新農薬実用化試験・成績検討会の概要報告 ― 53 ― 129 平成26 年度新農薬実用化試験成績検討会は,10 月に 茶と寒冷地果樹を,11 月に稲野菜関係を全国 8 地域に 分けて開催してきた。引き続き12 月に開催した落葉果 樹,常緑果樹,芝草,生物農薬,家庭園芸の5 分野につ いて成績検討会の概要を報告する。 I 落葉果樹成績検討会 12 月 9 日∼ 10 日に都内日暮里のホテルラングウッド で開催し,全国37 道府県の試験機関をはじめ委託企業 の関係者など約310 名が参加した。冒頭,当協会の上路 雅子理事長より,協会として短期暴露評価導入に伴う既 登録剤維持のための緊急助成を 決めたことを報告し,2 会場に 分かれて会議が開始された。 本年は病害262 件,虫害 232 件とほぼ前年並みの試験成績を 検討。病害は農研機構果樹研究 所の中畝良二上席研究員と須崎 浩一上席研究員,虫害は果樹研 究所の井原史雄上席研究員と新 井朋徳上席研究員のリードで検 討がすすめられ,試験法や評価基準についても議論が及 んだ。初日の終了後に開催した懇親会には多くの関係者 が参加し,熱心な意見交換が行われた。 II 常緑果樹成績検討会 12月10日∼ 11日にホテルラングウッドで開催。例年, 落葉果樹の検討終了後の開会となることから病害は予定 通り15 時からスタートしたが,虫害は落葉果樹の検討 会が長引いたことから,予定を遅れ13 時 30 分すぎの開 会となった。会議には約220 名が参加。 本年は病害70 件と前年並みであったが,虫害は 137 件と前年よりも3 割ほど多い試験成績を検討した。病害 は農研機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点の足立嘉彦 主任研究員,虫害は同所の望月雅俊上席研究員のリード で検討が進められた。10 日夕刻の懇親会では果樹研究 所の高梨祐明カンキツ研究領域長にご挨拶をいただき, 参加者は2 日連続の疲れも見せず交流を深めた。 III 芝草成績検討会 12 月 15 日∼ 16 日にホテルラングウッドで開催。芝 草病害虫対策はかつて都道府県試験研究機関でも課題と なっていた時期があったが,ゴルフ場農薬問題が下火に なって以降,試験の実施主体は各地のグリーン研究所や 協会研究所が中心となっている。会議にはこれら試験機 関の担当者と委託企業の関係者など約90 名が参加。 本年は虫害33 件,病害 149 件といずれも前年よりも 減少という概況の中,虫害関係試験成績の検討からスタ ートした。虫害は静岡県ゴルフ場協会の廿日出正美技術 顧問(元静岡大学)と当協会信頼性保証室の宮井俊一技 術顧問,病害は農研機構畜産草地研究所の月星隆雄研究 調整役,当協会信頼性保証室の高橋賢司技術顧問および 田代定良専門調査役にそれぞれ委員をお願いした。本年
新農薬実用化試験・成績検討会の概要報告
落葉果樹,常緑果樹,芝草,生物農薬,家庭園芸
日本植物防疫協会 調査企画部
挨拶する上路理事長 落葉果樹の成績検討会,都内で開催植 物 防 疫 第69 巻 第 2 号 (2015 年) ― 54 ― 130 は新病害の報告などもあり,初日終了後の懇親会でも熱 心な意見交換が行われた。 IV 生物農薬成績検討会 12月18日∼ 19日にホテルラングウッドで開催。冒頭, 上路理事長が「平成6 年に生物農薬連絡試験を開始して からまる20 年を経過し多くの生物農薬が上市されたが 現状,普及は今ひとつ進んでいない。その原因究明と今 後の展望などを1 月のシンポジウムで総括したい」と挨 拶した。会議には全国41 の試験機関の担当者と委託企 業の関係者など約180 名が参加し,病害と虫害に分かれ て検討会が進められた。 本年は病害が57 件と前年よりも減少したが虫害は 93 件とここ数年では最も多い試験成績を検討。時間的な制 約の中で活発な意見交換が行われ,この分野に対する期 待感の大きさがうかがわれた。委員は病害が農研機構連 携普及部の仲川晃生連携普及企画室長と井上康宏主任研 究員(中央農研),虫害が近畿大学の矢野栄二教授,中 央農研の後藤千枝上席研究員,野菜茶業研究所の武田光 能上席研究員にそれぞれお願いした。初日終了後に開催 した懇親会の出席者は,企業関係者よりも都道府県関係 者のほうが多いという構成となり,研究談義に花が咲いた。 V 家庭園芸成績検討会 本年最後の成績検討会となる家庭園芸分野は12 月 22 日に当協会会議室において開催。この検討会はスプ レー剤など農業用途よりも小規模・限定的な製品を取り 扱うものであるが,試験実施機関は多岐にわたることか ら,茨城大学,千葉大学,協会研究所といった主要な試 験機関以外は,事務局が成績報告を代行する形で検討会 を構成した。 本年の試験は病害32 件,虫害 115 件といずれも前年 よりも半減。委員は病害を日本大学の藤田佳克教授(元 農研機構)と当協会信頼性保証室の高橋技術顧問に,虫 害を永田 徹氏(元茨城大学)と当協会信頼性保証室の 宮井技術顧問にそれぞれお願いし,検討が進められた。 VI その他 これらの検討会の合間をぬって特別連絡試験の成績検 討会も開催された。12 月 8 日フェニックス剤の果樹枝 幹害虫防除(委員:新井上席研究員),12 月 11 日プル ートMC の検討(委員:望月上席研究員),12 月 19 日 ゴッツA の野菜病害防除(委員:仲川室長)。 謝辞 10 月中旬からはじまった各分野の検討会は以 上ですべて終了しました。ご多忙の中,試験成績を校閲 いただき検討会の座長をおつとめいただいた委員各位, 適切な試験実施に腐心されご多忙の中ご出席いただいた 試験機関ご担当者各位,連日の検討会にご出席いただい た委託企業のご担当者の方々並びにFAMIC 生物課のご 担当者に心から感謝申し上げます。