姫川の河岸段丘
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(2) . 1巻 第1. 第1号. B. 北海道学芸大学紀要 (第二部). 姫. 川 瀬. の. 岸. 河 川. 秀. 段. 5年8月 昭和3. 丘. 良. 北海道学芸大学函館分校地理学教室. Shuryo sl ; }GA・VA :. The r iver terraces of the Hime River. The wr i ter exa 1mined the f。ur terraces-shinagawa B0ku j o Terrace, Wrarabin。 Terrace, ogawa Terrace Kayam。 T i errace-along the River Hi= r i do e The l , ,in H0kka . , Japan. approximーate height o f the upper three of the1n is loom 601m and 401 ively. 3 1 respect ,. The upper three terraces extend widely butthe ogawa Terrace is not found at the , loWer part 。 f the 日i l r l e RiVer s found only at the southern , The wrarabino Terrace i. i de of the lower part of the Hilne River s ,. Fro lm the upper part to the lower part of iver the r h a rabino , t e Wr ,and the ogawa Terraces decrease in height from the river bot to 1m・. The med i igur an f e of gravel at the ogawa Terrace is greatest , and those of the Kayamor i h t 汎 r b i T h d t e iver f loor decrease gr ara no erraces an e present r l ly in thi , adua s. The bed rock at the upper r order iver terrace i i ・ sh gher than that ofthe lower river l terrace h d t h e grave att e upper terrace i sthi , an ckerthan that of the lower one,. The grad i i entof the ogawa Terrace i f ferentf imated gradi ts est sd r om i ent from the i l f ial ly i ti present rver oor h pointin Fi s remarkable atthe 13t , and espec g .2andFig ,7 , These facts te. l us thatthe re 1at ive he i f h ′arabino and the 。gawa g t curve o the vi ,. River Terraces o f the Hime River converges on the l l profi le tudina i ongi gher , from theh l tt h t r a o e t d h i ower par an t e rver terrace s lope from the southern s p ide to the northern. ide s tne River , atthe lower part of the Hi . 1,. 序. 姫川とは北海道 渡島半島の西岸 を乙部岳 1017m より発して南西方向に流れ 最後は乙部村本 , 村附近で日本海に注いで居る所の約 20km の川である 渡島半島は多くの海岸段丘の存在するこ , とが知られて居るが, 此の海岸段丘との関係に於て 河岸段丘は地形発達史の上から注意されな , ければならない. 渡島半島の各河川 に於ては河岸段丘が見られるが 姫川に於ても河岸段丘の発 , 達がよく, 道南の地殻変動を知る一手段としてその調査が望まれて居る所である . 筆 者 は 1959 年夏現地におもむき河岸段丘の調査 に当ったが 同年秋9 月再び現地で補足 的調 , 査を二三行い, 数年来継続中の北海道海岸 段丘調査との関係に於て得る所があったと考 える よ . って此 処に発表 し大方の御批判, 御教示 を得たいものと考 える次第である , 調査に対して 協力された学生諸君に感 謝し 叉宿泊の 便宜を与えていただい た桧山郡乙部村長 , 徳寺住職三原自照 師, いろいろ御世話いただいた同村教育長青木勝蔵氏 乙部小学校長大内一夫 , -1 49-.
(3) . ”. 秀 源. i. 良. 先生に感謝し, 叉本学亀谷栄教授には御教 示をうける事 が多かった事を感謝 します. 尚此の研究には本学尚学会より研究費の補 助をいただい た. 記して 感謝の意を表 します. また, 此の研 究を行うに当り, 東京教育大学町田貞助教授の論女に教えを受け る所極めて大な るものがあっ た事を述 べ, 感謝する次第であ る. 2 . 段 丘 の 分 布 第1図は姫川の河岸段丘の分布図であ る. 段丘は四段丘に分ける事が出来 る. 最高位の段丘は i fR i t i b f t i i o r T e r s r u no e 【 ac e s v .I D g. ◆ i u oT鮒鋸 i 滋蓬 sh n agawa Bok. ー…Warabino Terrace 1 1 loga胃a TerraCe l 1 1 . O m L÷一k 品川牧場や竹 森の南部に見られ るものであり, loom を上限とする段丘である. 発達のよい場所 の名にちなん でこれを品 川牧場段丘とする. 次は 60m を上限とする段丘 であり, 品川牧場段丘 と大きな比高を もってその下部に存在して居るものであり, 地名によりこれを蕨野段丘とする. 在 五万分 の一地形図江差に於て は, 茅森東北方に姫川に沿うてその右岸に一つ の平坦面のみが存 する様に表現 されて居るが, これは地形表現 がよくない のであって, 事実は蕨 野段丘面と小川段 40m 前後を上 丘面の二面 より成る ものである. 次の小川段丘は蕨野段丘の下部に存 在する所の 限とする段丘であり, 上流より姫川小学校付近ま でつ づいて居る がそれより下流には分布して居 らない. 最下部の河岸段丘は茅 森の南部 よ り上流にのみ 存在して居るのでこれを茅森段丘とする. の上部に, 則 縮 尺の関係上此の最下部の段丘は図上に分 布させる事 が出来なかった, 此等の段丘 ち品川牧 場段丘よりも更に高位置に, 仙台野の平坦面が存在する. これは凡らく江差町東部の元 0m 前後の海岸段丘 と対比さる べき海岸段丘であろう と考えられる が, これについて 山山麓の 20 は調査は充分でなく, 従って姫川の北方の小茂 内川の河岸段丘との対比も明らかでない. 従って 主に姫川の河岸段丘につい てのみふれ, その他姫 川に平行する川 の段丘地形についてもあまりふ れ な い こ と と した.. 以上の様に 各河岸段丘の分布状態は一様でなく, 品川牧場段 丘や蕨野段丘は全 流にわたって分 一150一.
(4) . 姫川の河岸段丘 布 して居るが, 小川段丘や茅森段丘は分布がせまく, 特に後者の分布範囲はせまく上流の一部に のみ見出される, 叉段丘の分布状態 をみると姫川小学校よ り下流に於ては, 河岸段丘は左岸 にの. み存在 し右岸には見出されない. 此の様な非対称的な配置の原因につい ては色々考えられ るが , 此の場合に於て考慮さるべき可能性のあるのは地盤の傾動 による傾斜運動と 岩 石あるいは地質 , 構造の影響の二つであるが, 後者については此の付近の地質は新第三 紀層の黒松内層及び八雲層 のみであり” 岩石に於て抵抗の差をもたらす様な岩質の差を見出さず, 叉断層等の構造線 に於 ては厚沢部川の支流の安野呂川は断層に沿う て走って居り, 叉小坂下から品川牧場方面 には北東 } 一南西の断層があり, 叉竹森の南にも断層が存在 する2 , 姫川の姫川小学校付近より竹森付近 ま での直線状の谷, 姫川に姫川小学校付近で合流して居る支流の伸びて居る方向, 厚沢部川の 支流 である簸川の直線状の谷, これらの間に見られる山脈の伸びの方向等は北東一南西の方向 性を示 すが, これらが構造線であるか否かは明らかでなく, 叉たとえそうであるに しても姫川 小学校よ. り下流の河岸段丘の非対称を考える場合に於て, 前の構造線と同様直接 関係して居らない, しか も江差付近に於て海岸段丘の旧汀線が,loom 以上と mom 以下の各段丘で, 夫夫 160m 前後 から mom の高度迄と 8om から 70m までと, 南から北に漸減して居る事, 叉海岸 段丘のみで. なく姫川と同様東から西に流れる厚沢部川の河岸 段丘に於ても, 左岸にのみ発達 し右岸に見出さ れない事は, 江差付近から姫川付近までを含めて, 南から北に漸減 する様な地盤の傾動による傾 斜運動が存在して居ったものと考えられる. しか して小茂内川流域 に於ては, 姫川とは反対 に右. 岸にのみ河岸段丘の発達がよく, 左岸に悪く, 現河川も左岸にせまっ て急崖をつくりながら侵蝕 して居り, 此の両地域の間に反対の動きがあったのではないかと考えられるが, これは予報の域 を脱して居らない.. 3 , 段 丘 の 傾 斜 第2図は姫川の流 域に見られる露頭の地点を分布させたものである, 次に第3図は姫川 及びそ の河岸段丘の縦断曲線をあらわしたものであ り, 機軸は河ロからの距離を示し, 縦軸は高度をあ Fig.2: Di i i but t s r on 凸江aP Showing Rock BXPosur es. 惹. 1 ー. lkm. Fig.3: Long i ina I Pro負l tud ins e of Tevrace P1 a. IQom 50m. ◆ ; ; -;; 一 ± ; ;: ; .ラ コ;二 --- 一 -; ‐+“r--- ‐ ” - - ”+- - ”“”-榊- ‐ ‐+=ヰ ド“旧“““”馴””【-ふ” 1 3 2 4 5 6 7 8 9 ・ lo. -151一. 7 l. 7 2km.
(5) . 川. 瀬. 秀. 良. らわ して居る. 河岸段丘は一番下が小川段丘, 真中は蕨 野段丘, 一番上は品川牧場段丘となって 居る, 同図によると各段丘とも品川牧場段丘を のぞいて, その傾斜が上流部は下流部に比 べて大 であり, 現河床に於ても此の傾向 が見られる. 品川牧場段丘はこれとは異なって居る.. ハ ン ドレ ベ ル 及 で バ ロ メ ← 夕 ← に よ り, 段 丘 の 比 高 を 実 測 して み る と 第 1 表 の 様 に な る. (地. 点番号は第2図と同じである. 以下同じ) 観測点は少いが品川牧場段丘では現河床に対する比高 第1 表: 各段丘面の現河床よりの比高 (m). \\ 拠点番号 段滋 名 \ ミ 品川 牧場段 丘 蕨. 野 段 小 川 段. 丘 丘. 茅 森. 丘. 段. I. 2. 3. 4. 5. 8. 6 ,9. lo 11. 12. 13. 14. 16. 17. 18. 64 16.7 20.5 7 9.5 11 13 .1 4.6 3.6 7.4 8,5 8.7. 33. 26 9 13 16.2 24.1 17.4. (左岸). 7 .7 6,2. 18. 20. 11 8.3. が, 下流に大きく上流に小さく, 上流に収鰍する傾向 が見られ, 蕨野段丘面の比高は現河床に対 して次第に上流に大きくなって居る. 即ち下流に収叙 して居ると云うことが出来る. 小川段丘面 では13地点の数字はや 大であるが, その他は大体に於いて上 流から下流に比高の小さくなって. 行く傾向が伺われ, 小川段丘面も上流 より下流に収叙する傾向を示す. 茅森段丘も同様に下流に 収鰍して居る. 次に此等河岸段丘相互の関係をみると, 蕨野段丘面 の小川段丘面に対する比高は下流より上流 に同様に大きく なって居る. その他の段丘間 の関係は資料の関係で論ずる事はむづかしい. 小川段丘面が姫川小学校 付近 (第2図の 4地点付近) で何故姿を消すかについては, 小川段丘 面は姫川小学校 より下流では現沖積面下に埋め られて存在すると考えられ, 此の事は 3地点付近. の蕨野段丘面でさへも沖積面か らの比高が極めて低くなり, 小川段丘面では上流から下流に段丘 面を追って来ると沖積面と交叉する こと, 下流部では比高 が次第に小さくなって来る ことも, 此 の推察をうらづけて居るとみることが出来よう. 4,5地点付近を軸と して上流部では増傾斜の傾 向があり, 下流部では減傾斜傾向があり, 下流部では広く沖積地が存在 し, 更に川口付近では蕨 野段丘面に対比される海岸段丘が, 河岸段丘よりもや 高くなって居る事は. 一連の関連性を持. つものと思われる. 蕨野段丘面は乙部村本村あたりで高度 20m 前後になるが, これに対比され る海岸段丘は 30~40m 面であり, 叉品川牧場段丘 も下流の 60m の高度のものが海岸段丘の 80 ~60m 面と対比される のであり 小茂内川に直交 し海岸線に略平行して走 る向斜軸の延長が, 姫 , 川にも影響 して居るものと考えられ る. 厚沢部川に於ても 60m 河岸段丘が 60~70m の海岸段. 丘と対比されるのは, 此の下流部に高くなる様な動きが, 姫川付近 のみならず, もっと広い範囲 にわたる ものである事を考えさせる. 次に河岸段丘の右岸と左岸とを比較 してみると, 前述 した様に下流部では左岸にのみ発達がよ く, 右岸には河岸段丘を見出 さず, 非対照的配置を して居るのであるが, 中流部では比較高 度が 右岸よりも左岸に高くなって居り, 前述した所の南からゴヒヘの傾斜運動の存在をうらづけて居る. 則ち現河床と段丘の比較高 度をとってみると, 蕨野段丘面で 13 地点の場合左岸で 26m, 右岸で. 0 地点で左岸の 1lm, 右岸 の 9m となり, 何れも左岸が右岸よ 24m となり, 小川段丘面では 1 りも比較高度大となり, 以上の考えを証明 して居るものと云えよぅ. 4 .. 段 丘 堆 積 物. 堆積 物の比較をする ために, 出来るだけ多くの露 頭より各段丘の堆積物 及び現河床の堆積物を 2- -15.
(6) . 姫 川 の 河 岸 段 丘. とり, 節分けを行った. 節分けの方法は従来とられて来た方法に従い3 ) , 粒度分折の結果を重量 比であらわ し, 積算曲線から 5 0%の値で medianめ を 求 め, 叉 同 曲 線 の 25% 及び 75% の 値 か ら Qdゐ を求め, 叉 10% と 90% の値か Pdの を求めた 結果は第2表に示した 蕨野段丘 小 . , ,. \ 癌覇 陳の 類 河 床 隣. 策 2 表. 地点番号 M 1 d中 Qd中 Pdや. 茅森段丘膜. I. 2. 5. 6. ー4.4 ー5 ー5 8 5 0 5 7 0 0. . .95 2.3 1.7 2.85. 7. 9. -4.4 1 .2. ー4.7 1 .I. 2.75. D江dゆ. -6 .5 -5.7 1 .35 1 .I 3.55 2.55. Pd中. Qdや Pdq 1. 19. 20 -4.9 0.75 1.9. 2.1. Qdや. ハ αd中. 17. -6.2 1.0. Qd中. Mdゆ. 蕨野段丘隣. 14. ー6.25 【5.1 -5.6 0.85 0.47 0.4 3 1.05 ,05 2.25 0.8. Pd中. 小川段丘隣. 13. -5.8 1 .0 2,45. -5.7 1 .5. -5.8 ー6.2 ー6.3 - -6 .1 0.85 0・77 0.6 1.05 1.95 1.5 2.75 2.8 - -3.8 2 .05 3,17. 3 .15. ー6 .3 1,75 3.3 ー5.5 1 .45 2.6. 川段丘, 現河床の隙 を一度に対比出来るのは9地点のみであ り, 他の場合に於ては此等の中のど れか二つのみしか測定出来ず, 叉茅森段丘の際は14地点のみしか節分け出来なかった 第2表に . よ る と, 9 地点では粒径の中央値が蕨野段丘に於て 最も小さく 次いで現河床隣 が小さく , , 小川 段丘隣は最も大きい事を示 して居る. 茅森段丘隣は14地点に於ける結果によれば 小川段丘磯よ , り小さく, 現河床隣よ り大きいことになる. 此等全 体の数字を見わたしてみると 蕨野段丘面は , 現河床よりも急流的であり, 小川段丘面は更に蕨野段丘面よりも急流的であったと云う事が出来 る. しかし此の事は小川段丘面が全部急流的環境にあった事を意味するのではなく , 中には20地 点の場合の様に, 粘土層が数層 レンズ状に堆積する事 によって知られる様な , 長径 20m 位の小 湖をつくる様な停滞部分 をその中に含む事を除外するものではない. 9 地 点に於て現河床際と小川 段丘膜の実際の堆積状況を見ると , 小川段丘際は河床際よりも一. 般に大きな際 を持ち, 節分けはあまりよくない. 凝灰岩の基盤の上に約 lm の厚さに 安山岩 ス , レート,.チャート等の磯層 をのせて居るが, 現河床と比べてみた場合に此の段丘 時代は一般に運. 搬力が大きかったと考えられ, 最大磯は 40cm にも達する. 際の円磨度も現河床に比べて劣る , 此の様に節分け した結果と堆積の状況とは一致して居るの であるが, たゞ Qdの に於ては此の9. 地点に於てのみ全く逆となって居 り, 際の場合の節分 けの方法上の問題が反対の 結果をあらわし たものと考えられるが, 疑問の点である, 蕨野段丘隣について調べてみると 3地 点の例では二つ , の隣 堆積時代を考えることが出 来るが, 堆積の状 兄は下部よ り最大25 c m大の大磯の堆積層 8 ,5m 火 山 灰 層 の lm, 5cm 以下の牒層の 50cm の 厚 さ ぎそ の 上 に 火 山 灰 層 の lm の 厚 さ , , 更 にその. 上に黒土の順序に堆積 して居る. 蕨野段丘の形成過程に於て, 運搬力大なる 時代から火山灰層の 堆積の時代をへて, 次第により静かな運搬能力時代となり, 更に二度目の火 山灰層時代をへて現. 在に至って居る事が知られ, 少くとも蕨野段丘の下部の時代は現河床よりも急な堆積環境である けれども, 上部の時代は 小川段丘時代よ りも静かであり, 現河床に大差なかったと云える 以上 . の事を考えてみると, もっとも急激な河床を持って居たの は小川段丘 面 ついでおそらく 茅森段 , 一153一.
(7) . . 川. 瀬. 秀. 良. 丘面, 次は蕨野段丘面, もっとも下流的な河床を持って居たのは現河床と云う事になる. ・中・下流に於ける際の節分けの結果を比較してみると, 何れも大きく 三 次に個々の段丘の上. 部分に分ける事 が万能 である. 則ち 1. 2. 5 の 各 地 点 を 第 一 の グル ー プ と し, 6. 7. 9 の各地点 を第二のグループ,13地点より上流を第三の グル←プとする事が出来る. 第一と第二の グループ は第二の ダル←プを間にはさんで何れも粒径が大で, その中でも第三のグループはもっ とも粒径 が大である. 此の事は第二の グルー プが停滞 した流路を持ち, その上流も下流 も共に第二の グル ープよりは傾斜 が急であるか, あるい は他の原因で運搬能力が大であったためと考え られる. 堆 積物をみると第一の グループから第二のグルプにうつると, 粒径が小さくなり, 第 三のグループ になると急に際径の大きくなる事が目立つ. 叉第三の グループに於て小川段丘際 は大差がない が, 現河床堆積物に於ては Mdの が上流に小さくなる様 な傾向が見られるが, これは何にもと づくか は明らかではないが, 段丘時代と現河床との間に傾斜その他の変化 があ り, 現河床 がもっとも下 流的性質をもつ事 が関係するのではあるまい か. こう した グル ープ分けと, 前述 した段丘の傾斜 との関係について, 次の様に考えられる. 則ち姫川小学校より下流に於ては南から北に減傾する 運動があり, 姫川小学校より上流に於ては上流か ら下流に減傾する運動があり, 此の両者 の動き の中間にあって 静止的な立場にあっ た部分が, 下流より も, より静かな堆積環 境をつくる事 とな って, 第二の グルー プをつくったと見る事 が出来る, そ して第一の グルー プにあってはその川口 d 付近で更にまた傾斜 がゆるくなって居る事は, 蕨野段丘膜 が 1 , 2 両地点で殆ん ど同じ M の を 示す事や, 現河床磯で Mdの が2地点よりも1地点に於て小さくなる事によっても知 りうる し, 叉前述 した様に海岸段丘との比較に於ても知る事が出来る.. 5 . 現河床磯と小川段丘隣との Mdのの比較 隣の採取地点は小川段 丘に於て最もよいので, これを現河床の隣と比較してみ た, (第4図) ion Between the Di t l Fig.4: Re s ance and M眼中ofthe at l l s Terrace Gvave s and the River Grave 1s 8 e r c eG ray oT ra XRi ls verGrave. . . 1. 2. i ¥. 重量 離 量. 員 t. 少. q 、 、. . 1. 2. 3. 1 7. 2 0. . . . 1 3質. 5 67 9. 4. 5. 6 一154「. △- --. ------- 一 4 - , - ‐ 。- ----. 7. 8. 9. l o. l 1. 7 2 k m.
(8) . 姫 川 の 河 岸 段 丘. 現河床隣の場合に於ては13地点よ り下流に於て 上流から下流 に向って膜の 粒径の Mdの が減少 , する傾向が見られるが,13地点よ り上流では逆に上流に小さくなって居る 小川段丘に於てはあ . まりこう した傾向は明らかでなく, 全般的に大 差なき粒径をもって居る その中にあっ て粒径が . 上流から下流 に大きくなっ て居るものがあ り, 小川段丘磯に於ては6地点から5地点へ移る所で あり, 現河床隣に於 ては14地点から13地点へ移る時と 6地点から5地点へ移る時である 6か , . ら5地点へ移る所では小川段丘の場合も河床膜の場合でも同様にあらわれて居り 小川段丘時代 , から現在につづく傾向と考えられるが, 14地点から13地点への急激な動きは現河床にのみ見られ る変化であ り, 粒径が急 に大きくなっ て居る事が目立つ , この特別な点を除いて, 小川段丘牒と 現河床際は大 体に於て平行した傾向を持ち しかも常 に小川段丘凍は現河床際よりも著 しく大き , い事を示 して居る. 次に粒径頻度曲線をみるために第5図 をあらわした . 第5A 図は河床膜で地点番号は第2図 に 示した地点近くの河床 を意味して居 り 第5B 図は段丘際 で 上段は蕨野段丘際 , , , 中・下段は小 Fig.5A: Frequency Curves ofthe Ri l ver Grave s. Fig l ,5B Frequency Curvesofthe Terrace Grave s. oず ・. 0. 50. o所 I 0. 5一 【15.
(9) . 瀬. 川. 秀. 良. 川 段 丘 牒 で あ る. 此 等 の 図 に よ る と, 現 河 床 際 は め ス ケ ← ル の -5. 則ち径 32cm. に ピーク を も. ち, あ と は 大 体 に 於 て ス ム ー ス ・ カ ー ブ を 描 い て 小 さく なっ て 居 る が, 細 か く み る と の ス ケ ー ル の 0 あ る い は -1の所に極めて小さな ピークが見られる程度で, 大磯の場合の ピークに比べると. ‐5ある ないと云っても よい位の ピークである. これに対 し小川段丘隣の場合に は の スケールの ‐ 綱粒物質に於け るピークが現河床陳 の いは -6の ピ←クは, 現河床際の場合の様に著 しくなく, . 場合に比べて明瞭になって来て居り, はっきり二つの山の存在する事が知 られ, 中には三つの 山 の存在する所もある. こう した意味で現河床際と小川段丘牒 とは, ちがった堆 積環境下で堆積 し たものである ことが分る. 次に上・中・下流を比 べてみた場合, 現河床膜では上流部と下流部に 流が似た堆積環境で, 7 大磯が多く, 中流部 ( , 9 地点) では必ずしもそう でない. これは上・下 中流部はこれと異る ことを示 して居る, こう した関係は小川段丘隣にも見 られ,5 地点より下流 べて少ない. こ 部と13地点より上流部に於ては大磯が多く,6 , 9 地点ではこれ らの上・下 流に比 のこともまた, 段丘傾斜に於ける動きをうらづける材料 である. 6 , 段丘堆積物の厚さと基盤 岩高度 基盤岩高 度と砂際層の厚さとの関係は第3表に 示される. 各段丘とも砂牒層の厚さは一般にう 第3表: 段丘堆積物の厚さとその基底高度 (no 地点番号 ÷ 丘名 ー\\ \ 一一. 蕨野段丘 小川段丘 茅森段丘. I. 2. 砂膜層の厚さ. 4. 基 底 高 度. 3.5 9. 砂課層の厚さ 基 底 高 度. 3. 5. 6. 7. 9. 11. 12. 13. 14. 17 18 19. 4. 3. 2.4 5士 6士. 2. 5 .5 .4 8. 33. 6. I. 2. 20 .5 19. 27. ・ 5 3 0.5 2. 13 .5 19. 1 .8 30. ( )32 参学. 42.742 47. 砂隣層の厚さ. 0.6. 基 底 高 度. 24 .4. すく, 蕨野段丘の3 地点に於て 8.5m の堆積をみ る以外は大抵5m 以下であり, 蕨野段丘の場合 には観測点が少い が,9 地点では下流よりもうすくなって居る. 叉小川段丘に於ても一般にうす く, しかも全流的に大差 がない. 基盤岩高 度は蕨野段丘 では露頭の関 係上はっきり しないが, 上流に高くなって居る様 であり,. 小川段丘に於ても下流から上流に向って基盤岩高度が高く なって居り, 叉右岸よりも左岸に高く なって居る. 叉同一地点で 各段丘を比較した場合に於ては, 小川段丘よりも蕨野段丘に於て基盤 岩高度 が高く, 堆積物 の厚さも厚くなる傾向が見られる. 此の様に基 盤岩が上流に高い ことは, 前述 した各段丘面 の傾斜が上流から下流 に傾斜する傾向 を示すことをうらづけるものであり, 少くとも小川段丘時代には此の傾向 があり, 14地点より上 流部では此の傾向がや>弱ま って居る. 7 . 粒径分布と河川勾配 ) 町田貞博 士が久慈川中流に於て行った方法を, そのまま姫川の場合に応用 してみた4 . 結果は 0 0 7 第6図に示す通りである, 現河床磯 の Mdの と勾配との関係は y= ー4.418- . 9 x の関係式で あ らわ さ れ, γ= -0.47 となった. 則ち姫川現河床隣の Mdの と勾配との関係 はうすいこと を示 一156「.
(10) . 姫川の河岸段丘 Fig l ion Between t he Ri at ient and M .6: Re [ d中 ofthe Ri ver Grad ver Gravel s. るノ. -5. メ ×. x. X x. ,. × .. -4. !. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. Fig ent and Presumed Pas ,7: Present Terrace Gradi t R1 G d i ver ra ent a t Each st i at on. 3 ×ー o‐. 0 ′. 2 5. ′ P ′. ′. 2 4. ′ / ′. ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ / ′ / ′ ′ ′ / ′ ! ′ / ′ ′ ! /. 23 2 2 27. 2d 1 9. 18. .. / / ノ ′. 17 16. p. / / r / ′ ′ , ノ ノ ′ P , / P , /. . 1 4. も ,. , 3 ,2. lo . / . 8. 、 d \. . . \. 6. ・. f. 5. 4. o pa i stRiver Gr ad e n t i e se a nt Ter r c eG r ad eqt Q Pr. \ ; 、 ‘ 、 1; , も. 1 0. 6. 7. 8 ,. 9 -157一. l o. l l. 2 1 k m. 1 0×博一.
(11) . 瀬. 川. 秀. 良. 05 して居 る. しかるに上流部の 14, 17, 20 の 三 地 点 を 除 い た 場 合 に 於 て は, y= ー3.12- , x の 回帰直線であ らわされ, その相関関係 は γ=-0 .91 となり, 勾配と Mdの とが高度 の相関々係 を示 して居り,13地点より下流と上流と では別な関 係が, 勾配と Md≠ との間に存在することと な る. 相 関 係 数 γ= -0.91 を検定してみ ると,5%の危検率でもって, 相関々係のない母集団か ら と っ た と す る 仮 説 を, 捨 て る こ●と が 出 来 る.. ・ 小川段丘時 代に於ても存 在したと推定 そこで13地点以下の 場合, 現河床際と勾配との関係が‘ ・れに よると してあらわした時の勾配と, 現在の勾配とを比較するために第7図 をあらわ した, こ 現在の勾配は常に推定勾配 より大であり, 叉13地点では非常に大きな変動があったことを示 して 13 居り, 現河床と小川段丘時代とでは非常に大きな堆積環境の差 があった事となる. しかも 地点 は峡谷をなす所であり, 此の地点の隆起が大きな影響を及ぼして居るとみる ことが出来る, 8.. 論. 結. 1 ) 姫川の河岸段丘は 4段あり, 高位のものよりこれを夫々品川牧場段丘, 蕨野段丘, 小川段 ( 丘, 茅森段丘とする. 高位三 段丘の高度は夫々上限で loom, 60m, 40m と な る. 2 1 段丘の 発達のよいのは高 位三段丘であるが, 小川段丘は下流には見られず, 下流では蕨野 {. 段丘 が左岸にのみ発 達し, 所謂非対称的 発達をな して居る, ) 品川牧場段丘を除いて, 各段丘とも下流に収叙する傾向 がある. 穣 4 ~ 段丘際を際の中径で比較すると, 大きいものから小さいものに, 小川段丘牒, 茅森段丘際, { 蕨野段丘隣の順となり, 現河床際は更に 小さい. 5 } 段丘際層下の岩石 の高度をみると, 一般に高位の段丘程 高くなり, 叉陳層の厚さも厚い傾 (. 向がある. 6 1 現河床の粒径と 現河床との関係をみると, 河全体と しては関係がう すいが, 上流部を除い t て考えた場合には, 相関係数 -o .91 で関係の深い ことが分る. 晒 小川段 丘の現在の勾配と, 現河床陳と同床勾配から推定 した勾配と では, 相当大きな差が あり, 特に13地点に於て著 しい. 圏 段丘の分布, 段丘面の傾 斜, 段丘隣層の基 底高度, 際層の 中径等を考え合せると, 此 の地 域では姫川小学校 付近より下流での南からゴヒヘの傾斜運動, 上流部に於ける所の下流に向っての 収鰍的運動, 中流に於ける停滞があり, 小川段丘に於ては13地点の局部的隆起が存 在した. 叉川 口附近に於け る小隆起現象 も, 海岸段丘との関係等に於て知る ことが出来る, 参. 考. 女. 献. 1 ) 1) 二十万分之一 北海道地質図( , 西部, 北海道地下資源調査所 2 ) 前掲に同 じ, 3 ) 三野与吉編 自然地理の調べ方 自然地理学研究法, その他 ″ 4) 町田 貞 : 段丘堆積物より見た久慈川中流の河岸段丘 東京教育大学地理学研究報告1. -158一.
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