• 検索結果がありません。

チェコスロヴァキアという「民族」:ハプスブルク帝国と第一次世界大戦(平成27年度卒業論文から)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "チェコスロヴァキアという「民族」:ハプスブルク帝国と第一次世界大戦(平成27年度卒業論文から)"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

― 98 ―     チ ェ コ ス ロ ヴ ァ キ ア と い う 「 民 族 」           ― ハ プ ス ブ ル ク 帝 国 と 第 一 次 世 界 大 戦 ― 高   橋   七   海   第 一 章 で は 、 ハ プ ス ブ ル ク 帝 国 の 近 代 以 前 の 流 れ と ア ウ ス グ ラ イ ヒ 体 制 に お け る 諸 民 族 の 統 治 、 第 一 次 世 界 大 戦 の 勃 発 と 大 戦 中 の 帝 国 、 大 戦 後 の 帝 国 の 崩 壊 に つ い て 述 べ た 。 一 八 六 七 年 以 降 の ア ウ ス グ ラ イ ヒ 体 制 下 の オ ー ス ト リ ア で は 諸 民 族 の 平 等 の 権 利 が 保 障 さ れ た が 、 ハ ン ガ リ ー で は 諸 民 族 に 対 し て 抑 圧 政 策 が と ら れ た 。 第 一 次 世 界 大 戦 期 に は ハ プ ス ブ ル ク 帝 国 は 様 々 な 面 で ド イ ツ に 依 存 し 、 総 力 戦 や 長 期 戦 に よ っ て 国 内 の 食 糧 な ど の 物 資 が 不 足 し た こ と で 、 人 々 の 不 満 が 高 揚 す る と と も に 、 帝 国 へ の 失 望 が 広 が っ た 。   第 二 章 で は 、 チ ェ コ と ス ロ ヴ ァ キ ア の 歴 史 に つ い て 述 べ た 。 チ ェ コ は ハ プ ス ブ ル ク 帝 国 の 一 領 邦 と さ れ た が 、 ビ ー ラ ー ・ ホ ラ の 戦 い 後 の 貴 族 層 の 減 少 か ら 、 ハ プ ス ブ ル ク 家 の 絶 対 支 配 の 中 に 組 み 込 ま れ て い っ た 。 ス ロ ヴ ァ キ ア は 長 い 間 ハ ン ガ リ ー 王 国 の 一 部 と し て 存 在 し 、 自 治 を 得 る こ と が な か っ た 。 一 八 四 八 年 革 命 期 に は ナ シ ョ ナ リ ズ ム が 高 揚 す る が 、 失 敗 に 終 わ っ た 。 そ し て 、 両 者 は 第 一 次 世 界 大 戦 後 に 共 同 で チ ェ コ ス ロ ヴ ァ キ ア 共 和 国 を 建 国 し た 。   第 三 章 で は チ ェ コ と ス ロ ヴ ァ キ ア の 民 族 の 形 成 、 チ ェ コ ス ロ ヴ ァ キ ア の 独 立 に つ い て 述 べ た 。 チ ェ コ で は 独 自 の 文 化 圏 を 証 明 す る た め 、 国 民 劇 場 や 国 民 祭 典 、 国 民 的 な 英 雄 な ど と い っ た シ ン ボ ル を 提 示 し 、 チ ェ コ 文 化 を 人 々 に 広 め よ う と し た 。 ス ロ ヴ ァ キ ア で は 国 制 上 の 権 利 主 体 で あ る こ と を 証 明 し よ う と 、 ハ ン ガ リ ー 王 国 史 や ス ラ ヴ 性 、チ ェ コ 文 化 を 引 用 し た シ ン ボ ル で 人 々 の 認 知 の 拡 大 を 図 っ た 。 チ ェ コ と ス ロ ヴ ァ キ ア の 言 語 や 文 化 の 類 似 性 、小 規 模 な 民 族 性 か ら 、 第 一 次 世 界 大 戦 後 に 共 同 国 家 が 形 成 さ れ た 。   本 稿 の 結 論 と し て 、 四 つ の 問 い に 対 す る 考 察 を 述 べ た 。 第 一 に 、 ア ウ ス グ ラ イ ヒ 体 制 下 の 諸 民 族 の 位 置 づ け で あ る 。 オ ー ス ト リ ア 側 で は 民 族 平 等 が 保 障 さ れ た が 、 そ れ は 不 十 分 な も の で あ り 、 様 々 な 危 険 性 を 持 っ て い た 。 一 方 、 ハ ン ガ リ ー 側 で は 支 配 下 に あ っ た 諸 民 族 は 基 本 的 に 抑 圧 を 受 け た 。 第 二 に 、 第 一 次 世 界 大 戦 が チ ェ コ ス ロ ヴ ァ キ ア の 独 立 に 及 ぼ し た 影 響 に つ い て で あ る 。 大 戦 に よ る 不 満 や 国 外 の 独 立 運 動 、 連 合 国 の 思 惑 に よ っ て 、 チ ェ コ 人 、 ス ロ ヴ ァ キ ア 人 の 政 治 家 や 知 識 人 は ハ プ ス ブ ル ク 帝 国 の 枠 組 み の 中 で の 自 治 獲 得 か ら 帝 国 か ら の 独 立 へ と 方 針 を 転 換 し て い っ た 。 第 三 に 、 チ ェ コ と ス ロ ヴ ァ キ ア の 民 族 形 成 に つ い て で あ る 。 両 者 に は シ ン ボ ル を 提 示 し 、 民 衆 文 化 や 宗 教 的 要 素 、 身 近 な 他 民 族 の 文 化 を 取 り 入 れ 、 新 聞 の 報 道 を 利 用 し た と い う 共 通 点 が あ っ た 。 第 四 に 、 民 族 は 「 つ く ら れ た 」 も の で あ る の か と い う こ と に つ い て で あ る 。 支 配 的 民 族 へ の 対 抗 や 曖 昧 な 民 族 性 の 強 化 、 民 衆 へ の 啓 蒙 な ど の た め に 、 自 民 族 の 様 々 な 要 素 や 他 民 族 の 文 化 な ど を 取 り 入 れ て 民 族 が 「 つ く ら れ た 」。 そ し て 、 そ れ は 西 欧 な ど の 民 族 に も 共 通 す る も の で あ っ た 。 ( 花 園 中 学 高 等 学 校 )

参照

関連したドキュメント

平成 16 年度に試行的に除去作業を行 い、翌平成 17 年度から、ボランティア

第16回(2月17日 横浜)

インド インド インド インド インド インド インドネシア インドネシア インドネシア インドネシア インドネシア インドネシア 日本 日本 日本 日本 日本 日本

父親が入会されることも多くなっています。月に 1 回の頻度で、交流会を SEED テラスに

 福島第一廃炉推進カンパニーのもと,汚 染水対策における最重要課題である高濃度

世界レベルでプラスチック廃棄物が問題となっている。世界におけるプラスチック生 産量の増加に従い、一次プラスチック廃棄物の発生量も 1950 年から

2013(平成 25)年度から全局で測定開始したが、2017(平成 29)年度の全局の月平均濃度 は 10.9~16.2μg/m 3 であり、一般局と同様に 2013(平成

中原 千裕 救護施設の今後の展望 前田 静香 若手フリーターの増加と支援 山本 真弓 在宅介護をする家族のバーンアウト.