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中国における有機農産物の過少供給の要因分析 ─陝西省洋県の有機農業経営者11 社を対象に─

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Ⅰ はじめに 1 問題の所在と本稿の目的 近年、経済成長、食品安全意識の向上によっ て、中国国内における有機農産物1)の消費需要 は徐々に高まっている。表1で示したように中国 国内の有機農産物販売金額は1999年に35.4億元2) であったが、2010年に145.4億元に増加し、有機 農産物の輸出金額の2倍以上にのぼった(黄 (2013))。また、多くの研究者、政府機関は今後、 中国の経済成長、所得の増加に従い、国内需要が さらに増えていくと予測している3) しかし、国際有機農業運動連盟(IFOAM)の 統計を見ると(表2)、中国の有機農地面積は2005 年に346.7万haと世界第2位であったが、2012年 には自然採取を入れて288.2万haに減少し、世界 第4位に低落した(FiBL & IFOAM(2014))。 また、中国国内の統計によると、2008年には有機 農地面積が310万ha(曹・僑(2012))、2012年に は230万haと31.7%減少した(陳・董・易(2014))。

通常、需要の増加に伴い、商品の市場価格が上

Analysis Regarding Undersupply of Organic Agricultural Products:

Sampling 11 Organic Enterprises in Yang County, Shaanxi Provence

CAO, Bin

Chinese Academy of Social Sciences Institute of rural development

NARITA, Takumi

Tokyo University of Agriculture and Technology Abstract:

This article analyzes the causes for the gradually decrease of supply quantities of organic products based on the studies taken from 11 organic production enterprises in Yang County, Shaanxi Provence, China. The findings revealed that even though organic enterprises held a positive attitude towards organic agriculture production, they are mostly realizing no or small profits. The study determined that the current agricultural policy system in rural finance, financial project applications, regional marketing strategies, as well as the intensive use of agricultural land through intermediary for public welfare and agricultural technology popularization system are incomplete, which have limited support for the growth of organic production marketing enterprises. The article proposes that future organic agricultural product market research should start from the point of view of agricultural policy. 〔Key words〕 Chinese Agricultural Policy System, Organic Agricultural Product, Undersupply

*中国社会科学院農村発展研究所 **(corresponding author)東京農工大学(E-mail:tnarita@cc. tuat.ac.jp)  キーワード:中国農業政策体系、有機農産物、過少供給 《論文》

中国における有機農産物の過少供給の要因分析

─陝西省洋県の有機農業経営者 11 社を対象に─ 曹 斌*・成田 拓未**

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昇して、企業は利潤最大化原理に基づき、需給バ ランスの均衡まで供給量を増やしていく。今日、 中国の経済成長を背景に有機農産物の購入意欲及 び購買力が確実に高まっている一方、有機農産物 の生産面積が伸び悩んでいるのは有機農業の経営 にとって市場メカニズムが有効に機能せず、つま り経済的な「効率性」が達成されていないものと 考えられる。今後、有機農産物の低価格での安定 供給を実現するために、その要因を究明すること が重要である。 これまで、有機農業経営に関する先行研究は、 環境政策学の視点から有機農産物は私的財の性格 を有しながら公共財の性格を有することを明らか にし(高(2003)、呂・何(2011)、汪(2012)、 張・劉・戴(2006))、マーケティング学の視点か らは消 費 需 要 の特 徴 を解 明 した( 王・ 劉・ 田 (2008)、呉(2006)、鄭(2009)、 ・賈(2009))。 また、経営学の視点から、宮澤・太田原(2002) は山東省有機野菜生産・加工企業を対象に、「日 本輸入業者の要請を受け、山東省企業は有機野菜 の生産を開始した」ことを解明した。申(2003) は「高収益、財政支援、環境保護意識の有無は農 家の有機農業参入意識を規定する主因だ」と明ら かにした。高ら(2014)は山東省寿光市の155戸 の農家を対象に「農家の高収益志向が有機野菜生 産を選定した要因である。連携企業の存在は農家 の収入と生産積極性を高め、有機野菜産業の発展 に正の影響を及ぼす」ことを解明した。 ところが、上述した研究成果においては、第一 に、有機農業経営への参入動機及びその規定要因 を解明する研究が多く見られるが、有機農業経営 の収益構造や経営要素別の実態や課題を踏まえた 過小供給の要因の解明は試みられていない。第二 に、小規模農家を調査対象とする研究が多く見ら れるが、企業を対象とする研究は輸出企業を取り 扱ったものに限られている。しかし、今日、中国 の有機製品認証(以下、有機認証とする)を取得 した経営主体はほとんど企業或いは農民専業合作 社である。農家は資金力、経営能力の問題で取得 主体になっていない。また、「企業+農家」モデ ルにおいては、農家はあくまでも企業の指示のも とで生産を行い、市場を見通して経営を展開する 自立経営者とは言えない。 そこで、本稿では、有機認証を取得した企業及 び農民専業合作社(以降、「企業」に統一する) を対象に、中国における有機農産物の過小供給問 題の要因を解明することを目的とする。 2 方法 本稿は次の構成と方法によって上記の目的に接 近する。 次節で調査対象とした地域および企業の概況を 表1 中国における有機農産物販 売金額の推移 単位:億元、% 年次 販売金額 成長率 1999 35.4 - 2000 38.9 9.9 2001 43.0 10.5 2002 47.7 10.9 2003 52.9 10.9 2004 61.7 16.6 2005 70.1 13.6 2006 81.5 16.3 2007 94.8 16.3 2008 108.7 14.7 2009 125.4 15.4 2010 145.4 15.9 資料:孟波『吉林大学修士論文-吉林 省における有機食品マーケティ ング戦略に関する研究』2013。 表2 中国における有機農産物の生産面積などの推移 単位:万ha、% 年次 有機農地面積 総耕地面積に 占める割合 (a/総耕地面 積×100) 世界 ランキング 耕地 面積 (a) 自然 採取 面積(b) 小計 (c=a+b) 2000 4.0 - 4.0 - 21 2001 30.1 - 30.1 - - 2003 29.9 - 29.9 0.05 11 2004 29.9 - 29.9 0.06 16 2005 346.7 - 346.7 - 2 2006 230.0 - 230.0 0.41 2 2007 155.3 - 155.3 0.28 4 2008 185.3 - 185.3 0.34 3 2009 185.3 75.9 261.2 0.37 4 2010 139.0 90.0 229.0 0.30 6 2011 190.0 90.0 280.0 0.36 4 2012 190.0 98.2 288.2 0.36 4

資料:FiBL & IFOAM.The World of Organic Agriculture: Statistics and Emerging Trends 2001-2014. Frick and Bonn.

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示した上で、Ⅲ節ではヒアリング調査により、経 営動機、収益実態から有機農業経営者の経営実態 を、Ⅳ節では五段階分析法を用いて有機農業経営 を規定する諸要素を考察し、有機農業経営を阻害 する要因を抽出する。最後に、まとめとして本稿 の研究成果を整理し、課題について若干の考察を 試みる。 ヒアリング調査は、2012年3月に中国陝西省漢 中市洋県において洋県農業局、洋県有機産業弁公 室、陝西漢中トキ国家級自然保護区管理局及び有 機農業経営者を対象として実施した。 調査方法としては、まず、調査地域の行政機関 から入手した有機農業経営者の名簿に従い、すべ ての経営者に電話によって調査の受け入れの可否 を確認した。そのうえで、有機農業経営者にヒア リング調査を実施した。その内、経営動機と収益 実態に関しては自由回答方式を採用した。経営現 況と経営課題については有機農業経営者の心理認 識を把握するために、「五段階評価法」を用いて 「有機農業経営現況の評価シート」(以下、「評価シ ート」)を作成し、調査対象企業に自己評価して もらいながら、筆者は選択要因をヒアリングで確 認した。本稿で五段階評価法を使用した理由は、 この方法が現在、心理学でよく使われており、人 の態度や行動、特にデリケートな質問や測定しに くい話題やテーマなどを測定して改善点をより容 易に把握することができるからである。 評価シートでは、有機農業経営を規定する農 地、資本、労働という経営三要素に、有機農業経 営の特徴を踏まえて技術、市場、第三者認可取得 の三つの項目を加えて、①農地集積、②資金調 達、③労働力確保、④生産技術、⑤市場開拓、⑥ 有機認証取得の6つの要素について、調査対象企 業に「非常に容易」、「容易」、「普通」、「困難」、 「非常に困難」の五者択一による自己評価を求め た。そのうえで、今日有機農業経営に存在してい る課題、つまり、経営を阻害する要因の抽出を試 みた。なお、資金調達は銀行からの借り入れ及び 政府助成金申請に分けられた。更に、生産技術に は新たな資材と新たな技術が一体となって導入さ れることを念頭に、資材調達と病害虫防除を含め た。 Ⅱ 調査対象の地域と企業概要 1 調査対象地域の選定理由 本稿で漢中市洋県を調査対象地域に選定した理 由は以下の三点である。第一に、洋県は中国で有 機農産物の生産が最も進んでいる地域である。洋 県は2007年に「陝西省トキ保護区における有機食 品産業発展計画」を公表し、有機農業で地域経済 を振興させる方針を固めた。2011年までに19社が 有機認証を取得し、認証農地面積が3,670haに達 した。同年、洋県は中国国家認証と認定管理委員 会によって「全国有機製品認証モデル県」に認定 された。なお、この認定を受けた県はこれまで10 県しかない。 第二に、洋県政府は有機農産物の生産を促進さ せる意欲が高い。2012年には洋県財政収入は3.5 億元であり、陝西省56県のうち、下から第8位に 位置した。同年、洋県の農家一人当たりの純収入 は5,755元、都市居住者の収入は1万9,788元でそ れぞれ全国平均水準の72.7%、74.4%と中国の「国 家級貧困県」となっている。洋県政府は有機農業 で地域経済を振興させる意欲が高く、2007年には 県政府は中国で唯一、農業局と同行政レベルの 「有機産業発展弁公室」4)を設立し、5名の公務 員を配置して毎年、大量の政府補助金を出すよう にした。 第三に、洋県は有機農業の持続可能な発展に適 した環境を有する地域である。洋県は中国陝西省 秦嶺山脈5)南部に位置し、森林率は61.8%、全国 平均水準の約3倍6)である。1981年、洋県で世 界でも希少な7羽のトキ野生個体が発見され、直 ちにトキ生息、活動エリアにおける森林伐採、農 薬・化学肥料の使用が禁止された。今日、洋県に は「陝西漢中トキ国家級自然保護区」、「陝西長青 国家級自然保護区」の二つの国家級自然保護区が 設置されている。 2 調査対象企業の概要 本稿では洋県内で有機認証を取得した19社のう ち、企業9社、農民専業合作社1社、農民技術協 会1社、計11社と対面ヒアリング調査を実施し た。調査対象企業は洋県有機農業経営者の57.9%

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を占め、大半の企業を包括した。 調査対象企業の特徴を整理すると、第一に、取 扱作目が多岐にわたることが挙げられる。取扱作 目別の企業分類を見ると、米3社、野菜4社、果 実3社7)、養豚1社、特用林産物1社である。取 扱品目のうち、有機認証を取得したアイテム数は 33と洋県内の有機農産物全アイテム数のうち、 91.7%を占める。また有機農産物の作付面積は 2,925ha(全体の79.7%)、生産量は1万1,202t(同 66.2%)である。 第二に、経営規模が大きいことである。調査対 象企業のうち、資本金50〜100万元が2社、100万 元以上は9社である、全て法人資格を有する大規 模経営主体である。うち、年間売上額が1千万元 を超える「漢中市龍頭企業」8)は3社である。 以上のように、本稿では洋県という有機農業経 営を積極的に取り込んでいる先進地域を選定し、 県内の主要企業の調査結果にもとづき、中国有機 農業経営に内在する阻害要因を把握することがで きると考えられる。 Ⅲ 有機農業経営の現況 1 有機農業経営への参入動機 調査対象企業に「有機農業経営への参入動機は 何でしょうか」と質問して得た自由回答を整理す ると、大きく四つに分けられる。 まず、調査対象企業のうち、8社(72.7%)は 「有機農産物の市場拡大の可能性が高い」を回答 した。その理由は①欧米諸国における有機農業の 発展過程を鑑み、所得増加に従い、有機農産物需 要が徐々に増える傾向にある。それゆえ、今後、 中国の経済成長に従い、有機農産物の需要がさら に増えていくことは間違いないこと。②近年、中 国ではメラミン事件、残留農薬事件など食品安全 事件が頻発し、食品の安全性への懸念から富裕 層、外国人を始めとして、有機農産物への消費が 増えてきたことである。しかし、中国では食品安 全問題を短期的に解決できないため、今後、有機 農産物需要はさらに増加して行く見通しである。 つまり、調査対象企業の大半は消費者購買力及び 購入意欲の変化や、食品の安全性への懸念から今 後、中国有機農産物市場の規模がさらに拡大して いくと考えていることが分かる。 次に、5社(45.5%)は「有機農業経営に適し た環境を備えている」と回答した。そのうち、1 社は漢中市の経済発展は一定の水準に達し、消費 需要も高まっているが、有機農業経営者はまだ少 ないことから市場の競争が少なく、早く市場参入 すればより有利な成長機会を得られると回答し た。つまり、経済環境は有機農業経営に有利とい う考えを示した。一方、他の3社は自然環境の側 面から考えていた。つまり、①洋県は海抜が高 く、山間部における昼夜の温度差が大きくて病虫 害が発生し難く、有機栽培に有利であること。② 洋県は1980年代から農薬、化学肥料の使用を厳禁 としたため、有機農業経営に必要な良質な水源、 土壌を有すること。また、他の1社は、洋県保護 区内の住民は伝統的な農法を生かして農産物生産 を実施していることで有機農業経営に豊かな経験 を有することを挙げた。 第三に、4社(36.4%)は「政府が有機農業の 発展を奨励している」と回答した。そのうち3社 は、①中国は市場経済の転換期にあり、市場はま だ資源分配機能を十分に発揮しておらず、政策は 産業成長に大きく影響している。②有機農業経営 の場合、初期投資が大きく、経営リスクが高いこ とから、政府の補助がなければ経営が成り立たな い。③近年、中央政府が有機農業の発展を促進す ることを明確に宣言したことは有機農業の成長に 有利だと考えている。また、他の1社は、洋県政 府は有機農業を「洋県第十二次五か年間計画」に 入れ、地域経済振興戦略の重要な位置に置いてい ることから有機農業経営を選択したと回答した。 第四に、1社は「自社需要がある」と回答し た。この企業は洋県でホテル、レストランを経営 している。近年、洋県にレストラン、ホテルが増 え、業者間競争が激しくなったため、当該企業は 製品差別化戦略として有機農産物の料理を目玉商 品にしたかったが、洋県周辺で信用できる食材を 調達することができず、自社直営の有機農場を建 設した。 2 有機農業経営の収益実態 有機農業経営の収益実態について、「有機農業 経営によって収益の変化がありますか」という質

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問に対して回答を求めたところ、3社は「経営収 益が明確に増加した」と回答した。そのうち2社 は増加率「1〜20%」と回答し、いずれも宅配、 贈答品を取扱う企業である。これらの企業は中国 の建国記念日、中秋節、正月など贈答品シーズン を狙い、政府、企業などの大口消費者に販売して いる。流通中間業者を経由しないため、利潤率が 高い。例えば、有機紫さつま芋の生産企業の場 合、贈答用紫さつま芋の平均卸売価格は16元/kg と一般品の倍以上高い。2011年には3kg詰めの 化粧箱包装の贈答品を8千ケース販売し、歩留率 70%で計算すると、平均利潤率は20%程度で、ス ーパー経由の15%より高い。ただ、大口消費者の 需要量が毎年変わるので、経営が極めて不安定 で、利潤率の変動が大きい。また、他の1社は増 加率「21〜40%」と回答した。当該企業は洋県で 経営規模が最も大きい有機黒米酒製造企業であ る。取引先が主に浙江省、江蘇省などの東南沿岸 地域のスーパー、日本、アメリカの中国食材の輸 入商社であり、年間契約を締結しているため、出 荷量は安定している。2011年には当該企業は国内 に30万元、海外に58万元9)、有機黒米酒を販売し た。主力商品は750ml有機黒米酒で、卸売価格は 118元/本、同社一般黒米酒の2.1倍となっている。 有機黒米生産の減産分と労賃の上昇分を除き、利 潤率は30%を超えた。 また、8社(72.7%)は「収益の変化は殆どな い」と回答した。そのうち、6社は「洋県及び漢 中市は貧困地域なので、消費者購買力はまだ低く て有機農産物の市場規模は小さい」と回答した。 2社は「有機農産物の単価は高いが、歩留まり率 が低くて平均収益が一般農産物と変わらない」、 1社は「政府、企業は市場開拓に力を入れておら ず、消費者の認知度はまだ低いし、本物を識別も できない」と回答した。 3 有機農業経営の現況評価 筆者は評価シートを用いて、現時点での有機農 業経営の概括的な自己評価を求めた。その結果は 「容易」を回答したのは2社(18.2%)、「普通」 1社(9.1%)、「困難」5社(45.5%)、「非常に困 難」3社(27.2%)で、「困難」、「非常に困難」 と評価した企業は計8社、全体の72.7%を占め た。つまり、多数の企業は有機農業経営を困難だ と考えていることが分かった。 しかし、全ての調査対象企業は「今後、有機農 産物の収益状況は徐々によくなって行く」と前向 きな考えを示した。その要因として、8社(72.7 %)は「国民の健康意識が高まり、安全安心な有 機農産物への需要が増加していく」と回答した。 3社(27.3%)は「所得の増加に従い、有機農産 物の相対価格が低下し、消費需要が高まるだろ う」、1社(9.1%)は「有機農産物の利潤率は大 体50〜60%、販売量は少なくても損失を十分にカ バーできる」、1社(9.1%)は「有機農産物の市 場秩序が徐々に改善し、不法業者が少なくなれ ば、本物ならきっと売れる」と回答した。 Ⅳ 有機農業経営の課題 図1に、有機農業経営の課題についての調査結 果を示した。以下、農地集積、資金調達、労働力 確保、生産技術、市場開拓、有機認証取得の項目 ごとに、見ていくこととしよう。 1 農地集積 「農地集積」に対して、3社(27.3%)が「容易」、 7社(63.6%)が「困難」、1社(9.1%)が「非 常に困難」を選択した。「非常に困難」と「困難」 は全体の72.7%で、多数を占めた。そのうち、「非 常に困難」を選択した調査対象企業は2010年に洋 県近郊の農地を自ら集積する際、農家と利用権賃 借契約を締結するために、一戸ずつ説得したが、 非常に面倒だったと回答した。「困難」を選択し た7社は①洋県が山地面積23.1万ha、丘陵地面積 6.8万ha、両者あわせて総面積の93.3%を占め大規 模生産に適した耕地が少ない、②農家は農地利用 権を企業に一度貸し出したら取り戻しにくいこと を心配している、③農地借用料金は小額なため貸 し出さなくても生活に影響がないことを指摘して いる。しかし、全ての調査対象企業は「公的な農 地集積の仲介組織を通じれば、農地はより簡単に 集積できる」と述べている。つまり政府が農地集 積に介入すれば、企業による農地集積がより容易 に進められることになると考えられる。

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2 資金調達 有機農産物生産は生産コストが高いこと、慣行 農産物の生産と同様に生産周期が長くて資金回転 率が低いこと及び気候状況の変化に影響されやす くて経営リスクが高いことにより、大規模生産の 場合、外部資金の有無が企業の成長を大きく規定 する。本稿では銀行から資金借入及び財政補助金 申請の二つの側面から調査対象企業の経営資金調 達実態を調べた。その結果、いずれも「困難」で あることが示されている。 まず、「銀行からの資金借り入れ」に対して、 「容易」を選択したのは1社(9.1%)、「普通」1 社(9.1%)、「困難」3社(27.3%)、「非常に困難」 6社(54.5%)となっている。全体から見ると「困 難」、「非常に困難」と答えた企業は9社で全体の 81.8%を占めた。この理由は、第一に、担保がな いことである。中国「民法」では農地を担保に使 えないことを定めている。近年、一部の地方銀行 は予測収益を担保に利用する仕組みを試験的に運 用しているが、信用評価手続きが煩瑣で普及に至 っていない。また、農業施設を担保にするにも、 その価値が低く、十分に借り入れできない。その ため今日、一般的には農産物生産企業はその経営 者の個人資産・信用を担保にしている。第二は、 中長期、低利資金を借りられないことである。中 国農村部には様々な商業金融機関が進出している が、政策金融、長期金融と協同組合金融システム がいまだ構築されていないため、中小企業は中長 期、低利の融資を受けられない状態にある。一部 の企業は緊急の場合、基準利息の数倍の利息を負 担して個人融資企業から借り入れている。しか し、利息が非常に高いことから、代金回収が遅れ ると、経営破綻に至るリスクが高い。 また、洋県政府は有機農業経営による損失を補 填するために、年間200万元の予算を確保し、有 機認証取得費、関連農業施設建設資金の補助、有 機肥料の無償提供を実施している。ところが、こ の財政補助金の申請に対して、調査対象企業のう ち、3社は「普通」(27.3%)、3社は「困難」(27.3 %)、5社は「非常に困難」(45.5%)を選択した。 そのうち、「非常に困難」と回答した理由は、行 政当局は申請情報を公開していないこと、よって 調査対象企業は行政補助事業の有無や申請方法を 知らないこと、また情報入手と資金申請が一定の 人間関係に左右されることであった。 3 労働力確保 調査対象企業のうち、3社(27.3%)は「容易」、 4社(36.4%)は「普通」、4社(36.4%)は「困 難」を選択した。「困難」を選択した企業はさつ ま芋1社、梨1社、米2社、野菜、果物と食糧生 産企業である。これは、①洋県には工場が少な く、殆どの農家は西安、成都などの大都市で出稼 ぎしているため、農村には若手労働者が少ない。 ②有機農産物の生産は一般農産物と比較して除 草、施肥などの工程においてより多くの労働力が 必要となるが、その確保が難しい。特に、労働集 約型農業ではこの問題がより深刻である。それに 対して漢方薬、こんにゃくの生産企業は、作物の 日常管理に手間が掛からないことから、労働力の 確保は「容易」だとしている。 4 生産技術 本稿では調査対象企業に有機農産物の「生産技 術」の状況について評価を求めた。そのうち、3 社(27.3%)は「非常に容易」、5社(45.5%)は 「容易」、1社(9.1%)は「普通」、2社(18.2%)は 「困難」を選択した。そのうち、「困難」を選択し た2社はくるみ生産と養豚に携わる企業であり、 経営者が元々産地卸売業者であったことから農業 9.1 図1 有機農業経営を規定する諸要素への評価 資料:中国陝西省洋県での現地調査により筆者作成。 27.3 45.5 27.3 9.1 27.3 36.4 27.3 9.1 36.4 27.3 36.4 18.2 18.2 36.4 27.3 27.3 63.6 45.5 45.5 54.5 9.1 0% 20% 40% 60% 80% 100% 有機認証取得 市場開拓 生産技術 労働力確保 補助金申請 銀行から借入れ 農地集積 非常に容易 容易 普通 困難 非常に困難 9.1 27.3

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管理レベルが低いため、当該選択肢を選択した。 しかし、生産技術と言っても灌漑、施肥など 様々な生産工程があり、各生産工程における課題 も異なる。本稿では経営課題をより深く掘り下げ るために、生産技術を水源管理、有機種子・子豚 調達、有機肥料・飼料調達、病害防除、虫害防 除、5つの側面から分析した(図2)。なお、有 機種子・子豚調達、有機肥料・飼料調達を生産技 術項目に入れる要因としては、①洋県は有機農業 の新興産地であることから新たな農業資材の導入 には一定の生産技術の蓄積が必要であること、② 中国農業資材市場では粗悪品が多く、その識別能 力も経営者に求められることが挙げられる。 ⑴ 水源管理 水源管理は灌漑用水の水量及び水質の確保、二 つの意 味 を含 む。 調 査 対 象 企 業 のうち、 4 社 (36.4%)は「非常に容易」、5社(45.5%)は「容 易」、2社(18.2%)は「困難」を選んだ。その うち、水質に関しては調査対象企業11社とも、 「洋県にはパンダ、トキなどの野性動植物保護 区、陝西長青国家級自然保護区があることより、 鉱山などの工業施設の建設が未だに許可されてい ない。県内には環境汚染の恐れがある企業がない ため、水質が汚染される心配がない」という考え を示した。ところが、水量確保に対しては、くる みと梨農園はいずれも山腹に位置し、井戸を掘る ことができず、川から水を汲み上げることは「困 難」だと答えた。 ⑵ 有機種子・子豚調達 調査対象企業のうち、3社(27.3%)は「非常 に容易」、6社(54.5%)は「容易」、1社(9.1%) は「普通」、「困難」を選んだのは1社(9.1%) である。有機種子・子豚調達は薬剤で消毒されて いない種子及び生産性が高い良種を調達する意味 を含む。まず、薬剤で消毒されていない種子の取 得に対して、調査対象企業は、種子メーカーから 購入する場合、事前に指示すれば種子メーカーは 消毒作業を行わないとしている。また、子豚につ いては、自己繁殖すると手間が掛かるため、養豚 企業はこれまで全て外部育種企業から子豚を購入 している。よって、特に「困難」だと考えていな い。一方、生産性が高い品種の入手を「困難」だ と答えた企業は、多くの種苗は洋県の自然条件に 適応せず、企業自ら馴化実験、栽培方法の改善を 行うなどの困難を経験していたからである。 ⑶ 有機肥料・飼料調達 有機肥料・飼料調達については、調査対象企業 のうち、1社(9.1%)は「非常に容易」、5社 (45.5%)は「容易」、5社(45.5%)は「普通」 を選択し、殆ど問題がない。その要因は、第一 に、取扱う農産物の生産は比較的簡易なことであ る。「非常に容易」を選択した企業は、洋県の山 間部で漢方薬を生産しており、落ち葉の自然発酵 によって養分が自然に提供されるため、肥料を特 に撒く必要がない。第二に、有機肥料・飼料を調 達しやすいことである。調査対象企業は外部購入 への依存度が非常に高い。そのうち、3社は米と さつま芋の生産企業で有機肥料に対する需要が多 く10)、自社堆肥だけでは需要を十分満たせないこ とから、すべて外部から購入している。7社は 「自己堆肥+外部購入」の方法をとっている、う ち、外部購入の依存率が70%に達している企業が ある。洋県には有機肥料などを取扱う農業資材販 売企業が多いことが、以上のような有機肥料の外 部調達を可能にしている。第三は、政府助成であ る。洋県政府は2011年に有機肥料助成制度を設 け、有機肥料を使用する企業に無償提供を行って いる。また、有機肥料使用による減産分に1ムー あたり20元の補償金を支払っている。 図2 有機農業の生産技術への評価 資料:中国陝西省洋県での現地調査により筆者作成。 9.1 9.1 9.1 27.3 36.4 27.3 27.3 45.5 54.5 45.5 27.3 27.3 45.5 9.1 27.3 27.3 9.1 18.2 9.1 9.1 0% 20% 40% 60% 80% 100% 病害防除 虫害防除 有機肥料・飼料調達 有機種子・子豚調達 水源管理 非常に容易 容易 普通 困難 非常に困難

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⑷ 虫害防除、病害防除 病害と虫害に分けて調査対象企業に実態を確認 したが、図2で示したように多くの回答は一致し ている。「非常に容易」を回答したのは1社(9.1 %)、「容易」は3社(27.3%)、「普通」は3社 (27.3%)、「困難」は3社(27.3%)、「非常に困難」 は1社(9.1%)である。そのうち、「非常に困難」 を選択したのは米生産企業、「困難」を選択した 3社は、米生産企業2社、さつま芋生産企業1社 である。洋県においては、米、さつま芋生産に適 した平野部には河川が多く湿度が高いため、病虫 害が発生しやすい。現在、4社とも種子厳選、輪 作、石灰消毒、殺虫ライトなど物理的な防除方法 及びBT剤のような生物的な防除方法を採用して いるが、効果が不十分で懸案となっている。一 方、漢方薬、果物などの生産は山間部で行われ、 海抜が高く、温湿度が低くて病虫害が発生しにく い上に、周辺農家と隔離されているから外部影響 がほとんどない。 5 市場開拓 市場開拓については、調査対象企業のうち、 「非常に容易」1社(9.1%)、「普通」3社(27.3 %)、「困難」2社(18.2%)、「非常に困難」5社 (45.5%)であった。「非常に困難」だとしている 理由は、①漢中市全体の経済水準がまだ低く、高 級食材への消費者需要が少ないこと、②消費者は ほとんど有機農産物を識別する知識を持っていな いため、本物の有機農産物を区別できないし、偽 物に騙されることがあること、③個別の企業が取 扱う商品の種類、供給量は少なく、安定的にスー パーなどの量販店に販売できないこと、④洋県政 府は洋県産有機農産物を「トキ」という地域ブラ ントに統一したが、ブランドの活用を推進する公 益的な実施組織がないため、消費者意識啓発活 動、地域マーケティング戦略の実効性が低いこと である。一方、「非常に容易」を選択した企業は、 洋県で最も大きい養豚・豚肉販売企業であり、経 営の歴史が長く、安定した販路を有している。「普 通」を回答した3社は宅配、ギフト販売が中心で あるため、利潤率が高い。ただ、顧客の変動も激 しく収益が不安定である。 6 有機認証取得 中国における有機認証制度は日本と同じく、農 産物のみではなく、農地の土壌、水質、空気を検 査し、汚染されていないことを厳格に確認しなけ ればならない。「有機認証取得」に対して調査対 象企業のうち、「容易」を選択したのは3社(27.3 %)、「普通」4社(36.4%)、「困難」4社(36.4%) である。「困難」を選択した4社は野菜2社、米 2社で、「病虫害の防除が困難」、「生産団地は周 辺農家と隔離されていないこと」を理由に有機認 証を取得しにくいと回答した。一方、養豚、山間 部で生産を行っている漢方薬企業は病害管理でき ること或いは豊かな自然環境に恵まれていること により有機認証取得を問題にしなかった。 Ⅴ まとめ 本稿では中国における有機農産物の過小供給問 題を引き起こした要因を解明するため、陝西省漢 中市洋県の有機農業経営者を対象にヒアリング調 査を実施した。その結果は以下のとおりである。 第一に、調査対象企業は有機農産物の生産意欲 は高いが、大半は経営困難な状況にあることであ る。調査対象企業のうち、有機農産物の販売によ って収益が「ほとんど変わっていない」企業は全 体の72.7%を占める。また、収益率が「1〜20%」 微増した企業は全体の18.2%を占める。それら は、宅配、ギフト品の販売が主であり、利潤率が 高いが、顧客数が不安定である。このため、調査 対象企業のうち、有機農業経営を「困難」(45.5 %)、「非常に困難」(27.2%)であると認識してい る企業は全体の72.7%を占める。 第二に、有機農産物の生産拡大を阻害する要因 は、調査対象企業が「非常に困難」あるいは「困 難」と回答した項目だと考えられる。ここでは各 項目における割合を見て、最も多くの調査対象企 業が「非常に困難」と指摘した項目を有機農業経 営を阻害する「重要要因」とする。また、最も多 くの調査対象企業が「困難」と指摘した項目を 「一般要因」とする。これは「五段階評価法」で 企業意識を把握する場合、特定因子に対する企業 の意見、態度、感情などの強さによって阻止要因 を区分することによって有機農業経営に存在して

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いる課題をより明確に解明できるからである。 本稿では、有機農業経営の規定諸要素のうち、 重要要因となる項目は「銀行からの資金借り入 れ」(54.5%)、「財政補助金申請」(45.5%)、「市場 開拓」(45.5%)の三つであった。これは、①農地、 農業施設などが担保として有効に機能しないこ と、農村金融体制が完備されていないことから、 調査対象企業は銀行から資金を借り入れにくい。 ②財政補助金申請制度が不透明であることから、 調査対象企業は財政支援をうけにくい。③未成熟 な消費市場に対して、地域内有機農業経営者を統 括した市場開拓戦略とその実施団体がなく、有機 農業経営者単独での市場開拓活動は投入資金が大 きいわりに収益が低い。これらの規定要素は有機 農業に限らず、慣行農業の発展も規定している農 業一般問題であり、農業制度の完備に従い、緩和 できると考えられる。 また、有機農業経営の規定諸要素のうち、「一 般要因」となる項目は「農地集積」(63.6%)、「労 働力確保」(36.4%)、「有機認証取得」(36.4%)、 「生産技術」(18.2%)の4つが挙げられる。つま り、①農地の希少性に加え、企業に対する農家の 不信感を解消できず、企業による農地集積が困難 を有していること、②野菜生産は特用林産物の生 産より除草、病虫害防除などの工程において多く の労働力が必要となるが、都市化、高齢化の急速 な進展によって労働力の確保が困難であること、 ③立地環境や農産物特性の違いから病虫害が発生 し易い農産物は病虫害防除が困難であること、④ 前述の③によって有機認証を取得し難いことが分 かった。これらの規定要素は取り扱う商品の特性 によって有機農業経営に及ぼす影響が若干異な る、公的機関による農地や労働力の仲介、技術普 及制度の完備によって経営コストとリスクを抑制 することが可能だと考えられる。 産業導入期においては、有機農業経営者の育成 に適した政策環境を創出することが必要不可欠で ある。特に市場経済転換期にある中国では市場メ カニズムは効率的に働いていないため、農業制 度・政策が有機農業の発展に及ぼす影響は先進国 より遥かに大きい。ところが、本稿の調査で明ら かにしたように、大半の有機農業経営者は経営を 困難だと考えている。その規定要素は、現行の農 業制度が完備されておらず、有機農業経営をサポ ートする機能をまだ十分に発揮していないことで ある。このため、今後、有機農業経営にとって必 要となる農業政策体系を少しでも整備するだけ で、当面の有機農産物の過小供給問題、すなわち 市場の失敗を一定程度改善できると考えられる。 近年、中国の中央や地方政府が有機農業の発展 を重要視し、有機農業経営者に対する様々な行政 支援政策を打ち出し、多くの財政資金を導入し た。本稿では自立経営者視点から現行の農業政策 体系に含有する課題を抽出したが、有機農業政策 体系はなぜ十分に機能していないのか、どのよう に改善すべきか、という点については解明してい ない。したがって、今後、有機農業経営に関わる 農業政策体系を系統的に整理、分析し、制度の効 率性及び適切な改善策を検討することが重要な課 題である。 注 1)中国の有機認証の正式名称は「有機製品認証」 である。中国では、①未加工品である「農産 物」、②農産物を原料に加工された「食品」 及び③農産物を原料にした繊維、化粧品、石 鹸などの工業製品を有機認証の対象にしてい る。本稿の調査対象企業は一部、酒類、植物 油などの食品加工を行っているが、有機農産 物の生産を行っていることが共通の特徴であ ることから、本稿では「農産物」という言葉 を使う。 2)中国の貨幣単位。『2014年中国統計年鑑』に よると1元は12.9円であった。 3)陳(2011)は「中国の有機農産物市場は2015 年に248〜594億ドルに増加していく」と予測 した。また、王ら(2008)は「これから10年 間、中国有機農産物の作付面積と生産額は年 間20〜30%の速度で増加し、農地面積に占め る割合は1.0から1.5%に増え、120万〜153万 haに達」し、「有機食品の中国食品市場に占 める割合は1〜1.5%に達する」見通しであ るとしている。 4)通常、農業局の所属部署は有機農産物の生産 を管轄する。 5)秦嶺山脈は中国甘粛省東部から河南省西部に

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及ぶ中国中部を東西に貫く山脈である。平均 海抜は2,000-3,000mであり、最高峰である太 白山の海抜は3,767m。トキ、パンダ、ヤク タネゴヨウマツなど、独特の稀少動植物が生 息している。 6)『中国統計年鑑(2012年)』によると、2011年 の中国全体の森林面積は1億9,545万ha、森 林率は20.3%である。 7)うち1社は野菜と果実をともに生産している。 8)地域の農村経済の発展に大いに寄与するとし て認められる企業。国家級から各省級、市級 レベルまで全国規模で認証し、財政、金融、 税制上の各種優遇措置を受けられる。農村経 済発展のリーダー的役割を果たすことから、 「龍頭企業」のように呼ばれる。 9)輸出金額は9万ドル。『2014年中国統計年鑑』 によると1ドルは6.46元であった。 10)有機肥料を使用する場合、通常は2t/ムー必 要だが、有機栽培の土壌改良期間中は4t/ム ー必要である。 引用文献 [1] 曹志平・僑玉輝『有機農業』化学工業出版 社、2012年第2号、2014年、p.20 [2] 陳新建・董涛・易幹軍「有機食品に対する 都市消費者の認知と購買活動─北京、上海、 広州、深圳1017名消費者調査を対象に」『華中 農業大学学報(社会科学版)』総110号、2014 年第2号、2014年、pp.80〜86 [3] 陳丁春「有機農産物市場需要の予測」『農村 新技術』2011年第8号、2011年、p.9

[4] FiBL & IFOAM, The World of Organic Agriculture: Statistics and Emerging Trends 2014. Frick and Bonn, 2014

[5] 高楊・尹世久・徐迎軍「中国における有機 野菜農家生産規模選択の影響要因分析─山東 省寿光市の155戸農家を中心に─」『経済学論 集』通巻53巻第1/2号、2014年、pp.23〜36 [6] 高振寧『中国食品安全と有機食品開発』中 国環境科学出版社、2003年 [7] 黄恵英『中国有機農業と産業化発展に関す る研究─北京市を事例に(西南財経大学博士 論文)』、2013年、p.68 [8] 呂迅・何慧麗「我が国の有機農業発展の制 約要素と対策」『湖北社会科学』2011年第12号、 2011年、pp.93〜95 [9] 宮澤由彦・太田原高昭「中国における輸出 向け「有機野菜」生産の背景と企業戦略─山 東省の加工業者を事例として─」『北海道大学 農經論叢』総58号、2002(3)、pp.123〜133 [10] 申雅静『有機食品生産方式を採用した農家 の決定過程及び規定要素に関する実証研究 (中国農業大学修士論文)』2003年 [11] 王坤・平瑛「上海市有機食品産業発展研究」 『 上 海 農 業 学 報 』 総28巻 第 3 号、2012年、 pp.116〜119 [12] 王穎・劉丹・田暁超「有機食品に対する消 費者の支払意識に関する分析─北京市を対象 に」『安徽農業科学』総36巻第33号、2008年、 pp.14827〜14828 [13] 汪李平「有機農業の発展背景と現況」『長江 蔬菜』2012年第9号、2012年、pp.7〜10 [14] 呉永常「我が国食品消費の発展と現段階の 情勢分析」『中国農村経済』2006年第7号、 2006年、pp.67〜71 [15] 張馳・席運官・周澤江「中国大規模集会にお ける有機食品の供給現況と前景の分析」『有機 食品時代』2011年第4号、2011年、pp.10〜14 [16] 張明才・劉偉・戴金平「有機食品発展と生態 保護政策の関連性分析」『中国環境管理幹部学 院学報』総16巻第3号、2006年、pp41〜43 [17] 鄭毅敏「有機食品消費者行動に関する先行 研究」『江蘇商論』2009年、pp.42〜44 [18] 邹衛華・賈金栄「有機食品マーケティング戦 略の障害要素に関する研究」『陝西農業科学』 2009年第6号、2009年、pp.178〜181、260 追記 本稿はJICA委託研究「陝西省南部・トキ活動 区域における生態農業の持続可能な発展に関する 研究」、国家自然基金「品質安全に基づいた中国 食品トレーサビリティシステム実施主体の縦列協 力体制に関する研究」(71103197)、JSPS二カ国間 交流事業-高流率な青果物流通システムの構築に 関する中日比較研究による研究成果の一部である。 [2014年6月27日受付、2015年8月10日受理]

参照

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