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大都市近郊拠点基盤未整備地区の住環境整備計画に関する研究 「通りと広場を囲む空間単位」の計画とデザインガイドによる支援

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大都市近郊拠点基盤未整備地区の住環境整備計画に関する研究

「通

りと広場を囲む空間単位」の計画 とデザインガイ ドによる支援

委員 松 山 明*2, 主査 佐 藤 圭 二*1 鶴 田 佳 子*3,大 竹 芙 美*4,伊 藤 佳 代*5,石 塚 悠 圭*6, 大都市郊外 には従来か ら集落 を形成 した り徐 々に小規模 な開発 による市街化 が進んだ りす る地域があ る。 これ らの多 くは基盤(特 に 道路)が 未整備 な地区が多 い。 これ らは市 街地 と未 開発地や農地 が混 在 してお り、地区全体 を土 地区画 整理の よ うなま とまった開発方 法で整備す るこ とは困難 である。本研究 は、イ ギ リスの居住地デザイ ンガイ ドのシステ ムを参考 として、 こ うした地区の開発 と整備 を 行 うために計画単位 を小 さくし、道路1リ ンクあるいは広場 的な公共空間 とそれ を囲む敷 地建物群 を単位 とした開発整備 方法 を検討 し 提案 する ことを 目的 とした ものであ る。 キーワード:1)基 盤末整備地区,2)住 環魔整備,3)囲 み空間,4)デ ザインガイ ド,5)空 間単位

A STUDY ON THE PROGRAMS OF HOUSING AND ENVIRONMENTAL RENEWALS ON

INFRASTRUCTURE DISTRICTS IN THE METROPOLITAN SUBURBS — Planning the endosure space in streets and open spaces and supporting by design guide lines —

Ch Keiji Sato

Akira Matsuyama, Yoshiko Tsuruta, Fumi Otake, Kayo Ito, and Yuka Ishizuka

In the metropolitan suburban areas, there are many non urban-infrastructure districts where have narrow lanes and are mixed in build environments and agriculture land. It is difficult to develop these areas as while area project such as land re-adjustment action. So, this study try to research and propose for improve these areas by improving small area units and to widen narrow lanes in the enclosure unit spaces of streets, referring to Design Guidelines for residential areas in UK.

1ま え が き 1.1研 究 目 的 と研 究 方 法 大 都 市 郊 外 に は従 来 か ら集 落 を形 成 した り徐 々 に小 規 模 な 開発 に よ る市 街化 が進 んだ りす る地域 が あ る。 これ らの 多 くは基 盤(特 に 道 路)が 未整 備 な 地 区 が多 い。 こ れ らは 市街 地 と未 開発 地 や農 地 が混 在 して お り、 地 区全 体 を土 地 区画 整 理 の よ うな ま とま っ た開 発 方 法 で整 備 す る こ とは 困難 で あ る注1)。本研 究 は 、 こ う した地 区 の 開 発 と整 備 を行 うた め に計 画 単位 を小 さ く し、道 路1∼2 リン ク あ るい は広 場 的 な公 共 空 間 とそれ を 囲む 敷 地建 物 群 を 単位 と した開 発整 備 方 法 を検討 す る こ とを 目的 と し た も の で あ る注2)。 研 究 は 、 こ の 開 発 単 位 の 実 態 を形 と機 能 とい う2側 面 で把 握 す る こ と、そ して 、 この単 位 の 整 備 の あ り方 を 検 討 す る こ と、 で あ る。 開発 単位 と して 通 り(1∼2リ ン ク)ま た は 公 共施 設 を含 む広 場 とそれ を囲 む 敷 地 群 の 形 態 的 実 態 を示 す こ と、及 び そ の用 途 的 実態 を示 す こ と、 で あ る。 また 、 計 画 の あ り方 は 、整 備 目標 を設 定 した 上 で 、代 表 的 な空 間 単位 を 取 り上 げて 、事 例 的提 案 を行 う。 ま た 、 この 小単 位 地 区 は 通 りや 広 場 とそ れ を囲 む建 築 敷 地群 を構 成 す る空 間要 素 で あ り、 イ ギ リスに お け る 居 住 地 デ ザ イ ン ガイ ドを参 考 と して い る。 こ の海外 事 例 か ら狭 あい道 路拡 幅 の 意 義 を学 び 取 る こ とが 重要 で あ る。 1.2市 街 化 区域 と基 盤未 整 備 ・整 備 済地 域 次 に 、対 象 地域 名 古 屋 市 郊 外 の 市街 化 区域 内 の基盤 整 備 済 み 地 域 と未 整 備 地域 をみ る。2006年 の 愛知 県 の 土 地 区画 整 理 施 行 区域 と未 施 行 区域 を 示 す.注3)。この 中 に は 、戦 前 に施 行 され た 旧法 下 の施 行 地 区(名 古 屋 市 、 豊 橋 市 、 一 宮 市 、 岡崎 市 で 施 行)が 含 ま れ て い ない 。 ま た 、 市 街 地 再 開発 に よ る基盤 整 備 、開 発 許 可 制度 や 旧住宅 地 造 成 事 業 制 度 に よる 開発 も一 定 の水 準 の 基盤 を有 してい るが 、 こ こで は 除 外 され て い る。 基 盤 整 備 済 み地 区 の分 布 と して は一 宮 、 岡崎 、豊 橋 な どが除 外 され るが 、 量 は 多 く ない。 名 古 屋 市 以外(郊 外)で は市 街 化 区域 内に 基 盤 未 整 備 の地 区が 非 常 に多 い こ とが分 る。 統 計数 値 で み る と、平 成7年 度 愛 知 県 調 査 で は、 整 備 済 み の多 い 春 目井 市 か らほ とん ど整備 され て い な い市 町 まで が あ る。 こ の 中か ら、本 研 究 は東 北部 の郊 外 、 春 日井 市 、尾 張 旭 市 、瀬 戸 市 を選 択 して 狭隘 道 路 の分布 を調 査 した。 そ し

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て 、 この 内 の春 目井 市 と尾 張旭 市 の2地 区 を事 例 として 取 り上 げた 。 1.3事 例 都 市 の 基盤 未 整 備 の 状 態(狭 隆 道 路 の 分 布) 事 例 と して取 り上 げ た春 目井 市 、 尾 張 旭 市 、及 び瀬 戸 市 は名 古屋 市 北 西 部 の 郊外 都 市 で あ り、 名 古屋 市 に通 勤 す る 人 の 多 い住 宅 都 市 で あ る。 土 地 区画 整理 事業 の推 進 な どに よ り都 市 基盤 が整 備 され た 愛 知 県 都 市 の 中 では 、 春日 井 市 が土 地 区画整 理整 備 率 の も っ と も高 い都 市(日 本 で1位)で あ る。 しか し、瀬 戸 市 は ほ とん ど区 画 整 理 は な され ず 、 大 規 模 な 団 地 開発(菱 野 団 地 、 水 野 団 地)が 行 われ た以 外 は 基盤 整 備 が極 端 に 遅 れ て い る都 市 で あ る。 尾 張旭 市 はそ の 中 間 に位 置 し、 区 画整 理 が盛 ん に行 われ て き た が、 最 近 で はそ れ が 行 き詰 ま り未 整 備の ま ま に な っ て い る地 区 が 多 い都 市 で あ る。瀬 戸 市 の基 盤 未整 備 の理 由 は 、陶器 産 業 の蓄 積 の あ る古 い街 で丘 陵 地 で あ る こ と とい う、 社 会 的地 理 的 条 件 の た め で あ る。 本研 究 は 、 この3つ の都 市 の 中で 未 整 備 地 区 を摘 出 し て 、 そ の 中 で ケ ース ス タデ ィ を行 う方 法 を とっ て い る。 1)尾 張旭 市;尾 張 旭 市 の 市 街 化 区域 は 、名 古 屋 鉄 道 瀬 戸 線 に接 す る ゾー ン と名 古屋 市 とつ なが るバ ス 路線 と の2つ の ゾー ン が あ る。 名 古 屋 市 とつ なが る南 の ゾ ー ンは 完 全 に 区画 整 理 され て い る。 一 方 の名 鉄瀬 戸線 沿 い の ゾー ン は 、 ま とま っ た 開発 が行 われ て きた 北部 、 区 画 整 理 が行 われ た鉄 道 沿 い の ゾー ン と進 行 中で あ る が ま だ 完 成 して い ない 地域 、 そ して それ が行 わ れ な い 地 域 に3区 分 され る(図1.2)。 と りわ け市 の 中 心部 を 占 め る 「尾 張旭 駅 と三 郷 駅 の 中 問 ゾー ン」 が 大 き な 基 盤 未 整備 地 域 に な っ てい る。 この 地 区 が本研 究 の 中 心 を な るモ デ ル 地 区 と して 取 り上 げ る 「大都 市近 郊 拠 点 基 盤 未整 備 地 区」 で あ る。 2) 春 日井 市;市 街 化 区域 の段 部 分 で 土 地 区 画 整 理 が 行 われ 、 残 っ て い る2ゾー ンは 、1つ は高 蔵 寺 ニ ュ ー タ ウンの 開発 留保 地 区(A)、 も う一 つが 上 田楽(かみ た ら く)地区で 旧集 落 が集 中 して い る地 区(B)で あ り、市 内

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で は 名 鉄 小 牧 線 駅 か ら近 い が 、 主 要 な 中央 線 か らは 外 れ て い る(図1.3)。 3)瀬 戸 市;瀬 戸 市 の狭隘 道 路 は、 菱 野 、水 野 両 大 団 地 を 除 き市 域 全 体 に広 が っ て い る。 名 古 屋 か ら交 通 利 便 な 瀬 戸 駅 前 中心 市街 地全 体 に分 布 して い る(図1.4)。 2)初 期1976年 の 囲 み:曲 線 道 路 に 頼 る 囲み(図2.3) ・高 い 塀 、窓な し壁面、前面裏面 の駐車場な どが弱点 2.イ ギ リス に お け る居 住 地 デ ザ イ ンガ イ ド= 一囲 み 空 間 の デ ザ イ ン ガ イ ドの 実 例 と発展 過 程 本 研 究 の 目的 意 識 は 、 こ の デ ザ イ ン ガ イ ドが 示 す 「囲 まれ た通 り と広 場 」 注2)が 日本 の今 後 の狭 あい 道 路 地 区 の改 善 に大 き な ヒ ン トを与 えて くれ る こ とで あ る。 この2節 で はイ ギ リスEssex州 のデ ザ イ ンガ イ ドに よ る 居 住 地 の追 跡 調 査 を報 告 す る が 、 こ の 中で 、狭 あ い道 路 拡 幅 の メ リ ッ トを味 わ うこ とに したい 。 2.1Essex州 の1973年 の デザ イ ンガ イ ド 1973年 のデ ザ イ ン ガイ ドは 、単 調 な郊 外 か ら個 性 的 な街 並 へ と居 住 地 の光 景 を変換 させ 、イ ギ リス の居 住 地 デ ザ イ ンに 改革 を もた ら した。 そ のモ デ ル 地 区 と して 州 内 のSouthWoodhamFerrersが 選 ば れ た(以 下SWF と略 す)。 この居 住 地 は、 従 来 は 単調 な レイ ア ウ トで あ っ たが(図2.2.写 真1)、 デ ザ イ ン ガイ ドに よ り 「囲 み 空 間」 を意識 した特 徴 の あ る居 住 地景 観 を実 現 して い く, 図2.1はSWFの 開発 時 期 を道 路網 とで示 して い る。 図 は グー グル ア ー ス を現 地 写 真 で確 認 して作 成 した。

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4)連 続 建 物 に よ る堅 固な 囲 み 空 間(通 り・広 場 を生 か す ・連続 した建 物 の下 部 に駐車 場 を取 る(図2 .6>。 ・ガ レー ジ と住 戸 を繋 ぎ通 りと広 場 の 囲み をつ くる{ 2.2新 し い デ ザ イ ン ガ イ ド;1997年 か ら の 変 化 ‐ イ ギ リスEssex州GreatNotleyの 実 験 1997年 、Essexデ ザ イ ン ガ イ ドは 、 装 い を 新 た に して 再 出 発 す る 。 そ れ ま で の 囲 み 空 間 に 加 え て 、 街 へ の 「行 き や す さ」 「分 か りや す さ 」 を 重 視 し た 。 そ の 結 果 、 ・「 ク ル ドサ ッ ク 形 式 の 街 区 構 成 の 否 定 と歩 車 共 存 」 と い うデ ザ イ ン 理 念 が 誕 生 し た 。 ・前 庭 を コ ン パ ク トに して 、 駐 車 スペ ー ス を通 りか ら隠 す 、 後 庭 を 広 く 取 りそ こ は 隠 し て プ ラ イ バ シ ー を 守 る 。 ・通 り か らは 、 建 物正 面 を開 い て 自然 な監 視(防 犯)機 能 を 強 め る 、 そ の 結 果 と して 強 い 囲 み 空 間 が 歓 迎 され る。 図2.8と 図2.9は 、1990年 代 か ら2001年 に か け て 、 居 住 地 デ ザ イ ン の あ り方 を 追 究 し て き た 実 験 住 宅 地GreatNotley(Essex州Braintree県)で の 初 期 と 最 終 的 に 完 成 し た 高 い 密 度 の 住 宅 地 で あ る

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1)初 期 の試 行 錯 誤(図2.8写 真2.9) 初 期 の 開発 デ ザイ ン は試 行 錯 誤 で あ る。 クル ドサ ック を認 めて お り、 ジ グザ グ道 路 に よ る 囲み と共 同 スペ ー ス の 確 保 、 前庭 へ の駐 車 はそ の ま ま肯 定 し、 共 同駐 車場 と 広 揚 を囲 む 空 間 を試 み て い る。 2)2001年 の 到 達 点(図2.9写 真2.10) 2001年 の この 地 区の 最 後 の居 住 地デ ザ イ ン は 、戸 建 て 住 宅 に 個別 ガ レー ジ が あ り前 庭 は小 さい 。 不整 形 グ リ ッ ドの 通 りは ゆ る い 曲線 、 車道 を 区分 し、 歩 行者 を守 る 、 通 りは 広 場 につ な が り、 自然 な 共用 スペ ー ス を展 開す る。 写 真2.8は 、 そ の 中央 の半 円広 場 で あ る。 右 の 写 真 は 団 地 入 口の ゲ ー トハ ウスで 分 か りや す さを狙 って い る。 2.3ま とめ(SWFか らGreatNotleyへ の 発 展) 1)SWFI973年 デ ザ イ ン ガ イ ド SWFで は 囲 み の 発 展 に 主 力 が お か れ て き た 。 初 期 は 曲 線 道 路 と裏 の 駐 車 場 が 中 心 で あ っ た が 、 次 第 に 道 路 と建 物 の変 化 、 低 い密 度 で は壁 面 の 囲 み が 中 心 とな り、 高 い 密 度 で は、 ガ レー ジ と住 戸 との 連続 性 が硬 い 囲み をつ く っ て きた 。 結果 と して 、 ・クル ドサ ック は基 本 とされ て い た。 ・テ ラス ハ ウス で の前 庭 と駐 車 場 が 中途 半端 に残 り、裏 の駐 車 場 の 扱 い が不 十 分 で あ っ た 。 2)1997年 デ ザ イ ンガイ ド この ガ イ ドは クル ドサ ッ ク方 式 を否 定 し、住 戸密 度 を 高 く し、 前 庭 の扱 い 、駐 車 ス ペ ー ス の扱 いの変 化 な どに よ り、 堅 固 な 囲 み 空間 の デ ザ イ ンが成 立 して き て い る。 そ れ は 以 下 の 点 に現 れ て い る。 ・平 面の 形 を 囲 み 空 間 にす るた めの 通 り と広 場 の連 続 性 幅 員 の 変 化 の 導 入(不 整 形 グ リ ッ ドの重視)。 ・建 物 の 壁 面 の連 続 性 と閉鎖 性、壁 面 の通 りへ の正 面 性 を重 視 。 壁 面 の 変化 や 前 面 ガ レー ジ に よ る 囲み は否 定 。 ・前 庭 の駐 車 ス ペ ー ス を な く し、後庭 へ回す かガ レー ジ と して 閉鎖 的 にす る、 な どが 囲 み 空 間 と して 確 立 した。 以 上 の デ ザ イ ン ガ イ ドの効 果 と して 、 こ こで は新 規 の居 住 地 計 画 が 対 象 と され て い るが 、 この通 りと前 庭 と に よ る平 面 ス ペ ー ス住 宅 の前 面 開 口部 と壁 面 の扱 い は 、 狭隘 道 路 を有 す る 日本 の既 成 市 街地 で の拡 幅 整備 を行 う 場合 の 「交 通 機 能 と場 所 機 能 と して の 空 間 の活 用 」 、特 に 「場 所 機 能 の 重 視 」 とい う有 効 な ア ドバ イ スを 与 え て くれ て い る。 この 囲 み 空 間 の あ り方 を参 考 に 、以 下 の分 析 と提 案 を行 っ て い く。 3.狭隘 道 路 地 区 調 査;地 区 の 空 間 形 態 と機 能 の実 態 地 区調 査 は地 区 の コン テ キス ト(文 脈)を 把握 す る も の で ある。 そ れ は 、 地 区 の空 間 形 態(形)と 空 間 が示 す 人 々 の活 動;そ の 反 映 と して の空 間機 能(具 体 的 に は空 間 用 途)そ して 、 この2つ の 関係 を把 握 す る注4)。 1)空 間 形 態;a,通 りの 種 類 とそ の構 成(ネ ッ トワー ク) の 把 握 、通 りの種 類 は 幹線 準 幹 線 道 路 、 地 区 内配 分道 路 (サー ビス道 路)、 そ して ア クセ ス 道 路 で あ る。 b.こ れ らの 通 りの構 成 は、 ネ ッ トワ ー ク と して捉 え ら れ る。 そ して この 結 果 と して 、c.街区 の構成 の把 握;街 区の 形 態(グ リ ッ ド、 リニ ア、 そ の 他)及 び 、建 築敷 地 との 関係 で 、街 区 は大 街 区(ス ー パ ー ブ ロ ック)と 小 街 区(囲 み街 区;ペ リヘ リブ ロ ック)な どに分 け られ る。 建 築 敷 地 の大 き さ と形 式 は この分 類 に影 響す る。 そ して d.建 築 の形 態 は、 密 度 や 高 さ階数 、建 て方(戸 建 て 、連 続 建 て 、 共 同建 て)、 街 並 み の形 式(水 平 的形 態 、垂 直 的 形 態 、 ス カイ ライ ン)と な る。 2)空 間 機 能;居 住(住 む)、 働 く(商 業 、 工 業 、 そ の 他 、)、 レク レー シ ョン、 そ の他 の 公 共 的行 動(買 い物 、 学 習 、医療 、 そ の他 の 公 共活 動)、 これ らに 対応 す る土 地 利 用 と建 築 用 途 を呼 ぶ 。

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3.1南 原 山地 区(尾 張旭 市)の 空間 形 態 と空間 機 能 (1)空 間構 成 の形 態 1)位 置;南 原 山地 区 は 、名 古 屋瀬 戸 線(名 古 屋 鉄 道 が名 古 屋 市 地 下 鉄 へ 乗 り入 れ)の 尾 張旭 駅 と三郷 駅 と に挟 ま れ る東 西 約1kmの 地 区 で あ る。尾 張旭 市 の 中心 街 を形 成 し、三 郷 駅 周 辺 に は 、大 型 店 を含 む 商業 施 設 が集 積 、 尾 張 旭 駅 周 辺 は 、 市役 所 を含 む公 共施 設 が多 い。 名 古屋 瀬 戸 線 と平 行 して 「名 古屋 瀬 戸線 」(通 称 瀬 戸 街 道)が 通 り、 名 古 屋 と瀬 戸 市 をつ な ぐ幹 線 とな っ てい る。 南 原 山地 区は 、 この瀬 戸 線 と瀬 戸街 道 を北 に配 し、 南 の新 名 古 屋瀬 戸 都 市 計画 道 路 、2つ の駅 を通 る2都 市 計 画 道 路 で囲 ま れ た 地 区 とす る(図3.1)。 2)交 通 ネ ッ トワー ク と拠点 性;交 通 ネ ッ トワ ー クは 、 広 域 的 に は 、 上 記 の鉄 道 瀬 戸 線 と4つ の幹 線 道 路 が 地 区 を 囲 んで い る(幹 線 道 路A)。 この 幹線 道 路 の 内側 を 地 区 内 の 交通 網 を配 分 す る道 路(サ ー ビス道 路B)と 主 に 建 物 敷 地 ヘ ア クセ スす る道 路 に分 類 す る(認 定 、未 認 定 と も)。 配 分 道 路(サ ー ビス道 路〉は 東 西方 向2線 、 南 北 方 向2線 が あ る。 東 西 方 向 の2線 は古 くか ら成 立 して い た集 落 間 の 間道 や 街 道 注5)であ り、 現 在 も 地 区 内 だ け で な く近 くの外 部 領 域 との つ な が りネ ッ トワー ク も持 っ て い る(B1と す る)。 南北 の2線 は 、 幹線 道 路 間 をつ な ぐ道 路 で あ り、近 年 の都 市計 画 道 路 建 設 に合 わせ て新 設 され た 道 路 で あ る(B2)。 そ して 、 最 後 に住 宅建 築 敷 地 に ア ク セ スす る機 能 が 強 い(通 過 交 通 が少 な い)道 路 (ア クセ ス道 路 と称 す)と それ に直 接 つ な が る最 終 配 分 道 路(サ ー ビス道 路B3')を 分 類 し、 これ らをネ ッ トワ ー ク と して認 識 す る(図3 .2)。 この ネ ッ トワー クの 中で 、地 区の 中心 に2つ の東 西 サ ー ビス道 路 が交 差 して い る。 こ の2線 の うち1つ は三 郷 駅 へ 向 か い 、 も う一 つ は 市役 所 や 公 共 施 設 へ 向 か って い る。 この 主要 な地 区内 道 路 の役 割 とそ の交 差 点(ノ ー ド)の 将来 像 を意 識 す る必 要 が あ る。 (2)地 区 内 の空 間機 能 空 間 の機 能 は 、建 物 の 用 途 で は か る こ とがで きる。 こ れ は、 地 区 内 の人 々の 活 動 を示 す こ とで も あ る。 図3.3 は工 業 と商 業施 設 の用 途 で あ る。 図3.4は 住 宅 の 分布 で あ る。 三 郷 駅周 辺 に工 業 、 商 業機 能 が集 ま り、 共 同住 宅 の 立 地 が 多 くな っ て い る。 工 業機 能 は次 第 に商 業機 能 や 共 同住 宅 に変化 してい る(経 年 変化 をみ る、 図 略)。 地 区 内サ ー ビス 道 路 沿道 に商 業機 能 と共 同住 宅 が 分布 して い る こ と も注 目 され る。 なお 、 地 区 内 の 南部 は、 東 側 は 、 土地 区画 整 理 が完 了 した低 層 住 宅 地 を形 成 して い る。 西 部 は 、市 街化 調整 区 域 が多 く、 市街 化 は抑 制 され て い る。 ま た 、 この 地 区 内 に は 、ま とま った農 地 が残 って い る。 大 き い もの は3ケ 所 に あ る。 これ らの今 後 の 開 発 が課 題 に な る。

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(3)南 原 山地 区 の道 路 と街 区の構 成(囲 み 空間 単位) 地 区全 体 の 空 間構 成 の 形 態 と空 間 の機 能 分 布 は 以上 の よ うで あ るが 、 さ らに、 地 区 空 間構 成 形 態 上 の 問題 点 を み て 、 そ の 対応 を考 え るた め に作 業 を行 った。 1)狭隘 道 路 の分 布 と密 集 地 区 地 区内 の狭隘 道 路 は図3.6に 示す よ うに 、サ ー ビス道 路B1、B3な どを は じめ と して数 多 い 。 ま た 、密 集 地 も各 地 に分布 して い る。 そ して 、道 路 が行 き止 ま りに な っ て い る空 間 単位 も多 くみ られ る。 これ らの道 路 とそれ を 囲む 空 問 を示 した の が図3.6で あ る。 2)道 路 とそ れ を 囲む 空 間単 位 の 分布 そ こ で 、道 路 とそ れ を 囲む 建 築 敷 地 を 空 間単 位 と して 把 握 す る作 業 を行 っ た。 こ の空 間 単位 を 交差 点 ご とに 区 切 り、敷 地 の 裏 部 分(プ ライ ヴ ェー ト空 間)の 境 界線 で 仕 切 る と図3.7が で き た( 目立 った 交 差 点 が な く、 通 り が連 続 す る場 合 に は最 長2リ ン ク程 度;約150mで 区切 っ た)。 この 囲み 空 間 単位 の形 を み る と、 大 部 分 が 、通 りを囲 む 空 問 で あ る こ と、 す な わ ち、 通 りを単位 に街 の空 間 が 成 立 して い る こ とが 分 か る。 図3.8で 囲 み 空 間単 位 の 住 宅 戸数 密 度 をみ る と、 図3.6の 密 集 地 と対応 す る単位 が 多 くみ られ る。 これ 以 外 は規 模 の多 い 共 同住 宅 が立 地 し て い る 単位 空 間 で あ る。 幹線 か ら中 に入 っ た一 般 的 な戸 建 て住 宅 地 の 密度 は40戸/ha未 満 で あ り、 平均 敷 地 が 大 き い 、 また は未 利 用 地 が多 い 空 間 単位 が多 い とい え よ う。 この こ とが 地 区 の住 環 境 整備 方 法 を個 別 の 改 善 に誘 導 す る一 因 にな る(後述)。 3)南 原 山地 区 の空 間 単位 の特 徴 南 原 山地 区 の空 間 単位 は、 地 区 が 市 の 中心 地 に あ る こ とを 反 映 して 、 道 路 が 細 か に造 られ 市街 化 の 進行 が 著 し い こ と、 ミニ 開発 が 多 い こ とな どに よ り、上 田楽 地 区 よ り、 道 路 を空 間単位 と した「通 り型 空間 単位 」 が 多 い。 通 り空間 を単 位 に して い ない の は 、 三郷 駅 付 近 の ス ー パ ー ブ ロ ック(大 型 店、 大規 模共 同 住 宅地 、 工場 な ど)及 び 旧集 落 地 を多 量 に残 してい る地 区 で あ る。 公 園 や 墓 地 な ど を含 む 広 場 を囲 む タイ プ は少 な い(図3.7)。 旧集 落 地 区 タイ プは 、2つ に過 ぎ な い(図3.7)。 通 り型 囲 み 空間 は、 道 路 の性 格 に よ り細 か い違 い を 見 せ て い る。 こ の違 い を意識 した 整備 計 画 を 立 て る こ とが 、 この 地 区 の整 備 方 法 の 特徴 とな る。

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・旧集 落 タ イ プ;数 は少 な い が 、旧集落 の道路 と敷地 の 構 成 を持 つ 地 区 が あ る。 狭隘 道 路 に大 規 模 な 敷地 がつ き、 そ の 中に 中小 規模 の分 割 敷 地や ミニ 開発 地が ある。 道 路 の 拡 幅 よ りも揚 所 機 能 の整 備 が 必 要 で あ ろ う(図3.14)。 3.2上 田楽 地 区 の 空 間形 態 と空 間 機能 の実 態 次 に春 日井 市 の上 田楽 地 区 の 空 間構 成 の形 態 と機 能 を み る。 この地 区 は春 日井 市 内 の 小牧 市 よ りに位置 して お り、小 牧 春 日井 地 域 の 工業 的 な発 展 に貢 献 して き た地 区 で あ る。 基盤 整備 が徹 底 した春 日井 市 で は希 有 な存 在 で あ る が、 基盤整 備 が行 われ な い ま ま で徐 々 に市街 化 した 都 市 域 の 典型 地 区 で あ る。 (1)空 間形 態 1)位 置;こ の地 区 は 市街 化 区 域 の 外 れ に あ り、 駅 か ら は2km離 れ て お り、公 共 交 通 で は利 便 性 が 低 い。 旧集 落 が多 く残 され て い る上 田楽 地 区 の範 囲設 定 は、 幹線 道 路 に 囲ま れ る ゾー ン とす る。 こ こで は東 を緑 道 、 南 と西 を新 しい 都 市 計 画道 路 、北 は 旧幹線 道 路 とす る。 西部 に 小 河 川 が 通 り、 そ れ よ り西 が 市街 化 調 整 区域 に指 定 され て い る。 この 調整 区域 は考 察 で は 主対 象 と しな い。 2)上 田楽 地 区 の 道 路構 成;南 原 山地 区 と同様 に、 幹線 、 地 区 内配 分(地 区 内 サ ー ビ ス)道 路 、 ア クセ ス道 路 に既 存道 路 を 区分 し(認 定 、未 認 定 と も)、 こ の地 区 全体 で の ネ ッ トワー ク構 成 を描 いて み る。 さ らに道 路 の復 員 を 41m以 上 と4m未 満 に 区分 して 、 狭隘 道 路 の分 布 を調 べ た 。4面 の幹 線 道 路 以外 に市 内 と小 牧 市 をつ な ぐ道 路 が 南 北 に通 って お り、 幅 員 は広 くな い が 交通 量 が多 い。 東 西 方 向に も1本 拡 幅 整備 途 中の 道 路 が あ る。 これ を地 区 内 の サ ー ビス道 路 とみ る。 この2本 の道 路以 外 で は 、 地 区 内で は 、主 要 な サ ー ビス道 路 と して の役 割 を果 た して い る が、 地 区外 との つ な が りは弱 い サ ー ビス道 路 が あ る。 これ らにつ な が るア クセ ス道 路 は、 狭隘 道 路 が多 く行 き 止 ま りも多 い。 ミニ 開 発行 為 に よ り部 分 的 に拡 幅 され た 道 路 は4m以 上 の幅 員 を 持つ が(図3.13と 図15)断 片 的 で あ り、 地 区 内の 大 部 分 が狭隘 道 路 で あ る とい え る。 ・主要 サー ビス 道 路B1タ イ プ;東 西 の2路 線 、 狭隘 道 路 部 分 もあ る が 、交 通 量(人 と車 両)が 多 い。 歩 車 共 存 の シ ス テ ム の導 入 が 必 要 で あ る。 ま た 、 交通 機 能 と場 所 機 能 を 共存 させ る こ とが 重要 な課 題 とな る(図3.12)。 ・サ ー ビス道 路B3タ イ プ;こ の囲 み 空 間 は 北南 向 けが 多 く、 ア クセ ス道 路 を数 多 くつ な げ てい る。 ア クセ ス 道 路 には 行 き止 ま り線 が 多 い こ とも あ って 、 この タイ プ は 課 題 が 多 い。 道 路 の拡 幅 と行 き止 ま りの 解 消 と合 わせ て 、 場 所機 能 の確 保 が課 題 で あ る(図3.13>。

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こ の地 区 で は 、 主要 なサ ー ビス道 路 は通 り空 間 と して 考 え る こ とが で き る が 、 旧集 落 の残 存 して い るゾー ン は、 サ ー ビス 道 路 とア クセ ス道 路 とを一 体 化 した 空間 単 位 で 整 備 を考 え る必 要 が あ る こ とが 明 らか にな っ た。 (2)空 間機 能 この 地 区の 空 間機 能 を み る と(図3.12)、 大部 分 が 、 居 住 機 能(住 宅 用 途)で あ る。 多 くは 戸建 て住 宅 で あ る が 、 一部 に共 同建 て が 混入 して い る。 周 辺幹 線 道 沿 い と 中央 の南 北サ ー ビス道 路沿 い に商 業機 能 が 張 り付 いて お り、 こ の地 区へ の商 業 的 なサ ー ビス を 提供 して い る。 地 区 内 に は 、公 共 的 な施 設 が多 く、 小 学校 、幼 稚 園、 寺 院 、神 社 、そ して 新 しい公 民 館 な どが 立 地 してお り、日 常 生活 上 は利 便 性 が 高 い とい え よ う。 さ らに 、地 区 内 には農 地 や 空 き地(駐 車場 が多 い)が 多 く、 これ らが今 後 市街 化 の元 地 に な る 可能 性 が高 い 。 ミニ 開発 は い ろい ろ と問題 を起 こ して い る(後 述)か ら、 今 後 の 開発 に注 意 が必 要 で あ ろ う。 (3)地 区の 空間 単位 とそ の 分布 この道 路ネ ッ トワー クに従 って 、 道 路 とそれ に接 す る 建 築敷 地 を単位 空 間 と して 区切 る作 業 を行 っ た。 この 作 業 か ら、 こ うした 旧集 落 地 区の 空間 単位 は、 道 路 を 中 心 と した 囲み 空間 単 位 と して 形 成 され て い る空 間 と、道 路 の段 階 構 成 を内在 させ て そ の 枝 状 の公 共 空 間 を 単位 と して捉 え る こ とが適 切 で あ る単位 空間 とに2分 さ れ る こ とが分 か った(図3.15)。

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4.地 区 の住 環 境整 備 の 方法 と具 体 的 な 空 間 課 題 ‐ デ ザ イ ン ガ イ ドの 支 援 に よ る計 画‐ 地 区 の整 備 課題 は、2つ の地 区 に共 通 す る課 題 と独 自 課 題 が あ る。 これ を比 較 しな が ら内容 を考 え る。 4.1南 原 山 地 区 の 整備 課 題 ・狭隘 道 路 の拡 幅整 備、 行 き止 ま り道 路 の解 消 や 安全 対 策 、残 存 農 地や 空 き地 の計 画 的 な 開発 と活 用 、 な どは上 田楽 地 区 と同様 で あ る。 ・地 区 内 の サ ー ビス道 路(特 に三 郷 駅 ヘ ア クセ スす る道 路)の 拡 幅整 備 も同様 に必 要 で あ る。 また 、 そ の 際 に交 通 機 能 と場所 機 能 を重 視 す る こ とも 同様 で あ る。 上 田楽 地 区 との 違 い は 、 直接 都 市 の 中 心地 へ 歩 いて 行 け る有 利 さで あ る。 この利 点 を最 大 に生 かす 道 路 整 備 が 望 まれ る。 ・ア クセ ス道 路 は、土 地 区画整 理 に よ り都 市 基盤 を確 保 した 安 定 した 地 区 と、狭隘 道 路 の地 区 とが あ る。 前者 は 、 そ の ま ま に して お い て も よい 地 区 で あ る。 後 者 は 道 路 に 余 裕 が な い こ とか ら、公 共 空 間 が さ らに確 保 で きれ ば 望 ま しい 、 そ の 際 に 交通 機 能 と場 所機 能 を確 保 す る こ とが 望 ま しい 。 歩 車 の共 存 も課題 で あ る。 ・狭隘 道 路 地 区 にな っ て い る ミニ 開発 地 区 は 、住宅が老 朽 化 し、 長 屋 建 て や小 規 模 敷 地 が 多 い。 小 規 模 な建 て 替 え事 業 を含 む 道 路 建物 一体 化 した整 備 事 業 が必 要 で あ る。 ・ノー ド(交 差 点);地 区 内の サ ー ビス道 路Blが 交 差 す る地 点 は、 地 区の魅 力 を確 保 す る可能 性 が あ る。 交 差 す る平 面 スペ ー ス を(ロ ー タ リー)と して計 画 す る こ と も 、一 案 で あ ろ う。 ・農 地 や 空 き地 を公 共施 設 へ 取 り込 む こ とや 、新 しい居 住 地 整 備 とす る こ と も重要 で あ る。 交 通利 便 地 で あ るか ら、共 同住 宅 地 化 す るこ とも考 慮 す べ きで あ ろ う。 4.2上 田 楽 地 区 の整 備 課 題 この地 区 の整 備 課題 は 以 下 の通 りで あ る。 ・狭隘 道 路 が多 い こ と、 これ を拡 幅 す る必 要 が あ る地 区 と道 路 を整 備 す る。 ・地 区 内 のサ ー ビス 道 路 とア クセ ス 路 との ネ ッ トワー ク が 不十 分 で あ る。 道 路 に接 しな い敷 地(農 地 や空 き地 で あ る土地 を含 む)、2方 向 の避 難 が 困難 な行 き止 ま り道 路 に接 す る敷 地 が 多 い(図3.12)。 この 状 態 へ の 対 応 が 必 要 で あ る。 ・狭隘 道 路 だ け で な く、4m以 上 あ るサ ー ビス道 路(地 区 内 の ア クセ ス 路 につ な が る配 分 道 路)も 、 交通 機 能 と 揚 所機 能 を充 足 す るの に は狭 く、十 分 で な い(図3.13)。 交 通機 能 は 、歩 行 者 と車 両 の 交通 を共 存 させ る よ うに 工 夫 が必 要 で あ る。 場 所 機 能 は 人 々 の 交 流(コ ミ ュニ ケ ー シ ョン)、 子 供 の遊 び 場 、 訪 問者 の駐 停 車 そ して 防 災 消 防 空 間 な どで あ る。 道 路 の 一部 の広 が りや 交 差 点 な どで の 広場 化 な どは必 要 で あ る。 ・地 区 内 に多 い 公 共 的 な施 設(学 校 幼 稚 園、店 舗 、 寺 院 や神 社 な ど)の 活 用 と合 わせ て 、空 き地 や農 地 を生 か す 開発 計画 力泌 要 で あ る。 ・現 存 す る ミニ 開発 地の 扱 い 、 今 後 の ミニ 開 発 の コ ン トロー ル を行 う必 要 が あ る. 4.3整 備計 画へ の 提 案 最 後 に、整 備 計 画 と事 業化 へ の提 案 を行 う。 整 備 計 画 は 、 両 地 区 に共 通 す る課 題 の 解 決 を図 るた め の 計 画 と実 現 手 段 とす る。 こ こで は 密 集 地 区 の再 開 発 (南原 山 地 区)は 「敷 地 の 共 有や 建 物 の共 同 開発 が 必 要 」 で あ る こ とか ら、 こ こで は触 れ な い。 (1)南 原 山 地 区 の整 備計 画(通 り空 間 単位A)の 提 案 ・主 と して 道 路 の拡 幅 と広 場 の整 備 に よ る交 通機 能 と道 の場 所 機 能 の 充 足 を行 うこ と とす る。 ・そ の た めの 土 地 買収 は、4mま で は土 地 所 有者 の負 担 、 4m以 上 は 当該 自治体 施 行 機 関 の負 担 とす る。 ま た、 場 所機 能 充 実 の た め の広 場 整備 は 自治 体 負 担 とす る。 ま た 、 こ の事 業 工 事 に伴 う 「付 帯施 設 の移 転や 補 償 、 お よび再 生 費 用 は 自治 体 か らの援 助 が あ る もの とす る (春 日井 市街 づ く り支援 制 度2008年 制 定 参 照)。 ・拡 幅す る道 路 の 幅 員 は4mか ら8m程 度 と し、復員 の 凹 凸 は適 宜植 栽 な どで危 険 の な い よ うに扱 う(沼 津 市

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駅 前 地 区密 集 事業 で は4m∼6mの 幅 員 の 異 な る道 路 を正 式 に承 認 してい る)。 ・図4 .3か ら図4.8は 南原 山地 区の道路拡輻整備 事業の 提 案 の紹 介 で あ る。 この道 路 は地 区 内の 主 要 な サ ー ビ ス道 路 で あ る が 、狭隘 で あ るの で拡 幅 す る。 可能 な ら 8mま で の拡 幅 と して 、 地域 の承 認 が あれ ば 凸 凹 を認 め る(図4.4、 図4.6)。 ・道 路 に接 す る空 き地 を活 用 し、場所的機能 を付与す る。 遊 び場 、交 流 の 場 、訪問 者 用 駐 車 場 、 そ の他 の 緑 の 空 間 な どで あ る(図4.6)。 ・整 備 後 の前 庭 や 建物 の前 面 は 、プ ライバシー に注意 し な が ら、通 りに正 面 を 向 け る よ うに す る。 塀 は作 らな い 、 ま た は 目線 よ り も低 く して 自然 な監 視(防 犯)機 能 を保 持 す る(図4.5、 図4.8)。 (2)上 田楽 地 区の 旧集 落 型 単 位 空 間 の住 環 境 整備 の提 案 1)通 り型 サ ー ビス道 路 単位 空間 事 例 ・通 り型 サ ー ビス 道 路 の 単位 空 間 は 、道 路 とそれ に接 す る敷 地 が1枚づ つ で 成 立 して い る。 従 っ て 、 この サ ー ビス 道路 そ の もの の 拡 幅 とこの 道 路 に接 す る ゆ と りの あ る敷 地 を利 用 した 公 共 用 地 を確 保 し、 歩 車 の共 存 す る交 通機 能 と場 所 機 能 を確保 す る。 ・現 在 の敷 地 の ゆ と りか ら最 大8mま で の拡 幅 が 物理 的 には 可能 で あ る。 また 、 大 き く広 場 を確 保 で き る空 き地 や 前 庭 が あ る ので 、 これ らを用 いて 、 場 所機 能 を確保 す る こ とが可 能 で あ る。 ・拡 幅整 備 後 の各 敷 地 の建 物 は通 りに正 面 を 向 け、塀 を つ く らず に(あ る いは 高 く しな いで)自 然 な 監視 機 能 を 高 め る こ とが期 待 され る。 2)旧 集 落 型 単位 空 間 にお け る住 環 境整 備 の 提案 図4.10は 旧集 落 タイ プ の 単位 空 間 の 整備 の提 案 で あ る。中 央 の サ ー ビス道 路 か ら何 本 も細 い 道 路 が 出て お り、 それ に小規 模 大 規 模 な 敷 地 と建 物 がぶ ら下 が っ てい る。 ・まず、 中心 とな るサ ー ビス道 路 の拡 幅 をは か る。 最 低 は法 定の4mま で 、そ して 可能 な 限 り8mま で拡 幅 す る。 結 果 と して の 凸 凹道 路 化 は 、 地 区 の 了解 が あ れ ば 、承 認 して よい で あ ろ う。 沼 津 市 の密 集 事 業 の 事 例 は これ を認 め て い る。6m以 上 の土 地 買収 につ いて 、 土 地提 供 者 が 不 利 に な らな い よ うに(4m以 上 は 時 緬買 収)す る こ と が 望 ま しい 。 ・中 心サ ー ビス道 路 に付 随 す る 空 き地 や 余裕 の あ る前 庭   を活 用( 買収 し公 共用 地 化)、 場所 的機 能 を充実 させ る。 ・拡 幅後 の各 敷 地 建物 は 、プ ライバ シー に注意 しなが ら 通 りに正 面 を向 けて 自然 な監 視機 能 を確 保 す る。 ・中 心サ ー ビ ス道 路 か ら派 生 す る枝 状 の狭隘 道 路 は 、多 くが数 の少 ない 敷 地 に ア クセ ス す る もの で あ るか ら、 一 律 に 拡幅 す る ので は な く、必 要 に応 じて拡 幅 ま た は広 場 を確 保す る。 この 場合 の整 備 の 必 要性 は ア クセ ス通 りに よっ て異 な る か ら公 共負 担 の 割 合 は慎 重 に決 めるべ き で あ る。

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6.ま と め 名 古屋 市 郊 外 をモ デ ル に 、大 都 市 郊外 拠 点 にお け る基 盤 未 整 備 居 住 地 区の 事例 的実 態 とそ の 改 善方 法 につ い て 、 調 査 して きた 。 そ の発 想 は イ ギ リス の居 住 地 デ ザ イ ンガ イ ドの成 果 で あ る 「通 りと広 場 に よ る囲 み空 間」 の 応 用 で あ る。 イ ギ リス を見 れ ばデ ザ イ ンガ イ ドが都 市 開発 衰 退 低 迷 期 にお け る地 域 を再 生 す る可 能性 が 見 えて く る。 ・計画 性 の ない 市 街 化 が進 み 、狭隘 道路 とミニ開発に よ る地域 の 不完 全 な基盤 と、都 市 と して の 環境 水 準 の 危 う さが あ る この よ うな地 域 で は 、 土地 区画 整理 に代 わ る小 規模 な基 盤 整 備(道 路拡 幅 を 主)が 適 切 と思 われ た 。 ・整 備 の基 本 と して、 小規 模 な空 間 区分 を通 り とそ れ を 囲 む建 築 敷 地 に よ る単位 を設 定す る こ と、 そ の単 位 ご と に 、 道路 の交 通 機 能 と場所 機 能 を充 足 させ る こ と、 を 目 的 に、 土地 の確 保 と公 共 事 業化 を進 め る こ と とな る。 ・尾 張旭 市 の南 原 山地 区 は 、駅 に近 い拠点であ り、春 日 井 市 の 上 田楽 地 区 は、 数少 な い基 盤 整 備が 遅れ た 旧農 村 集 落 地 区 で あ る。 この2つ の地 区 の居 住 空 間 単位 は、 異 な り、 前者 は「通 り型 囲 み 空 間 」 、後 者 は「通 り型 」 と 「 旧集 落型 」 とい う整 備 単位 の違 い が あ った。 そ の改 善 方 法 は 基本 的 に は 同 じで あ るが 、通 りの 幅 員 の分 布 状 態 と縁 辺 敷 地 の 広 さ 奥 行 き な ど に よ り 、 住 民 の 賛 意 と 実 現 の 可 能 性 は 事 業 費 負 担 の あ り方 に 関 係 し て く る で あ ろ う。 ・イ ギ リ ス の デ ザ イ ン ガ イ ドが 提 供 し て くれ た 事 業 へ の 可 能 性 と して は 、 こ れ ま で は 公 共 施 設 で あ り 、 他 者 の も の に され て い た 前 面 道 路が 、 交 通 機 能 よ り も 場 所 的 機 能 を 優 先 す る こ とに よ っ て 、 近 所 の 居 住 者 の 共 用 地 と し て 認 識 で き る よ うに な る こ とで あ る 。 これ は 地 区 住 民 に と っ て 極 め て 魅 力 的 で 積 極 的 な 改 善 誘 導 条 件 に な ろ う。 ・こ の 共 用 地 を 意 識 し た 計 画 の 提 案 と街 並 み の デ ザ イ ン ガ イ ドに よ り、 そ し て そ れ を り一 ドす る オ ル ガ ナ イ ザ ー の 存 在 と に よ っ て 、 身 近 な 住 環 境 整 備 事 業 は 進 展 で き る よ うに な ろ う。 ・本 研 究 が そ の 一 助 と な る こ と を 期 待 し て い る。 〈 注> 1)国 土 交 通 省 都 市/地 域 整備 局 市街 地整 備 課 「今 後 の市 街 地 整 備 の目 指 す べ き 方 向‐ 市街 地整 備 手 法/制 度 の 充 実 に向 け て‐2008年6月 で は 、 土 地 区画 整 理 事 業 を 骨格 と した複 合 的 な 手法 に よ って 、 基盤 の未 整 備 、 密 集 市 街 地 、 空洞 化 し た 中 心 市 街 地 な どの 課 題 を もつ 問題 市街 地/地 区 の 整 備 手 法 が 提案 され て い る。 ま た 、安 藤 元 夫 、 佐 藤 圭 二 、松 山明 他 「木 造 密集 市街 地 に お け る生 活 道 路 ・住 宅 の一 体 的 整 備 に 関 す る研 究‐ 密 集 住 宅 市 街 地整 備 促 進 事 業 等 の 全 国調 査 、震 災 復 興 ま ち づ く り調 査 ‐ (財)住 宅 総 合 研 究財 団2000年 で は 、 土 地 区 画 整 理 以 外 の 有力 な事 業 手 法 で あ る住宅 密 集 市 街 地 整 備促 進事 業 の これ ま で の実 績 と課題 が全 国事 例 に よ り紹介 され て い る。 2)「 囲 み 空 間 」 とは 、 イ ギ リス の ア ー バ ンデ ザ イ ンで 用 い ら れ る空 間認識 の 手 段 。 歩 行者 の 目線 を基 準 と して屋 外空 間 を 室 内 と同様 に捉 え る。 す な わ ち 「床;平 面 スペ ー ス と して道 路 や 前 庭 な ど」 、 「壁;平 面 スペ ー ス を囲 ん で い る建物 の正 面 立 面 を示 す 」 、そ して 「天 井;こ れ ら に切 り取 られ る天 空 、 ス カ イ ライ ン」 、 以 上 の 多要 素 で成 立す る とみ る。 3)愛 知 県 建 設部 「安 心 ・安 全 住 宅 市 街 地 ネ ッ トワー ク会 議 報 告 書 平2003年3月 」 に、 愛 知 県 下 の密 集 市 街 地 の調 査 が あ る。 これ は メ ッシ ュデ ー タ に よ る粗 い 資 料 で あ る。

4)Ian Bentley et al."Responsive Environments Manual for Designers"Architectural Press1 985に よ る と、 ア ーバ ン デ ザ イ ン の 空 間 の 基 本 要 素 は 、 空間 形 態(形)と 空 間 機 能 (人々 の 活動 ・置 き換 える と土地 建 物 の用 途)で あ る。 5)尾 張 旭 市 教 育委 員 会 「尾 張旭 の道 」2003年 に よ る く 参 考 文 献> 1)日 本 建 築 学 会 編 「安 全安 心 の ま ちづ く り:ま ちづ く り教 科 書 第7巻」 丸 善 株 式 会社2005年3月 2)井 上 隆 編 「狭 あい 道 路 と生 活 道 路 の整 備 方 策 」 地 域 科 学 研 究 会2001.3月 3)高 見 澤 邦 郎 、 小 林 重 敬 「狭 あ い 道 路 とま ち づ く り」 地 域 科 学 研 究 会1996年3月 4)山 中 英 生 、 小 谷 通 泰 、新 田安 次 「ま ち づ く りの た め の 交 通 戦 略 」 学芸 出版 社2000年5月 〈 研 究 協 力 者 〉 水 野 貴 久 美(瑞 浪 市 役 所)、 根 田林 拓 武 ・七 原 一 樹 、 寺部 武 ・佐 野 拓 ・林 義 泰 ・加藤 千 草(中 部 大 学 生)

参照

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