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アジア大陸における越境鉄道の機能と再生について

考える

著者

赤塚 雄三, 澤井 崇, 神山 岳拓

著者別名

AKATSUKA Y, SAWAI T, KAMIYAMA T

雑誌名

国際地域学研究

5

ページ

1-21

発行年

2002-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003844/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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国際 地域 学 研究 第5 号2002 年3 月

アジア大陸 におけ る越境鉄 道の

機能 と再生につ いて考 える

三*, 渾

崇 **, 神 山 岳 拓 ’* 1 。 越 境 鉄 道 の 課 題 ア ジア 大陸 に は広域 的 な広が り を持 つ 越境 鉄 道 シス テム が各 地 に存 在 するが 、 そ の中 には、 辛 う じ て 機能 し てい る もの、機 能 不全 に 陥 って い る もの等、 そ の現 状 だ けで な く背景 も多 様で あ る。 こ れら の 鉄道 に対し て、 我 が国 は途 上 国政 府 の 要請 に応 えて、 国 別 に政 府 開発 援助 を提 供し て 改善 策 を進 めてい る。し かし 、 そ の多 く は広 域的 に 展 開する 鉄道 シ ス テム に対 す る視点 を 欠い た臨床 的 な 対 策 に 止 まり、十 分 な効 果 を挙 げ る に は至 っ てい ない。 そ こに は援助 対 象 の鉄道 を 国内輸 送 モ ード の枠 組 み を超 えて、 広域 的 な広 が り を持 つ越 境 鉄道 の持つ 有 機的 な役割 り に関 す る理 解 が必 要 であ る。 機 能不 全 の原因 が、 一 見、 個別 の国 内的 な問 題 の よう に思 わ れる場 合 であ って も、 こ れ を広域 的 な 鉄道 シ ステ ム とし て の機能 の 視点 か ら検 討 す る事 も必 要で あ り、 こう し たプロ セスの 中で 真 の 原 因が 明 らか にな り、 実際 的 な改 善策 が 見い ださ れる可 能性 は少 な くない と考 える。 著者 ら は、 こ ・OV カ ザ フ ス タ ン ≪**++ 鉄通: ■ifl 路R)Jffi 関 紬故(通年) ○ 細関施 設( 王)m 際空 港 本r?i内空 港R 竹fir. 日 吼 郎aill 図1 モ ン ゴ ル の 運 輸 交 通 網 出典 : 丸岡 健 二、 赤 塚 雄二 「 モ ンゴ ル に お け る国 際 貨 物 鉄道 輸 送 の現 状 と課 題 」『運輸 と経 済 』 一第60 巻 第12 号2000 年12月 '東 洋 大 学 国 際 地 域 学 部:Professor,GraduateSchoolofRegionalDevelopmentStudiesToyoUniversity ¨ 東 洋 大 学 国 際 地 域 学 部 ;MasterStudent,GraduateSchoolofRegionalDevelopmentStudies,ToyoUniversity

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2 国 際 地 域 学 研 究 第5 号2002 年3 月 うし た視 点 に立っ て、これ らの 鉄道 シス テ ム形 成 の経緯 と発 展 過程 、更 に は現状 と問 題点 を究 明 し 、 前述 の課題 に応 える事 を試 みた もの であ る。本稿で は、当 該 鉄道 の典 型 的 な事例 として、ロ シ アー モ ンゴ ル ー 中国 間の 越境 鉄道 、中 央 ア ジ ア諸国 間 の越境 鉄 道 シス テム 、 インド 亜大 陸東 部 地 域 の越 境 鉄道 シ ス テム を採 り上 げて 検討 し た。 これら の 鉄道形 成 の時代 的 背景 とし て欧 州 列 強諸 国 に よ る植 民 地 政 策、 ブロ ッ ク経 済の形 成 を 挙 げる事 が 出来 る。 そ こで は鉄 道 は植民 地 支配 の確 立、 強 化、 そ し て、 資 源を宗 主国 に効 率 良 く輸 送 する シ ステ ムとし て の役割 を 担っ てい た。 欧州 諸 国列 強 に よ る 植民 地 支 配終 焉 後 は、 これ ら の鉄道 は主 とし て独立 し た諸 国 の国 内輸 送 シス テム の一 つ とし て の 役 割 を担 う事 に なる。 結果 とし て 広域 的 な越 境 鉄道 の役割 は次第 に 見失 わ れ、機 能不 全状 態 に 陥 っ た もの と思 わ れる。 こうし た状 況 から 脱 却し 、 往時 の植民 地 支配 時 の広 域鉄 道 に替 わ る もの とし て、 地域 社 会 の安 定 と平和 、 そし て 繁栄 の た めの越 境鉄道 の役割 が 模索 さ れて い る。 2 。 ア ジ ア 大 陸 に お け る 越 境 鉄 道 シ ス テ ム の 形 成2.1 ロシ アー モンゴ ル ー中 国 間 越境 鉄道 : モンゴ ル 鉄道 を中 心 とし て モ ンゴ ル鉄 道網 形成 の 歴史 は、 モ ン ゴル が社 会主義 革 命 を経 て ソビエ ト 連邦 の計 画 経済 に 組 み込 まれた 時 点 に遡 る。 社会主 義 政権 の 下 で、 ソビ エト連 邦 の地 域 別工 業化 ・集 団化 政 策 を推 し 進 め る た め の鉄 道 とし て の役割 を担 っ たの であ る(図1 、2)。 モンゴ ル 鉄道 建設 の歴 史 を遡 る と以 下 の よ う に 社会 主 義 経済 圏 のブ ロ ッ ク経 済へ の 移行 過 程が明瞭 に浮 かん で来 る。 柵 十ト++[^xistini;riiilwiiy → ●− −−− RailwaylobeCnnslriicledillDoriindaiinas OptionI:CKnIbalsanT.iiiisiiiubtilsiu・SuinbLT-CliiiinOpiiuiin:Clioibalsaii-Tiiinsnubtilaij (exisliiiiiembiiiikinenl)Opiionl:Cliolbalsnn,TasnnUul'S:ii \(,'iindnIai,Dulangiinkhooloi,Cliina 図2 モ ン ゴ ル の 鉄 道 網 整 備 計 画 出 典 : 丸 岡 健二 ,赤 塚 雄 二 「 モン ゴ ル にお け る国 際 貨 物 鉄 道輸 送 の現 状 と 課題 」『 運輸 と経 済 』− 第60 巻 第12 号2000 年12 月

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赤 塚, 渾井, 神 山: ア ジア大 陸 にお ける越境 鉄道 の機 能 と再生 につ い て考 える 1938年 :ウ ラ ンバ ート ル∼ ナ ラ イハ 間 (約43km )750mm (狭 軌) …炭 坑 開発1949 年 : ナウ シ キ(ロ シ ア)∼ スフ バ ート ル∼ ウラ ンバ ート ル 間 (約400km )1956 年 : ウラ ンバ ート ル∼ ザ ミ ンウ ード (中 国国 境 )( 約710km ) ウラ ンバ ート ル∼ ナ ラ イハ 間1,520mm (広 軌) へ改 軌1963 年 : タル パ ン∼ シャ リン ゴ ル間 (約63km ) …炭 坑 開発1979 年 : サルヒ ット∼ エ ルデ ネ ット 間 (約164km )・‥銅 鉱 山開 発1982 年 : バガ ハ ンガ イ∼ バガ ヌ ール 間 (約94km )… 炭坑 開 発1985 年 :ト ルゴ イ∼ ソン ギ ノ間 (約20km ) … 砕石 開発1987 年 : アイ ラ グ∼ ホル ント ゥ ール 間 (約60km )… 蛍 石鉱 山 開発 3 2 。2 中 央 アジ ア諸国 鉄道 シ ス テ ム 帝 政ロ シ ア は南 下 政策 の一 環 とし て中 央 ア ジア を侵 攻し た が、 中央 アジ ア諸 国鉄道 は、 その 侵攻 政 策 の軍事 的 進行 を 促進 す る手段 とし て建 設 さ れた。 そ の後 は帝 政ロ シア の覇 権誇示 と影響 力 強化 のた めの役割 を 担う事 に な る。 ソビ エト 連 邦 の社 会主義 体 制 に 移行後 は、広 大 な国土 を 強固 な産 業 連関 で 結び つけ る輸 送手段 とし て の役 割 を担 っ た。中央 アジ ア にお け る鉄道 建 設 は19世 紀後 半 から20 世 紀初 頭 にか けて 進 めら れた。鉄 道 が帝 政ロ シア による 中央 ア ジ ア植 民地 化 を確固 た る もの にし 、 綿花 の輸 送 や、 ロシ ア開 拓民 の 中央 ア ジ ア入 植 も推進 し た。 ソビ エト 連 邦 成立 後 は、 広大 な国土 を 】つ の経 済圏 とし て構 成す る大 規模 分業 の推 進 に より、経 済産 業 基盤 とし ての重 要性 が 強化 さ れた。 モ ス クワを 拠点 とする 鉄道網 は重 要資 源 産地 の シベ リア と中 央 アジ ア、大 消費地 の欧州部 との 間で 、 穀 物 、農 産 品、工 業 原料 の輸 送 、中 間 生 産物 の交 換、 完成 品 の輸 送 に 不可 欠 な経 済産業 基 盤 とし て の比 重 を増 し ていっ た(図3 )。 前述 の よう な中央 アジア 鉄道 建 設 の経 緯を 時系 列的 に辿 る と、以 下 図3 モ ス ク ワ を 中 心 と し て 放 射 状 に 展 開 し た 旧 ソ 連 圏 鉄 道 網 出 典:a シ ア東欧 貿 易 会 ロ シア 東欧 経済 研究 所 資料 (1996 年 ) を も とに 著 者が 作 成 . "

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4 国 際地 域 学研究 第5 号2002 年3 月 の よ う に纏 める事 が で きる。1880 年 : カ スピ海 沿岸 か ら 内陸 部 へ東 進 する形 で建設 開 始 ( ザカ スピ 鉄道 )1888 年 : サマ ルカ ンド まで延 仲 ( ザカ スピ鉄 道)1898 年 : タ シケ ント まで延 仲、 開通 ( ザカ スピ 鉄道)1906 年 : オレ ンブ ル グ∼ タ シ ケント 間 開通 (中央 ア ジア 南北 幹線 )1913 年 : バウ ナ ウル∼ セ ミ パラ チン スク間完 成 (ト ル クシブ 鉄道 )1924 年 : アル ス∼ ル ゴバ ヤ∼ ビ シ ュケ ク間完 成 (ト ル クシプ 鉄道 )1927 年 : セ ミパラ チ ンス ク∼ ル ゴバ ヤ 間完成 (ト ル クシ ブ 鉄道)1930 年 :ト ル クシブ 鉄道 (ト ル キ スタ ンーシ ペ リア鉄 道) 全線 開通 2 。3 イ ンド 亜大陸 東 部地 域 鉄道 シ ステ ム インド 亜 大陸 東部 地 域 は、周 囲 をイ ンド 東部 諸州 に囲 まれた バ ング ラデ シュ を中 心 とし て、ネパ ー ル 、 ブ ータ ン か ら 構成 さ れ てい る。 また、 こ の地 域 のイ ン ド は、 西 ベ ン ガ ル 州 とイ ンド 東 部7 州(AlnachalPradesh/Assam/Manipur/Meghalaya/Mizoram/Naga1and/Tripura) か らな る。 インド 亜 大 陸 に展 開 する鉄 道網 は、 英 国 植民 地 支配 時代 に形成 さ れた もので あ る( 図4) 。 こ の地 域 の 鉄道 はそ の建 設 時期 に より軌 間が 異 な り、 バ ン グラデ シ ュの チッ タ ゴ ン港 を 拠点 とす る メ ート ル 軌(I,000mm) の 鉄道網 とインド の カ ルカ ッ タ港 を拠 点 とす る広軌(1,676mm) 鉄道 網 から 成 っ てい る( 図5) 。 軌 間の違 い は、建 設 当時 の 予 算制約 な どの都合 で生じ た もの とい わ れ、 そ れが現 在 まで受 け継 が れ てい る。 し かし、 軌 間 の違 いが あ っ た とし て も、当 時 は何 ら問 題 がな かっ た ので あ ろ う。 こ の 鉄 道 の建 設目 的 は、 この 地域 で産 出 さ れ る資 源を港 湾 まで輸 送 す るた め の、 効 率的 な手 段 を 確立 す る こ とで あっ た からで あ る。 当時 は、原 産 地 から港 湾 まで の直 接輸 送 がそ の役 割で あ り、 異 な る路 線 との連 絡 は重 要で は なかっ た。 以上 に述 べ たよう に、 こ の地 域 の鉄道 シ ステ ム は基本 的 に英 国 に よ る植 民 地 支配 の下 で、収 奪 し た資 源 を本 国 へ効 率的 に輸 送 する事 を目 的 とし て建 設 さ れた。 そ の 結果 とし て、 こ の地域 の 鉄道 は 雨季 に は常 時氾濫 するガ ン ジ ス・プ ラ7 プト ラ川 下 流 域 の地 域 特性 や建 設 時期 等 に より、 路線 の 軌道 幅 も異 なっ てい る。 この地 域 鉄道 の建 設 を時 系列 に従 っ て 纏 め る と以 下 のよ うであ る。1851:Howrah ∼Rajmahal 間 にお ける インド 東部 鉄道 の実 験線建 設 開始1854:Howrah ∼Hooghly 間 にお い てイ ンド東 部地 域最 初 の 旅客 鉄道 運行 開始1855: 実 験線 をRaneegunje まで延 伸(122miles)1857:

東 ベ ン ガ ル 鉄道(EBR) をGanga の東 岸 からKushthia そ し て川 を 渡 りDhaka まで 線 路

を敷設 す るた め結 成。1862:Jamalpur

機関 車工 場 の建 設 、Kushthiaまで の路 線が 開通 、Calcutta、南 インド 鉄道 開通 。

東 インド 鉄 道(EIR) のDelhi へ向 か うル ート であ る東 岸 のYamuna. まで延 仲、 新 会 社 で あ るイ ンド 支線 鉄 道会 社が 設 立 さ れ、 小規 模 な支 線で 営業 開始1863:

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赤塚, 渾 井, 神山 : アジ ア大陸 にお け る越 境鉄 道 の機能 と 再生 につい て考 え る

1867: 東 インド 鉄道 支 線で あ るAllahabad ∼Jubbalpore 間 が 開通1871:

主要 路線Calcutta∼Delhi 間 の完 工 (東 イ ンド 鉄道 総延 長 が1350miles に到達 )1880:EIR

の国 への 移管 (建 設 、 運営 は会社 が実施 )、BengalNagpur 鉄道 完成1882-1884:Sealdah

側 で、Bongaon 間 で の路線 が 完成1885:Tarakeshwar 線 開通1892:AssamBengal

鉄道 建 設1899:Jamalpur

工場 におい て蒸気 機 関車 の製造 開始1901:EIR

のGrandChord 区 間 (Sitarampur∼Gaya ∼Mughalsarai) の完工 。1912:Howrah-Katwa

線 開 通1915:BurdwanKatwa 線 開通1917:Ahmadpur-Katwa 線 、Howrah-BardhamanChord で 開 通1917:HowrahBurdwanchord 線 開通 y >>lI:j・・。 じ 。North EGH ASS M F ゛・■`i- 。'几LAVAShillonSlinioncPak(19 ≪. 。。‥CherrapunjI UHA ● . ( ;゜ ● ゛・●・` r ゛゛ I ‘I│A.RUMACHA. ー.J,.│PRADESH'I!_'! ‘.A-,j Daporiio W ゛ . W ・゜● MANIPUR IZORAM か● 1 ヽ : . t I l l ' .゛ ' ' : l l ! 図4 イ ン ド 亜 大 陸 東 部 地 域 出 典: 「LonelyPlanet:lndiajp.62O:Assam,LonelyPlanetPublication'sPtyLtd.1999. 5

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6 国 際地 域 学研 究 第5 号2002 年3 月 MajorRailTra 幽portllootesiiiIndiaajSubeonlinent 図5 印 度 亜 大 陸 東 部 地 域 の 主 要 鉄 道 路 線 出 典 :赤 塚 雄 二、 丸 岡 健二 「 運輸 交 通 基 盤 整備 と インド 亜大 陸東 部 地域 経 済 統 合 可能 性 」 国際 開 発学 会 第2 回 特 別 研 究 集 会 論 文2000 年12月P.2,31928:Sealdah のLakshmikantapur 線 開 通1947: イ ン ド の 独 立 に よ りBengalAssamRailway が 東 パ キ ス タ ン に 移 管 さ れ る1950:TheChittaranjan 機 関 車 工 場 建 設1953:Howrah-Burdwan 間 の 電 化1955:Barasat-Basirhat

間 のMartin's 軽 便 鉄 道 とKalighatFalta 間 のMcLeod's 軽 便 鉄 道 が 閉

鎖 さ れ る1957:Burdwan-Mughalsarai

間 の 電 化 (25KvTraction )1958:HowrahBurdwan

線 主 要 区 間 とSheoraphuliTarakeswar 支 線 の 電 化1963:Sealdah-Ranaghat

間 の 電 化1971:Howrah-Amta

間 、Howrah-Shiakhala 間 のMartin's 鉄 道 の 閉 鎖1986:Fatua-Islampur

間Martin's 軽 便 鉄 道 の 閉 鎖 3 。 脱 植 民 地 時 代 の 越 境 鉄 道 一 機 能 の 低 下 時 代 的背 景 とし て植民 地 支配 の崩壊 と民 族 国家 の自 立 ・独 立 が挙 げら れ る。 その 結果 とし て 鉄 道 の 役割 も変 化し た。 国家 の独立 によ り、 越境 鉄道 シ ステ ム とし て の機能 が見 失 われ、利 用率 が 低 下 す る事 に なる。 それ まで に強い ら れた産業 連 関が 崩壊 し、 同時 に輸送 量 も低下 し た。 更 に は自動 車 の普 及 に伴 って 、鉄道 輸送 か ら道 路輸 送 へ とモ ーダ ル シフト が行 わ れ、鉄 道 の役割 は一 層低 下 し た。

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赤 塚, 滓井, 神山 :ア ジ ア大 陸に おけ る越境 鉄道 の機 能 と再 生 に ついて 考え る 7 3 。1 モン ゴ ル鉄道 ソビJニード 連邦 の消 滅 に伴っ て 、計 画 経 済時 代 に機能 し た産 業連 関 も崩 壊し 、 鉄道 の役 割 も大 き く 変 化 し た。 計画 経 済時代 に担 っ た鉄 道輸 送 貨 物 の多 く は消滅 し、 市場 経済下 に お ける新 た な貨物 の 出現 とその成 長 への 移行 時期 に は、 鉄道 利 用 率 は大 きく低 下し た。 モ ンゴ ル は1924年 にモ ンゴ ル人 民共 和 国 とし て 、清 の植 民地 支 配か ら 抜け 出し た が、 そ の地政 学 的性 格上、 ロ シ ア( ソビエ ト 連邦 ) や清 (中国 ) に大 き く翻弄 さ れ て きた。 ち ょう どソ ビエ ト連 邦 と中 国 の関係 が良好 で あっ た 頃、1956年 に ス フバ ートル か ら ウラ ンバ ート ル を経 由し て ザ ミンウ ー ド に至 る鉄 道 が開通 し た。 そ の後、 中 国 との関 係悪化 な ど もあ っ たが、 その路 線 は現 在 も引 き継 が れ てい る。 ソビ エト 連邦 の崩 壊 、 経済 体 制 の移行 に伴 う産業 ・貿 易 構造 の変化 に よ り貨 物 需 要 は急 激 に減少 し た。 鉄道 貨物 もそ の影響 を受 け るな ど、社 会 経 済体制 の変化 によ る影響 を受 け、 役割 が 変化 し た もの の越境 鉄道 とし ての機 能 は失 なわ れ てい ない 。 中 国 と の国境 に は、 モン ゴル 側 に ザミ ンウ ード 駅 があ り、 中国 側 に は二 連駅 が設 けら れてい る。 国 境 を 挟ん で鉄道 が 接し てい る が、 相 互 の軌 道幅 が異 な り相 互乗 り 入 れ は不可 能で あ る。 この よ う な場 合、 夫々 の線 路 を相手 国 側 の国 境 駅 まで 延長 して 旅客 の移動 や貨 物 の 積 み替 えを行 う のが国 際 的 な 取 り決 めで あ る。 モン ゴル が旧 ソ連 経済 圏 に属し てい た時代 に は、 モ ンゴ ル・ 中国 間 の貨 物輸 送量 も少な く、 ザ ミン ウード 駅 に は貨 物 積替施 設 が整 備 さ れず、貨 物 の積替 は中国 側 の二連 駅 で行 わ れてい た。 し かし 、 モンゴ ル は旧 ソ連 経 済圏 の混乱 か ら経 済 支援 の大 幅 削減 を受 けて 、市 場 経 済 へ の移行 に 取 り組 まな けれ ば ない 状 況 に直 面し た。 こうし た状 況 の下 で、 モ ンゴル 政府 は中 国 を始 め とす るア ジ ア諸国 との経 済関 係 を深 め る政 策 に転換し 、 輸 出入 物 資 の輸 送を 北路線 一 辺 倒か ら南 路 線 に シフト する必 要 に迫ら れた。一 方 、モ ンゴ ル∼中 国 間 の鉄道 は、l,520mtn/l,435mm と軌道 幅 が 異な り、貨 物 の積 替施 設が 必 要 とな る。 上 述 の ように、 モン ゴル 側 ザ ミンウ ード 駅で は以 前 は積 替 施 設 を欠 き、 中国 側二 連駅 に依存 せ ざ る を得 ない状 況 にあ っ た。 結果 とし て 二連 駅施 設 だけで は 急増し たモ ン ゴル貨 物 に迅速 に対 応 し きれ ず、二 連駅 で700∼800 両 の モン ゴル 側貨物 の積替 え待 ち が恒 常 的 に発生し てい た。 モ ンゴ ル鉄 道 とし て は、計 画的 で 効率 のよ い物 資輸 送 によ る輸送 コスト の低 減 を図 れ ない ばか りか、将来 の貨 物 需要 の伸 び に対 応 す る こ とがで きない 深刻 な状 況 にあっ た。1995 年 に日 本 のODA によ り、 異 ゲ ージ 間輸 送 を円滑 に す る為 に不 可欠 であ っ た貨 物 積替 施 設 が建 設 さ れ、越 境 鉄道 とし て の機能 を 強化 し てい る。 3 。2 中央 アジ ア 諸国 鉄道1991 年 にソビ エト 連邦 が 消滅 し、 連邦 構 成共 和 国が独 立 し てか ら は、 連邦 内共 和国 間境 界線 が 独 立 国家 間 の国境 に変 わり、 国 内輸 送 シ ステ ムが 多 国間輸 送 シ ステ ム に変化 し た。 従来 の 鉄道 網 はモ ス クワを中 心 とし て放 射状 に 展 開し、 現 在 の国 境 を意識 し た もの で はない 。 こ のた め、 鉄道 網 は新 た に発 生し た国境 で細 か く寸 断さ れ、域 内 輸送 網 とし ての 機能 は著し く低下し た。 カ ザフ スタ ン の鉄道 網 は、 広大 な国 土 を 東 西に 結ぶ路 線 が欠 落し てい る事 であ り、更 に東 部地 域 と北 部・中 央 部地 域 間、 西部 地域 と北部 地 域 間の 鉄道輸 送 はロ シア領 を 経由 す る事 によ っ ての み可

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8 X フユ し _j! ? ? ? ?J °m 国際地 域 学研究 第5 号2002 年3 月 図6 カ ザ フ ス タ ン の 主 要 道 路 ・ 鉄 道 ・ 空 港 出 典: ロ シア 東 欧貿 易 会 ロ シア 東欧 経 済研 究 所 カ ザフ ス タ ンお よび 中央 ア ジ ア の経 済 と産 業 イ ン フラ 整 備 の 課 題1996p.23-24 能 と なっ た( 図6 )。 ウ ズベ キ スタ ンの鉄 道 網 は、 経 済 産業 活 動 の盛 んな北 西部 とサマ ルカ ンド を中 心 とす る中央 部 を 結 ぶ鉄 道路 線 はト ル クメニ スタ ン経 由が 不 可避で あ る。同 様 に、 中央 部 とフェル ガ ナ盆 地 の連 絡 に は タジ キスタ ン領 の通 過 が必 要で あ る (図7 )。 ト ル クメニ スタ ン の鉄道 網 は、 国土 中央 部 の大 半 が砂漠 に覆 わ れてい るた め に その周辺 部 に展 開 し 、 砂 漠 を通 って東 西 南北 を 結 ぶ路線 は存 在し ない。 北部 地 域 を人口 集 積地 のチ ャ ルジ ョ ウ に結 ぶ 路 線 はウ ズベ キ スタン 経 由であ り、首 都 ア シガバ ート に至 るに は南下 し てマ ル イを通 過し た後 、 イ ラン 国 境 に沿 って北 西 に進 む路 線 が 唯一 の 選択肢 であ る (図8 )。 キル ギ スの 鉄道網 は、 カ ザ フ スタ ン鉄 道 のルゴ バ ヤか ら分 岐し て、 首 都ビ シュ ケ クを 通 過し 、 イ シ ク クル湖 湖畔 のバ ル クチ ュ まで 伸 びて い る支線 と、 ウ ズベ キ スタ ンの フェ ルガ ナ地 域 か ら伸 び て い る4 つ の支線 か らな って いる 。首 都 ビ シ ュケ クのあ る北部 地 域 と第2 の都市 オ シ のあ る 南部 地 域 を繋 ぐ 路線 が構 想 され てい るが 、 地勢 や莫 大 な建設 費 用等 に よ る制 約 から 建設 さ れ るに至 っ て い な い (図9 )。 タ ジ キ スタ ンの 鉄道 網 はモス ク ワ を起点 とし、 ロ シ ア、 カ ザフ スタ ン、 ウ ズベ キ スタ ン、 トル ク メニ スタ ンを東 南 に縦 断 す る形 で 、タ ジ キ スタン の南西 部地 域 の首 都ド シャ ンベ に至 る幹 線 鉄道 の 一 部 と、 ウ ズベ キ スタ ンの サマ ル カンド か ら分岐 し て東 北 に延 伸し て フェ ルガ ナ盆 地 に至 る路 線 の 一 部 か ら形 成 さ れてい る(図10 )。

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赤塚, 滓 井, 神山 :ア ジ ア大陸 にお け る越境 鉄 道の 機能 と再 生 につい て 考える 出 典 :ロ シ ア 東欧 貿 易会1996p.ll7 出 典 : ロ シア 東欧 貿 易 会1996p. 目8 図7 ウ ズ ベ キ ス タ ン の 主 要 道 路 ・ 鉄 道 ・ 空 港 ロ シ ア東 欧 経 済研 究所 カ ザ フ スタ ンお よ び中 央 ア ジ ア の経 済 と 産業 イ ン フ ラ整 備 の課 題 図8 ト ル ク メ ニ ス タ ン の 主 要 道 路 ・ 鉄 道 ・ 空 港 ロ シ ア東 欧 経 済 研 究所 カ ザ フ ス タン お よび 中 央 ア ジア の 経 済 と産 業 イ ンフ ラ 整備 の 課題 9

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10 国 際地 域学 研究 第5 号2002 年3 月 キル ギ ス鉄道 とタジ キ スタ ン鉄 道 は、同 国 の現国 境 とは無 関 係 に、 中央 ア ジア 全域 に 展開 さ れた 幹 線 鉄 道網 の 末端部 に形成 さ れ た小 規模 な ネット ワ ー ク過 ぎない。 こ のた め、 国内 を有 機的 に連 携 す る路 線 が欠 落し てお り、 また 、地 理的 な 制約 から 南北 の鉄 道 網を 国 内で 連絡 す る路線 の 建 設 は極 めて 困難 の よ うに見受 けら れ る。

上白

図9 キ ル ギ ス の 主 要 道 路 ・ 鉄 道 ・ 空 港 出典 : ロ シ ア東 欧 貿 易 会 ロ シ ア東 欧 経 済研 究所 カ ザフ ス タン お よ び中 央 ア ジ ア の経 済 と産 業 イ ンフ ラ 整 備 の課 題1996p.ll9

図10 タ ジ キ ス タ ン の 主 要 道 路 ・ 鉄 道 ・ 空 港 出典 : ロ シ ア東 欧貿 易会 ロ シ ア東 欧 経 済研 究 所 カ ザフ スタ ン お よ び中 央 ア ジ アの 経 済 と産業 イン フ ラ 整備 の課 題1996p.120

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赤塚, 深井 ,神 山: ア ジア大 陸 にお け る越境鉄道 の 機能 と再生 に つい て考 える II 中央 アジ ア鉄道 は、国 際的 な運 輸 交 通機 関 とし て の機能 をか なり の程 度喪 失し て 今 日に至 っ てい る。 複雑 に 錯綜し た 国境 と各 国 の短 絡的 な国益 優先政 策 に阻 まれて、 広 域的 な貨 物輸 送 ネ ット ワ ー ク とし て の機 能 は著し く低 下 し、 更 に 国内 輸送 幹 線 とし て の機 能 も損 な わ れてい る。 内 陸国 であ る が故 に旅 客や貨 物 の国 際輸 送 は当 然 とし て、国 内輸 送 に も他国 領 通 過を必 要 とし てい る。 3 。3 インド 亜大 陸東 部地 域 鉄道 イ ンド 亜大 陸東 部地 域 の鉄道 網 は、 バ ン グラ デ シュ の独立 (当初 は東 パ キス タン とし て、 後日 パ キス タン から分 離 独立 )に 伴 うイ ンド との国 境 の 出現 によ り分 断 ・休 止線 と成 っ てい る部 分 が存 在 し てい る。 ガ ンジ ス河 ・ブ ラ マプト ラ河 水 系の 下 流域 に展 開し、 内陸水 路 が 四通八 達し て い るバ ン グ ラデ シ ュ、海 港 を持 たな い内 陸国 ネパ ー ル とブ ータ ン、海 港 を遠 くカル カ ッ タ港に 依存 せざ るを 得 ない イ ンド 東 部7 州、 を 相互 に 連絡 する道 路 網、 鉄道 網、 水路 網 のい ずれ もが 複雑 な国 境 と大 河 川 に よっ て分断 さ れて、 円 滑 な旅 客 や貨物 の国 際輸送 が 著し く阻 害さ れて い る のが この地 域 の運輸 交通 シス テム の特 徴であ る。 この た め広 域的 な 鉄道網 とし て は機能 し てい ない 。 ブ ラ マプ ト ラ( ジ ャム ナ)川 よ り西 側 で 基本 的 な鉄道 幹線 網 は広 軌 であ り、 カ ル カッ タ とダ ージ リ ン丘 陵鉄 道 の終 着駅 であ る ジョ ル パ イグ リ とを 結んで い た路 線 の名残 で あ る。 広軌 の鉄 道網 はバ ン グラ デ シュ領 土 を避 けて 、狭 い シ リ グリ回 廊 を 経由 する大 幅 に迂 回 す る形で 広 がっ てい る。 バ ン グラ デシ ュへ はガ ンジ ス川・ジ ャ ムナ 川 ・パド マ川 水系 の西 岸域 に 展 開し、 クル ナ まで伸 び てい る。 一 方 、上 記水 系東 岸 の鉄 道網 は、 チ ッタ ゴン 港 とア ッ サム地 方 の茶 園お よ び油 田 を結 んでい た路 線で あ る。 イ ンド ・バ ング ラ デシ ュ 両政 府 間 に は国 際通 過貨 物 に 関 する包 括 的 な協 定 が 結 ばれ てい ない た め、 イ ンド東 部 諸州 の メ ート ル軌 鉄 道網 はバン グラ デ シュ の メート ル 軌鉄 道網 との接 続 を欠 き、 小 規模 の 内陸 鉄道 網 とし て孤立 し てい る。 近 年、 こうし た閉 塞状 況打 開 へ の動 きが インド ・ バ ン グ ラデ シュ両 政 府間 で始 まっ て い るが 、対 象 は個別路 線 に 限ら れ、 包括 的 な協 定 に は至 っ てい な い。 4 。 機 能 再 生 へ の 展 望 一 越 境 鉄 道 の 新 た な 使 命 越境 鉄 道 に求 め られ る新 たな 使命 とは、 越境 鉄道 周辺地 域 社会 の 有機 的 統合 と平 和的 共 存を 促 す こ とであ る。 それ は、地 域 間所 得格 差 ・貧 困 、 過 激派に よ るテロ 行 為 の頻 発や 内戦 等、 現代 の課題 に対 処 す るた めで もあ る。 越境 鉄道 の機能再 生 は、 国境 を越 えた 人 とモノ の交 流を 盛 ん にし 、 周辺 地 域 の経 済活 動を 活性 化 さ せ る もの とし て期待 さ れる が、 それ は同 時 に、 交 流の深化 によ る地 域 の平 和 と安定 ・ 非軍 事的 安 全 保 障 に 寄与 す る可 能性 を秘 め た もの とし て考 える こ とが で き る。 アジ ア大 陸各 地 域で は現 在、 機 能再 生 へ 向 けて の取 り組 みが 様々 な形 で進 行し てい る。 それら 取 り組 みを纏 める と、以 下 のよ うに な る。

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12 国 際地 域学 研 究 第5 号2002 年3 月 4 。1 モ ンゴ ル ザ ミン ウード 駅貨 物 積替 施設 の 改善 計 画 は、 異ゲ ージ間輸 送 を 円滑 に する貨 物 積替 施設 の建 設 を 目的 とし て1993年 から1995年 にか け て日 本 の無 償資 金 協力 で 実施 さ れた。 基 本的 に は コン テ ナを 主 体 と す る貨 物 積替施 設 を整 備し 、国 際貨 物 輸送 の隆路 打 開 を図 った ものであ る。第一 期工 事 とし て、 ワ ゴ ンプ ラ ット フ ォーム(120mX15m) を一 基、 管理 事務所・宿舎・倉 庫、 機材 供与( フ ォー ク リフ ト、 ポー タブ ル コン ペ イヤー、修 理機 材): 第二 期工 事 として 、コン テ ナプ ラ ット フ ォーム(210mX36m) を一 基、 積替 機 械保管 庫 、職 員宿 舎 、35t 自 走式 積替 機( リ ー チス タッ カ ー)2 台 、 通 信機 材 、 等 か ら な る もので、1995年 度 に完了 し た。 積 み替 え施 設 の建 設 によ り、 国境 駅 にお け る滞貨 は解 消し 、 貨 車 運行 の回転 率 も著し く改 善し 、 鉄 道車 両 損料 のロ シア 鉄道 に対 す る支払 い は大 幅 に減 少し た。 国 境 通 過時 間 も1/3 に低 減し 、 計 画的 で効 率 のよい 物 資輸 送が 実現 し た。 同時 に 、渋 滞 の 解消 に よ りロ シ アか らの 借 り入 れ車輛 に対 す る損料 の大幅 な低 減が可 能 とな り、 モン ゴル 鉄道 の収 益 改 善 に 貢 献 し た。 そ れに加 え、 これ まで 中 国側 二 連駅 で 中国 から の貨物 が 優先 さ れて い た状況 が改 善 さ れ、 ロ シ ア から 中 国 への貨 物輸 送が 急増 し た。 この事 は、積 み替 え施 設整 備 の効 果 が モンゴ ル 国内 だ け に 止 ま ら ず、 ロ シア や中国 の地 域 経済 に も及 ん でい る事 を示 す もの と 解さ れる。 モ ンゴ ル 鉄道 が国 境 を越 え る越境 鉄道 とし ての機 能 を十 分 果 たし てい る事 を実 証 する も の と言 えよ う。 また、 ロ シ ア 、 モ ン ゴル 、中国 間で は、毎 年 鉄道 関 係者 が集 まり、3ヶ国 の鉄 道会 議 を行 い、国際列 車 の運 行 か ら そ の車 両 の編 成 に至 る まで、事 細 か に1 年 間 の取 り決 めを行 っ てい る。 こ こで は、 こう し た取 り決 め適 用 範囲 の更 なる拡 大、 通 過交 通枠 組 協定 と言っ た国 際協 定 によ る通 過保 証 の強化 が 望 まれる。 筆 者 等 は、 こ うし た取 り組 み も越境 鉄 道 の機 能 を向 上さ せて い く上で 不 可欠 な もの と考 え る。 4.2 中央 アジ ア 中 央 ア ジア鉄 道 の潜 在能力 を最 大限 に 引 き出 すに は、国 境 を 複雑 に跨 ぐ輸送 網 を円 滑 に運 営 する 必 要 が あ り、 その た めに はハ ード ・ イン フ ラの整備 に 加 え、 ソフ ト・ イ ンフ ラの 整備 が 重 要 と なっ て くる。 ソフト ・ インフ ラ の整 備 と は、 越境 に関 わる 通関手 続 、 運賃 シ ステ ム、 鉄 道会 社 間 決済 に 関し て、 そ の規 則や 水準 を 調和 さ せ、 円滑 な 鉄道輸 送 を確 保 する 新し い シ ステム の構 築 であ る。 ソ 連時 代 に は連邦 内共 和国 であ っ た た めこ の ような問 題 は存 在し な かっ た が、連 邦共 和 国 の そ れぞ れ が一 つ の国家 とし て分 離 独立 し た こ とで、 独 自の 法律、 規 制、 外交 政 策 を採 用す る こ とに な り、 そ れ が 地域 の多 様性 、政 治 ・ 経済 基盤 の 違い と相 まっ て 広域 イ ンフ ラの もつ 効果 を 厳し く制 約 し て い る。 現 在、 中央 ア ジア 鉄道 が当 面し てい る課 題、 す なわ ち、 内陸 国 経済 の発 展 に必 要 な国際 鉄 道貨 物 輸 送 の課 題、 の多 くは域 内諸 国 の短 絡的 な国益優 先 や排 他主 義 に 起因 す るもの で、 その悪 循 環 を断 ち 切 る た めに も、 域内 協 調 は避 け て通 れ ない もので あ る。 こうし た背景 と現状認 識 を踏 まえ て、 中 央 ア ジ ア諸国 を 広域的 な 枠組 み に取 り 込 み、 その枠 組 みの中 で 強制力 のあ る協 調 実現 を図 る 幾つ か の 国 際協力 の試 みが 進め ら れて い る。 その 代表的 な も のがTRACECA であ る(図H) 。TRACECA

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13 赤塚, 滓井 , 神山: ア ジア大 陸 にお け る越境鉄道 の機能 と再生 に つい て考 える (SjOE390BJJMMM / /:djJll ︶ ?9 以I y4j 弓 く り ] り く ㎡ ト ︰ 歓 石 回iSSiiffi5iVD33VH1nm

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14 国 際 地 域 学 研 究 第5 号2002 年3 月 (TRAnsportCorridorEurope-Caucasus-Asia) とは、 欧州 連 合 に よるTACIS(TechnicalAssistancetotheCIS) の一環 とし て 設 け られ たプ ロ グラ ムで、 従来 の モ ス クワ を中 心 とし た貿 易、 輸 送 の 流 れ を多 様 化 させ、 西 側 との新 たな 貿易 ル ート の開 拓 を目的 とし て い る。 現在、 このプ ロ グ ラム に は、 ア ゼ ルバ イ ジャン 、 アル メニ ア、 ウ クラ イナ、 ウズベ キ スタ ン、 カ ザフス タン、 キル ギ ス、 グ ル ジ ア、 タジ キ スタ ン、ト ル ク メニ スタ ン、 モ ルド ヴ ア、 モ ンゴ ル が参加 し て いる。TRACECA で は、1998年 に調印 さ れた「欧 州 一コ ーカ サ スー ア ジア回 廊発 展 のた め の国 際輸 送 に 関 す る多 国 間基 本 協定 」(モ ンゴ ル とト ル クメニ スタ ン は未調 印) を柱 とし て、諸 国 間 の協 調 促 進 と そ れに よ るル ート の競合 力 増 進 を試 みて い る。活動 の基盤 となっ て い るの が2000年 に設立 さ れた 政 府 間 委 員会 で、 この枠 組 の中で 問題 が話 し合 わ れ、 取 り組 むべ き課題 をプ ロ ジェ クトに 反映 し て い くこ と に なっ てい る。2001年 から新 たに 進 めら れるプ ロ ジェ クト に は、HarmonizationofBorderCrossingProcedures 、UniHedPolicyonTransitFeesandTariffs 、TRACECACo-ordinationTeam とい っ たプ ロ ジェ クト があ る。 これ ら は、多 数 の国 境 を通 過 す るこ とに よ る手 続 き の煩 雑 さ、 時 間 や コ ス ト の浪費 緩和 を 意図 し た もので あ る、 実現 の暁 に は、 中 央 ア ジア鉄 道網 の潜 在的 特性 が 活 か さ れ、 中 央 ア ジア諸 国 とヨ ーロ ッパ諸 国間 の物 流 と経 済協力 が強 化 され る ことに な ろう。 ソ連 崩 壊 に より独 立国 家 となっ た中央 アジ ア諸国 が旧 来 のロ シ ア中 心 の経 済関 係 から、 より多 く の国 々 と多 角的 な 経済関 係 を 結ぶ こ とが 経済 成長 の前提 で あ る。 そ のた めに中 央 ア ジ アの 鉄道 は非 常 に大 きな 可能 性 と共 に、輸 送 網 の発 展 と輸 送 サービ スの 円滑 化 が今 後 の中央 ア ジ ア経 済 を左 右 す るほ ど の重 要な 役割 をも担 って い る と考 えら れ る。 4 。3 イン ド亜 大陸 東部 地 域 イ ンド 亜 大陸 東部 地域 の 総人 口 は約2 億 人 であ り、 低廉 で豊 富 な人 的資 源 は、豊 富 な地 下 鉱 物資 源 や農 業 ・ 林業 資 源 と共 に 大 きな 開発 ポ テン シ ャルを 秘 めてい る。 海 港 への ア クセ スの困 難 さ を持 つ ネ パ ール やブ ータン、 インド 東部7 州 と言 った国 や地 域 が更 な る発 展 を図 るに は、 内 陸封 鎖 状 況 の下 にあ っ て も合理 的・ 効 率的 な運 輸 交 通体 系、 国境 を越 え た運輸 交 通基 盤 整備 と 国際 水 準 に近 い 輸 出入 価格 の実 現 が必須 で あ る。 イ ンド 亜 大陸 東部 地 域が 一つ の経 済圏 とし て機能 す る に は、 バ ン グラ デ シュの運 輸 交 通基 盤 が 果 た す 役 割 は大 きい。 インド 東部 内 陸諸 州 に はチ ッタゴ ン港 が、 ネパ ール とブ ータ ン に はモ ン グ ラ港 が 、最 短 距離 の陸路 で接 続 す る海港 とし て の機能 を提供 で き る地 理的 な位 置 にあ る。バ ング ラ デ シ ュ の運輸 交通 基盤 整備 は、5つの戦 略 的 な運輸 交 通回廊 整 備 を中 心 にし て進 められ て きた。この運 輸 交 通 回廊 は、 チ ッタ ゴ ン港 を拠点 とし たメ ート ル軌 鉄道 網 と インド のカル カ ッタ を拠点 とし て展 開し た 広軌 鉄道 網 を基 本 とし て 構想 さ れ 、主 要都 市 間の幹 線 道路 網が こ れを 補完し てい る。1998年6 月 に 開通 し たジ ャ ムナ 鉄道 ( メート ル 軌)・道路併 用 橋 は東 西 に二 分 さ れた国 土 を陸路 で 結 び、5 大 回 廊 の完 成 度 を高 める もので あ る。 道 路網 整備 の 進展 と急 速 なモ ータ リ ゼー ショ ンに よ る道路 交 通輸 送 の 進展 に 伴っ て、 鉄道網 には 不採 算路 線 も多 く発生 し たが 、 バ ング ラデ シュ国 鉄 は1997年 よ りア ジ ア開 発 銀行 の指 導 の下 に不 採 算路 線 の廃止 を 進め、 採 算見 込 み路線 には積 極的 に投 資 し、 財 政 再

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赤 塚, 滓井, 神 山: ア ジア大 陸 におけ る越境 鉄道 の機 能 と再生 に ついて 考 える 15 建 と輸 送力 強 化 への軌 道 修正 に成 功 し た。 例 え ば、 ダ ッカ∼ チ ッタ ゴン 間 の旅客 輸 送 サービ ス向 上 とコ ンテ ナ輸 送力 強化 は その一 例 で あ る。 こ うし た主 要幹線 道 路整 備 と鉄道輸 送 サ ービ スの向 上 は バ ン グ ラデ シュ 経済 に稗 益す る事 は当然 で あ るが、 イ ンド 亜大 陸 東部 地 域 の国 際旅 客・貨 物 輸送 に 不 可 欠で あ り、バ ン グラ デ シュ の運輸 交 通 基盤 整 備が そ の方向 性 にお い て地 域開 発 と経 済統 合 に も 有 益 な事 を示 し てい る。 この様 な観点 から 見 れ ば、 バ ン グラデ シュ 鉄道 は国 内唯 一 の保 税輸 送機 関 とし て、 確実 な輸 送管 理 で多 くの 実 績 を残 し てい る(図12、13 )。 更 に、 こ れ まで の制 度 や施設 、 運 営体 制 な ど、 国際 イ ンフ ラ とし て の 機能向 上 に よ り、 地 域経 済 の統 合や安 全 保障 に大 き く貢献 す る可能 性 を 秘 めてい る。建 設 中 の メ ート ル軌・ 広軌 併 用軌 道 が完 成 し、5番 目 の協定 ル ートで あ る シ ャバ ジプ ー ル が開放 さ れる と、イ ンド 東北 部 の貨物 輸送 がメ ート ル軌 鉄道 網 を利用 して チ ッタ ゴ ン港 経由 に 転換 する事 が可能 とな る。 こ の よう な国 際的・ 広 域的 な 図12 バ ン グ ラ デ シ ュ の 輸 送 回 路 出 典 :赤 塚 雄 二 、丸 岡 健二 「 置蛤 交 通 基 盤 整備 と イン ド 亜 大陸│東 部地 域 経 済統 合 可 能性 」 国 際 開 発学 会 第2 回 特 別研 究 集 会 論 文20C0 年6 月P.4

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16 国際 地域 学研 究 第5 号2002 年3 月 協調 体 制 を背 景 とし て、 ジ ャム ナ川 下流 のパ ドマ 川 に長大 橋 を建 設 す るプ ロ ジェ クト が提 案さ れ、 そ のフ ィ ー ジビリ テ ィ調 査が我 が 国 政府 技術 協力 の下 で 進 めら れ よう とし て い る。 こ のパド マ 架 橋 は鉄道( 広軌)・道路併 用 橋 とし て 機能 す る事 が予想 さ れて い る。パド マ架 橋 が実現 する と、カ ル カ ッ タ 港 を中 心 とす る西 の広軌 鉄 道網 はジ ャ ムナ鉄道( メ ート ル軌 )・道 路併 用 橋お よびパド マ鉄 道(広 軌 )・ 道路 併 用橋 を通 じ て ダ ッカ まで サ ービ ス範 囲 を拡 大し 、 更 に インド 東北 部 諸州 とバ ン グ ラ デ シュ の国 土 を横断 し て連 絡 する事 も可 能 とな る。 一 方、 パド マ架 橋 はアジ ア・ ハイ ウ ェ イや ア ジ ア 大 陸横 断 鉄道 構想 の一 環 を形 成 す る もので 、実現 の 暁に は 陸封 状 態の インド 東部7 州 だ けで な く、 図13 バ ン グ ラ デ シ ュ 運 輸 交 通 ネ ッ ト ワ ー ク 出 典:JICA バ ング ラ デシ ュ に お け るル プ シ ャ橋 建 設 計画 調 査資 料 フ ィー ジビ リテ ィ 調査 国 際協 力 事 業団2000 年3 月

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赤塚 ,滓 井, 神 山: アジ ア大陸 にお け る越境鉄 道の 機能 と再 生 につい て考 え る 17 ミ ャン マー に もイ ンド 亜 大陸 東 部 地 域 の 広 域 経 済 圏 に参 加 可 能 性 を裔 す事 に なろ う。 こ れ はイ ン ド ・ バン グ ラデ シュ両 国 だけ で な く、 そ の周辺 諸 国、 ミ ャンマ ー、 ブ ータン 、 ネパ ール を も含 めた 諸 国 の相 互依 存関 係 を深化 す る もの で、 地 域 の安 定 と安 全保 障 に多 大 な イン パ クト を もたら す事 に なろ う (図14)。 バ ン グラ デシ ュ政府 は、 近 年、 イ ンド 国 境で 分 断さ れて い た鉄道 路 線再 開 に積 極的 に取 り 組 んで い る。2001年1 月 に第4 番目 の協 定 ル ート で ある フト ゥ ラポ ール ( インド )∼ ペ ナ ポー ル (バン グ ラ デシ ュ)間 の鉄 道 (広軌 ) を再 開 さ せ、 イ ンド ・バ ン グラ デ シュ 鉄道 に よる コン テナ貨 物 の クル ナ まで の鉄道輸 送 を 実現し た。これ は輸 入貨 物 の 関税検 査 を クル ナク ー ミ ナル駅 で行 う事 を 意味 し、 国境 にお け る滞貨 ・遅 延 の解 消 を示 唆 す る もので ある。 さ ら に、 ジ ャム ナ鉄道 ・ 道路 併 用橋 の供 用 開 始 に合 わ せて、 ダ ッカ∼ イ ジ ュワ ル デ ィ∼ パ ルバテ ィプ ー ル間 に新 た にメ ート ル軌 ・ 広軌併 用 軌 道 を建 設 し て、バ ン グラデ シ ュ国 内 にあ るメ ート ル軌鉄 道網 と広軌 鉄 道網 の連 結 工事 を 進 めて い る。 図14 パ ド マ 橋 完 成 後 の バ ン グ ラ デ シ ュ の 輸 送 回 路 出 典:JICA バン グ ラ デ シュ に お け るパ ド マ 橋建 設計 画調 査 資 料 (未 公 刊 ) 国 際 協 力 事業 団2000 年12 月

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18 国際 地 域学 研究 第5 号2002 年3 月 建 設 中 の メ ート ル軌・ 広軌 併用 軌 道 が完 成 する と、 カル カッ タ港 拠点 の 広軌 鉄道 網 とチ ッ タゴ ン 港 拠点 のメ ート ル軌 鉄道 網 とが 結 ば れ、 新 た な広域 鉄道 網 がイ ンド 亜大 陸東 部地 域 に展 開 す る事 に な る。また、バ ン グ ラデ シュ北 東部 の協定 ル ート とし て提 案 され てい る5 番 目 のシ ャバ ジプ ー ルが オ ー プ ン する と、 現時点 で は全 く孤 立 し てい る インド東 北 部 のア ッ サム を中 心 とし た 地域 の メ ート ル 軌 鉄道 網 は、 チ ッタ ゴン 港 を利 用で きる よう にな る。 そこ から予 見 さ れる 便益 の一 例 を挙 げ る と、 こ れ まで ア ッ サムで生 産 さ れカ ルカ ッ タ港 経 由 で輸 出 さ れて き た茶 は年 間5,5OOTEU 程 度 で 推 移 し て い るが、 チ ッタ ゴン港 を利 用 で きる よう に なる と大幅 な輸 送 ル ート短 縮 と輸送 コ スト 並 び に輸 送 時 間 削減 が可 能 と なる。 さら に、 インド 東 部 諸州の輸 入 主体 の貿 易 に起 因 す る空 コン テナ 回送 問 題 に 関し て も効 率 的処 理の 可能 性 が拓 けて来 る。 前述 の よう な実 質的 な効 果 の予 見さ れ る国 際貨 物 の通 過輸 送 を 実現 す るに は、現 時点 で イ ンド ・ バン グラ デシ ュ両 国 が進 めて い るル ート 別協 定 と は別 個 に、道路 輸 送 も含 めた広 域的 な運輸 交 通輸 送 に関し て 関係4 カ 国 間で 包括 的 な多国 間 協定 を締 結し 、 実効 性 を保 障 す るシ ステ ム も併 せ て 確立 す る事が望 ましい。 こ れが 実現 す れば、 イ ンド 亜 大陸 東 部 地域 にお け る国際貨 物 に関 し て大 幅 な輸 送 コ スト と時 間 の削 減効 果が 期待 さ れ、 こ の地 域 の相 互 依 存 を促 進し 、 豊富 な水 資 源、 農林 業資 源、 鉱物資 源、 豊富 ・ 低廉 な労 働力 の開発 可 能性 が 高 まり 、 地域 経 済 統合 の可 能性 も進展 す る もの と思 わ れる。 5 。 展 望 一 越 境 鉄 道 の 機 能 再 生 の 重 要 性 と 課 題 越 境 鉄道 の 実現 は、 そ れ まで制 限 さ れて いた越境 する人 や モ ノの 移動 を活 発 に する が、 そ の実 現 に は多 くの課 題 を乗 り越 え なけ れ ばなら な い。線 路 の建 設、 国境 駅 へ の出入国 管 理施 設 や通 関 施 設 の建 設 な どの施 設 整備 に留 まら ず、車 輛 取 扱い に関 す る取 り決 め、運 行 ダ イヤ、 そ の他輸 送 関 連 制 度 な どの制 度 イ ンフラ 分野 で多 国 間協 力 を 必要 とす る。 さら に、 人や モ ノ の移動 を 円滑 に す る に は 査 証 や 通 関制 度、 そ の他貿 易 や交 流 に関 す る規制 を緩 和 する 必 要 もあ ろ う。 と にか く、 広 い領 域 に 渡 っ て 国家 同 士が協 調し なけ れ ば、 越境 鉄 道 は実 現し ない の であ る。 先 行 研究 (赤 塚 ・丸 岡2000、 吉 田2001) に よれば、 国 際的 な広 が りを 持つ 地域 におけ る運 輸 交 通 基 盤 の 整備 は、周辺 国 の地 域 開発 ポテ ンシ ャ ルを統 合し、 経 済活 動 を活性 化 す る潜 在的 な 機能 を持 つ とさ れ る。 地 域 間 の垂直 、 水平 分業 を 促進 さ せ、 地 域経済 競争力 を強 化 する こ とに より、 周辺 諸 国 の経 済 活 動 を活 性化 さ せ、 そ れ と同 時 に国 境 を跨 ぐ 地域 の経 済社 会活 動 の相互 依 存 を促 す。 こ うし た 相互 依 存 が地 域 協力 の深化 につ なが り、 地 域 の安 定 と安 全保 障、 平 和的 共 存に 寄与 す る と考 えら れ る。 し かし 、越 境 鉄道 の機能 を 再生 さ せ るこ とが有 益 であ る と考 えら れて い る一 方 で、 その 実現 に至 ら ない 、また はその 機能 が不 安 定で あ る地 域 も多い。背 景 とし て は、隣国 の政 情 不安 定 に よる 要因 、 相 互 依存 の進 化 の過程 でお こ る摩 擦 な どが 考 えら れる。 こう し た地 域で の機 能 の再生 や 新 た な構 築 は難し い であ ろ う。 その 理由 とし て、国 際 関 係におい て 依然 とし て 主要 な ア クタ ーであ る 国家 同 士 の 関 係が、 冷 え込 んで い た り交流 が途 絶 えてい るこ とが あげ ら れる。 鉄 道が 持つ その公 共 性 か ら、

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赤 塚, 滓井, 神 山: ア ジア大 陸 におけ る越 境鉄道 の機 能 と再生 につ い て考え る 19 特 に途上 国 で は国家 の関 与 が大 き く、 そ の影響 を受 けや すい。 国 家 の持 つ 領域 主権 の問 題 も越境 鉄 道 で は重 要 であ る。 た だし 、 極度 な 緊張下 で ない 限 り、 越境 鉄 道 の機 能 は保 つ べ きで あ ろう。 機 能の 低下 に よ る影響 を受 け るの はお そ らく社 会的 弱 者 であ る。 断 絶 さ れた輸送 路 へ の依 存度 に よっ て は、 国内貧 困 層 へ の悪 影響 や 地域 格差 の拡 大 を助長 す る要因 と もな りか ねず、 こ れが 政情 不安 に繋が っ てい く とい う 悪 循 環 に陥 る こ とも考 えう る。 今 後 、越 境鉄 道 の よう な広域 イ ン フラ の安 定 的 な供 給 を どの よ うに 確立し てい くか、 研究 し てい く必 要 があ るで あ ろう。 参 考 文 献 赤 塚 雄 三 、 潭 井 崇 『 中 央 ア ジ ア 鉄道 の 現 状 と開 発 援 助 の 視 点 』「 運 輸 と 経 済 」 第61 巻 第12 号2001 年12 月 赤 塚 雄 三 、 丸 岡 健 二『運 輸 交 通 基 盤 整 備 と イ ンド 亜 大 陸 東 部地 域 経 済 統 合 可 能 性 』「 国 際 開 発 学 会 第2 回特 別 研 究 集 会 論 文 集 」2001 年6 月 押 川 文 子 、 佐 藤 宏 、 松 本 絹 代 、 山 中 一 郎 「 南 ア ジ ア の 国 土 と経 済 第2 巻 バ ン グ ラ デ シ ュ 」 二 宮 書 店1988 小 貫 雅男 「 モ ン ゴ ル 現 代 史 」 山 川 出 版 社1993 丸 岡 健 二 、 赤 塚 雄 三『 モ ン ゴ ル に お け る 国 際 貨 物 鉄 道 輸 送 の 現状 と課 題 』「 運 輸 と経 済 」第60 巻 第12 号2000 年12 月 吉 田 恒 昭 『マ レ ー シ ア・タ イ 間 の 越 境 交 通 シ ス テ ム整 備 か ら の 教 訓 』「 国 際 開 発 学 会 第2 回 特 別 研 究 集 会論 文 集 」2001 年6 月

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20 国際 地 域学研 究 第5 号2002 年3 月 PotentialsofCross-BorderRailwaySystemsinAsianContinentforPeace, SecurityandDevelopmentofAssociatedRegionalCommunities

YuzoAKATSUKA,TakashiSAWAL

,TakahiroKAMIYAMA

Synopsis InAsiancontinent,thereexistmanycross-borderrailwaysystemswhichextend overwideregionalareas,suchastherailwaysextendingoverRussia-Mongolia-ChinabuiltbytheSovietUnion,therailwaynetworksexpandingovertheentire CentralAsiancountriesasbuiltbytheImperialRussiafirstandthenfurther expandedbytheSovietUnion,therailwaysystemsintheeasternregionofthe IndianSubcontinentbuiltbytheBritishcolonialcompany.Mostoftheserailway systemshavebeendevelopedbytheconquerorsoftheregionsinlate19thtoearly 20thcenturywithobjectivesofcolonization,controlandmanagementoftheareas andeffectivetransportationofproductsfromthecolonizedregionstothecolonizers' countries.Duringthecolonialdays,therailwaysystemshadworkedwellfulfilling theoriginalobjectivesofthedevelopment.However,aftertheendofthecolonial daysandthecommencementofindependentstates/racialnationsnewlyborneinthe formercolonizedregions,therailwaysystemshavelostthebuilt-inobjectivesinthe earlierdaysandhavestartedtomalfunctionsincethen 。Thecross-borderrailwaysystemshavethepotentialsofintegratinglocalcom-munitiesintheassociatedregionthroughregionalsocio-economicactivitiesandcommunications.Andfurther,itmayfunctionforimprovingincomedistributionandforpovertyalleviation.Itmayprovidemeansandwaysforrapidandmassivetransportationofgoodsandpolice/militaryforcesinresponsetoemergenciessuchasnaturaldisastersandsocialandpoliticaldisturbances.Therefore,itisanimportantandessentialsubjecttostrengthenthefunctionsoriginallyinheritedinthesystemwhichshouldbeaddressedbytheconcernedauthorities.Therailwaysystemsasmentionedabovehavebeencurrentlyaddressingtheproblemsandissueswithaviewtorevivingtheoriginallyinheritedfunctionsandfurthertoenhancetheirinstitutionalstrengths.TheMongolianRailwayshavebeensuccessfulinmaterializingsmoothtransferoperationsofrailwaycargoesbetweenthetworailwaysystemswithdifferentgauges,namelytheRussianand

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赤塚 ,滓 井, 神山: アジ ア大陸 にお け る越境鉄 道の 機能 と 再生 につい て考 え る 21

Standardgauges,throughprovisionofthefreighttransferfacilitiesandequipment undertheJapan'sofficialdevelopmentaid.TheCentralAsianrailwaysarenow

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