35
多 国籍企 業 と国際 金 融 資本 市場
有 馬 敏 則
1 は じ め に 「多 国 籍 企 業 」 の 用 語 を 初 め て 使 用 し た の は1960年,当 時 の 開 発 資 源 会 社 会 長,リ リ エ ン ソ ル(D.E. Lilienthal)で あ る と い わ れ て い る。 ま た 世 界 企 業 の 定 義 づ け を 最 初 に 体 系 的 に 行 っ た の は,タ リ ー と シ ピ オ(G.H. Clee&A. Scipio)の"Creating a World Enterprise,"Harvard Business Reriew, Nov.一Dee.1959
の 論 文 で あ ろ う。 多 国 籍 企 業 と い う用 語 が 出 現 し た 背 景 と し て は,1950年 代 後 半 に お け る ア メ リ カ 企 業 の 対 西 欧 直 接 投 資 の 急 増 に 起 因 し て い る 。 ア メ リ カ 企 業 の 資 金 的 源 泉,投 資 環 境 の 安 定 性 確 保 は 戦 後 の 国 際 通 貨 制 度 と 巨 額 の 政 府 に よ る 軍 事 ・経 済 援 助 に よ り供 給 さ れ て き た 。 戦 後 の 国 際 通 貨 制 度 は,強 力 な 経 済 ・軍 事 力 を 持 つ ドル と 金 を 中 心 とす る 国 際 金 為 替 本 位 制 度 で あ っ た 。 そ し て 急 速 た 拡 大 す る 貿 易 は 莫 大 な 国 際 流 動 性 を 必 要 と し た が,も っ ぱ ら,そ れ は 「 ドル 」 に よ っ て 供 給 さ れ て き た 。 つ ま り,ア メ リ カ は 国 際 通 貨 を 発 行 す る くの 特 権,す な わ ち 「国 際 通 貨 発 行 特 権(Seigniorage)」 を 保 持 し て い た の で あ る 。 1950年 代 ま で 世 界 は ア メ リカ の 「ドル 散 布 」 に よ り大 き な 利 益 を 享 受 し た 。 し か し1960年 代 に な る と金 融 節 度 を 顧 慮 し な い ア メ リ カ の 大 幅 な 国 際 収 支 赤 字 に (1)通 貨 発 行特 権 に?い て は次 の 論 文 を 参照 の こ と。 有 馬 敏 則 「国際 的 な"Seigniorage"の 問題 」 『六 甲台 論 集』 (神戸 大)第19巻1 号,1972年4月 。 ' ,「 通 貨 発 行特 権 と世 界 中 央銀 行 」 『彦 根 論叢 』 (滋 賀大)第164・165号 人 文 科学 特 集 等30号 合併 号,1973年11月 。 , 「通 貨 発 行特 権 と国際 通 貨制 度 」 『彦 根論 叢 』 (滋 賀大)第169・170号 人 文科 学 特 集 等31号 合併 号,1974年11月 。 ,「 国 際的 通 貨 発 行 特権 の一 考 察1『 金 融 ジ ャー ナ ル』1975'1一一.3月号。
36 ・ よ り,世 界 各 国 は イ ン フ レー シ ョンや 通 貨 不 安 か ら種 々 の経 済 的 損 失 を 蒙 る よ うに な った 。 そ して1968年 の 金 の二 重 価 格 制 移 行,1971年 の ドル の金 交 換 停 止 に よ り,金 為替 本位 制 は 名実 とも に崩 壊 し,1973年 にな る と各 国 は 変 動 相 場 へ 移 行 した 。 この 一連 の通 貨危 機 の一 因 とし て,多 国籍 企 業 の 通 貨 投 機 が 多 くの 論 者 か ら指 摘 され て い る。 多 国籍 企 業 に関 す る研 究 は 最 近 め ざ ま しい もの が あ ・ る。 本 稿 に お い て は,こ れ らの研 究 を もとに し て ア メ リカ多 国 籍 企 業 の 資 金 調 達,そ の 大 きな源 泉 で あ るユ ー ロ市 場,そ の仲 介 著 た る多 国 籍 銀 行 に つ い て 考 察 し,多 国 籍企 業 と国際 収 支 の諸 問 題 につ い て は 別 稿 に 譲 る こ とに す る。 五 多国籍企業 の賓金調達 1 多 国 籍企 業 発 展 の 背景 第2次 大 戦 中 ア メ リカ は連 合 国 の物 資 供 給 国 と して 生 産 力 を 高 め て い った。 そ して 終戦 と と もに,戦 火を 免 れ た ア メ リカ とそ の 他 諸 国 との 生 産 力差 は圧 倒 的 な もの とな った 。1950年 代 末 か らア メ リカ巨 大 企 業 は 先 進 国 向 け 直接 投 資 を 増 大 し,い わゆ る 「多 国籍 企 業 」 と呼 ば れ る よ うに な った。 もち ろ ん多 国籍 企 業 とは 多数 の 国籍 を持 つ 企 業 とい う意 味 で は な い 。 多 数 の 国 民 経 済 の領 域 で活 動 す る巨大 企業 とい う こ とで あ り,海 外 市 場 を 国 内 市 場 と同 様 に重 視 し,「 生 産 の 国 際化 」 を 目指 す も ので あ る。 企 業 の 多 国籍 化 の 要 因 と して第1に ア メ リ カ企 業 の利 潤 率 低 下 が あ げ られ る。1950年 頃 は 国 内 企 業 の 自己 資 本純 利 益 率 と くの 海 外 投 資 収 益 率 は,15%台 で ほ ぼ 同 じで あ った。 しか し1958年 に な る とア メ リ カ経 済 は戦 後 好 況 を 終 り,大 部 分 の 企 業 は生 産過 剰 と激 しい競 争 か ら利 潤 率 を 低 下 させ 対 外 直 接 投 資 に 目を 向 け る よ うに な った 。 第2に 独 占禁 止政 策 が あ る。 戦 後 の好 況 を 通 じて 大 企 業 の 独 占 度 が 高 ま り,独 禁法 に触 れ る恐 れ が で て きた か らで あ る。 しか し海 外市 場 で 現 地 法 人 とな り,技 術 優 位 を利 用 して独 占 的 利 潤 を増 大 させ る場 合 は,国 内 の独 禁 法に 触 れ ない です み,積 極 的に 海 外 に' (2)拙 稿,「 国 際的 通 貨発 行 特 権 と多 国籍 企 業」 『同志 社 商 学 』27巻5号,1976年3月 。 ㈲ 『経 済 白書』 昭和43年 版,米 国 の海 外直接 投資 の収 益 率 と米 国 国 内企 業 の 自 己資 本 純 利益 率 の項 を参 照 。
多国籍企業 と国際金融資本市場 37 進 出 した の で あ る。 第3に 西 欧 諸 国 の通 貨 の交 換 性 回 復 と1958年 のEEC発 足 が あ げ られ る。EECは 域 内諸 国 間 の関 税 と輸 出入 制 限 を撤 廃 し,対 外 共 通 関 税 設 定 に よ り,一 大 経 済 地 域 を生 み 出 した 。 この 市 場 自身 の将 来 性 と政 治 的 安 定 に よ る経 済的 リス クが 少 な い こと,対 外 共 通 関 税 に よ る差 別 化 のた め,自 社 製 品輸 出 が抑 制 され るの で は な いか と い う危 惧 を 生 じ させ た こ と等 々 が ア メ リ カ企 業 に西 欧 向 け直 接 投 資 を積 極 化 させ た とい え るだ ろ う。 またEEC国 内 に お い て も戦 争 に よ る生 産 設 備 の破 壊 に伴 う生 産 力 の 低 下 で,ア メ リカ の 高度 に 発 達 した新 技 術 の収 得 希 望 な どの受 け 入 れ 素 地 が あ った と考 え られ る。 多 国 籍企 業 の積 極 的 な海 外 進 出 に よ り,1960年 頃 は 海 外 か らの 利益 が全 産 業 の7%に す ぎな か った のが,1974年 に は30%と な.つた。 また ア メ リカ企 業 の海 外 で の工 場 や設 備 に対 す る投 資 は,1957年 に 総 投 資 支 出 の9%に す ぎなか った の もの が1970年 に は25%と 加 速 され て きた の で あ る。 2 多 国籍 企 業 内部 の資 金 循 環 多 国 籍 企 業 内 で 資 金 を移 転 させ る手 段 と して 次 の四 つ の 経 路 が 考 え られ る。 ① 特 許 料,手 数 料,利 子,経 営 及 び各 種 技 術 サ ー ビス料,② 税 引 後利 益 の一 部 送 金,す な わ ち 配 当 金,③ 株 式 資 本 の払 込 み とい う形 で の 資 金 移 動,社 内 商業 信 用 を 含 む 貨付 け供 与 や 返 済,④ 社 内間 で 財 ・用 役 の価 格 を 上下 させ る移 転 価 格(transfer pricing)の 設 定 で あ る。 ① と④ は資 金 移 動 手 段 のみ な らず,利 潤 を 多 国 籍 企業 の 各 国 単位 間 に移 転 させ る手 段 と もな る。 理 論 的 に は多 国籍 企 業 は 資 金 を 最 も容 易 に低 費 用 で 得 られ る場 所 で 調 達 し,そ こか ら資 金 を需 要 す る 場所 へ 移 転可 能 で あ ろ う。 図1は 多 国籍 企 業 モ デル に お け る資金 の流 れ や 源 泉 を 示 して い る。 資 本 金 は親 会 社 か ら子 会 社 に 移 転 され,配 当 金 や 他 の送 金 は逆 に 移 転 され る。しか し,い くらか の 社 内 間 取 引 は基 地会 社 を通 して行 わ れ,買 掛 金 や 商 品 価 格 を 変動 させ る こ とに よ り,資 本 の 蓄 積 をす る。 た とえ ば,フ ラ ン
(4)R.E. MOIIer,"Globalization and the Failure of Economic Policゾ', Journal of
Economic Issues, June,1975.
(5)M.Z. Brooke&H. L. Remmers〔7〕p.151.
( 最 婁 ︻三 縣 網 ・ 伝 送 )優 挫 G 粁 窯 ー -Ψ 旺 鯉 一m 督 ︻三 韓 引 -旨 旨 V ( 簗 麟 賂 . 薬 籠 館 .串 ﹁照 . ㎝ 麗 ) 奪 却 一 姻 霞 羅 窯 怒 長 薯 e 脩 送 慰 擢 認 鰹 躍 姻 、 縮 笹 に 囁 庫 寵 刃 霞 鯉 曝 訟 姻 曝 暇 魅 [ 墜 芸 翼 硲 ] ( 謁 姻 諫 φ )路 枢 ^ ヤ γ K 無 根 e 髄 窯 に 潔 輪 襯 憲 躍 匪 鰹 談 硝 蟹 迦 に 騒 串 ﹁解 剖 肝 胆 曝 匿 . ( ね 釦 梱 健 忘 攻 鍵 ) 姻 誌 噌 昏 [ 聴 譲 翼 謎 ] 朝 朝 簗 や = \ 卜 、置 一 〇 一 一 囎 獅 一 卿 一 ,
L____
「 命 霞 澤 慰 郭 肝 胆 認 型 躍 鵡 串 罵 刃 旺 晦 } 略 富 窯 躍 に 麟 .砲 弾 爬 旺 [聴 霊 異 寓 ] T『 一 一 笹よ
屡礫
怒
賢 応 …誓 ロ屋職1
(拠 溢 駅 0 9 ) 細 姻 碧 増 ( に 忘 蕊 0 9 )中 姻 串 × ^ 心 卜 ・ 一 ・ Ψ } 凄 巳 一 o l I ー 一 書 9 -聖 ー 一 管 ー ー ト ー 1 ,1 -l l l ー ー ー ー 1 ー ー ー 1 嶋 退 Q 姻 慧 Q 巨 駅 網 燵 置 愚 ρ 漁 区 白 鑞 姻 霞 葦 瑠 聚 幕 婁 一 堅 気 ・ ロ ー 畦 ( 劔 迦 遡 蜘 ) 藻 笹 脂 騒 卵 ﹁輪 幻 旺 箪 略 取 ( ≧ o 頃 暢 霧 V 姻 誌 爬 昨 冨 套 翼 邸 ] (拠 溢 設 O O 一 ) 釦 姻 串 K } 漸 ヤ多国籍企業 と国際金融資本市場 39 ス子 会 社 の 利 益 と資 本 が 基地 会社 を経 由 し て イ ギ リス子 会 社 に 送 られ る。 また 基 地 会 社 は 資 金 を 親 会 社 へ貸 付や 送 金 で移 転 す る こ と もあ る。 基 地 会 社設 立 の 最 大 の 目的 は,税 金 を 避 け るか控 除す るた め の手 段 を持 つ た め で あ り,バ ハ マ,パ ナ マ,リ ヒテ ン シ ュタ イ ン,ス イ ス,オ ラン ダ領 ア ン テ ィル 諸 島 な ど課 税 率 の 低 い 国 に つ くられ た。 しか し1962年 の歳 入 法 に よ り税 金 回 避 の 利 点 は 大 部 分 失 な わ れ,も っぱ ら移転 価 格 に よ る利 潤 送 金 に 主 力 が 移 され た。 また 基地 会 社 は 地 域 的 マ ー ケテ ィングや 生 産,財 務(特 に資 金 の プ ール), そ の 他 の機 能 を統 合 す る責 任 を持 つ 海外 本 部 の ス タ ッフで あ る こ と もあ り,広 範 囲 な 企 業 活 動 を 行 う。 また 後 述 す るユ ー ロ ・ダ ラー債 券 を取 り扱 う国 際 金 融 子 会 社 も図 の 中 に 含 まれ て い る。 国 際金 融 子 会 社 の主 要 な機 能 は国 際 資 本 市 場 で 長 期 社 債 の発 行 を行 うこ とで あ る。1964年 の 「金 利 平 衝 税 」 発 足 以 後 ア メ リカ多 国 籍 企 業 の多 くが,ユ ー ロ市 場 か ら巨額 の 資 金 を 調達 して きた ので あ る。 3 多 国籍 企 業 の資 金 調 達 ア メ リカ企 業 の対 外 直 接 投 資 資 金 源 につ い て の商 務 省 統 計 第1表,第2表 に よれば,第1の 特 徴 と し て第2次 大 戦 中 に 現 わ れ,戦 後 本 格 的 に定 着 した 「対 第1表 産業別 ・地域別ア メ リカ過半数所有在外子会社の資金源 (1966年一1972年平均) (%表 示) 全 産 業 ・全 地 域 〔産 業 別 〕 石 油 製 造 業 そ の 他 の 産 業 〔地 域 別 〕 カ ナ ダ ヨ 一 ロ ツ ノく 他 の 先 進 諸 国 ラ テ ン ・ア メ リカ 他 の 発 展 途 上 国 総 計 % 100 oo oo oo 1 1 1 oo oo oo oo oo 1 1 1 1 1 内 部 資 金 総 額 50 4 6 3 4 F O ﹂4 4 4 3 FD O 6 4 ﹂4 だ Q 5 留 保 利 益 16 9 9 0 1 9 臼 5 0 6 3 2 n∠ 1 1 1 9 臼 償 積 価 等 金 減 卸 立 34 5 Q り Q U 3 0 0 ワ 臼 8 4 バ 0 ワ 臼 8 3 0 り 2 4 昌 2 外 部 資 金 総 額 45 1 0 0 ﹁ D ﹂4 5 8 9 ︼ 4 2 厚 ∂ 2 ρ 0 門 0 4 4 カ ら り か 金 メ 国 資 ア 本 の 13 3 0 ゾ ρ U 2 7 7 ρ 0 7 ・ 4 1 1 1 外国調 達 資金 32 8 1 4 2 3 4 1 5 S ρ0 1 9 一 3 3 3 nj そ の 他 5 ρ0 4 7 8 4 3 3 FO
第2表 ア メ リカ過 半 数 所 有 在外 子会 社 の 資 金 源 ()内 は% 単 位100万 ドル 年 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 総 計 フ 48 00 Z G 82 00 ◎ O ぜ 32 00 & G ユ 94 00 9 G ヨ 40 ∞ L G 1 74 ∞ a G 1 31 00 翫 G 1 内 部 資 金 総 額 3,484 (47) 3,880 (57) 4,668 (56) 4,798 (48) 5,078 (45) 6,281 (46) 7,066 (53) 留 保 利 益 901 (12) 1,138 (17) 1,487 (18) 1.512 (15) 1,429 (13) 2,138 (16) 2.372 (18) 減価償 却等積 立金 2,583 (34) 2,742 (40) 3,181 (38) 3,266 (33) 3,649 (32) 4,143 (30) 4,693 (35) 外 部 資 金 総 額 3,639 (49) 2,595 (38) 3,480 (42) 4,761 (48) 5,697 (50) 6,800 (49) 5,473 (41) ア メ リカ 本 国 か ら の 資 金 1,650 (22) 1,013 (15) 472 (6) 949 (10) 1,651 (14) 2,234 (16) 1,538 (12) 外国調 達 資金 1,989 (27) 1,582 (23) 3,008 (36) 3,811 (38) 4,046 (35) 4,566 (33) 3,935 (30) そ の 他 4 ) ρ O F O り 0 ( 3 ) P O ﹁ D OO ( -) 8 2 1 ( 3 ) 0 4 4 ( 7 ) 2 0 7 ( 7 ) 戸0 5 戸0 ( ∩ コ ) 7 ハり 7 (
資料=Survey of Current Business, July,1975.
外 直 接 投 資 の 自 己 金 融 」 と 呼 ば れ る 減 価 償 却 積 立 金 と 留 保 利 益 を 加 え た 内 部 資 金(internal funds)の 比 重 が 大 き い こ と で あ る。1966年 一1972年 平 均 で50% と な り各 年 別 で み て も 安 定 的 第3表 ア メ リカ系 多 国籍 企 業 の 現 地 調達 資 金 内 訳 に 推 移 して い る 。 単 位1∞ 万 ドル 第2に 外 部 資 金(external funds)に 占 め る 外 国 調 達 資 金(い わ ゆ る「現地 調達 」)の 割 合が 増 大 し,ア メ リカ本 国 か らの資 金 流 出が 減 少 した こ とが あ げ られ る。 ア メ リカ本 国 か らの資 金 は 平 均 で13%, 外 国 調達 資 金 は32%に も達 す る。 ま た第3表 よ り,現 地 調 達 資 金 の52%は 金 融 機 関 か ら の借 入 で あ り,転 換 社 債 を含 金 融 機 関 借 入 れ 短 期 (うち 米銀 の在 外 支 店)(注) 中 長 期 (うち 米銀 の在 外 支 店)(注) 社 債 転 換 社 債 そ の 他 十 二 コ 口 1970年 末 残 高 5,859 2,271 1,598 3,588 1,316 2,467 2,729 210 11,265 構 成 比 (%) 52.0 20.2 (14.2) 31,9 (11.7) 21。9 24.2 1.9 100.0 資料=日 本経済調査協議会 「アメ リカ多国籍企業 に よる 対外投資の政策的側面 」 (注)ア メ リカ株式所有の外国銀行を含む。
多国籍企業 と国際金融資本市場 41 んだ 債 券 発 行 に よ る調 達 は46.1%で あ る。 こ の よ うな 高 度 の 自己金 融 比 率 を ア メ リカ在 外 子 会 社 に 可 能 と させ た の は, 多 国 籍 企 業 自身 の 高 度 成 長 と い う一 般 的 な基 礎 の ほ か に次 の 要 因 が 考 え られ る。 まず ヨー ロ ッパ に 比べ て,よ り発 達 した 金 融 ・資 本 市 場 を 持 つ ア メ リカ の 方 が 利 子 率 は一 般 に低 く,「 ア メ リカの 親 企 業 に よ って 支 配 され る多 国籍 企 業 が 国 際 的 に低 い利 子率 を基 準 と して 『配 当 の 利 子 化 』 を 行 うとす れ ば,そ の所 在 国 の利 子率 を基 準 とす る現 地 企 業 に 比 し,よ り大 きな 金額 を 内 部留 保 し うる こ とは 明 らか 」 で あ る。 また 海 外 と くにEC市 場 で の現 地 企 業 と の 競 争 の結 果,存 外 子 会 社 が 減 価 償 却 積 立 金 な どに よ り,自 己 金融 比 率 を 引 き上 げ,利 潤 の再 投 資 を設 備 ・マ ー ケテ ィン グに 向 け,現 地 に お け る売 上 高 や 利 潤 率 の 上 昇 を 図 らね ぽ な らな か った とい え るだ ろ う。 そ して在 外 子 会 社 の収 益 は ア メ リカ へ 配 当 と して 送 金 され た額 に つ い て だけ ア メ リカ の課 税 対 象 に な る とい う税 法 上 の 優 偶 措 置 が 利 益 の 内 部留 保 を い っそ う促 進 させ た とい え るで あ ろ う。 つ ぎに アメ リカ 多 国 籍企 業 の 海 外 で の 調 達 割 合 が 高 ま って い る理 由 と して は,第1に ア メ リカ政 府 が 国 際 収 支 赤 字 を 縮 小 させ る 目的 で1965年 以来,対 外 投 融 資 規制 を実 施 した こと,1968年 に は この 規 制 が さ らに 強 化 さ れた こ とが 指 摘 さ れ る。 第2に オ ラン ダを は じめ 各 国 政 府 は,多 国籍 企業 が本 国か ら資 金 を 流 入 させ イ ン フ レを 引 き起 こす こ とを 防 止 し,自 国経 済 お よび通 貨 の擁 護 のた め現 地 通 貨 の使 用 を 望 んだ こ と,第3に 多 国籍 企業 も為 替 リス ク回避 のた め現 地 通 貨 の使 用 割 合 を 増 加 させ た こ とが あ げ られ る。 第1の 要 因 はそ の後,1969 年 一1971年 に 直 接 投 資 規 制 が 緩 和 され て ア メ リカか らの資 金 流 出が 増 大 し,そ の 分 だ け 外 国 資 金 依 存 が若 干 減 少 して い る。 そ の後1974年1月 に 対 外 投 融 資 規 制 が 撤 廃 され,ア メ リカ本 国 か らの資 金 調 達 比 率 が 高 ま って い る こ とは 注 意 す べ きで あ ろ う。 な お,こ こで 忘 れ て な らな い のは 第2表 の 外 国 調 達 資 金 は実 際 よ り も低 い 水準 に見 積 られ て い る とい うこ とで あ る。第2表 の外 国調 達 資 金 は 金 融機 関 か らの短 期 資 金 借 入 れ が 大 部 分 で,ア メ リカ企 業 が外 国 資本 市 場 で調 (7)中 西 市 郎 『現 代 国 際 投 資 論 』 ダ イ ヤ モ ン ド社,1965年,131-132ペ ー ジ 。 (8)澄 田 ・小 宮 ・渡 辺 〔19⊃92一一93ペ ー ジ。
達 した 長 期 資 金 は 含 まれ て い な いか らで あ る。 実 際 は そ の ほ とん どが在 外 子 会 社 の直 接 投 資 に 使 用 され て い るに もか か わ らず,国 際 収 支 上 は 大 部 分 が 一 度 資 本 流 入 項 目 とな り,そ の 後 ア メ リカ資 金 の直 接 投 資 流 出 と記 録 され,外 国 調 達 ゆ 資 金 の 中に は 含 まれ な い こ とに な る。 ま た税 法上 有 利 な ア メ リカ の デ ラ ウ ェア 州 や,外 国 で の 営 業 活 動 に よ り得 た利 益 には 課 税 し な いル ク セソ ブル グや オ ラ ン ダ の ア ン テ ィ レス諸 島 に設 立 され た 金融 子会 社 を経 て供 給 され る ユ ー ロ資 金 も含 まれ な い 。 これ らを 加 え る外 国 調達 資 金 の 占 め る比 重 は,さ らに 増 加 す る こ とに な る。 皿 多 国籍企業 と多国籍銀行 1.銀 行 の 海 外 進 出 の 背 景 多 国 籍 企 業 の 外 国 資 金 調 達 と銀 行 の多 国籍 化 は密 接 に関 連 す る。1950年 代 か ら急 激 に 増 加 した ア メ リカ企 業 の多 国籍 化 に対 し,ア メ リカ銀 行 は 在 外 支 店 の ロの 設 置,現 地 子 会 社 の 設 立,多 国 籍 銀 行 へ の 出資 等 の方 法 に よ り対 応 して きた 。 そ して 資 金 面 で は1965年 に対 外 投融 資規 制が 実 施 され る と,ユ ー ロ市 場 で短 ・ 中 ・長 期 資 金 を 多 国 籍 企 業 の需 要 に 合 わせ て 調達 し,業 務 面 で は リース,経 営 コンサ ル タ ン ト等 フル サ ー ビス を提 供 して きた。 銀 行 の海 外 支 店 進 出 動 機 は,取 引 先顧 客 の海 外 進 出 に とも な う金 融 サ ー ビ ス へ の需 要 に こた え て,こ れ ら 顧 客 との 取 引維 持,確 保 を 図 る ため とい う側 面 と,国 際 金 融 市 場 の 多 極 化,各 々 の市 場 の規 模 拡 大,金 融 市 場 相 互 間 の 接 近 に と もな う資 金 調 達,運 用 の 新 しい 市 場 開 拓 とい う側 面 の二 つ が あ る とい え るだ ろ う。 第4表 に 示 され て い る よ うに ア メ リカ 商 業 銀 行 の 在 外支 店 は,1950年 に は (9)中 西 ・岩 野 〔21〕,282-286ペ ー ジ 。 ⑩ 多 国 籍 銀 行 と は 資 本 所 有 関 係 が 多 国 籍 化 し て い る コ ン ソ ー シ ア ム 型 の 投 資 銀 行 で あ る 。 多 国 籍 企 業 の 発 展 と と も に 中 長 期 の 資 金 需 要 が 大 型 化 し,単 独 銀 行 で は 貸 出 の リ ス ク が 大 き く な っ た た め,多 数 の 国 の 銀 行 に よ っ て 設 立 され た 。 (10J. C. Baker&M. G. Bradford〔12:}三 井 銀 行 『調 査 月 報 』1973年1月,5月,1974 年4月,10月 。 三 菱 銀 行,『 調 査 』1973年5月,1975年1月 を 参 照 。
多国籍企業 と国際金融資木市場 43 第4表 ア メ リカ商業銀行の在外支店 (各年度末数) 年 1950 1955 1960 (シ ェ ア) 1965 1966 1967 1968 1969 1970 (シ ェ ア) 1971 1972 (シ ェ ア) プ ア ソ ○ ア メ リ カ う ち バ ハ マ 49 5G"1 55 (44.4) 88 102 133 177 235 279 (52.4) 301 320 (51.0) 2 (1.6) 3 3 3 8 32 60 (11。0) 73 94 (15.0) ▼、 ノ ツ ロ ︻ ヨ ス ち 杓 う イ 15 17 19 (15.3) 43 48 59 80 103 116 (21.8) 128 142 (22.7) 10 11 13 (10.5) 21 21 24 32 37 41 (7.7) 45 49 (7.8) ア フ リ カ 1 (0.8) 2 2 3 3 1 2 (0。4) 2 2 (0.3) 近東 4 4 (3.2) 5 6 6 6 6 12 (2.3) 15 15 (2。4) 極 19 20 』23 (18.6) 50 57 63 72 77 78 (14.7) 82 94 (15.0) 束 ち 本 う 日 8 10 10 (8.1) 12 12 12 12 13 13 (2.4) 15 21 (3.4) リ 属 メ の ア カ 領 合 計 12 95 14, 111 22 124 (17.7) (100.0) 23 211 2911 244 31 295 35 373 38 460 4511 532 (8.4) (100.0) 49 577 54 627 (8.6) (100.0) 増減 ※3 ※3 ※17 33 51 78 87 72 45 50
資料:Federal Reserve Annual Report.(三 井銀行r調 査月報』no.465よ り作成) ※5年 間の平均 第5表 ア メ リカ銀 行在 外 支 店 の 資産 と負 債 ()内 は%単 位 億 ドル 1970年 末 1971 1972 1973 1974 資 合 計 474 598 782 1,219 1,519 外国 非銀行顧客 116 (24.5) 174 (29.0) 224 (28.6) 337 (27.6) 468 (30.8) 産 (注) そ の 他 358(75.5) 424(71.0) 558(71.4) 882(72.4) 1,051(69.2) 負 合 計 474 598 782 1,219 1,519 外国 非銀行顧客 74 (15.6) 87 (14.5) 114 (14.6) 177 (14.5) 202 (13.3) 債 (注) そ の 他 4∞(84.4) 511(85.5) 668(85.4) 1,042(85.5) 1,317(86.7) (注)そ の他は アメ リカ銀行,外 国銀行,外 国公的機関。 資 料=Federal Reserve Bulletin. 100店 に も 満 た な か っ た も の が60年 代 に は い る と 急 増 を 続 け,1965年 に211店 と 倍 増 し,1972年 末 に は627店 と6倍 近 い 増 加 と な っ て い る 。 地 域 的 に は 西 欧 と バ ハ マ の 比 率 が 増 大 し て い る 。 後 者 の 増 加 は 税 金 回 避 と 経 費 節 約 を 目 指 し た ぺ
一 パ ー ・カ ン パ ニ ー の 形 で,西 欧 の 支 店 と 同 様 に ユ ー ロ市 場 で 取 引 を 行 っ て い る た め で あ る 。 し た が っ て バ ハ マ の 支 店 を 西 欧 の 支 店 と み な せ ば 西 欧 の 比 率 が 急 増 し て お り,西 欧 へ の 直 接 投 資 増 大,ユ ーr市 場 発 展 に よ る も の と考 え ら れ る。 運 用 の 面 に お い て は,主 と し て ア メ リ カ 多 国 籍 企 業 に 運 転 資 金 と し て 貸 付 け て い る よ う で あ る。 第5表 の 外 国 非 銀 行 顧 客 は 大 部 分 が ア メ リ カ 多 国 籍 企 業 と 考 え ら れ て い る 。 ア メ リカ 多 国 籍 企 業 の 資 金 調 達 に お い て 金 融 機 関 借 入 れ の うち 短 期 資 金 に つ い て ア メ リ カ銀 行 の 在 外 支 店 の 割 合 が 高 い こ と は 第3表 で 明 ら か で あ ろ う。 こ の よ うに 各 銀 行 の 海 外 支 店 は,資 金 の 調 達 ・運 用 を ユ ー ロ ・カ レ ン シ ー で 行 う銀 行,す な わ ち ユ ー ロ ・バ ン キ ン グ に 進 出 した り,多 国 籍 銀 行 グ ル ー プ に 参 加 し た り し て い る 。 ユ ー ロ ・バ ン キ ン グ の 中 心 地 は ロ ン ドン,パ リ,フ ラ ン ク フ ル ト,チ ュ ー リ ッ ヒ,ミ ラ ノ等 で,ロ ン ド ン だ け で 全 体 の40∼50%に 達 し て い る 。 ロ ン ドン で は マ ー チ ャ ン トバ ン ク,海 外 銀 行,外 国 銀 行,多 国 籍 銀 行,ク リ ア リ ン グ ・バ ン ク と い っ た 多 くの 金 融 機 関 が ユ ー ロ ・バ ン ク業 務 に 参 加 し て い る 。 業 務 と し て は ユ ー ロ ・カ レ ン シ ー 預 金(短 期 預 金)確 得,ユ ー ロ ・ CD発 行,短 期 貸 出,中 長 期 ロ ー ン,ユ ー ロ ・ボ ン ド引 受 等 で あ る。 そ し て 運 用 に お い て は 短 期 借 り ・長 期 第6表 ロ ン ドンに おけ る外 国 銀 行及 び ユ ー ロ ・ バ ンキ ン グ専 門 銀 行 数 推 移 ()内 は% 貸 し の 傾 向 が み ら れ る 。1967 年 頃 に 長 期 の ユ ー ロ ・ボ ン ド と 短 期 の ユ ー ロ 貸 出 の 間 隙 を 埋 め る 中 長 期 ロ ー ン が 導 入 さ れ る と と も に,こ れ を 主 要 な 業 務 と す る 多 国 籍 銀 行 が 相 次 い で 設 立 さ れ,ユ ー ロ ・バ ン キ ン グ は 拡 大 し た 。 第6表 に よ る と ロ ン ドン に お い て1967 年 に く らべ,ア メ リ カ 銀 行 は 3.6倍,ユ ー ロ ・バ ン キ ン グ 専 1964年 以 前 1967年 1968年 1969年 1970年 1971年 1972年 1973年 1974年 1975年 外 国 銀 行 (支店 ・駐在員事務所) ア メ リカ 銀 行 13(13) 16(14) 25(19) 33(22) 37(23) 42(23) 50(25) 53(23) 60(24) 58(24) 非 ア メ リ カ銀 行 87(87) 98(86) 107(81) 116(78) 127(77) 138(77) 152(75) 173(77) 188(76) 186(76) 十 二 コ 口 100 114 132 149 164 180 202 226 248 244 ユ ロ ハ ソ キ ソ グ 専 門 銀 行 4 5 8 0 7 2 3 9 0 1 1 1 2 0 ﹂ 9 ρ ﹁D ﹁0 資 料:The Banker.
多国籍企業 と国際金融資本市場 45 門 銀 行 は10。2倍に達 して い る。 しか し順 調 な拡 大 を続 け て き た ユ ー ロ ・バ ン キ ン グ も1971年 以 降変 動 期 を迎 え て い る。 つ ま り多 数 の 新 規 参 入 に よ る競 争 激 化 と,ユ ー ロ ・ダ ラー市 場 の供 ゆ 給 過 剰 で① マ ー ジ ン の減 少,② 貸 出 期 間 の長 期 化 に よ り 「短 期 借 り・長期 貸 し」 が,い っそ う助 長 され,財 務 内 容 が 悪 化,③ 発 展途 上 国へ の貸 付 け増 大 は,政 治 ・経 済 情 勢 の 不 安 定 や 情 報 不 足 か ら,リ ス クが増 大 して きて いた 。 この よ う な ユ ー ロ ・バ ン キ ン グの 環 境 悪 化 に 伴 って,業 務 多様 化,国 際 的 ネ ッ トワー ク の充 実 や 特 定 地 域 向 け 専 門 金 融 機 関 の 設 立,リ ス ク分 散 機 能 や 需 要 地 域 の 多 様 化 に対 応 で き る多 国 籍 銀 行 の 拡大 が 図 られ て きた。 しか し1973年 の石 油 危 機 と 巨 額 の オイ ル ・ダ ラ ーの 発生 に よ り,ユ ー ロ ・バ ン キ ン グの 不 安 定 性 が顕 在化 した の で あ る。 つ ま り一 部銀 行 の外 国為 替 取 引 失 敗 に よ り,前 述 した種 々 の環 境 悪 化 に 伴 う 「信用 不 安」 が 表 面 化 した こ とで あ る。 この よ うな 状 態 か らユ 一 山 バ ンキ ング相 互 間 の不 信 感 が 高 ま り,ま た資 金 の最 終 出 し手 の警 戒 に よ り, 資産 運 用 が 著 し く短 期 化 し,ユ ー ロ市 場 も供 給 過 剰 か ら需 要 過 剰 へ 変 化 し,な お 流動 的 な 状態 で あ る。 そ し て大 銀 行 と中 位 銀 行 の 格差 は ます ます,ひ ろが っ て い るの で あ る。 2.多 国籍 企 業 の銀 行 へ の需 要 1971年6月 か ら11月 に か け て タイ ム誌 は 「多 国籍 企業 は銀 行 を ど うみ て い る か につ い て の調 査 を 行 っ摺 。 そ の 中 で 全 回 答老 が最 も重 要 と考 え ℃ い る銀 行 サ ー ビス は第7表 に 示 して あ る よ うに,① 送 金,② 貸 付 ・信 用 供 与,③ 外 国 為 替 (12)ユ ー ロ ・バ ン キ ン グ 専 門 銀 行 と は 多 国 籍 銀 行 と外 国 銀 行 の マ ー チ ャ ン ト・バ ン ク 子 会 社 を 指 す 。 第6表,1964-72年 は 三 菱 銀 行 『調 査 』No.219,そ れ 以 降 はThe Banker, Nov.各 号 よ り作 成 。
㈱ Euromoney, July,1972.
㈹ The Banker, July,1972, Aug.1972.に よ れ ば,3-5年 で あ っ た 中 期 ロ ー ン が 10年 以 上 が あ た り ま え と な り,12年 の 期 間 の も の も あ り コ・一 ロ ・ボ ン ドと の 競 合 が 生 じて い る 。
⑮ 佐 藤 公 夫 「 仕 上 げ 段 階"に 入 った 米 銀 の世 界戦 略 」 『金融 財 政 事 情 』1975年1月6 \
口号 。 長 山孝 「波 乱 含 み の コ ン ソー シ ア ム・バ ン ク」 『金 融 ジ ャー ナル 』1976年2月 。
46 ④ 通 常 の銀 行 業 務(当 座 勘 定 業 務 ・貯蓄 預 金 等),⑤ ユ ー ロ貸 付 の順 に重 要 性 を もつ とい うも ので あ った 。 送 金 が 最 も重 視 され て い る の は,多 国籍 企 業 が 在 外 子 会 社 の利 益 を配 当 と して 親 会 社 に 迅 速 に 送 った り,余 裕 資 金 を他 の子 会 社 に 融 資 して 全 体 と して 資 本 の 効 率 を 高 め る こ とを重 視 し て い る か らで あ ろ う。 また 前 述 した よ うに 多 国 籍 企 業 は,政 府 の対 外投 資規 制 に よ り,現 地 で の資 金 調 達 に 拍 車 を か け,こ れ が 「貸 付 ・信用 供与 」, 「外 国 為 替 」, 「ユ ー ロ貸 付 」 な どを 重 視 させ て い る とい え るだ ろ う。 第2次 大 戦 前 は ニ ュー ヨ ー クや サ ン フ ラ ン シス コに本 店 を持 つ ア メ リカ の大 銀 行 が,海 外 の 重 要 な 地 域 に 支 店 を 置 い て い たが,国 際 金 融 業 務 の ほ と ん どは 第7表 海 外での事業に利用する銀 行を選択す る際,次 の各銀 行サービス は どれほ どの重要性を もつか 金 与 替 務 付 理 立 介 ス 取 報 ス 行 険 他 ビ ヒ ・ 業 イ 育 一 君 為 行 貸 管 取 パ 買 → け 発
用
銀
・
ド
と
ス
↑
・
儒
国
物
・
金
形
獅
・
き
式
ン 送 貸 外 通 ユ 現 手 紹 投 合 ピ コ 株 保 そ 回答合計 100% 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 非常に重要 である / 0 0 / 9 9 5 2 3 5 3 8 3 1 0 5 5 3 1 6 5 4 4 3 2 2 1 1 1 1 2 か な り重 要 で あ る ! 0 0 / 8 0 0 8 4 4 5 2 6 2 4 2 8 3 3 1 2 3 2 2 2 2 3 1 2 1 1 1 4 重 要 で な い ・ 無 回 答 % 3 1 5 0 3 1 2 0 1 7 6 3 7 4 6 1 2 2 3 4 5 5 5 7 6 7 S 8 8 3 〔非常に重要 と思われる``そ の他"の 銀行サ ービス〕 顧客に対す る銀行経営者の個人的関心,為 替管理当局 どの折衝の手助 け,顧 客の信用 度を評価 す る能力,信 用危険情報,輸 出金融,顧 客に提供 される各種便 宜,輸 入能 力,雇 用義務,地 域駐 在員の推薦の重 要性,私 募債発行,特 定の国の為替 管理,金 融 市場 に関す る専 門知識,受 託業務 サ ービス ・コス ト,意 思決定のス ピー ド,問 題解決に当たっての柔軟性,手 形 支払い のために海 外勘定を開 く能 力。 , 資 料=「 金融財政事情 」47年11月6日 号,41ペ ージ。多国籍企業 と国際金融資本市場 47 ヨ ー ロ ッパ 系 銀 行 に よ って 行 わ れ て きた。 しか し多 国籍 企 業 の発 展 と と もに 先 進 国 の 商 業 銀 行 は,単 に コル レス契 約 に よる銀 行 と の協 同だ け で は 資 金 の 需 給 に対 応 で き な くな り,積 極 的 に 海 外 に 進 出 した。 と くに ア メ リカ商 業 銀 行 は, 国 内で は証 券 を 扱 う投 資 銀 行 業 務 が 禁 止 され て い るが,国 外 で は預 金 の 引 き受 け,短 期 ・長 期 の 貸 付,証 券 の 売 買 が エ ッ ジ 法(Edge Act,19T9年)に よ り可 能 で,ア メ リカ 多 国 籍 企 業 の 資 金 需 要 を 背 景 に ヨ ー ロ ッパ 銀 行 の 取 引 上 の 主 導 権 を 奪 う こ と と な っ た 。 こ の こ と は 「通 常 の 銀 行 業 務 」 サ ー ビ ス を 強 調 す る 伝 統 的 な 国 際 銀 行(特 に ヨ ー ロ ッパ 系 銀 行)が,そ の 重 要 性 を 低 下 さ せ て き た こ と か ら も 指 摘 で き る だ ろ う。 多 国 籍 銀 行 の 在 外 支 店 の ネ ッ ト ワ ー ク は,ニ ュ ー ヨ ー ク の フ ァ。一 ス ト ・ナ シ ョナ ル ・シテ ィ ・バ ン ク,チ ェス ・マ ンハ ッタ ン ・ バ ン ク,そ し て サ ン フ ラ ン シ ス コ の パ ン ク ・オ ブ ・ア メ リ カ の 各 銀 行 に よ っ て 維 持 さ れ て い る。 こ の3銀 行 の 優 位 は オ イ ル ・ダ ラ ー の ニ ュ ー ヨ ー ク市 場 へ の 大 量 流 入,1974年1月 の 対 外 投 賀 規 制 撤 廃 に よ り,今 後 も 続 い て い く も の と考 え ら れ る 。 IV 多 国 籍 企 業 と ユ ー ロ市 場 1.ユ ー ロ ・カ レ ン シ ー 市 場 ア メ リカ 銀 行 の 在 外 支 店 は,前 述 し た よ う に 資 金 を ユ ー ロ市 場 か ら積 極 的 に 調 達 し て い る 。 ユ ー ロ ・カ レ ン シ ー 市 場 の 大 半 を 占 め る ユ ー ロ ・ダ ラ ー 市 場 (短 ・中 期 金 融 市 場)誕 生 の 契 機 は,第1に1950年 代 初 め ア メ リ カ銀 行 へ 預 金 し て い た 共 産 圏 の 銀 行 が,米 ソ 間 の 冷 戦 の 激 化 に 伴 っ て 没 収 さ れ る こ と を 恐 れ,西 欧 の 銀 行 に 預 け 替 え た こ と,第2に1957年 の ポ ン ド危 機 に 際 し,イ ギ リ ス が 実 施 し た 非 居 住 者 に 対 す る ポ ン ド貸 し の 制 限 ま た は 禁 止 と い っ た 為 替 管 理 の 強 化,第3に 欧 州 諸 国 の 為 替 管 理 撤 廃 と1958年 の 通 貨 の 交 換 性 回 復,第4に ア メ リ カ の レ ギ ュ レー シ ョ ンQに よ る ドル の 流 出 等 が あ げ ら れ,こ れ ら がR 働 J.C. Baker&M. G. Bradford,〔12〕.に 詳 しい解 説 が 行 われ て い る。 ㈱ ユ ー ロ ・ダ ラー とは,ヨ ー ロ ッパ,な か で も ロン ドンを 中 心 に位 置す る商 業 銀 行 に 預 け られ た ドル 建 預 金 を 意味 す る。 詳 し くはP.Einzig〔10〕
48 ドン を 中心 とす る卓 越 した 市 場 に よ り発展 させ られ た とい え るだ ろ う。 第8表 に示 され て い る よ うに 近 年 急 成長 した 理 由 と して は,第1に ア メ リカ 国 際 収 支 の大 幅 赤 字 に よ る大 量 の ドル 流 出,第2に 金 利 平 衡 税 や 対 外 投 資 規 制 と い った 国 際 収 支 改 善 策 に伴 い,ア メ リカ 以外 で の資 金 調 達 の増 加 を ア メ リカ 多 国i籍企 業 や他 国企 業 が 図 った こ と,第3に ア メ リカの 金 融 逼 迫 に よ りア メ リ カ銀 行 在 外 支店 が大 規模 な ユ ー ロ取 り入 れ を行 った こと,第4に コ・一 回市 場 金 利 が 高 水 準 に あ った た め,民 間 ・公 的 保 有 の ドル が 多 量 に 市 場 に 流 入 した こ と 等 が考 え られ る。 第4の 点 に つ い ては 多 国 籍 企 業 が 余 裕 資 金 を,ユ ー ロ ・ダ ラ ー市 場 の高 金 利 と便 利 さ を好 んで 一 時 的 に ヨ ー ロ ッパ に と どめ ア メ リカ本 国 の 銀 行 に預 金 しな か った こ と も注 目 され る。 ア メ リカ国 内 で は要 求 払 い預 金 に対 し て預 金 利 子 の 支 払 い は 禁 止 され て い るが,ユ ー ロ ・ダ ラー市 場 で は利 子 支 払 い が 行 わ れ る。 この 点 か ら も要 求払 い預 金 と して一 般 に多 額 の資 金 を 保 有 して 第8表 ユー ロ ・カ レンシー市場 の規模(報 告を提 出した ヨー ロッパ8力 国所 在銀行のユー ロ信用残 高) ()内 は% 単位 億 ドル 1963年 1964年 1965年 1966年 1967年 1968年 1969年 1970年 1971年 1972年 1973年 1974年 ユ ー ロ 。 カ レ ン シ ー 70(100) 100(100) 130(100) 180(100) 220(100) 300(100) 440(100) 570(100) 710(100) 920(100) 1,320(1∞) 1,770(100) 前年比 前年比 増加額 伸び率 30 30 50 40 80 140 130 140 210 400 450 ノ 0 3 0 8 2 6 7 0 5 0 3 4 0 / 4 3 3 2 3 4 3 2 3 4 3 う ち ユ ー ロ ・ ダ ラ ー 50(71) 90(90) 115(88) 145(81) 175(80) 250(83) 375(85) 460(81) 540(76) 710(77) 970(73) 1,330(75) 前年比 前年比 増加額 伸び率 40 25 30 30 75 125 85 80 170 260 360 6 0 8 6 1 3 0 3 7 1 7 7 0 / 8 2 2 2 4 5 2 1 3 3 3 そ の 他 通 貨 20(29) 10(10) 15(12) 35(19) 45(20) 50(17) 65(15) 110(19) 170(24) 210(23) 350(27) 440(25)
麟1離 紫
△10 5 20 10 5 15 45 60 40 140 90 % △50 50 133 29 11 30 69 55 24 67 26資 料:Bank for International Settlements, Annual Report.よ り 作 成 。
㈲ 岩 野 〔30〕は ユ ー ロ ・ダ ラー市 場 成 立 の 要 因 として ① ヨー ロ ッパ の資 本 蓄積,② ボ
多国籍企業 と国際金融 資本市場 49 い るア メ リカ多 国籍 企 業 は,コ ・一 口 ・ダ ラー預 金 で 資 金 を 保 有 す る こ とに 利 点 を見 出す とい え るだ ろ う。 第5表 か らも類 推 され る よ うに 多 国籍 企 業 は ユ ー ロ 市 場 の 借 り手 で あ り,ま た 出 し手 で あ る とい う こと にな る。 ユ ー ロ ・ダ ラー市 場 は少 な く とも,ア メ リカの 景 気 後 退 が は じ ま った1969年 秋 まで は ア メ リカ銀 行 が 主 導 権 を握 っ てい た 。 ア メ リカ多 国籍 企業 を含 め た ア メ リカ本 国 に よる大 量 の ドル需 要 が 存 在 し,ユ ー ロ ・ダ ラ ー市 場 は ア メ リカ金 融 市 場 の 代替 市 場 とし て,そ の 延 長 線 上 に 位 置 づ け され 「アメ リカ の租 界 」 と い わ れ るほ どで あ った 。 しか し ユ ー ロ市 場 が ア メ リカの第2金 融 市場 と して の み存 在 す るた め に は,ア メ リカ 国 内 を好 況 に 保 ち,金 利 を 高 水 準 に維 持 しな く て は な らな い。 しか し1969年 末 よ り景 気 後 退 が 始 ま り,ア メ リカ金 利 水 準 も低 下 し,ア メ リカ一 国 だ け の ユ ー ロ ・ダ ラ ー市 場 支 配 も終止 符 を打 つ こと とな っ た。 そ して ユ ー ロ ・ダ ラ ー市 場 に おけ る ヨー ロ ッパ 企 業 や 日本 企 業 の 資 金 利 用 が 増大 して きた の で あ る。 また これ らの要 因 の他 に1969年 以 降 ア メ リカは対 外直 接 投 質規 制 の緩 和 を図 り,コ ・一 口市 場 へ の依 存 を減 少 させ た こ と もあ げ られ る。1970年 の ドル 建 表 示 が23%増 にす ぎ なか った のに 対 し,そ の 他通 貨建 は69%と 激 増 した の も これ ら を背 景 と して お り,1971年 の ドル 建 の い っそ うの 伸 び率 減 少 も通 貨 の不 安 定 性 に よる リス ク分 散 の他 に,こ れ らの 要 因 が影 響 して い た と考 え られ る。 そ の 後 ユ ー ロ市 場 は よ りい っそ う世 界 の 諸 国 に利 用 され る よ うに な った 。 通 貨 不 安 の 中 で 市 場 が 安 定 して 伸 び て い る背 景 と して は,国 際 流 動 性 を ユ ー ロ ・ダ ラー市 場 で 調 達 し よ うとす る公 的機 関 の存 在(特 に1973年 の石 油 危 機 以 来 著 しい)が あ る。 また イ ン フ レの 加速 化 と金 融 逼 迫 に よ り,長 期 資 本 市 場 は 縮 小 し物 価 と賃 金 の 上 昇 は利 益 の 減 少 を もた ら し,企 業 の 賀 金 需 要 を 増 加 さ せ,銀 行 信 用 に対 す る依 存 度 を 高 め させ た こ と もあ げ られ る。 ユ ー ロ ・カ レン シー市 場 は こ の資 金 需 要 に 答 え るの に 好 都 合 で あ った。 つ ま りユ ー ロ ・バ ン キ ング が 国 内銀 行 と違 っ て,レ ギ ュ レー シ ョンQや 通 貨 政 策 に制 約 され な か った ⑳ 吉 野 昌 甫 「ユ ー ロ ・ダ ラ ー 制 度 に つ い て の 一 考 察 」 『一 橋 論 叢 』 (一 橋 大)第73巻 6号,1975年6月 。
50 こ と,ま た 回忌ル ・オ ーバ ー ・ク レジ ッ ト(フ ロー テ ィン グ ・レー トに よる貸 付) に よ り,か な り長 期 資 金 を供 給 で きた ことで あ る。 そ し て1974年 ユ ー ロ ・バ ン キ ン グ の非 銀 行 部 門(多 国籍 企業 を含 む)に 対 す る直 接 債 権 増 加 は 史 上 最 高 を 記 録 した 。 別 の 市 場 拡 大 要 因 と して は為 替 相 場 の不 安 定 性 が あげ られ る。 つ ま り為 替 相 場 不 安 定 は 固 定 相 場 制 に 比べ て,非 銀 行部 門 の先 物 カバ ーに 対 す る需要 を 増 加 させ る。 しか し長 期 に わ た る先 物 契 約 は,つ ね に希 望 した レー トで 先物 市場 に お い て 出 合 いが とれ る とは限 らず,銀 行 は 直 物 為 替 取 引 と ユ ー ロ ・カ レ ン シー の 貸 付(ま た は借 入 れ)を 組 み 合 せ,自 ら カバ ーを し,為 替差 損 回 避 に対 す る 顧 客 の 要 求 に答 えた た め であ る。 .これ らの 諸要 因 を背 景 に して,BISに 報 告 を 提 出 した ヨー ロ ッパ8力 国所 在 銀 行 と,そ の地 域 外 に所 在 す る銀 行 の外 貨 取 引 を 加 え れ ば,ユ ー ロ ・カ レン シ ー市 場 の ネ ッ ト規 模 が1973年 に 約500億 ドル拡 大 した のち,1974年 に は550億 ゆ ドル 増 加 し,総 額 が 約2100億 ドル に 達 し た も の と 推 定 され て い る 。 2. ユ ー ロ.・ボ ン ド市 場 短 ・中 期 金 融 市 場 と し て の ユ ー ロ ・カ レ ン シ ー 市 場 と と も に,長 期 資 本 市 場 と し て の ユ ー ロ ・ボ ン ド市 場 の 発 展 も 見 過 ご せ な い 点 で あ る 。 ユ ー ロ ・ボ ン ド と は 発 行 市 場 国 通 貨 以 外 の 通 貨 で 表 示 さ れ た 債 券 で あ り,多 国 籍 の 引 き 受 け シ ン ジ ケ ー ト団(先 進 国 銀 行 に よ り構 成)を 通 じ て 引 き 受 け られ る も の で あ る 。 ユ ー ロ ・ボ ン ド市 場 の 直 接 の 生 成 は1963年 に ア メ リカ が 金 利 平 衡 税 を 創 設 し た こ と に あ る 。 こ の 市 場 発 展 を 支 え た 多 く の 条 件 と し て 次 の 点 が あ げ られ る 。 EECを 結 成 し 通 貨 交 換 性 を 回 復 し て い た ヨ ー ロ ッパ 諸 国 は1960年 代 初 め に は,ア メ リ カ 国 際 収 支 赤 字 に よ っ て 生 み 出 さ れ た 過 剰 ドル を 保 有 し,そ れ を ユ ー ロ ・ダ ラ ー 市 場 で 運 用 で き る 状 態 に あ っ た 。 し か し ア メ リカ 多 国 籍 企 業 の ヨ ー ロ ッ パ 進 出 に 伴 う設 備 投 資 競 争 に よ り,ヨ ー ロ ッ パ 諸 国 め 長 期 資 金 需 要 は 増
M Bank for International Settlements, Forty-fifth Annual Report, June,1975, chap.
5.〔 東 京 銀 行 調 査 部 「ユ ー ロ ・ カ レ ン シ ー 市 場 と ユ ー ロ ・ボ ン ド市 場 」 『東 京 銀 行 月
多国籍企業 と国際金融資本市場 51 大 した が,金 利 平 衡税 に よる ア メ リカ 国 内で の資 金 調 達 困 難 か ら,ヨ ー ロ ッパ 諸 国 は 自 らの 資 本 市場 で 自給 自足 す る ことを 企 儀 な くされ た σ に もか か わ らず ヨー ロ ッパ諸 国 は 自 国金 融 政 策 の独 立 と対 外 均 衡 を 維 持 す るた め,各 自の資 本 市 場 を非 居 住 者 に 開 放 で きな か った 。 この よ うな 資金 需 給 の不 一致 に注 目した ロン ドン のマ ーチ ャ ン ト ・ノミン クが,外 貨 建 債 券 発 行 には 各 国 の統 制 が 及 ば な い とい う資 本 市 場 制 限 の盲 点 を利 用 して ユ ー ロ ・ボ ン ド市 場 を 形 成 した の で あ る。 この 市 場 形成 に ヨ ー ロ ッパ 銀 行 の果:した 役 割 は大 き く,金 利 平 衡 税 導 入 に よ る ニ ュ ー ヨ ー ク起 債 市場 の停 滞 に よ り,そ れ まで 国 際 的 な 起 債 業 務 の 仲 介者 で あ った ア メ リカ投 資 銀 行 の主 導 権 を奪 うこ とに な った。 しか しア メ リカ 多 国 籍 企 業 も政府 に よ る対 外 投 資規 制 の た め,親 会 社 か ら も ア メ リカ銀 行本 店 か ら も資 金 供 給 を制 約 され,設 備 資 金 な どの長 期 資 金 を,ユ ー ロ ・ボ ン ド市 場 に依 存 す る よ うに な った。 それ と と もに ア メ リカ多 国 籍 企 業 の 仲 介 者 と して の ア メ リカ銀 行 の役 割 も増 大 し,ユ ー ロ ・ダ ラー市 場 形 成 の 場 合 と同 様 に ユ ー ロ ・ボ ン ド市場 もア メ リカ銀 行 の ヨー ロ ッパ 銀 行 に対 す る競 争 的 な参 加 か ら,国 際 資 本 市 場 と して大 き く発 展 す るに 至 った ので あ る。 多 国籍 企 業 の資 金 調 達 の項 で 述 べ た よ うに,ア メ リカ企 業 が 国際 贅 六 市 場 で 調 達 した 長 期 資 金 は 商 務 省 統 計 に は ほ とん どあ らわれ て こな い。 した が って, そ れ らの 長 期 資 金 を 第9表 を も とに 概観 す る こと に し よ う。 借 り手 別 に み る と ア メ リカ企業 が全 体 の4分 の1以 上 を 占め,単 独 の国 と して は 最 も多 い。 他 国 企 業 の 中 に は 国有 会 社 も含 まれ て お り,大 きな 比 重 を 占め て い る。 また表 示通 貨 別 に み る と,ア メ リカ ・ ドル建 て が 最 も多 く,つ い で ドイ ツ ・マ ル ク建 て, スイ ス ・フ ラ ン建 て の順 に な って い る。 債 券 種 類 別 で は 長 期 社 債 が大 部 分 を 占 め て い る。 と ころ で ドル表 示 の比 重 が 低 下 して い る こ とに つ い て は,前 述 した よ うに1969年 か ら対 外 投 資規 制 の緩 和 に 伴 うア メ リカ企 業 の 外 国 資金 依 存 の減 少 と,ド ル に対 す る不 信 感 の増 大 に よ り ドル 建 て の 起 債 が 敬 遠 され た か らで あ ろ う。 これ は また ユ ー ロ ・ボ ン ド市 場 が,ヨ ー ロ ッパ企 業 の参 加 ζ よ り,現 地 企 業,現 地 通 貨 の 比 重 を 増 大 させ,よ り開 かれ た市 場 に な りつ つ あ る こ とを 示 して い る。 【
"第9表 ア メ リカ合 衆 国 外 で の 国際 債 券 発 行 ・ ()は% 単 位 百 万 ドル 発 行 総 額 〔借 り 手 別〕 ア メ リ カ 企 業 他 国 企 業 政 府 国 際 機 関 〔表 示 通 貨 別〕 ア メ リカ ・ ドル ドイ ツ ゲマル ク そ の 他 〔債 券 種 類 別 〕 長 期 社 債 中 期 社 債 定 期 預 金 証 書 転 換 社 債 1965年1967年 1,040 358 (35) 429 (41) 189 (18) 64 (6) 726 (70) 202 (19) 112 (11) 870 (84) 60 (6) 110 (10) 2,002 562 (28) 1,017 (51) 303 (15) 120 (6) 1,790 (89) 161 (8) 51 (3) 1,427 (71) 260 (13) 55 (3) 260 (13) 1968年1969年1970年1971年1972年1973年1974年 3.573 2,096 (58) 952 (27) 5∞ (14) 25 (1) 2,554 (71) 914 (26) 105 (3) 1,108 (31) 480 (13) 75 (2) 1、910 (54) 3,156 1,005 (32) 1,499 (47) 584 (19) 68 (2) 1,723 (55) 1,338 (42) 95 (3) 1,852 (59) 173 (5) 1,131 (36) 2,966 741 (25) 1,659 (56) 351 (12) 215 (7) 1,775 (60) 688 (23) 503 (17) 1.995 (67) 733 (25) 238 (8) 3.642 1,098 (30) 1、967 (54) 479 (13) 98 (3) 2,221 (61) 786 (22) 635 (17) 2,633 (72) 714 (20) 295 (8) 6,366 1,992 (32) 2,929 (46) 1,050 (16) 395 (6) 3,908 (62) 1,160 (18) 1,298 (20) 戸 0 ) 4 1 1 8 , ( 5
一
1,220 (19) 4,193 874 (21) 2,256 (54) 659 (16) 404 (9) 2,447 (59) 1,025 (24) 721 (17) 3,546 (85) 647 (15) 2,.134 110 (5) 1,182 (55) 482 (23) 360 (17) 996 (47) 344 (16) 794 (37) し 。39 /(96) 95 (4)資料=Morgan Guaranty Trust Company of New York,"World Financial Markets"
3. ユ ー ロ市 場 の 将 来 国 際 金 融 資 本 市 場 の 統 合 に は,ユ ー ロ 叱カ レ ン シ ー 市 場 と ユ ー ロ ・ボ ン ド市 場 が そ の 中 心 的 役 制 を 果 し て い る 。 前 述 し たBISの 年 報 に よれ ば,1975年3 月 末 の ユ ー ロ 」カ レ ン シ ー 市 場 の ネ ッ トの 規 模 は2200億 ドル に 達 し た も の と試 算 さ れ て い る 。 ま た ユ ー ロ ・ボ ン ド市 場 はBISの 統 計 に よ る と1972年 に69億 ドル,73年 に は46億 ドル,74年 は33億 ドル と 世 界 経 済 の 弱 体 化 の な か で 減 少 傾 向 に あ る が,こ の 両 者 を 合 わ ぜ た 巨 大 な 金 融 資 本 市 場 は 個 々 の 国 民 経 済 の 枠 外 に あ り,各 国 政 府 か ら ほ と ん ど規 制 を 受 け な い 存 在 に な っ て い る 。 ま た 金 融 資
250 200 150 100 50 多国籍企業 と国際金融資本市場 53 第10表 報告を提出 した ヨー ロッパ8力 国所在銀行の外貨建対外債務 (単位 10億 ドル) 250 〔コ アメリか ドル 囮 ドイツ・マル ク Dス イス・フラン ㎜ その他言繊
囲
・:200 150 100 50 1968 1969 197。 1971 1972 1973 1974 0 NO2199資料:Bank for International Settlements, Annual Report 1975.
本 市 場 の 統 合 が す す ん だ 結 果,種 々 の 市 場 の 長 期 ・短 期 金 利 が そ れ ぞ れ 平 準 化 す る 傾 向 が み ら れ る。 さ ら に 一 国 の 中 央 銀 行 が 国 際 金 融 資 本 市 場 の 流 れ に 反 し た 政 策 を と る こ と が ま す ます 困 難 に な りつ つ あ る 。 と こ ろ で ユ ー ロ 市 場 も1971年 の ドル の 金 交 換 停 止,1973年 の 変 動 制 移 行 と 石 油 危 機,そ れ に 続 く不 況,1974年1月 に 実 施 さ れ た ア メ リ カ の 対 外 投 資 規 制 撤 廃 と 目 ま ぐ る し い 経 済 情 勢 の 中 で 種 々 の 影 響 を 受 け て き た 。 こ こ で は ア メ リ カ の 対 外 投 資 規 制 撤 廃 に つ い て 考 え て み よ う。 ま ず 第1に ア メ リ カ か ら の ユ ー ロ ・カ レ ン シ ー市 場 に 対 す る ドル 供 給 を 増 加 さ せ た 点 が あ げ ら れ る。 特 に 石 油 資 金 が ア メ リ カ に 過 剰 に 流 入 し た と き は 海 外 に 還 流 さ せ る こ と を 可 能 に し た 。 第2に 在 外 支 店 を 通 じ て 行 っ て い た 預 金 ・貸 出 し の 一 部 は 本 店 に も ど さ れ た 。
⑳ Committee on Finance, United States Senate, Implications of Multinational
54 1 5「 し か し,ロ ン ドン の 短 期 市 場 が ニ ュ ー ヨ ー ク に 移 行 され る こ と は,ロ ン ドン 固 有 の 特 別 な 専 門 技 術 と 立 地 条 件 に よ り,ま た ニ ュ ー ヨ ー ク に は 多 く の 規 制 が あ る た め に 可 能 性 は あ ま り な い で あ ろ う。 第3に 規 制 撤 廃 の 結 果,ア メ リ カ 銀 行 は 直 接 ユ ー ロ ・シ ン ジ ケ ー ト貸 付 に 参 加 す る よ う に な っ た 。 結 局 の と こ ろ ユ ー ロ市 場 に お い て,ユ ー ロ ・ポ ン ド市 場 は 縮 小 を 続 け た が,ユ ー ロ ・ダ ラ ー 市 場 に は,あ ま り大 き な 影 響 を 与 え な か っ た と い え る だ ろ う。 ユ ー ロ市 場 は 第 二 次 大 戦 後 に 新 し く発 生 し た 外 貨 建 預 金 制 度 で あ る が,ユ ー ロ ・ダ ラ ー を 中 心 通 貨 と し て 確 立 さ れ た 市 場 独 自 の 信 用 供 与 の メ カ ニ ズ ム は, た と え 他 の 通 貨 が ドル に と っ て か わ っ て も,そ の 機 能 自 体 は 引 き 継 が れ 発 展 し て い く こ と だ ろ う。 V 多国籍企業 と通貨投機 世 界 的 な規 模 で 行 動 す る多 国籍 企 業 に と って,為 替 リス ク回避 は大 きな 課 題 で あ る。 と くに 変 動 相 場 制 下 に お い て は,為 替 リス ク ・ヘ ッジ の巧 拙 が 多 国 籍 企 業 の発 展 に大 き な影 響 を 与 え る こ とに な る。 為替 リス ク ・ヘ ッジ の手 段 ・方 法 と して は,短 期 流 動 資 産 と短 期 流 動 負債 の ス クエ ア維 持,先 物 の売 買,リ7 ズ ・ア ン 』ド ・ラ ッグ ス の実 施,現 地 で の借 入,子 会 社 の増 資 時 期 の調 整,減 資 送 金 時 期 の調 整 等 々あ らゆ る措 置 が と られ て い る。 為 替 リス ク ・ヘ ッジを 実 施 す る 場 合 の 基 本 的 原 則 は,為 替 相 場 変 動 に よ っ て,① 保 有 資 産 価 値 の 減 価 を 防 ぐ,② 保有 負債 価 値 の増 大 を防 ぐと い う二 点 に 集 約 され る。 した が って 為 替 相 場 変 更 が あ って も為 替 差 損 を 出 さ な い次 の よ う な方 法 が あ る。 つ ま り切 り下 げ 可 能 性 が大 きい 国 で の現 地 通 貨 建 負債 を,同 通 貨 建 資 産 額 以 上 に して お くか,切 り上 げ 可 能 性 が 大 きい 国 に お け る現 地 通 貨 建 資 産 を,同 通 貨 建 負 債 以 上 に して お くか に よ って これ が 可 能 とな って くる。 多 国籍 企 業 では 通 常 か ら,こ の よ うな 両 方 の ポ ジ シ ョンを 同時 に採 用 し,こ れ と とも に積 極 的 ヘ ッジ と して,切 り下 げ 可 能 性 の あ る通貨 建 負債 を積 極 的 に増 大 (例:ド ル売 りを 直 物 で 行 な い,そ れ が無 理 な と きは先 物 で売 る)し,切 り上 げ 可 能 性 のあ る通 貨 建 資 産 へ 転 換(例:マ ル ク買 い を直 物 で行 な い,そ れ が 無
多国籍企業 と国際金融 資本市場 55 理 な と きは 先 物 で 買 う)操 作 を 迅 速 に 行 うわ け で あ る。 そ して,多 国籍 企 業 の 親 会 社 て は ヘ ッ ジの ノ ウハ ウを身 に つ けた ス タ ッフを 備 え,・国 際 的 な 取 引 銀 行 と密 接 に 接触 を保 ち な が ら,子 会 社 ・支 社 か ら,月 ・旬 ・週 ∫ と きに よ って は 日 々に 為 替 リス クの対 象 とな る 資産 ・負債 の報 告 を受 け,そ れ を集 計 把 握 しつ つ,意 思 決 定 を全 社 的 見地 か ら行 うの で あ る。 多 国 籍 企 業 は 過 去 数 回 の 通貨 不 安 に お い て投 機 家 とし て重 要 な働 きを した と い わ れ るが1973年2月 か ら3月 に か け て の通 貨混 乱 時 ほ ど投 機 家 と して 注 目を 集 め た と きは な か った とい え るだ ろ う。 多 国籍 企 業 が現 実 に どれ ぐらい 通 貨 投 機 を 行 い,ど れ だ け の 為 替差 益 を得 て い るか の算 定 は極 め て困 難 で あ る。 実 際 上 は 通 貨 投 機 とい うよ りも,通 貨不 安 か ら 自己 の 保有 して い る流 動 資 産 の減 価 を 未 然 に防 ぐとい った 防 衛 的 な 行 動 を と って い る場 合 が多 い と思 わ れ る。 しか し なが ら,防 衛 的 な 意 味 で の為 替 操 作 で あ った に して も,多 国 籍 企 業 の 発 展 に と もな って そ の 資 産 な らび に 使 用 資 金 が 多額 とな り,と きに は一 国 の外 貨 保 有 額 を超 え る よ うな 場 合 もあ るの で,為 替 リス ク ・ヘ ッジ の ため の資 金 移 動 が 為 替 市 場 の不 安 定 を 助 長 させ,固 定 相 場 制 の 崩 壊 を は や め た こ とは 事 実 で あ ろ う。 ま た一 部 の多 国 籍 企 業 が ユ ー ロ市 場 で 多 額 の 投機 資金 を調 達 した こ と も指 摘 され てい る。 多 国 籍 企 業 が 通 貨 投 機 を 行 って い るか ど うか は,防 衛 か 投 機 か の ことば の 問 題 で あ る とい え るだ ろ う。 VI お わ り に 1950年 代 後 期 か らア メ リカ企 業 の 海 外 市 場 へ の 進 出 は,商 品輸 出か ら直 接 投 資 にそ の重 点 を 移 し,1960年 代 を 通 じて ア メ リカ企 業 の多 国籍 企 業 化 は 急 速 に 進 行 した。1960年 代 後 半 か らは,ヨ ー ロ ッパ 諸 国,や や遅 れ て 日本 企 業 が 対 外 直 接 投 資 に よる海 外 市 場 へ の進 出を 図 り,激 し い競 争 を 展 開 す る よ うに な った 。 資 金 調達 面 か らは,在 外 子 会 社 創 業 当初 は 親 会 社 か らの 資 本 調達 が 中心 とな るが,事 業 活 動 の進 展 とと もに 留 保 利 益 や 減 価 償 却 積 立 金 に よ る 自己金 融 が 行 わ れ る と と もに,在 外子 会 社 自身 に よる外 部 資 金 調 達 が 増 大 す る。 外部 資金 調 達 に あ た って は,株 式 発 行(増 資)よ りは 社 債 発 行 また は 借 入 れ の 方 法 が と ら
56 れ る傾 向 が あ る こ とは注 意 を要 す る。 外 部 資 金 調 達 が 増 大 した の は 基 本 的 に は 1965年 以 降 の ドル 防 衛政 策 に よ り,ア メ リカ本 国か らの送 金 が 規 制 され,現 地 資 金 か ユ ー ロ市 場 の 資金 を利 用 せ ざ る を え なか った か らで あ る。 そ して 多 国 籍 企 業 の発 展,多 国 籍 銀 行 の 拡 大,ユ 一 白市 場 の規 模 増 大 は有 機 的 に関 連 す る。 と こ ろで 負 債 に よ る資 金 調 達 を 図 る政 策 的要 因 と して は,第1に 配 当 金 の形 態 で の利 潤 送 金 の場 合 は 現 地 政 府 に所 得 を 申 告 し課 税 を うけ な けれ ば な らな い が,利 子 送 金 の 場 合 は経 費 と して課 税 所 得 か ら控 除 で き,租 税 負担 か ら免 が れ る。'第2に 対 外 負 債 へ の 利 子 支払 い は 現地 政 府 の送 金制 限 を うけず,送 金 額 に 課 税 され る と き も利 潤 送 金 の 場 合 よ りも低 率 で あ る。第3に 株 式 発 行 に よ り資 金 調 達 を行 うと経 営 権 へ の介 入 可 能 性 が生 じ,そ れ らを極 力 回避 し よ う と考 え るか らで あ る。1966年 商 務 省 セ ンサ ス の 結 果 に よれ ば,在 外 子 会 社 の 中 で ア メ リカ株 主 が 少 数 持 分 に と どま って い るの は 総 数 の わ ず か10%程 度 にす ぎず,過 半 数 所 有 子 会 社 の比 重 が 圧 倒 的 に 高 い 。 と くに所 有 比 率95%以 上 の 持 株 会 社 が 全 体 の6割 に も のぼ っ て い る ので あ る。 ま た 多 国籍 企 業 の発 展 と と もに,企 業 内 取 引 の世 界 貿 易 に 占め る割 合 が 高 く な:って い る。 国 際 貿 易 の なか で多 国籍 企 業 に よっ て管 理 され る部 分 が 拡 大 す る こ とは,国 際 市 場 価 格 や 貿 易 決済 に 大 きな 影響 を与 え,さ らに 国際 金 融 資 本 市 場 に 与 え る影 響 も大 で あ る。 今 日で は もはや 多 国籍 企 業 の行 動 を無 視 して は, 国 際 貿 易 や 国 際 通 貨 制 度 の 問 題 は 語れ な い 段階 に な って い る と い え るだ ろ う。 (付記)本 稿 は1975年 度 文 部 省 科学 研 究 費 奨 励 研 究㈹ に おけ る研 究 の一 部 で あ る。 参 考 文 献
〔1〕J,S. G. Wilson&C. F. Scheffer eds.,"Multinational Enterprises Financial and
Monetary Aspects", Netherlands,1974.
〔2〕 United Nations, Dept. of Economic and Social Affairs,"Multinational
Corpor- ations in World Development", Praeger Publishers,1974.
㈱ U.S. Dept, of Commerce, U. S Direct Investments Abroad,1966.
⑳ 奥 村 茂 次 「多 国 籍 企 業 に お け る トラ ン ス フ ァ ー ・プ ラ イ シ ン グ」 『経 済 学 雑 誌 』(大 阪 市 大)第73巻4号,1975年10月 。
多 国 籍 企 業 と 国 際 金 融 資 本 市 場 57
(3〕 R.C. Marston,``American Monetary Policy and the Structure of the Eurodollar
Market", Princeton Studies in International Finance No.34, March,1974.
〔4〕 R.Hellman, The Challenge to U. S. Dominance of The International
Corpora- tion, Dunellen Publishing Company,1970年 〔小 林 ・ 田 口 訳 『多 国 籍 企 業 の 抗 争 』 日
本 生 産 性 本 部,1971年 〕
〔5〕E.W. Clendenning, The Eur(〉 一Dollar Market, Oxford Univ. Press,1970年 〔坂
旧 訳 『ユ ー ロ ・ ダ ラ ー ・ マ ー ケ ッ ト ー 理 論 と 実 証 に よ る 分 析 一 』 日 本 経 済 新 聞 社,
1971年 〕
〔6〕M.Wilkins, The Emergence of Multinational Enterprise, Harvard University
Press,1970年 〔江 夏 ・ 米 倉 訳 『多 国 籍 企 業 の 史 的 展 開 』 ミ ネ ル ヴ ァ 書 房,1973年 〕
〔7〕 M.Z. Brooke and 11. L. Remmers, The Strategy of Multinatinational Enterprise.
Longman Group Limited,1970年 〔海 保 訳 『多 国 籍 企 業 の 戦 略 』 産 業 能 率 短 期 大 学
出 版 部,1975年 〕
〔8〕S.E. Rolfe and W. Damm, The Multinational Corporation in the World
Eco- nomy, Atlantic Council,1970年 〔和 田 ・藤 原 ・ 細 川 訳 『世 界 経 済 と 多 国 籍 企 業 』 日
本 生 産 性 本 部,1971年 〕
〔9〕 J.N. Behrman, National Interests and the Multinational.Enterprise,
Prentice- Hall Inc,1970年 〔中 村 ・村 山 訳 『国 家 利 益 と 多 国 籍 企 業 』 東 洋 経 済 新 報 社,1975年 〕
〔10〕 P.Einzig, The Euro-Dollar System, London,1964,〔 塩 野 谷,大 海 訳 『ユ ー ロ ・
ダ ラ ー 』 東 洋 経 済 新 報 社,1965年 〕
(11〕 ,Parallel Money Markets, Macmillan,1972,〔 東 京 銀 行 調 査 部 訳 『世 界
の 金 融 市 場 』 文 雅 堂 銀 行 研 究 社,1974年 〕
〔12〕 J.C. Baker&M. G, Bradford, American;Banks Abroad, Praeger Publishers,
Inc,1974,〔 原 ・ 臼 井 ・本 多 ・藤 本 訳 『多 国 籍 銀 行 』 ソ ー テ ッ ク 社,1975年 〕
〔13〕 C.P. Kindleberger, The International;Corporation;aSymposium, The M.1.
T,1967年 〔藤 原 武 平 太 ・和 田 和 訳 『多 国 籍 企 業 一 そ の 理 論 と 行 動 一 』 日 本 生 産 性 本
部,1971年 〕
〔14〕H.Martyn, International Business;The Free Press of-Glencoe,1964年 〔吉 崎 英
男 訳 『イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル ・ ビ ジ ネ ス ー 世 界 企 業 の 生 態 と 戦 略 一 』 通 商 産 業 研 究 社,
1966年 〕
〔15〕 E.J. Kolde, International Business Enterprise, Prentice-Hall,1968年 〔山 田 。 野
村 訳 『多 国 籍 企 業 の 経 営 学 』 鹿 島 砥 究 所 出 版 会,1973年 〕
〔16〕 R.Vernon, Sovereignty at Bay, Basic Books,1971年(窪 見 訳 『多 国 籍 企 業 の 新
展 開 一 追 い つ め ら れ る 国 家 主 権 一 』 ダ イ ヤ モ ン ド社,1973年 〕
Educational Publishers,1971,〔 入江 訳 『多 国 籍 企 業 の財 務 管 理 』 中央 経 済 社,1974 年〕
〔18) H.V. Prochnow, The Eurodollar, Rand McNally&Company,1972,〔 柏 木 訳 『ユ
一 口 ・ダ ラ ー』 日本 経 済新 聞 社,1972年 〕 〔19〕 澄 田 ・小 宮 ・渡 辺 編 『多 国籍 企 業 の 実態 』 日本 経 済新 聞社,1972年 〔20〕 世 界 経済 研 究 協 会 『多 国籍 企 業 論 の系 譜 と展 望 』 世 界経 済 研 究 協 会,1972年 〔21〕 中 西 市郎 ・岩 野 茂 道 『国際 金 融 論 の新 展 開 』 新 評 論,1972年 〔22〕 林 直 道 『国際 通 貨 危 機 と世 界恐 慌 』 大 月書 店,1972年 〔23〕 小 島 清 『世 界 貿 易 と多 国籍 企 業 』 創:文社,1973年 〔24〕 世 界 経済 研 究 協 会 編 『国 際 通貨 体 制 の 長 期展 望 』 至 誠 堂,1972年 〔25〕 池 上 惇編 『現 代 世 界 恐 慌 と資本 輸 出』 青 木書 店,1973年 〔26〕 香 西 泰 『現 代金 融 の動 態一 理 論 と政 策 一』 東 京 大 学 出 版 会,1974年 〔27〕 梅 津和 郎 『国 際寡 占 と貿 易 理 論』 法 律 文 化 社,1973年 〔28〕 関 口末 夫 ・松 葉光 司 『日本 の 直接 投資 』 日本 経 済新 聞 社,1974年 (29〕 榊 原英 資 『ユ ー ロ ・ダ ラ ー と国 際 通貨 改 革 』 日本経 済 新 聞 社,1975年 〔30〕 小 野 朝男 ・西 村 閑 也編 『国際 金融 論入 門』 有 斐 閣,1975年 〔31〕'野村 昭夫 『世 界 経 済 と多 国籍 企 業 』 東 洋経 済 新 報 社:,1975年 〔32〕 則 武 保夫 「世 界 イ ン フ レー シ ョン と国 際通 貨 制 度 」 『金融 学 会 報 告41』 東 洋 経 済 新 聞 社,1975年 〔33〕 入 江 猪太 郎 「多 国 籍 企業 に関 す る欧 米 の研 究 文 献 」 『世界 経 済 評 論 』,1972年 〔34) 佐 藤 定 幸 「多 国 籍 企 業 に お け る資 本 調 達 の理 論 と現 実 」 『経 済 研 究 』 (一橋 大)第 、 25巻3号1974年 〔35〕 一,「 多 国籍 企 業 の行 動 と論 理 」 『経 済 研 究』 (一橋 大)第23巻3号1972年 〔36〕 藤 田正 寛 「国際 資 金 とユ ー ロ ・ダ ラ ー」 『経 済 経 営 研 究 第24号 』(神 戸 大),1974年 〔37〕 越 後和 典 「多 国籍 企業 」 〔館 ・建 元 他 編 『国際 金融 講 座 皿一 国際 投 資 』東 洋経 済 新 報 社,1976年 〕 〔38〕 東 洋 経済 近 代 経 済 学 シ リー ズ 「多 国籍 企 業 」 東 洋 経済 新 報 社,1973年7月