電子メールによるコミュニケーションに対する高校生の意識の構造と形成
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(2) 通して探索的に把握した。高校生541名を対象. r両向型」の水準がr不全型」と「両貧型」に. に電子メールの利点・欠点・マナー意識につい. 比べ有意に高くなり,「共有型」の水準が「不全. て自由記述調査を実施した。テキストマイニン. 型」と比べ有意に高くなった。また,マナー意. グを用いた分析の結果,「コミュニケーションの. 識では,利点認識と同様に,『両向型」と「共有. 対象」など利点認識3主題,r誤解によるトラブ. 型」の水準が「不全型」と「両貧型」に比べ有. ルの危険性」など欠点認識8主題,「相手の立場. 意に高くなった。これらの結果から,他者と感. や状況への配慮」などマナー意識5主題がそれ. 情を共有した経験を持つr両向型」やr共有型」. ぞれ抽出された。. の生徒の方が,共有経験を持たないr不全型」. 3.2電子メールに対する意識の構造分析. や「両貧型」の生徒に比べて,電子メールの利. 第3章では、第2章で得られた計16主題と鈴. 点や欠点の認識,マナーに配慮する意識がそれ. 木ら(2007)が示したr高校生のケークイメール. ぞれ高くなる傾向が示された。. 利用時に気をつけていること」項目を参考に,. 利点認識,欠点認識,マナー意識を把握する質. 4.まとめと今後の課題. 問項目を作成した。高校生728名を対象とした. 以上,本研究では,高校生の電子メールに対. 調査の結果,学年の進行に応じて利点認識が減. する意識を利点・欠点認識及びマナー意識から. 衰し,欠点認識が上昇すると共に,マナー意識. 構造的に把握すると共に,その形成要因として. が2年生において低下するV字傾向が認められ. 共感経験との関連性を明らかにした。. た。また,マナー意識に対する利点・欠点認識. 今後は,本研究の追試と共に,さらに関連す. の影響について重回帰分析を行った結果,両者. る要因の探索を進め,生徒の意識実態に基づく. が共にマナー意識の形成に因果していることが. 情報モラル教育のあり方を検討していくことが. 示された。しかし,使用頻度の少ない生徒では. 重要と思われる。. 利点認識の影響力が消失すると共に,トラブル 経験の多い男子では利点認識の影響力が逆に強 まるなど,電子メールの使用実態によって両者 の影響力に差異が生じていることが示唆された。. [文献]. 1〕 内閣府(2007)lr第5回情報化社会と青少年に関する調査」 舳p:〃www8.cao.gojp/youth/kenkyu伽uhou5/g.pdf. 2) 三宅元子(2006):「中学・高校・大学生の情報倫理意識と道. 徳的規範意識の関係」,日本教育工学会論文詩」,30(1〕,. 3.3電子メールに対する意識と共感経験との. pp.51■58.2008 3) 木内奏・鈴木佳苗・大貫和則(2008):rケータイを用いた. 関連性. コミュニケーションが対人関係の親密性に及ぼす影響一. 第4章では第3章で構成した質問項目を用い て,電子メールに対する意識と共感経験との関. 連性を検討した。高校生728名を対象に共感経 験のタイプ別(角田1994)に電子メールに対する. 利点・欠点認識,マナー意識の平均値をそれぞ れ比較した5〕。その結果,利点認識では,r両向. 高校生に対する調査一」,日本教育工学会論文詩, 32(SuppI、),pp.169_172.2008. 4)加藤由樹・加藤尚吾・杉村和枝・赤堀侃司(2008):「デキ. ストコミュニケーションにおける受信者の感情面に及ぼ す感情特性の影響一電子メールを用いた実験による検討 一」,日本教育工学会論文詩,32(Suppl.),pp.一69・172.2008. 5) 月日日豊(1994):r共感経験尺度改訂版(EESR)の作成と 共感性の類似化の試み」,教育心理学研究,42,pp.193−200.. 1994. 型」と「共有型」の水準が「不全型」と「両貧. 主任指導教員 松浦 正史. 型」に比べ有意に高くなった。欠点認識では,. 指導教員 森山 潤. 一413一.
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