『古今和歌六帖標注』翻刻(一七)
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(2) ︵人文科学・社会科学編︶第五十七巻. 翻刻︵一七︶. 第一号. 平成十人年八月. 藤一男. 北海道教育大学旭川枚国文学研究室. 伊. は国歌大観番号を、私家集は私家集大. ︵天保二年−一人三一−序︶を翻刻した。中. ﹃古今和歌六帖標注﹄. 北海道教育大学紀 要. ︻概要︼ 山本明清﹃古今 和 歌 六 帖 標 注 ﹄ に引用されている 和 歌 に 、 ¶ 万 葉 集 ﹄. 成の歌番号を、その他は新編国歌大観の歌番号を付した。 なお、今回は、第五帖、服餅のうち、枕・手枕・機・衣・塩焼衣・夏衣・ 秋衣・衣椿つ・狩衣・摺衣・麻衣・革衣・濡衣・雑の衣・襖・裳・紐・帯・ 火取り二言の葉・文・琴・笛・弓・矢・太刀・刀・鞘・秤・扇・笠・蓑・か. ︵﹃北海道教育大学紀要︵人文. ︵﹃語学文学﹄第三六号一九. ︵﹃旭川国文﹄第一三号一九九. たみ・つとの三四項目を、色のうち、色の一項目を収めた。. ﹁﹃ 古 今 和 歌 六 帖 標 注 ﹄ 翻 刻 ︵ 三 ︶ ﹂. ﹁﹃古今和歌六帖標注﹄翻刻︵二︶﹂. C本箱は、﹁﹃古 今 和 歌 六 帖 標 注 ﹄ 翻 刻 ︵ 一 ︶ ﹂ 七年一一月︶ 九人年三月︶. 科学・社会科学編︶﹄第四九巻第一号一九九人年八月︶、以下、同紀要、第 五〇巻第一号︵一九九九年八月︶・第五一巻第一号︵二〇〇〇年八月︶・第五一 巻第二号︵二〇〇一年二月︶・第五二巻第一号︵二〇〇一年九月︶・第五二巻第. 二号︵二〇〇二年二月︶・第五三巻第一号︵二〇〇二年九月︶・第五三巻第二号. ︵二〇〇三年二月︶・第五四巻第一号︵二〇〇三年九月︶・第五四巻第二号︵二. 〇〇四年二月︶・第五五巻第一号︵二〇〇四年九月︶・第五五巻第二号︵二〇〇. 五年二月︶・第五六巻第一号︵二〇〇五年九月︶・第五六巻第二号︵二〇〇六年. 二月︶所載の︵四︶∼︵一人︶を受けるものである。. まくら. まくらより又しる人もなき恋を涙せきあへずもらしつる哉. ︵副恋一︵吾四︶よみ人しらず・前掛︵二軍︶ に舌. は古∵新ばかりぞ新とも新 三二三〇 我恋を人しらめやも敷妙の枕のみこそしらばしるらめ. 三二≡. するがのうねへ ︹伝未詳︺ け方. 敷妙の枕曙ぺゞるなみだにぞうきねをしつる恋の繁きに. よりくるエ. ︵同三︵一≡一一︶貞文︶. 三二三二. つるエ. いかばかり思ふ妹かも敷たへの枕かたさり夢にみえこし. くそばく方ひけめ方. ︵卦四︵五呈︶. 三二三三. ︵同︵六三三︶︶. ︻頭︼契沖云、﹁﹃管見抄﹄ に、﹁此うた、﹁枕不去﹂ の ﹁不﹂を﹁片﹂に書. 誤りたるなるべし﹂とあり。いかさまにもよく心づけるものなり。巻五 ︵八〇九︶のうたに、. 多陀ホ阿波須阿良久毛於保久志岐多聞乃麻久良佐良受碇伊米ホ之美延牟. 此歌を澄とすべし。しかれば、よる︿枕さらずして、思ふ人の夢にみ. 夕されば枕さだめんかたもなしいかにねし夜か夢にみえけん. ゆるといふ意也。 よひ︿に舌. 三二三四. ︵副恋一︵至大︶よみ人しらず・掛掛︵三空︵︶︶.
(3) 伊 藤 一 男. 三二三五. たまぬ し に 玉 は さ づ け て か つ ︿ も 枕 と 我 は い ざ ふ た り ね ん. 妹をこひわがなく涙しきたへの枕とほりて袖さへぬれぬ. 人麿. ︵矧四︵六 五 二 ︶ 大 伴 坂 上 郎 女 ・ 対 雑 十 四 玉 ︵ 妻 三 ︶ ︶. に方 ぞひちぬる吉本 三 二 三 六. みちの く の 栗 こ ま 山 の ほ ゝ の 木 の ま く ら は あ れ ど 君 が 手 枕. う夫. ︵同十一︵二 五 男 ︶ ・ 矧 副 恋 四 ︵ ≡ 二 五 ︶ ・ 古 本 ﹃ 人 丸 集 ﹄ 富 四 一 ︶ ︶. 三二三七. ﹃和名抄﹄木類、﹁﹃本草﹄云、厚朴、一名厚皮︹﹃楊氏漢語抄﹄云. ︵対雑十四︵ 蓋 〇 二 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. ︻頭︼ はやくあけなん舌. しきたへのまくらうごきていねられず物思ふこよひ早明んかも. 厚朴、保々可 之 波 乃 木 ︺ ﹂ 。. 三二三人. 独ぬる こ ゝ ろ は 今 も 忘 れ ず と つ げ の ま く ら は 君 に し ら せ よ. ︵卦十一︵二 五 九 三 ︶ ・ 古 本 ﹃ 人 丸 集 ﹄ ︵ Ⅲ 塁 一 ・ Ⅲ 芙 七 ︶ ︶. 三二三九. 人こひ て ぬ る 春 の よ は 敷 妙 の 枕 ね ぎ め に な が れ H ぬ べ し. ︻頭︼又云、﹁﹃兼名苑注﹄云、黄楊︹和名豆介︺、色黄白、材堅者也﹂。 三二四〇. 三二四一ひとりね の 床 に た ま れ る 涙 に は 石 の 枕 も う き ぬ べ ら な り. し方. 枕とて 草 引 結 ぶ こ と も せ じ 秋 の よ と だ に た の ま れ な く に. ︵対雑十四 ︵ 蓋 〇 三 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 河 須 磨 ︵ 喜 一 ︶ み つ ね ︶. 三二四二 ︵第四︵二四二 四 ︶ 己 出 ︶. を方. 蝉賠出以レ陰﹂。. きりぐ す 待 よ ろ こ べ る 秋 の 夜 の ぬ る し る し な き 枕 と わ れ は. こほろぎの 方. 三二四三 ︵矧十︵二二盃︶ ︶. ︻頭︼. ﹃文 選 ﹄ 王 褒 聖 主 得 二 賢 臣 一 項 云 、 ﹁ 撼 蜂 侯 レ 秋 吟 あた舌. 旅にし て 朝 ね す る よ の 恋 し く は 我 家 の か た に ま く ら せ よ 君 ︵Ⅲ二三七︶︶. 紅のやし ほ の 衣 な る ゝ ま で い か で 手 ま く ら ま か ん と ぞ お も ふ. たまくら. ︵矧十一︵二 大 三 二 ︶ ・ 対 雑 十 四 ︵ 妻 七 一 ︶ 人 丸 ︶. ゆひしひもとく日をとほみ敷妙のわがこまくらに苔おひにけり. へる方 と か ん ひ 方. ︵古本﹃人丸集 ﹄. 三二四四. 三二空. 三二塁. 三二男. 三二塁. 三二男. 三二男. をもするか方. まきてねなん方. ひものをの. 方・古. くともなしに 舌. しるしなき恋もする哉夕されば人の手枕まかん子ゆゑに さだめゝや 舌. ︵矧十一︵二五九九︶・古本﹃人丸集﹄︵ナシ︶︶. 今さらに君が手枕まきねめやわがした紐のとけつゝもとな ︵同︵二大一一︶・同︵Ⅲ実一︶︶. 妹方. うつくしき人のまきてし敷妙の我手枕をまく人あらめや ︵同三︵四三人︶大伴旅人︶. せきなくばかへりにだにもうちゆきて君が手枕巻てねましを ︵同六︵一〇三六︶家持︶. ︻頭︼契沖云、﹁﹁かへりにだにも﹂は、俗に立がへりにゆきて来んといふ. 可弊利ホ大仁母. 宇知由吉底. 詞とおなじ。﹃万葉﹄十七︵三九七人︶同人長歌に、. 近在者. ﹁かへり﹂も同意也。. を方・夫みけしにぬひあへんかも方・夫. かく計こひんものぞと思はねば妹が手枕まかぬよもありき. 人丸. わぎも子がこざりし宵は打わびてわがたまくらを我ぞしてねし. とみえたる 三二五〇. 三二五二. ︵第四︵三大三︶己出︶. はた. 足玉も手だまもゆらに織機は君が衣にたゝんとぞおもふ. おる新. よ袖. さほ姫のおりかけさらす薄はたの霞たちきる春の野べ哉. も新. Ⅲ二〇七︶・童︵五三︶. ぬはん青 ︵矧十人︵二〇六五︶・対雑十四玉︵妄≡三よみ人しらず・﹃赤人集﹄︵1三二大・. 三二五三. 三二毒. ︵軌跡春上︵一人︶曽根好忠・矧十九︵九七七︶︶. ︻頭︼契沖云、﹁今案ずるに、此﹁さほ姫﹂のうた、﹃曽丹集﹄にもみえず。. 水ひきの白糸はへておる機は旅のころもにたちやかさねん. 京極黄門、何によりて好忠と定め給ひしにか、おぼつかなし﹂。 三二五五. ﹃河社﹄ 四云、﹁﹁水ひきの白糸﹂とは、麻をば水にひたして後皮を. ︵矧帝旅︵一三五大︶菅原右大臣︶. ︻頭︼.
(4) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一七). むく故也﹂。. ﹃毛詩﹄. 陳風東門之池篇云、﹁東門之池. 可二以謳一レ麻. 彼美淑姫. 秋風の ふ き た ゞ よ は す 白 雲 は た な ば た つ め の あ ま の 衣 か も. 与暗歌一﹂。. 三二五大 ︵卦十︵二重 ︶ ・ 矧 鳳 凰 秋 上 ︵ 二 五 二 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. たなば た の い ほ は た た て ゝ お る 布 の 秋 さ り 衣 誰 か と り 見 ん. 幾千機 お れ ば か 秋 の 山 ご と に 風 に み だ る ゝ に し き な る ら む. たてぬきに身をばうむともあさはたのおりては君に逢じとぞ思ふ. 俺ヲカヌ. ︵同︵二〇三四︶・﹃赤人集﹄︵1二九人・Ⅲ真︶・対秋一︹七夕︺︵三九七一︶赤人︶. 三二五七. 三二芙 三二五九. いそはたに思ふ心ぞみだれぬる人をつらしとうらみきぬれば. ︵矧秋下︵四 〇 二 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三二大〇. 可二. 力. 夫. ︻頭︼﹁いそはた﹂は﹁五十機﹂か。又おもふに、﹁威はた﹂と有けんを﹁磯一. ︵Ⅰ六一一︶. と書あやまり 、 や が て 仮 字 に さ へ 害 し に も あ ら ん か 。 ﹃貫之集﹄. しっはたにみだれてぞ思ふ恋しさはたてぬきにしておれるわが身か ころも ことなさん方. 三二大一紅のこぞ め の 衣 し た に き て う へ に と り き ば し る か ら ん か も. も 方∴凧. ころもはめにつきて方 あ夫は夫 いまつくるまだらの衣のおもつきにわれにおもほゆいまだきねども. ︵︵﹃万葉 集 ﹄ 巻 七 一 三 三 ︶. 三二大二. ころものおもかけに夫. ﹃万 葉 ﹄ 十 一 ︵ 二 八 二 八 ︶ ヒトノミラクニ. イデン. ︵同︵一二九 九 ︶ ・ 対 雑 十 五 夜 ︵ 三 雲 芙 ︶ よ み 人 不 知 ︶. ︻頭︼ コゾメ. 紅之深染乃衣乎下著者人者見久ホ仁宝比将出鴨. いや. 衣しもおほくあらなんとりかへてきてばや君が面わすれせん. れはすれども. 凪. たち花の 島 に し を れ ば か は と ほ み さ ら さ で ぬ ひ し 我 し た 衣. 人和. ︵同十一︵二人二 九 ︶ ︶. 三二大三. 三二盃. 方. からあゐのやしほの衣あさな︿なるとはすれどましめづらしみ. くれなゐ. ︵同七︵一 三 童 ・ 対 雑 五 島 ︵ 豆 三 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三二大五. ︵万十一︵二六二三︶・風恋二≡完︶・夫雑十五衣︵妄五空︶よみ人しらず︶. ︻頭︼ ﹃万葉﹄十二︵二九七一︶ ナレハ スレドモイヤメヅラ シ モ オオキミノ ア マ. ﹃拾遺﹄恋二︵七一六︶. 貫之. ひぐらしに噂ともあやなから衣袖こそひちめ恋はさめじを. 大王之塩焼海部乃藤衣桟者錐為弥希将見毛. 三二大六 ︻頭︼. 三二歪. ほしも. 方・奥. 古衣すてつる人は秋風のふきたつときにもの思ふものを. あひみても猶なぐさまぬこゝろかないく千夜ねてか恋のさむべき うつてし方たちくる方∵夫ぞ方 うちすて夫. ぞ 奥. つくばねのにひくはまゆの衣はあれど君がみけししあやにきましを. ︵矧十一︵二六二大︶・対雑十九衣︵妻五三人丸︶. 三二天. ﹃和名抄﹄蚕糸具﹁﹃唐約﹄云、橡︹和名久波方由︺桑繭即桑蚕也﹂。. ︵同十四︵三三吾︶・同︵妄五三・口︵二歪︶・奥︵三大〇︶︶. ︻頭︼. このころ方む方も方む方 三二大九 秋風の寒き日比は下にきて妹がかたみとかつは忍ばせ. いとはやも鳴ぬるかりかふる衣あらためきせん妹もあらなくに. ︵同人︵一大二六︶坂上大娘︶. ≡L一吉. ︻頭︼第二帖もり︵一〇五二︶. いとはやも鳴ぬるかりかこがのもり木にはふくずも紅葉あへなくに. いとせめて恋しき時はぬば玉のよるの衣をかへしてぞきる. 小町. 三二七一さよ中のね覚︿に起ゐつゝかへすころものうらぶれにけり. 三二七二. ﹃後拾遺﹄恋四︵七人三︶ 清原元輔. なぐさむと誰かいひけん唐衣かへすに恋の増りける身を. ︵副恋二︵五富︶・家︵1完・Ⅲ喜︶︶. 三二七三 ︻頭︼. なぐさむる心はなくて夜もすがらかへすころものうらぞぬれける. たゞふさ なほざり後 三二七四 いつはりの涙なりせば唐衣しのびに袖はしぼらざらまし ︵副恋︵五芙︶・矧対︵云︶︶. 貫之.
(5) 伊 藤 一 男. 三二蓋. 三二芙. たゝましものをたもとゆたかに朗. 敷島のや ま と に は あ ら ぬ 唐 衣 こ ろ も へ す し て 逢 よ し も が な ︵同恋四︵六九 七 ︶ ・ 家 ︵ 1 票 九 ︶ ︶. さ朗. ︵二二〇︶. たゝましものを新. うれしきを何につゝまん唐ころもたもとゆたかにたてといはましを. ﹃大和 物 語 ﹄. ︵同雑上︵八 大 五 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 前 掛 ︵ 三 重 ・ 掛 矧 ︵ 七 二 三 ︶ ︶ ︻頭︼. 白妙の 衣 の 袖 を う ち か へ し 独 さ ね け ん し る し あ ら ば や. くさまくらちりはらひにはから衣たもとゆたかにたつをまてかし 三二七七 とものり かり舌. はつ︿にみてしから方. 三二人○. ︵一人六︶. ︵同十二︵二九大五︶︶. 塩やき衣. きみが舌. いせの海士のしほやき衣をさをあらみまどほにあれやいまだきまさぬ. すま古. 三二人五. たれ古本ぬれど方 三二人六 しかのあまの塩焼衣なれゆけどこひてふものはわすれかねつも るれども 絞. ︵副恋五︵七芙︶よみ人しらず︶. 筑前つゝ古本. ︵矧十一︵二大二二︶・矧副恋四︵一二二大︶・夫雑十七海人︵一大六五五︶・古本﹃人丸集﹄. ﹃古今﹄恋五︵八一二︶. よみ人しらず. 伊勢の海士の塩焼衣なれてこそ人の恋しきこともしらるれ. ︵Ⅲ望○︶︶. るといへど夫. 三二人七 ︻頭︼. なれゆくはうき世なればやすまのあまの塩やき衣まどほなるらむ. あふことのもはらたえぬる時にこそ人のこひしきこともしりけれ 三二人人. す後. いせの海塩やくあまの藤衣なるとはみれどあはぬ君かな. に. ︵矧副恋三︵一二豆斉官女御・家︵1人二・¶一二・Ⅲ六・Ⅳ三・四四︶︶. 三二人九. ︵矧恋三︵芸四︶みつね・﹃伊勢集﹄︵1三人六・Ⅲ三九〇・Ⅲ四三四︶︶. 貫之. ぬものを家などわがそでの新・家. 伊勢のあまの塩焼衣のなれなばか一日も君をわすれておもはん. すま方. 三二九〇. たまもかるあまとはなしに君こふる我衣手はかわく夜もなし. 自たへの袖のかたはしみるからにかゝる恋をも我はするかな. 人まろ. よひ︿ に ぬ ぎ て わ が ぬ る 唐 衣 か け て お も は ぬ 時 の ま も な し. 三二七九. ︵副恋二︵五九 三 ︶ ・ 家 ︵ 四 四 ︶ ︶. 三二七人. も方 ︵矧十一︵二四 三 ︶. みるめ拾の拾二号と き 拾 き 拾 二 号. ﹃伊勢 物 語 ﹄. ︵掛恋一︵六 大 七 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 酎 ︵ 芙 ︶ ︶ ︻頭︼. ︵卦六︵九塁山部赤人︶. 夏衣. コ[モデハ. ヒルトキナキカ. ︵卦十︵要四︶・矧副恋五︵喜五︶人丸・家︵1七二・Ⅲ三四二・Ⅲ五三・﹃赤人集﹄. ひるときも 方. 夏草の露分ごろもきもせぬに我衣手のかわくときなき ひるよしも赤. ︵1二大七・Ⅲ忘七︶︶. キ ヌ ヲ. ﹃万葉﹄七︵一三七一︶. ︵一人六︶. よみ人しらず みるめかるあまとはなしに君こふる下同. ﹃拾遺﹄恋一︵六六七︶. 風ふけばとはに披こすいはなれやわがころも手はかわくときなき. ﹃伊勢物語﹄. 久堅之雨ホ波不著乎惟毛吾袖者干時無香. ︻頭︼. 三二空. 三二人一朝なげにゆふけをとふとぬさにおくにわか衣手は又ぞつらぬく. 風ふけばとはに披こすいはなれやわが衣手のかわくときなき あはなく方∵夫きり 夫 ぐ ぺ き 方 ・ 夫. 宮人の す れ る 衣 に ゆ ふ た す き か け て 心 を 誰 に よ す ら む く方. ︵矧十一︵二大二五︶・対雑十四祓麻︵岳七一︶・又十人占︵至芸よみ人しらず︶. 三二人二 し方. つるばみのきぬきる人はことなしといひし時よりきまほしみおもほゆ. ︵第一︵二三︶ 己 出 ︶. 三二人三 ︵矧七︵一三三 ︶. ︻頭︼﹃和名抄﹄染色具﹁﹃唐駒﹄云、橡︹和名都流披美︺轢実也﹂。契沖云、 ﹁つるばみはくぬぎの実なり。清少納言に﹁おそろしきもの、つるばみ われこひめやも方. 橡のあ は せ の 衣 の う ら に せ ば 我 恋 め や は 君 が き ま さ ぬ. ころもの方. の実﹂といへり。俗にどぐりといふ。そのかはにてそめたる也﹂。 三二人四.
(6) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一七). ﹃新古今﹄ 恋 五 ︵ 一 四 二 八 ︶. 同. なつ衣うすき心ときくからにことのはさへやもれんとぞ思ふ. 今よりはあは じ と す れ や 白 妙 の 下 同 三二九二 夏ごろも薄きながらぞたのまるゝひとへなるゝも身に近ければ. しも拾. 三二九三. 貫之. なつ衣 し ば し な た ち そ 郭 公 鳥 な く と も い ま だ 聞 え ざ り 烏. ︵掛恋三︵人 二 三 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三二九四. 我背子 が 衣 の す そ を 吹 か へ し う ら め づ ら し き 秋 の は つ 風. 秋の衣. わがた め に う す き 心 の た ゝ れ せ ば 夏 の 衣 に た ゝ ま し も の を. ︵家︵1七人︶︶. 三二九五. 三二九大. あき風 を 寒 み に は あ ら ず 返 し き て 恋 な ぐ さ め ん 衣 か せ き み. ︵第一︵一三〇 ︶ 己 出 ︶. 三二九七. 秋のよ の 月 の 影 こ そ 木 の 間 よ り 落 ツ 葉 衣 と 身 に う つ り ぬ れ. おつれば衣とみえわたりけれ新∴カけ後. 三二九人. つらゆき る新・家. 草枕夕風さむくなりぬるを衣うつなり宿やからまし. にけり新. ︵新勅秋下︵三二三︶貫之・家︵1二五︶・朗︵三雲︶︶. 三三〇四. おなじ に薪∵家夜新・家. かり鳴て吹風寒み唐衣きみ待がてらうたぬ日ぞなき. し家. ︵矧副蒔旅︵九〇五︶・家言≡︶. 三三〇五. うめの後. 吹風にちらすもあらなん桜花わがかり衣ひとよやとさむ. かり衣. ︵同秋下︵買一︶・家︵1二大二︶︶. 三三〇六. 山城. おきなさび人なとがめそかり衣けふばかりとそたつも鳴なる. ︵矧春上︵二五︶よみ人しらず︶. 三三〇七. フ. ク ロ コ レ ハ タ ハ リ ヌ ス リ フ ク ロ イ マ. ﹃万葉﹄十人︵四一三三︶. 右芹川の行幸に在中納言かり衣に鶴すれり. ︵第二︵一三突︶己出︶. リ. ︻頭︼ ハ. 今案ずるに、﹁翁さひ﹂とよみたるうた、これはじめ欺。﹁翁さひ﹂とい. ︵歪○︶に. ﹁左中 将 善 朝 臣 ﹂ と あ り ︶. ふ詞の説は、第二︵一三九六︶にくはしくいへり。. ︵矧秋中︵三人︶よみ人しらず・矧︵≡一︶・新万︵三大二︶・﹃一字﹄. 彼のあやをいたくな風のおりよせそ衣にたゝん我つまもなし. は. 三二九九. 芹河行幸は、﹃日本後紀﹄弘仁紀にはしめてみゆ。その後、芹河行幸度々. よみ人しらず. かり衣心のうちにほさなくになどかみだれて物おもひする. ひなし云々﹂。. 三三〇人. つらゆき みだれては舌. ハ エ テ シ カ. 顕昭云、﹁芹川野行幸といふは、鳥羽の南のせりかはといふことうたが. あり。. わぎも 子 が 衣 な り せ ば 秋 か ぜ の 寒 き こ の 比 下 に き ま し を. は包まさり拾・家. 三三〇〇 ︵第一︵竺一 ︶ 又 わ が せ こ の 条 ︵ 三 言 五 ︶ 己 出 ︶. 衣うつ かり家. 三三〇一風寒みわ が 唐 衣 う つ と き ぞ 萩 の 下 葉 も う つ ろ ひ に け る. ﹃古 今 ﹄ 秋 上 ︵ 二 一 一 ︶. ︵掛秋︵云︶ 貫 之 ・ 家 ︵ 土 人 ・ Ⅲ 童 ︶. ︻頭︼. ︵矧恋一︵喜五︶・古本集︵ナシ︶︶. すり衣. たがためにうつとかはきく大空に衣かりがね噂わたるなり 三三完 春日野の若紫のすり衣しのぶのみだれかぎりしられず しるかな新・家・朗 唐衣うつ声きけば月清みまだねぬ人を空にこそきけ ︵矧副恋一︵九蓋︶業平・家︵1七七・具一・m童・例︵一︶︶. 素性. 夜をさむみ衣かりがねなくなへにはぎの下葉もうつろひにけり. (=⊃ (=⊃. オ キ.
(7) 伊 藤 一 男. ≡三言. たかことのはかしけくあるべき舌. すり衣き る と 夢 み つ う つ ゝ に は い づ れ の 人 の こ と か し け ゝ ん ︵矧十一︵二 大 三 ︶ ・ 古 本 ﹃ 人 丸 集 ﹄ ︵ 墨 ハ 九 ・ Ⅲ 竺 三 ︶. 三三七. とこしへに夏冬ゆけやかは衣あふきはなたす山にすむ人. ︵同九︵一六人二︶・対雑十五衣︵妻主よみ人しらず︶. ︻頭︼. ぬれぎぬ. くしげひらき あ け つ と 夢 に し み ゆ る ﹂ 、 又 ︵ 六 〇 五 ︶. 女倍芝秋在名緒哉立沼濫置白露緒潤衣丹服手. ︻頭︼契沖云、﹁﹃万葉﹄第四︵五九一︶に、﹁わがおもひを人にしらすや玉. ふと夢にみつ何のさとしそも君にあはんため﹂、これらに准するに、摺. 今案するに、ぬれ衣といふこと、此歌やはじめなるべき。また ﹃後撰正. シ. アキナレナ ヲ ヤ クテヌ ランオクシラツユヲ ヌレキヌニ キ. 三三人. なほきたれ海士のぬれ衣我ほさんよそふる人のにくからなくに. 君によりあまのぬれ衣我きたり思ひにほせどひるよしもなし. カミモ. テ. ニクミス ヨシヱ ヤ シ ヨ ソフルキミガ ニクカラナ ク ニ. ﹃万﹄十一︵二人五九︶. 中将内侍. 倣ヲカヌ にくからぬ人のきすなるぬれ衣はいとひがたくもおもほゆるかな ﹃後撰﹄恋五︵九五六︶. ﹃大和物語﹄ ︵人○︶. 雨ヲカヌ とひしぼる人もなき身の姑衣はあめの下にそふりてきせける ︻頭︼. のがるとも誰かきざらんぬれ衣あめの下にしすまんかぎりは. ぬれきぬと人にいはすな菊の露よはひのぶとそ我そぼちつゝ. よそにてもにくからずたにあらばこそしほる︿もぬれ衣をきめ. 三三二二. 三三二三. 夜とゝもに我ぬれ衣となるものはわぶる涙のきするなるへし. ≡三二大. 雑の衣 山城. 都出てけふみかの原いづみ川かは風寒し衣かせやま. いま更にこふとも君に逢んかも衣かへす夜夢にみえつゝ. なる、といふ意につけたるにはあらず﹂。. ︻頭︼契沖云、﹁都を出てけふみる、といふ意につゞけたり。今日三日に. ︵副帝旅︵四〇人︶よみ人しらず・前掛︵云︶︶. 三三二五. ︵矧雄三︵喜二︶よみ人しらず・﹃伊勢集﹄︵1垂・Ⅲ垂・Ⅲ垂︶︶. 三三二四. るイ. 三三三. にくからぬ人のきせけんぬれ衣は思ひにあへす今かわきなん. ︻頭︼. 三三二〇. 争者神毛悪為縦咲八師世副君之悪有莫君ホ. アラソヘハ. ︻頭︼. 三三九. にぬれぎぬの釈をくはしくいへり。こと長ければ略之。. ヲミナヘ. ﹃新撰万葉﹄ ︵五五〇︶. 衣はさまぐの紋所みたれする物なれは、それをきると夢にみるは他言. 義﹄. ﹁叙太刀身にとりそ. のおほき相 、 と 古 の 諺 に い ひ け る な る べ し ﹂ 。. ︵同七︵一真︶・矧刊秋下︵五二七︶人丸・丸秘二萩︵四一重よみ人しらず︶ むとおもふ舌. みちのく の し の ぶ も ぢ す り 誰 故 に 乱 れ そ め に し 我 な ら な く に. 三三一住吉の遠里小野の真萩もてすれる衣のさかりすぎ行. 三三二. しのぶもぢ摺の事は、﹃袖中抄﹄十人、﹃玉かつま﹄巻五にくはしく. ︵副恋四︵七二 四 ︶ 河 原 左 大 臣 ・ 例 ︵ 二 ︶ ︶. ︻頭︼. あさごろも. てき拾. ︵第三︵妄ハ六 ︶ 己 出 ︶. ちゝわく捨 わか夫. は方. ことし行 新 島 守 の あ さ 衣 か た の ま よ ひ を 誰 か と り み ん. さき方. ︵矧七︵一二九人︶・掛雑上菅五︶・﹃人丸集﹄︵Ⅲ二五二︶・対雑十五衣︵妄七七︶︶. 千名には も 人 は い ふ と も お り つ か む 我 は た も の ゝ 白 き 麻 衣. とにかくに 夫. に拾・人. あさりする海士をとめ子が袖なれやぬれにし衣ほせどかわかす. みえたり。. 三三三. 三三四. 三三妄. ︵同︵云五 ︶ ・ 対 雑 五 衣 ︵ 妻 盃 ︶ よ み 人 し ら ず ︶ ︻頭︼契沖云、﹁﹁新さき守﹂とよむべし。﹃書紀﹄天智紀云、﹁三年於二対馬、 壱岐島、筑紫国等一置二防与一レ蜂、又於二筑紫一築二大捏一、貯レ水、名目二水. あさ方. 麻衣きれ ば な つ か し 紀 の 国 の い も せ の 山 に を ま け わ き も 子. 乙麿卿. 城二不云﹂。 是 さ き 守 を 置 れ た る は じ め 也 ﹂ 。. 三三大. ︵同︵一完五︶ 藤 原 卿 ︶. かはごろも.
(8) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一七). 三三二七. を拾を拾. 白妙の 妹 が 衣 に う め の 花 香 に も 色 に も わ き ぞ か ね つ る. こゝろ後. し方. を重 体とゞめ童 そらに と ぶ 天 の 羽 衣 え て し が な う き 世 の 中 に か ら も 残 さ し. ︵掛春︵主貫 之 ・ 軌 跡 ︵ 人 五 ︶ 深 養 父 ︶. 三三二人 か後. 梅の花 香 を ふ き つ く る 春 風 に 衣 を そ め は 人 や と が め む. ︵劃︵実○︶︶. 三三二九 ︵矧春上︵ 三 ︶ よ み 人 し ら ず ︶ ふすま ふせ方. あつふすまなごやが下にねたれども妹としねゝははだへ寒しも こせね方・夫. 庭にたつあさてこふすまこよひたに妻よひこさぬあさてこふすま. ︵矧四︵五二 豊 京 職 藤 原 夫 人 ︶. 三三三〇. 三三三. きへ人のまだらぶすまにわたさわたいりなましもの妹がをどこに. ︵同十四︵ 三 塁 四 ︶ ・ 対 雑 十 三 玉 庭 ︵ 要 0 0 ︶ よ み 人 し ら ず ︶ わに方. 三三三二 ︵同︵三三富︶ ・ 同 冬 ︵ 三 三 三 二 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. すそ方=市. ︻頭︼契沖云、﹁﹁きへ人﹂は女をさす。難波人の類なり。﹁をどこ﹂は﹁小. 裳 なげく舌. 立ておもひゐてもそおもふ紅のあかもたれ引いにしすがたを. 床﹂也﹂。. 三三三三. ゾ. キ. フルコトハ. クエズ. ﹃源氏﹄真木在巻云、﹁あかもたれ引いにし姿を、とにくげなるふる. ︵同十一︵二 五 吾 ︶ ・ 軌 跡 恋 四 ︵ 人 四 〇 ︶ ・ 古 本 ﹃ 人 丸 集 ﹄ 富 四 二 ︶ ︶. ︻頭︼. ︵豊〇五︶︶. トシヲ. 山吹の に ほ へ る 妹 か は ね す 色 の 赤 も の す か た 夢 に み え つ ゝ. ことなれど 、 御 こ と ぐ さ に 成 て な ん な か め さ せ 給 ひ け る 云 々 ﹂ 。 三三三四 ︵同︵二七人六 ︶ ・ 古 本 ﹃ 人 丸 集 ﹄. ︻頭︼ ﹃万葉 ﹄ 十 二 ︵ 三 〇 七 四 ︶ ハ ネ ズ イロノ ウツロヒヤスキコ、ロアラパ. 唐様花色之移安情有者年乎曽寸経事者不絶而. ﹃書紀﹄. 天武紀云、﹁十四年秋七月、初走二明位己下進位己上朝服一浄位. にも ﹃万葉﹄ にも出. ﹁はねず﹂ の和名を、さしも大才なる順朝臣、﹃和名抄﹄ にはもら. 己上並著二朱筆一︹朱華此云波捏揺︺﹂。かく﹃書紀﹄ たる. されけん、いぶかし。こ、に﹁はねず色の赤も﹂といひ、又 ﹃万葉﹄ 八. ︵一四人五︶に﹁夏まけて咲たるはねず﹂、又十二︵三〇七四︶に﹁うつろ. 人めもる君かまに︿我ともにはやく起ゐてもの裾ぬらす. ひやすき﹂などあるをみれば、赤き花にて夏咲ものとみえたり﹂。 三三三五. ︵暁におくの条︵二七三五︶己出︶. はしきやしあはぬ子故にいたづらに此川のせにものすそぬらす. 人まろ. 三三三大. いかならんひの時にかもわきも子かもひきの姿朝明に見む. にけ風∴カ. 三三三七. なにせんにへたのみるめを思ひけん奥津玉藻をかづく身にして. ︵風恋一︵萱二大︶よみ人しらず・ガ十二︵二人九七︶︶. 三三三人. ︵矧雄一︵歪九︶くろぬし︶. ︻頭︼ ﹃万葉﹄十二︵三〇二七︶ アフミ ノ ウミヘ タ オハ キッ. 思ふともこふともあはん物なれやゆふてもたゆくとくるしたひも. ひも. 淡海之海辺多波人知奥浪君乎置者知人毛無. 三三三九. ﹃奥義抄﹄ 下云、﹁人に恋らるゝ人は、下紐とくるといふことのある. ︵副恋一︵五言よみ人しらず・前掛︵三三二︶・古本﹃信明集﹄︵Ⅲ量︶. ︻頭︼. 也。されば思ふともこふともわれはあふまじきを、それもしらず恋るに をぐるまの続=市本・奥・袖. め古. と紀. きみひとりなり. さゝらがた錦のひもをときそけてあまたはねごよ只一夜のみ. さ紀. やあらん、ゆふてもたゆくとくる、とよめるなり云々﹂。 三三四〇. いとイ. ︵﹃允恭紀﹄御製︵六大︶・矧副恋三︵≡二︶・古本﹃人丸集﹄︵豊五五︶・矧︵六二大︶・ 袖︵六〇五︶︶. 下ひもをゆふ去かけてときつれば君がみぞぬふ人のしまみゆ. 唐様之華云云﹂。又云、. ﹁何彼穣臭華如二桃李﹂。又﹃論語﹄子苧篇云、﹁唐様之華偏其反﹂。﹃集註﹄. よそにしてこふればくるしいれ紐のおなじ心にいざむすひてん. 契沖云、﹁﹃ 毛 詩 ﹄ 召 南 何 彼 穣 臭 篇 云 、 ﹁ 何 彼 穣 臭. 云、﹁唐様郁 李 也 ﹂ 。.
(9) 伊 藤 一 男. ︵古恋一︵富 一 ︶ よ み 人 し ら ず ・ ﹃ 宗 干 集 ﹄. ︵二五︶︶. ︻頭︼契沖云、﹁﹁入組﹂は装束に雄紐雌紐あり。めひもにをひもをさし入. てむすべば入組といふ。ふたつ取合てさす物なれば、同し心に結んとよ. おく山 の し げ 入 に 立 て ま よ ふ と も 妹 が 結 び し 紐 を と か め や. 人丸. ぬば玉 の よ る の 下 紐 と き て ね よ 我 た ま し ひ は 夢 に て も こ む. める也﹂。 三三四三. 三三四四 ︻頭︼又云、﹁是は、ひもは二ツあるものなれば、道にまどへる時にときて. ﹁道﹂といふ冠辞なれど、道はしをりし. 下紐はと け て や つ け ぬ 玉 鉾 の し を り も し ら ぬ 空 に 侍 れ ば. いづれの方 に ゆ か ん と 占 ふ な る べ し ﹂ 。 三三望 ︻頭︼今接す る に 、 ﹁ 玉 ぽ こ ﹂ は ﹁しをり﹂とつゞけしなるべし。. なそ人のかれてつれなき下紐のとけばゆはんといひてしものを. て行ものな れ ば 、 や が て 三三実. かきほな す 人 は い ヘ ビ も こ ま 錦 ひ も と き 明 る 君 も あ ら な く に. 恋しとは 更 に も い は じ 下 ひ も の と け ん を 人 は そ れ と し ら な ん. ︵第二︵≡一七 ︶ 己 出 ︶. 三三空. 三三実 ︵矧恋三︵ 萱 ︶ 在 原 元 方 ・ 伊 ︵ 室 ︶ ︶. あらずもあるかな後. した紐のしるしとするもとけなくにかたるがごとはこひずぞ有べき. 草枕結ぶとしけんよひ︿はとけざりきやは下の入ひも. 三三実. 三三吾. わがきぬのひもとけわたる眉根かくなれにし君はこふとしらずも. ︵同︵吉二︶・ 同 ︵ 室 ︶ ︶. 三三空. ︻頭︼此うた、﹁ひもとけわたりまゆねかき﹂と有けんをうつし誤れるにや。 り舌 しかもとくらん色 三三五二 めづらしき人をみんとやしかもせぬわが下紐のとけつゝあらむ わたるらん舌. 三三五三. 我背子がゆひてし紐をとかめやは絶ばたゆともたゞに逢まで. ひとまろ. ︵副恋四︵七 三 〇 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 軋 ︵ 二 重 ︶. わぎも方も方に方 ︵卦九︵真九︶ ︶. 三三富. おもへども夢かもみえぬわぎも子ぞこよひ見えつる人もきまさん に方 けふの日にいかゞおよばんつくばねの昔の人のきけんそのひも. 三三五五. 真淵云、﹁これひものうたにあらず。但下の旬﹁そのひも﹂をしひ. ︵矧九︵一芸四︶大伴卿︶. ︻頭︼. 貫之. 家持. たる欺。されどまへの ﹁夢にもみえぬ﹂ のうたもひもなし。またくまぎ. ﹃新古今﹄春上︵八四︶. よみ人しらず. 猶やみたれん夫. 山里にひとめ見しょり我こふる花の下ひもいかにとくらん. 右一首. れ入しものなるべし﹂。. 三三五大 ︻頭︼. ふして思ひおきてながむる春雨に下同. つらゆき. あけたてばまづさすひものいとよわみ絶てあはずばなぞいけるかひ. はんとぞおもふ新・奥. したの帯の道はかた︿わかるとも行めぐりてもあはんとぞ思ふ. 友則. 契りけんことやはたがふ下帯のめぐりてあへる妻や何なり. おび. ︵対雑十五︵真〇九︶紐・家︵1五九三︶︶. 三三五七. 三三芙. 三三五九. ナシ袖. 東路のみちのはてなるひたち帯のかごとばかりもあひみてしかな. おく奥. ︵副離別︵四呈・家︵五九︶︶. 三三六〇. ﹃新勅撰﹄恋三︵七人四︶ 郁芳門院安芸. ︵矧副恋一︵歪二︶よみ人しらず・矧︵大童・矧︵三三︶︶ ︻頭︼. こえばやな東路ときくひたち帯のかごとばかりのあふさかの関. ﹁ひたち帯﹂の事は﹃童豪抄﹄六にくはし。また﹃奥義抄﹄に此歌を﹃万. 葉﹄とあるはあやまれり。さて ﹃袖中抄﹄巻八に、﹁顕昭云、﹁かごとば. ﹁ひたち帯﹂といへるなり云々﹂。. かり﹂といふ事、さまぐに申せり。帯にはかごといふ物のあれば、﹁か ご﹂といはんれうに.
(10) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一七). 天暦御製. きえは て し 身 よ り も 増 る 言 の は を 涙 な ら で は な に か せ ん. よみ人しらず. 秋こそはもみぢもちらめ立田山はるとてもなどことのはのなき. ちぎりけんことの葉今はかへしてん年のわたりによりぬるものを 三三吉. よの中に絶て偽なかりせはたのみぬべくもみゆる玉章. ふみ. 三三七一契りおきし言の薫かはるうき世にはふみも心もやらでこそふれ. 三三七二. ︵矧掛恋三︵≡人︶よみ人しらず・掛掛︵六三︶︶. 三三七三. たまづさももてこぬものを秋風の吹くるごとに人ぞ恋しき 限ヲカヌ 打よする浪やけつらん浜千鳥ふみこし跡の、ナらみれどなき. カリニ. タグヒテ ユカマシモノヲ. 人しれぬ道と思はずは玉づさの打たぐひつゝ行べきものを. 三三七四 三三芸. 新・人 ︻頭︼ ﹃万葉﹄ 八︵一五一五︶ 但馬皇子 コトシケキサトニ スマス ハ ケ サ ナキシ. 事繁里ホ不住者今朝鳴之雁ホ副而去益物乎. やれはをしやらねば人にみえぬべしなく︿も猶かへすまされり. ﹃拾遺﹄別︵三一五︶. よみ人しらず. ︵Ⅲ七九・Ⅲ四二・Ⅳ三人︶. 三三七七. やれといはん我後みんもおもほえず心ともれてたゞにけなゝむ. なりける河. 花ちらす枝やあるとて鴬のふみ見てからに露ぞ置ける わひ河. 三三七人. かひなしと思ひなけちそ水くきの跡ぞ千年のかたみともなる. 玉章の有かなきかにゆく水の絶せぬ君をあひみてしがな. ﹃童豪抄﹄巻五云、﹁﹁玉つさ﹂とはふみをいふに、いかに此五文字. されば此うたも﹁玉蛸のあるかなきか﹂とありけんを、はやく﹁玉章﹂. た所︵一五二六・一八一六・二三一一・二七〇〇・三〇八五︶によめり。. ﹁玉蛸の石垣淵﹂とあるをはじめにて、﹁玉蛸﹂を﹁カギロヒ﹂とあま. にすゑたるにか、心得かたし云々﹂。今按ずるに、﹃万葉﹄ 二︵二〇七︶に. ︻頭︼. 三三人○. ︵河紅梅︵喜四︶︶. 三三七九. くれぬとてねて行べくもあらなくになく︿も猶かへるまされり. ﹃業平集﹄. わかれぢは恋しき人のふみなれややらでのみこそみまくほしけれ. ︻頭︼. ︵矧雄二︵云三︶元良親王・家︵六三︶︶. 三三七大. たえてねられざりけり. ﹃和名抄﹄腰帯具﹁﹃楊氏漢語抄﹄云、餃具︹此間云賀古︺、腰帯及鞍具、 以レ銅属レ革 也 ﹂ 。 やかもち ゆひたれてたれてふひとも袖. 三三六一いにしへ の 賎 は た お び を 結 び た れ 誰 と い ふ と も 君 に は ま さ じ とふひとも方. 独ヲカヌ. みづが き の 久 し き よ ゝ り 恋 す れ ば わ が 帯 ゆ る ぶ 朝 夕 ご と に. ときゆ方. ︵卦十一︵二大 二 人 ︶ ・ 矧 ︵ 九 大 九 ︶ ・ 対 雑 十 五 ︵ 真 三 大 ︶ ︶. 三三六二. 同書 香 名 類 云 、 ﹁ 薫 燵 ︹ 此 度 利 ︺ ﹂ 。 くゆるこゝろはありしかど 新・人. ひとり. ︵矧十三︵三二大 二 ︶ ︶. ︻頭︼. たきものゝかばかり思ふ此ころのひとりはいかで君にしらせむ らすへし夫・河. たき物の こ の し た 姻 ふ す ぶ と も 我 ひ と り を ば し な す ま し や は. ︵矧掛恋四 ︵ ≡ 二 二 ︶ 三 条 右 大 臣 の 女 ・ 大 ︵ 二 三 ︶. 三三六三. 三三盃 えず夫. この下にひとりや侍したきものゝそれも思ひにたへてとか聞. ︵対雑十四 ︵ 蓋 五 二 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 河 真 木 在 ︵ 三 重 ︶. 三三六五. ﹃拾 遺 ﹄ 雑 賀 ︵ 一 一 人 三 ︶. 我ためはねぶたきものをひとりしもおきあかさじとおもほゆる哉. ︵同︵妄面室二︶ ︶. 三三六大 ︻頭︼. さよふけて い ま は ね ぶ た く な り に け り しげのゝないし. 露ばかりたのめおかなんことのはにしばしも留る命ありやと. ことの薫 かおかん続. 夢にあふべき 人 や ま つ ら む. 三三六七. ︵矧矧恋三︵ 二 三 六 ︶ よ み 人 知 ら ず ・ 副 ︵ 六 五 ︶ ・ 矧 恋 二 ︵ 二 〇 七 三 ︶ ︶. 三三六人. たのめ こ し 言 の 葉 今 は か へ し て ん わ が み ふ る れ ば 置 所 な し. なにゝかは杵. 三三六九. ﹃後 撰 ﹄ 秋 上 ︵ 二 三 六 ︶. ︵副恋四︵七 三 六 ︶ 典 侍 藤 原 因 香 朝 臣 ︶. ︻頭︼.
(11) 伊 藤 一 男. 雄二︵一一九一︶. 読人不知. とかき誤りたるを、よくも考へすて、この条に入れられたるにはあらぬ にや。. ﹃後撰﹄. あはれともうしともいはじかけろふのあるかなきかにけぬる身なれば 三三八一わすられ ん 時 し の べ と ぞ 浜 千 鳥 ゆ く へ も し ら ぬ 跡 を と ゞ む る. 伊勢 くもゐなからにきえねとやさは童. つらゆき をとゞめば夫. 水茎のかよふばかりをすくせにて閲しながらにはてねとやきく. ︵乱雑下︵九 九 六 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 三三人二 ︵家︵1三三九 ・ 些 一 四 〇 ・ Ⅲ 三 塁 ・ 卦 ︵ 四 主 ︶. して夫. あらをだを打かへすとも浜ちどり猶ふみつけてあとはとゝめよ. しらなみの 家. 三三人三. ﹃続 後 拾 遺 ﹄ 恋 四 ︵ 八 八 六 ︶. 延喜御製. ︵対冬二千鳥 ︵ 大 夫 七 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 家 ︵ 1 大 男 ︶ ︶. ︻頭︼. いせ のくやしさ後. 春霞たちながら見し花なれどふみとめてける跡ぞうれしき. ゆゑに後. はま千鳥ゆくへもしらぬ跡なれやふみつけつらんしるべたになき. 巴▼¶巴▼¶四囲. かなしきイ. ︹昭宣公男︺. きみが 為 祝 ふ 心 の ふ か け れ ば ひ じ り の 御 代 の 跡 な ら へ と ぞ. に著. 太政大臣貞信公. ば家 ︵矧春下︵九 九 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 家 ︵ 1 二 空 ・ Ⅲ 二 五 三 ・ Ⅲ 二 五 三 ︶ ︶. 三三人五. ﹃一代要記﹄云、﹁村上天皇、諒成明、醍醐第十四皇子、天慶七年四. 右天暦皇帝皇子時貞信公家に御往還給奉御手本歌. 村上. ︵同賀︵喜入 ︶ ・ 劃 ︵ 二 重 ︶. ︻頭︼. 月為二皇太子 一 、 同 九 年 四 月 即 位 干 大 極 殿 一 ﹂ 。. ︵一︶云、﹁三位の大弐は故小野宮の大殿の御むす子なり。か. 三三八大. をしへおくことたがはずは行末の道とほくともあとはまどはじ. ﹃和名抄﹄ 琴志類云、﹁﹃帝王世記﹄ 云、炎帝作二五絃琴、世本云、神. こと. ︵同︵一三七七︶今上御製︶. ︻頭︼. 農作レ之、﹃琴操﹄ 云、伏犠作レ之、至於周文圭一増二絃一、一説云、文王. ﹃後拾遺﹄雑五︵一一四九︶大中臣能宣. 山のをのかつらはたえてなけれども声は残せりきく人のため. 武王各加二一絃一︹和名古止乃乎︺﹂。 三三人七 ︻頭︼. たえにけるはつかなるねをくりかへしかつらのをこそきかまほしけれ. ﹃夜鶴庭訓抄﹄ 云、﹁琴にかつらをと申ものあり。絃きれぬれは、葛の. かつらを用ふることの候ぞ。それをとりて古詩に﹁風排二琴上一葛絃鳴日. 落二洞中一レ松樹静﹂ ︹江中納言詩也︺とみゆ﹂。 めや方 ひざにふす玉のをごとのことなくはいとかくばかり我こひんかも 三三八人. 秋風にかきなす琴の声にさへはかなく人のこひしかるらん. ︵矧七︵一三二人︶︶. 三三人九. ﹃和名抄﹄琴志類云、﹁﹃万葉集﹄云、梧桐日本琴一面︹体似レ撃而短. やまとごと人にありせばいかばかりことなつかしきことゝ閉まし. ︵副恋二︵天六︶忠峯・家︵土四・Ⅲ忘・Ⅲ三人・Ⅳ三七︶︶. 三三九〇 ︻頭︼. ことのねをきゝしる人のありければ今ぞ立出て緒をもすぐべき. 誰ぞこの声なつかしき大和琴ねさめ侍しき人のきかくに. 小、有二五絃一。夜万止古止︺﹂。 三三空 三三九二. ﹃呂氏春秋﹄本末篇云、﹁伯牙鼓レ琴、錘子期聴レ之。而志在太山一。. ︵副木摘花︵萱ハ︶︶. ︻頭︼. 錘子期日レ善哉、鼓琴魂々乎若二太山二不云。錘子期死。伯牙破レ琴、絶レ絃、 終身不二復鼓琴云云﹂。. ﹃重之集﹄. しこき手かきなり、とておほやけも下されたることをくやしきことにお. ﹃河海抄﹄末摘花巻に、此うたを﹁ことのねを閲しる人のなきなへに云々 緒をもたつべき﹂とある、よろし。. ほせられて、御手本をばつくしに下しっかはしてぞ害せ給ふ云々﹂。 御かへし. 10.
(12) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一七). 三三九三. つらゆき にさへ後. 足曳の 山 下 水 は ゆ き か よ ひ こ と の ね さ へ に な か る べ ら な り. ﹃宇 津 保 ﹄ 楼 上 巻 ︵ 九 九 八 ︶. ︵矧夏︵一六人︶ ・ 矧 ︵ 二 人 一 ︶ ︶. ︻頭︼. むつのをのよりめことにそ香は匂ふひくをとめ子が袖やふれつる. ことのねも昔にすめるあかつきは水もなかれてかなしかりけり 三三九四 すげ舌・新. 都まてひゞきかよへるから琴はなみのをよりて風ぞひきける. ︵軌跡恋五 ︵ 九 塁 よ み 人 し ら す ︶ きこゆ新. 三三九五. なみの音のけさからことに聞ゆるは春のしらべやあらたまるらん. ︵副雑上︵九 三 ︶ 真 せ い 法 師 ・ 矧 掛 ︵ 二 大 三 ︶ ︶. 三三九大. 琴の音にみねの松風かよふらしいつれのをよりしらべそめけむ. ︵同物名︵望 六 ︶ 安 部 清 行 ︶. 三三九七. いも袖∵八. 第三第四絃冷々﹂。. ︵拾雑上︵軍︶斎官女御・古本集︵1云・豊七・Ⅳ六人︶・卑卦︵五七︶・矧. ﹃文 集 ﹄ 新 楽 府 五 絃 弾 詩 云 、 ﹁ 秋 風 払 レ 桧 疎 駒 落. ︵実九︶・叶 六 ︵ 人 三 ︶ ︶. ︻頭︼ 三三九人. ことゝればなげきさきたつけだしくも琴のしたひに妻やかくれる こも方 かくせる ﹃袖中抄﹄巻十云、﹁顕昭云、﹁したひ﹂とは、﹁下樋﹂と苦り。琴の. ︵矧七︵≡九 ︶ ・ 矧 ︵ 三 人 一 ︶ ・ 八 卦 六 三 七 ︶ ︶. ︻頭︼. ひく琴 の ね の う ち つ け に 月 影 を 秋 の 雪 か と お ど ろ か れ つ ゝ. 貫之. 腹の中は樋に 似 れ ば 、 ﹁ 下 樋 ﹂ と よ め る 欺 ﹂ 。. 三三九九. おなじ. 長き夜の秋のしらべとひくことは緒ごとに君をちとせとぞなる. ︵対雑十四︵妄 二 芸 ︶ ・ 家 ︵ 1 四 三 五 ︶ ︶. 三四〇〇. ︵第四︵二二五 大 ︶ 己 出 ︶. ︵1三吉・Ⅲ三五二・Ⅲ三五三︶︶. 三四〇一あつま琴春のしらべをかりしかばかへしものとはおもはぎりけり ︵﹃伊勢集﹄. ︻頭︼あつま琴則即和琴の事也。﹃源氏﹄若紫巻に、﹁あづまをすがゝきて、. ﹁ひたちには田をこそつくれ﹂といふうたを、声はいとなまめきてすさ ひ給へり云々﹂。. ﹁ひるめのうた﹂ ﹁かへしものゝ歌﹂とあげたり。﹃古今﹄ の. ﹃袖中抄﹄巻六云、﹁顕昭云、﹃古今﹄神あそびの歌の中に、﹁とりものゝ うた﹂. へしものゝうた﹂といふは、おほくは呂律のうた也。されば ﹁かへす﹂. いせ. ﹁か. とは、催馬楽拍子にふきなし、ひきなして、﹃朝倉﹄をうたふなるへし 云々﹂。 かへし. を家. か方. かへしてもあかぬ心をそへつればつねより声のまさるなるらん 秋風. 松の音をことにしらぶるは瀧の糸にやすげてひくらむ. りちイ. ︵家︵1三五二・Ⅲ三重二・Ⅲ三富︶︶. 三四〇二. 三塁二. やまと琴の夢に女になりてよめる. かへし. につくしよりおくれる. 此うたと琴とに歌をよみそへて中衛大将藤原ののぶさき. いかならん日の時にかも声しらん人のひざのうへわが枕せん. にあ方. ︵風雑上︵蓋二︶貫之・家︵1蓋︶︶. 三四〇四. カ. ニ. ア ラ ム. ア リ. ト モ. ウ ル. ハ シ. キ キ. ミ ガ タ ナ. ことゝはぬ木にも有とも我せこが手なれのみことつちにおかめやも. ︵卦五︵人豆︶. 三四〇五. ﹃万葉﹄ 五云、﹁大伴淡等謹状. ︵同︵人三房前郷︶. ︻頭︼. イ. ニ ハ. 梧桐日本琴一面 此琴夢化二娘子一歌日︵八一〇︶ 伊可ホ安良武云云. 僕報詠日︵八一一︶ コ ト、 ハ ヌ キ. 許等々波奴樹ホ波安里等母宇流波之吉伎美我手奈礼能許等ホ之安流倍之. 片時覚即感二於夢言一慨然不レ得二黙止一散附二公使一柳以進御耳謹状不具. レ ノ コ ト. 11.
(13) 伊 藤 一 男. 謹適. 中衛高明閣下. ハ. ヌ. 許等騰波奴云云. 脆承二芳音二不云。謹和二白雲之什一以奏二野郎之歌一、房前謹状︵八一二︶ 、. ︵万十一︵二六三九︶・夫秋六檀︵六〇芸︶︶. ︻頭︼契沖云、﹁﹃応神紀﹄十四年十六年、葛城襲津彦、大将となりて加羅. 国におもむきし辛あり。かく武将となれる人なれば、其もてる弓にたと. ト. コ へし也﹂。. の舌. ならのみかど︹﹃古今﹄を正しとすべし︺. あづさ弓引のゝつゞら末つひに我思ふ人にことのしげゝむ. 梓弓いそべの小松たが世にか万代かねてたねをまきけん. は猶こずはこはいかに品. の訓. きの女郎 ひかずみ 拾・人∴品ず 方∵拾・人∴品 なほぞ 人 こずはこばそを 方. 梓弓ひきみゆるべみこずはこそこばこそをなどよそにこそ見め. コズコズココ. にしたがふべし。歌の意は、不来ば不来、来ば来んにてこそあらめなど、. 此うた、詞くだ︿しければ、いさゝか聞えがたし。﹃万葉﹄. 笛竹のおのが音こそは悲しけれひとふしにしてよのみ過れば. 梓弓のひきみゆるべみする如く、こんともこじともいひはなたぬ事ぞ、. ︻頭︼. ︵矧十一︵二九人六︶・掛雑賀︵≡六︶・﹃人丸集﹄︵土二・塁一〇︶・副︵一人︶︶. 三四一大. ︵同雑上︵九〇七︶同︶. 三四一五. ︵副恋四︵吉二︶よみ人しらず︶. 三四一四. これにて贈答の意明か也。こゝに﹁のぶさき﹂とあるはわろし。¶懐風藻﹄. 孔ヲカヌ. 云、﹁贈正一位左大臣藤原朝臣総前三首﹂とあり。﹁ふさ前﹂とよむべき. 笛 此方来ヲカヌ. から竹のこちくの声も聞せなんあなうれしとも思ひしるべく. 澄なり。. 三四〇六. ﹁呉竹﹂といふこと也。もろこし、. ︻頭︼﹃順集﹄云、︵Ⅲ二︶﹁から竹のふえのひとよあそびあかさせ給ひ云々﹂。. ﹃童豪抄﹄ 巻 六 云 、 ﹁ ﹁ こ ち く ﹂ と は. ︵一九四︶. 呉の国といふ 所 よ り 出 た る 也 云 々 ﹂ 。 ﹃大和物語﹄. ちゞの音はことばのふきか笛竹のこちくのこゑもきこえこなくに 三四〇七. ひとりふしいとかくたけの音なれどもこちくの声はきかじとぞ思ふ. 節ヲカヌ. 三四〇人. とよめる也。下旬の ﹁こずはこばそを﹂は、上旬の. 云、衛︹今案所レ謂高麗用二此字一. むらん. 夫. 弦ヲカヌ. のこゝろ舌. あづさゆみひけばもと末わがかたによるこそまされ恋しきことは. 貫之. 梓弓はるかなれどもわすられて君おもひつるの絶むものかは 射ヲカヌ. 梓弓はるの山辺にいる時はかざしにのみぞ花はちりける. けるかな猿. あづさゆみすゑのたづきはしらねとも心は君によりにしものを ︵卦十二︵二男人︶・﹃猿丸集﹄︵三三・Ⅲ三︶. 三四二〇. ︵軌跡春下︵蓋︶・家︵圭︶. 三四一九. 三四一人. ︵副恋二︵大豆春道列樹︶. 三四一七. ゆ。. ﹃和歌九品﹄ に此うたを評して ﹁詞とゞこほりてをかしき所なし﹂とみ. そをなど﹂ゝいふ詞を、打かへし七文字につゞめてよめる也と心得べし。. ﹁こずはこずこばこ. いへば え に ふ か く 悲 し き 笛 竹 の よ ご ゑ や 誰 と と ふ 人 も が な. ︵六人︶. は新. 三四〇九. ﹃伊勢 物 語 ﹄. ︵軌跡恋五︵ 六 三 五 ︶ よ み 人 し ら ず ︶ ︻頭︼. ﹃和 名 抄 ﹄ 琴 志 類 云 、 ﹁ ﹃ 兼 名 苑 注 ﹄. こまぶえのこまに我のりなぐさめん見きともいはじあなにくけども. 孔ヲカヌ. いへばえにいはねばむねにさわがれてこゝろひとつになげくころかな 三甲石 ︻頭︼. 欺。和名古万 布 江 ︺ 除 二 吹 処 一 而 六 孔 之 笛 也 ﹂ 。 此方来ヲカヌ. といふ夫. のりけん力. ふえたけの他のつゝみは遠くともこちくてふ名はわすれざらなん. ふき 夫 人 和. 三四一一笛竹の一 よ む な し き 声 に だ に よ そ に ふ け と も 思 は ぎ り し を 三四一二. たのめ方・夫. 葛城の そ つ 彦 真 弓 あ ら き に も よ ら じ や 君 が わ が な つ げ か ね. ゆみ. ︵対雑五池 ︵ 岩 空 言 よ み 人 し ら ず ︶. 三四一三. 12.
(14) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一七). キミニ. ヨリニ. こゝろきみは舌. ︻頭︼ ﹃万 葉 ﹄ 四 ︵ 五 〇 五 ︶ 安倍女郎 イマサラニナ ニ ヲ カ オ モ ハ ム ウ チ ナ ビ キ コ 、 ロ ハ 人まろ ぬに舌. 梓弓ひき は り も ち て ゆ る さ ず と 我 思 ふ 妹 は し る や し ら ず や. 今更何乎可将思打靡情者君ホ縁ホ之物乎. 三四三. あづさ 弓 弦 と り は げ て ひ く 人 は の ち の 心 を し る 人 ぞ ひ く. をとりはけ方. ︵古本集︵Ⅲ三大 一 ︶ ︶. 三四二二. 梓ゆみ ゆ づ る 巻 か へ あ て み て は さ ら に ひ く と も 君 が ま に ︿. ︵身一︵九九︶ 久 米 禅 師 ︶. 三四二三. つらゆき. シ. ︵Ⅲ二三五︶. モノヲ. いこそねられね舌. しかな舌. 手もふれで月日へにけるしらま弓おきふしよるは物をこそ思へ. に古. ︵同十一︵二人三 〇 ︶ ︶. 三四二四. 人まろ 如本. かくこ ひ ん 物 と し り せ ば 梓 弓 す ゑ の ち か ご ろ 逢 み て ま し を. ︵副恋二︵六〇 五 ︶ ・ 家 ︵ 圭 ハ 七 ︶ ︶. 三四二五 な舌. みちはよけん方・夫. 天の原ふりさけみればしらま弓はりてかけたるよるみちよにも. ︵古本集︵Ⅲ三 人 〇 ・ Ⅲ 天 人 ︶ ︶. 三四二大. ﹃元輔 集 ﹄. おく山 に た つ ひ と つ き の 白 真 弓 ま ろ や わ り な く 人 を 恨 む る. もとイ. ︵身二︵二人 九 ︶ 間 人 大 浦 ・ 対 秋 四 月 ︵ 吾 九 七 ︶ 家 持 ︶. 三四二七 ︻頭︼. みこもかるしなのゝ真弓わがひかばうま人さびていなといはんかも. すゞ方. 春の夜のわりなくふけてとまりしをあらしの風のあらじとやいはん 三四二人. ︵卦一︵九 大 ︶ 久 米 禅 師 ・ 対 雑 十 四 弓 ︵ 妄 二 看 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. ﹁景雲元年、信濃国献二. ︻頭︼今按ずるに、信濃はよく弓作る所にや。﹃続紀﹄文武紀云、﹁大宝二 年三月、信濃 国 献 二 梓 弓 一 千 二 十 張 云 云 ﹂ 。 ま た. ﹃古 今 ﹄ 大 歌 所 御 歌 ︵ 一 〇 七 人 ︶. みちのくの安達のまゆみたむれども心こはさにやまずざりける. 弓一千四百張 二 云 々 ﹂ と 見 ゆ 。 三四二九 ︻頭︼. おこし方. ナシキミニ アハズ テ. よみ人しらず. ね方. トシノ ヘ ヌレバ. ますらをのゆすゑふりたていつるやを後みん人はかたりつぐがに. 失. みちのくのあだちの真弓わがひかばすゑさへよりこしのび︿に. 三四三〇. ︵身二︵三盃︶笠朝臣金村︶. たち. イマハ. 三讐二.傲たちなのをしけくも我はなし君に逢すて年のへぬれば ︵同四︵六一大︶山口女王︶. ︻頭︼ ﹃万葉﹄十三︵三二六一︶ オモヒヤルス ベ ノ ク ッキモ. ﹃古今﹄恋一︵五〇二︶. つるきだち身にとりそふるますらをぞ恋の乱れのもとには有ける. 恩遇為便乃田付毛今者無於君不相而年之歴去者 三四三二 ︻頭︼. つるきだち身にはきそふる大夫や恋てふものは忍びかねてむ. 打なげきはなをぞひつる鋭太刀身にそふ妹が思ひけらしも. あはれてふことだになくば何をかは恋のみだれのつかねをにせん 三四三三. 三四三四. ︵矧十一︵二六三七︶︶. を方つも方. が万. 剣太刀もろはの上にゆきふれてしにかもしなんこひつゝあらずば. ︵同︵二大三五︶・古本﹃人丸集﹄ ︵ナシ︶︶. 三四三五. かさの女郎. つるぎだち身に取そふと夢にみつ何のさとしぞも君に逢んため. ︵同︵二大三大︶︵﹃人丸集﹄Ⅲ竺二︶︶. 三四三大. ︵同四︵六〇四︶︶. ︻頭︼契沖云、﹁刀は男の具也。それを身にそふとみるは、まことにあふ. 明石巻云、﹁さとしのやうなることどもを、きしかたゆくすゑ. べきさとしなるべし﹂。. ﹃源氏﹄. こひつゝエいへ方. 太刀のしり玉まく田井にいつまでか妹を逢みず我恋をらん. をおぼしあはせ云々﹂。. 三四三七. ︵同十︵二二塁︶︶. 13.
(15) 伊 藤 一 男. 三四三人. かたな 難ヲカヌ. つゝをらん方. あふことのかたなさしたるなゝつこのさやかに人のこひらるゝかな さや へ方. ひさことにしげしや君にふたさやのいつをへだてゝ恋しかるらん. と方を方み方を方. 三四三九. に新. なゝつごのさやのくちぐつどひつゝ我をかたなにさして行なり. ︵卦四︵六人 五 ︶ 大 伴 坂 上 郎 女 ︶. 三四四〇 はかり ど夫. 三四四一かけつれば千々のこがねも数しりぬなぞ我恋のあふはかりなき. ﹃後 撰 ﹄ 恋 四 ︵ 一 〇 一 人 ︶. よみ人しらず. ︵凰︵衰︶ ・ 矧 矧 ︵ 二 三 ・ 対 雑 十 五 斤 ︵ 三 大 九 人 ︶ よ み 人 し ら ず ︶ ︻頭︼. 紀時文. あふはかりなくてのみふる我こひを人めにかくることのわひしき ﹃後拾遺﹄ 雑 四 ︵ 一 〇 八 五 ︶. いにしへのちゞのこがねははかりあるをあふはかりなき君がたまづさ ﹃姓氏録﹄商長首条云、﹁呉国雄宝物為二交易其名云二波賀理一、其中有二 呉権二不云﹂。. クレハカリ. やかにきみは. やにや童. 蔵. われをはかるな重. 今こんといひしはかりにかけられて人のつらさのかずはしりにき. て重み童. 三四四二 り童. くればかく我をなゝめにたのめつゝさよちか君がかけてはかるか. 呉衝欺. 三四四三. ﹃後 撰 ﹄ 恋 四 ︵ 八 四 五 ︶. 藤原成国. 我つめるいたづらいねの数ならばあふはかりなし何にかけまし. ︵劃︵五呈︶. 三四四四 ︻頭︼. へば袖. なにしおはゞたのみぬべきをなぞもかく扇ゆゝしとなづけ初けん. あふぎ. 秋の田のかりそめぶしもしてけるかいたつらいねを何につまゝし. 三四望. ﹃袖中抄﹄巻十五云、﹁むかしはあふぎを人にとらするをいむ事にて. ︵袖︵六人五︶︶. ︻頭︼. 有けれは、﹁ ゆ ゝ し ﹂ と は よ み そ め た る 也 云 々 ﹂ 。 ﹃後撰﹄恋五︵九三四︶をとこの心かはるけしきなりければ、たゞなりけ. る時この男の心させりける扇に書つけて侍ける. よみ人しらず. たがつらきなる人. 世の人のいみける物をわがためになしといはぬは誰かうきなり. ゆゝしとて人・袖. 人をのみうらむるよりはこゝろからこれいまざりしつみとおもはん 三四実. ふな出する君にたむくと吹風はなれて年へしあふぎなり最. ︵対︵喜︶・矧︵六人七︶︶. 三四望. ゆゝしとていむとも今はかひあらじよのつきことはこれにつけても. 今はとてこぎ出るふねのさはりなみ扇の風はへにもかけなむ. ︵対︵喜︶︶. も︺小ば︺小 三四果 そへてやる扇の風し心あらば思はん人の手をなはなれそ わがおもふ後こ小 ︵矧離別︵≡二〇︶よみ人しらず・﹃宗干集﹄︵三︶ もあらじうきをばこれにおもひよせてん人. 三四実. 三塁○. ︵矧︵群書類従本︶︶. ︻頭︼類従本﹃句題和歌集﹄ のすゑに、﹁伊予の任に侍ける時、人の舟出 し侍ける、御扇にそへてつかはしける 今はとて云々﹂とあり。. ︵1七三三・Ⅲ塁︶︶. 三塁一あふげどもつきせぬ風は君がためわがこころざす扇なりけり ︵﹃貫之集﹄. 三塁一銀河あふぎの風に霧はれて空すみ渡るかさゝぎの橋. とイ. ﹃源氏﹄紅葉賀巻云、﹁ものすそをひきおどろかし給へれば、かはほ. かはほりに我はりこゆる涼しさを思ふがかたの風そいとふな. むイ. ︵掛雑秋︵哀九︶元輔・家︵1吉・葺一︶・軌跡︵三人七︶・﹃扇合﹄︵九︶には中務︶. 三塁三. ︻頭︼. ま. りのえならずゑがきたるをさしかくしてみかへりたるまみ、いたうみの. きぬかさにせり 方. べたれど、限がはいたくくろみおちいりて、いみじくはづれそゝけたり﹂。. つなにさし 方. なしたり†. 久方の天照月をあみにして我大君はかさにつくれり. そらゆく 方. かさ. ﹁かはほり﹂は今いふ末広の事也。. 三塁四. ︵身二︵二四〇︶人丸・到︵云七︶︶. 14.
(16) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一七). 三塁五 かきつばたさくぬのすげを笠にぬひきん日を待に年ぞへにける. ひさか た の 雨 に は ぬ れ ず ふ る が ご と 落 る 涙 は さ す か さ ぞ な き. おしてる や 難 波 す が 笠 お き ふ る し 後 は 誰 き ん か さ な ら な く に. ナシ方. ︵矧十一︵二 人 云 ︶. 三塁六. 三塁七. 三塁人. 我せこが笠のかりてのわざみ野に我はいりぬと殊につげこせ. ︵同︵二人壷・対雑十四︵三善︶よみ人しらず・古本﹃人丸集﹄︵Ⅲ二四二・買一︶︶. わぎも方美濃そ方 ︵同︵二七二二 ︶ ・ 同 ︵ 九 大 富 ︶ ︶. ︻頭︼契沖云、﹁﹁笠のかりて﹂とは、笠に緒を付る所にちひさき輪をして. ちるまて は き て も 見 る べ く 春 雨 に 我 を ぬ ら す な 梅 の 花 笠. つゝだにみん新. ︵風冬︵七草 大 中 臣 頼 基 ・ 家 ︵ 人 ︶ ︶. 笠取の山 を た の み し か ひ も な く 時 雨 に 袖 を ぬ ら し て ぞ ゆ く. 山城. つくる也。そこを﹁かりて﹂といふ。よりて﹁わ﹂とつゞくる詞に用ふ﹂。 三塁九. 三男○. ﹃古 今 ﹄ 大 歌 所 御 歌 ︵ 一 〇 八 一 ︶. ︵矧刊誹静︵ 二 要 ︶ 頼 基 ・ 家 ︵ 九 ︶ ︶. ︻頭︼. しぞ恩ふ方. 青柳をかた糸によりてうぐひすのぬふてふかさはうめの花がさ. 摂津. とら舌. 三男一かさなしと人にはいひて雨づゝみとまりし君がすがたおもほゆ ︵卦十一︵二六人 四 ︶ ︶. わぎも方・ 続 ・ 舌. ︵第二︵萱一四 ︶ 己 出 ︶. がせ方. ︵同十一︵三三 ︶ ︶. みの. 久かたの 雨 の ふ る 日 を 我 門 に み の 笠 も き で く る 人 や た れ. きずて方. わぎも子 が 便 を ま つ と 笠 も き で 出 つ ゝ ぞ み し 雨 の ふ ら く に. ず方. きみがき る 三 笠 の 山 に ゐ る 雲 の た え て わ か る ゝ 恋 も す る か な. ︵同︵二七七 一 ︶ ・ 矧 矧 掛 蒔 旅 ︵ 一 三 主 人 丸 ・ 古 本 集 ︵ Ⅲ 望 九 ︶ ︶. 三軍一我せこが袖をたのみてまのゝ浦の小菅の笠をきずてきに烏. 三空三. 三男四. 三男五. ︵同十二︵三二 五 ︶ ︶. かたみ. ︻頭︼. ﹃和名抄﹄竹器類云、﹁﹃四声字苑﹄云、苓膏︹﹃漢語抄﹄云賀太美︺. 碁背ヲカヌ. ら新. あかでこそ思はん中は別れなめそをだに後の忘れがたみに. ふなかをばはなれ童. ︵矧刊哀傷︵二二三人︶元良親王・家︵三︶︶. 君をまたうつゝにみぬやあふことのかたみにもりぬ水は有とも. ︵副恋五︵七富︶よみ人しらず︶. はながたみめならぶ人のあまたあれば忘られぬらん数ならぬみは. 小龍也﹂。. 三男六. 三男七. 三男人. 契沖云、﹁此うたは、上の. 人唐. の 夫 きよ 舌. を 力 夫. で 舌. ﹁形見﹂ にこそのせめ、この ﹁苓膏﹂ に. はな舌 ︵副恋四︵七重よみ人しらず・劃︵三雲︶︶. ︻頭︼. 入られたるは誤り也﹂。 つと. におほく﹁衰﹂をよめり。今の土産なり。 花方∵新・イ. ﹁つと﹂は、﹃万葉﹄. 見てのみや人にかたらん桜花手ごとに折て家づとにせむ. そせい やまざくら朗・新. ︵身二︵三〇六︶安貴王・軌跡雑四︵≡仝︶︶. いせの海のおきつ白波玉にもがつゝみて妹がいへづとにせん. ︻頭︼ 三男九. 三塁○. てゆかん方. こゝに﹁丸卿﹂とあれど、﹃万葉﹄に作者をしるさゞるを正しとす。. 丸卿. ︵副春上︵五五︶・掛掛︵望︶・家︵1人・Ⅲ七︶・阻︵妄︶・叶︵富︶・第六︵竺莞︶ 重出︶. 紀伊. ︻頭︼. 三塁一玉津島みれどもあかずいかにしてつゝみもたらん見ぬ人のため. 城. うぢ河におふるすがもを河はやみとらずきにけりつとにせましや. 山. ︵卦七︵一二二二︶・鳳雑中︵室四︶・古本﹃人丸集﹄︵Ⅲ二〇四︶︶. 三塁二. ︵同︵≡一大︶・対雑十梅松︵三空蒜︶よみ人しらず・古本﹃人丸集﹄︵Ⅲ室︶︶. 足曳の山行しかば山人の我にえしめしやまづとぞこれ. ︻頭︼仙覚云、﹁﹁菅藻﹂トハ菅二似タル河藻ナリ。人ノ食フ物トイヘリ﹂。 三聖二二. 15.
(17) 伊 藤 一 男. 三塁四. 三塁五. 三塁六. はぎたをれ万. ︵同廿︵四二九 三 ︶ 元 正 天 皇 ︶. 人もとはんこがため猿. ︵1言・Ⅲ九︶︶. をみなへ し 秋 の 萩 を れ 玉 ぽ こ の 追 行 づ と ゝ こ は ん 子 の た め はきて猿. ︵同人︵童二 四 ︶ 石 川 朝 臣 老 ・ ﹃ 猿 丸 集 ﹄. そ賞. 吹風の我 裸 に し つ ゝ ま れ ば お も ふ 人 に は つ と に し て ま し ︵第一︵三九五 ︶ 己 出 ︶. いろ こひしも賞. ︵1五完︶︶. あはれと も う し と も 思 ふ 色 な れ や 落 る 涙 に 袖 の し む ら ん ︵﹃貫之集﹄. 色みえで う つ ろ ふ も の は 世 の 中 の 人 の 心 の 花 に ぞ 有 け る. そめばこ そ 色 と も み え め 墨 染 の お ぼ つ か な く も た つ わ が 名 哉. 三塁七. 三塁人 年ふれど 色 も か は ら ぬ 君 を し も い か な る 色 に お も ひ そ め け ん. ︵副恋五︵七九 七 ︶ 小 町 ・ 家 ︵ 1 二 〇 ・ Ⅲ 三 五 ︶ ・ 矧 掛 ︵ 二 九 二 ︶ ・ 叶 ︵ 六 四 ︶ ・ 家 ︶. 三塁九 よの中の 人 の 心 は 花 染 の う つ ろ ひ や す き 物 に ぞ 有 け る. いろ舌. 三男○. に二くさあり。﹁花の色にそめし裸﹂などよめる. ︵副恋五︵七 九 五 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 第 六 ︵ 三 人 四 四 ︶ 重 出 ︶. ︻頭︼契沖云 、 ﹁ ﹁ 花 染 ﹂ は舌. は桜色に染たるなり。こゝは露草の花にてそめたるをいふなり﹂。. おぼつか な 何 の 色 と は し ら ね ど も た ゞ 深 く の み 思 ひ そ め け む. も続. ︵同雑上︵八 大 九 ︶ 近 院 右 大 臣 ・ 矧 掛 ︵ 二 三 九 ︶ ︶. 三男一色なしと人やみるらん昔よりふかき心にそめてしものを. 三男二 ︵矧矧恋一︵ 六 三 五 ︶ よ み 人 不 知 ︶. ︵旭川校教授︶. 16.
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