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財務諸表論①

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Academic year: 2021

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2019 年 5 月号 財務諸表論 つぶ問

1問目 【問題】 次の財務諸表の注記にもとづき、設問に答えなさい。 当社が保有する備品 A は、従来、耐用年数を 15 年として減価償却を行ってきました が、使用実態を踏まえて検討した結果、当事業年度より耐用年数を10 年に変更しました。 この結果、従来の耐用年数によった場合と比較して、当事業年度の営業利益、経常利益 及び税引前当期純利益はそれぞれ10 百万円減少しております。 1. この注記に記載されている変更は、A 会計方針の変更、B 表示方法の変更、C 会計上の 見積りの変更、D 過去の誤謬の訂正のいずれに該当するか答えなさい。 2. 減価償却の耐用年数の変更については、その影響額を変更期間で一時に認識する方法 (キャッチ・アップ方式)と当期以降の費用配分に影響させる方法(プロスペクティブ 方式)の2 つが考えられる。そこで、キャッチ・アップ方式が採用されなかった理由を 3 つ挙げなさい。

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【解答】 1. C 会計上の見積りの変更 2. ①新たな事実の発生に伴う見積りの変更に関する会計処理として、実質的に過去の期 間への遡及適用と同様の効果をもたらす処理は不適切である。 ②キャッチ・アップ方式による処理が適切と思われる状況があったとしても、耐用年数 の短縮に収益性の低下を伴うことが多く、減損処理の中で影響を含めて処理できる。 ③臨時償却として処理される事例の多くが、将来に生じる除却損の前倒し的な意味合 いが強い。 【解説】 会計上の変更等では、減価償却の計算・理論ともに問われやすいため、注意が必要です。 1. 耐用年数の変更は、取得時に見積った耐用年数を変更するものであるため、会計上の見 積りの変更に該当します。仮に、取得時に合理的に入手できる情報から10 年とすべき であったにも関わらず 15 年としていた場合の処理は D 過去の誤謬の訂正となります (本文では「使用実態を踏まえて検討した結果」とあるため、取得時には分からなかっ た取得後の使用状況を踏まえた変更であると判断できます。)また、もし定額法や定率 法といった償却方法の変更の場合は、償却方法自体は会計方針であるがその変更は当 初見積った消費パターンが変わったことによるものであるとして、「会計方針の変更と 会計上の見積りの変更を区別できない場合」に該当します。 2. ①は見積りの変更による影響は当期以降に反映させるべきであるため、遡及適用と同 様の処理にすべきではないということを指摘する論拠です。②は仮に一時で費用を認 識すべき状況があっても減損損失として計上されるため、あえてキャッチ・アップ方式 をとる必要がないことを指摘するものです。そして、③は将来の除却損と見積りの変更 は性質が異なり、まだ除却していない時点で一時に処理すべきではない(もし、前倒し で除却損の計上が必要ならば減損損失に含めて処理される、もしくは資産除去債務や 引当金などで処理される)ことを指しています。また、解答には示しませんでしたが、 他にも国際的な会計基準とのコンバージェンスの必要性も論拠として挙げられます。

参照

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