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組織変革マネジメントの再考 : 環境適応志向の組織変革マネジメントへの問題提起

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Academic year: 2021

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(1)組織変革マネジメントの再考 環境適応志向の組織変革マネジメントへの問題提起. 山. 徹. 岡. た変革の対象を決めるにあたって重要な役割を Ⅰ. はじめに. 組織にとって外部環境に適応することは,長 期的な存続を図るうえでの必要条件とされる.. 果たす要素とは何だろうか.さらに組織を変革 するにあたってはどのようなプロセスを踏むべ きなのだろうか. 上記の現状認識と問題意識に立脚して,本. 特に外部環境の変化スピードや複雑性の増大が 著しい現代を生きる組織にとって,環境適応の. 論では「なぜ組織を変えるのか?」. 「組織の何. 問題は最も重要な経営課題のひとつといえるだ. を変えるのか?」. ろう.そして組織が環境適応を図るための手段. か?」という3つの基本テーマについて考察し,. のひとつとして組織変革は位置づけられる.す なわち,組織における分業体制や意思決定プロ. 組織変革マネジメントの新たな理論モデルを提. 「組織をどのように変えるの. 示することを議論の目的とする.. セスなどを再構築することによって,より環境適 合的な組織づくりがそこでは志向されている1).. Ⅰ. 組織変革の目的と必要性:「なぜ変えるのか?」. 境を正確に分析することは容易ではない.仮に. 1.環境適応の手段としての組織変革 組織とは,そこに人々が参加し,共通の目的. 正確な分析ができたとしても,その環境分析に. を達成するために互いの活動を調整しあう協働. 基づいて組織の何を変革すればよいのかを決定 するのも実は単純な問題ではない.そこには組. の場である,同時に,組織とは自らを取り巻く 外部環境の多様な利害関係者と何かしらの経営. 織内部の諸要素間で,あるいは外部環境と組織. 資源を取引しあうことによって,自らの活動を. との間で,相互関係や因果関係が複雑に入り組. 存続させる環境適応の主体でもある.換言すれ. んでいるからである.さらに変革の対象を決定. ば,組織とはそこに参加する人々の意思決定や. したとしても,組織を再構築する取り組みには非 常に大きな労力と時間がかかる.にもかかわらず,. 活動の方向性を束ねるクローズド・システムと. 環境の変化するスピードは,細織を再構築する. 対しては,組織の成果を維持・増大させるべく. スピードを遥かに上回ることが一般的である.. 外部環境-の適応を追求するオープン・システ. しかしながら,変化と複雑性に富んだ外部環. 以上の基本認識は,環境適応を志向する組織. しての側面をもつと同時に,外部環境の変化に. ムとしての側面を併せ持っている.. 変革の試みや,その種の組織変革を唱える組織. したがって,組織がその活動を長期的に存続. 変革論が,実務面および理論面で非常に大きな. させていくためには,外部環境の変化に適合す. 困難に直面していることを示唆している.それ. るように,組織の分業体制や意思決定プロセス,. ではこのような状況下で,そもそも組織変革を 行う必要性,目的とはいったい何だろうか.ま. 人事制度,組織文化などを適宜見直し,より大 きな成果をあげられるようにそれらを変革して.

(2) 2. (2). 横浜国際社会科学研究. 第11巻第1号(2006年7月). いくことが求められる.このように組織の長期 的な繁栄と衰退を方向づける最も重要な経営課. 活動を有効にリードする組織マネジメントカが. 題のひとつとして,組織変革に関する課題は位. で頓挫する可能性が高い.これらの条件が満た. 置づけられるだろう.特に近年の企業組織を取. されない場合,組織変革の取り組みは,かつて. り巻く環境は,変化のスピードや流動化の度合. は強みだった組織の経営資源を消耗させ,組織. なければ,組織変革の取り組みはプロセス半ば. いを強めており,競争のグローバル化や技術革 新の加速,労働人口の多様化,国内市場の成熟. の寿命をかえって癌める手段となりかねない.. 化,規制緩和の進展など,外部環境の変化は多. 外的でないことは,数多く報告されている組織. 様化と複雑化の一途をたどっている.そしてこ. 変革の失敗事例2)からも明らかであり,このよ. の傾向は,結果として,組織にとって変革のも. うな変革不全とも呼べる状況を組織にもたらす. つ重要性をますます高めている.. 要因について議論することには,紅織変革の有. そして,このような事態に陥る組織が決して例. 効性を高めるうえで意義あることであろう, 2.組織変革は万能薬か? このように組織を長期的に存続させるために 不可欠な手段として,組織変革の取り組みは一. 3.変革不全をもたらす2つの要因 組織が変革不全と呼べる事態に陥る要因とし. 般に位置づけられるわけだが,しかしながら,. ては,以下の2つの要因が代表例として考えら. 「長期的な存続のために組織は自らを変革すべ. れる.ひとつは,組織の進路を将来にわたって. きである」という命題は果たして自明のものだ. 見極めるべきトップ・マネジメントの戦略ビ. ろうか.すなわち,環境の変化に合わせて組織. ジョンが欠如している場合であり,もうひとつ. を変革することは,あまねく組織の長期的な存. は,変革活動を有効にリードするための変革プ. 続に寄与するのだろうか.. ロセス・マネジメントが軽視されている場合で. というのも,実際に組織変革を計画し実行す るためには,多くの時間やエネルギー,場合に よっては非常に大きな消耗を組織に課すことに. ある,. (1)トップによる戦略ビジョンの欠如 トップ・マネジメントによる戦略ビジョンと. なる.したがって,長期的に温存すべき経営資. は,環境変化と組織の経営資源の相互作用を将. 源を,組織変革によって過剰に消耗した結果,. 来にわたって見極め,そのうえで「組織を変革. かえって組織の衰退を速めるといったことが起. するか否か」を決断する際に必要とされるトッ. きても何ら不思議ではない.道に,たとえ環境. プとしての特性である3).組織変革に関する議. が変化しても「合わせない」. 請では,. 「変わらない」スタ. ンスを堅持したほうが,自らの強みである中核 的な経営資源を温存できる可能性もあるだろう.. 「変える」ことによってもたらされる. 利益ばかりが注目される傾向があるが,. 「変え. る」ことによって生じうる損失,さらには「変. 指摘するまでもないかもしれないが,しばし. わらない」ことによってもたらされうる利益と. ば見落とされがちなのは,組織変革が組織に対. 損失についても同時に考慮に入れつつ,トップ. して将来的にもたらす存続可能性が実現するの. は組織の進路を見極める必要がある.. は,変革の取り組みが時機や的を射たものであ り,かつ変革の取り組みが組織において適切に. さらに,もし変えるとするならば,組織の 「何を変えるのか」 「どの程度変えるのか」を見. リードされた場合に限られるという認識である.. 極める際にも,トップ・マネジメントの戦略ビ. 言い換えれば,外部環境における変化と組織と. ジョンが不可欠である.たとえば,同業他社を. の適合性・不適合性を将来的にわたって見極め. 単に模倣して流行の組織変革の取り組みを導入. る戦略的な視野と,そこから導き出される変革. するならば,その組織はトップの戦略的な見極.

(3) 組織変革マネジメントの再考(山岡). めが機能していないといえるだろう.確かに,. (3). この議論をさらに大きな観点から捉えなおす. 企業組織は外部の同業他社との競争圧力にさら. ならば,前者のトップの戦略ビジョンとはオー. されており,他社の戦略の動向を把握する必要. プン・システムとしての組織を導く能力であ. はあるが,しかしながら,それと他社を安易に 模倣する行為は別次元の問題である.. り,後者の変革プロセス・マネジメントとはク. また変革対象の決定については,. 「何を変え. ローズド・システムとしての組織を導く能力で あるといえる.それらのいずれかが欠如し,ま. 「変える. た両者が有効に統合されないならば,組織変革. るのか」という見極めだけではなく,. べきでないものは何か」を考慮に入れる必要が ある.また変革の程度についても, 「どの程度 まで変えるのか」という判断と同時に,. 「この一. 3. の取り組みは組織の存続可能性にとってむしろ 有害な手段となりうる危険性があることを本論 を始めるにあたって最初に提起したい.. 線を越えては絶対に変えない」という変革への 基本的な構えを固めることが,組織変革のもつ 意義や影響を明確にするうえで有効であろう. (2)変革プロセス・マネジメントの軽視 変革活動を有効にリードするための変革プロ セス・マネジメントとは,. 「いかにして組織変. 革を進めるか」に関わる問題である. トップ・マネジメントや変革プロジェクト・. Ⅱ. 組織変革の対象:. 「何を変えるのか?」. 1.組織変革の対象の唾昧さ 経営環境の変化に直面し,組織変革の必要性 に迫られている組織にとって,まず対処すべき 課題とは「組織の何を変えるのか?」という変 革対象の選択に関する問題であろう5).ここで 変革対象の選択をあえて問題視するのは,. 「組. チームがいかに優れた変革プランを立案したと. 織」という用語と同様に,. しても,それが有効に実行されなければ,それ. 用語がしばしば暖味な意味合いをもって語られ. は絵に描いた餅に過ぎない.変革の取り組みが. る用語だからである.たとえば,. 組織の成果として実を結ぶためには,究極的に. 織変革を断行した」と語られる場合,それは営. は,変革の担い手である一人ひとりの組織成員. 業部門と製造部門の統合といった分業体制の見. が従来の思考パターンや行動パターンから脱却. 直しを指す場合もあれば,組織階層をフラット. し,変革ビジョンが指し示す方向に自らを変革. 化して意思決定プロセスを短くするための取り. する必要がある4).. 組みを指す場合もある.また不採算分野の事業. しかしながら,この変革プロセスには様々な. 「組織変革」という 「わが社は組. 部から成長分野の事業部-の人員の配置転換を. 抵抗や困難が伴うため,変革プロセスが自動的. 意味する場合もあれば,社員の業績評価制度の. に望ましい方向に進行することは一般にありえ. 見直しを指している場合もあるだろう.このよ. ない.すなわち,組織変革を有効に機能させる. うに組織変革という言葉は多様な意味において. 必要条件として,変革プロセスのマネジメント. 使われるが,このことは組織変革が多様な変革. が重要な役割を果たすことになる.道に言えば,. 対象を含意していることを示している.. 変革プロセスのマネジメントが軽視されるなら. ば,その組織変革はプロセス半ばで大きな困難 に直面するだろう.. 当然のことながら,これらの変革対象のうち 組織の何を変革するのかという選択は,それぞ れの組織が直面している個別の経営課題を反 映するかたちでなされるわけだが,しかしなが. 以上の議論では,組織変革を有効に機能さ. ら,この選択の問題はそう単純ではない.ある. せるための必要条件に関して,トップの戦略ビ. ケースを具体的に考えてみよう.いまメーカー. ジョンと変革プロセス・マネジメントの重要性. A社では市場の成熟化という問題に直面して. について言及してきた.. いる.従来,当社の総売上の約3割を占めてき.

(4) 4. (4). 横浜国際社会科学研究. 第11巻第1号(2006年7月). た中核製品の売り上げが,ここ数年来,減少こ. く,外部環境と組織の相互作用を「将来にわたっ. そしていないものの伸び悩みの兆候をみせ始め. て」見極めるトップ・マネジメントの戦略的な. ている.同種の製品を取り扱う同業他社の売上. ビジョンが介在している点を忘れてはならない. の動向も概ね同じような状況であり,当該製品. だろう.その意味では,組織変革において何を. の市場成長率の鈍化の兆候が統計指標にも見受 けられるようになった.. 変革するのかという選択は,組織が現在直面し. ではこのような外部環境の変化に対して,組 織の長期的な存続を図るべく,. ている外部環境の変化に適応するかたちで行わ れるというよりも,むしろ将来の外部環境と組. A社は組織の. 織との相互作用を見極めるトップの戦略ビジョ. いったい何を変革すべきなのだろうか?この製 品の市場成長率が鈍化しつつあるなかで持続的. ンに基づいて行われると理解すべきである.そ. な成長を実現するためには,既存市場での製品. 外部環境下において特定の環境変化を同様に認. シェアの拡大を最優先すべきであるとA社が. 知したとしても,各企業の選択する組織変革の. 判断するならば,たとえば,社内の分業体制を. 対象が異なる理由を説明している.. 見直して営業部門と製造部門を統合すること. してこのような認識は,複数の企業が類似した. さらに言うならば,組織変革が長期的な組織. によって,顧客の要望にライバル他社よりもス ピーディーに対応できる組織づくりに取り組む. の成果として実を結ぶか否かは,このトップに よる戦略ビジョンに依存しているところが大き. かもしれない.一方,その製品分野の技術開発. 「製品 い.具体的には上記のケースにおいて, 市場の成熟化の兆候」という現在の外部環境変. 力をさらに高めることで技術革新を起こし,そ の製品市場の規模拡大と再活性化をA社が模 索するならば,技術開発部門の組織階層をフ. 化に対して,分業体制の見直しで対応するか,. ラット化して,創造的な技術開発を支援するよ うな意思決定プロセスの再構築を目指すかもし. 部の人員の再配置を行うか,これらの優先順位. れない.他方,その製品市場の将来的な衰退を. ており,またその選択に組織の将来的な成果も 依存しているといえるだろう.. 早めに見極めて,当該事業部の人員の一部を他. 意思決定プロセスの再構築に取り組むか,事業 に関する選択はトップの戦略ビジョンに依存し. それでは,トップ・マネジメントが優れた戦. の成長分野の事業部に配置転換することで,む しろ成長事業の育成に注力するという選択肢も. 略ビジョンを持ち合わせている組織は,細織変. あるだろう.そしてこれらの取り組みのすべて. 革の対象を的確に選択することを通じて,永. が,本小節の目頭で取り上げた組織変革の多様. 続的に存続することができるのだろうか?言い. なケースにそれぞれ該当することは言うまでも. 換えれば,優れた先見の明をもつトップに恵ま. ないだろう.. れ,組織変革に成功した組織は長期的な繁栄を 享受することができるのだろうか?もしそう. 2.トップによる戦略ビジョンの介在 「市場成長率の鈍 ここで注目すべき点とは,. ならば,組織変革の成功を通じて,業界のリー. 化」という外部環境変化を認知できたとしても,. が,同じトップの下で数年後には業績不振に陥. 想定される組織変革の対象は一意的に決まるわ けではなく,またどの選択肢が組織にとって将. るケースがしばしば見受けられるのはなぜだろ うか?. 来的に最も大きな利益をもたらすかは極めて. 3.戦略ビジョンに依存する組織変革のジレンマ. 不確実な状況下にあるという事実である.すな わち,組織変革の対象を選択するという行為に は,. 「現在」の外部環境変化の認知だけではな. ダー企業として最も高い業績を誇っていた企業. ここにトップの戦略ビジョンに成果を依存す る組織変革のジレンマがある.トップの戟略ビ ジョンとは,生来的なものにせよ,過去の事業.

(5) 組織変革マネジメントの再考(山岡). (5). 5. における成功や失敗体験の学習から形成された. う組織変革のジレンマをこのケースは示唆して. ものにせよ,一定の志向性(事業に対する価値. いる8).. 観や信念,使命感など)に依拠していることが. このような認識は,変化の激しい経営環境下 では,現在の組織変革の成功度合いが大きけれ. 一般的である6).. 上述のA社のケースに即して言えば,不確. ば大きいほど,将来にわたる成功の可能性が阻. 実な意思決定の環境下におかれているトップ・. 害されることを意味しており,現在の環境変化. マネジメントにとって,ライバル他社とのシェ. に過剰に適応すること自体が,将来の環境変化. ア争いを志向するか,既存市場の規模拡大・再 活性化を志向するか,衰退事業の縮小と成長事. への適応可能性を阻害することを示唆するもの である9).. 業の育成を志向するかの選択は,客観的なデー. 以上の議論をまとめると,組織における変革. タに基づく合理的な意思決定というよりも,む. 対象の選択は,現時点で組織が直面している環. しろ過去の経験から学んだ事業観や個人的な価. 境変化の認知だけでなく,外部環境と組織と. 値観などの介在によるところが大きいだろう. この場合,トップの戦略ビジョンが組織に大き. の将来にわたる相互作用を見極めるトップの戦 略ビジョンが介在することで規定される.した. な成功をもたらせばもたらすほど,その戦略ビ. がって,同じ環境変化に直面する類似した組織. ジョンがもつ一定の志向性は必然的に強化され. であっても,組織変革の対象の選択は組織に. ざるをえない.. よって異なることになる.その意味で,トップ. たとえば,上述のA社のケースにおいてトッ. プ・マネジメントが自らの事業観(例:「粘り. の戦略ビジョンは組織の長期的な存続にとって 決定的な影響を及ぼしている.しかしながら,. 強さが勝利をもたらす」)に基づき,既存の成. 同時に,トップの戦略ビジョンに依存する組織. 熟市場の再活性化を追求したとしよう,その結. 変革は,組織に過剰な適合性をもたらす危険性. 莱,技術開発部門の意思決定プロセスの再構築. をはらんでおり,その適合性が組織の将来にわ. を通じて,技術革新を起こすことに成功し,革. たる存続をむしろ阻害するように作用しうると. 新的な新製品を当該市場に投入することで,市. いうジレンマに直面している.. 場の規模拡大・再活性化に成功したとしよう. この場合,トップはこの成功を通じて,. 「成熟. 4.組織に意図的な不適合状態をつくりだす. 市場からは撤退せず,粘り強く再活性化に取り. 上記の議論を踏まえたうえで,組織が将来に. 組むべし」という成功の方程式-の固執を一層. わたって存続すべく組織変革の対象を選択する. 強めることになるだろう.同時に,組織全体と. にあたって留意すべき点とは何だろうか.ここ. しても上記の成功の方程式を学習することを通. で特に強調したいのは,組織変革の対象は現在. じて,より大きな成果を追求するようになる.. の外部環境と不適応を起こしている分業体制や 意思決定プロセス,人事制度だけではなく,む. その結果として,. A社では引き続き,新規事業. の開拓よりも既存の成熟市場の再活性化に対し. しろ現在の外部環境に過剰適応を示している組. て重点的に経営資源が投入されるにいたる7).. 織の諸要素であるという認識である.以下では. この場合,組織変革の取り雑みが功を奏し,現. この認識の妥当性について考察しよう.. 在の組織が大きな利益を享受すればするほど,. 繰り返しになるが,本来的に,トップの戦略. ビジョンとは将来にわたる外部環境と組織との. A社は既存事業の再活性化の成功に縛られて, 新規事業の開拓に出遅れることになる.その間. 相互作用を見極める視野を意味している.トッ. にA社はライバル他社との新規事業開拓競争. プの視野は現在ではなく未来に対して開かれる. で将来的に決定的な差をつけられてしまうとい. べきものである.その特質を具体的な例で考え.

(6) 6. (6). てみよう.たとえば,. 横浜国際社会科学研究. 第11巻第1号(2006年7月). 的には構造やプロセスなどを相互に適合させる. A社のトップが5年後. の戦略ビジョンを措き,そのビジョンに基づい. 必要がある.逆に言えば,外部適応や内部統合. て分業体制の見直しを現時点で実行したとしよ. に失敗した組織は長期的な存続が困難となる.. う.この場合,組織変革によって編成された組. しかしその一方で,内的にも外的にも過剰な適. 織構造は,現在の外部環境には必ずしも適合し. 合状態に陥った組織もまた,一時的に大きな繁. ていない点に注目すべきである.というのも,. 栄を経て,その繁栄ゆえに,いずれ来るべき環. 現時点で採用された分業体制は5年後の外部環. 境変化に対応できず存続不能となる.その意味. 境を想定して編成されたものだからである.時. 間が経過し,分業体制を見直した2年後には,. では,長期にわたり存続している組織とは,不 適合と過剰適合を両極にもつ軸線上を絶えず往. トップの戦略ビジョンが示した方向性と外部環. 復運動している運動体として見なすことができ. 境との適合度が高まりはじめ,また組織内部の. るだろう.すなわち,過剰適合の域に達しつつ. 諸要素間の適合度も高まったことで業績が向上. ある組織では,トップの将来ビジョンに基づい. し始め,. 3年後には業績の大幅な向上というか. た組織変革に着手することよって,現時点での. たちで組織変革の成果が顕在化したとしよう.. 適合性が意図的に下げられる.そして時間の経. この時点でトップが着眼すべき点とは,ひと. 過とともに組織の適合性が再び過剰域に近づく と,新たな組織変革が着手され,再び不適合に. つは組織内部の諸要素間の適合性,および組織 と外部環境との適合性の度合いであり,もうひ. 近い状態が組織内では意図的に作り出されるプ. とつは来るべき5年間の将来ビジョンの方向性. ロセスである.. である.仮に,現在の好業績に貢献している分 業体制を維持し続ければ,少なくとも今後1-. このように考えると組織変革の本質的な目的 「現在の組織に意図 とは,逆説的なようだが,. 2年間はさらなる好業績を期待できるかもしれ. 的な不適合状態をつくりだすこと」であるとい. ない.しかしその選択は同時に,組織内部の. える.上記のケースでもあてはまるように,長. 諸要素間の適合性や,組織の外部環境に対する. 期的な存続を図るために組織変革では常に意図. 適合性が過剰な水準に入る危険性もはらんでい. 的な不適合状態が作り出される点に注目すべき. る.そこで,現在の分業体制が生み出しうる利. である.. 益のすべてを享受するのを待たずして,. A社. このように将来にわたり長期的に存続するた. では以前の組織変革から4-5年経った時点で,. めに,外部環境に対して「適応しつつ適応しな. なお好業績を維持しつつも新たな組織変革に着 手するかもしれない.なおこの組織変革は来る. い動態的なスタンス」が組織には求められる, そして組織変革は,不適合と過剰適合の両極間. べき5年後の変革ビジョンに方向づけられたも. で往復運動をする組織の動態を司る役割を果た. のである.. しているというのが本論の主張である.すなわ. このケースにおいて特徴的なのは,組織が内. ち,長期的に存続する組織はこの種の動態を不. 的にも外的にも最大限に適合することを意図的. 断に経験しているのではないか,またそのよう. に避けている点である.かつてトップが戟略ビ. な組織の動態こそが,組織に長期的な存続をも. ジョンとして描いた青写真が現実のものとなる. たらす役割を果たしているのではないかと本論. 一歩手前のところで新たな組織変革に着手して いる.このことは組織にとっての適合問題を考 察するうえで示唆に富んでいる.すなわち,餐. では考えている.. 化の激しい環境下で組織が将来にわたって存続. 1.変革プロセス・マネジメントの重要性 前節では,組織変革における変革対象の選択. するためには,外的には外部環境に適応し,内. Ⅳ. 組織変革のプロセス:「どのように変えるのか?」.

(7) 組織変革マネジメントの再考(山岡). (7). 7. に対して,トップの戦略ビジョンが果たす役割. 般的に言って,大きな既得権益をもつ部門や個. について考察した.組織変革の成否を決めるう えで, 「組織の何を変革するのか?」という変. 人は,すでに組織内で重要な意思決定権限や発 言権を制度的にもっている場合が多いことを考. 革対象の選択問題がもつ重要性については既に. え合わせると,いかにして組織変革プロセスを. 指摘したとおりであるが,これにも増して重要. 有効に進めていくかという組織マネジメントの問. な意味をもつのが「組織をどのように変えるの. 題がもつ重みと難しさが推察できる11).. か?」という変革プロセス・マネジメントの問. このように,組織には現状維持の力が強力に. 題である.以下では,変革プロセス・マネジメ. 作用していることが一般的である.その現状維. ントの重要性についてまず最初に確認しよう. 「組織を変革する」ということは,直接的に. 持の力を,変革を促進する組織的な力へと転化. は,組織構造や組織プロセス,人事制度などの. 使命であり役割である12).組織成員が現状維持. 変革を意味する.しかしながら,たとえば組織. から脱却し,新たな変革の取り組みに主体的に. における分業体制を組織図のうえで変えたとし. 取り組むこと,そのような変草への主体的な取. ても,組織成員の思考や行動パターンが従来の ままであるとしたらどうだろう?この場合,当. り組みが数多くの組織成員や部門に波及するこ と,そして一連の変革の取り組みが組織に定着. 然のことながら,組織としてのアウトプット(た. すること,これらのハードルをクリアすること. とえば技術開発の成果や生産効率,品質,顧客. が変革プロセス・マネジメントに課せられた課. 満足度など)の向上は期待できないであろう.. 題であり,これらをクリアすることなしに組織. むしろ組織変革のために経営資源が浪費された. 変革に大きな成果を期待することはできないだ. と捉えるならば,その組織変革は経営にとって. ろう.. させることが,変革プロセス・マネジメントの. 有害な結果をもたらすことにもなりかねない.. 組織が人間の協働行為によって成り立ち,そ. このように考えると,組織変革の究極の目的と. の協働行為によって組織の成果が決まること,. は,組織構造や組織プロセスを変えることとい うよりも,むしろそこに参加している組織成員. ゆえに組織変革の究極の目的がその成員の変革. の思考や行動パターンを変革することに力点が 置かれるべきであることが理解できるだろう.. て組織変革を導入し,実行し,定着させていく. にあるという共通理解に立つならば,いかにし. しかしながら,組織における人間の思考や行. のか,その変革プロセスをいかにマネジするの かという問題が,組織変革の実質的な有効性を. 動パターンを変えることには大きな困難を伴うこ. 高めるうえで非常に重要な意味合いをもってい. とは常識的な観点からも明らかである.一般的な. ることが理解できるだろう,. 特性として人間は安定性や一貫性を求め,変化 を嫌う心理特性をもっている10).特にその変革. 2.変革プロセス・マネジメントの概要 それでは組織変革の有効性を高めるために. が自らに対して利益をもたらさない場合,その変 革に自発的にコミットする人間は稀であろう.く. は,どのようなプロセスを踏むことが望ましい. わえて組織に参加する人間は,様々な利害関係. のだろうか.以下では,変革プロセス・モデル. のネットワークに埋め込まれるかたちで協働して. の代表的な先行研究の概略について説明するこ. いることが一般的である.この場合,組織変革. ととする.. 後に享受できる権益が現状よりも縮小したり不. (1) Lewinの変革プロセス・モデル. 確実であるならば,既存の組織構造から大きな. Lewin. (1951)は変革のプロセスに関する議論 のなかで, ①解凍(un freezing) ②移行(moving). 既得権益を享受している部門や個人から,組織 変革は積極的な抵抗にあうことになるだろう.. -. ④再凍結(refreezing)の3段階から構成される.

(8) 8. (8). 横浜国際社会科学研究. 第11巻第1号(2006年7月). 変革プロセス・モデルを提示した.まず第1段. 階を重視した点にあると言えるだろう.このモ. 階の「解凍」段階とは,これまで身につけてき. デルにおいて「解凍」段階の重要性が前提とす. た行動パターンや正しいと信じてきた信念が必. るのは,組織成員は容易には変わらないという. ずしも望ましくなく,何らかの変革が必要であ. 基本認識であり,また「再凍結」段階の重要性. ることを組織成員に認識させることに重点をお. が前提するのは,組織成員は仮に変わっても容. く段階である.続く「移行」段階とは,新たに. 易に元の習慣に戻るという基本認識である.さ. 身につけるべき行動パターンや価値観などを組. らにこれらの基本認識を通底する大前提とし. 織成員に身につけさせることに注力する段階で. て,組織では現状維持の力が支配的であり,そ. あり,最後の「再凍結」段階とは,新しい行動. れは組織変革を抑制する力として作用するとの. パターンや価値観を組織成員に定着させるため. 基本理解があるといえる.. の段階である.. (2) Kotterの変革プロセス・モデル. 一般的に言って,組織変革という言葉から最 も想起されやすいのは「移行」段階であろう.. ー方, Rotter (1996)は組織の変革プロセス右 8段階に分けて,変革プロセスの各段階ごとに 発揮されるべきリーダーシップについて詳細な. しかしながら,. 「移行」段階において組織成員に. 新たな行動パターンや価値観を主体的に身につ. 議論を展開している.以下では,彼の変革プロ. けさせるためには,その前段階として彼らに現. セス・モデルに依拠しつつ,関連する先行研究. 状の問題点を理解させ納得させる必要がある13).. にも言及しながら,議論を進めることとする.. にもかかわらず,もし仮に「解凍」段階を経ずに,. まず変革プロセスの第1段階は,雑織に危機 意識を生み出す段階である.たとえば組織の規. いきなり「移行」段階から組織変革に着手した ならばどうなるであろう.この場合,組織成員. 模が大きい場合,分業体制の下で働く個々の組. は新しい行動パターンや価値観の必要性を理解. 織成員にとって,組織全体が陥りつつある危機. できていないため,その受け入れを拒否したり, あるいは表面上だけで受け入れるふりをする危. は認識しづらい状況にある.そのほかにも,外 部からのフィードバックが不足していたり,莱. 険性がある.もしそうなれば,組織変革はプロ. 績目標基準の設定が低すぎたりt. セス半ばで頓挫するか,実質的な効果を上げら. 好ましくない情報を無視する選択的知覚15)が. れないままプロセスを終えることになるだろう.. 働くなどして,組織成員は現状満足に陥りやす. その意味で,組織変革の導入にとって「解凍」. い.組織変革に着手するにあたっては,まず最 初にこれらの現状満足を組織から排除し,変革. 段階は非常に大きな意義をもっている. また「移行」段階において,新しい行動パター ンや価値観を一度身につけたとしても,組織成 員がそれを将来にわたって安定的に持ち続ける とは限らない.というのも,彼らにとっては, 従来身につけてきた行動パターンや価値観の下. 組織にとって. の必要性を訴えるプロセスが不可欠である. 第2段階は,変革を立案・推進するための連 帯チームを編成する段階である.組織変革は トップ・マネジメントひとりだけで立案・推進. で決定および行動したほうが,少なくとも短期. できるものではない.特に今日の組織変革に関 する意思決定は,新戦略の導入や事業部の統廃. 的には,支払うべき各種の負担が少なくて済み,. 合など,大規模かつ複雑な問題を対象としてお. 享受できる便益も大きいからである.それゆえ. り,また不確実な環境下でより迅速な意思決定. 変革-の取り組みの定着を図る「再凍結」段階. が求められている.したがって,各部門の多様. が重要な役割と果たすことになる14).. な人材により編成された変革のためのプロジェ. このように,. Lewin(1951)の変革プロセス・ 「解凍」および「再凍結」段 モデルの意義は,. クト・チームの果たす役割の重要性がこの段階 では強調される16)..

(9) 組織変革マネジメントの再考(山岡). 第3投階は,変革の方向性を示す変革ビジョ. (9). ンと戦略を具体化するプロセスである.すぐれ. ステムの不備であったり,旧態依然の上司が変 革を妨害することもあるだろう.そのような変. た変革ビジョンに備わる特徴としては,目指す. 草の阻害要因に立ち向かい,組織変革を現場レ. べき将来の姿がはっきり示されており,また組 織の利害関係者たちが期待する長期的な利益に. ベルで推進するためのサポートを行うことがこ. 9. 訴えるものである必要がある.さらに現実的で. の投階の目的となる18). 第6段階は,変革-の取り組みを通じて短期. 達成可能であり,組織成員に対して伝えやすい. 的な成果を上げる段階である.変革への取り組. ものであり,また組織成員の意思決定のガイド. みを開始したできるだけ早い段階で,組織変革. ラインとしての役割も期待される.変革ビジョ. が生んだ短期的な成果を明らかに示すことに. ンの果たす役割とは,将来にわたる組織の進路 を明らかにすることによって,対内的には組織. よって,変革の妥当性や信頼性を強化したり, 経営幹部を変革の見方につけたり,変革を批判. 成員の行動や意思決定の方向性を束ねるととも. する勢力の勢いを削ぐことができる19).また短. にモラールの向上を図るところにある.また対 外的には,組織の戦略の方向性を示すことに. 期的成果をあげることで,今まで傍観していた. よって,組織と外部環境との将来的な関係のあ. 積極的支援者に転換することができ,それが変. り方を多様な利害関係者に表明することを意味. 革の勢いを維持することにつながる.. する.この.段階でもトップ・マネジメントと連 帯チームによる協働が必要とされる. 第4段階は変革ビジョンを組織成員に周知徹. 組織成員を変革支援者に,また消極的支援者を. 第7段階は,変革の成果を利用して,組織の より広い範囲に変革の動きを波及させることに 注力する段階である.変革の波及があえて問題. 底する段階である.組織とは本来,日常的な業. として取り上げられるのは,変革の動きが組織. 務を効率的かつ安定的に処理するためにその構. 内の局所的な動きに止まってしまう危険性が. 造が設計されており,組織変革に取り組むため. 往々にしてあるからである.その根拠としては,. に設計されているわけではない.そのため大多. 変革に反対する多様な勢力による妨害20)とい. 数の組織成員にとっては,日常業務への従事こ. うこともあろうが,より構造的な問題としては. そが彼らの責務である.そのため組織成員間で. 組織内における相互依存性の問題が指摘されて. は,トップの訴える変革ビジョンの内容やその. いる.すなわち,組織は相互に依存し合う諸々. 意義についてまで十分に理解しようとする意識 が希薄であったり,そのための物理的余裕がな. の部門から構成されている.ノ仮に外部環境の変 化が緩慢であれば,組織における各部門は一定. かったりする場合が多い.しかしながら,変革. 程度の自律性をもって,各自の部門活動に専念. の意義やそれが将来的に目指している到達点を 組織成員が共有していなければ,その組織変革. することができる.しかしながら,今日のよう. は部門や個人ごとに方向性を失ったものとなる. 環境下においては,より迅速,より低コスト,. であろう.したがって,変革ビジョンを組織成. より顧客満足度の高い経営が組織には求められ. 員に周知徹底することが重要な意味をもつ.. ており,そのために各部門間では緊密な連携が. 第5段階は,特に変革を担う下位の組織成員. に外部環境の変化スピードや複雑性が増大する. 不可欠となっている.このような流れは,部門. に対してエンパワーメントを図る段階である.. 間の相互依存性の飛躍的な増大をもたらしてお. 現場において組織成員が実際に変革活動を推進. り,結果として,組織変革の波及を阻害するよ. するにあたっては,様々な障害が存在する.そ. うに作用している.というのも,ひとつの部門. の障害とは,組織の構造的慣性17)であったり, 人材の能力不足であったり,人事制度や情報シ. における変革-の取り組みが,その部門と相互 依存関係をもつすべての部門の業務道営に対し.

(10) 10. (10). 横浜国際社会科学研究. 第11巻第1号(2006年7月). て,即座に大きな影響を及ぼすからである.こ. 態(問題の発生)を出発点とし,安定した適応. の場合,たとえばひとつの部門の業務を見直す. 状態の実現(問題の解決)を到達点とする単線. ことは,その他すべての部門の業務の見直しを 伴うことを意味するため,そのための労力や混. 的な変草プロセスが想定されている.たとえば,. 乱リスクを避けるべく,組織における変革の動. 現状への危機意識を喚起することであり,ゴー. きは局所的なレベルで封じ込められやすい21) 変革の波及に関わるこのような構造的問題に対. ルは変革の成果を細織文化として定着させるこ とである.一方, Lewin(1951)の議論において. 処するのがこの段階の目的である.. も,現在の状態から目標とされる状態-の単線. 第8段階は,変革の成果を細織文化として定. Kotter. (1996)の変革プロセス・モデルの起点は. 的なプロセスを前提として,変革推進力と変革. 着させる段階である.言い換えれば,既存の組. 抵抗力との葛藤が議論される,しかしながら,. 織文化を変革する段階ともいえる.この組織文. 第Ⅲ節で考察したように,外部環境-の不適. 化を変革する段階をもって,一連の変革プロセ. 合と過剰適合を両極とする軸線上で,組織変革. スは最終段階を迎える.組織構造や組織プロセ. を媒介として不断の往復運動を繰り返す運動体. スなどの他の変革対象と比較して,組織成員間. として組織を捉えるならば,変革プロセスのこ. で共有される価値観などに代表される組織文化. の種の動態を単線的な変草プロセス・モデルで. は非常に捉えづらく,そのため変革しづらい対. 説明することはできない.. 象であるといえる22).また組織文化は,組織. 確かに,組織変革の目的のひとつには「組織. において共有される基本的な前提を意味するた. の不適合状態を解消すること」フう言合まれるが,. め,外部環境の変化に対しても安定的であり,. しかしながら,他方では過剰適合をさけるため. その意味でも変革困難な性質をもっている.し. に「組織に意図的な不適合状態をうみだすこと」 もまた組織変革の重要な目的である.その意味. かしながら,逆に考えれば,変革の成果を組織 文化として組織に着実に根づかせることができ たならば,一連の紐織変革の取り組みによって,. では,紡織は適応しつつ適応しないことが常に 求められるわけで,それらの目的を果たすため. 組織は安定した成果を享受することができるよ. に不断のプロセスをリードし続けることが組織. うになると考えられる23).. 変革の果たすべき役割であると本論では考え る.単線的なプロセス・モデルに依拠するかぎ. 3.変革プロセス・モデルの重大な問題点 以上では,代表的な変革プロセス・モデルの 概要について見てきたわけだが,これらのモデ. ルにはどのような問題点が存在しているのだろ うか.本論において考察してきた変革ビジョン や組織変革の目的に関する議論に依拠しつつ, これらの変革プロセス・モデルを再検討すると き,これらのモデルの基礎をなす前提に重大な 問題点が内在していることに気づかされる.以. り,そのような組織変革の意義を理解できない. (2)変革の最終的なゴールとして組織の過剰適 合状態を志向している 上記の単線的な変革プロセスの前提は,派生 的にその他の問題も生じさせている.. これらのモデルは,組織変革の最終ゴールと して,変革の成果を文化や習慣として組織に念 入りに定着させることを強調する点で共通して. 下では,それらの問題点について指摘すること. いる.このような主張の背景には,変革のゴー ルである到達点から組織が後退したり逸脱した. とする.. りしないように,その到達点に組織を念入りに. (1)組織変革を単線的なプロセスとして想定し. 固定させなければならないという暗黙の前提が. ている. これらのモデルでは,外部環境-の不適応状. あるように考えられる. 確かに,適応すべき外部環境が今後さらに変.

(11) (ll). 組織変革マネジメントの再考(山岡). 化しないのであれば,今回の変革の成果を文化. 「1回きり」の解決策を提示しているといえる. として組織に定着させることは,組織の長期的. かもしれない.. な存続にとって有効であろう.しかしながら,. ll. しかしながら,外部環境の変化が不断のもの. ある時点での変革の成果を文化として念入りに. であるという前提に立つならば,組織変革のプ. 組織に定着させることで,将来生じるであろう 環境変化の際に,その組織文化自体が新たな変. ロセスもまた不断のプロセスである.この点に おいて, 「1回きり」の組織変革の有効性を追. 革の対象となるだろうことは想像に難くない.. 求する単線プロセス・モデルの議論には,将来. また現在の変革の成果を組織文化として念入り. にわたる外部環境の変化についての認識に不備. に定着させればさせるほど,新たな構造的慣性. があるといわざるを得ない.. を生み,来るべき将来の組織変革は困難を極め Ⅴ. ることになるだろう. このように考えると,これらのモデルが志向. 結びにかえて. 本論では,組織変革マネジメントにおいて,. する変革の最終的なゴールは,組織を過剰適合. 特に変革ビジョンと変革プロセス・マネジメン. 状態に陥らせる危険性をはらんでおり,その状. トの果たす役割の重要性を中心に考察を進めて. 態が組織にもたらす弊害については考慮されて. きた.. 組織変革に着手するにあたり,特に外部環. いない.. (3)適応すべき環境が今後さらに変化する可能 性を無視している. 上記の問題の背景として,単線プロセス・モ. 境の変化スピードや複雑性が増大する条件下で は,外部環境と組織との将来にわたる相互作用 を見極めたトップの変革ビジョンが,変革対象 を決定するうえで決定的な役割を果たしている. デルでは,適応すべき外部環境が今後さらに変 化する可能性を考慮に入れていない点を指摘す. 点,およびトップの変革ビジョンに依存するが. ることができる.. ゆえに組織変革が直面するジレンマについて,. 変革の成果を文化として念入りに組織に定 着させることは,. 「今回の環境変化」に対応し. また変革ビジョンによって組織に意図的に不適 合状態をつくり出すことの意義について議論を. た「今回の組織変革」を完遂するという観点だ. 展開した.そこでは組織変革の目的として,外. けから見れば,有効な方策かもしれないが,莱. 部環境に適応しつつ適応しない組織づくりの重. るべき環境変化-の組織の適応性を考慮に入れ. 要性が強調された.. れば,必ずしも有効な方策ではないだろう.そ. また組織変革における究極の変革対象は人間. の意味で,単線プロセス・モデルに措かれてい. であることを強調したうえで,変革プロセスの. る変革プロセスはあたかも,適応すべき外部環 境が写真のように静止しており,その外部環境. マネジメントがもつ意義について指摘した.さ らに変革プロセス・マネジメントの既存研究の. に永続的に適応する組織づくりを志向している 「今回の組織変革」 ようにも見える.要するに,. 批判的な検討を通じて,変革プロセス・マネジ. が目指す到達点のその先に続く変革プロセスが 全く考慮されていないのである.. メントを単線的なプロセスとして捉えることが もたらす弊害について指摘した. これらの議論に通底する基本認識とは,組織. このように単線プロセス・モデルが提示する 組織変革は, 「今回の環境変化」と「今回の組. 組織変革を媒介として不断の往復連動を繰り返. 織変革」にとっては有効な処方隻であっても,. す運動体であるとの組織観である.長期的に存. 「将来の環境変化」と「将来の組織変革」にとっ. 続する組織は,この動態を不断に経験している. てはむしろ弊害の種となりうるような,言わば. と本論では考えている.道に言えば,この動態. とは不適合と過剰適合を両極にもつ軸線上で,.

(12) 12. (12). 横浜国際社会科学研究. 第11巻第1号(2006年7月). こそが組織に長期的な存続をもたらす役割を果 たしているというのが本論の主張である.この ような動態的な組織観に基づいて組織変革マネ ジメントを再考することにより,組織変革マネジ メントの新たな理論モデルを本論では提示した.. 注 1) Miles&Snow(1984)は,戦略,構造,マネジ メントプロセスの適合度合いによって組織の成 果が規定される点を議論した.具体的には,上 記の諸要素が互いにうまく適合していなければ 組織の成果は低レベルなものとなり,逆に外部 環境や組織内部の諸要素間でタイトな適合性が 実現されることによって,組織は安定した成果 を継続的に生むことができる点が強調された. 2)たとえば,組織変革の失敗に関するケース・ スタディをまとめた『こんな経営手法はいらな 2000年)など. い』 (日経BP社, 3) Baden-Fuller and Stop ford (1992)では,トップ・ マネジメントが組織変革で発揮すべき能力とし て,将来構想力の重要性を強調している.具体 的には,トップの将来構想力が組織内部の経営 資源の更新を促進する原動力となり,同時に, 成熟化した市場を再活性化させる原動力となる 点について指摘している. 4)変革とは新しい思考や行動パターンを導入す ることであると同時に,従来の習慣や関係など と決別することを意味している.その意味で, 特に変革プロセスの起点で,変革推進者は新た に導入するものの価値や利益ばかりを強調する のではなく,組織成員が今まで慣れ親しんでき た習慣などとの決別の手続きを入念に行う必要 がある. Bridges(1980)は,人生の転機におけ る混乱や苦悩に満ちた時機を「中立国」と呼ん だ.過去との決別を済ませ,新たな試みを受け 入れるための心の整理を行う中立圏を経ること によって,その後の新たなプロセスを進むこと が可能となる.その意味では組織変革において も,変革推進者が変革プロセスの起点で過去と の決別を明確に表明し,組織成員に周知徹底す る手続きを踏むことが意義をもつ. 5) Beitler(2003)は,組織変革のターゲットに関 する議論のなかで,以下の6つのプロセスを変 革ターゲットとして挙げている. (1)戦略的計画 /目標設定(2)リーダーシップ(3)意思決定/問 題解決(4)コミュニケーション・パターン(5)コ ンフリクト・マネジメント(6)組織学習. 6) Bennis(1989)は,リーダーシップに求められる 基本要素として以下の6つを挙げている. (1)導. きとなるビジョン, (2)情熱, (3)高潔さ, (4)信頼, (5)好奇心, (6)大胆さ.上記の要素はリーダーの 内面や資質に注目する価値的なものである.特. に先行きの見通しが悪い不確実な環境下で組織 の将来の方向性を束ねる局面では,トップ・マネ ジメントの価値的な特性が重要な役割を果たす. 7)トップ・マネジメントが価値観や規範,事業 観などに関してもつ一定の志向性が組織レベル で共有化される場合,その志向性は組織文化と しての側面をもつにいたる. Shein(1985)は組 織文化の定義に関する議論のなかで, 「私の議 論では, 『文化』という言葉は,組織のメンバー によって共有され,無意識のうちに機能し,し かも組織が自分自身とその環境をどうみるか を,基本的で『当然のこととみなされた』方法 で定義するような『基本的仮定』や『信念』」 (邦訳p,10)であると述べた.さらにその形成 プロセスに関しては, 「これらの仮定や信念は, 外部環境での生き残りという問題や内部統合と いう問題に対応して学習されたものである」(邦 訳p.10)と述べている. 8)この種の現象は,過去の成功体験から導き出 された教訓を組織レベルで学習した結果であ る.組織学習の先駆的な論者であるArgyris Sch6n(1978)によると,何らかの問題が提示さ れた場合,一般に解として模索されるのは新た な戦略であるが,その探索はその時点で支配的 な特定の目標や計画t 価値,規範のもとで行わ れるとされる.すなわち,所与の目標の下で既 存の戦略の修正が繰り返される.この種の学習 はシングル・ループ学習と呼ばれる.一方,問 題に直面した際のもうひとつの反応は,支配的 な変数自体の有効性に疑いの目を向け精査する ことである.このプロセスでは,組織の基礎を なす規範や方針,目標の修正を伴う.この種の 学習はダブル・ループ学習と呼ばれ,組織にお. &. いて支配的な目標や戦略,それらの成果に関す る枠組み自体の転換をもたらすとされる.ダブ ル・ループ学習とは,急速に変化する不確実な 環境下で意思決定を行う際に特に必要とされる 学習プロセスである. 9). Weick (1979)は,内部と外部の焦点間のトレー ドオフに関する議論のなかで, 「適応すること (p.135)と によって適応能力が妨げられる」. 述べている.. 10) Cialdini (1988=ま,人間の意思決定がいかに して誘導されるのか,さらに他者からいかにし て承諾を引き出すのかに関して体系的かつ精赦 な議論を展開している.そのなかのコミットメ ントに関する議論なかで,人間は日常生活の複 雑な意思決定の問題を簡便に解決する方法とし て,当該の問題に対する自分の立場をはっきり させ,機械的に一貫してそれに固執することに.

(13) 組織変革マネジメントの再考(山岡) 大きな満足感を得る点を指摘している.人間が この種の一貫性に固執する理由は, 「一貫性こ そ,論理性,合理性,安定性,そして誠実さの 核心をなすもの」 (邦訳p.74)と一般に考えら れていることや,あらゆる意思決定のたびに常 に考え続けることの苦労から逃れるためでもあ り,また「理路整然と考えた結果,望んでいな い答えがいまいましいくらいはっきりとしてし まうことがあるため」 (邦訳p.75)でもある. それらの結果として,人間は「堅固な一貫性と いう要塞の壁の中に閉じ寵もって,理性に攻撃 されても頑として受け入れないでいられる」(邦 訳p. 75).組織変革は過去との一貫性を断つ側 面をもつが,組織成員が一貫性のコミットメン トに支配されている場合,組織変革が彼らにも たらす利益を強く訴えても,彼らを動かすこと はできない.このように現状へのコミットメン トは組織変革の手ごわい対象となる. ll)組織におけるコンフリクトは必ずしも組織に 負の影響を与えるだけではない. Heffron (1989) は「コンフリクトは現状維持に異議を申し立て るものであり,利害関係を刺激するものである. それは個人および社会における変化と創造性, 革新のルーツである.コンフリクトによって, 新たなアイディアや問題解決アプローチ,ひい ては革新が促進される」 (p. 185)と述べている. この考え方を組織変革にも応用して,現状維持 を図ろうとする勢力とのコンフリクトを組織変革 の推進力として逆に利用するという方策もある. 12) Lewin(1951)は,変革プロセスに関する議論 において,現状維持を維持し変革を抑制しよう とする力(restraining force),と現状を変革し ようとする力(driving force)との間で生じる 葛藤プロセスとして変革プロセスを描いている. Oechsler, 13) Schreyoegg, and Waechter (1995) において,組織文化の変化は,伝統的な解釈や 行動パターンはもはや成功しないという難局に 対する反応として生じることが一般的であると される. &Dean 14) Goodman (1982)は,組織における変 化の制度化に関する議論のなかで,変革の「再 凍.結」を成功に導く制度化プロセスの特徴とし (1)社会化:変革 て,以下の5点を指摘した. の実行にあたっては,組織成員-の訓練を通じ て,新たな行動や規範,価値が移転されなけれ ばならない. (2)コミットメント:人々は新た な行動を自由かつ公に選べることが望ましい. (3)報酬の配分:内的・外的報酬が望ましい新 たな行動とリンクしていなければならない. (4) 拡散・伝播:対立する規範や価値に抗して組織 全体に広がる力をもたなければならない. (5) 検出と修正:望ましい行動からの逸脱を感知し, 修正の活動をおこすことが必要である.. (13). 13. 15) Ⅲellriegel, et al. (1998)は,人間の知覚プロセ スに関する議論において,人間は五感を通じて 環境から得た刺激をすべて受け入れるわけでは ないとの前提に立ち,五感で受け入れた刺激の うち,意識するものとしないものを区別する知 覚選択化プロセス,および選択化された個々の 刺激を体系化する知覚体制化プロセス,さらに 体制化された刺激に対して解釈をあたえるプロ セスを構成要素とする知覚プロセス・モデルを 提示した. 16)組織では近年,チーム構造を利用して仕事を 遂行することが多くなっている.その意味で, チーム・マネジメントの重要性が高まりつつあ るわけだが, Beitler(2003)はチーム・タイプ の違いによって適合するタスクが異なる点を強 調したうえで,考慮すべきチームのタイプとし (1)創 て以下の3つのタイプを指摘している. 造的チーム:ブレインストーミングによる新た な可能性やアイディアの探索を行う. (2)戦術 チーム:明確に定義されたプランの実行に責任 をもつ. (3)意思決定チーム:データ収集,分析, 意思決定に責任をもつ. 17)構造的慣性(structuralinerda)とは,組織の 環境適応能力や適応的な柔軟性を制約する構造 & Freeman 的な特性を意味する. Hannan (1984) によると,構造的慣性は組織の規模や年齢が増 すほどに強化される, 18)組織変革の勢いを維持するために変革リー Cummings ダーがなすべき活動について, and Worley (2001)は以下の5つの活動を指摘した. (1)変革にリソースを供給する. (2)変革推進者 に対するサポート体制を構築する. (3)新たな (4)新た コンビテンシーとスキルを開発する. な行動を補強する. (5)困難に負けず最後まで やり通す. 19)変革プロセスを効果的に導くために,組織内 部に変革支援者を拡大するための政治的スキル が変革推進者には必要とされる.組織内部の協 Beer 力者を開拓するための手段として, (1980) は以下の5つの手段に言及している. (1)コン ピテンスを実際に示す. (2)キーとなるパワー 保持者との多様な関係を開拓する. (3)多様な トップレベルのスポンサーを獲得する, (4)初 期の成功で信頼を獲得する. (5)価値あるリソー スを支配する. (6)グループの支持を目指して 努力する. 20)変革に抵抗する勢力に対し有効に対処する ためには,各種の抵抗勢力のタイプを識別す Hambrick ることが必要である. and Cannella (1989)は,抵抗の種類を区別する議論において, 抵抗を(1)盲目的な抵抗, (2)政治的な抵抗, (3) イデオロギー上の抵抗に類別した. 21)このような論点のほかにも, Hickson et al. (1971).

(14) 14. 横浜国際社会科学研究. (14). 第11巻第1号(2006年7月). は組織を相互依存的な部門から構成される部門 間システムと捉えたうえで,各部門のもつ影響 力が何によってもたらされるのか,すなわち部 門パワーの源泉に関する議論を展開した.ここ で部門がもつパワーの大きさは,部門活動の有 ②代替性の低さ, する①不確実性の縮減能力, ⑨ワークフローにおける中心性,によって規定 される.このように部門間における相互依存関 係は,パワー関係を部門間に生み出すため,そ の構造的な関係のあり方を変革するには政治的 な意味での困難を伴う. 22)組織において暗黙のうちに共有されている同 意や前提については,議論の対象とすること すら困難である場合が多い.この点に関して Ⅲarvey (1974)は,暗黙の同意については議論 しないという同意が基底に存在しており,この 種の同意を表面化させ,行動に向けてマネジで きるようにすることが極めて重要である点を指 摘している. & Mishra Freeman, (1991)は,級 23) Cameron, 織変革の有効性と組織文化に関する議論のなか で,組織変革の取り組みを有効なものにするた めには,改善された戦略を文化面での変革に埋 め込む必要がある点に言及している.. (社会行動研究会訳, 『影響力の武器:なぜ人 は動かされるのか』,誠信書房, 1991年) Cummings, T. G. & Worley, C. G. (2001) Organization OH: Goodman,. P. &. term. D.. Hambrick, Strategy. C., &. Sch6n,. Learning:. A. Reading,. Theory. Hannan,. C.. &. Rejuvenating Competitive Beer,. M.. Practitioner York:. NY:. W.. Press. (1989). F.. Becoming. ダーになる』,新潮社, W. (1980) Transitions:. の転機』,創元社, K. S.,Freeman, Practices. Managing Management. Cialdini, R. B. 2nd. ed". (芝山幹郎訳, 1992年). in White-collar Contradictions,. Executive,. 5. (3),pp・. A. K. R. W.. 57-73・. (1988)InjluenceI Science IL: Scott,. Foresman. and. andPractice, Company.. of. The. organizational. Prentice. (1998). organizational. South-Western D.. C, R". Woodman, 8th. C. A., Schneck,. (1971) A. Strategic. of Intraorganizational. Power,. Science. Lewin,. Administrative. ed・,. Publishing.. Lee,. ∫.M.. Pennings,. &. Behavior,. College. J.,Hinings,. &. Hall.. Jr.,∫.W.,. Contingencies'Theory. Quarterly,. 16,. 216-229. K.. New R.. (1951). Field. Theory. York:. Harper. &. E.. Snow,. C. C.. & 26. Science,. (1984). Fit, Failure. of Fame, CallforniaManagement 10-28. (3),pp,. G.,. (1995) E.. in Social. Row.. Hall. the. and. Shein,. (1991). Paradox:. organization. D., Slocum,. Wiesbaden,. Academy. Abilene. NJ:. River,. 『リー. Downsizing:. American. 149-164.. Saddle Hellriegel,. H.. Addison-Wesley.. 1994年) S. i & Mishra,. (2),pp.. Theory and Public Upper The Political Connection,. New. Sense. Making. 3. Organizations:. Schreyoegg, Leader,. a. and. Executive,. Change,. 49. 『こんな経営手法は. 日経ビジネス編集部編(2000) いらない』日経BP社.. Practitioner. ofLlfe's (% 『トランジション:人生. MA:. 光修,小林哲郎訳,. Best. Organizational. NC:. (1989). Jr. (1989). Substance. of Agreement, 3 (1),pp. 63180.. Dynamics,. Review,. lnternational.. on. Reading,. and. Goodyear・. Review,. Management Heffron,. A.. CA:. J. H. (1984) structural. Freeman,. ∫.B. (1974) The. Ⅱarvey,. A. as. Organizational. and Sociological. Miles,. Change. View, CA:. Addison-Wesley,. changes,. The. Routledge・. strategic. Bridges,. Cameron,. Business:. organization. (2003). (1992). T., &. M.. 2261279,. Management. of. Long-. pp.. Cannella,. 278-285.. lnertia. pp.. ∫. M.. ford,. Greensboro,. Change, Bennis,. Perspective,. Mature. A System. A.. Action. Stop. Challenge,. (1980). M.. organizational. of. the. Development: Beitler,. (1978). C., &. ed". In P. Goodman. in Organization,. Academy. (4),pp.. Hickson,. Addison-Wesley.. MA:. Baden-Fuller,. D,. Change,. lmplementation. Se11ing,. Creating. ∫.(1982). Organizational. R. E. Argyris,. Dean,. (ed.),change Jossey-Bass.. OH:. 参考文献. 7th and Change, College Publishing.. Development. South-Western. H,. Oechsler,. Managing. W" in. Germany:. (1985). a. &. European. Waechter, Context,. Gabler,. Organizational. Culture. and. Jossey-Bass. (清水紀彦,浜 Leadershlb, 田幸雄訳, 『組織文化とリーダーシップ』,ダ イヤモンド社, 1989年) Weick, K E. (1979) The Social Psychology of CA:. Organizing,. 2nd. (遠田雄志訳, 版]』,文英堂,. ed., New. York:. McGraw-Hill.. 『組織化の社会心理学[第2 1997年). とおる [やまおか 横浜国立大学大学院国際社 会科学研究科助教授].

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参照

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