JAIST Repository: 環状ペプチドライブラリーの固相合成とリポ多糖結合ペプチドのスクリーニング
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(2) B18P3. 環状ペプチドライブラリーの固相合成とリポ多糖結合ペプチドのスクリーニング 森. 直人(横山研究室). 【目的】 環状ペプチドは、特定の安定な構造を有するため、直鎖状ペプチドよりもターゲット分子に対す る親和性が高いという報告が多く、分子認識素子として期待されている。一方、ターゲットに対し て親和性の高いペプチドを選択するには、スプリット合成法により固相上にライブラリーを作製す る方法がある。固相合成の特徴としては、ライブラリー構築に時間がかからない、スクリーニング が容易である、有機溶媒が使用できるなどがあげられる。本研究では、スプリット合成法によって オンビーズ環状ペプチドライブラリーを作製し、リポ多糖(LPS:lipopolysaccharide)に結合す るペプチドをスクリーニングすることを目的とした。LPS はグラム陰性菌の外膜に存在する内毒素 (エンドトキシン)であり、医療現場などでの混入は生命に関わる大変な問題となる。また LPS は免疫機能に対しても様々な影響を与え、LPS の機能の解明が広く望まれている。そのため、LPS を認識するペプチドを獲得することは、LPS の検出や LPS の機能を解明するためのツールとして 期待できると考える。 【実験方法】 ペプチドライブラリーは、コンビナトリアルケミストリーの手法の一つであるスプリット合成法を用い ることにより固相上に作製した。ペプチドのアミノ酸配列は Resin-linker-C-A-X-X-X-X-X-A-C、X の部 位の5残基を8種類(X=P, R, I, L, G, K, F, Q)のアミノ酸 でランダム化した。ペプチドは Fmoc 固相 合成法により調製した。ペプチドの環状化は、20%ジメチルスルホキシドを含む 20mM 酢酸アンモニウ ム(pH 8.0)緩衝溶液中で 2 日間行い、システイン側鎖のチオール基を自然酸化し、ジスルフィド結合 を生成させた。環状ペプチドの合成確認は、質量分析(MALDI-TOF-MS)、および Ellman 試薬を用い た SH 基の定量によって行った。スクリーニングは、蛍光物質(Alexa Fluor 488)を修飾した LPS と ビーズを混合し、洗浄操作の後、蛍光顕微鏡を用いて 495nm で励起し 519nm の蛍光を観察することで 行った。強い蛍光を示すビーズを取得し、プロテインシーケンサーでペプチドの配列を決定した。スク リーニングした配列のペプチドをあらためて合成し、表面プラズモン共鳴(SPR)装置を用いて LPS との親和性を測定した。SPR では固定化リガンドにペプチド、アナライトに LPS を用いた。 【結果と考察】 質量分析とエルマン試薬を用いた SH 基の定量を行い、環状ペプチドに相当する質量値と SH 基の酸 化を確認した。また、オンビーズ環状ペプチドライブラリーと蛍光修飾 LPS を混合、洗浄後、蛍光顕 微鏡により観察したところ、強い蛍光を示すビーズが確認された。プロテインシーケンサーによりスク リーニングで得た 8 種類のアミノ酸配列を決定した。SPR 測定によりペプチドと LPS の解離定数を求 めた結果、LPS に対して高い親和性を示す環状ペプチドをスクリーニングできたことが示された。 【Keyword 】 リポ多糖(LPS) スプリット合成 オンビーズスクリーニング. 環状ペプチド. 表面プラズモン共鳴. 分子認識.
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