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滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告 : 変化する教育と学校

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(1)Shiga University. 滋賀大学教育学部紀要 教育科学. 105. No.54, pp. 105 − 122, 2004. 滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告 変化する教育と学校 紅林 伸幸・川村  光 *・越智 康詞 **. A Report on Reality of Primary and Middle Schools in Shiga. Nobuyuki KUREBAYASHI, Akira KAWAMURA, Yasushi OCHI. 学校研究もまた基本的には日本のすべての学校. 1.はじめに:本報告の目的と課題 −教育の地方分権化の中で−. にあてはまるモデルの構築を目指してきた。そ こでは、特定の県の学校を対象としてデータ収. 教育の地方分権化が進められている。その是. 集を行った場合、限定的な教育研究・学校研究. 非については既に様々な場所で議論されてい. として致命的な欠陥を持つものとみなされるこ. る。教育の地方分権化の是非と教育行政の理想. とが一般的であった。. 的な形態は、今後更に慎重に検討すべき重要課.  けれども、教育の地方分権化は、日本全国の. 題であろう。. 教育、学校を一括りにするのではなく、県ごと. けれども、教育現場はそうした議論の結論を. に、あるいは市町村ごとに、更には個々の学校. 待つことはできない。各教育現場はすでにこの. ごとに教育研究・学校研究を行うことに対して、. 大きな転換の中に投げ込まれており、その中で. 一定の正当性を与えることになった。もちろん、. 個々に主体的・自律的に教育実践の取り組みを. 教育の一般理論や学校の一般モデルを志向する. 模索し始めている。周知のように、現在、学校. 研究の価値が損なわれるものではないが、一方. 現場は様々な新しい課題を課せられ、その対応. で、今後はそうした限定的、局地的な教育研究、. に追われているが、そうした対応の一つひとつ. 学校研究のニーズが高まっていくことが予想さ. を、各現場は自らの責任において選択しなけれ. れる。とりわけ、地域の教育の拠点となること. ばならないのである。教育の地方分権化は教育. が期待されている教員養成学部を持つ地方大学. 実践への取り組みの基本的なスタンスを根本か. において、そうした研究の重要性が増していく. ら変えるのである。. ことは間違いない。.  ところで、この教育の地方分権化の動きは、.  ちなみに、筆者の所属する滋賀大学大学院教. 教育現場ばかりでなく、それに連動するかたち. 育学研究科では、平成 13 年度より、大学院教. で、教育研究・学校研究に関しても、新しい課. 育学研究科における現職教員研修機能の充実を. 題と可能性を開きつつある。. 目指して、滋賀県下の市町村教育長と公立小・.  これまで、多くの教育研究は、教育の一般理. 中学校長を対象とした質問紙調査を実施し、学. 論を構築することを目的としてきたし、同様に. 校現場が抱えている教育課題と滋賀大学教育学.  . 部及び大学院教育学研究科への要望と期待を把. *  大阪大学大学院博士後期課程 **  信州大学.  . 握しようとしてきた 1) が、それらも教育の地方 分権化という大きな動きの中ではじまった教育. NII-Electronic Library Service.

(2) Shiga University. 106. 紅林 伸幸・川村  光・越智 康詞. 研究の形を示しているものと考えることができ. (4)回収率:68.4%(227/332). るだろう。. (5)サンプルの構成. こうした新しい教育研究へのニーズをふまえ て、本研究は、上記の滋賀大学大学院教育学研 究科が実施してきた研究を発展させ、滋賀県の.  図表2-1 校 小学校. 145 校. 種. 中学校 校長. とを第一の目的とする。併せて、その研究成果. 回. 教頭. を今回紀要原稿として報告することによって、. 答. 教務主任. 者. その他. 6校. 不明. 7校. 学校教育の現状を把握する基礎データを作るこ. 各学校現場が主体的・自律的に教育実践を構成 するにあたって参考にすることのできる基礎資 料を学校現場に還元したいと考えている 2)。 (紅林伸幸). 82 校 49 校 114 校 51 校. なお、質問紙調査票は、実態を確認するため の質問項目を中心に構成されており、主たる質. 2.調査の概要 本 研 究 は、 昨 年 度 よ り 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 基盤研究( B ) )の助成を受けて実施してい. 問項目は以下のものである。 ・昨今の学校の変化状況 ・新しい授業形態の採用状況. る「 『総合的な学習の時間』 導入による学校文化・. ・「総合的な学習の時間」の実施状況. 教師文化の変容に関する実証的研究」 (課題番. ・「総合的な学習の時間」に対する評価. 号 15330178)プロジェクトの一部をなして. ・「総合的な学習の時間」への教師の取り組み. いる。 このプロジェクトは、 (1) 「総合的な学習. と問題点 ・学校評議員の実態. の時間」実践に関する学校フィールドワーク. ・学校評議員の活用状況. と(2)小・中学校の学校文化・教師文化の変. ・学校評価の実施実態. 容に関する質問紙調査の2つから構成されてお. ・学校評価の活用状況. り、この教育の改革期に、学校がどのように主. ・開かれた学校の現状. 体的・自律的に自己変革を進めているのか、そ. ・これからの学校、教師についての展望. の現状と可能性、更にはその阻害要因等につい. 学校の現状として確認すべき点は多岐にわた. て考察することを目的としている。 したがって、. るが、学校現場の多忙に配慮し、質問項目は最. 全体としては、教育と学校の一般理論を志向す. 小限にとどめなければならなかった。そのため. るものとなっている。. にカットした質問の中には、教育の成果を問う. けれども、 その課題に至るために、 2つの「総. 設問と児童・生徒の現状を問う設問が含まれて. 合的な学習の時間」の先進県をフィールドとし. いる。教師の主観に頼るそれらの回答は、必ず. たデータ収集を行っており、そのデータを分析. しも実態を正確に反映したものと言えないにも. することによって、分権化施策の中にある一地. かかわらず、あたかも紛れもない教育の成果を. 域の教育や学校の実像に迫ることが可能となっ. 示すものとして扱われる危険性をもっている。. ている。本報告では、平成 16 年5月から8月. 教育の成果に関する安易な議論は、本研究の意. にかけて滋賀県において実施した質問紙調査の. 図するところではない。本研究は教育改革の是. 結果を報告し、そこから見えてくる滋賀県の公. 非を問うものではなく、教育改革の現実を確認. 立小学校・中学校の姿に迫っていく。. するものなのである。では、調査データに基づ. 調査及びサンプルの概要は以下の通りであ る。. いて、滋賀県の公立小学校・中学校の現状を概 観していこう。.    (紅林伸幸). (1)調査対象:滋賀県下公立小学校・中学校 (2)調査方法:郵送法 (3)調査時期:2004年5月∼ 8 月. 3.概要編:滋賀県の小学校と中学校の現状 (1)学校改革の現状. NII-Electronic Library Service.

(3) Shiga University. 107. 滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告 現在、学校現場に対. 単位 :%. 図表 3 - 1 ここ 2、3 年に起こっている学校の変化. 応することが求めら れている課題は膨大な 数に及ぶ。まさに休息 のない改革の連鎖の中 に、学校は巻き込まれ ている。1998 年に改 訂された学習指導要領 が提起した「総合的な 学習の時間」が学校現 場で完全実施となった のは 2002 年、わずか 2年前のことである。 後で見るように、学校 現場での「総合的な学 習の時間」の実施はま だ改善の途上にあり、 各学校はその対応に取 り組んでいる最中にあ るといえる。そうであ るにもかかわらず、学 校はもうすでに次の課 題、小学校での英語教 育の開始、特別支援教 育の推進等々、に取り 組むことを求められて いる。学校運営においても同様である。学校. には留意する必要があるだろう。その中で、 「あ. 評議員、学校評価、地域連携コーディネーター. てはまる」の回答が際だって高かったものが一. 等々、学校改革のアイデアは実に多彩である。. つある。「教師の仕事量が増えた」は小学校と. こうした様々な改革施策への対応を進める中. 中学校の双方において半数近くの学校が「あて. で、学校が今どのように変わってきているのか. はまる」と回答している。更に、この項目は「少. を確認することが本章の目的である。. しあてはまる」を加えた値が小学校が 84.2%、 中学校では 95.1%と中学校の値が高くなって. a)学校における変化. いる。教師におこっている変化としては、同様.  現在、学校で起こっている変化を確認するた. に望ましくない変化を示す「精神的に疲れてい. めに、本研究は 19 の項目を用意した。4段階. る教師が増えた」でも、小学校が 62.7%、中. の評定を求めた設問の結果は、図表3−1の通. 学校が 75.7%という結果が出ていることを併. 3). りである 。. せて指摘しておきたい。. 19 の項目のほとんどにおいて小学校も中学. もちろん、教師に起こっている変化は、こう. 校も半数以上が該当の変化があったと回答して. した否定的なものばかりではない。「校内研修. おり(あてはまる+少しあてはまる) 、現在学. の回数が増えた」「授業内容や子どもに関する. 校で様々な変化が起こっていることが確認され. 教師間のコミュニケーションが増えた」「教師. る。ただし、その多くが「あてはまる」ではな. と子どもの関係が親密になった」「個々の教師. く、 「少しあてはまる」という回答であること. の授業実践の力量が高まった」「教育サービス. NII-Electronic Library Service.

(4) Shiga University. 108. 紅林 伸幸・川村  光・越智 康詞. の質に対する教師の責任意識が高まった」 「教. 以上の結果から以下のことに注目しておきた. 師の仕事ぶりに活気が出てきた」 「教師同士で. い。ここでの回答結果からは、いま学校は変. 授業を見せ合う機会が増えた」でも5割から7. 化の渦中にあることと、それらの変化の多くが. 割の学校で「変化あり(あてはまる+少しあて. 小学校と中学校に共通していることが確認され. はまる) 」の回答がある。これらの結果は、教. る。しかし、子どもの変化と地域と学校の関係. 師の教育実践の力量、更には各学校の教育の質. の変化は、中学校と比べて、小学校でより顕著. が向上してきていることを示すものである。た. になっている。変わることをそのまま無批判に. だし、こうした教師の変化の一つひとつが、教. 良しとするものではないが、小学校と中学校の. 師の多忙化の遠因となっている可能性は否定で. 差の意味と理由を検討することが、今後必要と. 4). きない 。. なるだろう。. 子どもたちの変化としては、 「子どもが生き 生きとしてきた」 「子どもが落ち着いてきた」 「こ. b)授業の改革. れまで注目されてこなかった子どもが活躍する. 今期の学校改革の中心に「総合的な学習の時. ケースが出てきた」 「不登校の子どもの数が減っ. 間」の新設があることはいうまでもないが、授. た」の4項目のうち、 「子どもが生き生きとし. 業改革の試みはそれだけに限らない。以前から. てきた」 「これまで注目されてこなかった子ど. 長くその必要性が議論されてきた「少人数学習」. もが活躍するケースが出てきた」 「不登校の子. 「習熟度別学習」はもちろんのこと、学力低下. どもの数が減った」の3つで小学校と中学校の. 論争の中で突然のように出てきた「発展的な学. 5). 間に有意な差が確認され 、中学校よりも小学. 習」、更にはパソコン、インターネットの普及. 校で顕著に起こっていることが確認された。更. といったIT技術革新がもたらした「パワーポ. に注目したいことは、 「これまで注目されてこ. イント等を利用した授業」「インターネットを. なかった子どもが活躍するケースが出てきた」. 利用した授業」など、教科の授業の形態につい. 「不登校の子どもの数が減った」の中学校の「あ. ても、様々なアイデアが提起されている。ここ. てはまる」の回答がすべての項目の中で最も低. では、8つの授業改革のアイデア(「少人数学習」. い値を示していることである。学校で活躍でき. 「習熟度別学習」「発展的な学習」「複数の教師. ない生徒や不登校の生徒の問題は、中学校が現. による授業」「外部講師による授業」「パワーポ. 実に直面している最大の問題の一つであるが、. イント等を利用した授業」「インターネットを. それらに対する対応はまだ十分とは言えないよ. 利用した授業」「モジュールを取り入れた時間. うである。. 割編成」)の採用状況を確認する。結果は図表. 学校の運営に関わる4項目「校長がリーダー. 3−2の通りである。. シップを発揮する機会が増えた」 「保護者が授. 特に採用している学校が多かったものは、 「少. 業や学校行事に参加する機会が増えた」 「地域. 人数学習」 「習熟度別学習」 「発展的な学習」 「複. と学校の距離が縮まった」 「教育委員会とのや. 数の教師による授業」 「外部講師による授業」 「イ. りとりが増えた」でも「変化あり」と回答した. ンターネットを利用した授業」であり、小学校. 学校は、小学校でも中学校でも半数以上を占め. でも中学校でも7割以上の学校が採用してい. ている。特に「校長がリーダーシップを発揮す. る。ただし「少人数学習」を除けば、多くの学. る機会が増えた」は小学校でも中学校でも7割. 校はそれらの授業を全学的に実施しているわけ. 前後が「変化あり」と回答しているが、地域と. ではなく、一部での実施に止まっている。. の関係に関する「保護者が授業や学校行事に参. 一方、採用校が少なかった授業は、「パワー. 加する機会が増えた」 「地域と学校の距離が縮. ポイント等を利用した授業」「モジュールを取. まった」では小学校で7割を越える学校が「変. り入れた時間割編成」であるが、授業における. 化あり」としているのに対し、中学校の回答は. パワーポイントの使用は個々の教師の教授方法. 6割程度に止まっており、両者の違いが確認さ. に関わるものであり、学校の方針として採用し. れた。. ている学校が少ないということかもしれない。. NII-Electronic Library Service.

(5) Shiga University. 滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告. 図表 3 - 2 授業改革. 単位 :%. 109. 能を一部期待されており、一定の閉 鎖性を宿命として構造化されてきた が、教育社会(学校化社会としての) の成熟によって、今や学校の閉鎖性 は学校の社会からの乖離というネガ ティブな特性を象徴するものとなっ てしまった。現在学校は様々な形で、 外部に対して開かれていることが望 まれている。その現状をここでは確 認する。 図表3−3から明らかなように、 地域や教育委員会との関係を除け. また、授業時数の確保の手段として注目された. ば、学校の開放性は決して高くない。地域の教. 「モジュールを取り入れた時間割編成」を採用. 育資源としては、大学の教員や学生もその一つ. している学校は、小学校は3割、中学校に至っ. と考えることができるが、それらを活用してい. ては1割以下という低採用率である。 「モジュー. る学校はいずれも1割程度である。他校と交流. ルを取り入れた時間割編成」は全学的な実施が. している学校も小学校が3割、中学校では2割. 必須となることから、上記の他の新しい授業の. である。「開かれた学校」の理念を狭い意味で. アイデアでさえ全学的に実施している学校が少. の地域との関係に限定して考えれば、学校は現. ない現状において、その採用が少ないことは無. 状においてその理念をある程度実現しつつある. 6). と言えるが、それはあくまで限定的なものであ. 理からぬことだろう 。 ところで、ここで取りあげた授業アイデアの. る。「開かれた学校」の理念をどれだけ広く捉. 採用率は小学校と中学校で異なっているものが. えていけるかが、これからの学校にとっては大. 多い。 「少人数学習」と「発展的な学習」は中. きな課題となるかもしれない。. 学校で採用校が多く、 「複数の教師による授業」. 教育委員会との関係については、本研究は. と「モジュールを取り入れた時間割編成」は小. 「教育委員会から支援や指導が十分にある」「教. 学校で採用校が多い。中学校で「少人数学習」. 育委員会に対して意見や提言をする」の2つの. と「発展的な学習」の採用校が多いのは、中学. 質問を用意した。結果は後者に「あてはまる」. 校において学力問題が特に重要な課題となって. と回答した学校は前者の回答に比べて少なかっ. いることと関連があろう。一方、小学校におい. た。. て「複数の教師による授業」と「モジュールを. 教育委員会に支援される学校と、教育委員会. 取り入れた時間割編成」が中学校に比べて採用. に提言していく学校は、学校と教育委員会の異. が多い理由としては、教科担任制を取らない小. なる2つのタイプの関係を表している。おそら. 学校には複数の教員の協働を前提とする授業改. くこれまでの文部科学省−都道府県教育委員会. 革を採用しやすい構造があることを指 摘できるだろう。. 図表 3 - 3 開かれた学校. 単位 :%. c)学校運営の変革 【開かれた学校】 現在進められている教育改革は多く の理念を持っているが、 その一つに 「開 かれた学校」がある。学校は、我が 国に限らず、その成立の時点で、子ど もを社会や家庭から保護するという機. NII-Electronic Library Service.

(6) Shiga University. 110 −市町村教育委員会−学校と. 紅林 伸幸・川村  光・越智 康詞 図表 3 - 4 学校評議員と学校評価の実施に対する評価. いう縦のラインで結ばれた教. 単位 :%. 育行政組織体制における学校 と教育委員会の関係は上意下 達的なものであり、学校は教 育委員会に対して常に受け身 的であったに違いない。けれ ども地方分権化が進む中で、 学校と教育委員会の関係も、 新しいものに変わっていく必 要が生じている。教育委員会 は管轄地域の教育に対する方 針を決定する。その決定に資 する最良のデータは教育の現 場にあり、それを持っている 学校が教育の現実に基づいた 意見を積極的に提言しかなけ ればならない。教育の地方分 権化は、このことの重要性を 今後いっそう増幅させているくことだろう。学. 活用できているとは言えないようである。その. 校は誰かが決めた教育をさせられる機関ではな. 理由として、学校は学校評議員の学校や教育に. く、望ましい教育を考え作り上げていく機関と. 対する理解が不十分であると考えている。「学. ならなくてはならないのである。 その意味では、. 校評議員は学校のことを十分に理解してくれて. 後者の回答が前者並みになることや、 「まああ. いる」と回答した学校は約 60%、「学校評議員. てはまる」という消極的な回答ではなく、はっ. は現在進められている教育改革のことを十分に. きりと「あてはまる」と回答できる学校が増え. 理解している」と回答した学校は 45%に止まっ. ていくことが望まれるだろう。. ている。数値そのものは決して小さいわけでは ないが、学校評議員を各校の校長が自ら選んで. 【学校評議員と学校評価】. いるにしては低い値ではないだろうか。とは言. 前項の「開かれた学校」の理念を実際的な施. え、「学校評議員との関係に戸惑っている」と. 策としたものが学校評議員制度と学校評価であ. する学校はごくわずかであり、その効果的な活. る。これらはすでに制度に乗せられており、滋. 用を積極的に目指しているものと推察される。. 賀県ではすでに大半の公立学校が採用・実施. 学校評価については、小・中学校ともに約9. している。その実施の形態の詳細については文. 割の学校が「学校評価の結果を学校の運営に. 部科学省や教育委員会による調査報告もあるの. 反映できている」と回答しており、学校評議員. で、ここでは各学校におけるそれらに対する評. と比べれば効果的に活用されていることがわか. 価を中心に確認する(図表3−4)7)。. る。けれども、各学校が実施している学校評価. 学校評議員について「学校評議員制度を十分. は、その対象も、その回数も異なっており、学. に活用できている」と回答した学校は小学校が. 校評価の推進者が実際に期待して学校評価を各. 45%に対して中学校は 35%と小学校の方が多. 学校が受け入れているのかどうかについては、. い。また、 「学校評議員の声が学校の運営に反. 更に検討する必要がある。ただし、現在実際に. 映されている」とする学校も小学校に多くなっ. 実施している学校評価に関しては、各校がその. ている。しかし、中学校に比べて多いと言って. 効果を認めていることは間違いない。その結果. も、小学校の値も5割に止まっており、十分に. として、 「教育の質は高まった」とする学校や「新. NII-Electronic Library Service.

(7) Shiga University. 滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告 たな発見があった」 とする学校が7割近くある。. 111. 察される。. また、学校評価について、 「教師は学校が評価. 「総合的な学習の時間」の定着度を見るため. されることに不満を持っている」 「学校評価に. に、H 14 年度からH 15 年度にかけての変更と、. よって教育がしにくくなった」などの否定的な. H 15 年度からH 16 年度にかけての変更の可. 回答をしている学校は1割弱、その実施に伴う. 能性を尋ねたが、H 14 年度からH 15 年度に. 教師の負担についても「大きくなっている」と. かけては小学校の 85%、中学校の 75%が変更. する学校は 25%前後となっており、一定の学. したと回答し、H 16 年度中の変更の可能性も. 校評価はすでに学校に受け入れられていること. 小学校の 70%、中学校の 65%が認めていると. がわかる。. いう結果が得られた。小学校の 85%、中学校 の 70%の学校が「H 15 年度の『総合的な学. (2) 「総合的な学習の時間」の現状と評価. 習の時間』はうまく実施することができた」と. 先の授業改革の節では、 「総合的な学習の時. している中で、多くの学校が本年度も変更を加. 間」を取り上げなかった。それは「総合的な学. えながら実施していくことを予測しているとい. 習の時間」が今期の教育改革の全体を象徴する. うこの結果は、「総合的な学習の時間」の定着. 特別な意味を持つものであり、そのとり組みに. が変化のない定着ではなく、変化を前提とした. ついてはより詳細な検討が必要であると考える. 定着であることを示していると言えよう。. からである。本節では、 「総合的な学習の時間」 を主題として、その定着状況、実施形態、教師 のとり組み、評価と課題について見ていく。 a)定着状況. b)各校の実施形態 「総合的な学習の時間」で取りあげられてい るテーマについては、小学校と中学校で異なっ. 図表3−5に示すように「総合的な学習の時. ている(図表3−6)。小学校では「国際理解」. 間」を特別な組織・機関を設けて実施している. 「情報」「福祉・健康」「地域」「自然・農業体験」. 学校は小学校では6割だが、中学校では8割を. を頻繁に取りあげる学校が中学校よりも多く、. 越えている。後に言及するが、この差には、 「総. 中学校は「福祉・健康」「社会体験・ボランティ. 合的な学習の時間」の実施に関わる小学校と中. ア」が多くなっている。中学校では7割を超え. 学校の構造的な相違は集約されているものと推. る学校がこの2つを「頻繁に取りあげる」と回 答しており、この2テーマが中学校の「総合的 な学習の時間」の主要なテーマとなっているこ. 図表 3 - 5 「総合的な学習の時間」の定着度 単位 :%. とがわかる。一方、小学校の主要なテーマとなっ ているものは「環境」 (76.6%) 「地域」 (77.9%) である。 こうした主要なテーマの違いがどうして生じ ているのかを、何を考慮してテーマを設定して いるのかに注目して確認したい(図表3−7)。 小学校で「かなり重視している」ものは「所在 校区の地域性」(64.1%)「これまで取り組んで きた教育活動との関連」(54.5%)「子どもの実 態」(46.9%)の順であり、中学校では「これ まで取り組んできた教育活動との関連」を「か なり重視した」学校が6割と際だっている。学 校現場は、「総合的な学習の時間」をこれまで の自校の教育と連続的なものとして構成し、 「総 合的な学習の時間」以前からそれぞれの学校 が力を入れてきた教育課題を展開したかたちで. NII-Electronic Library Service.

(8) Shiga University. 112. 紅林 伸幸・川村  光・越智 康詞 単位 :%. 図表 3 - 6 「総合的な学習の時間」のテーマ. テーマを決定しているのである。その意味 では、テーマの違いは、各学校において教 育課題と考えられてきたものの違いをある 程度反映していると考えることができるだ ろう。 図表3−8は、「総合的な学習の時間」 の理念である教育の総合化が、実際にどの 程度はかられているのかを確認した結果で ある。小学校では、「校内の様々な場所、 地域や公共施設など、教室にとらわれない 学習の場の提供」(95.8%)「情報収集、体 験、対話、表現など多様な学習方法の取り 入れ」(95.9%)「教科を横断した内容の設. 図表 3 - 7 テーマ決定にあたって重視したこと 単位 :%. 定」 (83.5%)を取り入れている学校が多く、 「教 育内容の決定に、地域など外部の人の声を反 映させること」(47.6%)「特別活動や道徳との 相互乗り入れ」(52.4%)「様々な評価法・観点 を用いた評価の実施」(66.9%)は少なかった。 中学校は、「校内の様々な場所、地域や公共施 設など、教室にとらわれない学習の場の提供」 (95.1%)「情報収集、体験、対話、表現など多 様な学習方法の取り入れ」 (95.2%) 「教育体制・ 指導体制の多様化」(71.9%)が高く、「教育内 容の決定に、地域など外部の人の声を反映させ ること」(39.1%)「教科との連続性」(52.4%) 「特別活動や道徳との相互乗り入れ」(61.0%) が低くなっている。両者はかなり共通している. 図表 3 - 8 「総合的な学習の時間」における総合化 小学校. 単位 :%. 中学校. 単位 :%. NII-Electronic Library Service.

(9) Shiga University. 滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告. 113. 図表 3 - 9 「総合的な学習の時間」で力を入れていること 小学校. 単位 :%. が、 教科との関わり方に大きな相違が見られる。. 中学校. 単位 :%. 図表3− 10 に示すように、「総合的な学習. 小学校では教科の横断や教科との連続性が積極. の時間」に対する教師の取り組みは、小学校で. 的に図られているが、教科が強く枠づけられて. も中学校でも、「情熱をもって熱心に取り組ん. いる中学校は小学校と異なり、教科との関わり. でいる」「嬉々として取り組んでいる」「『総合. は必ずしも積極的には意図されていない。これ. 的な学習の時間』の趣旨を十分に理解している」. は、中学校において「総合的な学習の時間」が. 教師の多い学校が多い。けれどもその割合は、. 教科と明らかに異なる一領域として位置づけら. 中学校が小学校よりも有意に低い。. れていることを意味している。 また、実施にあたって力を入れている点も、 基本的なところでは小学校と中学校に違いはな. 「総合的な学習の時間」における教師の役割 については、図表3− 11 に示すように、小学 校では「子どもの学習環境を整える」(95.9%). いが、ある面に関して明確な違いが確認される. 「 教 材、 資 料 等 の 準 備 を す る 」(93.8%)「 子. (図表3−9) 。両者の間に有意な差が確認され. どもに自己学習や情報整理の仕方等を教え. るのは、 「子ども自身の生活と密着した学習内. る」(93.8%)がもっとも多くの学校で期待さ. 容」と「個々の子どもの興味や関心」の2つで. れており、中学校では「最後のまとめを行う」. あり、いずれも小学校の値が高い。 「総合的な. (95.1%)「個々の子どもの学習の進め方につい. 学習の時間」において子どもの主体的な学習へ. て相談にのる」(86.6%)「子どもの学習をより. の取り組みが重視されることは小学校でも中学. 価値のあるものに高める問いかけや助言を行. 校でも同様である。けれども、 「子ども自身の. う」(86.6%)がもっとも多くの学校で期待さ. 生活と密着した学習内容」と「個々の子どもの. れている。すなわち小学校では教師の役割は第. 興味や関心」に対する力の入れ方の差は、中学. 一に子どもたちの学習の環境整備にあると考え. 校におけるそれが小学校ほど徹底して個に応じ. られており、中学校では教師は子どもたちの学. ようとするものではないことを意味しているの. 習の過程に積極的に関わり、そこでの学習の質. かもしれない。. を高める支援的な役割が第一のものとされてい るのである。もちろん両者の違いはあくまで相. c)教師の取り組み. 対的なものである。小学校で重視されているも. NII-Electronic Library Service.

(10) Shiga University. 114. 紅林 伸幸・川村  光・越智 康詞 図表 3 - 10 「総合的な学習の時間」への教師の取り組み. 単位 :%. 図表 3 - 11 「総合的な学習の時間」における教師の役割 小学校. 単位 :%. 中学校. 単位 :%. のが中学校で重視されていないと言うことでは. の個性が伸ばされる」(79.3%)「学級の雰囲気. ない。学習の過程への関与に関しても同様であ. や子ども同士の関係がよくなる」(73.1%)の. る。その意味では、この2つが、学校現場では、. 順に効果が期待されており、「子どもが教科内. 「総合的な学習の時間」において教師に期待さ. 容を理解する上で効果がある」(42.7%)「教師. れる主要な役割と考えられていると見ることが. の市民意識が高められる」(49.7%)「子どもが. できるだろう。. より高い自己理解をもつようになる」(53.1%) といった効果を期待する学校が少ない。中学校. d)評価と課題. では効果を期待する学校が多い順に「特色ある. 最後に、 「総合的な学習の時間」を学校現場. 学校づくりに効果がある」(85.4%)「子ども一. がどのように考えているのかを確認する(図表. 人一人をよく知る機会になる」(84.2%)「子ど. 3− 12) 。. もの個性が伸ばされる」(72.0%)「教師同士の. 小学校では、95%を超える学校で効果が期. 協力体制によい影響がある」(68.3%)「子ども. 待されている「特色ある学校づくりに効果が. の学習意欲を高める効果がある」(64.6%)と. ある」 (96.5%)をトップに、 「子どもの学習意. なっており、少ない項目は「教師の専門性が高. 欲を高める効果がある」 (86.9%) 「子ども一人. められる」(29.3%)「子どもが教科内容を理解. 一人をよく知る機会になる」 (85.5%) 「子ども. する上で効果がある」(30.5%)「教科の指導方. NII-Electronic Library Service.

(11) Shiga University. 滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告 図表 3 - 12 「総合的な学習の時間」に期待する効果. 115 単位 :%. 法によい影響がある」 (37.8%)となっている。. 小学校が5割前後で中学校が8割前後であり、. 「総合的な学習の時間」に期待される効果と. 小学校、中学校ともに、現在の「総合的な学習. して上位に来ているものには小学校と中学校で. の時間」に全面的に賛同しているわけではない. 大きな違いはないが、下位に位置づいたものに. ことがわかる。しかし、同時に「学校の体質を. おいて両者には明確な違いがある。 小学校では、. 内側から変えるチャンスである」「保護者や地. 個性と学習意欲以外の子どもの態度や能力への. 域と連携するするチャンスである」という「総. 影響に期待する学校が少ないが、これは割合に. 合的な学習の時間」に副次的な効果を期待する. 関しては中学校でもほぼ等しく、中学校でもそ. 学校は、それぞれ小学校が6割と9割、中学校. れらの効果は期待されていないと言える。けれ. が5割と8割と、若干の差はあるが小学校でも. ども、中学校で下位になった教師への影響とり. 中学校でも一定の意義が認識されていることも. わけ教科領域に関わる教師への影響は、中学校. 事実である。では、そうした「総合的な学習の. が断然低くなっている。ここまでに見てきた結. 時間」を効果的に実施するにはどのようにした. 果にも表れていたように、中学校では教科とは. らよいと考えているだろうか。「入試制度を変. まったく異なる領域として「総合的な学習の時. えない限り大きな効果は見込めない」「本格的. 間」を位置づけている学校が多く、それがこう. に行うなら、学校の変革が必要である」の結果. した教科領域への効果の期待の薄さとなってい. からは、十分な実施を行うためには、現状の学. るものと思われる。. 校や教育制度の根本的な改革が必要であるとい. では、学校は、 「総合的な学習の時間」の今. う認識を持っている学校が半数以上に及んでい. 後の在り方については、どのように考えている. ることがわかる。「総合的な学習の時間」に一. のだろうか。図表3− 13 に示すように、 「 『総. 定の意義を認め、その実現のためには学校を根. 合的な学習の時間』 の年間授業時数は多すぎる」. 本的に変えることの必要を認識しつつ、同時に. と「 『総合的な学習の時間』よりも教科の方が. 「総合的な学習の時間」を他の教育活動との関. 重要である」の2つの意見に賛成する回答は、. 係において相対化しているのが、現在の学校の. NII-Electronic Library Service.

(12) Shiga University. 116. 紅林 伸幸・川村  光・越智 康詞. 図表 3 - 13 「総合的な学習の時間」への意見. 単位 :%. 長がリーダーシップを発揮 する機会が増えた」(実施校 64.4% 未実施校 83.8%)「教 育委員会とのやりとりが増え た」(実施校 50.0% 未実施校 73.0%)といった学校組織に 関 す る 項 目 で、 学 校 評 議 員 制度を未実施の小学校におい て、変化があったとする学校 の割合が高くなっている。 次に、平成 15 年度の学校 評議員との話し合いの平均回 数を見ると、小学校で 1.99 回、中学校で 1.93 回であっ た。そこで、その年に話し合 いを2回以上もった学校と1. 姿と捉えることができるだろう。まさに、教育. 回以下の学校に分類し 9)、話し合いの回数と近. の理念と現実の狭間で浮遊しつつ、望ましい教. 年の学校の変化との関係を学校段階別に確認し. 育の実現を目指して日々の教育活動に当たって. た(図表4−1中)。この場合も小学校のみに. いる学校の現実が、ここにあるのではないだろ. 関連項目があり、「校長がリーダーシップを発. うか。. 揮する機会が増えた」(2回以上 62.5% 1回以 (紅林伸幸). 下 84.4%) 「教育委員会とのやりとりが増えた」 (2回以上 47.9% 1回以下 73.3%)となってお. 4.分析編:教育改革の効果. り、話し合いの回数が少ない学校の割合が高い。. 学校評議員の活用,学校評価の実施、 「総合. つまり、小学校では学校評議員制度を実施す. 的な学習の時間」の導入は、これまでの学校. ることによって、学校の運営において教師集団. のあり方そのものを反省的に捉える視点を要求. のディスカッションや校長の個人的な判断,教. し、学校に変わっていくことを求めている。本. 育委員会との話し合いが果たしてきた役割の. 章では、学校評議員制度、学校評価、 「総合的. 一部が学校評議員に移るというかたちで、従. な学習の時間」の導入によって、学校がどのよ. 来の学校の意思決定プロセスを変化させている. うに変化してきているのかについて考察する。. と推察される。学校評議員には、教師そのもの ではないが、教師集団の一員に近い役割と、教. (1)三つの教育改革のインパクト. 育委員会のように学校の外部から学校の実践を. a)学校評議員制度のインパクト. チェックするとともに支援する役割が期待され. まず、平成 15 年度に学校評議員と意見交換. ていると言うことができよう。. をおこなう機会を持った学校を確認したとこ. しかし、その影響は必ずしも大きなものでは. ろ、小学校 145 校のうち 104 校(71.7%) 、中. ない。地域との関係(「保護者が授業や学校行. 学校 82 校中のうち 62 校(75.6%)がそれを. 事に参加する機会が増えた」「地域と学校との. 実施していた 8)。. 距離が縮まった」)、教師集団(「教師同士で授. そこで,学校段階別に学校評議員制度の活用. 業を見せ合う機会が増えた」「授業内容や子ど. と近年の学校の変化との関係を見たものが図表. もに関する教師間のコミュニケーションが増え. 4−1左であるが、小学校においてのみ有意差. た」)、個々の教師(「教師と子どもの関係が親. のある項目が認められた。 「校内研修の回数が. 密になった」「個々の教師の授業実践の力量が. 増えた」 (実施校 51.9% 未実施校 75.7%) 「校. 高まった」「教育サービスの質に対する教師の. NII-Electronic Library Service.

(13) Shiga University. 滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告. 117. 責任意識が高まった」 「教師の仕事ぶりに活気. 評議員によって容易に肩代わりできない性格を. が出てきた」 ) 、子ども( 「子どもが生き生きし. 有していることになる。また、中学校で起こっ. てきた」 「子どもが落ち着いてきた」 「これまで. ている問題がその対応に外部の人間を加えにく. 注目されてこなかった子どもが活躍するケース. いものなのかもしれない。. が出てきた」 「不登校の子どもの数が減った」 ). そこで、学校評議員制度を有効に活用してい. のいずれにおいても、際立ったポジティブなイ. るかどうかという視点から、この制度と近年の. ンパクトは認められない。学校評議員の導入の. 学校の変化との関連を探ったのが、図表4−1. 意図に鑑みても、この制度を実質を伴う有効な. 右である 10)。小学校においては、「個々の教師. ものとして活用していくための工夫が期待され. の授業実践の力量が高まった」(高機能 66.7%. るところであろう。. 低機能 46.5%)「精神的に疲れている教師が増. 小学校でわずかとは言え一定の有効性が確認. えた」 (高機能 54.0% 低機能 74.4%)にポジティ. されたのに対して、中学校においては、学校評. ブな結果が出ているものの、学校組織や子ど. 議員制度は学校組織,教師集団、個々の教師、. もに関してインパクトは確認されなかった。中. 子どもに全くインパクトを与えていない。先の. 学校でも「教育委員会とのやりとりが増えた」. 小学校の結果と関連づけて解釈すれば、中学校. (高機能 34.5% 低機能 63.6%)で有意差が確認. における教師集団のディスカッションや校長の. されたほかは、学校評議員制度導入によるポジ. リーダーシップ、教育委員会との関係は、学校. ティブな変化は認められない。ここでも、より. 図表 4 - 1 学校評議員制度と近年の学校の変化. NII-Electronic Library Service.

(14) Shiga University. 118. 紅林 伸幸・川村  光・越智 康詞. 有効な活用への工夫の必要が確認される。. 小学校では関連のある項目が全くなく、内 部評価と外部評価との関係では違いはないよ. b)学校評価のインパクト. うである。しかし、中学校の方は、「校内研修. 学校評価の導入に関しては、平成 15 年度の. の回数が増えた」(内部・外部 55.7% 内部の. 実施状況をみると、この質問項目に回答した学. み 26.3%)「保護者が授業や学校行事に参加す. 校のうち、小学校1校を除くすべての小学校. る機会が増えた」(内部・外部 68.9% 内部のみ. (139 校)と中学校(81 校)が何らかの学校. 36.8%)というように、内部・外部評価を実施. 評価を実施していることがわかった。. している中学校の方が割合が高くなっている。. 学校評価と一口に言っても、教師による評価. 外部評価を実施することにより、学校としての. から、子ども、保護者、保護者以外の地域住民、. 教育実践のあり方を考えたり、保護者に対して. 学校評議員、 その他の外部機関による評価まで、. 学校を開放したりしていると思われる。だが、. 様々なものがある。当然学校に対するインパク. 「教師の仕事量が増えた」(内部・外部 98.4%. トも異なっていることが予想される。そこで、. 内部のみ 84.2%)という結果から考えると、そ. 前者を内部評価、後者を外部評価として、内部. れらのことを行う分,仕事量が増えているのか. 評価と外部評価の両方を取り入れた学校と内部. もしれない。. 評価のみの学校に分類し. 11). 、近年の学校の変. 化との関連を確認した(図表4−2左) 。. では、平成 15 年度の学校評価の回数との関 係はどうであろうか。その平均回数は小学校が. 図表 4 - 2 学校評価と近年の学校の変化. NII-Electronic Library Service.

(15) Shiga University. 滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告. 119. 3.70 回、中学校が 3.27 回であった。そこで、. 節化された様々な教育方法、教育内容、学習形. 平均回数によって、4回以上の学校と3回以下. 態、学習空間、評価などをそれぞれ総合化する. の学校に分類し. 12). 、学校段階別に評価回数と. ことである。そこで、「総合的な学習の時間」. 近年の学校の変化との関連を確認した(図表4. において総合化を図っているものに関する質. −2中) 。. 問項目を総得点化し、平均点によって総合化を. 小学校においては、 「学校の特色が出てきた」. 図れている高総合化学校群とあまり図れていな. (4回以上 90.0% 3回以下 71.4%)の1項目の. い低総合化学校群に学校段階別に分類した 14)。. みであり、学校評価の回数の多い方が学校独自. そうすることによって、学校段階別に「総合的. のカラーを出してきているようである。 しかし、. な学習の時間」の総合化の程度と近年の学校の. 4回以上にわたる学校評価は、学校組織、教師. 変化との関係を探った(図表4−3)。. 集団、子どもに対しポジティブな変化をもたら. 小学校では、「校内研修の回数が増えた」(高. していない。ところが、中学校では,学校の特. 総合化 70.3% 低総合化 46.9%)「教師同士で授. 色が出てきているだけでなく(4回以上 91.7%. 業を見せ合う機会が増えた」(高総合化 56.8%. 3回以下 66.7%) 、保護者が授業や学校行事に. 低総合化 39.1%)「校長がリーダーシップを発. 参加する機会が増え(4回以上 87.5% 3回以. 揮する機会が増えた」(高総合化 77.0% 低総合. 下 42.9%) 、教師同士で授業を見せ合う機会も. 化 60.9%) 「地域と学校との距離が縮まった」 (高. 増加し(4回以上 66.7% 3回以下 40.5%) 、さ. 総合化 85.1% 低総合化 67.2%)などの項目で. らに教育サービスの質に対する教師の責任意識. 高総合化群の割合が高くなっている。つまり、. が高まり(4回以上 83.3% 3回以下 58.5%) 、 その結果、学校全体の雰囲気がよくなってき. 図表 4 - 3 「総合的な学習の時間」の総合化と近年の学校の変化. ているようである(4回以上 87.5% 3回以下 61.9%) 。 こういった小学校と中学校の差異はどうして 生じるのであろうか。小学校はこの改革以前か ら地域との交流を盛んにする努力が図られてき ており、また、教科による教師間の隔たりが低 い。 一方、 中学校は小学校と対照的な性格を持っ ているため、学校評価を契機としてその性格を 変化させはじめていると推察される。 次に、学校評価を有効に活用しているかどう かという点からみると 13)、小学校では「不登 校の子どもの数が減った」 (高機能 61.0% 低機 能 35.1%) 、中学校では「子どもが生き生きと してきた」 (高機能 60.0% 低機能 32.4%)と、 学校評価を効果的に活用している学校では、そ の取り組みが功を奏し、子どもに対して一定の ポジティブなインパクトを与えているようであ る。だが、その他の学校組織や教師集団につい ては関連がないという結果になっている。 c) 「総合的な学習の時間」のインパクト 最後に「総合的な学習の時間」について確認 していこう。 「総合的な学習の時間」の特徴の一つは、分. NII-Electronic Library Service.

(16) Shiga University. 120. 紅林 伸幸・川村  光・越智 康詞. 「総合的な学習の時間」の総合化を比較的図っ. の教師に主にインパクトを与えているという特. ている学校の方が,校長がリーダーシップを発. 徴がある。. 揮して学校運営にあたり、学校が外部に対して.  では、このように「総合的な学習の時間」の. 開かれ、さらに、学校内部に関しては校内研修. 導入が小学校と中学校に与えるインパクトが異. の回数が増え、教師がお互いの授業を見る機会. なり、また、そういった「総合的な学習の時間」. が増加するなど、 教師集団に変化が起きている。. と、学校評議員制度や学校評価とでは、学校へ. 加えて、 「教育サービスの質に対する教師の責. のインパクトの与え方に違いが見られるのはど. 任意識が高まった」 「教師の仕事ぶりに活気が. うしてであろうか。. 出てきた」がそれぞれ高総合化 85.1% 低総合. まず、前者については次のように考えられる. 化 59.4%、高総合化 68.9% 低総合化 51.6% と. (図表4−3)。「総合的な学習の時間」の総合. なっており、十分に総合化されている学校に. 化を積極的に図っている小学校では、ここ2,3. おいて、個々の教師の意識や態度が変わって. 年の間に「校内研修の回数が増えた」「教師同. きていることも確認される。また、子どもの学. 士で授業を見せ合う機会が増えた」 「校長がリー. 習状況にも変化があり、これまで注目されてこ. ダーシップを発揮する機会が増えた」「地域と. なかった子どもが活躍する場面が出てきている. 学校との距離が縮まった」というように、学. (高総合化 60.8% 低総合化 34.9%) 。. 校組織に変化が起きている。一方中学校では、. 中学校に関しては、 「授業内容や子どもに関. 「総合的な学習の時間」の総合化の程度と関連. するコミュニケーションが増えた」 (高総合化. がない。つまり、「総合的な学習の時間」導入. 87.8% 低総合化 63.2%) 「個々の教師の授業実. により総合化を図っている小学校は、学校の組. 践の力量が高まった」 (高総合化 60.5% 低総合. 織化を行っているのに対し、中学校は「総合的. 化 36.8%)と、両項目とも高総合化群の割合. な学習の時間」を既存の学校組織の一部に組み. が高く、総合化を図っている学校の方が教師集. 込んでいると思われる。このことは、総合化の. 団や個々の教師にポジティブな変化が表れてい. 程度が高い小学校が「総合的な学習の時間」を. る。しかし、小学校よりも有意差のある項目が. 企画したり反省したりする特別な機関を設け. 少ないことを見ると、 「総合的な学習の時間」. 組織化を行っている(高総合化 70.3% 低総合. のインパクトは小学校ほどではないと考えられ. 化 48.4%)のに対し、中学校では総合化の程度. る。. に関係なく約8割(高総合化 87.8% 低総合化 81.6%)の学校がその機関を設置していること. (2)三つの教育改革と学校の変化 以上のことから、次の三点が明らかになっ. からも推察される。 しかし、中学校では「総合的な学習の時間」. た。第一は、小学校において「総合的な学習の. が学校組織の一部に組み込まれているからと. 時間」は学校のさまざまな局面にインパクトを. いって、「総合的な学習の時間」が中学校にポ. 与えている。 「総合的な学習の時間」において. ジティブな変化をもたらしていないとは言えな. 総合化を図れている小学校では、学校組織,教. い。総合化を図っている中学校は、あまりそう. 師集団、個々の教師,子どもの学習環境にポジ. でない中学校と同様の組織形態であると考えら. ティブな変化が出てきている。第二は、中学校. れるのだが、結果的に授業内容や子どもに関す. でも「総合的な学習の時間」は学校を改善して. るコミュニケーションが増えたり、個々の教師. いく機能を有していると考えられるのだが、そ. の授業実践の力量が高まったりしている。. れは小学校ほど効果をあげるものにはなってい. それでは、このように「総合的な学習の時間」. ない。第三は、学校評議員制度や学校評価は、. が教師にインパクトを与えるのに対し、学校評. 校長のリーダーシップ、保護者との関わり、教. 議員制度や学校評価では学校組織に与えるのは. 育委員会とのやりとりといった学校組織に関す. なぜだろうか。. ることに基本的にインパクトを与えているのに. 「総合的な学習の時間」は学校組織そのもの. 対し、 「総合的な学習の時間」は教師集団や個々. にインパクトを与えるために導入されたのでは. NII-Electronic Library Service.

(17) Shiga University. 121. 滋賀県の小・中学校の現状に関する調査報告 なく、子どもに「生きる力」を育むために制度. ことであると思われる。. (川村 光). 化されたものであり、教師の教育実践に変化を 要求するものである。この点から考えると、 「総. 4.おわりに. 合的な学習の時間」の総合化を図ることによっ. 本報告では、現在進められている学校改革の. て、教育組織や教育実践を変化させることに成. 学校現場における現状とその影響という2つ. 功した学校では、教育改革はある程度実現され. の観点から、現在の滋賀県の公立小・中学校の. ていると思われる。. ありのままの姿に迫ってきた。学校の現実は実. その一方,学校評議員制度や学校評価に関し. の複雑であり、新しい施策が採用されたからと. ては、これらは今までの学校のあり方を問い直. いって、それがスムーズに実施に移されるとは. す目的で導入されたものであるので、学校組織. 限らない。その結果も期待通りになるとは限ら. にインパクトを与えると考えられる。その意味. ない。. ではこれらの制度をうまく実行に移すことがで. 学校現場はそれぞれの社会的な状況を持ち、. きれば、学校改革にある程度貢献すると言える. 歴史的な文脈を持つ。地域の特性があり、子ど. かもしれない。そういった学校は学校評議員か. もたちの家庭背景があり、学校の伝統があり、. ら適切な意見をもらったり、学校評価によって. 実践の歴史がある。教師集団の特性があり、教. 今後の運営方針が見えたりすることにより、そ. 育委員会との関係もある。さらに、新しい施策. れらを具体的な学校組織の構造のてこ入れとし. に先行する、今までの教育施策の中で作られた. て利用していると思われる。. 教育の現実がある。そうした中で、より望まし. 以上のことから、三つの制度が導入された目. い教育を、学校現場はそれぞれに模索している. 的がある程度実現することが、 「総合的な学習. のだと言えよう。改革への対応も同様であり、. の時間」と他の二つの制度とのインパクトの違. それらの施策をいかに有効に実施するのか、そ. いという形で表れたと考えられる。. の工夫を、学校はしていかなければならない。. その違いに関して他に指摘したいことは、学. 本稿において報告した調査結果とそこから得. 校評議員制度や学校評価は学校組織のみに主に. られたいくつかの知見、その多くは仮説の域に. 働きかけるのに対し, 「総合的な学習の時間」. 留まるものであるが、それらが、個々の学校が. は教師集団や個々の教師だけでなく、意図せ. 主体的・自律的に理想とする学校づくりや教育. ざる結果として学校組織そのものにもインパ. づくりをおこなう上で利用可能なデータの一つ. クトを与える可能性があるということである. となることを強く期待する。. (小学校: 「校内研修の回数が増えた」高総合化. (紅林伸幸). 70.3% 低総合化 46.9%「校長がリーダーシッ プを発揮する機会が増えた」高総合化 77.0%. 付 記 本 研 究 は 科 学 研 究 費 補 助 金 基 盤 研 究. 低総合化 60.9%「地域と学校との距離が縮まっ. (B)( 課題番号 15330178) の助成を受けた。ま. た」高総合化 85.1% 低総合化 67.2%) 。つまり,. た、調査の実施にあたって滋賀大学佐藤尚武教. 教師集団や個々の教師の教育実践そのものに直. 授にご協力いただいたことを記して感謝いたし. 接働きかけるものの方が,教育改革の効果があ. ます。. らわれる可能性が高いと考えられる。 今後の研究課題として、小・中学校が教育改 革をうまく利用できた学校と、そうでない学 校とに分かれる要因を究明することがあげられ. 注 1). る。これまでの分析結果から, 学校評議員制度、 学校評価、 「総合的な学習の時間」をうまく取 り入れている学校の方がそうでない学校より、 近年ポジティブな変化が起こっている。この原 因を考察することは、学校改革にとって重要な. 2). 佐藤尚武・喜名信之編『教育学研究科の充実に 関する調査研究』滋賀大学大学院教育学研究科 改善プロジェクトチーム ( 代表者:喜名信之 ) および佐藤尚武編『教育学研究科における現職 教員研修の拡充に関する調査研究』滋賀大学大 学院教育学研究科改善プロジェクトチーム ( 代 表者:佐藤尚武 ) したがって、本報告は、主たる読者として研究. NII-Electronic Library Service.

(18) Shiga University. 122. 3). 4). 5). 6). 7). 8). 9). 10). 紅林 伸幸・川村  光・越智 康詞 者を想定しない。本報告の主たる読者は、学校 教員である。 本節の以下の図表は、本報告の第一次報告を兼 ねることから、無回答を含めた基礎集計の結果 を示した。ただし、報告で小学校と中学校の比 較を行っており、その際は無回答を除いた有効 回答者を分析と検定の対象としている。 ただし「教師の仕事量が増えた」と相関があっ た項目は「校内研修の回数が増えた」と「授 業内容や子どもに関する教師間のコミュニケー ションが増えた」のみであり、2つの相関係数 もそれぞれ .183、.141 と必ずしも大きくない。 「不登校の子どもの数が減った」は4段階の評 定で有意、「これまで注目されてこなかった子 どもが活躍するケースが出てきた」は4段階を 「あてはまる」と「あてはまらない」にリコー ドした結果において有意、 「子どもが生き生き としてきた」はいずれの分析においても有意差 が確認された。 モジュールを取り入れた時間割編成はそもそも 学習の中身によって授業の形態を多様化させる ことを理念とするものであり、授業時数の確保 のための手段として考案されたものではない。 けれども、我が国においてこのアイデアは明ら かに授業時数の確保という課題とともに学校現 場に広がった。このことがこのアイデアの活用 に消極的な態度を作ったことは否定できないだ ろう。 滋賀県の公立学校の学校評価の実態について は現在滋賀県立総合教育センターが実施してる 「学校の活性化に生きてはたらく学校評価に関 する研究(3)  −学校評価システムの定着を 図るために−」の報告を参照されたい。学校評 議員の実施についてはその人数及び話し合いの 回数について、約1割が0と回答しており、約 15%が無回答であった。0回答と無回答は図 表2−4では無回答にカウントされている。な お、0回答と無回答はいずれも回答者の職位や 学校規模との関わりはなかった。 学校評議員制度に関する質問項目にすべて無回 答の学校は、学校評議員制度の未実施校として 扱った。 平成 15 年度に話し合いを2回以上もった学校 は、小学校 96 校、中学校 56 校、1回以下の 学校は小学校 46 校、中学校 24 校である。 学校評議員制度の項目は、 「学校評議員制度を 十分に活用できている」 「学校評議員の声が学 校の運営に反映されている」 「学校評議員を学 校の評価者として位置づけている」 「学校評議 員は学校のことを十分に理解してくれている」 「学校評議員は現在進められている教育改革の ことを十分に理解している」 「学校評議員との 関係に戸惑っている」である。各項目には、 「あ てはまる」「まああてはまる」 「あまりあてはま らない」「あてはまらない」という4段階の回 答が用意されており、 「学校評議員との関係に 戸惑っている」には順に0点、1点、2点、3 点を与え、その他の項目には順に3点、2点、 1点、0点を与え、各学校の総得点を出した。 小学校の平均点は 10.80 点であったので、0 ∼ 10 点の学校を低機能群(43 校) 、11 ∼ 18 点の学校を高機能群(63 校)に、中学校の平. 均点は 10.71 点であったので、0∼ 10 点 の学校を低機能群(33 校)、11 ∼ 18 点の学 校を高機能群(29 校)に分類した。 11) 平成 15 年度に内部評価と外部評価の両方を 取り入れた学校は小学校 116 校、中学校 61 校、内部評価のみの学校は小学校 23 校、中 学校 19 校である。 12) 平成 15 年度に学校評価を4回以上実施した 学校は小学校 50 校、中学校 24 校、3回以 下の学校は小学校 56 校、中学校 42 校であ る。 13) 学校評価についての項目は、「学校評価の 結果を学校の運営に反映できている」「学校 評価によって教師の負担は大きくなってい る」「教師は学校が評価されることに不満を 持っている」「学校評価によって教育の質は 高まった」「学校評価によって教育がしにく くなった」「学校評価によって新たな発見が あった」 「評価者の学校を見る目が変わった」 である。各項目には,「あてはまる」「まあ あてはまる」「あまりあてはまらない」「あ てはまらない」という4段階の回答が用意 されており、「学校評価によって教師の負担 は大きくなっている」「教師は学校が評価さ れることに不満を持っている」「学校評価に よって教育がしにくくなった」には順に0 点、1点、2点、3点を与え、その他の項 目には順に3点、2点、1点、0点を与え、 各学校の総得点を出した。小学校の平均点 は 13.37 点であったので、0∼ 13 点の学 校を低機能群(78 校)、14 ∼ 21 点の学校 を高機能群(59 校)に、中学校の平均点は 12.80 点であったので、0∼ 12 点の学校を 低機能群(34 校)、13 ∼ 21 点の学校(45 校) を高機能群に分類した。 14) 「総合的な学習の時間」に関する項目は、 「教 科を横断した内容の設定」「情報収集、体験、 対話、表現など多様な学習方法の取り入れ」 「学習の単位や形態の多様化」「教育、教授、 指導、支援の具体的な方法の多様化」「校内 の様々な場所、地域や公共施設など、教室 にとらわれない学習の場の提供」 「教育体制・ 指導体制の多様化」「様々な評価法・観点を 用いた評価の実施」「教育内容の決定に、地 域など外部の人の声を反映させること」「総 合的なテーマを学習課題にすること」「特 別活動や道徳との相互乗り入れ」「教科と の連続性」である。各項目には,「かなりし ている」「ある程度している」「あまりして いない」「ほとんどしていない」という4段 階の回答が用意されており、順に3点、2 点、1点、0点を与え、各学校の総得点を 出した。小学校の平均点は 20.88 点であっ たので、0∼ 20 点の学校を低総合化群(65 校)、21 ∼ 33 点の学校を高総合化群(74 校) に、中学校の平均点は 19.67 点であったの で、0∼ 19 点の学校を低総合化群(38 校)、 20 ∼ 33 点の学校(41 校)を高総合化群に 分類した。. NII-Electronic Library Service.

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参照

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