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自閉スペクトラム症児にみられる自傷行為の随伴性

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Academic year: 2021

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− 93 − 自閉スペクトラム症児にみられる自衡子為の随伴性 人間教育専攻 臨床心理士養成コース 大 浦 政 幸 1.問題と目的 自閉スペクトラム症は「相互の対人自←情緒 的関係の欠落,対人的相互反応で非言語的コミ ュニケーション行動を用いることの欠陥,人間 関係を発展させ,維持し,それを瑚卒すること の欠陥であるとし,また限定された反復的な行 動様式がある」とされている(A.merican Psychiatric As蹴:iation,2013)。文嗣ヰ学省の 調査によれば特別支援教育による教育を受ける 自閉スペクトラム症の児童生徒数は,平成18年 では3,912人で、あったのに対して平成25年で は 12,308人と約3倍に増加したことが報告さ れている(文部砕卜学省, 2015)。しかしながら, 学校現場においては,自閉スペクトラム症を含 めたさまざまな障害を有する児童生徒が示すこ とのある行動上の問題への不適切な対応が問題 の悪化を招き,当該児童生徒を集団場面から遠 ざけることによって集団場面における行動上の 品噛を解消する解決方略が採用されることが少 なくなく,当該児童生徒の生活の質(Qualityof U会 :QOL)を低下させることにも繋がること が指摘されている(平津, 2008)。自閉スペクト ラム症児が示す行動土の問題にはさまざまなも のがあげられるものの,行動上の問題のーっと して「自働子為Jの発生は稀なことではなく, 25%以上の自閉スペクトラム症児が何らかの 自傷行為を行っていることが報告されている (Soke

&

Gnakub,2016)。自閉スペクトラム 指導教員 古 川 洋 和 症児にみられる自衡子為には,頭を打ち付ける, 髪の毛を引っ張る, リストカットをする,自分 の首を絞める,自分を噛む,自分を引っ掻く, 手を口に入れるなどが含まれる(Iwata,Pace, Dorsey,

&

Zarcone, 1994)

自閉スペクトラム症児にみられる自衡子為お よび他害行為などの問題行動に対しては,機能 的アセスメントに基づいた応用行動分析や,応 用 行 動 分 析 学 な ど に 基 づ い た Positive Behavior Support(以下, PBS)による多くの 成果が報告され,問題行動の低減や対象児者の QOLの向上を目的とし,対象者および支援者を 含めた人的環境ならびに物理的環境を再構築す ることを目的としたアプローチとして普及して いる(Carr,Dunlap, Horner, Koegel,司rrnb叫1, Sailor, Anderson, Albin, Koegel, & Fox, 2002)。 しかし,自衡

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為がどのような環境的変化によ って形成されているかを明らかにした研究はな し、そこで本研究では,特別支援学校に在籍す る自閉スペクトラム症児の自衡子為の随伴性を 明らかにすることを目的とした。

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方法 研究デザイン:本研究では,質問紙法を用い た記憶の想起によって,自閉スペクトラム症児 の自働子為の随伴性を明らかにすることとした。 対象者:近畿圏の特別支援学校に勤務する教 師492名に対して,以下に示す調査材料を含む 質問紙への回答を依頼した。

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− 94 − 調査材料:①フェイスシートにより, I年齢J, P↑生別J,I経験年数J,I自閉スペクトラム症児 の自衡子為を見た経験の有無J,および「自餅子 為について苦慮、したこと(自由言謎)J儲 爾 ア セスメントシートにより自衡子為を行った白閉 スペクトラム症児の「学部J,I学年J,I十甥リJ, 「自傷託子為が起こった時間帯j,I自傷託子為が起 こった場所j,I自衡子為の種類J,および「当該 自信者子為の前後の環境」について回答を求めた。 分析方法:I自信新子為の前後はどのような環境 で、あったかJ', ま た 自 信 許

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為にっし、て苦慮し た点jの回答について,川喜多 (1967)による KJ法を用いてカテゴリカルデータとして整理・ 分類した。次に, χ2検定を用いて,自備子為が 発生した時の状況ごとに,自備子為後の対応と して分類された対応に違いがあるかどうか確認 し丸 3. 結果 自 衡

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為発生時の状況で、χ2値が有意で、あっ た (χ2=329.6,P<O.OOl)。そ の 結 果 環 境 の変化」と「耕市ありJが多く発生する状況で あることが明らかにされた。また自信許子為後の 対応においては「環境の変化 (χ2=243.5,P< 0.001)J I線市あり (χ2=40.9,P<O.OO1)J r教 師なし (χ2二 28.4, P<O.oo1)Jにおいてχ2 値が有意で、あった。「環境の変化jへの対応とし ては「説明jの37.7%がもっとも多い対応であ り , I声かけ(共感的姿勢)Jが17.6%,I場所の 変更」が14.5%と自働子為後の対応として多く

i

輯央されている対応であった。「郡市あり」では 「声かけ(共感的姿勢,)jの27.8%がもっとも多 く, I教師なし」においても「声かけ(共感的姿 勢,)jの46.9%が多く選択される対応で、あった。

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考察 本研究の目的は特別支援学校に在籍する自閉 スペクトラム症児の自備子為に対して,自傷行 為の随伴性を明らかにすることで、あった。本研 究の結果, I環境の変イ七J,I郡市あり」が自衡

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為発生時の:閃兄として多し、ことが明らかにされ た。オ吋す・西田・山口・長瀬・大日向・石川・ 北・中谷・米山・北住包016) において,自閉 スペクトラム症の施設利用者の自信託

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為の生起 要因として「物理環境j, I人的条件j,I意に沿 わないこと」が高い割合としてあげられている。 つまり,本調査で得られた自衡子為発生時の状 況とオミ村他 (2016).から学校場面における自傷 行為の先行条件として環境の変化キ朝市の有無 があげられるといえる。 また,直前の状況ごとの自傷行為後の対芯で は, I環境の変化j,I教師ありJ,I教師なしJで, 「説明j,I声かけ(共感的姿勢,)jがもっとも多 い対応であることが明らかにされた。しかし, 竹中ナ (2009) によると「声かけjでの対応では 問題行動が「改善」したという回答を得られた ものがほとんどなかったと言及されていること から,自働子為においても同様に「声かけJお よび「説明」の効果は期待できないといえる。 大羽・井上位007) より,自働子為への対応に ついては,先行条件として教室の構造化ならび にわかりやすいスケジューノレの提示,適切な教 師の関わりを行うことで自傷行為の発生頻度が 低下し,自傷行為が起こった際に大きく反応す ることなくすぐに自働子為とは異なる代酎子動 のプロンプトを提示し,代新子動をすることが できればその行動を強化することで自衡子為を 低減できると考えられる。今後は自傷行為の代 替守子動として何が適切であるか, どのように代 駒子動を定着させていくかを考え,自衡子為を 低減する方法を明らかにしなければならない。

参照

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