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脳損傷後の機能回復の脳内機構と神経リハビリテーション

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51:1058

<シンポジウム 21―1>神経変性疾患と脳卒中のリハビリ;理論と実践

脳損傷後の機能回復の脳内機構と神経リハビリテーション

宮井 一郎

(臨床神経 2011;51:1058) Key words:神経リハビリテーション,脳卒中,脊髄小脳変性症,脳機能画像,可塑性 脳機能画像や神経生理学的手法の進歩から脳損傷後の機能 回復の脳内機構を臨床的にとらえることが可能になってき た.その結果,脳損傷後の機能回復は,麻痺肢の使用や経験や 練習量などの神経リハビリテーション(リハ)介入にある程度 依存した脳の機能的・構造的再構成(use-dependent plastic-ity)と関連すると考えられている. 適応的な脳の再構成を促進するために,Constraint-induced movement(CI)療法のような課題指向型練習のくりかえしや 両側性練習などに加えて,実際には運動をしない状態で大脳 皮質の motor drive を増強する試みもなされている.運動想 像や観察などを補助的に練習プログラムに加えることがその 例である.一方,運動機能回復や技能の向上を麻痺肢をもふく む一連の動作系列に対する運動学習ととらえることも可能で ある.習熟するにつれ,フィードバックに依存する運動遂行か らフィードフォワードな制御が可能になり,さらに練習を積 み重ねると運動学習が保持されると考えられる.そのために は,個別リハ以外に病棟や在宅をふくめた練習環境の設定や 指導が必要である.このような練習量の確保以外に,学習の促 進には段階的な練習や結果を知ること,報酬などの練習内容 も影響すると考えられる. さらに練習量が同等なときに neuro-modulation をおこな い,可塑的変化と機能回復を促進する試みもおこなわれてい る.その例として,モノアミン系神経伝達の強化(ドパミンや 選択セロトニン再取り込み阻害薬など),磁気刺激・電気刺激 による半球間や運動領野の興奮・抑制の修飾,末梢神経刺激 とリハとの併用,病変をバイパスして運動領野と効果器(肢) を繋ぐ Brain-machine interface などが挙げられる. しかしながら,リハによって達成できる生物学的な限界も 存在し,たとえば,成人の片麻痺においては,麻痺手の機能回 復には monosynaptic な運動下降路がある程度利用可能であ ると考えられる.また神経変性疾患では,リハ後にえられた利 得に対して,病状進行による機能低下とのトレードという要 素も加わる.これらの試みが長期的な効果をふくめて,恩恵を もたらすかどうかや効果を保持するための介入などの検証も 必要である. Abstract

Neurorehabilitation and neural mechanisms underlying functional recovery after brain damage

Ichiro Miyai, M.D.

Neurorehabilitation Research Institute, Morinomiya Hospital

(Clin Neurol 2011;51:1058) Key words: neurorehabilitation, stroke, spinocerebellar degeneration, functional neuroimaging, use-dependent plasticity

森之宮病院神経リハビリテーション研究部〔〒536―0025 大阪市城東区森之宮 2―1―88〕 (受付日:2011 年 5 月 20 日)

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