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JAIST Repository: デザインにおける創造的思考の構成的研究の試み : 概念生成プロセスの構成的シミュレーション

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

デザインにおける創造的思考の構成的研究の試み : 概

念生成プロセスの構成的シミュレーション

Author(s)

田浦, 俊春; 山本, 英子; Yusof, Nor Fasiha Mohd;

伍賀, 正典; 永井, 由佳里; 中島, 秀之

Citation

認知科学, 18(2): 329-341

Issue Date

2011-06-01

Type

Journal Article

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/12079

Rights

Copyright (C) 2011 日本認知科学会. 田浦俊春, 山本

英子, Nor Fasiha Mohd Yusof, 伍賀正典, 永井由佳里

, 中島秀之, 認知科学, 18(2), 2011, 329-341.

Description

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●ショートノート●

ザインにおける創造的思考の構成的研究の試み

―概念生成プロセスの構成的シミュレーション―

田浦 俊春・山本 英子・

Nor Fasiha Mohd Yusof

伍賀 正典・永井 由佳里・中島 秀之

This study proposes constructive simulation, a new research method applied in in-vestigating phenomenon that is difficult to observe. Constructive simulation infers the mechanism that forms a phenomenon using a different mechanism when the similar or analogous phenomenon emerges from the different mechanism. This study deter-mines the procedure of constructive simulation and applies it in the concept generation process in design. First, the virtual concept generation process was explored on the semantic network by tracing the relations between the concepts. Next, the structure of the virtual concept generation process was extracted using the network theory, and its correlation with the evaluated originality score of the actual design products were analyzed. Because a significant correlation was found, it was understood that the anal-ogous phenomenon had emerged from the virtual concept generation process and that the constructive simulation was conducted successfully. Finally, certain hypotheses on the thinking principle in concept generation were inferred from the mechanism of the virtual concept generation process.

Keywords: constructive research(構成的研究), constructive simulation(構成的シミュ レーション), concept generation process(概念生成プロセス), semantic network(意味 ネットワーク), thinking principle(思考原理)

1. は じ め に

本研究では,観測の困難な現象を研究する方法と して,「構成的なシミュレーション」と呼ぶ研究手法 を提案する.これは,「模倣的なシミュレーション」 に対峙する考え方である.模倣的なシミュレーショ ンは,いわゆる従来から言われているシミュレー ションであり,予測などを行うために実際の現象を できるだけ正確に計算機内に再現するものである. 気象,流体など,多くの現象の計算機シミュレー ションが試みられてきている.シミュレーションの 正確さは実際の現象との付き合わせで検証される.

Trial of Constructive Research Method for the Cre-ative Thinking Process in Design — Constructive Simulation of Concept Generating Process —, by Toshiharu Taura, Eiko Yamamoto, Nor Fasiha Mohd Yusof, Masanori Goka (Kobe University), Yukari Nagai (Japan Advanced Institute of Science and Technology), and Hideyuki Nakashima (Future Uni-versity Hakodate). 一方で,「構成的なシミュレーション」とは,構成 的研究の考え方(中島, 2008)に基づくものであり, 知りたい現象に類似ないし相似している現象が,知 りたい現象とは異なる機構(本論文では,現象を生 成する原理を機構と呼ぶ)から創発された場合に, その異なる機構の内容から知りたい現象の機構の 特性を推測する方法である.機構の観測が困難な場 合や,分析の困難な現象(複雑系がその典型例であ るが,本論文で扱う人間の思考もこれに該当する) を理解するために使う.たとえば,一流の棋士の思 考プロセスを研究する場合を考えてみよう.その棋 士の思考プロセスを観測し,観測で得られたデータ (棋士の指した手)を忠実に再現するシミュレーショ ンが,模倣的なシミュレーションである(これは実 現できていない).一方で,とにかく,一流の棋士 と同等の強さ(現象)の将棋のプログラム(機構) を開発し,そのプログラムの特徴から,一流の棋士 の思考プロセス(機構)の特性(本論文では,これ

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図1 模倣的シミュレーションと構成的シミュレーション を思考原理と呼ぶ)を推測するのが構成的なシミュ レーションである.その過程で,将棋のプログラム は一流の棋士(機構)を模倣する必要はない.開発 されたプログラムは,一流の棋士とは表面上は異 なった振る舞い(指し手)を示すかもしれない.し かし,一流の棋士と同等に(あるいはそれ以上に) 強かったという事実を,一流の棋士の思考原理に関 するなんらかの本質的特性をとらえている可能性が 存在している証と考える.現象を直接に模倣するの ではなく,それを構成している機構の共通性を探る のである. 図1に模倣的シミュレーションと構成的シミュ レーションのイメージ図を示す. 本研究は,創造的なデザインプロセスの一部を 構成する概念生成プロセスを対象に,構成的シミュ レーションを試み,その結果から,デザイナーの思 考の特性(思考原理)を推測する.

2. 構成的シミュレーションの成立要件

模倣的シミュレーションによって現象をシミュレー トする際は,それを生成する機構に根拠が求められ る.機構の根拠を明確に示せない場合,シミュレー ションに妥当性がないと判断される.なお,部分的 であれば根拠がなくても,模倣的シミュレーション は成立する.その場合,根拠のないパラメータ等は 仮説となる.そして,その仮説は,生成された現象 を実際の現象とつきあわせることで検証される. 一方で,構成的シミュレーションでは,機構の根 拠を知りたい現象の機構に求めることはしない.な ぜならば,もともと,機構の観測が困難な現象や分 析の困難な現象を対象とするからである.たとえ ば,将棋に強いプログラムを作る場合,強い棋士の 思考原理にアルゴリズム(機構)の根拠を置くこと はしない.とにかく,強いプログラムを作ってみせ るところから議論が始まる.しかし,手あたり次第 に,いろいろなアルゴリズムを計算機に実装すれ ばよいというわけではない.プログラム開発者は, なんらかの考え方のもとに開発するはずである.し たがって,そのプログラムの根拠を説明することは できるであろう.構成的シミュレーションが学術的 手法としての地位を確保するためには,シミュレー ションが,他者からの批判とそれに対する回答をと おして,議論を蓄積できるようになっていなければ ならない.構成的シミュレーションは,その機構を 説明することを求める.しかし,あくまでも,説明 である. つぎに,構成的シミュレーションの成立要件につ いて述べる.生成された現象が,実際に観測される 現象に類似ないし相似している現象を創発した場 合,その構成的シミュレーションは成立している, と考える.将棋の例でいえば,プログラム(機構) の実行の結果,強いという現象(指し手)が確認さ れるようなことである. そして,その強い将棋のプログラムの特性から, 強い棋士の思考の特性(思考原理)を推測すること を行う.したがって,構成的シミュレーションでは, 知りたい現象と類似あるいは相似の現象を創発す る機構を試作することを通じて,最後に,知りたい 現象およびそれを生成する機構に関する仮説が示さ れる.

3. 目的と方法

本研究は,「構成的シミュレーション」の観念に基 づき,概念生成プロセスをシミュレーションするこ

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図2 概念生成プロセスの構成的シミュレーションのフレームワーク とを試みる.そして,創造的なデザイン成果物を導 く思考原理に関する仮説を導出する. 3.1 対象とする概念生成プロセス 本研究では,概念生成プロセスの基礎として,2 つの概念(以降,基底概念)を統合するプロセス (以後,“2概念統合プロセス ”と呼ぶ)を扱う.こ の2概念統合プロセスは,最もシンプルで基本的 な概念生成プロセスとされている(Lubart, 1994; Rothenberg, 1979).このプロセスでは,与えられ た基底概念から生成される最後の概念がデザイン成 果物である.なお,本研究では,筆者の一部が示し た(永井ら, 2009)のと同様に,「概念」とは,「人間 が心の中に抱く,既存あるいは将来存在可能な実体 あるいはその類や属性に関する表象」とする. 3.2 仮想的な概念生成プロセスを生成する機構 の説明 3.2.1 意味ネットワークによる機構の実装 本研究では,実際に人間が行った概念生成プロセ スについて,その始点(単語を用いて表現された基 底概念)と終点(デザイン成果物)の間を,計算機 を用いて「仮想的に」繋ぐことを行う.それを「仮 想的な概念生成プロセス」と呼ぶ.その際,終点に は,デザイン成果物を説明する語の集合を用いる (詳細は後述する).そして,本研究では,語の集 合(基底概念)と語の集合(デザイン成果物)の間 を結ぶ方法として,意味ネットワークを用いる.近 年,デザイン研究の分野において,意味ネットワー クを使った研究がなされてきている(Chiu & Shu, 2007; Georgiev et al., 2008; 森田ら, 2008).意味 ネットワークとは,上位語と下位語の関係や連想関 係など,単語間の意味的関係からなる構造のことで ある.意味ネットワークを用いることにより,ある 図3 仮想的な概念生成プロセス 単語からある単語への概念の経路を探索すること ができる.本研究では,基底概念からデザイン成果 物へ至るまでの仮想的な概念生成プロセスを,概念 間の経路として意味ネットワーク上に探索すること を行う(これが,機構を実装する方法となる).す なわち,仮想的な概念生成プロセスを,意味ネット ワークの一部分として表現することを試みる. 図2に本研究のフレームワークを示す.なお,図 中の「ネットワーク構造」と「デザイン成果物(の 評価値)」との「相似」の確認方法については,3.3 節で述べる. 3.2.2 仮想的な概念生成プロセスの生成方法 図3に仮想的な概念生成プロセスのイメージを示 す.本研究では,デザイン成果物の代替に,「デザイ ン特徴」を用いる.デザイン特徴とは,デザイナー がデザイン成果物を説明するために箇条書きに記述 した語の集合である.デザイン特徴はデザイン成果 物そのものではないが,デザイン成果物の内容は捉 えていると考える. 前述のように,仮想的な概念生成プロセスは,基 底概念からデザイン特徴までの経路を意味ネット ワークを探索して構築される.ここで,意味ネット

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図4 仮想的な概念生成プロセスを生成する手順 ワークのノードは単語ではなく単語の意味である. 探索された経路に現れる基底概念やデザイン特徴以 外の概念を「仮想概念」と呼ぶ.仮想概念は,下記 の手順により仮想的に求められるものであって,あ くまでも「仮想」である.そのように「仮想的」に 構築されたプロセスが,実際のデザインの現象とど のような関係があるかを議論することが本研究の主 題である.図4に,仮想的な概念生成プロセスを生 成する手順のイメージ図を示す. この手順は,次の3つの工程から成る.ここで, 各基底概念とデザイン特徴はそれぞれ1単語で表現 され,基底概念をbi,その集合をB,デザイナーを s,デザイナーがデザイン成果物を説明する語(デ ザイン特徴)をfj,その集合をF (s, B)とする.ま た,意味の識別番号をkとするとき,単語wが表 す意味をw : kとし,その集合をM(w)とする. 工程1. 意味ネットワーク上で,基底概念とデザイ ン特徴間の最短経路を探索する(図4の第1 図).図5に経路探索のイメージを示す.意味 ネットワークでは,各ノードは語の意味を示し, ノード間のリンクは上下階層間にある間の関係 を示している.そこで,意味ネットワークを用 いることにより,基底概念(bi)とデザイン特徴 (fj)間の経路が,M(bi)の要素(意味)から M(fj)の要素(意味)への経路(

Path

)として 抽出される.最短経路が2つ以上ある場合は, 利用頻度のより高い意味(たとえば,WordNet (後述する)では,各語の持つ意味が利用頻度の 順にならんでいる)を辿る経路を抽出する.こ こで,経路に現れるノードの数をnとしたとき, 始点v1から終点vnまでの経路

Path

(v1, vn) はノード対の集合で表される.bi:k ∈ M(bi), 図5 意味ネットワークを用いた経路探索のイメー ジ:⃝はノード,→はリンクを表す.

を 基底概念biが持つ意味,

をデザイン特 徴fjが持つ意味としたとき,

から

に 到達するリンクを辿ることで経路が得られ る.●は経路に現れるノードを表す. fj:h ∈ M(fj)の

Path

(bi:k, fj:h)は次の ように表せる.

Path

(bi:k, fj:h) =



(bi:k, v2), (v2, v3), . . . , (vn−1, fj:h)



同様に,biおよびfjのすべての意味M(bj)お よびM(fj)の間について経路を求める.さら に,基底概念の集合Bとデザイン特徴の集合 F との間のすべての組合せについて経路を求 める. 工程2. 経路に現れるノードから基底概念とデザイ ン特徴に対応するノードを除外する(図4の 第2図).ノードをその意味を持つもっとも一 般的な語(たとえば,WordNetにおいて,登

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録の順番の早いものをより一般的な語と考える ならば,登録の順番を示すWord IDを用いて 一般性を評価することができる)に置換し,そ れらを仮想概念cml として抽出する.これは, 基底概念とデザイン特徴が語で表されているよ うに,意味を表現するために語を用いることを 模倣するためである.mは経路の番号,lは経 路に現れるノードの順序を示す.各経路に現れ るノードの数をnで表す.これらの操作によ り,biからfjへの経路の集合

Path

(bi, fj)を 得る.これは次のように表せる.

Path

(bi, fj) =



(bi, c02), (c02, c03), . . . , (c0n−1, fj)



,



(bi, c12), (c12, c13), . . . , (c1n−1, fj)



, . . . .



工程3. 基底概念およびデザイン特徴を1ノードに 集約する.また,同じ仮想概念を1ノードに 集約する(図4の第3図).工程2で得られ たノードを語に置換した後の経路の集合の和集 合

Path

(B, F ) =



i,j

Path

(bi, fj)として仮 想的な概念生成プロセスが求められる. 3.3 仮想的な概念生成プロセスのネットワーク 構造分析による創発現象の確認 仮想的な概念生成プロセスからネットワーク理論 を用いて構造の特徴を抽出し,実際のデザイン成果 物の創造性評価値との相関を分析する.相関が認め られたならば,仮想的な概念生成プロセスが実際の 概念生成プロセスに相似の創造的特性を創発したと とらえ,構成的シミュレーションは成立したと判断 する. ネットワーク理論では,広範囲の統計的な特徴が 議論されているが,本研究では,Steyvers &

Tenen-baum (2005)の研究で用いられた統計的指標を選択 する.この理由を以下に述べる.彼らは,意味ネッ トワークの持つ構造が複雑な自然のネットワークの 構造と必然的に異なるのかどうかを調査するために それらの指標を用いる分析を行った.結果として, それらの構造は,必ずしも異なるわけでなく,同じ 特徴を有していることを示した.本研究では,概念 生成プロセスのモデリングに意味ネットワークを用 いている.したがって,構築された仮想的な概念生 成プロセスは意味ネットワークの一部と見なすこと ができる.また,仮想的な概念生成プロセスのベー スとなっている実際の思考プロセスはデザイナー自 身の思考の一部であり,複雑な自然のネットワーク の一部と考えられる.このことから,Steyvers & Tenenbaum (2005)の用いた指標を用いることに よって仮想的な概念生成プロセスの特徴を捉えるこ とは適切であると考えた. 本研究では,以下の指標を適用し,仮想的な概念 生成プロセスの構造を分析することにした. 仮想的な概念生成プロセスの広がりを示す指標 として,n, k, Densityを用いる. 仮想的な概念生成プロセスの複雑さを示す指標 として,C, L, Dを用いる. デザイナーの思考プロセスの広がりがデザイン成 果物の創造性の評価値に関連することが明らかに されている(Nagai & Taura, 2006).そこで,仮想 的な概念生成プロセスにおいても,その広がりの程 度が創造的なデザイン成果物の生成に寄与すると考 えられる.さらに,人間の知識は,知識とその関係 で構成される複雑なネットワークのようなものであ り,その複雑さはデザイナーの思考プロセス中にも 現れると思われる.そして,そのネットワーク構造 の複雑さが,創造的なデザイン成果物を導くと考え られる. 以上のことより,仮想的な概念生成プロセスの広 がりや複雑さの程度が,デザイン成果物の創造性に 関する評価値に対して,正の相関を持つと推察する. 表1に本研究で用いるネットワーク理論における 指標の定義を示す.nはネットワークにあるノード の数であり,仮想的な概念生成プロセスに現れる概 念の数に相当する.あるノードに直接つながってい るリンクの数を次数といい,kはその次数の平均 値,つまり,ネットワーク中のすべてのノードにつ いて次数を求め,その次数の総和をノード数nで 割った値である.これを平均次数と定義する.ネッ トワークが多くのノードとリンクを持つならば,そ のネットワークは大きいと考えられ,ネットワーク は広がりを持っていると考えられる.したがって, これらの指標は,ネットワークの広がりの程度を示 すと考えられる. ネットワーク理論では,2つのノードが直接つな がっていることを隣接していると言う.このとき, 任意のノードに隣接している2つ以上のノードがお 互いに隣接している確率はクラスタ性Cと定義さ

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表1 本研究で用いたネットワーク理論における指標の定義 指標 定義 n ネットワークを構成するノードの数 k 平均次数(各ノードに直接つながっているリンクの数の平均) C クラスタ性(ネットワーク内にできるクラスタとの関わり) L 平均最短距離(各ノード間の最短距離の平均) D 最長最短距離(最短距離が最も長いノード間の距離) Density 密度(各ノードが他のノードとリンクしている度合い=k/n図6 クラスタ性の計算例 れる.ネットワークトポロジーの用語を用いると, この確率が高いことを,ノード間の「ショートカッ ト」またはノードの「トライアングル」が存在して いるという.これらの存在は,複雑なネットワーク に共通するものである.言い換えれば,Cはネット ワークの複雑さの程度を示す.本研究では,次式で 求められる各ノードのクラスタ性Ciの平均値をC とする計算方法を適用する. Ci=Ti



k i 2

= 2Ti/ki(ki− 1) Tiはノードiに隣接するノード間に存在するリ ンクの数,kiはノードiに隣接するノードの数を 示す.ki(ki− 1)/2は,ノードiに隣接するすべて のノードがお互いに直接つながっている完全な部 分グラフを形成する場合に,ノードiに隣接する ノード間に存在しうるリンクの数を表す.図6に Cの計算例を示す.この例では,ノード1に隣接 しているノードの数k1は3であり,存在しうるリ ンクの数はk1(k1− 1)/2 = 3(3 − 1)/2 = 3であ る.たとえば,その3つのノードのうち2つのノー ド間のみにリンクが存在する場合,T1= 1となり, C1= 1/3 = 0.3である. Lはネットワーク全体におけるノード間の最短経 路の距離の平均を表す.ネットワークの直径Dは 各ノード間の最短経路のうち最長経路の距離を表 す.これらの指標は,ネットワークのクラスタ性C と負の相関がある場合が多いと言われている.図7 にL(あるいはD)とCの関係を示す.図7 (a)で は,ノード1からノード2,3,4への最短距離L はそれぞれ1,2,3であり,Dは3となるが,ク ラスタ性Cはゼロである.図7 (b)では,すべて のノード間の最短距離Lは1であるので,Dは1 となる.これは,完全グラフであり,クラスタ性C は1である.このように,一般的に,CL(ある いはD)に影響される.したがって,Cと同様に, LDの指標もネットワークの複雑さの程度を示 すと考える.このことから,Cがデザイン成果物の 創造性の評価値と有意な相関を持つのであれば,LDも有意な相関を持つと期待される. ネットワークのDensityはネットワークのリン クの密度を示し,k/nで求められる.ネットワー ク中のノード間の関係(リンク)が疎であるとき, Densityは低くなる. 以上,まとめると,nkC は,デザイン成 果物の創造性に関する評価値と正の相関が,LD

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図7 最短距離L(あるいは最大最短距離D)が長いネットワークと短いネットワークの比較 Densityは,負の相関があると推察される.

4. シミュレーションの実行

筆者の一部によって行われたデザイン実験(永井 ら, 2009)について,仮想的な概念生成プロセスを 構築することを試みた.そして,得られた仮想的な 概念生成プロセスについて表1に示される各指標の 値を求め,デザイン成果物に対して行われた創造性 の評価値との相関を求めた.本研究では,WordNet (後述する)を意味ネットワークとして用いた.ま た,そのネットワークを可視化し,分析するために, ネットワーク分析ツールであるPajek 1.23(パエッ ク1.23)を用いた.このツールはネットワーク理論 における様々な指標の値を計算できる.WordNet はLinux環境で,PajekはWindows OS上で用 いた. 4.1 デザイン成果物 筆者の一部が行ったデザイン実験(永井ら, 2009) では,プロダクトデザインを専攻とする学部学生 および大学院生22名を被験者とした.デザイン実 験では,まず,被験者に対して,2つの基底概念を 起点に,新しい概念をデザインするよう求めた.被 験者には,新しくデザインした概念(デザイン成果 物)を単にスケッチに描くだけでなく,文章により それを説明することも求めた. 被験者には予め,デ ザイン成果物は独創性と実用性の観点から創造性が 評価されることを通知した.つぎに,デザイン成果 物に対して,それを説明するいくつかの特徴を単語 (デザイン特徴)で列挙することを求めた. 実験に用いた基底概念は,「船」と「ギター」,「机」 と「エレベーター」の二組(以降,「船 ギター」,「机 エレベーター」と記述する)であり,各組について, 新しい概念をデザインすることを被験者に求めた. 結果として,「船 ギター」からは20個,「机 エレ ベーター」からは19個のデザイン成果物がデザイ ンされた.表2に実験で得られたデザイン成果物と それを説明するデザイン特徴の例を示す.

デザイン成果物は,Finke, Ward & Smith (1992) の創造性評価の方法に従い,実用性(そのアイデア は実現可能であるか,有用であるか)と独創性(そ のアイデアは革新的で新規性があるか)の観点から 評価された.11名の評価者が,得られたデザイン 成果物について,5段階評価(1: 低い–5: 高い)を 行った.それぞれのデザイン成果物毎に評価値の平 均値が求められた.11名の評価者はいずれも日本 人成人(20歳代から40歳代)であり,内訳は男性 7名と女性4名であった.また,デザインの専門性 については,デザイン専攻の学生1名とデザイン実 務経験3年以上の者4名(うち3名はデザインの 教育に従事している)の計5名が専門的知識を有す る者であった. 以降,本研究では,独創性の評価値に関して検討 を行う.それは,デザイン成果物の創造性の評価値 に直接関係しているのは,独創性の評価値であると 考えられるからである. 4.2 WordNet WordNet (Fellbaum, 1998)は,言語や概念の処 理を支援するために開発された英語で書かれてい る大規模な概念辞書である.WordNetの開発は, George A. Millarとその同僚たちによって1985年 に始まった.現在,データベースには15万を超え る語が収録されている.WordNetでは,収録され る語がsynsetと呼ばれる同義語のグループに分類 され,簡単な定義や他の語との関係が階層的に記述 されている.単語間の関係としては,上位語と下位 語,全体を表す語とその部分を表す語(meronym) の関係が表されている. 今回のシミュレーションでは,前述のように,概 念は単語で表される.WordNetでは,名詞,動詞, 形容詞それぞれについて階層構造があり,異なる品 詞の語とのリンクは存在しない.そこで,動詞や形 容詞は対応する名詞に置き換えることにした. 本研究においては,仮想的に生成された概念ネッ トワークの構造と実際のデザイン成果物の創造性評

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表2 実験で得られたデザイン成果物とそのデザイン特徴の例 価値との相似性が重要である.したがって,日本語 で獲得された語を英語に翻訳し,英語版の Word-Netを用いてシミュレーションを行い,相似性が現 れるとしたらそれはシミュレーションの有効性の補 強になる. 4.3 仮想的な概念生成プロセスの生成 上述の39個の各デザイン成果物について,各概念 を英語に変換し,上述した前処理を行った後,3.2.2 節で述べた手順により,仮想的な概念生成プロセ スを生成した.具体的には,計算機上にWordNet を移植し,計算機プログラムにより各Pathを探索 し,仮想的な概念生成プロセスを生成した.図8に Pajekで可視化した仮想的な概念生成プロセスの2 つの例,及び,それらのデザイン成果物の独創性の 評価値とネットワークの指標の値を示す. 4.4 実際の概念生成プロセスとの相似的関係の 検証 仮想的な概念生成プロセスの構造とデザイン成果 物の独創性に関する評価値との関係を求めた. 表3に示すように,kは独創性の評価値の平均 値と有意な正の相関(p < 0.05)が,Densityは独 創性の評価値の平均値と有意な負の相関(p < 0.05) がそれぞれあることが分かった.独創性の評価値の 平均値とkの関係の散布図を図9に示す.さら に,nと独創性の評価値の平均値との間には有意傾 向の正の相関があった(p < 0.1). また,Lも独創性の評価値の平均値と有意な負の 相関(p < 0.05)があることが分かった.

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図8 仮想的な概念生成プロセスの例:(a)高い評価値を得たデザイン成果物,(b)低い評価値を 得たデザイン成果物に対するネットワーク.図中の▲は基底概念を表すノード,■はデザ イン特徴を表すノード. 表3 デザイン成果物の独創性の評価値と仮想的な概念生成プロセスの指標の値との相関分析 n k C L D Density ピアソンの相関係数 0.290+ 0.352* 0.103 −0.320* −0.201 − 0.398* 有意確率 0.073 0.028 0.533 0.047 0.220 0.012 データ数 39 39 39 39 39 39 図9 独創性の評価値の平均値とkの関係 なお,順位相関を求めたところ,kLについ ては,有意傾向(p < 0.1)が認められ,独創性の評 価値の平均との相関が妥当であることを裏付けた. 一方,nの順位相関はp = 0.103Densityの順位 相関はp = 0.121であり,有意性が認められなかっ た.これは,nと独創性の評価値の平均値との間の 相関が弱いことが,nkで求められるDensity の順位相関に影響したと考えられる.これらのこと から,kとLが,独創性の評価値の平均値と妥当 な有意な正または負の相関があるといえる. この結果は,仮想的な概念生成プロセスが,実際 の概念生成プロセスと相似の現象(創造的特性)を 創発したことを示しており,よって,今回実行した 構成的シミュレーションは成立したと判断する.

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図10 クラスタ性の低いネットワーク 図11 仮想的な概念生成プロセスの構築過程に 生成されるネットワーク 4.5 相関分析の結果に対する考察 表3の結果では,複雑さに関する他の2つの指 標であるCDについては創造性の評価値との間 に有意な相関を見ることはできなかった.この点に ついて図10を用いて考察する.この図でC, D, L をそれぞれ計算すると,C = 0, D = 2, L = 1.47 になる.すなわち,このネットワークでは,クラス タ性は極めて低いということが分かる.ここで,仮 想的な概念生成プロセスの構築手順を振り返ってみ る.工程1では,基底概念からデザイン特徴への Pathがそれぞれの組合せについて求められる.こ の段階では,ネットワークは図11のようになって おり,クラスタ性はゼロである.その後の工程3に おいて,同じ仮想概念が集約されると,クラスタ性 が生じてくる.一方で,図11においては,ノード 間の最短経路の平均であるLには,基底概念とデ ザイン特徴の間の平均的なPathの長さが大きく影 響すると考えられる. このように,仮想的な概念生成プロセスのネット ワークは,図10や11のような特定の構造を有す る傾向があるので,3.3節で示した一般的に成立す るCLの関係が必ずしも成立しないと思われる. また,Dはノード間の最短距離の最大値であるの で,それが独創性と関係がなかったということは, 基底概念からデザイン特徴への「平均的」なPath の長さがデザイン成果物の独創性に関係があること を示唆している.

5. デザイナーの思考原理に関する仮説の

検討

第4節の結果は,創造的思考のプロセスにパター ンの存在することを示唆している.デザイナーの 思考パターンについては,従来から数多くの研究が 行われている(Goldschmidt, 1990; Van der Lugt, 2002; Kan et al., 2007; Georgiev et al., 2008).し かし,創造的デザイン成果物を生成する具体的な思 考原理は明らかにされていない. 本研究では,同一の意味ネットワークを用いて, 各デザイナーの仮想的な概念生成プロセスを求め ている.このことは一般的に,多様なデザイナーに よって多様なデザイン成果物(デザイン特徴)が生 成されることについて,その多様性が,デザイナー の概念構造の違いからではなく,思考の進め方(思 考原理)から生じることを示唆している.とりわけ, 今回のシミュレーションの結果は,「思考プロセス のネットワーク構造の特性がデザイン成果物の創造 性と関係ある」ことを示唆している.この関係は, 創造的デザインの思考原理に関する具体的な仮説を 導く. 本研究では,仮想的な概念生成プロセスを,意味 ネットワーク上に概念間の関係をたどりながら構築 した.その仮想的な概念生成プロセスが実際の概念 生成プロセスと相似であったことは,創造的なデザ イン成果物を導く思考原理が,基本的には,概念の 逐次的な連鎖(連想プロセス)であることを示唆し ている.デザインの創造的思考における飛躍の存在 は多く指摘されている(たとえば,Cross, 2006).一 方では,漸進説も提唱されている(Weisberg, 1986; Brown, 2010).本シミュレーションの結果より,「デ ザインにおける創造的な思考プロセスが非連続的に みえるのは,本来は連続的であるプロセスが,部分 的に潜在化してしまうためである」という仮説が導 かれる.

6. 今後の課題

創造的なデザイン成果物を導く概念生成プロセス そのものをとらえるためには,概念の連想過程その ものをシミュレーションすることが必要である.

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そのためのひとつの方法は,方向性のある意味ネッ トワークを用いることである.そのような意味ネッ トワークとしては,連想概念辞書がある(Okamoto & Ishizaki, 2001).しかしながら,現時点までに公 開されている連想概念辞書は,語彙数が十分でない ので適用できない. もうひとつは,何らかの生成規則を用いて,プロ セスの生成を始点から逐次的に行う,という方法で ある.しかし,この方法では,果たして,人間が導 きだしたデザイン特徴にどのような生成規則を用い れば行きつくか,解明すべき課題が数多くある.逆 にいうと,この課題を明らかにすることが,創造的 なデザイン成果物を生成する思考原理の「動的」な 特性を解明することになろう. 本研究は,「言葉による概念生成」に焦点をあて た.しかし,デザイン全般はより広範囲の活動であ り,形態や機能をともなった実態のイメージを扱う ものである.言葉のみならず,多様なイメージにつ いても概念生成研究の対象とするためには,どのよ うな方法が可能であるかということから検討してい く必要があるだろう.今後の重要な課題として取り 組みたい.

7. お わ り に

本研究では,構成的シミュレーションを実行した 結果をもとに,デザイナーの思考原理に関するいく つかの「仮説」を導出した.しかし,導出したにと どまっている.もともと観測の困難な現象を対象に しているので,これらの仮説が実験的に検証される ことは今後とも難しいと思われる.今後,我々が, 「仮説」の妥当性を議論できるとしたら,「整合性」 の観点からではないだろうか.いろいろな角度から 「構成的」にアプローチし,そこから導かれる仮説 が他のアプローチから導かれた仮説と整合していた 場合,その仮説の妥当性は高まったと言えよう.逆 にいうとそういう方法しかない. そして,数多くの妥当な仮説が導かれたときに, 構成的研究手法が陽に評価された(広く受け入れら れた)と考える.  謝 辞 これまでの度重なる査読プロセスのなかで,査読 者の方々からは貴重なコメントを得ることができた. また,編集担当者には,辛抱強く対応して頂いた. これらの方々に対し,心より感謝申し上げます.

 文 献

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Nor Fasiha Mohd Yusof 2001年3月埼玉大学工学部機械 工学科卒業.2001年4月より2003 年9月までマレーシア松下電機株式 会社に在籍.同年10月より2005 年5月までUniversiti Teknologi Malaysia機械工学部デザイン学科 助手.2006年12月同学大学院工学研究科修士課程 修了.2007年9月まで同学機械工学部デザイン学 科准講師.現在,神戸大学大学院工学研究科博士課 程後期課程に在学中.デザインにおける創造性につ いての研究に従事. 伍賀 正典 2007年神戸大学自然科学研究科 博士後期課程修了. 神戸大学大学 院工学研究科学術推進研究員,兵庫 県立工業技術センター研究員を経 て,現在福山大学工学部電子・ロ ボット工学科講師. 博士(工学). 進化ロボティクス,身体性認知科学,創発システム とそれらの相互作用・工学的応用に興味を持ってい る. 日本機械学会, 人工知能学会,精密工学会, 各 会員.

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永井 由佳里(正会員)

修士(武蔵野美術大学, 1990), 博士(千葉大学, 2002), Ph. D (University of Technology, Syd-ney, 2009)の学位を取得.筑波技 術短期大学講師,Loughborough University客員研究員(文科省派 遣)を経て2004年より北陸先端科学技術大学院大 学知識科学研究科助教授(2011年,教授).デザイ ンと創造性を研究課題に,Creativity and Cogni-tion (ACM),SIG Design Creativity (The Design

Society) の運営に努める他,国内外ジャーナルで

デザイン学および関連の特集を担当.The Design Society, Cognitive Science Society, ASME, ACM 会員, Design Research Society Fellow.

中島 秀之(正会員) 1983年,東京大学大学院情報工 学専門課程修了(工学博士).2004 年より公立はこだて未来大学学長. 認知科学会元会長,情報処理学会 編集長.主要編著書:Handbook of Ambient Intelligence and Smart Environments (Springer),知能の謎(講談社ブルー バックス),AI事典(共立出版),思考(岩波講座 認知科学8),Prolog(産業図書).

図 1 模倣的シミュレーションと構成的シミュレーション を思考原理と呼ぶ)を推測するのが構成的なシミュ レーションである.その過程で,将棋のプログラム は一流の棋士(機構)を模倣する必要はない.開発 されたプログラムは,一流の棋士とは表面上は異 なった振る舞い(指し手)を示すかもしれない.し かし,一流の棋士と同等に(あるいはそれ以上に) 強かったという事実を,一流の棋士の思考原理に関 するなんらかの本質的特性をとらえている可能性が 存在している証と考える.現象を直接に模倣するの ではなく,それを構成してい
図 2 概念生成プロセスの構成的シミュレーションのフレームワーク とを試みる.そして,創造的なデザイン成果物を導 く思考原理に関する仮説を導出する. 3.1 対象とする概念生成プロセス 本研究では,概念生成プロセスの基礎として, 2 つの概念(以降,基底概念)を統合するプロセス (以後, 2 概念統合プロセス と呼ぶ)を扱う.こ の 2 概念統合プロセスは,最もシンプルで基本的 な概念生成プロセスとされている (Lubart, 1994; Rothenberg, 1979) .このプロセスでは,与えられ た
図 4 仮想的な概念生成プロセスを生成する手順 ワークのノードは単語ではなく単語の意味である. 探索された経路に現れる基底概念やデザイン特徴以 外の概念を「仮想概念」と呼ぶ.仮想概念は,下記 の手順により仮想的に求められるものであって,あ くまでも「仮想」である.そのように「仮想的」に 構築されたプロセスが,実際のデザインの現象とど のような関係があるかを議論することが本研究の主 題である.図 4 に,仮想的な概念生成プロセスを生 成する手順のイメージ図を示す. この手順は,次の 3 つの工程から成る.ここ
表 1 本研究で用いたネットワーク理論における指標の定義 指標 定義 n ネットワークを構成するノードの数 k 平均次数(各ノードに直接つながっているリンクの数の平均) C クラスタ性(ネットワーク内にできるクラスタとの関わり) L 平均最短距離(各ノード間の最短距離の平均) D 最長最短距離(最短距離が最も長いノード間の距離) Density 密度(各ノードが他のノードとリンクしている度合い = k/n ) 図 6 クラスタ性の計算例 れる.ネットワークトポロジーの用語を用いると, この確率が高いことを,
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参照

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