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函館校におけるFDの実践2010 : 平成22年度FD活動報告書

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(1)Title. 函館校におけるFDの実践2010 : 平成22年度FD活動報告書. Author(s). 北海道教育大学函館校FD委員会. Citation Issue Date. 2011-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2370. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 函館校における FD の実践 2010 平成 22 年度 FD 活動報告書. 平成 23 年 3 月. 北海道教育大学函館校 FD 委員会.

(3) 刊行にあたって 北海道教育大学副学長(函館校担当). 雁澤. 好博. 函館校の最初の FD 活動の報告書は,平成 12 年 3 月に発行されている。当時分校主事 であった徳永好治教授は,「刊行にあたって」のなかで,次のように述べている。 『函館校は,平成 11 年より教育課程の全面的改組によるカリキュラムへの移行を開始 した。新教育課程の開設を準備する段階及び開設後の実施段階において,「授業形態及 び教育方法はいかにあるべきか」,そして「授業科目とその系統性をどのように立てる か」の議論が函館校の教員組織をあげてなされた。(中略)こうした函館校のカリキュ ラム改善の取り組みは不十分ながらもファカルティ・デベロップメント(FD)そのもの である。』。この年度の活動は,函館校の FD 活動の出発点であると言える。 今,11 年の時間を越え平成 22 年度の FD 活動報告書を見た時,上の序文は全く古さ を感じさせず,現在のこととして通用することが分かる。今年度の函館校の取り組みは, 報告書にあるように「自主的 FD 活動」,「公開授業」と「授業なんでも目安箱」で,全 学レベルとして大学教育開発センター主催の「シラバスワークショップ」, 「キャンパス コンソーシアム函館合同 FD のつどい」があった。北海道教育大学の「学士力プロジェ クト」のディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,カリキュラム・マップ策定 作業や,これに関連する「シラバスワークショップ」は,上の『「授業科目とその系統 性をどのように立てるか」の議論』そのものである。また, 「自主的 FD 活動」と「公開 授業」は,『「授業形態及び教育方法はいかにあるべきか」』という問いに関する議論の 活動である。上の序文に関して,FD 活動の原点としての先見性を指摘できるが,FD 活 動が地道で継続的な活動であることもまた明らかとなってくる。 函館校の FD 活動の特徴として,自主的 FD 活動が活発に展開されていることが挙げら れる。また,今年度からスタートした,学生の視点を授業改善に取り入れる具体的な取 り組みとしての「授業なんでも目安箱」の活動は,注目に値すると言える。地道に FD 活動に取り組む教員諸氏に敬意を表すると同時に,多様な FD 活動が次年度も活発に展 開されることを期待したい。.

(4) 目次. 第1章 自主 FD 活動報告 自己分析課題を用いた FD 活動の試み(2)・・・・・・・・・・・・・2 大学教育における英語の使用に関する FD・・・・・・・・・・・・・・4 社会情報分野における学生参加型授業の改善に関する自主 FD・・・・6 国際文化・協力専攻 欧米文化分野における授業改善活動・・・・・・8 地域スポーツ実践研修科目の成果・・・・・・・・・・・・・・・・・12 構成員協同による分野専門科目のシラバス作成・・・・・・・・・・・・・14. 第2章 公開授業報告 公開授業の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 公開授業見学レポート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 公開授業内容についての感想・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 公開授業を参観して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 公開授業に参加して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20. 第3章 授業なんでも目安箱報告 平成 22 年度 授業なんでも目安箱 活動報告書・・・・・・・・・・・・・21 追 補 発達障害が疑われる学生の理解と支援「座談会」報告・・・・・・・・・・23. 1.

(5) 自己分析課題を用いた FD 活動の試み(2) 報告書作成者 林美都子(函館校人間発達専攻) 参加者 今在慶一朗(同上)・遠藤純代(同上)・菅沼聡(同上)・本田真大(同上)・ 山崎正吉(同上) (五十音順) 1.活動の概要 本活動は、昨年度に引き続き「自己分析課題」を用いて、北海道教育大学函館校人間発 達専攻心理学分野教員有志によって行われた。その主な目的は、次の 3 点であった。 1)心理学分野におけるカリキュラム充実のため、基礎資料を収集する これまでのカリキュラムを振り返り、効率的に見直しを行うため、本分野での学習を志 望する学生たちの実態、すなわち現状の能力や資質、希望などの基礎資料を収集すること を、本活動の目的の1つとした。 2)学生たちの自主的・意欲的な学習活動を促進する 学びの主体となっているのは、教員ではなく学生たちである。さまざまな FD 活動を行 い、どれほど素晴らしい講義や教育体制を準備しようとも、学生たちに学ぶ意欲がなけれ ば役に立たない。そこで、学生たちに、自分たちの学びの実態、現状を自覚してもらい、 これから心理学分野でどのような学びを行うかの将来像を示し、学ぶ意欲を促進すること を、本活動の目的の 2 つめとした。 3)本 FD 活動や教育活動の効果を検討する 本活動は、昨年度新入学生より試みたものである。そこで今年度2年生となった彼らに も引き続き「自己分析課題」を実施し、客観的な学力ならびに学生たちの自主性や意欲を 測定し、本 FD 活動や 1 年間の教育活動の効果を検討することを 3 つめの目的とした。 以上、3 点の目的を達成するため、数回にわたる打ち合わせとメールによる会議を行い、 2010 年 7 月に新入生と2年生を対象に「自己分析課題」を実施した。自己分析課題は、2 種類のアンケートと自己把握課題からなっており、4年次に作成する卒業論文と同様の形 式で自分自身のアンケートを分析する作業を行わせることで卒業論文作成活動を擬似的に 体験させ、心理学分野で学習を重ねた結果、最終的にはどのような学力が身についている のか実践的に学生たちに示せるよう工夫を凝らしたものである。また、用いる 2 種類のア ンケートも吟味し、1 つは心理学分野の教育目標を明示し、学生たちに考えてもらうため に心理学分野ディプロマポリシーを使用した。もう 1 つは、自分たちの学習の実態を客観 的に振り返ってもらうために宇田(1989)の学習適応尺度アンケートを用いた。. 2.

(6) 2.得られた成果と評価、および評価の根拠資料 本 FD 活動の結果、さまざまな成果が得られた。まず、目的1に関してだが、学生たち の学習適応度や心理学分野ディプロマポリシーに対する自己評価が基礎資料として得られ た。新入生に関しては、昨年度同様、意欲や集中力、基礎的能力の不足、コミュニケーシ ョン力が足りないこと、それらに関しては学生自身にも自覚があることなどが明らかとな った。また、大学での学び方や論理的能力、文章力などに関しても不足しており、これら に関しては学生たちの自覚が薄いことも明らかとなった。これらを受けて、来年度より現 存の諸講義の内容や講義の実施形態などを各教員が見直しすることが教員間で話し合われ た。 目的 2 に関して、新入生においては、入学後低下していた学習意欲が再びわいてきたと いう学生たちの反応が多く得られた。また、当該活動を通して、心理学が何を学ぶものな のか、これまで誤解していたことに気付いた、また現在学んでいる講義は意味がないと思 っていたが、最終的にはどのように必要となるのか理解でき、やる気がわいてきたなどの 反応があった。中には、心理学で学べることが自分の学びたいことと違っていることに早 く気付けて良かった、別分野での学習を検討したいとの反応もあった。2 年生においては、 中だるみを感じていたが、身が引き締まった、自分を客観的に振り返ることが出来た(ある いは、その難しさを知り、振り返る訓練が出来た)などの反応が多く得られた。 目的 3 に関して、1 年次のものと 2 年次のものを比較したところ、客観的な表現となる よう文章を工夫したり、自分の主張を根拠とともに示そうとしたり、データをわかりやす く示すために図表や統計処理に工夫をしたりなどの、客観的な学力の成長を感じさせる変 化が見られた。当該活動ならびに教育活動に効果のあることが確認されたと言えよう。引 き続き、教育効果を確認しながら適切な指導を検討する旨、教員間で話し合った。. 3.今後期待される改善の効果 学生たちが、これまでよりも、心理学分野ディプロマポリシーを理解し、自らの足りな い部分を悟って、積極的・意欲的に学びに関与するようになると期待される。入学間もな い新入生にとっては、真に学びたいことが心理学であったかどうか見つめなおす良い機会 ともなるようである。また、教員側も本活動を通じて得た学生の実態を踏まえ、より適切 な指導やカリキュラム・講義内容などによって、学生の意欲に応えられるようになると期 待される。. 4.活動成果の公開方法および状況 本自主 FD 活動の成果の一部は、北海道教育大学函館学校教育学会誌に現在投稿中であ る。. 3.

(7) 大学教育における英語の使用に関する FD 報告書作成者 宇田川拓雄(函館校情報科学専攻) 参加者 福田 薫(函館校国際文化・協力専攻)・吉井 明(函館校情報科学 専攻) ・後藤泰宏(函館校情報科学専攻) ・伊藤(横山) 美紀(函館校国際文化・ 協力専攻) ・内田啓太郎(函館校情報科学専攻) 1.活動の概要 世界経済のグローバル化、交通通信の急速な発展により大学教育も大きな変革が必要と なっている。大学教育における外国語の使用(特に英語)は大学全体として対応が急務で ある。明治以来、我が国では近代教育は着実に普及を続け、今では高等教育においてもほ ぼ完全に日本語のテキストを用いた日本語による教育が可能になっている。他方、日本の 国際化は経済的にも政治的にも、文化交流の面でも避けることができない状況となってお り、高度な専門的知識を持つ職業人を要請する大学において今日のグローバル化にどのよ うに対応するかは早急に決定しなければならない。大学の授業を英語で行ってほしい、学 生にもっと英語の実践力をつけてほしいという社会的要請もあるが、現実的にどの程度高 等教育の英語化が可能なのか、どの程度グローバル化に対応すべきなのか、予算や人員の 点で実現できる見込みがあるか、などについて具体的な議論はほとんど行われていない。 この問題は函館校キャンパスにおける有志による1度の FD で解決できる問題ではない が、今回はその第一回として「大学教育における英語の使用」に関する問題点を整理し、 今後の対応について検討する FD を実施した。その成果は大学紀要に投稿公開した。 函館校キャンパスの中で特に専門教育における英語の使用に関して強い関心を持つ情報 科学専攻社会情報分野と国際文化・協力専攻の欧米文化分野の有志教員による FD である。 本 FD は中期計画 I:大学の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとる べき措置、3:その他の目的を達成するための措置、 (2)国際化に関する目標を達成する ための措置、に相当する。2010年7月15日(木)3講目に実施した。. 2.得られた成果と評価、および評価の根拠資料 参加者は次のようなテーマで研究報告、質疑応答、討論を行い、本 FD で得られた成果 と評価は紀要論文に投稿公開することとした。 ・大学教育における英語の使用に関するFD ―教養系小規模キャンパスの例―:宇田川拓 雄 ・教養外国語(英語)における「実践的英語」の試み:福田 薫. 4.

(8) ・学生が「英語」に出会うとき‐「日本語による授業」の中で外国語をどう扱うか―:吉 井明 ・英語による数学の授業の試み:後藤泰宏 ・日本語教育関連授業での事例報告:「英語のメーリングリストの購読」 :伊藤(横山) 美紀 ・社会情報学系授業科目における英語文献利用の可能性について:内田啓太郎. 3.今後期待される改善の効果 グローバル化により大学は今後ますます研究、教育の両面で国際化することが必要とな る。そのために従来の研究、教育の仕組みの改革が急務である。しかし、日本の大学は種々 様々あり、単一の改革モデルを全ての大学に適用することはできない。各大学はそれぞれ 保有する資源(予算規模、教員の専門分野の種類、研究水準)を勘案しつつ学生の資質(学 力、進路展望)等にあった教育改革を推進する必要がある。 本 FD の参加者はそれぞれ異なる立場で大学の授業における英語の使用を実験的に試み たり、英語の使用の前提となる本学教員の国際化の度合いや学生の英語学力の分析、国際 化・英語化への学生の志向の分析を行ったものである。 本学の学生の資質と将来希望、および函館校の予算、教員の資質に合致した国際化、教 育における英語の使用を推進すべきであるというのが結論である。. 4.活動成果の公開方法および状況 本学紀要に研究論文を掲載 ・大学教育における英語の使用に関する FD ̶Using English for Teaching in Higher Education̶、 、北海道教育大学紀要教育科学編、第 61 巻 2 号、2011 年 3 月(印刷中) 、 (共 著)福田薫・吉井明・後藤泰宏・伊藤美紀・内田啓太郎 ・小規模大学における英語による授業の実施可能性 ̶Can we teach in English at a Smaller College in Japan? ̶、北海道教育大学紀要人文・社会科学編、第 61 巻 2 号、2011 年 3 月(印刷中) 、宇田川拓雄. 5.根拠資料の入手方法 上記、紀要論文を参照. 5.

(9) 社会情報分野における学生参加型授業の改善に関する自主 FD 報告書作成者 宇田川拓雄(函館校情報科学専攻) 参加者 吉井 明(同上)内田啓太郎(同上) 1.活動の概要 社会情報分野専門科目・メディア表現応用科目は、情報科学専攻社会情報分野所属学生 が 1 年生対象のメディア表現入門科目、2 年生対象のメディア表現基礎科目を履修後に 3 年次に履修する実習型、学生参加型科目である。1 年次、2 年次学んだ知識、技術を活用 し、自ら社会情報メディア表現に関するフィールド・ツアーを企画し、事前調査を行い、 ツアーを実施し、取材を行い、情報の整理分析を行ない、公開報告会を実施し、さらに最 終報告書を完成させる授業である。本科目は社会情報分野教員全員の指導のもと、学生の 積極的な参加によってなりたっている。 夏休み中のフィールドツアー (今年度は東京地域) を少数グループにわかれて実施する。 宿泊を伴い、あらかじめ自らが決めたテーマに沿った旅行計画を立て実施する。基本的に は観光社会学の視点(非日常性の体験)により標準的な社会調査手法を用い、デジカメ、 ビデオによる取材を実施する。 別の社会情報分野専門科目・社会情報キャリア実習科目では、情報科学専攻社会情報分 野に所属する 2 年生および 3 年生の学生を対象としてインターンシップを実施した。本科 目ではインターンシップに関する事前指導を行い、 参加学生がインターンシップに参加後、 分野教員の指導のもと、各自インターンシップで得られた成果を公開報告会にて報告を行 う。さらに両科目で得られる成果については学外にも広く公開発表する予定である。 FD 活動は授業実施期間を通じて行うが、10 月下旬開催予定の報告会及びその後に実施 する教員の FD 会合における講評と反省分析の上、とりまとめ、今後の授業改善に役立て る。 今回の FD の焦点は、学外で行うグループ活動を伴う学生参加型授業において理論と実 践を組み合わせた上で適切な ITC 機器の使用方法の指導を工夫することと、適切な学生評 価の方法を見いだすことである。 本 FD は中期計画 I 大学の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべ き曾地、1教育に関する目標を達成するための措置、 (1)教育内容及び教育の成果等に関 する目標を達成するための措置、5 本学独自の広域圏授業を始めとする「ICT 等を活用 する教育方法を改善し、実践する」に相当する。. 6.

(10) 2.得られた成果と評価、および評価の根拠資料 公開報告会の終了後、両科目の成果を広く公開するため「キャンパス・コンソーシアム 函館」が実施した「はこだて高等教育機関合同研究発表会:HAKODATE アカデミックリ ンク 2010」においてポスター発表を行った。なおこのイベントは 2010 年 11 月 13 日に函 館市青年センターにて実施された。 ポスター発表について、メディア表現科目は「 『東京』を歩く」 、社会情報キャリア実習 科目は「インターンシップ体験記」という題目で発表を行った。発表の際は担当教員およ び学生代表者 6 名がポスター発表を行い、あわせて来場者からの質疑応答に対応した。 今回の活動では、ポスター発表の際に、他の教育機関の教員・学生・生徒から活動内容 についての質問だけでなく感想や改善案など幅広い意見を得ることができた。また、本活 動で得られた成果と評価は平成 23 年度中に紀要論文として投稿公開することとした。. 3.今後期待される改善の効果 グループ活動で行うフィールドワークの企画実施及びその成果発表で、参加学生に等し く参加させるための工夫が必要であることが明らかになった。今後は参加型授業の評価方 法を他の授業や他大学の類似授業を参考に、しっかりした基準を作って行きたい。. 4.活動成果の公開方法および状況 授業活動の成果は「キャンパス・コンソーシアム函館」にて成果を公表した。 参加型授業の効果的な実施と評価に関する研究成果は目下研究分析中であるので、平成 23 年度中に紀要論文として公開する予定である。なお、平成 23 年度も引き続き同様の自 主 FD を実施し研究を深めるとともに、広く他の教員の参加を求める計画である。. 5.根拠資料の入手方法 「キャンパス・コンソーシアム函館」ポスターおよびプログラム. 7.

(11) 国際文化・協力専攻 欧米文化分野における授業改善活動 報告書作成者 高橋 修 (函館校国際文化・協力専攻) 参加者 上山恭男(同上) 、福田薫(同上) 、星野立子(同上) 、高橋修(同上) 、 木村哲也(同上) 1.活動の概要 実施までの経緯: 欧米文化分野では、平成20年度より分野カリキュラムに関する検 討を続けた結果、21年度には、学生の基礎的教養の不足を補うため、全教員が毎回異な るトピックを輪番で受け持ち、学生の主体的な活動を中心に授業を進める「欧米文化入門」 を1年後期に必修科目として開設した。また今年度は、卒業研究の導入科目である「欧米 文化ゼミナールⅠ」 (3年前期)を抜本的に見直し、学生が班を組んで毎回別の教員の許を 訪れレポート発表するという独自の方法で行なうこととした。 1) 「欧米文化ゼミナールⅠ」 (3年前期・必修)の改善活動 ① 改善の趣旨 a. 多くの教員と接することによる、学生の視野の拡大。 b. 共通の課題に取り組ませることを通じての、必要な能力の等質な養成。 c.. 発表の経験を積ませる。. d. そのような授業実践を通じての、各教員・分野の指導能力の伸張。 ② 授業実践 ◎スケジュール 第1回:イントロダクション、第2∼6回:1巡目、第7回:課題調査回(2巡目の準備) 、 第8∼12回:2巡目、第13回:全体公表(ゼミ配置決定)と課題調査回、第14∼1 5回:配属されたゼミ担当教員のもとでゼミナール・期末アンケート。 ◎授業方法 27人の受講生を5つの班に分け、毎回異なった教員がそれぞれの班の指導を担当す る。 1巡目においては、各受講生は毎回自分の研究テーマに関わる文献を一つ要約してレ ポートし、それをもとに質疑応答を行なう。2巡目においては、組み替えた班編制のも と、単に要約にとどまらず、自らの意見・立場を織り込んで発表できるようにする。 学生の歩みを把握し、指導の連続性を確保できるようにするため、各回の各教員の指. 8.

(12) 導内容を「教員連絡票」という一覧表にまとめ、情報を蓄積する。 第12回終了後にゼミ配属希望を提出し、それをもとにゼミ配属を決定する。 第14∼15回は、配属された教員のもとで、より専門的な指導を受ける。 ③ 中間検討会 6月7日、および6月25日に中間的な検討会を開き、進行状況をチェックし、修正の 必要な点の確認、学生アンケート項目の選定等を行なった。 ④ 期末の検討会 最終回に実施した学生アンケートの集計結果を基に、9月15日に期末の反省会を行な った。そこでは以下の諸点が話し合われた。 (アンケートは9の項目からなり、評点は5点 満点で 3.85∼3.00 だった。 ) 学生には「力がついた」との実感があり、総合的には意味のある授業になっていた。「文 献の要約の仕方、レジメの作り方、文献の探し方」に関しては比較的順調であり、「口頭 発表」に関しては即効性があったとは言えないが良い体験にはなっている。一方、「自分 の考えを論理立てることができたか・卒業研究をうまく具体化できたか」に関しては、自 信のない感想が多く、根気よく指導する必要性が確認された。「教員の指導は的確だった か」に関しては、肯定的な評価が多かったのの、専門性の不足への不満や、教員の特定の 発言への拒否的な評価もあった。学生に誤解を与えない語り方の必要性を確認した。 「この授業のシステムは全体として有効だったか」に関しては、全体としては有効性が 確認できた。しかし一部に拒否的な感想を述べている学生もおり、個性の強い学生をもし っかりと包み込む努力の必要が確認された。 各教員の許を2巡する方法に関しては、様々な感想があった。今後に関し多様な視点か ら議論したが、1巡目は要約に徹し、2巡目は主体的に自分でテーマを設定するという現 行方式の趣旨をより明確にし、より有効な運営を目指すこととした。 2) 「欧米文化入門」 (1年後期・必修)の改善活動 ① 実施までの経緯 「欧米文化入門」は、平成20年度から準備を進め、平成21年度に新規開設した授業 である。欧米の地理・歴史・文化に関する近年の学生の基礎的な視野の狭さに危機感を抱 き、基本的な背景知識の獲得を目標に開設することとした。 初年度の反省を受け、テーマの揃え方・それぞれの回の内容・授業の進め方に関して若 干の変更を加えた。その骨子は以下の3点である。 ・学生の自主的な発表だけでは包括的な視野が得られない側面もあるので、 「講義」形式の. 9.

(13) 部分を充実させることとした。 ・専攻共通科目において文学関係の科目の充実が図られたので、その観点からドイツ・フ ランスに関する回数を削減した。また、 「欧米の言語教育」 、 「英語の歴史」というテーマを 設け、 「欧米と日本」はよりテーマにふさわしい内容を目指した。 「英語の歴史」 、 「欧米の 言語」は講義形式で行なうこととした。 ・発表と質疑応答の比重に関して、教員毎の方針の違いが大きかったので、ある程度の標 準化を図った。 ② 授業実践 各回のテーマ・担当者は以下の通りとした。 第1回 イントロダクション、第2回 欧米の地理(福田) 、第3回 欧米の歴史(高橋) 、 第4回 英語の歴史(福田) 、第5回 欧米の言語教育(上山) 、第6回 欧米と日本(木 村) 、第7回 欧米の言語(木村) 、第8回 欧米の文学(木村) 、第9回 イギリスの文化 と現状(星野) 、第10回 北アメリカの文化と現状(上山) 、第11回 ドイツの文化と 現状(高橋) 、第12回 ロシアの文化と現状(星野) 、第13回 フランスの文化と現状 (木村) 、第14回 スペイン・中南米の文化と現状(木村) 、第15回 試験 学生を7つの班に分け、基本的に毎週調査のテーマを与え、10分間を持ち時間とする 発表・質疑応答を授業の骨格とする。 回毎に重要な事項を抽出して学生に明示し、それをもとに期末テストを構成する。 ③ 教員による授業相互参観と月例検討会 教員は、 担当回以外にも毎月最低1回は他の教員の授業を参観することとした。 実際は、 他の公務が重複しない限り、ほとんど全ての回に全員が参加して授業を参観した。 原則的に毎月最終の授業日の昼休憩に月例の反省会を行ない(10月26日、11月3 0日、12月24日、1月25日) 、そこで個々の授業の内容・授業法について踏み込んだ 議論を行ない、全体のテーマ構成や授業の進め方の共通のルールに関しても話し合った。 ④ 期末の検討会 最終回にアンケートを実施したが、まだ集計に至っていない。その結果も踏まえて、今 年度中に期末の検討会を開き、来年度へ向けての改善事項を明瞭にする予定である。. 2.得られた成果と評価、および評価の根拠資料 1) 「欧米文化ゼミナールⅠ」 (3年前期・必修)の改善活動の成果と評価 改善の趣旨として掲げた項目のそれぞれに関して、学生アンケートと教員による反省会. 10.

(14) のまとめを根拠資料としてまとめる。 a. 多くの教員と接することによる、学生の視野の拡大:全般的には有効な授業法であ ることを確認したが、専門的な指導が遅れることへの不満も若干の学生から出され ており、積極的に各教員にアドバイスを求めることをさらに促す等の方法により問 題の解決を計る必要がある。 b. 共通の課題に取り組ませることを通じての、必要な能力の等質な養成:全般的には 有意義な指導となったと考えるが、要約の仕方、文献の調べ方等、個人差が大きい ことも改めて浮き彫りとなった。 c.. 発表の経験を積ませる: 「要約」を授業の柱として打ち出したため、自分の意見をど こまで形成し織り込むかで戸惑った学生もいた。来年度は、1巡目と2巡目の性格 付けをより明瞭にして、より効果的な指導を行なう必要がある。. d. そのような授業実践を通じての、各教員・分野の指導能力の伸張:教員の指摘はお おむね的確との評価は得たが、意思疎通が十分でない部分も確認された。さらなる 改善が必要である。 2) 「欧米文化入門」 (1年後期・必修)の改善活動の成果と評価 これまでの反省会において、授業内容・方法について様々な問題点が指摘されている。 アンケート結果も踏まえて年度末までに期末の検討会を開き、来年度へ向けての方針を固 め、分野全体としての教育力の増進につなげていきたい。 各教員に関して言えば、それぞれがほぼ毎回他の教員の授業を参観することにより、自 らを振り返る様々なヒントが得られた。学期末に向け、教員向けのアンケートを実施し、 その概況を把握する予定である。. 3.今後期待される改善の効果 検討した様々な事項は全て、次年度の授業計画作成の具体的な足がかりとする。. 4.活動の成果の公開方法および状況 報告書を作成し、欧米文化分野のホームページにて公開する予定である。. 5.根拠資料の入手方法 各授業の学期末に学生アンケートを行なった。今後教員アンケートも行う予定である。. 11.

(15) 地域スポーツ実践研修科目の成果 報告書作成者 吉村功・田中和久(函館校地域創生専攻) 参加者 吉村功・田中和久(同上) 1.活動の概要 地域創生専攻は地域における行政,経済,文化,スポーツ,福祉などを学び,地域社会 の活性化や地域づくりに活躍する人材を育成する専攻である。その専攻科目である地域ス ポーツ実践研修は,スポーツを通した地域づくりを学ぶための実践科目である。これは, 産学官連携の総合型地域スポーツクラブ「SPORTS 北海道」において,地域の人たちを対 象としたスポーツを学生が企画し実践する活動であり,地域の人々との実際の交流の場を 通して力量を育成している。 今回の FD では,地域の小学生を対象に定期的な活動を行っているスポーツ教室におい て,そこに参加した子どもたち及びその保護者にアンケート調査を行い,地域スポーツ実 践科目の成果を検証するとともに,今後の改善への指標を得ることを目的とした。なお, 今回の調査対象は以下の通りである。 「スポーツあそびすと」 :小学生1,2年生対象クラス 1クール:週1回(60 分)を7回,本年度3クール実施 「DO・遊・パーク」 :小学生3,4年生対象クラス 1クール:週1回(70 分)を7回,本年度3クール実施. 2.得られた成果と評価,および評価の根拠資料 質問内容:楽しさ(子どもから) ,満足度(保護者から)について 回答(子ども) :すごく楽しかった(79.4%) ,楽しかった(14.3%) ,普通(4.8%) ,あ まり楽しくなかった(0%) ,楽しくなかった(1.5%) 回答(保護者) :とても満足(70.0%) ,満足(30.0%) ,普通(0%) ,不満(0%) ,と ても不満(0%) 質問内容:次回への参加意志について 回答(子ども) :参加したい(80.5%) ,わからない(17.1%) ,参加したくない(2.4%) 回答(保護者) :参加したい(79.5%) ,わからない(20.5%) ,参加したくない(0%) これらの結果より,90%を超える子どもや保護者が,本活動に対して楽しさ満足感を得, 約 80%の子どもや保護者から,次回への参加意志を示してもらえたと言える。また,その 他の質問として,子どもには楽しかったゲームや今後取り入れてほしいゲームについて尋. 12.

(16) ね,参考となる意見を得ることができた。さらに保護者からは,本活動に対して良かった 点と改善すべき点を示していただいた。. 3.今後期待される改善の効果 上述のアンケート結果より,子どもの望むゲームを参考にしながら,それぞれのゲーム の持つ運動効果を考慮した上で,活動内容を検討していきたい。保護者からは,活動内容 (運動メニュー)に関して概ねポジティブな評価をいただき,さらには学生の一生懸命さ や子どもへの気配りについても良い評価をいただいた。しかし, 「体力向上の運動メニュー をもう少し取り入れてほしい」 「運動のコツのアドバイスがほしい」などの要望意見も頂戴 し,今後の活動にむけて改善していきたい。 「SPORTS 北海道」は来年度で6年目をむかえる。今回の調査結果を参考にしながら, 地域スポーツ実践科目のさらなる充実を目指していきたい。. 4.活動成果の公開方法および状況 「SPORTS 北海道」参加学生に対して,今回の調査結果を報告する予定である。. 5.根拠資料の入手方法 「SPORTS 北海道」に参加した子ども及び保護者へのアンケート調査。. 13.

(17) 構成員協同による分野専門科目のシラバス作成 報告書作成者 中村秀夫(函館校環境科学専攻) 参加者 鵜飼光子(同上) 、松橋博美(同上) 、中村秀夫(同上) 、松浦俊彦 (同上) 1.活動の概要 当該分野(環境科学専攻物質エネルギー分野)で担当科目のシラバスを参加者全員に配 布し相互にチェックして内容の充実を図った。また、 「到達目標」と「教職チェックリスト」 の 100%入力を目指した。そしてこれらをシラバスに反映した。 これは、 中期計画に示されている(2)教育内容に関する目標を達成するための措置の中で、 教育理念等に応じた教育課程を編成するための具体的方策のひとつとして、開設科目数の 増加は望めない中で分野内の協力体制による実験・講義の充実を推し進め、かつ適切な成 績評価等の実施に関する具体的方策として授業設計,成績評価についてより学生の学習意 欲が高まるよう改善を試みたものである。22 年 2 月までに実施した。. 2.得られた成果と評価,および評価の根拠資料 参加者にすでに公開されているシラバスを配布し相互間でチェックした。その結果、未 公開であったシラバスの公開、すでに公開済みのシラバスについて見直しを図った。. 3.今後期待される改善の効果 受講学生の学習意欲の向上、成績の向上を期待する。また、教員間でお互いの講義 内容を把握することができ、それぞれの講義に生かすことが期待される。. 4.活動の成果の公開方法および状況 教育情報システムにてシラバスとして公開されています。. 5.根拠資料の入手方法 教育情報システムにてシラバスとして公開されています。うち、未公開であったシラバ スは以下のとおり。. エネルギー環境科学実験 2.pdf、環境分析化学.pdf、. 環境分析科学実験 1.pdf、環境分析科学実験 2.pdf、資料・文献調査法.pdf、 総合演習 (環境・物質).pdf、物質環境科学実験 1 A.pdf、物質環境科学実験 4 A.pdf、 文献講読 1.pdf、文献講読 2.pdf、量子分析論.pdf. 14.

(18) 公開授業の概要 報告書作成者 森谷康文(函館校地域創生専攻) 授業名「就労支援サービス」 授業提供者 森谷康文 実施日 2010 年 12 月 14 日 1.授業を公開すること 授業を公開し,他の教員による観察をうけることは,よい意味でも悪い意味でも緊張を する体験である。しかし,その緊張により,普段よりも自分自身の講義を客観的にみなが ら展開していることに気がついた。講義の組み立てはもちろん,とくに普段意識しない声 の調子や学生の表情を伺うことなどに注意がむけられ,効果的にできているかどういかを ふりかえるきっかけとなった。. 2.公開直後のふりかえり 授業終了後,講義についていくつかの質問を受け,また意見交換をおこなった。国家試 験指定科目であるために, テキストに記載してある内容をある程度踏まえる必要はあるが, より大学での講義にふさわしい内容にするために再検討する必要を感じた。また,資料を 映すモニターが日光を反射して見えないこともあるという助言をいただいたので今後対処 したい。. 3.公開授業参加の教員からのフィードバックについて 基本的に授業のよい部分を評価し,励まされる内容であり感謝している。実際には,事 前準備も授業構成も参加者に評価していただいたほどには意識的していないので,はずか しい限りである。ただ,建設的な評価をいただくことで,今後の改善につなげたいという 意欲は高まっている。. 4.今後にむけて 評価の中でも頂いた意見であるが,授業の質を確保していくためには,自身の研究活動 を軸とする十分な準備をする時間が必要と感じている。担当講義に加え大学運営に関する 任務や作業が増えており,授業準備と学生への個別対応が十分できなくなっており,学生 に対して申し訳ない気持ちも抱いている。教員の講義内容や教授技法の向上はもちろん重 要だと認識しているが,質の高い授業を保障するための環境整備も不可欠と考える。. 15.

(19) 公開授業見学レポート 報告書作成者 今在慶一朗(函館校人間発達専攻) 授業名「就労支援サービス」 授業提供者 森谷康文 実施日 2010 年 12 月 14 日 1.概要 社会福祉士資格の取得を前提とした授業であるが、社会福祉に関心のある学生が受講し ている。見学した時間の授業では、生活保護制度とその利用状況、生活保護の対象となる 人の基準、生活保護を受けている人に対する就労支援、生活保護制度が抱える課題などに ついて解説がなされた。PowerPoint を使用して 20 枚程度の豊富な統計資料が提示され、 また、映像資料を使って生活保護制度に携わるケース・ワーカーや受給者の様子が紹介さ れた。さらに、生活保護制度の基準に基づいて、 「文化的な最低水準」とされる収入額を、 受講生自らのケースで算出する体験学習も行われた。. 2.感想 統計資料が多く提示されたが、①見やすく、②最新の内容であり、③縮刷したものが配 布資料として受講生の手元に用意されていた。こうした資料は、毎回授業にあわせて作成 するとのことであったことから、準備の負担が大きいのではないかと推測される。継続的 に、毎時、この水準の準備を維持するためには授業数を抑制する必要があるであろう。ま た、この授業は、資格対応の授業であるものの、単に資格試験に必要な知識を教授するだ けでなく、現行制度や所管する官庁が抱える課題や問題点を指摘することから、大学教育 にふさわしい批判的視点を学ぶことが出来るように思われた。しかしながら、説明も資料 も適切で、授業内容は大変わかりやすく、興味深いものであったように思われるが、遅刻 者が多く、伏せて居眠りをしている学生も散見された。このような状況を目の当たりにす ると、大学による授業評価の際にこうした学生たちの意見が反映されることについては疑 問を感じざるをえない。仮に彼らがこの授業を「わかりにくい」 「役に立つとは思えなかっ た」といった回答欄にチェックをしたとして、そうした評価を真摯に取り上げる必要があ るだろうか。意欲に乏しく受講態度に問題のある学生の評価をもとに授業の進め方につい て変更(「改善」)が求められるとすれば、現在の高い水準の教育活動に対してかえって悪影 響を与えかねないであろう。授業評価にあたっては、考慮すべき学生を選別した上で、担 当者に対してたえず反省を求めるばかりではなく、十分な水準にある授業についてはその よさを率直に認め、 現状の維持を推奨するような評価を下してもよいのではないだろうか。. 16.

(20) 公開授業内容についての感想 報告書作成者 鵜飼光子(函館校環境科学専攻) 授業名「就労支援サービス」 授業提供者 森谷康文 実施日 2010 年 12 月 14 日 低所得者の雇用や経済的な状況、母子家庭の経済的状況についてその特徴を多くの統計 データを用いて効率よく講義されていた。 特に、PPT、映像、板書、配布印刷資料、テキスト、配布メモ用紙による計算など、と多種 類の教材を駆使されており講義の構成に工夫されている。 講義の最後に 10 分前くらいであったか、また小片のメモ用紙を配布し、講義のまとめをさ れていた。時間は多くないが、しかし的確に講義の総括をするのに大変効果的であった。 専門が異なるので内容についてのコメントはできないが、大変興味深い講義であり、教授 法・指導法において参考になるところが多かった。. 17.

(21) 公開授業を参観して 報告書作成者 長谷 昭(函館校環境科学専攻) 授業名「就労支援サービス」 授業提供者 森谷康文 実施日 2010 年 12 月 14 日. 1.はじめに 2010 年 12 月 13 日の公開授業「低所得者に対する就労支援」 (森谷康文先生)を参観し た。この公開授業は,FD 活動として半ば強制的なものであったので,果たして真の FD 活動とはそんなもので良いのかとの自問自答はあったが,他の教員の授業を聞く機会はそ れほど多くはないので,勉強のつもりで参加した。以下に,その授業内容の概要と,今後 の授業改善に向けて私なりに学んだことを述べたい。. 2.授業の概要 まず,前回の講義の最後に出欠チェックと兼ねて学生に記載させた,感想・質問への回 答から授業は始まった。次いで,本時の授業の目的と目標の説明,就労支援の対象となる 「低所得者」の所得の状況等の解説,生活保護とその算定基準額の算定(演習的内容を含 む) ,そして,生活保護世帯数と保護率,世帯構成比の推移等をグラフや表を用いて説明し た。その説明を通して,一次減少した生活保護受給者が 1992 年を底として増加している こと,更に近年それが大きく伸びていることを示した。その後,ビデオにより,生活保護 世帯の就労支援の中心となっている市役所等の福祉事務所に配置されているケースワーカ ーの活動を紹介したが,生活保護世帯が増加するなかで,人手不足に陥っている深刻な状 況と,支援を受ける側の就労意欲の問題等を具体的に示した。更に,生活保護受給世帯の 構成比では多くはないが,保護率ではもっとも高い母子世帯について,さまざまな角度か らの分析結果を示し,最後に,次回の予告と本時の授業についての感想・質問を記載させ て締めくくった。. 3.授業改善に向けて本授業より得たこと 本授業では,PowerPoint によるプレゼンテーションが軸ではあるが,スライドの内容 を工夫し,出来るだけ具体的データを示すなど,理系の私にとっては理解しやすい内容で あった。また,一方向的授業にならないように,感想・質問等を記載させてそれに回答し. 18.

(22) たり,演習形式で実際に生活経費を計算させたり,講義の間にビデオ映像を挟むなど,学 生の集中力を持続させる工夫が随所に見られた。このような工夫は私自身も不十分ながら 行っているが,1つの授業パターンとして定着すべき方法であると思われる。 一方,今の学生に共通することであるが,授業時における学生の質問や意見等がほとん どなく, 「双方向的授業」とは必ずしも言えなかった。しかし,これは今回の授業の問題と いうよりは,学生自身の大きな問題であるので,積極的に質問や意見を引き出せるような 授業の展開・工夫が課題と言える。本授業の内容ならばこれが可能と思われるので,一層 の改善が可能だろうし,私自身の大きな課題でもある。. 19.

(23) 公開授業に参加して 報告書作成者 村田敦郎(函館校地域創生専攻) 授業名「就労支援サービス」 授業提供者 森谷康文 実施日 2010 年 12 月 14 日 1.講義の内容構成について 講義の構成は以下になる ① 講義は、先週の授業内容に対する質問に答えることから始まる ② 本日の「講義の目的と目標」をはじめに伝える ③ パワーポイントによる映像資料を使用して授業を進めつつ、パワーポイントの内容を 印刷したレジュメを学生に渡しておく。当日の講義のテーマである「生活保護」の定義 と背景を説明する ④ 生活保護基準額の算定を、学生にさまざまな想定で計算してもらう ⑤ VTR を視聴して、具体的な事例を学ぶ ⑥ 特徴的な事例として「母子家庭」を例にあげて説明をする *時折板書をして、要点を伝える。また口頭で重要事項を伝えることで、学生の集中 力を促す 流れとしては、先週の復習をして、当日のテーマにつなげ、今日話すべきテーマを最初 の時点で教導しておく(①②) 。これによって、授業の大きな看取りができる。さらにパワ ーポイントで視覚的にうったえることで、一つ一つの事項の印象が強まる(③) 。 また実際に自分で生活保護基準を算定することで、自分自身の暮らしと引きつけて考え ることができる。それと同時に、 「親子 4 人暮し」の事例などを算定させることで、現実 感をもたせ、具体性を知る(④) 。さらに生活保護の社会的問題がいかなるものか VTR で 学ぶことは、学生たちを飽きさせない工夫がなされている(⑤) 。最後に母子家庭の事例を 取り上げることで、社会問題の現状を明らかにしていた(⑥) 。随所で、重要事項を口頭や 板書で説明することで、レジュメを手に入れただけではわからない「授業的価値」が盛り 込まれているのは特筆に値すると考える。 森谷先生の講義を拝聴し自分自身の講義のやり方を鑑みるに、パワーポイントなどの視 覚効果の点と実際に作業させることで実感をもたせるなどの工夫が欠如しているように思 われた。講義とはいえ、一方的な展開ではなく、教員と学生が織りなす相互作用であるこ とをあらためて考えさせられた公開講義であった。. 20.

(24) 2011 年 03 月 31 日. 平成 22 年度 授業なんでも目安箱. 活動報告書. 報告者. 林美都子(函館校人間発達専攻心理学分野). 実施者. 北海道教育大学函館校 FD 委員会. 活動の概要 大学生参加型 FD 活動の端緒として、2010 年 12 月∼2011 年 3 月まで「授業なんでも目 安箱」を実験的に施行した。本活動の計画にあたり、事前に学生 5 名(男子学生 3 名、女子 学生 2 名)を対象にどのような「目安箱」があると良いと思うか、意見聴取を行ったところ、 主に以下のような意見を得た。 (ア) 目安箱的なものがあると良いと思うか ①. 機会があれば、いろいろ大学についていいたいことがあるので嬉しい(2 件). ②. どんな意見を入れたらよいのか良く分からない(2 件). ③. 不満はいろいろあるが、4 年間の辛抱だし面倒だからどうでもいい(1 件). (イ) もし今、目安箱があったら、どういう内容を投函するか ①. 食堂のメニューや営業時間、喫茶店や生協の品揃えの充実(5 件). ②. 冷房や暖房を何とかして欲しい(5 件). ③. 授業やテスト方法、教員に関する不満(科目の増設・他専攻等と比較したとき の不満など)(3 件). ④. 大学からの連絡方法(2 件). (ウ) 目安箱への投函に返信が欲しいか ①. 欲しい(4 件) 1.. ②. とりあえず自分の意見が大学に届いたと分かれば満足(1 件). 欲しいが現実的に返信は無理だと考えている(1 件). (エ) 誰から返信が欲しいか ①. 生協の偉い人、事務の偉い人、学長先生や副学長先生など、 そのことについて対応する権限や責任ある立場の人(5 件). (オ) その他 ①. 授業アンケートや副学長先生との話し合いなど、いろいろあるが 一体どんな人がどんな意見ややり取りをしているのか見えにくくて 形だけに思える. ②. 実際に機能しているのか. WEB での授業アンケート結果は分かりにくい. 掲示板が正式な情報伝達手. 段だと言うなら、掲示板で知らせるべきではないか. 21.

(25) 以上の学生の意見を踏まえ、今回の活動においては大学サイドと学生サイドとが目安箱 による意見募集と掲示板による公開回答を通して交流を深め、 「学生の意見が大学側に届い ていること」 「一学生の意見が大学全体で共有されうること」を学生に示すことを目標とし た。その他、本活動の枠を超える重大事に関する投書やいたずら投書などにどのように対 応するべきかなども考慮し、今回の実施は以下のように行うことと決めた。 1.2010 年 12 月∼2011 年 3 月の期間限定の活動とする 2.目安箱による投書は、授業に関する内容に限定し、匿名投稿も OK とする 3.いただいた投書とそれへの回答は、個人情報保護の上、2 号館 1 階の掲示板で公開する 4.投書を貰ってからなるべく早く回答を掲示する. 得られた成果と評価、および評価の根拠資料 実質的に約 3 か月という短期間の実施であったが、その間に 2 件の投書があった。 1 件は、 函館校にてスキーに関する実習授業を新規に開講希望したいとの内容、もう1件はとある 教員の授業態度が理不尽でありハラスメントが疑われるとの内容であった。それぞれ、関 連する教員に投書を見せ、回答を求め、投書とその回答とを1週間以内に掲示板にて公開 した。スキー授業に関しては既に類似の授業が存在しており受講を希望する場合はどのよ うにすべきかの回答を得、掲示を行った。とある教員の授業態度に関しては FD 委員会の対 応方針(あくまでも本委員会では「授業改善」の観点からの取り組みであること)と深刻な事 態であれば人権相談員を頼るべきであることを示した後に、とある教員本人より評価基準 や授業の目的などについて回答を得、掲示を行った。 それぞれの投書と回答とは、副学長にもお知らせする旨掲示した上で副学長に一報した。. 今後期待される改善の効果 今回の授業なんでも目安箱の設置により、授業に関連して学生が大学側に伝えたい事柄 がある場合、 「目安箱」のような仕組みもありうること、一定の需要が存在することが分っ た。本活動の目的である、学生の意見を大学側が受け止めていることも、ある程度示せた ように思われる。本活動を定番化することにより、日頃気づきにくい学生側の要望を拾い 上げたり、学生側と大学側の交流を促進したりなどの改善の効果が期待される。 しかし、目安箱に投稿される意見数が増加した時にどこまで対応可能であるか、また FD 委員活動としての「目安箱」の取り扱い範囲をどこまでとするかなど考えるべき点も多い。. 成果の情報提供の状況 各投書ならびにそれへの回答は、函館校 7 号館 1 階の掲示板にて随時公開中である。 以上。. 22.

(26) 発達障害が疑われる学生の理解と支援「座談会」 報告書作成者 五十嵐靖夫・細谷一博(函館校人間発達専攻) 参加者 今在慶一郎(同上) ・本田真大(同上) ・阿部二郎(同上) ・坂本紀子 (同上) ・北村博幸(同上) ・池田正(函館校情報科学専攻) ・田中邦明(函館 校環境科学専攻) ・中村秀夫(函館校環境科学専攻) ・松浦俊彦(函館校環境科 学専攻) 1.活動の概要 企画者の障害児臨床分野の教員から発達障害の基本的な理解について説明し,さらに国 立特殊教育総合研究所(2005)が作成したガイドブック「発達障害のある学生を支援する ために」 ,国内の大学での障害のある学生への支援状況,国内における高等教育機関におけ る発達障害への支援の状況,大学におけるLD学生への学習支援について紹介した。 さらにアスペルガー症候群と診断されている本学のAさんへの支援の経過と課題につい てアカデミックアドバイザーから紹介があった。Aさんは,履修計画を自分で考えること や対人関係に困難があるが,上級生がサポートし現在は安定した学生生活を送っている。 今までサポートしてくれた学生が卒業し,Aさんが4年生になった時にどのような支援が できるか心配な状況である。 その後も「大学の教員が発達障害のある学生や発達障害が疑われる学生に気づいていな い」 「本学として発達障害のある学生を支援する体制をどのように構築するか」 「学生たち に発達障害についてどのように理解してもらうか」など,活発な意見交流が行われた。. 2.得られた成果と評価,および評価の根拠資料 企画者の1名を除く参加者 10 名にアンケート用紙を配布して回収した。回収率は 100% であった。以下にアンケートの結果を示す。 (1) 今回の座談会(FD)の満足度について(N=10) 項 目. 回 答 数. 大変満足. 7. 満足. 2. どちらでもない. 1. 23.

(27) 不満足. 0. 大変不満足. 0. (2) 今回の座談会(FD)に参加した理由について(複数回答,N=10) 項 目. 回 答 数. 今まで対応に難しい学生(院生を含)に出会ったことが. 5. ある 現在,困っている学生を抱えている. 6. 将来,対応に難しい学生(院生を含)への理解が必要と. 4. 思った 何となく興味があったから. 0. 誘われたから. 2. その他. 0. (3) 今回の座談会(FD)の内容について(N=10) 項 目. 回 答 数. 大変よく理解できた. 7. おおよそ理解できた. 3. あまり理解できなか. 0. った まったく理解できな. 0. かった (4) 今回の座談会(FD)全体を通して(複数回答,N=10) 項 目. 回 答 数. 有意義な内容であり満足している. 7. 事例に関する内容について理解することができた. 3. 支援の基本的な内容を理解することができた. 5. 障害の専門的な知識や用語が出てきたので難しかった. 1. 24.

(28) 事例紹介についてもっと詳しく取り上げてほしい. 1. 参加者の質疑の時間をもっと長く欲しかった. 2. (5) その他,今回の座談会(FD)に対する希望や要望など(自由記述) ・このような課題は大学における人権教育としても重要と思います。専攻学生,教員 のみならず,全学生にこのような理解が求められると思います。 ・授業の中でどのように配慮できるかなども知りたいです。 ・発達障害を理解できる教員を増やす必要性があると思います。 ・今後とも情報を共有していきたいと思います。 ・またやってください。. 3.今後期待される改善の効果 今後もこのような FD 活動を継続することにより,学内の教員の発達障害のある学生や 発達障害が疑われる学生への理解が深まると考えられる。. 4.活動の成果の公開方法および状況 本 FD 活動の概要と成果については,北海道教育大学函館校 人間発達専攻 障害児臨床 分野の HP において公開する。. 5.根拠資料の入手方法 (1) 文献 国立特殊教育総合研究所(2005) :発達障害のある学生を支援するために‐確かな学 びと充実した生活をめざして‐. 文部省(1999) :学習障害及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒の指導 方法に関する調査研究協力者会議,学習障害児に対する指導について(報告). 文部科学省(2003) :特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議,今後の特 別支援教育の在り方について(最終報告) . 文部科学省(2004) :小・中学校における LD(学習障害) ,ADHD(注意欠陥/多動 性障害) , 高機能自閉症の児童生徒への教育的支援体制の整備のためのガイドライン (試案) . 西村優紀美(2006) :学生相談の立場から.LD 研究,15(3),302-311. 佐藤克敏(2006) :わが国の高等教育機関における LD・ADHD・高機能自閉症等への 支援の現状.LD 研究,15(3),289-296. 山口薫(2006) :大学における LD 学生への学習支援‐星槎大学の試み‐.LD 研究,. 25.

(29) 15(3),297-301. (2) 国内の大学での支援 ・筑波技術大学 視覚障害,聴覚障害者のための大学(http://www.tsukuba-tech.ac.jp/) ・筑波大学 障害学生支援室(http://www.human.tsukuba.ac.jp/shien/) ・大阪大学 障害学生支援ユニット(http://www.osaka-u.ac.jp/jp/campus/shien/index.html) ・淑徳大学 障害学生支援センター(http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/2809/) ・日本福祉大学 障害学生支援センター(http://www.n-fukushi.ac.jp/shiencenter/) ・同志社大学 障がい学生支援室(http://www.doshisha.ac.jp/students/support2/shogai/). 26.

(30) 函館校における FD の実践 2010 平成 23 年 3 月発行 北海道教育大学函館校 FD 委員会 委員長. 松橋. 副委員長 河 林 委員. 博美 錬洙(総括担当) 美都子(授業なんでも目安箱担当). 奥野. 正義(公開授業担当). 山口. 好和(エントリー制度担当). 森谷. 康文(ワークショップ担当). 川本. 清美(報告書編集担当).

(31)

参照

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