未来社会をプロデュースするICT : 14.環境調和型クラウドコンピューティングを実現する-超組込みシステム技術による究極の電力効率を目指して-
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(2) 環境調和型クラウドコンピューティングを実現する ∼超組込みシステム技術による究極の電力効率を目指して∼. ︻ 若手プロデューサ . 14. でに標準化されているなどで変更の可能性が低い処 理のハードウェア化が有効である. このようなハードウェア化を行っている例として, 処理エンジン NPEngine 特に動作周波数. TM,3). がある.NPEngine は. データバス幅で算出される理論. 1000. NPEngine 組込み CPU. 800 600. 10. 400. ︼ . 筆者の研究グループが開発している通信プロトコル. 伝送レート[Mbps]. レージ処理のように繰り返し頻度の多く,かつ,す. 200 9. 0. 80. 70. 限界性能に迫る転送性能を実現し,処理効率を極め ている.消費電力あたりの転送性能は図 -2 に示す. 32. TM. 図 -2 NPEngine. 90. 100 110 120 130 140 150 160 消費電力 [mW]. の消費電力あたりの性能. ように既存組込み CPU の少なくとも 20 倍以上で あり,サーバの低消費電力化に大きく貢献する.こ. となく利用可能とし,サービスプロバイダによる本. のような高効率ハードウェアに,全体制御用として. 技術の導入を容易にする.また,このようなハード. ARM プロセッサ等の省電力な組込み CPU を組み. ウェア化を主要なアプリケーション処理にまで拡張. 合わせることで,サーバの電力効率を最適化した構. することで,さらに電力効率を高めていく.. 成をとることができる.. 筆者らは今後 10 年,以上のようなアプローチに. 今後のクラウドコンピューティングの消費電力問. よるクラウドサーバの組込みシステム化に積極的に. 題を抜本的に解決するためは,以上ように個々のサ. 取り組み,データセンタの IT 機器全体の消費電力. ーバの処理を単純化するシステム技術,そして,サ. を現在の 1/10 に削減することを目指したい.これ. ーバの処理効率を極限まで高めるハードウェアと省. によって排熱量も削減され,適切な配置密度によっ. 電力組込み CPU を組み合わせた「超組込みシステ. ては外気による空冷も可能となるので,冷却電力を. ム技術」 が鍵になると思われる.. さらに削減することができ,データセンタの電力問 題の抜本的な解決が可能となる.. 環境調和型組込みクラウド 筆者の研究グループでは以上の考えのもと,まず はストレージサーバやコンテンツ配信サーバの電力 効率を極める超高速ストレージネットワーク処理技 術の研究開発を進めている.. 参考文献 1) The Green Grid®, Guidelines for Energy Efficient Data Centers #2. (Feb. 2007). 2) Ghemawat, S. et al. : The Google File System, Proceedings of the 19th ACM SOSP, Lake George, NY (Oct. 2003). 3) 田中信吾他 : 1Gbps/10Gbps Ethernet に対応した高効率 TCP/IP オフロードエンジン,2A-5,DICOMO2010 シンポジウム (July 2010). (平成 22 年 10 月 29 日受付). 本技術では,ネットワーク処理のみならずストレ ージ制御処理もハードウェア化することで,ストレ ージからネットワークまでのトータルの転送効率を 最大化する.また,これらを OS の既存 API で隠蔽 することで,既存のアプリケーションを改変するこ. 田中信吾 [email protected] (株)東芝 研究開発センター研究主務.2001 年に東京大学大学院 工学系研究科を修了し(株)東芝に入社,現在に至る.主に超高速・ 低消費電力通信処理に関する研究開発に従事.電子情報通信学会 会員.. 情報処理 Vol.52 No.1 Jan. 2011. 59.
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