• 検索結果がありません。

蓄積転送型通信を用いた広域災害時通信システム利用における性能評価

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "蓄積転送型通信を用いた広域災害時通信システム利用における性能評価"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)情報処理学会第 74 回全国大会. 1E-1. 蓄積転送型通信を用いた広域災害時通信システムの性能評価 樫原 茂‡ . 横山 輝明† . サイバー大学† 奈良先端科学技術大学院大学‡ 1 . 本 研 究 の 概 要 我々は災害地において有用な情報サービスに ついて研究開発している。地震などの広域災害 では、通信基盤そのものが利用不能となる。そ こで PC やスマートフォンによる無線近接通信を 用いた情報伝播機構から研究開発を始めた。こ の機構を用いて、災害時の安否確認サービスの 実現に取り組んでいる。 安否確認サービスの実現には、近接通信の通 信制御や安否確認情報の伝達プロトコルの設計 が必要になる。そこで、この情報伝播機構の通 信性能を評価する。本論文では、DTN 通信シミュ レータである ONE を用いた実験とその結果につ いて報告する。 2 . 災 害 地 に お け る 情 報 サ ー ビ ス IT 技術の普及に伴い、災害という非常事態に おける IT サービスの活用が期待されている。先 の東日本大震災においても携帯電話による通話 や各種サービスの活用が報告された[1]。また、 最近では災害時における情報収集や広報を支援 するための情報システムが登場している。その 中でも、Sahana は数多くの地震災害における実 績と成果を残している[2]。 これらの事例では、被災者の安否や被災地の 状況などの報告への情報サービス活用が報告さ れている。しかし、これらの活用には通信基盤 の利用が前提である。我々は通信基盤そのもの が壊滅的な被害を受ける広域災害を想定して、 そのような状況に対応するためのコミュニケー ションサービスの実現を図る。 3 . Acrux: 端 末 間 で の 情 報 伝 播 機 構 我々の研究グループが開発している蓄積転送 型通信[3]を用いた情報伝播機構が Acrux である。 図1は Acrux による端末間での情報の拡散伝播 のイメージである。Acrux では近接した端末間で のデータ交換によって情報を伝播する。 Acrux は、PC やスマートフォン上にて実装し ている。Acrux は 802.11a/b/g/n などの WiFi イ ンターフェイスを用いて近隣の端末間で直接情 報を交換する。そのために、予め各端末に共通 An evaluation of a store-and-forward communication service under disaster †Cyber University, Faculty of Information Technology and Business ‡Nara Institute of Science and Technology, Faculty of Information Science. 3-41. SSID や暗号鍵を用いて WiFi アドホック通信を設 定する。端末が近接すると、端末はこのアドホ ック通信上にて他端末を発見する。近接端末の 発見や情報交換は、このアドホック通信リンク 上での IPv6 リンクローカル通信を利用する。図 2はファイル取得手順である。①端末が他端末 を発見すると、相手のファイル一覧を取得する。 一覧に基づいて取得ファイルを決定して、②フ ァイル要求を送信して③ファイルを取得する。 . 図 1 Acrux による通信基盤イメージ . 図2 近接端末間でのデータ交換 . . 4 . 災 害 地 向 け 情 報 サ ー ビ ス の 課 題 Acrux 機構によって通信基盤を必要としない情 報伝播が可能となる。この情報伝播を用いて、 災害地における情報サービスの実現に挑戦する。 このサービスは、災害地における安否確認や状 況報告の収集伝達を提供する。 サービス実装の前に、まずはシミュレーショ ンによってサービスの実現性について調査する。 調査には、蓄積配信型通信のシミュレータ ONE を利用する。シミュレータにより、基本的な通 信性能を実験調査する。 5 . シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 実 験 安否確認サービスの実現性についてシミュレ ーションにて実験する。東日本大震災での事例 より、避難所や被災者数を設定する[4]。通信性 能の下限側を調べるために不利な状況を設定す る。 10,000m x 10,000m の被災地内にて 5 箇所の拠 点と 10,000 人の被災者が存在する状況を想定す る。拠点数は少なめに、被災者は多めに設定し. Copyright 2012 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 74 回全国大会. ている。そのうち、情報伝播を担当する協力者 を少なめに 100 人とする。他の 9,900 人は協力 者に自身の安否を伝えるが、伝播には協力しな い。協力者 1 人は自身の情報も含めて、100 人分 の安否情報を伝播する。図3は実験トポロジで ある。協力者の移動速度は 0.5〜1.5m/sec、拠点 に到着すると 3〜5 分停止して、次の移動先拠点 をランダムに選択して移動する。 . 触回数、接触時間が支配的な影響を与えている と推測される。ノード間の平均接触時間は 1.57 秒となった、このとき転送可能なデータサイズ は最大 1.96M バイトとなる。ノードは 7669 秒の 接触時間にてデータを伝播している。その結果、 6 日間での最大データ伝播量は 9586M バイトとな る。しかし、データ重複を考えると、実効デー タ伝播量はこれを下回る。 今回の結果はひとつの例であるが、メガバイ トクラスのデータ伝播拡散には困難が伴うこと がわかる。ボトルネックは近接時間内の転送量 である。そこで、より高速な近接通信の実現が 望まれる。また、データ共有ではなく、一対一 の通信形式での利用モデルの採用も考えられる。 . 表1 実験結果 図3 実験トポロジ . . . 安否情報のサイズは、写真や音声などのマル チメディアデータを想定して、1M バイト/人とす る。1 人の協力者が運搬するデータは 1M バイト *100 人で 100M バイトとなる。端末間の近接時に データ転送して、離れると保留、再び近接する と途中から再開する。端末の通信インターフェ イスは、実効通信速度は低く見積もって、10M bit/sec、通信範囲は 10m とする。 安否情報の被災地外への伝達には、協力者を 経由してインターネット側へのデータ中継が必 要になる。ところが、どの協力者が将来にイン ターネット接続可能になるのかを予め予測する ことは困難である。そこで、全協力者が中継可 能性を持つように、全ての情報を全ての協力者 が保有することを目標として実験する。 6 . 実 験 結 果 6 日間(259,200 秒)の情報伝播をシミュレー ションした。表 1 は実験結果である。実験終了 時に全ノードが保持するデータは 677,079 個と なった。10,000 人分のデータを 100 人の協力者 が保持した場合の伝播率を 1 とすると、伝播率 は約 0.68 となった。接触に関する結果は 1 ノー ドあたりの数値である。今回の不利な状況設定 では、6日間では完全な情報共有には至らなか った。 図 4 はデータの伝播過程である。参考に、デ ータサイズを 100K バイトの場合の伝播結果を記 す。1M バイトのデータは線形に伝播している。 データ伝播量の線形性は行動モデルとノード配 置が一様であったためと考えられる。また、こ の増加量には、各ノードの単位時間あたりの接. 3-42. 図4 実験結果 . . 7 . ま と め 災害時の安否確認サービスの実現をシミュレ ーションによって検証した。データサイズが大 きいと、単純なデータ伝播拡散には時間が非常 にかかることがわかった。今後のサービス設計 では、高速な通信インターフェイスへの対応や 通信モデルの変更などを考慮する。 参 考 文 献 [1] 平成 23 年 情報通信白書, http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepa per/, 2012/1/13 [2] C. De Silva et al., "Sahana: Overview of a Disaster Management System," In proc. of the IEEE International Conference on Information and Automation (ICIA), 2006. [3] K. Fall et al., “A delay-tolerant network architecture for challenged internets”, In proc. of the 2003 conference on Applications, technologies, architectures, and protocols for computer communications, August 25-29, 2003. [4] 避 難 所 ・ 安 否 確 認 情 報 , http://www.egov.go.jp/link/shelter.html, 2012/1/13 . Copyright 2012 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(3)

参照

関連したドキュメント

攻撃者は安定して攻撃を成功させるためにメモリ空間 の固定領域に配置された ROPgadget コードを用いようとす る.2.4 節で示した ASLR が機能している場合は困難とな

当社は、お客様が本サイトを通じて取得された個人情報(個人情報とは、個人に関する情報

題が検出されると、トラブルシューティングを開始するために必要なシステム状態の情報が Dell に送 信されます。SupportAssist は、 Windows

タービンブレード側ファツリー部 は、運転時の熱応力及び過給機の 回転による遠心力により経年的な

パスワード 設定変更時にパスワードを要求するよう設定する 設定なし 電波時計 電波受信ユニットを取り外したときの動作を設定する 通常

システムの許容範囲を超えた気海象 許容範囲内外の判定システム システムの不具合による自動運航の継続不可 システムの予備の搭載 船陸間通信の信頼性低下

専用区画の有無 平面図、写真など 情報通信機器専用の有無 写真など.

タービンブレード側ファツリー部 は、運転時の熱応力及び過給機の 回転による遠心力により経年的な