以外の部分ではあまり進んでいませ ん。 平成27年3月に東九州自動車道の県内区間が全線開通したものの、それを補完 し横軸となる地域高規格道路は整備途上です。人や物の流れを活性化するために は、産業や観光の基盤となる広域交通ネットワークの充実を図る必要があります。 (今後の方針) ○東アジア地域を中心に国際クルーズ船の増加や大型化が見込まれることか ら、大分県国際観光船誘致促進協議会を中心として、引き続き、寄港誘致活 動の積極的な展開に併せ、円滑な受入態勢の構築を図ります。 将来を見据え、国に別府港の検疫港指定を要望するなど、関係機関と連携し てCIQ(税関、出入国管理、検疫業務)の充実に努めます。 ○バス事業者に、バス車内のアナウンスやバス停留所標識の更新時における多 言語化を働きかけます。 ○JR九州に、駅舎、車両内における情報提供や駅係員等による案内の多言語 化を働きかけます。 ○中九州横断道路や中津日田道路など地域高規格道路の整備を推進します。 ⑤国際線の誘致(交通政策課) (現状と課題) 現在、大分空港の国際定期路線はソウル線のみですが、訪日外国人観光客数 は、近年の円安傾向やビザ発給要件の緩和などにより、平成26年は過去最高の 1,341万人と前年比で29%の伸びを見せており、また、今年に入っても引き続 き好調な状態が続いています。 その中で、特に急増しているアジアからの外国人観光客をより多く本県に取 り込むため、国際線の誘致に力を入れる必要があります。
<トピックス> <台湾(台中)から大分空港へのチャーター便運航> (今後の方針) ○チャーター便の運航に向け、海外誘客ターゲット国の航空会社、旅行会社等 を訪問し、大分空港への運航を働きかけます。 ○チャーター便の誘致実現を契機に、就航先での観光プロモーション等の実施 を通じて、海外誘客ターゲット国の航空需要を喚起し、定期便の就航につな げます。 ⑥羽田・成田空港を活用した国際線との接続性向上(交通政策課) (現状と課題) 今後より多くの観光客・ビジネス客が県内と海外を往来するには、できるだ け多くの路線を利用できる環境づくりが必要です。 平成27年度現在、大分−羽田間は1日14往復、また、大分−成田間は1日2往 復の航空便が就航しており、大分空港から羽田空港・成田空港を経由して国際 線と円滑に乗り継ぎができるよう、利便性を向上することが課題です。 (今後の方針) ○羽田空港や成田空港で国際線と円滑に乗り継ぎできるよう大分−羽田線、大 分−成田線の維持・充実など、利便性の向上に取り組みます。 (7)海外広報の強化(広報広聴課、観光・地域振興課、国際政策課) (現状と課題) 国が訪日外国人旅行者2,000万人、農林水産物・食品の輸出額1兆円などを 2020年までに達成する目標を掲げ、外需を取り込む気運が高まる中、県としても 海外向け広報を強化する必要があります。 (今後の方針) ○世界に通じるコンテンツや新たな展開(世界的スポーツイベント誘致や本県 ならではの伝統芸能・祭等)を活かした情報発信に取り組みます。 ○観光、県産品など「商品」ごとの特徴を踏まえた広報展開へ支援をします。 ○九州観光推進機構など九州全体での海外誘客に向けた情報発信を行います。 ○「Onsen」文化を海外に浸透させる広報を展開し、入浴文化への慣れと 好感を醸成します。 ○留学生OBや海外県人会等の人的ネットワークを活かした情報発信とモニタ リングを行います。 (8)企業の海外展開支援とリスク対応 ①関係機関等と連携した事業展開支援 (商業・サービス業振興課、商工労働企画課、工業振興課、産業集積推進室) (現状と課題) ジェトロ、(一社)大分県貿易協会(以下「貿易協会」という。)及び産業創造
機構等の関係機関と連携を図り、県内企業の海外販路開拓及び海外での事業展開 等を支援しています。 また、貿易協会及びジェトロ等が実施する海外投資セミナ−及び貿易相談等に 県内企業の積極的な参加を促すなど、海外展開の機運醸成にも努めています。 (今後の方針) ○ジェトロ等関係機関と連携し、県内企業に対し海外展開に関する情報や機会 を積極的に提供するなど、県内企業への各種支援を効果的、効率的に行って いきます。 ②情報支援・リスク対応と金融支援 (商業・サービス業振興課、工業振興課、産業集積推進室、経営金融支援室、おおいた ブランド推進課、食品安全・衛生課) (現状と課題) 企業が海外への展開を図る場合、国内での通常の取引とは異なる課題やリスク への対応が必要ですが、県内の中小企業や生産者等が独自にこれらの問題に適切 に対応していくことは容易ではなく、それが海外進出の阻害要因の一つにもなっ ています。 このため、ジェトロ等関係機関との連携を強化し、県の相談・情報提供窓口の 充実を図っていくことが必要です。 また、海外展開にあたっては、金融面からの支援も重要です。 (今後の方針) ○ジェトロ等関係機関と連携を強め、海外展開を希望する企業への海外製造者 責任や代金回収リスクなどへの対応を含めた情報提供や相談窓口機能の強化 を図ります。 ○海外市場の販路開拓や模倣被害への対策には、進出先において特許権や商標 権等を取得することが重要であるため、中小企業の戦略的な外国出願の促進 を支援します。 ○残留農薬検査など輸出先の規制に対応できる防除暦の作成や栽培指導に取り 組みます。 ○動物・植物防疫や衛生証明書等については、輸出相手国や商品毎に最新情報 の入手に努め、輸出相手国に応じた販路拡大を図ります。 ○食品の輸出にあたっての相手国の法律や制度の情報(加工施設等の登録・衛 生証明書の発行手続き等)を国等から収集のうえ企業等に提供するとともに、 ジェトロ、産業創造機構等の関係機関と連携して食品等の輸出が円滑に行わ れるよう支援します。 ○食品の海外展開に対応するため、HACCPシステムに基づく指導・助言を 行う食品衛生監視員の研修の実施や、米国及びEUに対する輸出水産食品に 係る指名食品衛生監視員の増員を図ります。 ○県制度資金「海外展開支援融資」により、県内企業の海外向け新製品の開発 ・製造及び海外見本市、商談会参加等、海外との取引に要する事業資金を融 資し海外事業展開を支援します。 (9)国際物流の強化 ①港湾施設の整備・利活用の促進(商業・サービス業振興課、港湾課) (現状と課題) 県内の港湾(公共)施設で外貿貨物を取り扱っているのは、中津港、大分港、 佐伯港の3港です。 中津港では、外貿貨物が平成20年の25.2万フレートトンをピークに下降を辿り、 平成24年以降1万フレートトン台にまで落ち込んでいますが、平成26年からは丸 太の輸出が開始されるなど新たな動きがあります。 大分港では、大在コンテナターミナルが、本県産業にとって重要な国際海上物
流拠点として機能しており、釜山航路と上海航路が就航しています。近年、門司 港や博多港等の県外港とのコンテナ貨物獲得競争が激化しており、外国航路の便 数の減少が懸念されています。 これは、本県産業の競争力強化を図る上で避けて通れない問題であり、拠点機 能の強化が喫緊の課題となっています。 また、港湾施設使用料について、近隣他港との競争力確保、航路の維持・誘致 の観点から低廉な価格とすることも重要です。 佐伯港では、女島地区で水深14m岸壁を備えた国際物流ターミナルが平成25年 度に供用開始され、現在、中国、韓国への丸太輸出に利用されています。 ((株)大分国際貿易センター調査) (今後の方針) ○中津港は、平成21年4月に関税法上の開港指定を受けており、直接国外との 輸出・輸入が可能であることから、港湾利用の促進においてもこの環境を活 かした取組を行います。 ○大分港のうち大在コンテナターミナルでは、行政と民間の港湾関係者で組織 された大分県ポートセールス実行委員会と連携し、荷主や船社を対象にポー トセールス活動を行います。 ○また、港湾使用料の減額や各種インセンティブ制度を活用し、コスト競争力 の強化を図ります。 ○さらに、釜山航路と上海航路の維持・増便や、その他の海外港とを結ぶ新規 航路の誘致などに取り組み、利便性の向上を図ることで、コンテナ貨物の集 荷を促進します。 ○佐伯港の水深14m岸壁は5万トン級の大型船舶が着岸可能であり、また、平 成26年度に東九州自動車道が宮崎県まで開通し,港湾と高速道路がリンクし ました。今後、東九州における物流拠点としての強みを活かし国際物流港湾 として機能を発揮するようポートセールス活動を行います。 ②道路整備(道路建設課) (現状と課題) 世界的な傾向にも見られるとおり、国際標準コンテナによる輸出入は大幅に増 加しています。また、港からの陸上輸送は、そのほとんどは海上コンテナ用セミ トレーラであることから、自動車輸送の役割は非常に大きく、物流を支える道路 網の形成が重要な課題となっています。 (今後の方針) ○主要な都市間の所要時間の短縮を図り、より効率的な物流ルートを形成する ため、中九州横断道路や中津日田道路など地域高規格道路の整備を推進しま す。 (単位:TEU) 実 入 り 空 コ ン 年 コンテナ個数 コンテナ個数 合 計 輸出 輸入 合計 輸出 輸入 合計 平成18年 19,150 5,782 24,932 3,007 16,616 19,623 44,555 平成19年 17,582 5,984 23,566 4,116 15,482 19,598 43,164 平成20年 16,324 5,832 22,156 3,984 14,384 18,368 40,524 平成21年 14,969 5,943 20,912 3,088 12,023 15,111 36,023 平成22年 17,128 6,150 23,278 2,915 14,136 17,051 40,329 平成23年 15,324 6,229 21,553 3,725 12,560 16,285 37,838 平成24年 15,491 6,626 22,117 2,662 10,816 13,478 35,595 平成25年 17,706 6,818 24,524 3,056 13,288 16,344 40,868 平成26年 16,926 8,357 25,283 3,138 11,447 14,585 39,868 大在コンテナターミナル貨物取扱量の推移