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コメント指導が可能なオンライン授業動画および提出物をデジタル管理可能にする教員養成用SNSの開発

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Academic year: 2021

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(1)Vol.2014-CLE-14 No.4 2014/10/25. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. コメント指導が可能なオンライン授業動画および 提出物をデジタル管理可能にする教員養成用 SNS の開発 尾崎 拓郎1,a). 仲矢 史雄2,b). 概要:教員養成課程の改善を行うにあたって,今日重視されている事の一つは,教育実習中の効果的な指 導方法・評価方法の開発である.インターネットの普及に伴いメール等を利用し担当教員が間接的に指導 するケースもあるが,必ずしも情報共有は効果的に行われていない.本研究では,遠隔地からの意見交換 可能な利点と,教育実習の指導環境の特殊性に着目し,SNS 環境を用いた教員養成のポートフォリオシス テムを構築した.提案システムを利用することで,学生は自身の到達目標への到達状況を自己内省でき, 大学教員および実習先の学校教員も,離れていても同時に把握することができるようになる.教員養成課 程における学びを教育実習に関する知識や実践記録等の共有によって促進するシステムを提案する.. 1. はじめに 教員養成における質向上を行うにあたり,教育実習の内. 下本システムと記す)を提案する.. 2. 教育実習での SNS 活用. 容を充実させることは重要である.教育実習では,実習生. 教育実習における活動内容は多岐にわたる.大学で行わ. は大学を暫く離れて,実習先を活動の拠点とする.その実. れる事前指導,事後指導,実習校での観察,実践,講評な. 習先において,実習生は学習指導案をはじめとする多くの. ど,数多くの観点が評価の対象となる.学生自身は実習期. 成果物を作成する.通常,大学の指導教員との物理的距離. 間は自身の活動のリフレクションを記憶の限り行うことが. 関係は遠隔になり,直接的かつ連続的な指導が行いにくい. できるが,実習が終了し,時間が経過すれば残りの部分は. 環境となるため,実習生の活動を大学の指導教員は指導し. 自身の記録したノート等が手がかりとなる.. にくい状態となる.教育実習中は,実習先の教員と情報交. 一方で学生がこれまで行ってきた学習成果を記録に残. 換を密にしなければならない一方,大学教員とは情報共有. す,e ポートフォリオの活用も進んできている.教育実習. がしがたい状況である.. の活動記録は,ポートフォリオの一種である.. 一方で,ネットワークの普及をはじめとする,コミュニ ケーション基盤が発達してきた今日では,SNS サービス が様々な分野で利用されてきている.本学においても大学 ネットワーク基盤上で動画配信を授業や学習活動に利用す る試みが行われてきた [1]. 本稿では,SNS サービスを利用したコミュニケーショ. これまでにも指導教員が教育実習に赴く学生に対し,SNS を活用した事例が報告されている [2].. 3. 提案システム 本システムは,オープンソースである OpenPNE[3] のシ ステムをベースに,SNS を構築している.. ンの利点を活かし,教育実習をはじめとする学習活動の フィールドにおいて指導教員と学習者が遠隔地であったも. 3.1 OpenPNE. 指導が持続できるよう,コミュニケーションフィールドの. OpenPNE で提唱されている機能は次の通りである.. 提供を行い,学習記録を成果物として記録し,かつ学習者. • 日記:ニュースや普段の出来事,日報や質問などを書. 自身がリフレクション可能なポートフォリオシステム(以. き込み. • 1. 2. a) b). 大阪教育大学 情報処理センター Osaka Kyoiku University Information Processing Center 大阪教育大学 科学教育センター Osaka Kyoiku University Center of Science Education [email protected] [email protected]. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. メッセージ:他のメンバーと個人的なメッセージの 送信. •. あしあと:自分のページにアクセスしたメンバーの チェック. • フレンドリンク:お気に入りのメンバーとフレンドリ. 1.

(2) Vol.2014-CLE-14 No.4 2014/10/25. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report タイムラインへの発言. ファイルや動画ファイルの投稿にも対応させた.この機能 により,提出物・成果物・活動進捗状況の報告を促進させ ることを期待している.. 3.4 動画の取り扱い 3.4.1 動画視聴機能 OpenPNE 上では,投稿記事に URL を記載することで 小窓と呼ばれるクイックルックを行える機能が存在する. 対応している代表的なサイトは,YouTube をはじめとし,. Google ビデオやニコニコ動画,ワッチミー! TV と動画サ イトの他,Amazon.co.jp や価格.com にも対応している.. コースグループ. サムネイルをクリック することで動画や文書, 画像が閲覧可能になる.. この機能を利用して本システムが目指す動画視聴を行う ことも可能である.しかし,本機能のみでは外部のサイト との連携になり,コンテンツを学内の範囲で運用すること が不可能となる.そこで,本システムでは動画視聴システ. タイムライン. 図1. 本システムにおける SNS インターフェース. ムサーバーを構築し,OpenPNE との連携を図るようにし た(図 2 参照). 動画視聴サービスには Video+[4] のサービスを利用して. ンクを結ぶと最新日記などを表示. • コミュニティ:SNS 内で趣味やサークル,プロジェク トなどのコミュニティを立ち上げ. OpenPNE の主たる利用方法としては 2 つあり,ユーザー. 構築した.Video+ は,ひとつの動画視聴に対して次の機能 が備わっている.. • チャプター • テロップ. 自身がメンバーの承認申請をサイトに行うオープン SNS と. • メモ. SNS 内部から招待を行うことで初めてメンバーになれるク. • スライド. ローズ SNS が代表的である.. • クイズ. OpenPNE には先に述べたユーザー管理を行うために自. • ワンポイント. 身で管理する DB の他に,MasterPNE,SlavePNE と呼ばれ. 本システムでは,先に述べた Video+ の基本機能を用い. る ID 連携機能がある.この ID 連携機能は,特に POP3 や. つつ,視聴者から動画視聴の要求が入ると,動画視聴サー. LDAP を介してユーザー情報を取得することが可能である.. バーに対してプレーヤーの呼び出しを行い,同時に動画 ファイルとそれに関連するコメントファイルを読み出す.. 3.2 ユーザー認証. そして,それらのファイルを動画視聴サーバーのプレー. 本システムは,学内での限定運用とし,さらに学内から. ヤーにマッピングし,視聴者は動画を見ることができる.. のアクセスでも肖像権や著作権に配慮し,学外者の不正利. 動画に対するコメントの送信は,動画を投稿する際にコ. 用を排除するために認証システムを取り入れている. 本学では,教職員,附属学校園教員および学生にアカウ. メント投稿の可否を設定することができる.本システム は,動画投稿者が学習者自身である場合は,遠隔で指導者. ントを発行し,情報処理センターのサーバーでアカウント. からのコメントを依頼するため,コメント投稿を可能とし,. 情報を一括管理している.本システム上においては,全学. モデル授業を投稿する場合はコメントの投稿を禁止すると. アカウントを用いて LDAP 認証を行っている.. いった利用場面が想定される. これら本システムの機能. 本システムでは,OpenPNE で搭載しているユーザー管. は,表 1 に示す環境で利用可能である [4].. 理を行う権限のロールとして,管理者と一般ユーザーとは 別に,教員のロールを設定することで,ロールの細分化を 行っている.. 3.3 ファイル管理 OpenPNE の基本機能である,日記機能およびメッセー ジ機能では写真アップロード機能があり,お互いの活動を. 表1. Video+ の利用可能環境. OS. 使用ブラウザ. Windows. IE7 以上 / Safari / Firefox / Chrome. Macintosh. Safari / Firefox / Chrome. iOS (iPad). 標準ブラウザ(Safari). Android. 標準ブラウザ. 写真で見せ合うことができる.本システムでは,このファ イルアップロード機能を応用し,写真の他にドキュメント. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. 2.

(3) Vol.2014-CLE-14 No.4 2014/10/25. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 3.4.2 動画の収録方法. 法が望ましいが,本システムへのアップロードに至るまで. 本システムは,ストリーミングによる動画配信を行う. システムの利用想定として,視聴するだけではなく,動画 の投稿も頻度が向上することが予測される. 動画投稿の想定としては次の 2 つの方法が挙げられる.. ( 1 ) ビデオカメラ → フラッシュメモリ → パソコン → 本 システム. に用意する機器が多く,操作も繁雑になりがちである. そこで,本システムの一層の普及と活性化を目指すため, タブレット端末のカメラ機能に注目した.. 3.4.3 iPad を用いた動画収録 タブレット端末の中でも今回は iPad Air について述べる.. iPad Air は Apple 社から発売されているタブレット型端. ( 2 ) タブレット端末のカメラ機能 → 本システム. 末である.特徴はあらゆるハードウェアがオールインワン. この 2 つの方法はどちらもビデオカメラで動画を録画. であることであり,ネットワーク端末,インターネットブ. し,ネットワークを介して本システムに投稿する.より高. ラウザ,ビデオカメラ等が取り入れられていて 10 万円を. 画質で安定した動画を投稿するのであれば,(1) に示す方. 下回る価格で販売されている.. iPad Air には 1080p の HD ビデオ撮影が可能なカメラが 備わっている.これにより高画質な動画撮影を行い,その 直後にネットワークを介して動画を投稿することが可能で ある.しかしながら,ファイルフォーマットの制約から, ひとつの動画は 4GB までの容量でしか録画できず,純正の カメラアプリを用いて撮影した場合,約 50 分までしか撮 影することができない.加えて,単一ファイルの最大容量 である 4GB まで録画した動画をアップロードすると,ネッ トワーク回線の圧迫にもつながる. そこで,アップロードをネットワーク回線を圧迫するこ となく行うようにするために,画質を落とし,ファイルサ イズを低下させるカメラアプリを利用することにした.. 3.4.4 カメラアプリ:スマトレ・コーダー 本システムに投稿を円滑にするために,標準のカメラア プリに加えていくつかの機能を加えている. カメラアプリは撮影画質を選択することが可能であり, 図 2 本システムでの動画視聴方法. 視聴エリア. コメント表示エリア. 標準画質と低画質の 2 種類から選択できる.保存容量の目 安を表 2 に示す. 表 2 ビデオカメラアプリの保存容量(45 分動画) 画質. 保存容量. 低画質. 約 54MB. 標準画質. 約 260MB. 標準画質(標準カメラアプリ). 4,000MB 以上. 参考のため,標準カメラアプリでの容量を表中に併記した.. また,本アプリは授業撮影を主な目的としていることか ら,本システムのサイトに直接遷移するリンクおよびレ コーディングタイマー機能を搭載している.録画を開始 後,設定した時間になると録画を終了する.なお,設定し た時間に到達しなくても,任意に録画を終了することも可 能である.. 3.5 複合コピー機との連携 本システムで取り扱うファイルは,実習生の成果物とし. コメント等入力エリア 図 3 本システムの動画視聴インターフェース. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. て自身を振り返るための授業の記録の他,教育実習での指 導案や板書計画などがある. ワープロで作成されたデータを SNS に投稿することで. 3.

(4) Vol.2014-CLE-14 No.4 2014/10/25. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. コミュニティ等で情報共有が可能となるが,印刷された紙 データ,また,その紙データに手書きのコメントが記入さ れたものに関してはそのままでは情報共有が不可能であ るため,複合コピー機等を利用してアナログデータを電子 データに変換することで共有することが可能となる. 従来,複合コピー機等で電子データに変換した後に,SNS にファイルアップロードを行わなければデータを共有す るまでには至らない.そこで,複合コピー機で紙データに スキャンをかける前に,ユーザー識別情報として,学籍番 号やユーザー ID 等が内包し,エンコーディングした情報 を QR コードをステッカーにし,そのステッカーを紙デー タに貼付を行う.その後スキャンをかけることで,アップ ロードの作業工数を減らす仕組みを利用した.. 図5. 本システムの教育実習での活用(コメント記入の例). 電子データスキャン・ネットワーク連携・SNS 連携を行 うことで,実習者が記入した紙媒体を閲覧せずとも遠隔地. ( 1 ) 基本実習の実習生全員にタブレット端末を貸与し,指 導案等の成果物をデジタル化して運用するケース. からの成果物の参照が期待できる [5].. ( 2 ) 自身の授業の振り返りとして,指導教員からのコメン. 4. 実装. トを動画にマッピングして運用するケース. 本システムの構成を図 4 に示す.SNS サーバーは Win-. ここでは (2) の例について述べる.. dows Server 2012 上に XAMPP (MySQL) 環境を構築し,ア. 本学の附属小学校にて基本実習(4 週間)を行う実習生. プリケーションとして OpenPNE をベースにカスタマイズ. 5 人に協力を得て,実習生が行う実習授業の撮影を行った.. を施している.. 附属小学校の指導教員が実習生に対するコメントを別途作 業学生の協力を得て,実習生の動画にコメントを入力する. 学内ネットワーク. 対象の実習生は当日の活動終了後に,事前に大学から貸与 したタブレット端末から実習生自身の授業動画およびコメ ントを閲覧することが可能となった.撮影された実習授業 における本システムから閲覧した動画を図 5 に示す.. スマートポストサーバー 手書きデータ投稿. SNS(File)サーバー Windows Server 2012. Windows Server 2012 Xeon E5-2403, 8GB RAM, 2.4TB. XAMPP, DNS. 動画配信サーバー Video+, SQL Server. Xeon E5-2430, 32GB RAM, 2.4TB. 6. おわりに. Windows Server 2012. Xeon E5-2403, 16GB RAM, 600GB. 本稿では,本学の教育実習における ICT を活用したリフ レクションシステムを提案した. 今後,現時点で検証している附属学校園での教育実習で. エンコードサーバー. バックアップサーバー. の利用による学習効果を示し,システムのさらなる普及. Xeon E3-1220, 20GB RAM, 2TB. Xeon E5-2603, 16GB RAM, 600GB+12TB. を行っていく.また,学内でのナレッジベースのコミュニ. Windows Server 2008. 図4. Windows Storage Server 2012. 本システムの構成. ケーションのポータルサイトとなるように SNS コミュニ ケーションの利用を促進することに努めていく.. 閲覧すべきデータ群(ドキュメントファイル,画像ファ イル等)は SNS サーバーと同じ物理サーバーにファイル. 参考文献. サーバーとして同居させている.ただし,動画ファイルに. [1]. 関しては表 1 で示したように,様々なプラットフォームか らの閲覧を想定するために,エンコードサーバーを設置し. [2]. て対応している.. [3]. 5. 実践例. [4]. 本学における本システムの実践例を以下に述べる.利用 の目的としていた本学の教育実習において,本学の附属小 学校において 2014 年 9 月に活用実験を行った.活用実験 には次のケースで運用を行っている.. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. [5]. 尾崎拓郎,佐藤隆士,教育大学における動画投稿コンテ ンツの利用と実践,情報処理学会,SIG-CLE10,2013. 西端律子,SNS を活用した協調的な教育実習指導,情報 コミュニケーション学会誌,Vol.6,No.1,pp.4–12,2010. 手嶋屋,OpenPNE,http://www.openpne.jp/, 2014/09/23 閲覧. デジタル・ナレッジ,Video+, http://www.digital-knowledge.co.jp/service/ products/Video plus/, 2014/09/23 閲覧. 仲矢史雄,藤塚洋介,太田雄久,久留飛航平,廣瀬明浩, 二次元バーコードと複合コピー機を用いた学習成果ポー トフォリオシステム,日本科学教育学会第 37 回年会, 2G1-D4,2013.. 4.

(5)

参照

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