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JAIST Repository: 科学技術指標2013から見た日本

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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 科学技術指標2013から見た日本 Author(s) 神田, 由美子; 富澤, 宏之; 伊神, 正貫; 阪, 彩香 Citation 年次学術大会講演要旨集, 28: 308-312 Issue Date 2013-11-02 Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/11722

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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1I03

科学技術指標 2013 から見た日本

○神田由美子、富澤宏之、伊神正貫、阪 彩香(文科省・NISTEP) 1.背景と目的 「科学技術指標」とは、我が国の科学技術活動を 客観的・定量的データに基づき、体系的に把握する ための基礎資料である[1]。文部科学省 科学技術・ 学術政策研究所が毎年発表しており、科学技術活動 を「研究開発費」、「研究開発人材」、「高等教育」、 「研究開発のアウトプット」、「科学技術とイノベーショ ン」の 5 つのカテゴリーに分類し、関連する多数の指 標で日本及び主要国の状況を表している。 本稿では日本の科学技術状況を見るために、「科 学技術指標 2013」における 150 近い指標群の中から、 科学技術活動を示す代表的な 6 つの指標を選択し た。 具体的には、国の研究開発の基本的な資源の投 入量を測る指標として①研究開発費、②研究者数を、 科学技術人材を支える人的資源を測る指標として③ 学士号取得者数を選択した。また、研究開発活動の 成果を測る指標として④論文数、技術開発の成果を 測る指標として⑤パテントファミリー数を選択した。最 後に、経済市場における国際的な科学技術競争力 を測る指標として、⑥ハイテクノロジーとミディアムハイ テクノロジー産業輸出額を選択した。 これらの指標を基に日本の科学技術状況を見る。 また、比較のために他国(米、独、仏、英、中、韓)の 状況も見ることとする。 2.主要国の科学技術活動の動向 まず、選択した 6 つの指標の動向を見ていく。なお、 ⑥についてはハイテクノロジー産業輸出額とミディア ムハイテクノロジー産業輸出額の違いを見せるため に別個に示す。 (1)総研究開発費 日本全体の研究開発費総額は 2011 年で 17.4 兆 円である。前年と比較すると 1.6%の増加であり、 2008 年から続いた減少は止まった。他国を見ると、米 国が他国を圧倒しているが 2008 年をピークに減少し 続けている。中国の伸びは継続しており、2009 年から 日本を上回っている(図 1)。 図 1 主要国の研究開発費の推移 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 1981 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 2011 研 究 開 発 費( 名 目 額) 年 兆円 米 国 日 本 17.4 ドイツ 中 国 EU-27 EU-15 イギリス フランス 日本(OECD推計) 韓 国 (2)研究者数 2012 年の日本の研究者数は、大学の研究者数を フルタイム換算した場合 66 万人、ヘッドカウントの場 合 89 万人であり、近年横ばいに推移している。他国 を見ると、中国の研究者数の伸びが目立つ。なお、 中国の 2009 年値の激しい減少は、研究者の計測範 囲が変更1されたためである。(図 2) 1 2009 年以降、OECD が研究開発統計の調査方法についての研究 者数の国際的標準を提示しているフラスカティ・マニュアルの定義に 従って収集し始めた。

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図 2 主要国の研究者数の推移 (3)学士号取得者数 人口 100 万人当たりの学士号取得者数では、日本 は 2012 年度で 4,372 人である。各国の最新年の値を 見ると、最も多い国は、韓国で 6,017 人である。次い で、イギリスが 5,927 人、米国が 5,547 人である。2005 年と比較すると、日本は横ばい、フランスは減少、そ の他の国は増加している(図 3)。 図 3 主要国の学士号取得者数の変化 (4)論文数 研究開発活動のアウトプットとして計測可能な科学 論文について、分数カウント法を用いて、主要国の 「論文の生産への貢献度」について比較を行った。日 本の論文数は、2010-2012 年の平均では米国、中国 に次ぐ第 3 位であるが、2000-2002 年の平均と比較 すると、論文数、順位ともに低下している(表 1)。 表 1 国・地域の論文数(全分野・分数カウント)

注:分析対象は、article, article & proceedings (article として扱うた め),letter, note, review である。トムソン・ロイター社 Web of Science (SCIE, CPCI : Science)を基に、 科学技術・学術政策研 究所が集計。 (5)パテントファミリー数 パテントファミリー数とは、同じ内容で複数の国・地 域に出願された特許を、重複を排除するために、同 一のパテントファミリーとしてカウントした指標で、発明 者の国・地域ごとに集計している。 「科学技術指標 2013」では、特許出願数の国際比 較可能性を向上させるために、パテントファミリーによ る独自の分析を日本の科学技術指標では初めて本 格的に実施した。 パテントファミリー数は、2006-2008 年の平均では、 日本が世界第 1 位、米国が第 2 位となっており、 1996-1998 年の平均と比較すると、パテントファミリー 数、順位ともに上昇し、米国を上回っている(表 2)。 表 2 国・地域のパテントファミリー数 96年-98年(平均) 06年-08年(平均) パテントファ ミリー数 順位 パテントファ ミリー数 順位 日本 31,415 2 61,399 1 米国 33,144 1 47,556 2 ドイツ 20,954 3 30,724 3 韓国 4,867 6 18,466 4 フランス 7,440 4 11,082 5 中国 712 19 9,506 6 台湾 998 15 9,318 7 イギリス 6,426 5 8,752 8 イタリア 3,479 7 5,668 9 カナダ 2,701 10 5,600 10 国・地域名 注:欧州特許庁の PATSTAT(2012 年 9 月バージョン)をもとに、科学技 術・学術政策研究所が集計。 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 05 12 05 10 07 10 05 10 05 10 05 11 日本 米国 ドイツ フランス イギリス 韓国 人 口 百 万 人 当 た り の 学 士 号 取 得 者 数 その他 教育・教員養成 医・歯・薬 ・保健 農学 工学 理学 理学+工学+農学 法経等 人文・芸術 人 年度 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 1981 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 研 究 者 数 万人 2012年 ドイツ 中 国 EU-15 EU-27 イギリス フランス 米 国 日本(HC) 日 本* 日本 (FTE) 韓 国 00年-02年(平均) 10年-12年(平均) 論文数 順位 論文数 順位 米国 210,237 1 258,421 1 中国 29,868 6 137,624 2 日本 66,637 2 64,579 3 ドイツ 52,399 4 61,731 4 イギリス 55,075 3 58,502 5 フランス 37,652 5 44,022 6 インド 16,499 12 40,627 7 イタリア 27,176 7 40,310 8 韓国 13,465 14 37,226 9 カナダ 24,906 8 36,777 10 国・地域名

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(6)ハイテクノロジー産業輸出額 ハイテクノロジー産業とは「医薬品」、「オフィス機 器・コンピューター」、「電子機器」、「医用・精密・光学 機器」、「航空宇宙」を指す。これら産業の輸出額を 見ると、日本は近年、横ばいに推移している。中国で は輸出額が急速に増加しており、2000 年代後半には、 米国を上回った。また、ドイツも 2000 年代後半に輸出 額は増加している(図 4)。 図 4 主要国のハイテクノロジー産業輸出額の推移 (7)ミディアムハイテクノロジー産業輸出額 ミディアムハイテクノロジー産業とは、「化学(医薬 品を除く)」、「一般機械」、「電気機械(情報通信機器 を除く)」、「自動車」、「その他輸送」を指す。これらの 輸出額はドイツが最も大きく、次いで米国であり、日 本も存在感を示しているが、2011 年では急速に伸び た中国の輸出額が日本を上回っている(図 5)。 図 5 主要国のミディアムハイテクノロジー産業 輸出額の推移 3.主要国の科学技術活動のバランス 次に、前述した 6 つの指標について最新年2のデ ータを国ごとにまとめ、国の中での科学技術活動の バランスを見るとともに、各国の差異を見る。 まず、国の規模を考慮した指標を作成した。①研 究開発費、⑥ハイテクノロジーとミディアムハイテクノ ロジー産業輸出額については GDP で除し、②研究 者数、③学士号取得者数については人口で除して いるが、④論文数、⑤パテントファミリー数についても、 国の経済規模を考慮して GDP で除した。なお、①に ついては各国通貨を使用し、計算した。④、⑤、⑥に ついてはドル通貨(購買力平価)を使用し、計算し た。 一つの図表にまとめる際には、各指標における各 国(日、米、独、仏、英、中、韓)の値を規準化した。 ただし、一般的な規準化のように平均値 0、標準偏差 1 とすると負の値が出てしまい、グラフに描きにくいた め、ここでは、平均値を 5、標準偏差を 2 になるように 計算した。 図 6 に主要国の科学技術活動のバランスを示した。 日本を見ると、「研究開発費/GDP」、「研究者数/人 口」の指標は平均値より高く、「学士号取得者数/人 口」の指標は平均値と同等である。また、「論文数 /GDP」の指標は平均より低い。なお、「パテントファミ リー数/GDP」の指標はかなり高いが、「ハイテクノロジ ーとミディアムハイテクノロジー産業輸出額/GDP」の 指標は平均値と同等である。このことは、日本の技術 開発が製品開発に至るまでの結びつきが弱いことを 示していると考えられる。 米国を見ると、「学士号取得者数/人口」の指標が 最も高い。「研究開発費/GDP」、「研究者数/人口」の 指標も平均値よりは高い。その他の指標は、全てが 平均値より低い。その中でも「ハイテクノロジーとミディ アムハイテクノロジー産業輸出額/GDP」の指標は低 いことが目立つ。 ド イ ツ を 見 る と 、 「 研 究 者 数 / 人 口 」 と 「 論 文 数 /GDP」の指標は平均値と同程度であり、「学士号取 得者数/人口」の指標が、平均値より若干低い。その 他の指標は平均値より高く、特に「ハイテクノロジーと ミディアムハイテクノロジー産業輸出額/GDP」の指標 が高いことが目立つ。 2 最新年から過去3年の平均を使用した(中国の②は過去 2 年の平均 値)。 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 医薬品 オフィス機器・コンピューター 電子機器 医用・精密・光学機器 航空・宇宙 日本 ドイツ フランス イギリス ハ イ テ ク ノ ロ ジー 産 業 輸 出 額 韓国 米国 中国 億ドル グラフのデータは各国ごとに左から1995年~2011年 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 化学(医薬品を除く) 一般機械 電気機械(情報通信機器を除く) 自動車 その他輸送 日本 ドイツ フランス イギリス ミ デ ィ ア ム ハ イ テ ク ノ ロ ジー 産 業 輸 出 額 韓国 米国 中国 億ドル グラフのデータは各国ごとに左から1995年~2011年

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フランスを見ると、「論文数/GDP」の指標と「ハイテ クノロジーとミディアムハイテクノロジー産業輸出額 /GDP」の指標が平均値と同等であるが、その他の指 標は平均値より低い。 イギリスを見ると、「論文数/GDP」の指標が最も高く、 また、「学士号取得者数/人口」の指標も高い。一方 で「研究開発費/GDP」、「パテントファミリー数/GDP」 の指標は平均値よりも低い。 中国を見ると、全ての指標が平均値よりもかなり低 い。その中で見ると、「ハイテクノロジーとミディアムハ イテクノロジー産業輸出額/GDP」の指標が比較的高 い。 韓国を見ると、全ての指標で平均値を上回り、全体 的に高い。その中で見ると、比較的低いのは「ハイテ クノロジーとミディアムハイテクノロジー産業輸出額 /GDP」の指標である。 4.まとめ –日本の科学技術状況- 科学技術指標は、複雑多岐に渡る科学技術活動 を定量データで表現しようとするものである。本稿で は、「科学技術指標 2013」から選択した指標を用いて、 6 つの指標の動向と、国別にまとめた 6 つ指標のバラ ンスの両面から、科学技術活動の状況を見た。 日本は、人口当たりで見た学士号取得者数につい ては、7 か国の平均と同等であるが、その数は横ばい である。比較対象国の多くで学士号取得者数が増加 している中、日本の学士号取得者数が横ばいである ということは、将来的に科学技術人材を支える人的資 源が、各国の平均以下になる可能性が示唆される。 論文数については、GDP 当たりで見ると平均より小 さく、論文数自体も減少している。研究開発活動の成 果は低迷していると考えられる。 パテントファミリー数については、GDP 当たりで見る と平均よりも大きく、パテントファミリー数自体も増加し ている。一方、ハイテクノロジーとミディアムハイテクノ ロジー産業輸出額については、GDP 当たりで見ると 平均と同等である。輸出額自体については、ミディア ムハイテクノロジー産業輸出額は伸びているが、ハイ テクノロジー産業輸出額は横ばいに推移している。 このことは、特にハイテクノロジー産業において、 技術開発の成果は出ているが、製品開発に至るまで の結びつきが弱いことを示唆している。 今後は、このようなパテントファミリー数とハイテクノ ロジー産業輸出額との関係性や、他の指標同士の関 係性などについても、分析していきたいと考えてい る。 参考資料 [1] 科学技術・学術政策研究所「科学技術 2013」(調査 資料-225)2013 年 8 月

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図 6 主要国の科学技術活動のバランス 0 5 10 ①研究開発費/GDP ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/ 人口 ④論文数/GDP ⑤パテントファミリー 数/GDP ⑥ハイテクノロジーと ミディアムハイテクノ ロジー産業輸出額 /GDP 日本 0 5 10 ①研究開発費/GDP ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/ 人口 ④論文数/GDP ⑤パテントファミリー 数/GDP ⑥ハイテクノロジーと ミディアムハイテクノ ロジー産業輸出額 /GDP 米国 0 5 10 ①研究開発費/GDP ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/ 人口 ④論文数/GDP ⑤パテントファミリー 数/GDP ⑥ハイテクノロジーと ミディアムハイテクノ ロジー産業輸出額 /GDP ドイツ 0 5 10 ①研究開発費/GDP ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/ 人口 ④論文数/GDP ⑤パテントファミリー 数/GDP ⑥ハイテクノロジーと ミディアムハイテクノ ロジー産業輸出額 /GDP フランス 0 5 10 ①研究開発費/GDP ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/ 人口 ④論文数/GDP ⑤パテントファミリー 数/GDP ⑥ハイテクノロジーと ミディアムハイテクノ ロジー産業輸出額 /GDP イギリス 0 5 10 ①研究開発費/GDP ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/ 人口 ④論文数/GDP ⑤パテントファミリー 数/GDP ⑥ハイテクノロジーと ミディアムハイテクノ ロジー産業輸出額 /GDP 中国 0 5 10 ①研究開発費/GDP ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/ 人口 ④論文数/GDP ⑤パテントファミリー 数/GDP ⑥ハイテクノロジーと ミディアムハイテクノ ロジー産業輸出額 /GDP 韓国 ①:08-10年、②③⑥:09-11年、④:10-12年、⑤:06-08年(全て3年平均) ①⑥:09-11年、②:05-07年、③:08-10年、④:10-12年、⑤:06-08年(全て3年平均) ①⑥:09-11年、②、③:08-10年、④:10-12年、⑤:06-08年(全て3年平均) ①⑥:09-11年、②、③:08-10年、④:10-12年、⑤:06-08年(全て3年平均) ①③:08-10年、②、⑥:09-11年、④:10-12年、⑤:06-08年(全て3年平均) ①③:08-10年、②:09-10年、④:10-12年、⑤:06-08年、⑥:09-11年 (②は2年平均、それ以外は3年平均) ①③:08-10年、②、⑥:09-11年、④:10-12年、⑤:06-08年(全て3年平均)

図 2  主要国の研究者数の推移  (3)学士号取得者数  人口 100 万人当たりの学士号取得者数では、日本 は 2012 年度で 4,372 人である。各国の最新年の値を 見ると、最も多い国は、韓国で 6,017 人である。次い で、イギリスが 5,927 人、米国が 5,547 人である。2005 年と比較すると、日本は横ばい、フランスは減少、そ の他の国は増加している(図 3)。  図 3  主要国の学士号取得者数の変化  (4)論文数  研究開発活動のアウトプットとして計測可能な科学 論文について
図 6  主要国の科学技術活動のバランス    05 ①研究開発費/GDP10 ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/ 人口 ④論文数/GDP⑤パテントファミリー数/GDP⑥ハイテクノロジーとミディアムハイテクノロジー産業輸出額/GDP日本 05 ①研究開発費/GDP10 ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/人口④論文数/GDP⑤パテントファミリー数/GDP⑥ハイテクノロジーとミディアムハイテクノロジー産業輸出額/GDP米国 05 ①研究開発費/GDP10 ②研究者数/人口 ③学士号取得者数/ 人口 ④論文数

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