700MHz帯車々間通信を利用した2車線高速道路における渋滞解消運転支援
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(2) が 発 生 す る と さ れ て い る [1].こ う し て 発 生 し た ,車 両. で 加 速 す る 速 度 回 復 運 転 (VRD:Velocity-Recovery. 密度の高い車群に渋滞を認知していない車両が流入す. Driving)を ド ラ イ バ ー に 促 す . CEM を 受 け 取 っ た 車 両. る 事 に よ っ て 渋 滞 の 長 期 化 ,渋 滞 車 群 の 増 大 に 繋 が り ,. が送信元車両の後方を走行している場合は ,自車速度. 解消はより一層困難になっていく.. が 時 速 60km 未 満 で あ れ ば CEM を 更 に 後 方 に 中 継 し ,. 渋滞の早期解消には,渋滞車群先頭の車両に対して. それ以上の速度であれば,自車が渋滞車群よりも後方. 速度回復を促すことや,渋滞車群より後方を走る車両. を 走 行 し て い る と 判 断 し て 時 速 60km に な る ま で 速 度. が 速 度 を 落 と し て 車 群 に 近 づ く 渋 滞 吸 収 運 転 [2] を 行. 低 下 さ せ る よ う な ,渋 滞 吸 収 運 転 (JAD: Jam-Absorption. うことが有効であるとされているが,対象となる車両. Driving)を 促 す . こ の よ う に 渋 滞 車 群 の 先 頭 及 び 後 尾. に当該運転の開始をタイミングよく知らせる手法は確. 車両に対して情報伝播を行い,各々に渋滞が悪化しな. 立されていない.その速度低下が後続車両に増幅・伝. い運転を促すことにより渋滞を早期に解消する手法で. 播することで渋滞に繋がり,密な車群が形成 される.. あ る .[4]で は 単 一 車 線 で 実 施 し た 場 合 ,平 均 速 度 が 向. このような渋滞はドライバーの運転心理に因る影響が. 上 す る こ と が 示 さ れ て い る .な お こ の 文 献 で は LCS に. 大きく,電光掲示板等を用いた注意喚起ではドライバ. ARIB-T109, SCS に 5.8GHz 帯 の DSRC を 用 い る と し. ー全員が認識できるとは限らず,解決は難しい.著者. て 評 価 し て い る が ,一 台 の ARIB-T109 の 装 置 の 送 信 電. らは,これを解消する手法としてサグ部における自車. 力 を 制 御 し LCS と SCS を 切 り 替 え て 本 方 式 を 実 現 す. の 速 度 低 下 を 検 知 し た 後 に , 700MHz 帯 の 通 信 方 式. ることも可能であり,装置コスト面ではこちらの方が. ARIB-T109[3]を 用 い 通 信 距 離 を 1km 程 度 に 設 定 し た. 有 利 で あ る た め 本 稿 で は ARIB-T109 の み を 用 い る も. 車々間通信による情報伝搬により渋滞車群前方に存在. のとして議論を進める.. する速度低下車両に対しては速度を回復するような運 転を,渋滞車群より後方を走行する車両に対しては 速. 3. 渋 滞 解 消 運 転 の 設 定 及 び 性 能 評 価. 度を低下させるような,渋滞吸収運転を促すことで,. 性 能 評 価 は Scenargie[6]を 用 い た シ ミ ュ レ ー シ ョ ン. 渋滞の長期継続を解消する手法を提案し ,単一車線で. に よ り 行 っ た .Scenargie は 交 通 流 シ ミ ュ レ ー タ と ネ ッ. の 有 効 性 を 示 し て い る [4].. トワークシミュレータを内包しており,車々間通信 を. 本論文では,上記の方式をより現実的な 2 車線から. 通じて各車両が速度制御を行った結果を交通流に反映. なる道路モデルで,一般的な車両追従モデルである. させる事が出来る.. IDM+[5]を 用 い て 性 能 評 価 を 行 っ た .評 価 の 結 果 ,複 数. 3.1. 車 両 発 生 データ. 車線では特に渋滞吸収運転が速度向上に効果的である ことが明らかになったのでこれを報告する.. シミュレーションにおける車両発生データとして, 高速道路のサグ部付近に設置された車両測定器で測定 された走行車線及び追い越し車線の時刻及び車両の通. 2. 700MHz 帯 の 通 信 方 式 を 利 用 し た 車 々 間. 過速度を使用した.車両測定器は東北自動車道矢板イ. 情報伝播方式. ン タ ー チ ェ ン ジ 119.672kp の 上 り 坂 手 前 に 設 置 さ れ て. 提案手法では,各車両は自車の速度や位置情報を含. い る も の で , デ ー タ は 渋 滞 が 発 生 し た 平 成 18 年 11 月. ん だ パ ケ ッ ト (CAM: Cooperative Awareness Message) を. 4 日に測定された.図1は実際に用いた走行車線の車. 100m 程 度 の 通 信 距 離 の 車 々 間 通 信 (本 稿 で は 以 降 こ れ. 両 の デ ー タ セ ッ ト で あ る . 時 刻 16:11 よ り ど ち ら の 車. を SCS(Short-range Communication System)と 呼 ぶ )で 定. 線 に お い て も 時 速 40~60km の 車 両 が 存 在 す る 事 か ら. 期的に 1 ホップブロードキャストして前後車両と交換. 渋滞を確認する事が出来る.このデータセットにおい. し,周囲の交通状況を認識する.渋滞の定義とされて. て 時 刻 15:57 か ら 16:13 ま で の ,通 常 走 行 車 線 348 台 ,. い る ,時 速 40km を 下 回 っ た 車 両 は ARIB-T109 を 用 い. 追 い 越 し 車 線 426 台 の 計 774 台 を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に. た 最 大 1km 程 度 の 通 信 距 離 の 車 々 間 通 信 ( こ れ を. 用いた.. LCS(Long-range Communication System) と 呼 ぶ )に よ り 一 定 周 期 で 渋 滞 予 見 情 報 を 含 ん だ パ ケ ッ ト (CEM: Congestion Expectation Message)を 1 ホ ッ プ ブ ロ ー ド キ ャストし前後車両に送信する.これを受け取った車両 が送信元車両より前方に位置している場合,上述の SCS に よ る 定 期 的 な 情 報 交 換 を 通 し て そ の 車 よ り さ ら に 前 方 に 車 両 が あ る こ と を 認 識 し て い れ ば ,LCS に よ り CEM を 中 継 し , 前 方 車 両 が 確 認 で き な か っ た 場 合 は自車が渋滞の原因車両であると判断して目標速度ま.
(3) Dataset used for simulation. 道 路 は 全 長 5000m か ら な る 2 車 線 道 路 で ,. Velocity [km/h]. 1000m~3400m の 2400m を 上 り 坂 と し , 各 区 間 で の 車 両の走行形態を以下のように設定した . 1.. 0m 地 点 (車 両 発 生 ) 3.1 で 述 べ た 実 デ ー タ の 時 刻 及 び 車 両 走 行 速 度 を 元に車両を発生させる.各車線において,一定割 合 𝛽𝑡𝑦𝑝𝑒2 が 前 述 し た type2 車 両 , 残 り が type1 車 両であるとし,いずれかに乱数で割り当てる.. Passage time. 2.. 前 述 し た 式 (1)に よ り 加 速 度 を 算 出 し て 走 行 す る .. 図 1 東 北 自 動 車 道 矢 板 IC で 測 定 さ れ た 通 過 時 間 及 び 3.. 速度. 0~1000m(通 常 走 行 区 間 ) 1000~3400m(上 り 坂 区 間 ) こ の 区 間 で は , type2 車 両 は ま ず 矢 板 イ ン タ ー チ ェンジの上り勾配から算出された減速度-. 3.2. 道 路 設 定 及 び車 両 追 従 モデル. 0.294[m/s 2 ]で 60km/h ま で 速 度 が 低 下 し ,そ の 後 ,. 車 両 追 従 モ デ ル に は Schakel ら に よ っ て 考 案 さ れ た 非 線 形 追 従 走 行 モ デ ル IDM+を 用 い た .以 下 に IDM+の. 前 述 の 式 (1) に よ っ て 算 出 さ れ た 加 速 度 に -. 加速度算出式を示す.. 0.294[m/s 2 ]を 加 え た 値 を 元 に 走 行 す る .一 方 ,type. 𝑑𝑣 𝑑𝑡. 𝑣. 4. 1 車両には勾配による減速は発生せず,通常走行. 𝑠∗ 2. . = 𝑎 ∙ min[1 − ( ) , 1 − ( ) ] 𝑣𝑑. s ∗ = 𝑠0 + 𝑣𝑇 +. 𝑠. 区 間 と 同 様 に 式 (1) で 算 出 さ れ る 加 速 度 に よ り 走 行する. 4.. 𝑣Δ𝑣. (2). 2√𝑎𝑏. 3400~5000m(通 常 走 行 区 間 ) 0~1000m 区 間 と 同 様 の 挙 動 を 行 う .. こ こ で , a: 最 大 加 速 度 [m/s 2 ], b: 希 望 減 速 度 [m/s 2 ],𝑣 : 走 行 速 度 [km/h], 𝑣𝑑 : 希 望 速 度 [km/h], s: 車 間 距 離 [m],. 車 線 変 更 ア ル ゴ リ ズ ム は 岩 崎 ら [7]に よ る 車 線 変 更 モ. 𝑠 ∗ : 希 望 車 間 距 離 [m], 𝑠0 : 停 止 時 最 低 車 間 距 離 [m], 𝑇:. デルにおける判断ロジックに基づいて設定し,上記区. 安 全 車 頭 時 間 [s]で あ る .希 望 車 間 距 離 や 加 減 速 度 は ド. 間によらず行われるものとする.. ライバーによって異なるものであるから ,表 1 に示す ようにばらつきを持たせて設定した. 同様に,希望速. 3.3. 提 案 方 式 の設 定. 度 は ,3.1 で 述 べ た デ ー タ セ ッ ト の 車 両 速 度 (𝑣𝑚𝑒𝑎𝑠𝑢𝑟𝑒 )が. 3.3.1. 通 信 方 式. そのドライバーの希望速度であるとは限らない事から 表 1 に示すような条件を元に設定した. 表 1 追従挙動モデルのパラメータ設定 最 大 加 速 度 𝑎[m/s 2 ]. 0.45~0.75. 希 望 減 速 度 𝑏[m/s 2 ]. 2.6~3.8. 安 全 車 頭 時 間 𝑇[s]. 1.0. LCS は 1 台 の ARIB-T109 の 装 置 の 送 信 電 力 を 制 御 す る事で実現する.表 2 に詳細を示す. 表 2 通信方式に関するパラメータ LCS 周波数 チャネル帯域幅. 停止時最低車間距離. 1.65. 𝑠0 [m]. 希 望 速 度 𝑣𝑑 [km/h]. 既 に 述 べ た 通 り ,提 案 手 法 に お け る 各 車 両 の SCS と. 伝送速度. 𝑣𝑑 = 90.0~100.0. 変調方式. (𝑣𝑚𝑒𝑎𝑠𝑢𝑟𝑒 < 80.0). 通信範囲. 𝑣𝑑 = 100.0. MAC プ ロ ト コ ル. SCS 760MHz 10MHz× 1 12Mbps. 16QAM-OFDM(R=1/2) お よ そ 100m. お よ そ 1km. CSMA/CA. (80.0 ≤ 𝑣𝑚𝑒𝑎𝑠𝑢𝑟𝑒 ≤ 100.0) 𝑣𝑑 = 𝑣𝑚𝑒𝑎𝑠𝑢𝑟𝑒 (𝑣𝑚𝑒𝑎𝑠𝑢𝑟𝑒 > 100.0). 3.3.2. 運 転 制 御 ここでは 2 で述べた提案方式の 2 種類の渋滞解消運 転 , VRD と JAD の 各 設 定 に つ い て 述 べ る .. さらに,サグ部におけるドライバーの特性に応じて. SCS を 用 い た CAM の 送 信 ,及 び LCS を 用 い た CEM. 上り勾配の影響を受けない車両と,勾配の影響を受け. の 送 信 は 情 報 送 信 間 隔 𝑇𝑝 で 行 わ れ , 過 去 𝑇𝑡ℎ−𝑐𝑜𝑛𝑔 の 時. て自然に速度低下してしまう車両の 2 種類があるとし,. 間 以 上 , 速 度 が 渋 滞 予 見 閾 速 度 𝑣𝑡ℎ−𝑐𝑜𝑛 を 下 回 っ た 車 両. そ れ ぞ れ type 1, type 2 車 両 と 呼 ぶ .. が CEM を 発 信 す る . VRD の 対 象 に な っ た 車 両 は , こ.
(4) れ 以 降 自 車 の 希 望 速 度 を 𝑣𝑡𝑎𝑟−𝑣𝑟𝑑. に 変 更 し ,上 り 坂 に 5000. 差 し 掛 か っ て い て も 勾 配 の 減 速 度 -0.294[m/s 2 ] は 加 わ. 4500. ら ず ,式 (1)に よ っ て 算 出 さ れ た 加 速 度 の み に 従 っ て 走 行する. 更 し ,こ の 速 度 に な る ま で 一 定 の 減 速 度 𝑣𝑡𝑎𝑟−𝑗𝑎𝑑 で 減 速 するものとする.. 3500. Location (m). JAD の 対 象 に な っ た 車 両 は ,希 望 速 度 を 𝑣𝑡𝑎𝑟−𝑗𝑎𝑑 に 変. Average velocity = 70.4km/h. 4000 3000 2500 2000. CAM, CEM に は 有 効 期 間 𝑇𝑒 を 設 定 す る .パ ケ ッ ト を. 1500. 受信する各車両はこの有効期間内でのみ運転制御を行. 1000. 500. う.表 3 に各パラメータの詳細を示す.. 0 700. 750. 表 3 渋滞解消運転における各パラメータ 𝑇𝑝. 1~30[sec]. 800 850 900 Elapsed Time (sec). 950. 1000. 𝑇𝑒. 10[sec]. 𝑇𝑡ℎ−𝑐𝑜𝑛𝑔. 10[sec]. 𝑣𝑡ℎ−𝑐𝑜𝑛. 50[km/h]. 図 3 は βtype2 = 40%に お け る 走 行 車 線 及 び 追 い 越 し 車. 𝑣𝑡𝑎𝑟−𝑣𝑟𝑑. 100[km/h]. 線に存在する車両のタイムスペースダイアグラムであ. 𝑣𝑡𝑎𝑟−𝑗𝑎𝑑. 70[km/h]. る.横軸はシミュレーション経過時間,縦軸は車両の. 𝛼𝑑𝑒𝑐−𝑗𝑎𝑑. -0.4[m/s 2 ]. 位置を示している.色分けされたそれぞれの曲線が各. 図 3 type2 40%に お け る タ イ ム ス ペ ー ス ダ イ ア グ ラ ム. 車両のシミュレーションにおける走行軌跡である.各 時刻・位置における線の傾きが車両速度,線の密度が. 4. サ グ 部 渋 滞 の 再 現 検 証 図 2 に type2 車 両 の 割 合 βtype2 を 変 化 さ せ た 際 の 平 均 走行速度の変化を示す.平均走行速度は 1 回のシミュ レ ー シ ョ ン 試 行 で 3.1 に 述 べ た 774 台 の 各 車 両 が 道 路 モデルの終点に到達するのに要した時間の平均値をさ ら に 10 回 の 試 行 で 平 均 し , 道 路 長 5000m を こ の 値 で 割って求めている.エラーバーは標準偏差を表してい. 車両密度を表す.グラフからシミュレーション開始か ら 800s 当 た り で 傾 き が 緩 や か に な り 速 度 低 下 の 兆 候 が見られ,以降はそこで発生した後方車両へのブレー キの伝播による減速波の影響を受けて全ての車両が速 度 低 下 し て い る の が 見 て 取 れ る . 900s~950s 辺 り で は 傾きが殆ど無くなり,また,線の密度が高くなってい る.これは車両と車両の距離が短く,速度が低下して. る.. Average Velocity[km/h]. いる事によるものであるから,渋滞となっていること が分かる.本論文ではこの結果を持ってサグ部におけ. 90. る渋滞とする.. 80. 5. 提 案 方 式 の 評 価 結 果. 70. 次に,提案手法により該当車両が渋滞緩和運転を行 CruisingLane PassingLane. 60. う場合の渋滞解消効果を評価する. 図 4 は,本提案方式を適用時のタイムスペースダイ ア グ ラ ム で あ る .上 述 し た 減 速 波 が 経 過 時 間 800s で 発. 50 0%. 10%. 20%. 30%. 40%. 50%. The ratio of type2 vehicle 図 2 type2 車 両 の 割 合 βtype2 と 平 均 走 行 速 度 の 関 係. 生しているものの図 3 で示した速度制御を行わない場 合と異なり,それが後方車両へ伝播していない結果と な っ て い る .ま た ,図 5 に 車 載 器 搭 載 率 (Penetration)を 変化させた場合の平均走行速度の特性を示す.図 5 か. 図 2 か ら , βtype2 が 10%か ら 20%の 範 囲 で は 高 い 平. ら ,特 に VRD に つ い て は 適 用 非 適 用 に 関 わ ら ず ,全 体. 均 走 行 速 度 と な っ て お り ,0%の 平 均 走 行 速 度 と 比 較 す. の平均走行速度に変化が見られず,単一車線で行った. ると渋滞を再現する事が出来てないと考えられる.. 評 価 [4]と は 傾 向 が 異 な る 結 果 と な っ た .[4]と は 異 な り ,. 40%~50% の 割 合 で は 平 均 走 行 速 度 が 80[km/h] を 下 回. 複 数 車 線 で は type2 車 両 の 割 合 が よ り 多 い 状 況 で な い. る こ と も あ り ,0%の 値 と 比 べ る と 渋 滞 発 生 の 影 響 が 見. と渋滞が生じないことが分かっており,この条件では. ら れ る . 本 論 文 で は βtype2 =40%と し て 評 価 を 行 っ て い. type2 車 両 が サ グ 部 で 速 度 低 下 し て こ の 車 両 を 先 頭 に. く.. 渋滞車群が形成され,その後,提案方式によりこの車.
(5) 両 が 後 方 か ら CEM を 受 け 取 り ,「 速 度 回 復 対 象 車 両 」 が 低 い type2 車 両 で あ る 可 能 性 が 高 い た め 場 合 に は 直 ぐには渋滞の解消には至らないということが理由の一 つ と し て 考 え ら れ る . 一 方 で , JAD に つ い て は 車 載 器 搭 載 率 が 10%,20%で も 平 均 走 行 速 度 の 改 善 が 見 ら れ る 結 果 と な っ た .こ れ は 1000m と い う 広 域 な 情 報 伝 播 に よって多くの後方車両に対して情報伝播を行う事が出. Average velocity [km/h]. となっても,その後続の車両がやはりもともとの速度. 90. 来 ,数 台 が JAD 対 象 車 両 と な れ ば 後 方 の 渋 滞 見 認 識 車. 85 80 75. 65 60. 両 全 て が JAD を す る 必 要 な く ,平 均 走 行 速 度 を 向 上 す ることが出来るということである.. Tp = 1sec Tp = 10sec Tp = 30sec. 70. 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. Penetration[%]. 70. 80. 90. 100. 図 6 Tp の 値 の 変 化 に よ る 平 均 走 行 速 度 へ の 影 響. 5000. Location (m). 4500. 最 後 に 今 回 特 に 効 果 が 見 ら れ た JAD に つ い て 詳 細. Average velocity = 82.2km/h. 4000. に 調 査 し て い く .図 7 は あ る 特 定 の JAD 対 象 車 両 の シ. 3500. ミ ュ レ ー シ ョ ン 軌 跡 を 表 し た も の で あ る . 図 の 800 秒. 3000. ~ 810 秒 の 間 で 傾 き が 一 定 と な り , 減 速 し て い る の が. 2500. 見 て 取 れ る . こ れ は こ の ID. 2000. 車 両 が JAD 対 象 車 両 と. 1500. 認 識 さ れ , 制 御 時 間 で あ る 10s 間 減 速 し て い る 結 果 で. 1000. あ る .JAD な し に お け る こ の 車 両 の 最 低 速 度 は 850 秒. 500. の 48[km/h]で あ る が ,JAD を 適 用 し た 場 合 , 870 秒 に. 0 700. 750. 800 850 900 Elapsed Time(sec). 950. 1000. お け る 60[km/h]と な っ て お り , 減 速 が 小 さ く な っ て い る 事 が 分 か る .こ れ は JAD に よ っ て 渋 滞 車 群 に 巻 き 込. 図 4 渋滞緩和運転適用時のタイムスペースダイアグラ. まれる時間が遅れることで,減速波の影響を少なくす. ム. る事が出来ているからであると考えられる. このこと か ら 後 続 車 両 の 最 低 速 度 も JAD な し の 場 合 に 比 べ て , 高くなっていると想定され,結果的に平均走行速度の 増加及び渋滞の解消に繋がっていることが読み取れる.. 85 80 75. VRD + JAD JAD only. 70 65 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 80. 90. 100. Penetration[%]. 図 5 VRD 及 び JAD に よ る 平 均 走 行 速 度 へ の 影 響. Instantaneous velocity [km/h]. Average Velolcity [km/h]. 90. With jam-absoption driving. 100 80 60 40. No velocity control. 20 0. 750. 次 に , 情 報 送 信 間 隔 Tp を 変 化 さ せ た 場 合 の 結 果 を 図 6 に 示 す . Tp が 1s の 時 に 比 べ て , 20s, 30s と イ ン. 図 7. 800. 850 Elapsed time [sec]. 900. 950. 特 定 JAD 車 両 の 瞬 時 走 行 速 度 特 性. ターバルが長くなるにつれて,平均走行速度が遅くな る 結 果 と な っ た .30s の 条 件 で は ,周 辺 の 道 路 状 況 認 識 に 時 間 が か か っ て し ま い T e が 今 回 10s で あ る 事 か ら ,. 6. 関 連 研 究 サグ部における渋滞の早期解消手法 の既存研究とし. 次 の CEM が 送 信 さ れ る ま で の 間 に 渋 滞 解 消 運 転 を 終. て [8,9,10]が 挙 げ ら れ る .文 献 [8,9,10]は 渋 滞 発 生 後 ,車. 了してしまうことで結果的に渋滞に巻き込まれてしま. 群後方の車両に対して速度を抑制するシステムを考案. う事が原因であると考えられる.. し て い る .[8]は 道 路 上 に 制 御 区 間 を 設 け て 前 方 状 況 の フィードバックを行う制御である.サグ部ボトルネッ クの交通容量を検知し,その交通容量に応じて制御区 間における速度の上限値を決定し,渋滞車群に流入す.
(6) る 事 を 防 ぐ も の で あ る .文 献 [9]は あ る 特 定 の 車 両 に 対 し て JAD を 促 し ,前 方 車 両 と の 車 間 距 離 に 応 じ て JAD の影響に起因する渋滞を生じさせないように速度制御 を 行 う も の で あ る .文 献 [10]は ,後 方 へ の 減 速 波 が 発 生 した車両から後方 n 台目を渋滞吸収運転対象車両とし, 対象になった車両は現在の位置と減速波の情報から, 目標とする位置を特定し,その位置に到達するまで速 度 を 減 速 さ せ な が ら 走 行 す る こ と で JAD を 行 う 手 法 を提案している. こ れ ら の 文 献 は ど れ も JAD の 有 効 性 を 示 し て い る が ,ど の よ う な 車 両 が 後 方 へ の 車 両 に JAD を 促 す の か を,事前の道路状況から車々間通信を用いて リアルタ イムで設定しているものはなく,また複数車線での評 価は行われていない.. 7. ま と め と 今 後 の 課 題 本 論 文 で は ,ARIB-T109 を 用 い た 車 々 間 通 信 に よ る 渋 滞緩和運転支援方式について,新たに 2 車線からなる 複数車線の上で評価を行った. 評 価 の 結 果 ,VRD(速 度 回 復 運 転 )で あ る は あ ま り 効 果 を 見 る こ と が 出 来 な か っ た の に 対 し て , JAD(渋 滞 吸 収 運 転 )は 複 数 車 線 に お い て も 良 い 結 果 が 見 ら れ た .車 載 器 搭 載 率 が 20~30%等 の 低 い 状 況 に お い て も 平 均 走 行 速 度 が 15%向 上 す る な ど JAD の 効 果 が 見 る こ と が 出来た. 今 後 の 課 題 と し て , 今 回 は 速 度 低 下 閾 値 𝑣𝑡𝑎𝑟−𝑗𝑎𝑑 を 70[km/h] と 設 定 し た が 渋 滞 吸 収 運 転 対 象 車 両 か ら 減 速 波が生じない範囲で適切な速度低下閾値を探すなどの, よ り 詳 細 な JAD 対 象 車 両 の 挙 動 を 制 御 対 象 時 間 や 固 定減速度のパラメータを変化する事で確立させると共 に , 今 回 効 果 を 見 る こ と が 出 来 な か っ た VRD が 効 果 的に働く条件についても検討する.また複数車線の重 要な車両挙動である,車線変更挙動に着目した手法を 考案していく.. 参考文献 [1] 牧 野 浩 志 鈴 木 一 史 鹿 野 島 秀 行 山 田 康 右 堀 口 良太, 「車線変更行動に着目したサグ部渋滞発生 要因の分析と渋滞対策アプローチ」, 土木学会論 文 集 D3(土 木 計 画 学 ) , VoL71, No.5(土 木 計 画 学 研 究 ・ 論 文 集 第 32 巻 ), I_1001-I_1009, 2015. [2] 西 成 活 裕 , 「 よ く わ か る 渋 滞 学 」, 株 式 会 社 ナ ツ メ 社 , 2009 年 8 月 10 日 初 版 [3] “700 MHz BAND INTELLIGENT TRANSPORT SYSTEMS” http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/5 STD-T109v1_2-E1.pdf, Accessed Sep. 6, 2015. [4] 稲 船 喬 志 森 野 博 章 ,「 自 然 渋 滞 緩 和 を 目 的 と し た 異 種 RF 併 用 車 々 間 情 報 伝 播 方 式 の 実 デ ー タ を 用 い た 性 能 評 価 」 ,電 子 情 報 通 信 学 会 技 術 研 究 報 告 ASN2014-118 2015 年 1 月 [5] Schakel, W. J., Arem, B. and Netten, B. D, “Effects of. Cooperative Adaptive Cruise Control on Traffic Flow Stability”, 13 t h International IEEE Annual Conference on Intelligent Transportaion Systems, 2010. [6] Scenargie, www.spacetime-eng.com/jp, Accessed on Sep 14, 2015. [7] 岩 崎 健 ,金 澤 文 彦 ,坂 井 康 一 ,鈴 木 一 史 , 「 高速道 路 サ グ 部 に お け る ACC 車 両 の 混 入 状 況 に 応 じ た 渋 滞 緩 和 効 果 」,第 10 回 ITS シ ン ポ ジ ウ ム 2011 論 文 集 , 2011. [8] B. Gonioros, V. L. Knoop, B. Vanarem, S. P. Hoogendoorn, “Mainstream traffic flow control at sags”, Journal of the Transpotation Research Board, vol. 2470, Nov 2013. [9] Y. Taniguchi, R. Nishi, T Ezaki, K. Nishinari, “Jamabsorption driving with a car-following model”, Physica A: Statistical Mechanics and its applications, Vol. 433, pp.304-315, September 2015. [10] Zhengbing He, Liang Zheng, Liying Song, and Ning Zhu, “A Jam-Absorption Driving Strategy for Mitigating Traffic Oscillations”, IEEE TRANSACTIONS ON INTELLIGENT TRANSPORTATION SYSTEMS, VOL. 18, NO. 4, APPIL 2017..
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図
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