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(2) 店舗開店スケジュール ( プレゼン資料 6 ページ ) 住友不動産では開店に必要な専門家 ( 不動産専門弁護士 建築家 / インテリアデザイナー IT 関係業者 家具業者 保険会社 卸業者 PR 会社等 ) の紹介も行っている 不動産賃料の高騰と人件費の都合上 初期コストは日本の 3 倍程か

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Academic year: 2021

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「ニューヨーク店舗出店について」

迫 なみ子氏 (住友不動産販売)

(1)店舗物件選定から開店までの流れ (プレゼン資料 5 ページ)

レストラン、小売などの店舗を開店するまでの準備や注意点などを紹介したい。店舗物件の賃 貸条件交渉から開店までの準備期間は、最短でも 10 か月、平均しておよそ 1 年~1 年半かかる。 加えて 5、6 か月程を要するリカーライセンス申請や冬場のガス・電気工事に時間がかかる。こ のようなロスタイム要因を考慮して、十分な準備期間を確保し効率的に準備を進める事が大切。 具体的なステップは以下の通り。 ① 仲介業者選定 仲介委託:「専任」依頼者が他の宅建業者に重複して依頼できない媒介契約 「非専任」:依頼者が他の宅建業者に重複して依頼できる媒介契約 ② 物件選定:エリア、坪単価、商業ビルのクラス区分、用途毎に比較調査。3~5 件程度 に絞られた時点で内装工事業者による現地調査を実施。 ③ 家主側との賃貸条件交渉 ④ 賃貸基本条件交渉:リース契約書の骨格となる「基本条件」である賃料、賃料上昇率・ 諸経費、フリーレント期間、内装工事費、敷金額等を、不動産業者を通じて交渉する (通常 2 週間程度)。 ⑤ 賃貸契約書交渉・締結:④にて合意した基本条件をもとに、家主側とテナント側双方に て選定された不動産弁護士にて、リース契約書の交渉が進められる(通常 1.5~2 か月程 度)。 ⑥ 弁護士による契約書交渉:④⑤の期間(約 2~2.5 か月程度)においては、リース契約に関 する交渉は不動産業者・弁護士に任せ、ビジネスプラン・コンセプト、内装工事プラン、 会社設立手続、赴任者のビザ申請手続、会計士の手配(財務戦略の方針により資本金の 送金方法を決定しておく)等の準備を進めることに注力する。並行して、リカーライセ ンスの申請準備を進める。なお、リカーライセンスの申請には、座席数やメニュー構成 等を記載する必要があるため、ビジネスプランやコンセプトの策定時には、詳細までプ ランニングしておくこと。 ⑦ ⑧内装工事・開店準備:工事申請期間は 2~4 週間程、工事期間は 4~5 か月程を要する。 この間に従業員の雇用手配等の開店準備も進めておく。日本から進出する和食のレスト ランであってもビザなどの観点から日本人に限定せず、現地採用のスタッフでもイメー ジが損なわれない汎用性の高いコンセプトが良い。 ⑨ 引渡し

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(2)店舗開店スケジュール

(プレゼン資料 6 ページ)

住友不動産では開店に必要な専門家(不動産専門弁護士、建築家/インテリアデザイナー、IT 関係業者、家具業者、保険会社、卸業者、PR 会社等)の紹介も行っている。 ・不動産賃料の高騰と人件費の都合上、初期コストは日本の 3 倍程かかる。また、工期も 3 倍 かかる。短くとも 10 ヵ月はかかると見た方がいい。市の工事申請も特にクリスマスなどの休暇 時期は時間がかかる。寒いことを理由に電気工事に来てくれないことをもある。これらを勘案 すると、開店まで1~1 年半は準備期間として必要と考える。 (3)初期コスト(プレゼン 7 ページ) このスライドは床面積が 2,000 スクエアーフィート、賃料を年間スクエアーフィート当たり 150 ドルの店舗例である。日本のお客様は(月額賃料あたりの)坪単価の表記に慣れているが 米国では(年額賃料あたりの)スクエアーフィート(sqft)単価の表記が一般的。月当たりの賃料 は 2 万 5,000 ドルから 3 万ドル程度になる。一般的な収益プランとして、飲食店の場合だと通 常、家賃の 10 倍が売上目安となる。初期コストには賃料、敷金、弁護士費用、内装費用等を想 定しておく。なお、消防法の関係で最大収容人数が定められている。 (4)マンハッタンの商業ビル・クラス 区分 (プレゼン資料 8 ページ) ・クラス A ビル:主なアベニュー沿いに立地しており、各指定のユニオン業者が管理している 分、安定したビル運営を行っている。区分中、賃料・工事費・メンテナンス代が一番高く、テ ナントは大企業がオフィスとして使用する事が多い。この建物には換気扇がついていないケー スが多く飲食店が出店するには追加工事が必要となる為、割高になる。単価(sqft/y)は 600~ 1,000 ドル程度。 ・クラス B ビル:ミッドタウンサウス、チェルシーあたりに多く点在する中型ビル。換気扇が 必要でなければ単価は 300 ドル~。アベニュー間に立地しており、指定のユニオン業者は少な い。工事費は相場価格で賃料は比較的安い。 ・クラス C ビル:アベニュー間に立地する低層ビル。マンハッタン中で見かけるタウンハウス がこの区分にあたる。1 階を小売テナントやレストラン、上層階をアパートメントとして使用 しているケースが多い。賃料は安いがメンテナンス代が高く、個人オーナーが多いので賃貸条 件は個別交渉を行う。レストランなどで出店するのはこの区分がほとんどである。 (4)物件選定のキーポイント (プレゼン資料 9 ページ) 借りようとしている物件とそのスペースがどの使用用途(Certificate of Occupancy)で市に登録 されているのかを確かめる。使用用途の変更が必要な場合はその分時間がかかる。ビル内に換

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気扇が取り付けられるのか、リカーライセンスの申請は教会と学校が近場にあると許可が降り ない為、選定時に周辺環境をよく確認する必要がある。 (5)交渉のキーポイント (プレゼン資料 10 ページ) 貸主は、既存テナントに配慮し、パブリック情報になりやすい家賃の減額には非常に慎重であ る。一方で個別交渉事項となるフリーレント期間の長さや家賃上昇率において交渉の余地があ る。近年は好景気なので交渉条件が厳しい傾向にある。 ・賃貸期間:一般的に 7 から 15 年の間で交渉可能で 10 年契約が一般的。米国では早期解約条 項という概念がなく、交渉に持ちだす場合には、基本的に他の項目での交渉ができなくなる、 もしくはビジネスに自信がないとみなされる傾向にあるので、基本的には、早期解約条項につ いては交渉しないことをお勧めする。 ・フリーレント期間:内装工事等の出店準備中に対する家賃免除期間。最近は 10 年契約の場合 で 4 ヵ月~6 か月が一般的だがリーマンショック後は 10 か月という時期もあった。フリーレン ト期間の交渉例として、ハイエンドな内装を必要とするコンセプトである事が効果的に伝えら れると、その分工事期間が長くなることが予想でき、交渉を多少有利に進めやすくなる。 ・エスカレーション上昇率:賃料上昇指数。賃貸期間が長期に及ぶため、家主が、同期間中に おける物価上昇をカバーできるようにするというのが基本的な概念。近年の好景気においては、 3%程度が一般的水準である。もしくは、厳格な家主は、消費者物価指数を適用する場合もある。 上昇指数は景気の良し悪しに左右され、景気が悪くなると上昇率が下がったり、隔年毎の上昇 になる。 ・契約譲渡、又貸し条項:中途解約条項がないため基本的に認められている出口戦略の一つ。 現状の契約を他人に「譲渡」するか、もしくは、契約主として契約を継続しながらも、他人に 「サブリース」することが認められている。ただし、契約譲渡やサブリースによる家賃収入で 利益を得る場合はその 7 割程度を家主に渡さなければならない等の厳格な条件が課されている のが一般的である。 ・敷金額:会社の歴年数や納税記録等の企業の信用度合により提示額が変動する。米国におけ るある程度の納税記録がある場合、敷金提示額は 3~5 か月程。日本から新規参入してくる企業 は 6 か月~1 年程の敷金が提示される事が多い。有利な交渉の為には日本国内での実績と信用 をしっかりとアピールすることが重要。 (6)出店に向けての事前準備 (プレゼン資料 13 ページ) 英語の会社案内パンフレットと英語のウエブサイトは、コンセプトと日本国内での活動基盤 の強さをアピールし、少しでもよい交渉を行えるよう早い段階で準備しておくことが必須。過 去 3 年程の英語の財務諸表も必要とされる。また、法人形態(LLC、LLP、等)や投下資金の勘

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定区分など新会社設立の内容をはっきりさせておくことは、しっかりとしたビジネスプランの プレゼンテーションにつながるので、有利な交渉に必須である。メニュー構成、顧客単価、座 席数、店舗デザイン等のビジネスプランについても早目に決めておく。NY のローカルネットワ ーク構築も重要で、法律や規程などをよく確認しながら内装、流通、会計、雇用など出店に必 要なその他の準備や人脈、ネットワーク作りも進めておく。 (7)ニューヨーク市内のエリアとその特徴 (プレゼン資料 2~4 ページ) ・アップタウン~ミッドタウン: 8 アベニューから西側。クラス C が存在するため人気の エリア。 ・アッパーウエストとアッパーイーストは人の往来が弱い為、最初の出店エリアとして選ばれ る事は少ない。 ・ミッドタウンイースト:3 アベニュー~2 アベニュー間の 45 丁目~52 丁目の界隈。比較的リ ーズナブル。 ・ミッドタウンサウス:イーストビレッジでは 120 ドルの単価で探せる。このあたりは昼間の 人通りは少ないが夜の人通りは多い為、夜の営業時間のみで成立するビジネスの出店が向く。 ・ロウワーイースト:東京でいう六本木の裏あたり。隠れ家レストラン等の個性的なコンセプ トが多く点在する地域。ラフな街の雰囲気は持ちつつ、高級レストランも見かける。お客さん がわざわざ出向いてくれる強いコンセプトを持つお店や、既にビジネスが確立された2店舗目 以降に出店する場所として選ばれる事が多い。 ・ブルックリン:日本でのブルックリン人気の影響で選ぶ人が多い。単価 120~150 ドル。 <質疑応答> Q: リカーライセンスの申請のために会社役員に米国人を入れる必要はないか? A:弁護士により見解が違う。会社設立メンバーの中に米国市民か永住権保持者が必要という 専門家もいればビザ(E,L)保有者であっても申請要件が認められる為、自治体に申請した事例 も見受けられる。住友不動産販売では賃貸交渉時に必要な弁護士に加え、リカーライセンス申 請を専門に扱う弁護士も雇うことを推奨している。 Q:賃貸契約が継続できない場合は? A:移転による費用(内装工事等)を負担してでも移転するテナントが多い。10 年前のリース 交渉は全体的に好条件だったが近年は更新による家賃の高騰が激しい事が要因の一つである。 家賃の安いエリアに移転するケースが多い。

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Q:賃料の上昇を監査するシステムは存在するのか?また、上昇率は定率なのか、その年によ り変動するのか? A:すべての賃貸契約は個別交渉のため、監査システムというきっちりとした制度はないが、 物件情報は、不動産業者専用の情報サイト上で公表されているため、ある程度公正な市場が形 成される仕組みが整備されている。賃料の上昇指数は、賃貸期間が長期に及ぶため、家主が、 同期間中における物価上昇をカバーできるようにするということを基本概念としているため、 消費者物価指数がひとつの指標となり、現状 3%程度が一般水準となる。また、この上昇指数 は複利計算となる点も考慮しておくこと。 Q:ベンチャー企業などのスタートアップはオフィスをどうしているのか。 A: レンタルオフィスが人気。通常の賃貸契約と比較すると割高ではあるが、契約期間をフレ キシブルに設定でき、敷金も 1 か月程度等、賃貸契約より手続や審査が容易で、手軽に借りら れるのが受けている。

参照

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