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2. 浸 食 域 の 移 動 のメカニズム 6 三 保 海 岸 5 4 久 能 ( 静 岡 ) 海 岸 安 倍 川 図 -2 砂 礫 の 移 動 ( 数 字 1~6は 写 真 撮 影 位 置 ) 三 保 半 島 は 約 14キロ 離 れた 安 倍 川 の 砂 や 安 倍 川 と 半 島

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2004年9月 APA No.87-2 財団 法人日本測量調査技術協会

2.Air-borne LiDARによる三保海岸浸食調査(partⅡ)

秋 山 幸秀

根 元 謙次

※※

横 山 心一郎

※※ 1.はじめに 環境防災や国土の保全の見地から海岸浸食 調査を行ない、仕組みを解明することは効率 の良い対策をする上で重要である。 APA(No.85-9)では景勝地の保存のため海岸 浸食が社会問題となっている静岡県の三保海 岸(図-1、写真-1、2)において航空機 搭載レーザー計測(LiDAR)により求めた1998 年11月、2000年4月、2003年4月の数年間隔 での継続調査の結果と静岡県がおこなってき た養浜工事データから海岸線の浸食および養 浜の状況を解析した。 本稿では海岸の形状変化をもたらす作用の 特定と検出精度を向上させる目的でLiDAR データの取得期間の間隔を短くし、検証のた めに現地において地上測量を行なっている。 LiDARの各計測点から作成した1m格子の 2003年4月7日と9月3日のデータと、同時 期におこなった10m格子の水準測量の海岸形 状データより砂礫海岸において、レーザー データがどの程度の精度を得ることができる か検証するために比較した結果、その有用性 と問題点を明らかにするとともに、短期間の 変動についてその形状と諸条件(気象等)を もとに比較検討し、三次元面のとしての海岸 変動調査研究をおこなった。 図-1 三保海岸の位置 写真-1 1976年11月08日撮影:佐藤武 [東海大学] 写真-2 2003年4月7日 撮影:山本太郎

第26回 技術発表会論文特集

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2.浸食域の移動のメカニズム 図-2 砂礫の移動(数字①~⑥は写真撮影位置) 三保半島は約14キロ離れた安倍川の砂や安 倍川と半島の中間に位置する日本平南側の久 能山などから生じた砂礫が波の影響で運搬さ れることで成長し維持されてきた(図-3参 照)。しかし、1960年代から安倍川の川砂を大 量に採取したことと、土石流対策で設置した 砂防ダムなどによる効果で、安倍川上流から 河口に流れ出る砂の量と海岸に堆積する砂の 量のバランスが崩れ、海岸がやせ浸食が始 まった。 浸食の速度は逆算すると毎年、東へ約270 メートル進んだ計算になる。1990年代になり、 浸食の先端が羽衣の松の目前に迫ったことで 景勝地の保全のための施工が始まり、松原の 周辺で人と自然が養浜と浸食の攻防の鍔つば迫ぜり 合いをしている。また、現在は川砂の採取は 規制されており安倍川河口部は砂浜が快復し てきている。このまま快復すれば数十年後に は松原まで到達することが予測されている。 砂礫の運搬のモデルは次の様に考えている。 河川においては、巨礫が砕かれて水流で転 がりながら細分化されて上流から下流に運ば れる。河口から遠い海底ほど細かい粒が運ば れて行き堆積するのが一般的な解釈である。 また、海岸における砂礫の運搬モデルとして は海流の力で流れにのって運ばれるイメージ がある。しかし、海水より比重の大きい礫は 水面に浮かんで運ばれるのではなく海底を転 がり移動していると考えることができる。 安倍川 久能(静岡)海岸 三保海岸 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ × Land Sea Model 1 海流やうねりは南方から 平均的風向き 波浪  波浪によって 波が海岸地形に ぶつかり石や砂 が転がる方向は 鉛直方向に最短 距離になるため 海岸線に直交す ると考えられる。 N 図-3 砂礫の運搬モデル

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砂礫の移動順に合わせた空中写真 ① 安倍川河口(波紋状に拡散) 写真-3 ② 安倍川河口から久能海岸 写真-4 ③ 久能海岸 写真-5 ④ 久能海岸から折戸(急峻な久能山) 写真-6 ⑤ 折戸海岸 写真-7 ⑥ 三保海岸(松原と三保神社桟道) 写真-8

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三保半島の先端の変化 写真-9は1996年 9月2日撮影の北方 からみた三保半島の 空中写真である。半 島の北東部には浸食 を受ける前の砂浜が かろうじて残ってい るが松原よりも南西 側の浜は大きく後退 してきていることが わかる。 写真-10は2003年 4月7日の同北方か らみた三保半島の空 中写真である。 護岸工事によって かつての地形は大き く変貌している。 羽衣の松の南の浜 は鋸の歯状になって いる。 離岸堤の南に位置 する砂嘴の先端部は 浸食作用が到達して はおらず、2003年も 浜の前進が見られた。 写真-9 1996年9月2日撮影(北方からみた三保半島) 写真-10 2003年4月7日撮影(北方からみた三保半島)

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先端部の成長(前進)状況 三保半島の海岸線は南西方向より浸食 を受けているが半島先端の砂嘴はまだ浸 食が到達しておらず、養浜の効果もあっ て成長(堆積)を続けている。図-4、 図-5で半島の北側は堆積し浜が前進し ている様子がわかる。 三保の名の由来は頭を垂れる三本の稲 穂であるが、このまま砂嘴の成長が続く と三保(三穂)が四保や五保と呼んだほ うが良い形状になる。 図-5 松原付近の浸食・運搬・堆積(養浜)のせめぎ合い部の陰影図 写真-9、10と図-4、5と同様である。 図-4 先端部の運搬・堆積(養浜)の作用 浸食 前進 養浜

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3.用語解説

LiDAR(Light Detection And Ranging)光 波計測の略で航空機(固提翼・回転翼)に搭 載して角度と反射時間をレーザースキャン計 測し、空中の位置をGPSと三成分ジャイロ (IMU)で補正して三次元空間データを取得す ることができる。(図-6参照) 汀線とは海岸線のことである。通常低潮海 岸線(LWL)と高潮海岸線(HWL)さらにその 標高上位の通常大波の限界線を含む幅のある 海陸岸域と海域の境界線と定義される。また、 陸地と低潮海岸線の交わる線を汀線。陸地と 高潮位線の交わる線を海岸線と分ける場合も ある。(図-7参照) 浸食は、河川や海岸で起こる自然現象の一 つである。重力によって液体(気体・固体) の水などの流れる力で破壊された鉱物の岩・ 礫・砂・泥などの再破砕による生成と運搬さ れる状態である。砂礫海岸の場合も浸食・運 搬・堆積の作用のバランスで維持されており、 バランスが崩れて運搬されてくる砂礫の量が 減ると堆積される量が浸食で運搬される量を 下回ることになり浜が後退することになる。 人工的な影響力による拡大の意味で侵食の 字が使用されていたが水(風)の影響による 自然現象の際に区別して氵偏(サンズイ)で 浸食と記すことが通例となってきている。し かし広義で考えると、人間が上流で採取した 砂礫や洪水対策で作成した堰堤、さらに供給 の伴わない護岸工事などの影響・効果により 砂礫などが下流に運搬されなくなったことが 原因で浜が痩せていくシンショクは人偏の侵 食も性質を表しているのように思える。図- 8では供給を養浜で行っている保全のモデル 例である。 このモデルでは元の海岸線と浸食を受けた 後の新しい海岸線を比較すると、鳥瞰した際 の水平移動がわずかな変動であっても海底縦 断面を切って見ると海底の地形変動は相当深 い位置まで影響するため、浸食量的には大き な変動であると仮説がすることができる。 ここでは海底深部まで養浜で保全すること は難しいので、離岸堤などの護岸工で砂礫の 流出を防ぎつつ養浜をする事で効果をあげる ことを期待している。 水際のレーザー計測イメージ図 θ 図-6 LiDAR(ライダー) 図-7 海岸の名称 元の海岸線 海岸線浸食 養浜(砂礫の供給)+ 護岸工による保全 テトラポットのヘッドランド 養浜 浸食された地形部     (仮 説 ?) 新しい海岸線 ? 海岸浸食 図-8 海岸浸食と保全対策モデル

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No.35 No.40 No.45 No.46 No.47 No.48 No.49 No.41 No.44 No.43 No.42 No.36 No.37 No.38 No.39 No.34 No.33 No.32 No.50 三保海岸 羽衣の松 ▲ 東海大学 海流 海流 図-9 1998~2003年の2・3年間隔の長期的な汀線の変動成果図 (1980----線は空中写真より推定) 図-9はAPA(No.85-9)の成果図である。 No.数値は工事基準点番号で三保半島先端 の真崎灯台南400m地点から100mごとに設置 されている。基準座標として本稿でも使用し ている。 この図からは標高0mを汀線とした場合の 海岸線の変化を追う事ができる。また、No.32、 No.38-39、No.40、No.45-46、No.47の海岸に 設置してあるテトラポットによる離岸堤はそ こから陸域までの砂礫の運搬作用を遅滞させ ることで砂礫を維持する効果があるが、浸 食・運搬・堆積のサイクルを乱したことによ り離岸堤から潮の下流にあたるNO.37-38、 No.44-45のエリアでは浜崖ができるほどの浸 食を受けていた。 No.32-35の基準点番号付近の砂浜の等高線 は平坦な地形であるため、少しの変動でも変 化が大きく表現される場所であるが、ほとん ど変化が見受けられない。No.34とNo.35の間 に保全対象の羽衣の松があることから、この 付近はよく保護されている事がわかる。 No.37-38の基準点番号に隣接する海側の地 形は浜崖が顕著である。年代別に等高線を比 較すると羽衣の松のあるNo.34-35と対照的に 浜の浸食が進行していることがわかる。

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3.LiDARによる計測結果 図-10、11の「計測設定」で得た結果を記 す。 計測設定 ・計測月日 2003年4月7日 ・計測時間 13:54~14:22  ・対地速度 210~225km/h ・対地高度 1200m ・Rep Rate 25KHz  ・ScanFrq 30 Hz ・ScanAngle ±11° ・GPS基準局     基準点コード  5238-34-7101   1/50000地形図  駒越   点   名    静岡清水市2   緯   度   34°59’11.3895”   経   度  138°30’56.4411”   標   高        14.40m   座 標 系        第8系   X(Northing)   -112436.431m   Y(Easting)      1431.315m 図-10 第3回計測データの陰影図 (2003年4月計測) 計測設定 ・計測月日 2003年9月3日 ・計測時間 11:58~12:25   ・対地速度 215~225km/h ・対地高度 790m ・Rep Rate 25KHz  ・ScanFrq 34 Hz ・ScanAngle ±12° ・GPS基準局     基準点コード  5238-34-7101   1/50000地形図  駒越   点   名    静岡清水市2   緯   度   34°59’11.3895”   経   度  138°30’56.4411”   標   高        14.40m   座 標 系        第8系   X(Northing)   -112436.431m   Y(Easting)      1431.315m 図-11 第4回計測データの陰影図 (2003年9月計測)

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砂礫の増減変化は図- 12、13の様になった。10cm 未満の変動は誤差として 図-12をみると、砂礫の 堆積増加箇所はNo.39-40 付近の養浜を行った箇所 とみることができる。 図-13の浸食データ分 布図をみると4月から9 月までに大きな浸食を受 けた箇所はNo.45-48に位 置する南西部の離岸堤の 潮の下流に位置するエリ アである。 ここは離岸堤の効果に よりここから陸域へ浜が 保全されたことで砂礫の 浸食・堆積(運搬)のバ ランスが浸食側に傾いた ことが判る。 対照的であるのは養浜 が行われた北東部の離岸 堤のNo.38-40の潮の下流 部の位置(海岸線が陸域 に対して斜め)は養浜箇 所の砂礫が運搬・供給さ れたことで良く維持され ている。 図-12 堆積データ分布図(9月3日-4月7日計測) 図-13 浸食データ分布図(9月3日-4月7日計測)

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浸食 養浜 浜の増減が水平で互い 違いに現われている。 浜の増減が上下で互い 違いに現われている。 前進 養浜 離岸工 前進 図-14 2003年9月3日 - 4月7日計測 差分データ分布図 No.32-No.39の海岸線の 斜勾は羽衣の松の北東側に 浜の前進(堆積)が多く南 西側に浜の後退(浸食)が 見受けられていることより 羽衣の松(写真-11参照) の正面の浜が減少しないよ うに養浜施工が行われた結 果である。 羽衣の松 写真-11 羽衣の松 2004年7月15日撮影:横山心一郎

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4.LiDARと地上測量データの検証 地上測量としてトータルステーションによ る水準測量を行なった。地上測量の座標は静 岡県土木事務所が定める工事基準点から座標 計算した。トータルステーションによる水準 測量(TS)及びLiDAR(LS)として計測状態を 表-1に記す。 TSとLSの比較は、平坦面(Flat side、斜面 (Slope)、浜崖のない緩斜面(Low-pitched) で区分けし、TSのある1点を中心とする円を 描き、その円内にあるLSの点との水平距離と 標高差(TS-LS)を求めるプログラムを作成 し実行した。(表-2参照) 次ぎに誤差が小さくなるように標高と水平 位置を補正して4月の値(表-3参照)と9 月の値(表-4参照)を求めた。 検証結果としては4月の標高差で12cm、対 地高度を低くして計測した9月のデータの標 高差は、ばらつきを見てもその精度が高く、 標高差5cm以内が確保されていたことが検 証・確認できた。 表-1 計測スペック 表-2 高度差の平均値 表-3 レベル調整後の結果(4月) 表-4 レベル調整後の結果(9月) 写真-12 TS測量風景 図-15 LiDARの陰影図とTS測量ポイント

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5.気象状況との比較 表-5. 2003年度の清水地区の気象状況 降水量 最大日 降水量 起日 最大 1時間 降水量 起日・起時 平均水温 最高気温 起日・起時 最低気温 起日・起時 平均風速 最大風速 風向 起日・起時 日照時間 単位 mm mm (月/)日 mm (月/)日 ℃ ℃ (月/)日 ℃ (月/)日 m/s m/s (月/)日 時間 1月 151.0 92.0 27日 23.0 27日 5.9 15.9 1 4 日 -3.3 30 日 2.4 6.0 北 1 5 日 188.9 2 月 68.0 17.0 9 日 12.0 9 日 7.8 17.4 26 日 -0.2 6 日 2.4 5.0 北北東 27 日 129.1 3 月 223.0 117.0 1日 23.0 1日 9.2 21.2 31日 1.9 5 日 2.5 7.0 北 9 日 151.4 4 月 223.0 42.0 5 日 16.0 5 日 15.8 28.5 21 日 5.8 4 日 2.1 7.0 北東 21 日 134.0 5 月 212.0 151.0 31 日 25.0 31 日 18.9 26.8 29 日 10.4 10 日 2.0 6.0 北北東 8 日 94.2 6 月 114.0 36.0 25 日 20.0 25 日 22.8 33.0 28 日 15.0 3 日 1.6 5.0 北 1 日 70.1 7 月 614.0 141.0 4 日 83.0 4 日 23.3 31.3 21 日 18.9 16 日 1.5 5.0 北北東 3 日 33.4 8 月 753.0 200.0 16 日 35.0 5 日 25.7 35.5 29 日 19.4 15 日 1.6 5.0 北東 14 日 112.9 9 月 222.0 116.0 21 日 17.0 20 日 24.6 33.1 13 日 15.1 23 日 2.0 9.0 北 22 日 165.5 1 0 月 124.0 55.0 1 4 日 11.0 1 2 日 18 30.4 2 日 10.7 1 9 日 2.3 6.0 北 22 日 138.8 11 月 387.0 75.0 30 日 17.0 30 日 15.7 25.7 1 6 日 8.2 1 4 日 2.3 6.0 北 26 日 95.8 1 2 月 46.0 16.0 1 2 日 7.0 1 2 日 9.6 20.4 2 日 0.2 20 日 2.2 5.0 北 22 日 192.4 年 3137.0 200.0 8 月 16 日 83.0 7 月 4 日 16.4 35.5 8 月 29 日 -3.3 1 月 30 日 2.1 9.0 北 9 月 22 日 1506.5 期間内 1858.0 200.0 8 月 16 日 83.0 7 月 4 日 21.9 35.5 8 月 29 日 5.9 4 月 7 日 1.8 7.0 北東 4 月 21 日 423.4 2003年4月7日から9月3日までの気象 データを調査すると表-5(表-6、表-7) のようになった。 この間の主な気象現象は次のように記述で きた。 ○主な風雨; ・4月24・25・26日台風2号の影響による風 雨 ・5月31日台風4号接近 ・6月24・25日 7月3・4日集中 ○豪雨; ・10~14日梅雨全線 ・8月4日雷雲、8・9日台風10号 ・14~17日秋雨前線 ・26・27日秋雨前線 ○降水量;1858mm ○平均風速; 1.8m/s ○風向;北北東 ○日照時間;423.4h 表-6 2003年4月の気象状況(清水) 表-7 2003年9月の気象状況(清水)

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6.考察 No.32-39の羽衣の松に隣接する海岸変化に 絞って比較すると1980年代の海岸線(図-16 参照)までの距離を保つように砂礫の浜が維 持管理されていたことがわかる。 二時期の差分の段彩図でわかるのはこの範 囲では北東部と南西部の両端において養浜の 施工が行われたことと、浸食が顕著であるの は中間に位置する汀線に平行なラインでとし てであった。 100 200(m) 0 羽衣の松 1980年代の海岸線 2003年4月7日計測 陰影図  2003年9月3日計測 陰影図 2時期の差分 段彩図 図-16 二時期の陰影図と差分の段彩図と1980年代の海岸線 汀線部分に着目すると波の作用で生じたと 考えられるコブ状の砂丘が汀線に平列してい る。小さなコブは下方(海側)に、大きなコ ブは上方(陸側)にあることが見て取れる。 (図-17参照) 清水地区の気象記録はこの期間、北北東の 風が顕著であったが、砂礫の増減からはその 影響を見ることは難しい。通常時の風向きは 浸食・堆積には影響してないものと考えられ る。 100 200(m) 0 羽衣の松 コブ状の起伏 顕著な風向(北北東) 2003年4月7日計測 陰影図  2003年9月3日計測 陰影図 2時期の差分 段彩図 図-17 二時期の陰影図と差分の段彩図とコブ状の砂丘と風向 差分の段彩図と並列したコブの形状変化か ら海岸浸食が大きく発生するのは台風などの 風雨や豪雨の際に砂礫に十分水分が浸透して 脆くなっている状態での大波であることが推 察される。小さいコブが下方にあるのは通常 波による浸食・運搬・堆積の作用で、幾つか の波が合成され大きさが増すとより高い位 置がこの作用に晒さらされることは自明の理であ

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る。台風のうねりや高潮など潮位が影響する 場合、波は大きな波長となり、通常大波の位 置を浸食したものと考えられる。(図-18参 照) 浸食された面が汀線に平行であれば図-19 のように階段状に崩壊の連鎖が起きることも 自然であり、これは図-20のように海底にも 連鎖していくことが考えられる。 2003年4月7日計測 陰影図  2003年9月3日計測 陰影図 2時期の差分 イメージ図 100 200(m) 0 LWL HWL 海岸の名称 LWL HWL 図-18 二時期の陰影図と差分の段彩図と階段状の海岸線 図-19 砂浜の変動モデル 浅海(海底)での変動予測 海域 海岸域  浸食が下方から 起こるのであれば 海中で先に変化 するはずである。  浸食  堆積 浸食された地形部     (仮 説) 図-20 海底へ連鎖する変動モデル ま と め 前 回 APA(No.85-9) は 時 期 の 異 な る LiDAR データによって養浜箇所および浸食域堆積域 を記録通りの変化として捕らえることができ た。 また、二次元的な汀線の変動による浸食、 養浜箇所とほぼ同一地点でLiDARデータの変 動が見られるほかに差分を求めることで正確 な養浜位置がわかり、浸食に及ぶ過程も解析 できた。加えて今回、短期間の調査で以下の 事柄が考えられた。 ① 斜面において砂浜の増減が上下互い違い で平行な階段状に現われている。(平行にず り落ちるように浸食されている)

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② 緩やかな斜面の砂浜の増減が水平方向で 交互にコブ状に現われている。(陸域に上が るものほど間隔が広く少ない)。 ③ 平均的な風向きと砂礫の移動方向は一致 していない。 (風<波の影響) ④ 養浜された箇所の周辺は浸食が少ない (養浜の効果がある)。 ⑤ 養浜されていない箇所の周辺は浸食が顕 著である。 ⑥ 砂礫海岸において、地上TS測量とLiDAR の相対誤差は数センチである。(対地高度に よる) ⑦ 通常大波の限界線の変動は集中豪雨や台 風などによる風雨が原因と考えられる。 この種の研究は全国的な海岸浸食調査の資 料として重要である。継続調査の結果が期待 される。 謝 辞 佐藤武教授(東海大学)には研究資料の提 供をしていただいた。協力いただいた朝日航 洋社員、東海大学の学生の皆様に深くお礼を 申し上げる。 (※朝日航洋株式会社) (※※東海大学海洋学部) 参考文献・資料 1) 後藤浩二・長嶋伸明・高橋庸平・佐藤武(1996)静岡 県清水市折戸付近における海岸侵食、Proceeding of the 6th Symposium on Geo-Environments and Geo-technics、 191-196p 2) 佐藤武(1996)清水市三保における海岸侵食 ―清水 市折戸海岸の現況―、地質ニュース508号、21-30p 3) 佐藤武(1998)清水市折戸海岸の浸食について ―礫・ 粗粒物質の移動―、東海大学紀要海洋学部 第46号、 107-117p 4) 村上文敏(2002)空中写真およびGISによる海岸線変化 の数量化-静岡・清水海岸を例として-、海洋調査技術 学会 第14回研究成果発表会、44-45p 5) 弘松峰男(2002)清水海岸および、その浅海域の地形 変化について 東海大学大学院平成14年度修士論文、 1-19p 6) 秋山幸秀(1999)、ヘリコプター搭載型レーザー高度計、 衛星リモートセンシングによる氷床-海洋-地殻圏変動 のモニタリングに関する研究小集会、国立局地研究所・ 南極圏環境モニタリング研究センター、87-114p. 7) 秋山幸秀 (1997)、空中レーザー高密度地形計測の治山 事業における活用方法、治山治水研究会 論文集、 343-355p 8) 国土地理院発行1/25、000地形図 9) 村上昌幸・柴田啓介・木村幸吉・秋山幸秀・藤原輝芳・ 宮崎充弘(1998)、電子基準点を利用したエアボーン・レー ザー・プロファイリングによる高密度三次元測位、第20 回技術発表会論文集、日本測量調査技術協会 52-59p. 10) 亀井福次・中川勝登・茂木広一・浦部ぼくろう・高橋 博将・白戸丈太郎・斎藤重好・岩波英二・秋山幸秀・藤 原輝芳(1999)、地形測量へのレーザープロファイラーの 利用技術に関する研究、第21回技術発表会論文集、日本 測量調査技術協会 38-45p 11) 朝日航洋株式会社;秋山幸秀(2002)、航空レーザー 測量による微地形表現、第1回航空レーザーシンポジウ ム、「最先端測量技術の活用」資料 12) 中野公章・清水孝一・山越隆雄・葛西勝栄・中村剛・ 秋山幸秀・高貫潤一2000年有珠山噴火時におけるヘリコ プター搭載レーザースキャナによる地形藩か測定:砂防 学会誌、Vol.53、No.6、p.88-94、2001

13) JSECE Publication No.35 平成14年度 砂防学会研究 発表会概要集.156-157p. 14) 三保海岸養浜位置図(1996~2003) 静岡県土木事務 所 清水事務局 15) 秋山幸秀・M.P.B.セーナカシリ・根元謙次・弘松峰男 (2003)、Airborne-Scanning LiDARによる海岸線浸食調 査、第25回技術発表会論文集、日本測量調査技術協会. 100-117p. 16) 秋山幸秀・M.P.B.セーナカシリ・根元謙次・弘松峰男 ( 2003 )、 Airborne LiDAR に よ る 三 保 海 岸 調 査 、 APA No.85-9日本測量調査技術協会.82-95p. 17) 秋山幸秀(2003)LiDARによる三保半島の海岸線調査 -浸食と堆積-、海洋調査技術学会 第15回研究成果発 表会、25-26p. 18) 静岡新聞(2003.10.16)駿河湾の恵6、波が運ぶ三保 半島の砂 19) 毎日新聞(2004.5.19)「羽衣の松」海岸浸食の危機 砂 浜復活計画進む それでも回復に二十五年 20) 秋山幸秀・根元謙次・横山心一郎(2004.6.18)、 Airborne-Scanning LiDARによる海岸線浸食調査PartⅡ、 第26回技術発表会論文集、日本測量調査技術協会、13-21p 21) 「デジタル写真測量の理論と実践」(社)日本測量協会、 192-193p

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