• 検索結果がありません。

電線用高分子材料の耐薬品性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "電線用高分子材料の耐薬品性"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

U.D.C.d21.315.dld.9:る20.193.4

Effects of the

ChemicalMedia on

HighPolymers

for Wires and

Cables

隆*

Shigetaka Watanabe

郎*

Shichir6Kawawada 内 容 梗 概 電凍被覆用各種高分子材料の化学薬品中における変化を,無機薬品中における場合と有機溶剤および 油中における場合とに大別して比較検討した。 前者は酸化反応による化学的劣化が主となり,不飽和性の多い高分子および多硫化物系高分子が抵抗 性が少ない。後者は膨潤による特性低下の物理的劣化が主であり,溶剤と高分子問の親和力によって抵 抗性が異なる。しかし,高分子の架橋度,結晶化度,そのほかの種々の要因も大きく影響するので化学 構造からは予期しない結果となる場合もある。 なお,膨潤速度に検討を加え,高分:f中への溶剤の拡散定数をFickの式から近似的に計算し,10 7cm2/s 程度の大きな値を得,膨潤が非常に早く進行することを示した。拡散定数の病性化熱は5kcal/mol前 後の値となる。 これらの研究結果せ総合して,各種高分子材料の耐化学薬品性の優劣を無機薬品(酸,アルカリなど) 土溶剤,油に大別して表示した。

1.緒

言 戦後,非常に多種類の合成ゴムおよび合成樹脂が見い だされ,軽量,可挟性, 明着色性など使用しやすい適度の 特性を持つので,この普及は著しいものがある。しかし使 用実績せ ねるにつれて,これらの高分子材料は決して 万能的な特性を持つものではなく,一方において致命的 な欠点を持ち,使用条件を誤れば不測の事故を生ずるこ とを体験している。これらの特性および欠点は各位高分 子材料によって異なり,したがって使用条件に適合した 高分子材料を選んで実用することが非常に 要である。 酸,7/ンカリおよび油,溶剤などの薬品と接触させて 実用する場合にも,高分子材料の種類による抵抗性の差 は非常に著しく,これらの選択には特に慎重を要する。 従来の金属材料などの場合ほ,腐食機構は電気化学およ び熱力学的にほほ明確にされており,イオン化開始電圧 や遊離エネルギーの実測により憲二量的に腐食性を知るこ とができる。しかし,高分子材料の場合憬使用 や研 究実績も少なく,劣化要因も,酸化,解重合,膨潤,抽 出,溶解などが重なり,機構も複雑多岐のため,簡単に 定量的な比較をすることほむずかしい。 このため,筆者らほ主として電線被覆に用いる高分子 材料を各瞳の薬品中に浸漬し,この劣化状態を比較検討 して,各瞳高分子材料の耐 品性の順序を明らかにし, 特殊な条件で使用する場合の材料選択のための基礎 とした二 以下にこの結果を要約して報告する。

2.耐無機薬品性

高分子材料ほ金属材料に比べれば,酸やアルカリによ * 日立電線株式会社電線工場 る腐食はきわめて少なく,金属材料の防食層などとして 利用されているものもある。しかし,ある程の高分子材 料は特殊条件下で相当腐食される場合がある。 代 的な高分子材料を500Cの各種無機薬品申に1年間 した場合の劣化状態を弟1図に示す。第1図は厚さ 約2mmの試料を浸漬したものであるが,この外観変化 から各瞳高分子材料の耐薬品性の概略を知ることができ る。さらにこの劣化機構について二,三考察した結果を 次に述べる。 2.1耐強酸化性 発煙硝酸, 硫酸,硝酸などは酸化性の著しい酸であ るが,このような強酸化性液体中でほ,灰 二重結合は 簡単に分解し,環化現象などを起して脆化分解する。 すなわち,二重結合を多数持つ天然ゴムおよびネオプレ ソ,ニトリルゴムなどの合成ゴムは,発煙硝酸中でほ常 温で数分の内に表面が硬化(環化)し,液の ととも に脆化ほ内部に及びその形状もくずれて分解する。二 重結合の少ないプチルゴムほこれらに比べればやや抵抗 性ほあるが,それでも二,三日中には分解する。+■-S-S一 含も酸化されやすく,多硫化物系ゴムのチオコールの

分解も早い。飽和炭化水素系の高分子であるハイパロ

ン,ポリエチレン,塩化ビニル樹脂などほ上記に比べれ ば非常に強い。しかし,ハイパロンは膨潤分解し,ポリ エチレンでも濃硝酸中では次第に分子切断を し,100 日(500C)程度で脆化し,1年後にほパラフィンワック ス状となる。ポリエチレンは濃硫酸申で脆化はしない が,表面が炭化し黒色となる。塩化ビニル樹脂混和物ほ 可塑剤のエステル結合が破壊され,著しく硬化する。こ のような強酸化性液体中で最も安定なのはフッ素樹脂お よびフッ素ゴムである。

(2)

第1図 高分子材料の各種薬■j ご1浸潰結果 第2図 高分子材料の濃硝酸浸漬結果 弟2図ほ発煙硝酸中に常温で浸漬した場合の高分子材 料の劣化状態を示したものである。 2.2 高分子材料は酸化性の少ない酸,すなわち,稀硫酸,

(3)

昭和34年7月

絶縁材料特集号

第2集

日立評論別冊第31号 第1表 高分子材料の酸浸積後の特性変化 (10%) (10%) 試 料、、 、 -、、 引張り強さ (kg/mm2) 塩化ビニル樹脂 (電場用軟質) ポ リ ユニ チ レ ソ スチレンブタジェソ ゴム ニ ゴ ム プ チ ル ゴ ム ネ オ プ レ ソ チ オ コ ー ル 天 然 ゴ ム 1.82(94) 1.13(81) 1.32(95) 1.86(93) 0.61(98) 1.71(101) 測定不能 1.35(92) 390(103) 730(106) 710(102) 520(111) 640(103) 460(102) 測定不能 460(79) (空欄軍都-珊佃 外観変化 引張り強さ (kg/mm2) 褐色化 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし ヒビ割れ 変化なし 1.81(93)380(100)

1・25(89)i700(101)

0.18(13);300(43) 0.77(39)340(72) 0.59(95)■530(85) 1・亜(85)l詭0(80) 測定不備l測定不能 0.97 (66) 540(93) 4.2 8.3 8.1 -25.3 -48.3 変化なし 著しく膨 潤 微小ヒビ 割れ 変化なし 変化なし 脆 化 微小ヒヒ 2.46(127) 1.18(84) 1.05(76) 1.52(76) 0.59(95) 1.35(78) 0.31(80) 0.24(16) 測定不能 720(105) 640(91) 440(94) 680(110) 330(73) 測定不能 340(59)

重畳加i外観変化

ー10.1 5.9

∃著しく靴

裾′j、褐色化 変化なし 10.4:変化なし 43.7 3.8 3.8 2.4 やや膨潤 変化なし 変化なし 脆 化 ー9.2;著しく軟化 ()内は残率,浸液温度500C,浸涜期間1箇年,試料の厚さ約2mm 雇漬日数 第3図 高分子材料の苛性ソーダ40%水溶 液浸漬中の重量変化 塩酸,燐酸などに対してほかなり安定であるが,濃塩酸, 濃燐酸などの中では極性其の大きなニトリルゴムや多硫 化物ゴムのチオコール,不飽和性の多い天然ゴム,SBR などが分解する。-S-S一括合は酸によって分解されやす い傾向をもち,チオコールほ弱酸中でもかなり劣化が起 る。 このような酸中に1年間浸漬(500C)したのちの高分 子材料の機械的特性およびそのほかの変化ほ第l表に示 してある。 2.3 耐アルカリ性 アルカリ性の強い溶液は苛性ソーダや苛性カリの濃溶 液であるが,これらは強酸に見られたような酸化力を持 っていないので,このような強アルカリ溶液中でも高分 子材料は比較的安定である。しかし,エステル結合は加 水分解が促進され,塩化ビニル樹脂混和物は可塑剤が分 第4図 高分子材料の臭素液浸漬結果 52

(4)

第2表 各種高分子材料の耐無機薬品性比較 塩化ビニ (電線用 チ フ ッ 素 ゴ _ム シリコーンゴム B R トリ ル ゴ ム 塩 リ ソ 酸 酢 酸 アンモニア水 =ノーf性ソーダ 塩 素 臭 稀オゾン〔0.03%以 F■) E D C D A C A A D B B B D B E E A D E B C A A A A B A A A A A E E A B A A A A A A A A A A A A A A A A C B B B A A A A A A A A A A C C A E DC EA CA B BA BB B B D l〕 A A ほとんどおかされない。 B わずかに影響される。 C 少しおかされるので特別の場合を除き矢川ほひかえたほうがよい。 解抽Ll_lさjtて重量減少を伴いながら硬化する。 第3図は40%苛性ソーダ濃溶液中に高分子材料を浸漬 した場合の重量変化を示したものである。 2.4 耐ハロゲン性 つので,2.1 舞4図ほ臭 などのハロゲン元素は強力な酸化作用を持 の場合と同様な激しい劣化をホす。 巾に各位高分子材料を浸漬した場合のガ 化状態を示したもので,大体2.1と同様に二重結合を持 つ高分子(主としてゴム)と多硫化物ゴムが最も酸化さ れやすい。 2.5 以上に述べた実験は,促進の目的で苛酷な状態で劣化 を比較Lた例が多いので,非常に稀釈された状態で実用 する場合は,本実験条件でかなり激しい劣化を受けた場 合でも相当長 間使用に耐える場合が多い。なお,この ような特殊条件下で使用される場合の高分丁材料の寿命 の推定には,本報に述べた腐食反応のほかに,結晶化, 自然老化,掛閏などの要因も加算されるので,さらに偵 用実績の集積,より以上の長期間試験の紋 別しなければならない。 などから判 筆者らが現在まで得ている実験結果,体験,文献板書 偵などを参照して各位高分子材料の耐薬品性を5段階に 分けて表示すると第2表のようになる。このような分頸 ほ,配合剤の種 ,使用温度,そのほかの要因によって も大幅に違ってくる場合が多いので,正碇は期し・にくく 坤Jこ概略的な比較を示すにすぎないが,高分子材料の耐 薬品性についての一応の概念は得られる。 E EE EA ED B BC CC E EE EA ED E CD C C Ii B E E D EB CA B AB BB AC Ⅰ)かなりおかさかるので実川不可。 E きわめて激しくおかされる。 以上に述べた腐食ほ主として純粋な化学反応に基くも のが多いので,温度による影響は「100C半減則」(1)がほ ぼ成立するものとみて差つかえない。すなわち100C温度 が高ければ劣化 度ほ約2倍となる。 なお,高分子材料を電気絶縁材料をこ使用する場合は, 以上にのべたような劣化反応は らなくても,単に水, 塩,駿,アルカリなどの渉人のみによって絶縁粕性が変 化する場合がある(2)(3)ので汁意を要する。

3.耐油,耐溶剤性

高分子材料ほある程の納,溶剤などと接触すると膨潤 あるいほ溶解する場合が多い。これは前述の無機薬品iこ よる化学反応とは根本的に異なり,一種の物理自勺現象で あり,潜剤を除くことによってほぼ完全にもとの状態へ もどる場合が多い。しかし,高分子物質が溶剤や池を吸 収すると,休稿の膨脹,軟化,電気的特性の変化などが 起り,高分子固有の特性が失われる。このため,油や溶 第5図 特殊溶剤に接触したネオプレソシース ケーブルの膨潤劣化状態

(5)

昭和34年7月

絶縁材料特集号

第2集

日立評論別冊第31号 第3表 高分子材料の有機溶剤および油中浸漬後の線膨脹率(%) ベ ガ ヘ ナ ク四二 ン ソ キ ロ塩硫 ゼ リ サ 炭炭 レし ヒ サ ム 素案 エチレングリコール グ リ セ リ ン コニチルアルコ ール フ ル フ ラ ー ル タ レ ゾ ー ル メ チ ル ケ ト ソ ASTM ASTM ASTM 変 圧 シ′ コ D 縫 石 フ 特B 池 エ一A 0物水■ オ No.1 No.2 No.3 油油 リ ク レ ソ 48 36 48 56 68 72 56 4 2 0 2 8 8 2 12 12 32 36 2 12 12 0 30 41 40 31 70 60 36 30 72 72 80 72 4 2 0 2 S 6 1 4 10 30 30 0 20 10 0 30 42 37 24 74 ネ オ プ レ ン/ コ ーンゴ ム プ チ ル =1 ム チ オ :コ l ル ポリエステルゴム (電線用軟質) ポリ塩化ビニル テ フ ロ ン ケルF弾性体 ポ リエチ レ ン 60 8 10 三強 68 60 70 2 0 0 4 20 20 2 0 2 8 8 0 32 0 2 18 27 13 12 49 0 5 0 11 8 0 4 2 0 4 0 0 12 13 3 2 27 40 48 56 46 50 60 16 2 ・1 0 4 ・1 4 10 2 4 6 8 14 2 4 0 52 33 16 6 55 24(×).32 50 4 45 0 60 8 55 × 72

い2

36 ■ 12 1 5 0 2 2 0 0 0 50 4 !×

…!53(×)

4 24 42 0 4 4 2 10 34 50 27 75 (×)分解,浸溝鼠度20qC,浸漬期間 2週間,試料の厚さ約1nlm 剤に接触して高分子材料を使用する場合は耐溶剤,耐油 性は重要な問題となる。 弟5図には石炭タール系の溶剤によって膨潤破壊した ネオプレソケーブルの状態を示す。 3.1高分子と膨潤 溶剤や油中における高分子材料の膨潤ほ,架橋度,結 晶化虔,体積モジュラスなどの関数ともなるが(4) (7) 主として高分子と溶媒との親和力によって定まる。親和 力は相互の化学構造に基くものであり,化学構造の異な った各種の高分子ほ溶剤によってそれぞれ異なった膨潤 虔を示す。 代 的な組成を持つ各瞳の合成ゴムおよび合成樹脂を 2週間,各種の溶剤(200C)中に浸漬し,膨潤度を実測 して比較した 果を弟3表に示す。

弟3表中の試料にほ溶剤によって可

もの(塩化ビニル樹脂混和物など), 剤が抽出される 一部溶解するもの (ポリエチレンなど)も含まれており,表示の線膨脹 (膨潤による長さの増加率)だけでは赦密な比較はでき ないが,一応の目安をうることはできる。なお,浸法期 間ほ2週間で短いが,後述のように溶剤の 入速度はき わめて早く,いくつかの例外を除いて二,三日で飽和値 ‥●、 カ 合 場 る す いのでこの程度の浸漬でも一応の比較 はできる。 第3表からわかるように,極性化合物同志あるいは無 様性化合物同志は親和しやすく,また極性および無極性 化合物同志は親和しにくいという一般通則は膨潤の場合 もよく成立する。 たとえば,無極性の鉱物油(機械油,絶縁油など)に 対して抵抗性のある高分子は,極性基を持つニトリルゴ ム,ネオプレンなどであるが,これらの耐油性合成ゴム と呼ばれるものは極性溶剤(アニリソ,クレオソート油 など)中ではほげしく膨潤する。このような極性溶剤中 では天然ゴムやプチルゴムなどの鉱物油中では膨潤しや すい高分子が比較的安定である。 また,芳香 性に富む溶媒ほ親和力が強く,この中で ほ高分子物質が膨潤しやすい。ベンゼソなどはほとんど あらゆる高分子を膨潤させ,また,鉱物油中でほアニリ ソ点が低いほど膨潤度が大きい(8) (10)。 しかし,このような一般的通則が適用されない例外的 な場合もある。また,違った種類の溶剤の混合液は,それ ぞれの溶剤の持つ親和力以上に大きな親和力を持つよう になる場合が多いので,混合溶剤の場合ほ注意を要する。

(6)

(望 掛買別{瞞拙 還漬日昌問(J訂) 第6図 プチルゴム混和物(充填剤:50PHR) の膨潤速度 第4表 ゴム中への溶剤の拡散定数およびその活性化熱 3.2 膨潤速度および温度特性 液体中にゴムを浸漬した場合,一般の有機溶剤は割合 早い速度で高分子中に惨入するが,水や油の場合にはか なりおそいようである。この一例として,プチルゴム混 和物をペソゼソおよび鉱桝Ih中に浸漬した場合の膨潤速 度を葬る図に示す。 高分子物質中へのこのような溶剤の拡散を,固定物質 へのガスの拡散と同一機構と仮定し,二,三の溶剤につ いてFickの式(1),(2)(11)を適用して拡散定数を計 算すると第4表に示すようになる。膨潤ほ体積の膨脹を 伴うので厳密にはFickの式は適用できないわけである が,弟7図に示すように有機溶剤の場合は見かけ上割合 よく Fickの式に準じて溶剤を吸収するので,(1)式に ょり見かけ上の拡散定数(β)が計算できる。

芸<0・06でほ

上)f d2 >0.06でほ 弘一払 り・ 払 く0.555

=1一覧。一堵二>0.552

dニ 試料の厚さ 仇,Qぶ:f時間後および飽和時の吸収量 β:拡散定数 しかし,第d図に示すように油の場合は飽和値(払) は見いだせず,長期間吸収し続けるので(1)式によって 刀を求めることができない。この現象はゴムの水中浸漬 の場合における吸水(12)-(14)と似ており,興味ある現象で ある。水の場合には渉適正とゴムの体積モジュラスの括 抗作用としてゴムの吸水が起るとして,この現象を しうることは筆者のし卜の一人がすでに報告した(‡5)。 油の場合も 圧の代りに膨潤圧を考えることによっ て説明できると推定されるが,さらFここのような吸油機 構を明らかにするために, 紳の検討を続けており,ほ かの機会に改めて報告する予定である。 弟4表に得られたβの偵は一般気体や水蒸気などの固 体物質への拡散這 (10 8- 10cm2/s)(11)に比べて著しく 大きく,溶剤吸収ほ非常むこ短期間に進行し,飽和値に することがわかる。大体,厚さ1∼2mmの板状試料は 1∼3日で飽和膨潤する。 次に,温度による影 を検討するために,かと絶対温 度の逆数との関係を図示すると,舞8図に示すように直 (昏0)豪国益由 ふ? 第8図 拡散定数と絶対温度の逆数の関係

(7)

昭和34年7月

絶縁材料特集号

第2

線関係が成立してかの晴性化熱(且刀)が7レニウスの式 から求められる。g〟の計算結果ほ第4表に併記したよ うに5kcaりmol前後の値を取り,一般の化学反応の活 性化熱(20∼30kcal/mol)に比べてかなり′J、さく,した がって化学反応よりも温度による影響は小さいこともわ かる。一般に拡散定数の捕性化熱ほ5、10kcal/mol程 度の偵となることが知られており(16),筆者らが見かけ上 のかから得た値とよい一致を示す。Eβほ拡散分子が膜 面を通過するに要するエネルギーを示すことが知られて いるが(16),この値がほぼ一定値を示すのは興味がある。 なお,合成 脂などでは浸 貢 温度がある程度以上にな ると溶解するものがある。たとえばポリエチレンほ大体 600C以■Fでは溶剤中で割合膨潤も少ないが,700C以上の 温度になるとベンゼソそのほかの良溶媒に完全に溶解す る○また,塩化ビニル樹脂混和物はDOP中で常温でほ 弟3表に示したように線膨脹 は4%にすぎないが, 600Cでほ60%程凰こまで急激に膨潤するなどの特異現象 がある。-一般には温度が上ると膨潤速度ほやや増大する が,飽和低三温度によってあまり大きな差がない場合が 多い。 3・3 膨潤と機械的特性および電気的特性 高分子材料が膨潤した場合の機械的特性の変化は,か なり大きいものがあるが,これについてほすでに多くの 報告がある(S)∼(10)(17)(18)ので,本ではベンゼソ巾で膨潤 したネオプレソおよびプチルゴムの機械的特性の変化の みを弟9図に示す。膨潤が大きい場合の機械的特性の低 下は非常に著しく,一般に綽膨脹率が10%以上になると (盛 付紀山都二鵠二) (りい)属コ尺幻-悶瑚. ガ へ空欄悪型監宅彗璧 第9図 ベンゼソ浸潰中のゴムの 機械的特性の変化 1 .〓 日立評論別冊第31号 ほとんど実用に耐えなくなる場合が多い。なお,耐油性 ほ第10図に示すように厚さによっても異なる場合があ り,薄いゴムは揮易に劣化しやすい。 なお,有機溶剤の吸収によって絶縁抵抗そのほかの電 気的特性も違ってくる。高分子および溶剤の種類によっ て劣化傾向は違うわけであるが,弟1】図に→例として, 木材防腐剤として慣用されるクレオソート油中に浸漬し た場合の苓層の高分子材料被覆電線の絶縁抵抗の変化状 態をホす。 3・4 高分子材料の液体浸漬中における膨潤は加硫蓬,充填 剤の程煩,結晶化度などによって左右され,また可塑剤 紬軋溶解などの現象も併発するので,高分子材料の桂 類のみによって定まるものでほない。このため,各種高 分二仁の耐溶剤,耐油性を穐 非常に国難であるが, のみで一律に比較するのは 老などの実験結果を総合し,文 なども参照して,各種高分子材料の耐溶剤性の概略を 比較して弟5熱・こ示してある。 この表からわかるように,フッ 樹脂のような特別な 樹脂は例外として,あらゆる有機溶剤に耐えるという高 分子材料はほとんどなく,ガソリンや鉱物油中では安定 なチオコールもフルフラールやアセトン中では意外なほ ど膨潤が激しく,またフッ ゴムもクロ・ロホルムやエー テル中でほ膨潤する。なお,エーテルやガソリン中では 可塑剤が抽出されて鮨小硬化する塩化ビニル樹脂混和物 も,クレオソート油中では著しい膨潤を示すなど,これ らの結果ほ予測できない場合が多い。 御 甜 (望殊御仏一■古畳 ♂ Z 〃 ♂ β 〝 〝 〟 〟 β ガ /却と長講時問川) 第10図 試料の厚さと池浸漬中 の特性変化 き吏ぎ〉 霊里靂蒜 ♂ ZJ β 重き星置漬日数 ‖]) 第11図 クレオソート油に浸 漬した場合の絶縁抵抗の変化

(8)

第5表 名符高分子材料の耐油,耐溶剤性比較 (中也緑川軟質) 塩化、ヒニル樹脂 ロ ペ ヘ ナ ガ ク 四 二 ア ソ キ ビ 廿 ソ ソ サ ン 炭炭 .r〕 レし 塩硫 素素 ソ エチレングリコール グ リ ヒ リ ソ ニLこ声/し7■/し コ ー・八 フ /レ フ ク レ ク レ ア ニ ASTM ASTM ASTM 変 j上 つ′ -/レ ゾ ーー+.ルート リ 0 0 0 N N N シ コ ー 植 物 D O ・創・山…・mH 由・山…由 1 2 3 ソ 石油エ ー テ ル フ レ オ ン 12 ト リ ク レ ソ B C B C D A B D A _八 A C A 下 B A A A A A A B E A A B ポ リエチ レ ン 素 ゴ ム シ ‖リ コーソゴ B ゴ ム プ チ ゴ ム ネ オ プ レ ン' B B B B B B A A A A A A B B A A A A A A A A A B B A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A はとんど変化なし。 B わずかに影響する。 C A C B D C B C A A A C A C A F E E E E F D C A A A B A A A A L A A A A A A B F D A C A B B C A A F E D E E E E E F F F A A A A A B F B B B E F A B C E F E F E A D A G C B F A A A F F G G A A A A A A A C C A D E E F F r ト E A B A A A A A A A B D 「 A A A C E F F E C E C F F F A A A A A C F D A A B B A A E D E C E チ オ =! l /レ イ パ ポリエステルゴム E A B A G C C G A A A G F G G A A A A A A A A A A E E E E E ド F ト A A A A A B F B C C F F A C C E F E F E C F D G G F A A A A A C G B A A B C A A D C D D E E D D D G B C G A A B G G G G A A A A A A C B C B F C 少し膨潤するが大きな影響ほなし。 D かなり膨潤し,特別な場合を除き実用できない。 以上のように高分子と溶媒の相互関係ほきわめて複雑 なので,高分子材料を有機溶剤に接触させて伴斥ける場 合ほ,弟5表のような実験結果を基としてあらゆる角度 から検討することが必要である。 4.結 高分イ刃料の耐酸,耐アルカリ性および耐油,耐溶剤 性を検討し ・▼小町 た その祇抗性を比校した。前者 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) は酸化k応による腐食が二盲ミであり,後者ほり捌即こよる特 (8) 性低下がおもな劣化要牒である.。このような特性はある 程度まで化学構造によって類推することはできるが,劣 (9) 化機構が複祁多岐にわたっているので,現/I三でほ,本報 (10) に述べたように黒胎齢月ミをノ忘として,位1l-一条什に適合し た材料を選ぶことが必安であるっ また,高分子材料は耐薬品卜′ヒ以外にも,紙粉性,弾性, 阻度相性などが柾類によって著しく異なるので,実用に あたってはさらi・こJム矧ノ如こ江口して適当な材料を選択し なければならない。 点後に稽々御指導せいただいた1壬i光電練株式会社の関 係者令位および実験に協力をいただいた松村郁英,清水 ,梅井純,佐川文雄.金汎忠良らの諸氏そのほかの 方々に感謝の意を表する。 E 膨潤し実用不適。 G 膨潤最大で分解するものもある。 F 膨潤きわめて激しい。 参 男 女 献 日月:日立評論3d.No.9101(昭29-9) 真田,大和:電字詰77′23(1957) 久本,庄司,渡辺:目立評論別冊21′108(1950) A.M.Bueche:J.Poly.Sci.15,97,105(1955) P・J・Flory:J.Chem.Phys,,18,108(1950)

Gerard Kraus:Rubber World,135,67,255

(1956) P.J.Flory:Principles of PolymerChernistry, CornellUniversity Press(1953) P・0・Powers,B.R.Bi11meyer:Ind.Eng,Chem. 37′64(1942),34′614(1942) D.F.Fraser二Ind.Eng.Chem.35′947(1943), 34,1298(1942) N.G.Duke,W.A.Mitchell:Rubber World 128′485(1953) 河合:日立評論別冊l.5(昭27) R・L.Tayler,A.R.Kemp:Ind.Eng.Chem., 30′409(1938) (13)A.R.Kemp:Ind.Eng.Chem.,29′643(1937) (14)佐竹:古河電工技報2′69(1934),3′8(1935) (15)渡辺:日化11年会話演5U14(昭33-4) (16)R・M・Barrer:J.Phys.Chem.,61′178(1957) (17)A.Wilson,C.B.Gri8is,J.C.Montermoso:Rub-ber World139′68(1958) (18)N・L・Catton,D.C.Thompson:Ind.Eng.Chem. 40′1523(1948)

参照

関連したドキュメント

 トルコ石がいつの頃から人々の装飾品とし て利用され始めたのかはよく分かっていない が、考古資料をみると、古代中国では

で得られたものである。第5章の結果は E £vÞG+ÞH 、 第6章の結果は E £ÉH による。また、 ,7°²­›Ç›¦ には熱核の

※ 硬化時 間につ いては 使用材 料によ って異 なるの で使用 材料の 特性を 十分熟 知する こと

特に、耐熱性に優れた二次可塑剤です(DOSより良好)。ゴム軟化剤と

8) 7)で求めた1人当たりの情報関連機器リース・レンタル料に、「平成7年産業連関表」の産業別常

第 2005.60 号の品目別原産地規則 : CC (第 0709.20 号の材料又は第 0710.80 号のアスパラガス

「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」 (昭和32年6月10日

使用済燃料プールからのスカイシャイン線による実効線量評価 使用済燃料プールの使用済燃料の全放射能強度を考慮し,使用