Author(s)
仲村, 芳信
Citation
沖縄大学紀要 = OKINAWA DAIGAKU KIYO(9): 171-203
Issue Date
1992-03-25
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/5767
外国語としての日本語をどう教えるか
仲村芳信
I.はじめに n本論 A、音声と音声教育 B・読解指導(語桑と文法) C・待遇表現 D・日本語教授法 E・教授法と教師心得 レッスンプラン・シラパス Ⅲおわりに はじめに 「我が国の国際的地位の向上に伴い、教育における国際交流を進め、世界の 人材養成に貢献するため、現在、21世紀の初頭には10万人の留学生を受け入れろという目標の下に留学生政策が積極的に展開されていろ。」(1)1981年には
留学生総数が7,179人であったのが、1990年にはその約6倍近い41,347人に急増した。12)さらに法務省入国管理統計によると、1990年12月末現在で外
国人登録者が107万人に達したと報告されている。(3)現在、世界各国で日本語
を学んでいる人々は300万人をこえ、その数は年々急速に増えてきて1990年代 の終わり頃にはアジア・太平洋地域だけでも1,000万人に達するだろうといわれていろ。(4)
こうした状況の中で留学生を受け入れる側は、教育施設の整備、日本語教師 の養成、日本語教授法及び日本語教材教具の開発など様々な問題解決に取り組 んでいかねばならない。 ここでは日本語を外国語としてどう教えるかということについて考察してい く。特に(1)音声教育、②読解指導(語彙と文法)、(3)待遇表現、(4)日本語教 授法、(5)教授法と教師心得の5点に焦点をあてて考察する。これから日本語教 -171-師を目指す人たちの為に少しでも参考になれば幸いである。 A音声と音声教育
「音声と音声教育」(文化庁、1984)を参考にして、日本語の音声に関する
基礎知識・基本的技術及び教材を中心にまとめてみた。音声は言語の基本であ
り、又いくらかの不規則の例を除けば、ある一定の法則性が認められろ。日本
語教師は、日本語の音声法則を意識的に学びとり、外国人学習者の問題点に気
づき、それを分析し客観的、科学的、効率的に教えていくことができなければ
ならない。日本語の音声に関する基礎的知識として、まず発音・アクセント・イントネ
ーションの法則性を知っておく必要がある。ある言語の語・句・文などが発音
される時、最小の音の単位となる音素が規則的に結合して音節を作っていろ。
音素の数もその配列も各言語によって異なる。つまり、言語によって子音や母
音の音素の数や結合の仕方が違ってくる。Block,Bによると、日本語の母音
は5個、子音は21個、半母音は2個あり、音素が28個あるとされていろ。/e/以
外の母音は無声子音の前、後ろ、間で無声化する場合が多い。日本語の音素配
列の法則は原則としてCV…(C=子音、V=母音)、VCV…、CVCCV
…、V、VV…等となっていろ。つまり、英語が閉鎖音節であるのに対して日
うねおおい本語は、開音節である。「青い魚を追う甥」とし、う文のように十個の音節が母
音だけで構成されることは、欧印語族では考えられないことである。又、「し
や、しゅ、しよ…」等を除けば、かな一文字は日本語の-音節を表わす便利さ
もある。日本語の音節は、通常の会話では、ほぼ同じ長さで発音される。母音
には、長母音と短母音があり、母音の長さは意味を変えてしまう特徴がある。
英語では、「ツ」で始まる語(外来語となった"tsunami,,「津波」以外)はま
ずないが、日本語にはそれがある。英語国民は、子音が二つ重なる場合でも一
つとみなして発音する為、日本語の/-pp-/、/‐tt‐/、/-kk-/、/‐ss-/、
/-..-/、/-99-/を各々/p/、/t/、/k/、/s/、/d/、/g/か
ら区別し、発音し分けるの力述ずかしい。アメリカ英語の/t/は、母音間で日本語の
〔r〕に近く発音される為、「一寸待って」を「チョロマレ」のように発音して
-172-しまう。又、子音で終わる語と母音で始まる語が結合する。そこで「本を」、 「日本へ」が各々「ホンノ」、「ニホネ」となりがちである。 英語のアクセントは、強弱アクセントで英語国民にとって日本語の高低アク セントの学習にかなりの時間がかかる。数年前、日本の高校生が米国へ行ってホーム ステイした際、ホスト校の食堂でアイスクリームを注文しようとした。フレイ
バーを聞かれてその生徒は、「フマヒニ」と言ったがちっとも通じないので「三1戸!」と言
’いながら指さしたら、《Dh,vanilla/,,と相手が叫んだ。それを聞いて、〈<Yes,
vanllla,,と言ったら通じたという実話を私はその生徒から聞いた。彼は、その
時、生まれて初めて日本語の高低アクセントと英語の強弱アクセントの違いに 〆気づいたのである。日本語、'三Zと英語の"vanilla”との間には、綴り字を
除いても音声面からみて少なくとも五つの相違点を持っている。まず、〔b〕と と〔v〕、〔a〕と〔O〕、〔r〕と〔l〕、語末の〔a〕と〔e〕、それからアクセントの 位置が日本語では「(」にあり、それが高くなってなっているのに対し、英語 では、〔i〕にアクセントがあり、それが強く発音されろ。一個の語にそんなに 多くの音声上の違いが存在している事を知ると、お互いに通じ合えない理由が 明白になってくる。日本語の名詞においては、通常、一つの語を構成している 音節の数を、とすると、アクセントの型は、n+lであると言えろ。2音節語 にはアクセントの型が3個、3音節語には4個などというふうになる。三拍の語を例にとってみろと、①サクラ(ガ)(桜)(平板型)、②オ|トコ(ガ)(男)(尾高型)、
③.'.|ロ(ガ)(心)(中高型)、④イ|ノチ(ガ)(命)(頭高型)の4つの型のいずれか
である。動詞の場合は、アクセントの型が◎型と③型の2種類と、少数
の例外があるだけである。◎型は平板型で、助詞がついても高さは変化しない。③型は、普通体現在形動詞の語の終わりから二番目の音節まで高くて最後の
音節だけが低い。◎型動詞の活用例を幾つかあげてみよう。 (1)買う買って買いながら買わないとき (2)するしてしながらしないとき (3)着ろ着て着ながら着ないとき次に③型動詞の活用例をいくつかみてみよう。
(1)倉戸ろ即二食F7室がら倉Fない時
-173-(2)見臣頁|工見匠がら
頁lない時
(3)皿孑ろ;5;l土工空217孑72Fがら型けない時
形容詞のアクセントも平板型と起伏中高型の2種類しかない。(2音節は頭高 となる。) 平板型形容詞活用の例をいくつかみてみよう。①赤いあかい物あかくなるあアかつた
②丸いまるい物まるくなるま万かつた
 ̄ ③甘し、あまい物あまくなるあまかった 次に、起伏型形容詞活用の例をいくつかみてみよう。①古い△「言い物可ろくなろ邪かつた
②高い左|ラ、物7ELK_ここ7Elかかった
③良い正し121コ]4-匹叩>つた
以上の事から、名詞、動詞、形容詞のアクセントの型も一定の法則によって統
制されていることがわかる。 イントネーションについても、英語国民の場合、一般的に文末を弱めること、さげることがhむずかしい。疑問文はあけ調子にしてしまう傾向がある。又、平叙文では、
文末を強める傾向がある。例えば、「一人で行くんです」の「行くんです」を
強調してしまったり、「どうぞこちらへ」の「こちらへ」に卓立をおいて、押
しつけがましい響きになってしまう場合がある。次に、音声教育の基本的技術を高めていく方法として考えられるのは、ミニ
マル・ペア、活用変化形、疑問文、平叙文、拡張(Expansion)、練習などを
学習者のニーズに合わせて利用していくことであろう。ミニマル・ペアとは、
-組みの語、-組みの文などで、ただ一つの音素でその組みのそれぞれの語や
文の意味が変わるような’対のことで、学習者が気づきにくい発音上の区別を
教えるのに有効である。。例えば、中国人に語中の無声/-t-/と有声の/-.-/
の違いを教える為の教材は次のようになるであろう。
例1次の各組のことばの違いに注意して聞きなさい。
/-t-/対/-.-/①サトウ…サドウ、②カタン…カダン、③ジトウ…ジドウ
-174-英語では、長い音節連続の中で、弱強勢をつけて発音すると、「ア」も「エ」 も暖昧な〔e〕になる場合がある。そこで文単位で二つを区別する発音練習をさ せろとよい。 例2次の各組の文を区別して発音しなさい。 ①泳いでから行く。泳いだから行く。 ②食べてから帰った。食べたから帰った。 ③飲んでから寝た。飲んだから寝た。 リズム、イントネーション、アクセント等を教える時、一語文から始めて、次 第に長くしていくとよい。例3の(1)と(2)をみてみよう。 例3-(1)イントネーションの違いに注意して聞きなさい。 ①行く?行く。②見る?見ろ。③居る?居ろ。 例3-(2)疑問を示すイントネーションの練習をします。モデルの後について 発音しなさい。
①読む?②本を読む?③この本を読む?④図書館で、この本老読tP?
これは、アクセントの練習にも応用できろ。動詞の変化形のようにアクセント の変化が規則的な場合には大いに役立つ。 例4指示に従って次の動詞を変化させなさい。 見る。 ①-ます見ます。 ②-た見ました。 ③否定見ませんでした。各国人にかなり共通に見られる問題点は、①長音一短音、②「ン」(擬音)、
③「ツ」(促音)、④勘音一直音、⑤有声一無声などである。これらのミニマ ル・ペア例を板書し、学生が教師の口の形や動きがよく見えるように学習者の 方を向いて、はっきり発音してあげろとよい。上記の①~⑤の例を各々一つず つあげてみよう。①ピル/ビール、②サダ(沙汰)/サンタ、③スパイ/スッパイ(酢っぱい)、
④キヲ(気を)/キヨ(虚)/キヨ(寄与)、⑤コートー(高等)/コードー
(講堂) -175-教材づくりと共に、教具の利用も学習効果をあげろ。LL、云一プレコーダ ー、鏡、紙きれ、スライド写真、映画、オーバーヘッドプロジェクター、VT R、レコード等も音声教育に利用できろ。又、有声音と無声音の区別を教える のに学習者自身の両手で自分の両耳を押さえさせたり、のどぼとけを軽くたた かせたりすることによってその効果をあげることができる。 学習効果がどれだけあがったかを調べるためには、豆テスト、中間テスト、 期末テストなどを与えて、評価をする必要がある。音声教育は、言語教育の重 要な分野であり、教師自らそれを習得し、適切な指導ができるように常に心が けなければならない。 B読解指導(語彙と文法) 50万年の人間の歴史の大部分は、話しことばの歴史であり、書きことばの歴 史は、人間の最も早いものでさえ5千年の歴史にすぎない。(野元、1983)文 字の発明は、文明の蓄積と伝達力を増大きせ今日に至っていろ。私達は毎日書 きことばと深い関わりの中で生きていろ。漢字が朝鮮半島を経て日本に持たら されたのは、4.5世紀頃とされていろ。日本人は、その漢字をうまく日本語 の中に取り入れ、その漢字から平仮名や片仮名を作り出した。さらに外来語を 取り入れたりして現代日本語を発展させた。今日、日本は政治、経済の面で外 国に対して大きな影響力を持つに至った。海外からの留学生や技術研修員など
が毎年日本を訪れるようになった。そこで、日本語教師養成と日本語教授法の
研究と開発がますます必要になってくるであろう。ここでは、言語の四技能の
中の読解指導(特に語彙と文法)で問題となる点を幾つか選び出してまとめて
みた。まず第一に、語彙を外国人に教える場合に問題となる点は、綴りと発音の関
係、アクセント、有声・無声、表記、漢字の音読み・訓読み、助数詞、外来語、
待遇表現などであろう。日本語の語彙は、開音節で、閉鎖音節を中心に成り立っている言語を持つ人
達には、次のような点が難しいようである。(1)長母音(オバさんとオバーさん、
オニさんとオニーさん等の違い)、(2)母音が2個以上続く語の発音(スイエイ、 -176-アオイイエ等)、(3)ローマ字表記の場合擬音や促音をそれぞれ-拍として数えてしまう。
したがって、三拍子となるところを二拍に感じとってしまう。(一緒と遺書、「どんな」
と「どな」の区別など)(4)個々の音素の区別(英語を国語としている者にとっ
て、母音の前の/ン/の音、ラ行の子音、/ツ/と/ス/の区別などが問題となる。
例えば、、<Honoyomu,'が「ホンノヨム」に、「一寸まて」が「チョロマ
レ」に発音されたりする。次に、英語は、強弱のアクセントを持ち、日本語は高低のアクセントを持つ。英米人は、オハョニヨマ了う'三を2-丈△ヨーニユ}守肘マ
ス、ヨーフー字テコをコンF1チハ等と発音するのも英語のストレスアクセントやイ
ントネーションの法則による音韻干渉が起った為であろう。また、有声音・無声音の対立関係が問題となるのは、中国語、朝鮮語、ベトナム語、タイ語など
を母国語とする話し手の場合である。中国人留学生に音読した短文書き取りテ ストを行なったら次のような結果が出た。つまり、「け」と「げ」、「と」と 「ど」、「す」と「ず」、「〈」と「ぐ」などの区EIIにif亜ルゥ起っていろ。同じク ラスのスペイン語系留学生には、このような混乱は全く見られなかった。次に 日本語の表記には、漢字かな混り文が使われろ。漢字の造字法や用字法は、後漢(紀元98年)に許'慎という学者が「説文解字」という本の中で千個の漢字
を六通りに分類した。これは六書(象形。指事・会意・形声・仮借・転注)と して今日に伝わっていろ。漢字は、音・訓・当て字・国字などの使い方が考え出された。音読には呉音、漢音、唐音、明音、慣用音などがあり、漢字が日本
に入ってきたその時代の中国語の発音をその時代の日本語の音韻体系の範囲に 改め、日本語らしくしてしまう方法である。また、訓読みにも正訓(11|=かわ、 山=やま等)と転用訓(森=もり、淋=さびし等)があり、漢字の読みを一層複 雑にしている。さらに、漢字の造字法によって、「驍」、「働」などのように 国字(和製漢字)を作ってきた。漢字が表意的であるのに対して、表音文字で ある「ひらがな」と「カタカナ」が漢字から作られ、日本語の音節を書き表わ すのに使われろ。漢字、平仮名、片仮名をうまく使い分けることは、外国人に とってイ中々難しい。特にカタカナは、外来語、擬音語(ガタガタ)、擬声語( ワンワン)、擬態語(ミーン)、俗語(ピンからキリまで)、スローガンのよ うにその語を際立たせたい場合や発音記号などに使われろ。ワイシャツやセー -177-ター等の外来語、ボールペンのような一部省略語、ベアやナイターのような和
製英語などは、初めて聞く外国人には理解が困難である。また、助数詞敏・本・
冊・人・数・通・匹・羽・振・面・棹など)の使い分けも難解の一つである。
次に、文体の面から見ろと、話しことばでは、「です.ます」体の率が高いが、
書きことばでは、「である・だ」体が多い。論説文、紀行文、感想文、日記な
どでは「である・だ」体が多く使われ、実用文、解説文、説明文では、「です
。ます」体が多くなり、手紙文・文学作品では「でございます」体が多く使わ
れる。外国人学習者が日記や作文などを書くとき、「です。ます」体と「である・だ」
体を混用したりする。これは、文体・文調の識別ができていないためである。
(木村、1984)新出語彙については、一つ一つばらばらに指導するより体系的に導入し、語
構成の要素を教える方が効果的である。語彙の導入法として考えられるのは、
(1)新出語と同時に対義語・同義語を示し、関連語を教えろ。(2)類語と異同を説
明する。(3)接頭語・接尾語を加えて派生語を作る。(4)複合語があればそれを語
構成要素に分解して示す。構文上、日本語は中国語や印欧語と語順が違う。英語の構文は通常の平叙文
においては、S+V+O+場所十時であるのに対し、日本語では一般的に⑧+時十場所十O+Vの語11項になる。しかし、何を強調するかによって最後のVを
動かさない限り、他の語句の順序は自由に入れ換えても意味がわからなくなっ
てしまうことはまずない。文法上の問題となるものに助詞・テンス・アスペクト・述語の活用・助動詞・利益授受を表わす動詞・主述の対応・修飾語と被修
飾語の関係・形式名詞・係り結び・倒置・主語がとらえにくい等があげられろ。
ここでは、その幾つかについて述べることにする。助詞においては、格助詞よ
りも副助詞例えば、食べ物の注文を聞かれて「私はラーメン」と外国人学習者は仲々言え
い)や終助詞(例えば、わ・わよ・さ・ね・ぜ・ぞ等)の万が難しいようであ
る。準体動詞(~のです。~んです)の「の」や「ん」の使い方も問題となる。
述語の活用では、不繩働詞(来る・する)や子音動詞(知る・会う・聞く・返す・住む・
呼ぶ・書く・泳ぐ・話す・死ぬ等)に問題力起こり、形容動詞と形容詞の間に活用の混同
(きらくない.きれ〈ない等)が見られろ。助動詞においては、尊敬、受身、可
-178-能を表わす「れろ・られる」の形、使役の「せろ・させる・させられる」のつ く形は使いにくいようである。「味してみよう」の「みろ」のような補助動詞 もわかりにくい。また、英語においては、節などで構成される長い修飾語は、
大体後置されるが、日本語のそれはどんなに長くてもすべて前置である。次は
その一例である。r、
後置修飾語 英語:The placeKwhere IcanseeMLFujiverywell)富士山がとてもよく見えろ]所
前置修飾語、_ノ 日本語: 発音も文法も正確で語彙も適当であっても日本人の生活様式、社会的習慣、 日本的発想、慣用的表現、日本文化などの知識も読解能力を助ける要素である。 また、話す相手との関係に応じて話し方を変えろという談話の為の特別の知識 も必要である。日本人は、社会的な話し合いの場で、相手との友好的な関係を確 立し、相手との共通の話題を持ち、共通の場を作ろうとする。その努力が「い いお天気ですね'などという挨拶的な表現となって現われる。また、相手の話を聞きなが ら合いづちを打つことも一つの談話を二人で構成しようとする努力のあらわれであろう。 最後に、読解指導上必要な知識技能や指導法について考察する。まず、学習 者を初級、中級、上級に分けて考えろ。初級は、音声によって習得したところ を文字によって読むという段階である。初級の読み方学習では、必ず音読させ る。まず第一課を教える手順として、(1)先生が範読し、学生は黙って聞く、(2) もう一度繰り返して読む、(3)今度は、学生は先生をまねて読む。読み終わって から、教材中の語彙や構文をそのまま使って答えられる質問をする。本を開い たまま答えさせてもよい。中級では、応用文の理解能力を高めていく。ひらが なで書かれた文を読んで正確に、即座に音声表象を再生できるようになった時 に応用文を与えろ。中級でも教師は範読を示す。当日の授業では進む範囲をま ず教師が次の点に留意して読む。(1)発音を明瞭に、(2)適当な速度で、(3)文章の 切れ目を正しく切り、(4)必要な仰揚をつけて毎回授業で学習者に聞かせろ。質 問の内容は、すべてテキストに書かれている事実に基づいて、ある行為、状態 の理由、原因、反対の場合、学習者自身だったらどうするかなど、推理、演鐸、 想像、思考によって発表する答えを要求する。また、読み方を教えて、国語辞 -179-典の引き方もできるように指導しておく。上級では、自学自習の素地を作るこ
とを目標とする。したがって、授業は、学習者の予習を補なう形で行なわれる。
上級を前期と後期に分け、前期は、中級に近い指導法が加味され、後期では、
殆んど学習者の予習に基づいて授業を行なう。そこで、予習前の提示が必要と
なる。授業の終わりに次回の授業で扱う新出語の読み方、漢字の総画数、索引
部首などを教えておく。漢字辞典の引き方も教えて、読み方も自分で調べるよ
うにさせろとよい。当日の教材の中の語彙、文の解釈、大意の要約などについ
て輪番で分担して解説に当ったり、他の学習者の質問に答える。必要に応じて
教師が代わって答えるというゼミナール形式の方法もある。その後で、宿題と
して要約を書いて提出させるのも読解力を高めていくのに有効である。読解指
導でも教師と学習者との対話方式を中心とした授業に力点をおく。その他、読
解教材の選択、テスト、評価などの作業が必要であるが、ここでは省略するこ
とにする。 C、待遇表現待遇表現は、日本語のもつ特性の一つである。その-部である「敬語」の概
念をふまえ、指導上必要と思われる基礎的知識を幾つか具体的にまとめてみた。
敬語は、「話し手と相手の表現対象(話題の人・物・行為など)との地位・
勢力・尊卑・親疎などの関係について、話し手が持っている判別を特に示す言
語表現(広辞苑、岩波書店、1973年、673頁)である。又、文化庁発行の「待
遇表現」(1984年、94頁)は、次のような図で待遇表現の構造を示していろ。
J 語、IlrIJ 語重 譲丁体体体 謙。ススス ・語マママ体体 語化イ・リル 敬美ザスアア 尊くゴデデダデ rくしrI11rくし語語語体体
い通卑巾通
し 敬普軽て普 rIj1I1rjI1 彙体 語文 7--11--1 造 構 の 現 表 遇 待 +終助詞 (ね・さ・よ…) -180-日本人は、場面によって言葉使いを変える。例えば、<だれかに千円貸して もらいたい時>(<>は客観的な場面の説明:人間関係・話材・場所・雰囲気など を示す) 1千円かして。 2.千円かしてくれ。 3.千円かしてちょうだい。 4千円かしてください。 5.千円かしてくださいませんか。 6千円かしていただきたいんですが……。 などと表現を変えて言う。これは、1~6の使われる場面がすべて違うからで
ある。場面を構成する要素(「待遇表現」文化庁ppl~25)は、①話し手・聞
き手・話題の人、②社会的人間関係〔a)ヨコの人間関係(うち・よそ)、b) タテの人間関係(上・下)、③表現の選択に作用する心理的要因(意図、雰囲 気、話材、脈絡など)〕の3点をあげていろ。ヨコの人間関係では、うちを 「親」、よそを「疎」とし、タテの人間関係では、上を「恩恵1,下を「被恩 恵」として次のように図式化し、敬語の使い方を視覚的に説明していろ。 上(恩恵),親川二-'一‘そ,疎(
〔記号〕 ○話し手 ②聞き手 ③話題の人 下(被恩恵) S主語(行動の主体) O目的語(主語の行動の対象)↑高めろ。(↑印の人を高める)
↓低めろ。(↓印の人を低めろ)
では、この図を使って、高める場合と低める場合を各々9通りずつ視覚的に
とらえてみようd A.高める場合 ①<聞き手を低めて、話し手を高める> -181-」
例.きみにやったよ。 ↓↓②繍二震野手を高め鳶1--|
↓↓|平,全↓
③<聞き手を高める>例もう、めしtjうが))ましたか。
④<話し手…聞評を高める〉製一|
MわたくしにそうおつしLいましたね。,
↓⑤<話題の人…聞蛾高めろ〉割一
例.一郎にやりましたか。 ↓↓平|
⑥<話題の人を高める>例繍-蝋'十二t十二二ましたれL↓堂
⑦局=:千二驚鰯鰯ニラ」堂
H社馳にそうおつし●いました。’
許全
⑨<聞き手を低め、話題の人を高める>
例A:坐がきみにそうおちしやったんだね。
B:ええ、そ↓うなんです。
⑨<-m話馴人…他加話剛人を高めJ全
例B1J先生が学生にそうお船いました。|平
-182-熱l
含l可
41
B、低める場合 ①<聞き手を高めて、話し手を低める> 例.主人:お茶はまだかい。 女給:はい、ただ今お持ちいたします。 ②<話題の人を高めて、話し手を低める> 例.A:あした、どこへ行くんだね。 B:田中先生の所へまいります。 ③<聞き手と聞き手の行為を低める> 例.おまえもくったのか。↑⑪l
lll計一Ⅱ|
‐1前》川‐l計一Ⅱ
④<話し手を高めて、聞き手を低める> 例こっちへ来い。 ⑤<話題の人を高めて、聞き手を低める> 例A:お父さんによろしく言ってね。 子供:うん。 ⑥<話題の人を低める> 例木村<んは、もう食べ終わったよ。 ⑦<話し手を高めて、話題の人を低める> 例あいつ、まだ来ないか。 ⑮の ③<聞き手を高めて、話題の人を低める> 例A:一郎が先生にさしあげたいと言 先生:ああ、そうか。 ⑩⑳ 一郎が先生にさしあげたいと言っていました ああ、そうか。 -183-計全
⑨<一万の話題の人を高めて、他方の話題の人を低める> 例母が先生にお茶をついであげました。 ここで尊敬語を待遇レベル〔+〕とし、普通語を〔0〕とすると、その結合法則 は次の3種類の型に分けられろ。 (1)<+→+>(尊敬語十尊敬語) (2)<O→+>(普通語十尊敬語) (3)<0→0>(普通語十普通語) <+→0>(尊敬語十普通語)の順序は、上の法則に反する○下の表は、上の 結合法則を示したものである。 待遇レベノ 〔0〕 〔0 この法則は、二つの補助動詞を持つ文中でも適用されろ。例えば、次の4種 の結合が可能である。 アンアン +++0→→→→
++00→→→→
+000 くくくく ①②③④ この法則を次の例で見てみよう。 -184- 主動詞 待遇レベル 補助動詞 結合 おっしゃって 〔+〕 〔+〕 〔0〕 くださる くれろ いただく iAら 戸 つ あげろ やる 可 不可 ロ つ て 〔O〕 〔+〕 〔0〕 くださる くれろ いただく もら 戸 つ あげる やる 可 可いただけませんか。..…・可① + もらえませんか。……不可(2) 0 いただけませんか。…・・・不可(3) 1111
派一十再’0ボー十罫
》E+一幸0
+ もらえません力>・・・…・不可(4) 急ぐように 0 いただけませんか 可⑤ + もらえません力>。……不可(6) 0 いただけませんか。 可⑦ 可⑨ + もらえませんか。 0. 0 現実には、lと5のような二重敬語的表現はめったに用いられない。 次に、間接話法の問題も、外国人学生にはわかりにくいようである。そこで、 間接話法の文体の法則を図式化して指導していくようにするとよい。{単雲嚇ニニァ節」+}…と
次のような法則が成り立つ。三二:二iか(普通体'+{誓い這い#}
例文 そうです。(+) そうだ。(0) と聞きました。(+) と聞いた。(O) と思います。(+) と思う。(0) ・あした、雨が降る ̄ 0 間接話法を導入する前に、ていねい体と普通体の指導を十分にしておかねば ならない。 -185-その他、女ことば・男ことばの違いにについての指導も必要である。
日本社会は、タテ社会・集団指向社会と言われ、人間関係において対立より
も和を、個人よりも所属団体の意志〔総意〕を尊重する社会である。それが待
遇表現、とりわけ敬語を発達させ、文中の主語を省略させてきたのであろう。また普通体とていねい体が一定の法則に従ってうまく結合し、調和のとれた文体の統一を
なしている。このことを外国人学習者によく理解させていきながら、待遇表現
の指導法により一層の研究を深めていきたい。
、日本語教授法最近、あらゆる職業の外国人が色々な目標を持って日本語を学ぶようになっ
た。学習の目的はそれぞれ違っていても、入門期の学習者に対し、より効果的
な基礎訓練を施し、彼等の要望に応えていかなければならない。今回は直接法
をふまえた問答法を基盤とした教授法の在り方について考察する。入門期とは
いえ、語彙、文型、助詞、述語の活用変化、数詞、接続詞など、解決すべき問
題があまりにも多いので、ここではその幾つかを取り上げてみた。教材は、浅
野氏が解説した長沼氏のBasicJapaneseCourseを参考にした。
まず最初の授業は次の様に指示語を使った語彙と文型練習から導入していろ。
例→これ/それ/あれ/は戸です。
教師は紙、鉛筆、ペン、本などの品物を用意して、1つ1つ取り上げて学生に
くり返して聞かせろ。 (1)これは紙です。 Are話し手⑧聞き手
(2)これは鉛筆です。 (3)これはペンです。指示語は右のように図式化して板書す
ればわかりやすいであろう。その後で品 物を離れた所に置いてさしながら、 (1)あれは本です。 〃、 '患
○煙〔ソ
uLPソ
(2)あれは辞書です。 (Listener)(Speaker) (3)あれはノートです。 -186-次に教師は普通の速度で次の様に自問自答する。 (1)これは紙ですか。→はい、そうです。 (2)これは鉛筆ですか。→はい、そうです。 (3)これはペンですか。→はい、そうです。 学生が聞いてわかったところで同じ質問をして答えさせろ。それができたら、 次に否定の答え方を教えろ。ペンを持って「これは紙ですか。」→「いいえ、 そうじゃ(では)ありません。」と聞かせる。それからペンを持って「これは ペンですか。」→「はい、そうです。|、同じ物を持ったまま「これは本です か。|→「いいえ、そうじゃありません。」そこで「何ですか。」と言って「ペ ンです。lと品物の名前を口に出す。つまり次の様な3段階の質問形式を試み ろとよい。 (教師)(1)これはペンですか。→はい、そうです。 (2)これは本ですか。→いいえ、そうじゃありません。 (3)では何ですか。→ペンです。 自然な答えができるまで繰り返し練習させる。 次に選択質問を教師が自問自答した後で学生に質問する。 (1)これはペンですか、本ですか。→ペンです。 (2)これは鉛筆ですか、ノートですか。→ノートです。
次に「も」の用法を提示する。同種の品物を2つ以上用意して次々に示して
次の様に聞かせろ。(1)これは辞書です。→これも辞書です。→これも辞書です。
(2)これはペンです。→これもペンです。→これもペンです。それから次の様に 自問自答する。 (1)これはペンですか。→はい、そうです。 (2)これもペンですか。→はい、そうです。 (3)これもペンですか。→いいえ、そうじゃありません。 (ノートを示して) ここで肯定文から否定文に、又その逆を教師が示す。 (1)これはペンです。ごこれは本じゃありません。 (2)これは本です。=これは鉛筆じゃありません。 -187-次に教師が肯定文を言って学生に否定文に直させろ。 第2回目の授業では形容詞を導入して名詞を修飾する文を学習させる。その
場合、色、形、大小、長短、新古など具体的で比較できる物を選ぶ。
まず教師は色紙を次々に示しながら発音して聞かせろ。この時、紫、緑、桃
色など「の」のつく色は避け、それらは後で導入する。 (1)これは青い紙です。 (2)これは赤い紙です。 (3)これは白い紙です。など。 次に自問自答して聞かせろ。 (1)これは青い紙ですか。→はい、そうです。 (2)これも青い紙ですか。→はい、そうです。 (3)これも青い紙ですか。→いいえ、そうじゃありません。 (赤い紙を示して) 。 、 す提小の でで でを本そ いこ 紙詞の。 {ロこ い容そる FI1 o菊川川倣
にろ 生せ 』ど本聞 学わ てなのら て言 し短こが つ‐と 一爪長一‐lな 言等 を、はし で-J 紙小師指・ 一十一o い大教とろ ‐』す 青で・どせ はで く法ろなか 紙紙 ・→方入‐J間 のい す・じに紙て こ●曰 でか同習のっ FII’--- 紙す・練あ一一一一口 てて荊脈朔瀬川肌
げっ・ 上言す→いをの紙り・・・・ちで示
・青問次の繰・・すすすす侍まに か、質てそですすででででをlう すかなっF1アでで本い筆い紙はよです様わトペ紙いいき鉛短いれの
紙で同終紙老い白き大いは白こ次 な紙にをの文白は大は短筆はトーを んい生習とのは紙は本は鉛師、形卍赫禅噸川つ印①伽⑰叩⑪渤川砿
はれかそ本のI‐l--r1ll-‐トーー‐1--、後との でこ・れ、の次⑪②側の-J詞 側⑤どそしあ、 そ・容 な示后l後 す形 -188-'1撒;1識ji寵しI……
(1)青(k
iillfi難」、
1M鰄二=た且灘鯉淫“
磯;;賎暑諄灘麟)上川な&
(1)札幌は寒いです。(主語略)→寒い業うです。
-189-(2)札幌は寒かったです。→寒かつたそうです。 (3)札幌は寒くないです。→寒〈ないそうです。 (4)札幌は寒くなかったです。→窪〈なかったそうです。など。 例3<次の文を「~と思います。」を使って言い直しなさい。> (教師)(学生) ↓↓ (1)でかけろ。→でかけろと思います。 (2)でかけた。→でかけたと思います。 (3)でかけない。→でかけないと思います。 (4)でかけなかった。→でかけなかったと思います。 (5)でかけたい。→でかけたいと思います。など。 3.質疑応答く次の質問に答えなさい。> (教師)(学生)
(1)昨曰'は日曜日でしたね。→はい、そうでした。
↓ (2)出かけましたか。→はい、出かけました。 (3)どこへ行きましたか→海へ行きました。 (4)土曜日も出かけましたか。→いいえ、出かけませんでした。 (5)今日は出かけますか。→いいえ、出かけません。 (6)次はいつ出かけますか。→水曜日に出かけます。など。4文拡大く次の文に与えられた語句をつけ加えて言い直しなさい。>
(教師)→(学生)「あり栓す。」「あり栓す。」
(1)四枚→四枚あります。 (2)切符が→ 切符が四枚あります。 (3)映画の→ 映画の切符が四枚あります。 (4)ここに→ここに映画の切符が四枚あります。など。5.助詞確認く次の文中に適当な助詞を入れて言い直しなさい。>
(教師)(学生) ↓(1)何、ありますか。→何カJありますか。
(2)何、飲みましょうか。→何ヲ飲みましょうか。 -190-(3)食堂、食べました。→食堂デ食べました。 (4)食堂、どこ、ありますか。→食堂'、どこ二ありますか。 (5)どこ、行きましたか。→どこへ行きましたか。 (6)これ、日本語、本です。→これ'、日本語ノ本です。など。 その他にも色々なドリルの方法が考えられるであろう。Palmerのとなえる言 語習得5習性(①AuditoryObservation=耳による視察、②Oralimitation
=口に出してまねる、③Repetition=反覆練習orCatenizing=口ならし、
④FusionorSemanticizing=音と意味の結合、⑤Compositionbyanalogy
=類推による作文)を段階的に学習者に体験させるように教材の配列や教授法 に細心の注意を払っていくべきである。また、教師は常に問答法を活用しなが ら、実物、絵、おもちゃ、スライド写真、表、録音テープ、VTRなどの視聴 覚教材を用いて、学習者の母国語による説明をできるだけ少なくしていく方法 を考え、学習者が常に日本語で思考していく手助けを与えていかなければなら ない。E・教授法と教師心得
「教師と学生」(民主教育協会.1983)を参考にして、日本語の授業を中心
に学習過程の段階について考察し、併わせて教師の心得について述べろ。
学習過程を、(1)理解、(2)想起、(3)創造的思考、の三段階に分けて考察する。
理解とは、観念を吸収することであるから、学生にとってわかりやすい言葉を
使うよう心掛け、観念の暖昧なものや、理解しにくいものは避けるべきである。想起とは思い出すことで、それには認知想起(だれかに記憶を呼びさまされて、
はじめてそのことを思い出す場合。例えば、九々の暗諦、数学の公式の暗記やクラスの学生の名をすらすら言うこと等)と意志想起(以前に学んだことをう
まく思い出すこと)がある。知識は理解と事柄の想起あるいは記憶の二つの段
階を経て知識となる。しかし理解や意志的想起を意味するだけでは十分ではな
い。学生と教師の最終的な目的は、知識の創造的使用ができることである。思
考は、(1)組織的、(2)推敲的、(3)批判的で極ければならない。見かけは関係のな
い事実や原理のあいだに、類似点や相違点を認めることは一種の組織的思考で
-191-ある。さまざまな種類の情報を、新しい問題や新しい状況に適用していく過程
を推敲的思考という。また、ある行動を実行に移した場合、当然予測される結
果を熟慮することである。例えば、母国語の言語法則を今、学習している外国
語の言語法則とのあいだの差異や類似点などについて考えていくことも、これ
に含まれろ。学生が自分の知識を新しい状況に適用する能力を身につけさせ、考える能力
を刺激し、発展させていくような授業を教師は常に配慮していくべきである。
教師の課題は、学生の理解を容易にし、その理解を助け、彼(女)の創造的思考
を刺激することである。教師の心得として大事なことは、上述の学習過程を考慮しながら、学生にと
ってわかりやすい授業ができるように、全学期の計画を立てるべきである。新
学期の最初の時間に、前もって用意した授業のアウトライン・シラバスを学生
に配布して、目標・授業の進め方・試験・宿題・成績評価の基準などについて
詳しく説明していくべきである。教師と学生との間にこのような共通の理解を
作り出すことは、相互信頼を築いていくのに大いに役立つであろう。初級日本
語を学ぶ英米語圏学習者を対象にしたアウトライン・シラバスの一例を次に示
してみろ。 -192-Course Location: Kadena. Okinawa
Course TiHs: Mon-Ied. 20:00-2330
Tera I. AUlUSt 19 - October 12. 1991
Lecturer: Hoabin Nakaaura
Telephone: 098-854-2953(Duty).098-885-2982(Hcae) froll 0730 to 0930
COURSE TEXTBOOK(S) : John YoWlg • K. Nakajiu. LEARN JAPANESE. New College Text. University
of Halaii Press. 1984. Vol. II (Lessons 1 - 10)
<COURSE DESCRIPTION)
This is a continued study of the. Japanese language eaphasizing the developaent of
lis-tening coaprehension and speaking skills. Presentations and dialogs in the textbookare
wri tten in HlRAGANA. KATAKAHA. and KANJI. It provides youIita useful expressions.
vocabu-lary. pattern sentences andSOEinforaation on Japaese culture. You can expect to see
further advanced courses on the schedule. suchasJPN 114andJPN 115.
COURSE OBJECTIVES: At the end of this course. you should be able to:
1. Read and write HIRAGANA. KATAKANA. and 62 KANJI.
2. Use24 ne" pattern sentences.
3. Conjugate verbs. adjectives and copula in foraa! and plain foras.
4. Understand and engage in simple conversations in Japanese.
5. Understand sose cultural differences between Japan and theU. S. through learning
the language.
EFFECTIVE LfARNING: (Keep the follouing activities closely)
1. Attend every class without fail.
2. REVIEW" PREVIEW the lesson materials beforehand.
3. Listen to the prerecorded tapes every day. and read the lesson uterial out loud
until you can read it fluently.
4. Make flash cards to learn new words. pattern sentences. KANJI. etc. 6. Speak to the native speakers in Japanese as auch as possible. ATIENDANCE " ASSIGNMENTS:
1. Regular class attendance is a MUST in foreign language learning. Your absence from
class "ill hinder your course work.
2. Assignaents aust beturned in on tille.
EXAIHNATIONS AND GRADING POLICY: The course grade lill be based on: 1. One 2-hour midterm examination. one 2-hour final' examiantion 2. Mini quizzes (5 to 6)
3. Assignements
4. Class attendance and participation
tThe grading scale lill be: 90i-l00%= A. 80\-89%=B. 701-79%=C. 55%-69~=D.
-193-Place: Kadena Kigh School. Roo. # _
Instructor: Hoahin Nakaaura
Telephone #098-854-2953(Office). 098-885-2982(Hoae) .from 0730
<S Y L LAB U
S>
TEXT: John YOUNGfl K. Nakajia LEARN JAPANESE. New College Text. Vol. II. Univ. of Hawaii
Press. 1984
!
DAY LESSONS CLASS ACTIVITIESfl QUIZZES PAGES ASSIGNMENTSI( ) Lesson 1: tJl",~Q) Kanjf. vocabulary. sentence 1 - 17 .Copy 1.1/1. 2
patterns. dialog. etc.
2 ( Lesson 1: Drills. Exercises 17-26 Copy 2.1/2. 1
3 ( Lesson 2:
t.=",fJS<
it",
Kanji. vocabulary. sentence 27-39 1.8. 1/8.3/8.6-7patterns. dialog. etc.
4( Lesson2: Drills. Exercises 40-47 Copy 3.1/3.2
2.8. 1/8.3 '-8. 5
5J Lesson3: REVIEWfl APPLICATION. QUIZ # (1 ) 48-59 3.4.3/4.4
Lesson4: -r}vbKanji. vocabulary. sentence 60-74 3. 5.5 '-5. 7
patterns. dialog. etc. Copy 4. 1/4. 2
6{ Lesson 4: Drills. Exercises 75-84 4. 8. 1/8. 2/8. 5-6
7 ( Lesson5: ttt.t.h Kanji. vocabulary. sentence 85-95
patterns. dialog. etc.
8 ( Lesson5: Drills. Exercises. QUIZ#( 2 ) 96-106 5.8. 1-2/8. 5-6
9 ( Lessons 1'-5: MIDTERM EXAMINATIOH. 1 -106 Copy 7.1/7.2
10 ( Lesson6: REVIEWflAPPLICATION 107-123 6. 4. 1/4. 3/6. 5. 7
Lesson7: (]) fJ~(J) Kanji. vocabulary. sentence 124-138
patterns. dialog. ,etc.
ll( Lesson 7: Drills. Exercises 138-147 Copy8. 1/8.2
7.8. 1-2-3-4-5
12 ( Lesson8:
t
L,J:D)Jv-r Kanji. vocabulary.sentence patterns. dialog. etc. 148-159
13 ( Lesson8: Drills. Exercises. QUIZE# ( 3 ) 159-169 Copy9. 1/9.2
8.8.2-3-4-5
14( Lesson9: ':~ilv~ (J) ~ J:'5L,? Kanji. vocab.• l70-l80
sentence pattms. dialog. etc.
15 ( Lesson9: Drills. Exercises. QUIZ # ( 4 ) 1181-193 9.8. 1-2/8.4-5
16 ( Lesson10: REVIEW &APPLICATION. FINAL EXAMINATION 107-212
-194-試験の要領は、試験日の1週間前に公表するとよい。試験は、ヒアリングの 部と筆記の部に分けて行なう。読解力、筆記力、聴解力の3技能がテストでき るように配慮しながら問題を作成するとよい。発話力を同時にテストすること は、グループ学習の場では不可能なので、それは各授業で問答方式で行なうと よい。ミニクイズは、その日の学習事項の理解度をテストするとよい。例えば 文型を応用した「短文聞き取り」や「質問による応答」などを書き取らせる。 ミニクイズの直後にとなりの学生と答案用紙を交換させて、その場でお互いに 採点させ合うのも相互理解・協力精神を養ない学習の刺激になる。宿題は、い まやっている学習の説明になるようなもので、ところどころ復習的なものを入 れて変化を与えるようにする。学生にとって、宿題は明瞭で、完全に理解でき なければならないので口で言うよりも、板書するか、プリントにして渡した方 がよい。 全学期の帆CoursePlan〃を説明した後で不明な点があれば、質問に答える ようにする。授業でわからなかったことや個人的な悩みごとなどに応えていく ために、オフィスアワーを設けてカウセリングをやる必要もある。緊急時の相 談を受けるために、自宅の電話を利用することもあろう。たとえ自分自身の悩 みや問題は、自分で解決しなくてはならないことであっても、教師は学生の悩 みなどを真剣に聞いてやることのできるよき相談相手にならなければならない。 また、教師は毎回、その日のレッスンプランを作り、それを目安に授業を進 めていくとよい。次は、第1課と第2課の学習が終わったと仮定して、第3課 の対話のレッスンプランの一例を示す。(必要な視聴覚教材は、前もって準備 しておく) -195-
A. B. 1. 2. 3. 4. 5. "Dialogue"
A bliefe review of Lesson 2.
Introduction to .Lesson 3.
New words and phrases.
Play V. T. R. on the dialogue of Lesson 3.
Introduction of the dialogue by instructo.r.
Choral repetition after the instructor.
Individual repetition after the instructor.
6. Role play.
(a) Dialogue between insttuctor and students.
(b) Dialogue between students
C. Drills and Exercises of new pattern sentences.
1. Repetition drill.
2. Substitution drill.
3. Sentence Expansion drill.
4. Question and Answer drill.
5. Particle-checking drill.
D. Aural-Oral Mini Quiz.
1. Sentence dictation.
2. Question and Answer.
E. Assignments.
1. Copy the useful Expressions and Dialogue In Lesson 4.
2. Listen to the recorded tape on LessoI\ 4 several times.
3. Practice the Dialogue in Lesson 4 loudly.
-196-次のシラバスは、沖縄大学教養英語Iにおいて前期と後期に実際に使用した ものである。 TIIEUNlVERSITYOFOKlNAWA 正冒、Ⅱ~J<三三1-Ⅱ≦三ZnI TBrml(APriI24~July17,1991) TcxtbooI《:AI,ICI〕VANBUREN,胆LL-SlIPkELASIoortColor馬einEnglishCouw⑧rsaLion, rlcInillan,1988Instructors:、「.’〕iBwnE・DieIoneIt&IIosllinNakamura 、Eu.(098)885-2982(lIomC);(098)854-2953(1M.9.1ル209) SYLL八BUS PAGIiSTOCOVER A盤lQuuEuZ三面翅 4〃24【](pp・L9)PARTIII(p・10)を筆記体で写本こ 27日(pUD、10-11)01「itGadia「yinFnglish(10行以内で) 5〃1日(pp、12‐15)HakeyourweekIycla$sscloedul⑧ 8m(1)p・’620)a~Iまでの質1111と答えを餅きなさい(p-29) 11日(pP、21-23)a~kなでの質NIIと答えを爵きなさい(p、23) 15日(「DP、24-26)WriteLikes&DislikesmboutyourfmuuiIy l8曰(pp、28-3DCreaLeaconversaLion(p、31) 22日(pp-32-34)CreateaconvezFsaLion(p、34) 25日(pp、35-39)C「巳ateaconversaLion(p、33) 29口(pp、40-42)FilIinthemissinginrormaLion(p、42) 6ノjlEl(pp-43-d5)IOrit⑧adia「y「 5日(81918』l賦駿)/HIDTERHEXAPllNATION(pp、1~45) 8口(pp、46-49)CreihU⑥compliluBcnOsBnnd「espongBcs(p・Jl2) 12m(pp-50-52)HriLealDouLyourIDirthdny(p、52) 15口(pP53-58)HriteadiaTy l9n(pp-53-64)(luestionsandハnsw⑧「gBonprices(P-64) 22日(pp、65-69)Hrit⑯adiary 26曰(pp、70-72)N「itcadiary 29日(pp、73-75)HriLeadijTy 7m3口(pp、7680)八Bの中力、ら1つ週んで会鐇を作る(P、80) 6口(pp、81-85)lと2をクラスで行う(p、85) 10日(pp、86-89)C「eateaconvcrsation(p、89) 13日(pp、90-95)NOASSlGIWIIiNTS1StudyfqDryourIixams、 71117口(iii1列l期末8式験)/I8INALEXArllNATION puE-腿lllu ハpril27 Hayl 8 11 15 18 22 25 23 JunCI 5 25929 11122 July3 6 10 13 -197-
(2nd Semester: October 1991 - February 1992)
INSllIUCTOIIS: Ms, Jane Sutter' lIoshin Nakamura (Office Phone 1I098-8S4-29S3)
SYLLABUS
'I1,XTIIOOK: '/lEJ.I.-SPOKEN. A Short Course in Engl ish Conversation. Macmi Ilan language 1I0use.
Class# (JAYS PAGES UNITS. TOPICS. ACTIV[TIES ASSIGNMENTS/Composition
I Oct I I - II Uni t I: Introduction. Greetings. etc. Family
2 4 12 - IS Unit 2: The '/leather The Weather ofMy Hometown
3 8 16 - 20 Unit 3: The Campus Why I Am Majori ng in
--4 IS 21 - 23 Uni t 4: Part I: Asking' Answering Q MyTrip to
-S 18 24 - 26 Unit 4: Part II: WlI-Questions Why I Study in College
6 22 21 - 29 Unit 4: Part III: Tag Quest ions
I
What I think about the pictureI
on p.211 2S 30 - 31 Unit 4: Part IV: Asking for Repetition lbe Train
8 29 32 - 34 Unit 4: Part V: Asking for I.ang. Inf What I think about English
9 Nov I 35 - 31 Unit S: Part I: Telep~oneCalls
I
Why Is ATelep~one Necessary?10 S 38 - 39 Unit S: Part [I: The Wrong Number Getting A Wrong Call
II 8 40 - 42 Unit S: Part III: Telephone Messages A Telephone Card
12 12 43 - 4S Uni t 6: Excuses • Apologies One Day I Droke A
-13 IS 46 - 49 Uni t 1: Part I • Part II: Grati tude' COIlpl illlents/STUDY FOR EXAM
14 26 (I - 49) MIDTERM EXAMINATION. rJ:llllljX~ Good Luckl
IS 29 SO - S2 Unit 8: Part I: Dates The Days ofMy Eng. Exu.
16 Ilec 3 S3 - S8 Unit 8": Part II: TiIllC 110. I Spend tilDe on Sunday
11 6 S9 - 64 Unit 9: Counting' Quantitie
I
The Second BuiIlding of Okidai18 10 6S - 69 Unit 10: Part I • Part II: Attention' Warning
I
Typhoon Warnings19 13 10 - 12 Unit 10: Part III: Showing Interest I Alii Interested in
-20 11 13 - 1S Unit II: Part I: Requests May I Use Your
- -
?21 Jan 1. 92 16 - 80 Unit II: Part II • III: I Would Like to Study
22 10 81 - 83 Unit 12: Part I: Likes My Favorite
23 14 84 - 85 Unit 12: Part II: Dislikes I lIate
-24 11 86 - 89 Unit 13: Part I: Plans/Reservations I Want to Take A Trip to_
2S 21 90 - 92 Unit 13: Part II: Sightseeing The Place I Want to Stay
26 24 93 - 9S Unit 13: Part III : Accomodations STUDY FORTIlE FINAL EXAM,
21 28 (SO - 9S) FINAL EXAMINATION. 1ljJ;~1X~ Good Luckl
-198-教師の資格を持っている者は、専門分野においては深い知識を持っているで
あろう。しかし、いかにすぐれた学問的研究業績を挙げても、また、いかに立派なレッスンプランを作成しても学生にとってよき教師であり、わかりやすい
よい講義をするとは限らない。私は、つい最近、あるホテルのロビーで大学生
らしい二人の女性による次のような会話を耳にした。 A:「もう単位は全部とれた?」 B:「うん、殆んどとれたが英語がだめなの。」 A:「どうして?」B:「先生がいやなんだ。しょっちゅうおこってばかりいて、そのうえ何を
言っているかさっぱり。勉強する気になんかなれやしない。英語なんか
なければいいのに。」A:「そう。私の英語の先生は、やさしい基礎からやったのでとてもわかり
やすかったわよ・先生もすてきだったし、授業もおもしろかったし、勉強も
苦にならなかったわ。」学生に人気のある教師や授業法には、どうも共通したものがあるようである。
ささいな事だと思われるかもしれないがその幾つかを次に挙げてみよう。
(1)自分の担当科目に十分な知識を持ち、学生のどんな質問もこころよく受け入れ、
わかりやすく説明してくれろ。 (2)わからないところは、はっきり「わからないのでこの次の私の宿題にしよう」 と約束する。 (3)おこりっぽくなく、授業中も時々、ユーモアを交えて話す。 (4)学生一人ひとりの感I盾や問題に敏速に対応する。 (5)授業のスタイル、ゼスチャー、話し方などに変化があっておもしろい。 (6)話すとき、学生に背を向けず、-人ひとりに語りかけるように目を見ながら 話す。 (7)抽象的なものも、学生が理解できるように身近かな例を挙げて説明する。 (8)板書した文字が、うしろの席からも読みやすくわかりやすい。 (9)実習、展示物、映画、VTRなどを活用して変化をつけろ。 ⑩その日の講義の要点をわかりやすく板書する。 -199-⑪講義の終わりに、重要ポイントを要約してくれろ。 ⑫レポートや宿題や試験をすみやかに採点して返してくれる。 03授業以外でも気軽に相談に応じてくれる。 以上は、学習過程の段階と教師の心得について述べてきた。結局、教師は担
当科目の学問的研究を深め、学生にとって学習意欲がわくような環境を物心両
面から整えていかなければならない。 おわりに この論文では、「音声と音声教育」、「読解指導(語彙と文法)」、「待遇 表現」、「日本語教授法」、「教授法と教師心得」を中心に述べてきた。それ は、日本語教育のどく-部であり、ここでは触れることができなかった試験問 題の作成、評価、問題点の分析、これからの課題などにも注意を払っていかねばならない。又、日本の政治、歴史、地理、文化、宗教、その他、世界の動きな
どにも常日頃から関心を持ち、国際理解にもつとめていかねばならない。常に学
問を愛し、その研究者の卵である学生を愛し、ヒューマニズムに基づいた教育
理念を持った教師であるように努めなければならない。学問は学習者の為に、
学習者は知識と智恵と技能をもって人類の平和と幸福の為に貢献していかなけ
ればならない。日本語教育も他の学問と同様に学習者である人間を抜きにして は考えられないのである。 -200-留学生数の推移等(各年5月1日現在) ■学生■■ (人) 0000-0000000000000000 000000000000000 505050505050505 0520752 7520752711 3 9 3 822221I 54 63平塵元2(年) 1.外国政府派西■学生は、中国、マレーシア及びインドネシアの各国政府 頭迩留学生である。 2・昭和57年までは、大学、短期大学のみ。昭和58年からは、大学、短期大 学と高等専門学校(3~5年次)、専修学校(専門騨程)の合計。 3.平成2年度の内灰:大学院レベル12.383人 学部レベル(短大含む)16.177人 専修学校(専門廊種)12.574人 江東専門学校213人 資料:大学審護会ニュースNo.91991年8月(P・3D -201-
曰曲ⅡH砥 ヨ、p46。 lDIq.,p・“ ̄ EII狸々イムミ j91年10月13日、p2 991年6月18日、、4 参エラ>と岡ス 1)大学審議会 2)文化庁:I 。)す〃序・「 19-199 文化庁:|外国人のための日本語読本 文化庁:「話し言葉」、大蔵省印刷后 小栗敬三:「英語音声学」、篠崎書材 中修:「日本語の音絹レアクセン 初級)、大屑 984崖_ JH9壬 ]
(6)「日本語大辞典」、公団社、1991年。 (7)文化庁:「日本語教授法の諸問題」、大蔵省印刷局、1984年。 (8)文化庁:「日本語の特色」、大蔵省印刷局、1984年。